可燃物な日々

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10月14日(金)

 ハイジは、一昨日までに今期の決算見込みを出すように、T部長に言われていて、一昨日も遅くまで残って頑張っていたらしい。私はとっとと先に帰宅しましたが。だって、今週も結局「週6日出勤」になることが確定していたので、あんまし頑張りたくなかったんだもん。

 で、昨日の夕方、部長とハイジと私で、その資料を社長に見せたのだが、社長からは「もっと、こういうのがわかる資料が欲しい」と言われて、私と部長で「ハイジ君、がんばりたまえっ」とエールを送った。
 ハイジは、社長と部長に大プッシュされて、かなりテンションあがりまくっていた。
 地味な仕事だけど、ああいう表を作るのは大変だし、頭のデキはいいハイジは、持ち上げられると、それ以上に能力を発揮するのである。

 で、そのままの勢いで社長と飲みにいってしまいましたとさ。
 なので、今朝の彼は、立派な二日酔いだったのだで、朝からご機嫌不調。
 Sさんも、だんだん慣れてはきたようだ。この間までは、ときどき妙にご機嫌よかったりしていたが、それはただ無理していただけだったので、「ハイジに決算業務を叩き込むのが私の使命」と割り切った私は、「もう、Sさんに気をつかうことはないから。Sさんがそれでダメなら、辞めてもらって構わないし」と啖呵を切ったので、どうやら過剰に「オレに話し掛けるなオーラ」を発しているのである。

 Sさんも息抜きを憶えてきたので、トイレで他のフロアの派遣社員と長話しているし(楽しそうな笑い声が私の席まで聞こえる)、そいうとき、ハイジはこっそりK嬢やM嬢のところに擦り寄って、彼なりにリフレッシュしているようだ。
 なんか、社内恋愛が崩壊した後のカップルのような気まずさが漂っているけど、こういうのって、何がきっかけで打ち解けるかもわかんないしね。
 私だって、ハイジのご機嫌にはずいぶん振り回されたけど、慣れてしまえば「こんなもんか」と思うし、時々ムっとすることもあるけど、でも、今は彼も、「ミヤノさんから仕事を教えてもらわないと」と意気込んでいるせいもあって、あたりがソフトである。
 私にしても、彼に頑張ってもらわないといけないので、けっこう下手に出てるし、それに、クララがいなくなったことで、ハイジも仕事の話ができるのは私だけだし、それに、私が彼の能力を高く評価しているのと同じように、向こうも私のことを高く買ってくれているのであろう。

 そんで、能力的には対等というか、ハイジのほうがやや上であるが、「経験」では10歳年上の私にブがあるわけだし、「単純作業が苦手で、入力ミスも多いし、多少の誤差は『ま、いっか』で大ざっぱな私」と、私が一日ちんたらとやってしまう仕事をガガガっと2時間で終らせる集中力に優れているハイジであるが、それゆえに、細かいことにこだわりがちなので、彼が煮詰っているときには、私が「そーんなの、どーでもいーじゃん」と言ってあげると、昔はそういうのを信用してくれなかったが、だんだんとハイジも「結果オーライ」なやり方を学んできたんだと思う。

 さて、ハイジはSさんを苦手としているが、なにがどう苦手なのか自分でもよくわかってないようである。
 私は「ダメな場合」には、「なにがどうダメなのか」をじっくり考えて、自分なりに納得しないと気がすまないらしい。てゆーか、それを分析して、「だから向こうが悪い。私は悪くない」と納得したいのであろう。

 今まで気がついたことは、「見た目が落ち着いた感じで、しっかりと自分の意志を持ってそうなのに、実は中味はただのギャルという落差」とか「たいしたことじゃないのに、まるで会社の受付にヤクザが押しかけてきたかのように深刻に聞いてくる」という、「言ってる内容と表情がマッチしてない」というあたりだった。
 前にも書いたけど、そのせいで、本人は緊張しているだけなのに、なんかイライラしている雰囲気になるのが、身近にいる人にはキツいのだ。

 そして、彼女が気軽に「おつかれさま〜」と言えるような「お友達」を着々と増やしてきたら、もう一つ気がついた。人によって喋る態度が違うのである。
 もちろん、誰だってそうだ。特に仕事上では、タメグチでいける同僚と、敬語を使う上司と、来客などは、違う対応をしているはずだ。

 でも、Sさんの場合には無意識に使い分けすぎなんである。
 前にも、ソリが合わなかった同僚ギャルも、そういうタイプであった。同期の仲良しには「○○ち〜ん、おっは〜」とご機嫌よくキャピキャピしているが、私には妙に態度が硬かった。来客や電話には過剰にきちんとやるのだが、内部の「気の置けない人以外」には、冷たい対応しかできなかった。

 あんまり見ていて気持ちのいいものではなかったが、でも長年観察しているうちに、別に意地悪でそうしているわけではなく、緊張しているだけらしいことに気がついた。要するに人見知りしているのである。
 Sさんもどうやらその系統らしい。
 仲良しとは、かなり女の子っぽく「○○なんですよね〜、うふふ」と、オホホ、オホホと楽しそうに笑いながら会話できるが、(またその笑い声がデカいのでちょっと気に触る。マリーアントワネットの高笑いみたいなのだ)上司や他部署の男性相手(私も上司に分類されてるみたい)になると、しかめっつら&小声&早口でまくしたてるので、なんかストレスを感じるのだ。たぶんお互いに。

 Mちゃんは、ついに「お友達」に認定されたようで、Mちゃんが荷物を運んでいたりすると「あ、お手伝いしますよ〜〜」「大丈夫だよ」「いいえ〜、やりますって〜」「じゃあ、これ持ってくれる?ありがと、ふふ」「オホホホホ、いいんですよ、オホホホ〜」「ありがと、助かったよ、ふふ?」「いんですよ、オホホホホ〜」と、わたくし的には、目の前で恐ろしいものが展開されている気分になるのだが、女の子ってあんなもんなんだろうか?

 とてもじゃないが、ああいう会話はできないので、なるべくつけこまれないように、私もガードを固めてしまい、必要最低限しか話し掛けられなくなってしまった。
 なので、私に対してはヒソヒソ&早口&眉間に皺で「社長に○○さんからお電話があったんですが、外出中なので、メモを残しておけばいいんでしょうか?」と聞いてくる。

 私にはよくわからないが、他の社員も「社長に伝言メモを置いておくのは失礼かも」と思う人もいるようで、なるべく戻ったときに口頭で、というのがマナーなんだろうか?
 でも、口頭だと、こっちも忘れてしまいそうだし、外出先から戻っても、すぐにまた出かけてしまったり、来客があったりするので、言うタイミングを逃すよりは、メモを残しておいて、社長が戻ったのに気がついたら「メモを残しましたが・・・」と口頭で説明すれば、マナー違反ではないと思うんだけどなあ。

 それはいいんだけど、私に対しても、「お友達」に話すように、ちゃんと普通の声で「これでいいんですかね〜」と明るく聞いてもらえれば、こっちも妙に気構えなくていいのによ〜

 だいたい、電話を取り次いでくれても、席の近くまで来て言ってくれるのはいいが、小声で言う必要はないだろう。親類から電話がかかってきたら、私も気をつかって、小声で「○○さん、おうちの方からお電話ですが」って言うけどよ。

 まあ、そういう人なので、「パっと見よりも、相当気の小さい子なんだな」と私はわかったけど、ハイジにはよくわからんだろうな。そう言ってやったら「そうなの?」と驚いていたし。
 たぶん、ああいう人は、ある瞬間から「あ、この人たちには気を使わなくていいんだ」とパっと開けると、急に順調になったりするんだと思う。

 それまで会社にいるかどうかわからないが(笑)

 そういえば、今度はTBSが騒動に巻き込まれているようです。
 フジテレビのワイドショーが「TBSさんの報道・・・・なんだかやり難そうです」と言うのが、とても可笑しい。
 でも「TBSの報道の姿勢が問われるのでは?」なんて、よく言えるよなあ(笑)

 でも、フジテレビの複雑な心境のほうが興味深いので、そっちばっかりチェックしてますが。

 みんなが言ってるので、私があらためて言うこともないが、ホリエモンがプロ野球にアタックして、バッシングされた隙に楽天が参入し、今度はテレビ局かよ。ミキタニ社長、次は選挙に出馬か?というのは、誰もが思うことらしい。
 でも、やっぱしなんか、ライブドアと楽天が影でチームを組んでいるような気がしてならないけど、天然だとしたら、すごいよね。ヤンチャで生意気そうなホリエモンがかき回す→しばらくして、なんとなく沈静化→楽天参入。で、ホリエモンがかき回したから、「楽天だったら落ち着いているし大丈夫か」って雰囲気になるんだよね。

 で、よくよく考えてみると、「ライブドアVSフジテレビ」の騒動が、どう鎮静化したのか、全然憶えてない。
 アメリカがイラクに侵攻したときに「そういえば、父ブッシュのころの湾岸戦争ってどうなったんだっけ?」と、さっぱり憶えてないことに驚いたが、一般視聴者って、こんなもんですね。

 ワイドショーで「街頭募金するタイゾー議員が大人気」というのもやっていた。
 修学旅行の女子高生に囲まれて、うれしそうだった。女子高生も「ちょー、かっけー」と喜んでいた。

 テレビって、ほんとにこういう「わが世の春」な人が見映えしますね。
 タイゾー人気がいつまで続くかわかんないけど、この人、勘違いして芸能界入りしそうな予感。

 そんで、小泉ジュニアと共演なんかしてみたらどうでしょう。
 「ぼくらは、小泉チルドレンズです」とか、カマしてくれたら面白そう。
 でも、この人には「逆・森田健作」の道が似合いそう。バラエティー番組のオファーも殺到してるだろうな。

 でも、あたくしは「通」ですから(笑)、注目するのはタイゾーの行く末じゃなくて、「武部さんが、これをどのくらい有効活用できるか」っていうほうですよ。
 武部さんといえば、「狂牛騒動のときに牛肉をモリモリ食べていた」っていうのが有名ですが、あの武部さんの、さらなる脱皮のチャンスですよ。

 すでに、タイゾーが「口にチャック」をしたときから、「武部さんて、実力者だったんだ?」という認識をワイドショー視聴者にアピールしました。で、今後もタイゾーをどのくらい「いい商品」としてアピールさせられるかどうかは、武部さんのプロデュース能力にかかっているのです。ワイドショーは「若者をもっと伸び伸びと」なんて言ってやがるが、押さえつけるお目付け役がいてこその「出る杭」です。

 じいやとバカ殿様のキャラを存分に演じてほしいものである。
 でも、本当はやっぱり、森さんに「じいや」をやってほしいなあ。


10月12日(水)

●「わたしのお気に入り」

 ・・・がああああ!という話である。

 その昔、海外旅行に「憧れの・・・」という枕詞がついた頃、いろいろな伝説が飛び交っていました。

 「ヨーロッパに行くと、油が違うのでお腹をこわす」

 まるで「東南アジアは水が不衛生だから、生水を飲むとお腹をこわす」みたいな言われよう。
 私はずっと、そんなこと忘れてたんですが、村山首相がサミットで体調不良になったときに「そっか、老人はオリーブオイルに免疫がないんだ」ということに気がつきました。
 その昔「べに花油」というのも、ダイエット食品でしたよね。あれをスプーンで飲むとお通じがよくなったらしい。

 お父さんが牛乳でお腹がゴロゴロしたように、(ゴロゴロしないのが売りだったアカディってまだあるのかなあ?)昔の日本人はオリーブ油でゴロゴロしていたようです。

 ちなみに私は、よく自炊していたころ、油なんて炒めものにしか使わないから、オリーブ油とゴマ油の小さい瓶で十分でした。その当時、健康診断ではいつも中性脂肪血が異常に低く、「きっと、いい油を使っているせいだろう」と信じていましたが、自炊なんてしなくなり、外食かスーパーのお惣菜かコンビニの惣菜ばかりになって数年経ちますが、いまだに中性脂肪は低いので、どうやら食生活ではなく体質のようです。

 さて、また話が逸れまくってますが、その当時よく語られていたのは「ヨーロッパでは、ワインより水のほうが高い」という伝説でした。

 これも、その当時は意味がよくわからなかった。当時はワインといえば「赤玉」であり、本当のワインなんて飲んだことある人はごく僅かだった。ワインといえば「超高級品」と思われていたのでしょう。というか、フランス料理といえばワインであり、フランス料理というのは、バカ高いという定説があったからです。

 しかし、欧州では、ワインは日常の飲み物であることは知っていたので、「きっと安いんだろう」と思ってました。でも、水より安いって?
 よく「日本人は水と安全はタダだと思っている」と言われてましたので、きっと外国では治安が悪いのと同じくらい水が悪く、飲み水も高いのだろう、と漠然と思っていたわけです。

 実際に、外国に行ってみると、日本の食堂みたいに黙っていてもコップに水が出てくるわけではなく、高いミネラルウォーターが出てきて、「なんじゃ、グラスワインのほうが安いじゃん」というのが本当なことに気がつきました。それに硬水の地域が多いから、水道水飲むと動脈硬化になるとかガイドブックに書いてあったし。

 なぜ「水よりワインのほうが安い」と言われていたのか、やっとわかったころ、日本でもミネラルウォーターが一般的になってきました。

 そういえば、その昔は「食事中に水を飲むのは、カエルと日本人だけ」と言われてましたが、今じゃ、欧米でもミネラルウォーターを飲んでいるほうが、酒飲んでるよりもオシャレというか「ヘルシー志向」でセレブっぽかったりするのでしょう。

 私は時流に逆らって、水よりもビールのほうが好きだし、海外旅行に行っても、水道水を味見してみるのが好きだったりします。なんとなく都市によって味が違うような気がします。
 なので、家にいるときにも、あんましミネラルウォーターは買わない。
 でも、暑いからって、ビールばっか飲んでいると、太る一方なので、夏にはよくミネラルウォーターを買うことがあります。なんだか発作的に。一度買うと、なんだか冷蔵庫になくてはいけないもののような気がして、せっせと買いますが、そのうち飽きて(ってゆーか重いし)、どっちかというとジュースとかアイスコーヒーとか豆乳や、二日酔い対策のアミノ酸飲料などを買うことが多くなるようです。

 そんな「水はタダでいい」という思想だった私が、数年前からハマっているのが「炭酸水」です。

 その昔、20歳のとき初めてフランスに行ったときに、ホテルの水は飲めないかもしれないから(きっと、ガイドブックにもそう書いてあったんだろうね)、スーパーに水を買いにいきました。
 日本でもエビアンやボルビックは出回っていたので、そういうメジャーなものならあるだろうと高をくくっていたのですが、棚いっぱいに色んな種類が並んでいるのに、知ってるものが全くなかったのです。
 たしか、ペリエはあったかも。
 でも、ペリエは炭酸入りってことは有名でしたから(日本でもよく広告していた)パス。

 なにせ初めての海外旅行ですから、事前に5年くらいの歳月をかけて、いろいろ研究してますから、「フランスでは炭酸入りの水がポピュラー」ということはわかっていたので、「さて、どれが炭酸無しだ?」と迷ったけど、そもそもフランス語で炭酸という単語がどういうのかわからんし、いろいろラベルを確認してもよくわからない。
 店員に聞こうにも、いったいどう聞けばいいのかわからんし、そもそも英語でもどう言うのかわからない。

 後で冷静になって考えれば、もっとちゃんと確認する方法があったと思うのですが、そのときは、なにせ初めての海外旅行の初日のパリで舞い上がっていて、全然冷静になれなかったのです。

 しょうがないので、テキトーに「一般的」そうなのを選んで、レジで必死に小銭を出して、ホテルに持って帰ってさっそく試飲してみました。

 げふっ

 超マズかった。炭酸入りでした。大当たり。
 しかも、冷えてない炭酸水のマズさと言ったらもう。
 「水に炭酸」という食感に慣れていないので、とうとう飲めなくて、泣く泣く捨てました。

 それに懲りて、その後は大人しく水道水を飲んでいたような気がする。買うときにはジュースを買っていた。ペプシだったら、絶対に私を裏切らない。

 そのときの「げふっ、なんじゃこりゃ?」な記憶があまりにも大きすぎて、私はペリエですら飲むことはなかったくらい「炭酸水恐怖症」になっていたのでした。

 ペリエを初めて飲んでみたのも、つい最近というか、30歳過ぎてからだと思います。
 そしたら、「甘くないレモン・ソーダ」みたいで、「こりゃ、けっこういける」と気がつきました。コーラやファンタは大好きだし、元々、炭酸飲料が好きなんです。だから、大人になったら、ビール命になりました。

 輸入食材店でも、数年前からガス入り水はよく並ぶようになったので、ためしに飲んでみたら、普通の水よりも好きになって、よく買ってました。「今日は休肝日よ」なときに、ビールの代わりに飲んだり、あと、ガス入り水でお酒割るのもイケる。

 さて、やっと本題です。

 1年くらい前だと思うけど、コンビニにも炭酸入りミネラルウォーターが並ぶようになりました。「ふーん、レモン味か」と思っていたけど、試しに飲んでみたら、風呂上りには丁度よかったので、よく買ってました。最初は気がつかなかったんだけど、それがクリスタルカイザーのシリーズだということに最近やっと気がついたのです。

 会社の同僚も、オフィスでそれを飲んでおり「あ、それ、けっこうハマるよね」なんて話していました。

 ところが、いつのまにかそれが近所のコンビニから姿を消してしまったのです。
 でも、近所のスーパーには置いてあったので、わざわざそのスーパーで買っていたのでした。

 ところが、そこからも、いつのまにか姿を消してしまいました。
 代わりに他の炭酸水が置いてありましたが、それが高かったので(クリスタルカイザーのレモン炭酸は130円くらいだったが、新顔のは250円もした)しばらく遠巻きにしていたのですが、あるとき、よくよく眺めてみると、それはただの炭酸入りではなく「酸素入り」でもあったのです。

 酸素入りの水はすでにありましたが、酸素と炭酸の両方っていうのは画期的というか、酸素と二酸化炭素?ずいぶんクドいぞ、と思いました。

 でも、ドイツ製というのに惹かれて、ためしに買ってみました。

 オキシジェン O2

 これが、けっこう炭酸がキツくて、飲み心地がいいし、酸素が効くのか、二日酔いの朝に飲むと、なんとなく回復が早いようだし(プラシーボな体質なので、話半分ですけど)、この間、夜中に目が覚めて、そのあとなかなか寝付けなかったときに、喉が渇いていたので(要するに酒の飲みすぎで、眠りが浅かっただけ)それを飲んでみたら、パタリと寝てしまい、朝までぐっすり眠れました。

 そういや、試したことないけど、雑誌などで紹介されてた「酸素バー」の体験談では、「寝つきがよくなり、ぐっすり眠れるようになった」というのがあったけど、やっぱし酸素が効くのかね?

 なので、先週末に3本買って、冷蔵庫に入れておいたのです。
 「これって、もしかしたら、残業しているときに飲むと、頭がすっきりするのかも?」と思って会社に持って行こうかと思ったですが、500ミリのペットボトルをリュックに入れて運ぶのも面倒だから「通販で買おうかなあ」と思ったけど、やっぱしそれも面倒だから、やっぱ近所のスーパーでまとめ買いして、せっせと会社に運ぼう。それに、残業続きでグッタリ&ピリピリしているハイジにも飲ませて、効果を試してみたい。(変な実験心)

 そう思って、今週またそのスーパーに行ったら・・・・・無い!

 クリスタルカイザーのときも、いきなり消えたが「在庫がなくて仕入れ困難」なのか、それとも「やっぱ、これ売れないからやーめた」なのか、よくわからない。

 とにかく、自分がよく買っていたものが姿を消すのは悲しいのであった。
 オキシジェン O2は、通販しているみたいなので、やっぱ会社で箱買いするか・・・・

 というわけで、水難の相が出ている今日この頃ですが、そんな最中、今月のヤングユーを買ったら、「ヤングユーは今月で休刊です」
 ええ?聞いてないよ〜〜〜〜
 ハチクロは無理やりっぽい最終回を迎えていたし、人気連載もそれぞれ他の雑誌に引越しするようだ。

 あんまし漫画を読まなくなっても、これだけは律儀に毎月買っていたのに〜〜〜〜
 発売日を楽しみにしていたのに〜〜〜〜〜

 前向きな解散だと思いたいが、でも自閉症気質の私は、そういう変化が苦手なのよ。
 ロゴやデザインが変わっただけでも、慣れるのに時間かかるんだから。

 でも、そういう客は少数派らしい。
 前にデパート勤めの友人に聞いたが、デパートのロゴや看板デザインも10年くらいで替えると、客が増えるんだそうだ。
 私は、内装や売り場のレイアウトが変わっただけでも戸惑ってしまう。
 会社内のレイアウト変更でも、慣れるまで、船酔いみたいな気分になるしな。

 さて、話は全然違いますけど、今日、昼休みにネット・サーフィンしていたら(最近また「業務に関係ないサイト閲覧厳禁」という御触れが出回ったが、知るもんかい。昼休みくらい好きにさせてくれ)、「ごふっ」とお弁当を噴出してしまい、そのあとも笑いが押さえられず困っていたら、隣の席のM嬢が「どしたの?なにがおかしいの?」
 「いや、筑紫哲也が・・・・みんせいゆうえいか・・・・って

 妙にツボにハマってしまい、思い出し笑いが止まらないのだが、「はて、30歳のM嬢は、民青っていうのを知っているだろうか?」と思った。
 私だって、あんましピンと来ないけど、でも、漠然となんだかわかっていたけど、やはりM嬢に聞いてみると「全然わかんない」そうで、しばらく二人で「正式名称は?」などと、仲良くリサーチしてしまいました。

 おだじまんのおっさる通り、他のひとが「みんせいゆうえいか」と言ったら、ただの「ジャイケル・マクソン現象」ですが、筑紫キャスターが言うと味わい深い。深すぎる。
 午後も1時間くらい「民青遊泳化」が頭の中をジェニー・ホルツァー状態。

 あんまし関係ないし、話としては古いが、例の「のまねこ騒動」(モナー騒動と言うのか?)のときに、2ちゃんを憎む(笑)「とくダネ」でも、けっこう大きくとりあげられていて、それはいいんだけど、朝、あのニュースをオゾンのBGMも高らかにやられると、その日はずっと「まいあひ〜〜♪」と心の中で唄わないといけないのが困った。
 なので、甚だ個人的な理由で「この騒動、早く収束してくれないと困る」と祈っていたのでありました。
 だって、忘れたころに「裁判の判決が出ました」なんてニュースになったら、また「まいあひ〜♪」とイチからやり直さないといけないわけで、もう勘弁してくれって思った。

 たぶん、すでに「ヨーデル ゆーれいひ〜♪」の隣に格納されてしまったはずで、下手すると死ぬ間際にそういうパンドラの箱が開きそうで怖い。
 「まひまひ」にも負けたことがあるな。
 グアムのレストランで「マヒマヒ」のメニューを見たら、もうオーダーせずにはいられなかったのだが、同席した人たちが「あんまし美味しい魚じゃないぞ」と意見してくれても、もう「恋はマヒマヒ」だったのである。
 ま、ボソボソしたカジキマグロみたいな味でしたが、「マヒマヒ」という名に免じて味は問うまい。

 あと、「ロコモコ」も、「ただの目玉焼きとハンバーグがご飯に乗った、大ざっぱなメシだ」ということはわかっていても、字ヅラだけでついつい手が出る。フジロックでもついつい食してしまった。
 味がどうこうよりも「ああ、わたしは今、ロコモコを食べている」というだけで、なんか味わい深いのである。

 海外旅行に行って、レストランのメニューに「マイアヒ」っていうのがあったら、とりあえず食べてみるね。

 そんな私はもちろん、レイザーラモンHGが大好きです。「ヒー」とか「フー」とか「ホー」っていうのが、たまらなく好きらしい。
10月11日(火)

 三連休明けだったが、(私は関係ないけど)Sさんはお休みだった。

 私より先に出勤していた、隣の部署の男性が、「Sさんて人から、今日休みますって電話ありました」と事務的に伝えてくれた。
 彼って、悪い人じゃないんだけど、そういうとこツッケンドンというか、他人の心理状態に勝手に敏感な私は「なんでオレが他の部署の電話番までするんだよ」という気配を感じて恐縮してしまう。だいたい「Sさんって人」という表現もどうよ?昨日今日来た派遣の人じゃないでしょ。狭い同じフロアで仕事してるんだし、彼女は隣の部署のお客さんにだってお茶出してくれてるわけよ。
 なんかねー。

 でもさ、いつもこう考えて我慢するんだけど、仕事の仲間は友達じゃないんだから、気が合う人ばかりとは限らないし、実際、気の合わない人のほうが多いかもしれない。
 で、そういう世の中を渡っていくためには(引き篭もるという手もあるが、うちの母と四六時中一緒に生活するくらいなら、外に出たほうがマシなのである。別に母が嫌いなわけではないのは、昨日の日記を読んでもらえばわかると思う。我ながら母への愛情に満ち溢れている。私なりに)、こう割り切るしかない。

 「私とソリが合わない人は、たいていバカ」

 なまじ、微妙に賢いほう(「断然賢いほう」とは言わないだけの謙虚さを持っているあたりがダメだが、まあ、人格的な偏差値でいえば、62ってところだろう)に生まれついてしまったために、バカを相手に苦労しないといけないわけだ。これが、偏差値75だったら、バカなんか目に入らないほど、違うことに集中してノーベル賞もしくは、イグ・ノーベル賞を目指していたであろう。

 さて、話が逸れたが、連休明けっていうのは、いつも忙しいのである。
 今日も、会議が相次いで、会議室のお茶だしに奔走した。
 でも、私はわりとお茶だしって好き。
 それに、私が職場でどういう役割かわかっている親会社とか取引先の人たちは、私がけなげにお茶だししていると「こういう仕事もするんだ」という目で見ているようなので、それがいいことなのか悪いことなのかわからないが、自分ではプラスになると思っている。
 ほら、部長クラスのオッサンが、給湯室のコーヒーが切れていたら、自分で颯爽とコーヒーメーカーをセットしてたら、「あ、できるな」と思うじゃん。

 さすがに、それができる上司は少ないが、せめて「コーヒーなくなっちゃったよ」って言ってもらえるだけで助かるのですが・・・・

 それはいいとして、「なーんだ、せっかく忙しいのにSさんいなくて残念」と思ったのである。実は、昨日やっと請求書を整理して、彼女に伝票打ってもらえそうなのを分けておいて、わざわざとっておいたのだが、いないのならしょうがないので、自分で打った。

 しかし、三連休後なのに、Sさんが出勤してこないことにハイジはなにやら思うことがあったらしく、夕方、そろそろ帰ろうかと思ったころ、「ところで、前にSさんと、どういう話になったんすか?」とさりげなく聞いてきた。
 あれ?あたし、説明してなかったっけ?
 自分でSさんとちゃんと話をしてみて「とりあえず、超バカ」とわかったので、「ま、いいや、電話番だけしてくれればOK」と納得していたので、ハイジにそのことは話さなかったのかもしれない。

 ハイジの言い分は「相変わらず、新しい仕事を教えると、すっごく嫌そう」というものだったが、私もそう感じていたので、Sさんに「そこんとこどうよ?」とズバリと聞いてみたのだが、「え?私ってそう見えるんですか?」という意外な返答をきいて、激しく脱力したのである。

 よって、ハイジにも「別に嫌だと思ってるわけじゃないみたいよ?深層心理ではどうだかわかんないけど、本人はそういう自覚ないみたい」と説明したのだが、私だって、本人と話して「こういうことって有り得るんだろうか?」と疑問に思ったくらいなので、ハイジもなかなか私の説明では納得しないのは当たり前。

 しょーがないから、私からバクバクとSさんの「悪いところ」をまくし立ててみた。
 「要するにね、職歴もないし、ただのフリータ上がり・・・・というか、大卒の新人だと思えば、あんなもんじゃない?でも、新卒でも、普通はもっとマシだけど、とにかく、なんかまだ子供なんだよ。思ったことは全部顔に出ちゃうけど、だからって、何を思っているのか自分でもよくわかってないんだよ」

 そんで、私の所見では、彼女は記憶力が異常に悪く、Aという仕事を教えて、それが出来るようになったらBという仕事をお願いしたのだが、そうするとAをやるのを忘れてしまう。
 本人も記憶力の悪さは自覚しているらしく、休みの間、彼女の机を見たら、びっしりといろんなメモが挟まっていた。

 この間、某黒猫宅配便が送料着払いの荷物を持ってきたので、Sさんがその処理をどうしましょうと質問してきた。着払いの場合は、担当者に現金出金依頼伝票を切ってもらわないといけないが、でも、黒猫はうちで使っている業者なので、送料は請求書でまとめてくれるので、着払いが来たときにも「これも請求書に入れてださい」っていえば、そうしてくれるのだ。
 私もそれを知ったのは最近で、それは、うちの担当である黒猫の配達員が「請求書に入れますか?」と確認してくれたからだった。

 他の人も、それを知らなかったらしく、「へえ〜」と言っていたが、Sさんはブツブツと「黒猫の着払いは請求書」と繰り返していたので「そんなの、呪文で唱えないと憶えないようなもんなんだろうか?」と思っていたのだが、今日、彼女の机を見たら「黒猫の着払い→請求書に入れてもらうこと」とメモが差し込んであり、「ぷすっ」と笑ってしまった。

 だいたい、私が「請求書扱いにしてくれるよ?向こうからそう確認してくれたりするんだけどなあ」と言ったときにも、「なんで、そう言ってくれなかったんでしょうか?」と顔をしかめたので「そんなのどうでもいいっていうか、向こうが現金でっていうならそうすればいいし、たいしたことでもないけど、こっちから言えばやってくれるんなら、そっちのほうがラクじゃん?」と言っただけだ。

 ハイジを説得しているうちに、私もふと思い出して言ったのだが、Sさんが鬱陶しいのは、表情が言葉と連動してないというか、「こういうときに真剣な顔されても」っていうときが多いのだ。
 そのため、彼女に新規の仕事を教えると、本人は必死に覚えようとするので、顔が暗くなり、相手に「この仕事やりたくないのかなあ?」という印象を与えてしまうようだ。
 本人にもはっきり言ったのだが「見た目がしっかりしてる分だけ損している」わけである。

 それが、本当に学校出たての茶パツのギャルだったら「えー、私がこれずっとやるんですか?」って言ったら、「世の中そんなに甘くないぞ、おら〜」と言うこともできるが、派遣で来た、27歳の彼女はもっと「ご立派」に見えるので、「これ、私がずっとやるんですか?」っていう質問は、「この仕事はどのくらいの頻度であるのか、どのくらいの分量があるのか、どのくらいで覚えないといけないものなのか」っていう意味だと思うんだけど、相手にそういう意味で伝わらないんだよね。

 そんで、彼女はバカだから「様子を見て、自分でペースを作っていく」という考えがないから、全部、相手に確認してしまうのだ。
 経理だけがそうではないとは思うけど、特に経理は仕事のスパンが一ヶ月であるから、よくわかんなくても一ヶ月じっと観察していれば、「忙しいとき」と「暇なとき」がよくわかるし、急ぐ仕事と、急ぎではなく暇なときにまとめてやればいい仕事もわかりやすいはず。

 でも、彼女には経理経験がほとんどないので、そういうのがわからないので、テンぱるようなのだ。

 そんな話をハイジに1時間くらい語ってしまった。
 ハイジはSさんの態度にかなりイラだっていたみたいで、「そのうち説教しようと思ったけど・・・・そっか・・・・子供なんだ・・・・もう少し様子みてみます」と言ってくれた。
 うん。おめーが説教すると、あの温和でマイペースなクララですら、私に涙ながらに「ハイジさんと上手くいきません」って訴えたくらい破壊力あるから、それだけはやめてくれ(笑)

 Sさんが今後どうなるかわからないが、共通の敵を持ったことで、私とハイジはなんだかとっても仲良しです(笑)

 そういや、Sさんは最近、一緒にランチに行って親交を深めた、他のフロアの派遣社員と超仲良しになり、よく給湯室でお喋りに花を咲かせているのだが、私に何か質問するときには、しかめっつらで声を潜めるのに、なんで給湯室でのキャピキャピトークはフロア中に響き渡っているのか、理解に苦しむ。
 それもハイジは「辞める辞めないの話をしているのでは」と気にしていたが、あんな大声でそんな話してたら、ほんとにただのバカだ。
 たぶん、Sさんは、会社で仲良しの友達が欲しいだけだろう。すれ違うときに「おつかれさま〜キャピキャピ」って挨拶がしたいだけだ。

 そういう意味で「10歳以上年上の経理の重鎮」である、彼女からすれば、伝票入力ミスも瞬時に見破るプロ中のプロ(だいたい、ミスのパターンをつかんでいるだけですって)のお局様の私や、先輩男性で朝は不機嫌な(彼もお子チャマなので朝が苦手なだけ。そんで、みんなに「いつも機嫌悪そう」と言われて、それなりに気にしている)葉イジを前にすると緊張してるんだろう。というようなことを総務のもう一人である「地球上のどこに行っても、癒し系+聞き上手として重宝されるであろう」という凄い才能を持つM嬢は「え?私には普通だよ?」と心配顔になったので、私とハイジで「だって、Mさんは別格〜」と言ったら、「それはそれで、なんだかなあ」と言うので、Mちゃん、自分の才能をあまり自覚してないんだろうな。そこが彼女の凄いところなんであるが。

 でも、Mちゃんが、いかにステキに天然ボケであっても、前に派遣で来たOさんは、Mちゃんにしか心を許さず、っていうか、Mちゃんが出勤してくると弾丸のように無駄話を始めたので、Mちゃんもちょっと困っていたことは私も知っていた。
 だから、Sさんはハイジに気をつかい、ハイジはSさんに気をつかっているから、「Sさんも、Mちゃんの隣にすれば落ち着くと思うけど、そうなるとまた、Mちゃんの邪魔に・・・・」と私が言うと、Mちゃんもわかっていないながらも「そんな面倒なものを私に押し付けるの?」と、ちょっと不安げだった。

 とりあえず、ハイジの愚痴を聞くために、私としては過度にSさんを落としたので、Mちゃんがあんまり真に受けちゃうのもなあ。明日こっそり「話半分だから」と言っておこう。

 でも、明日もSさん、来なかったりして(笑)

 ハイジに言い忘れたが、Sさんは過剰に私を誉め殺すので、きっと自分が誉められたい人なんだと思う。
 「経理業務はまだまだだけど、受付業務は完璧です。部長も評価してます」と言ったら、俄然、電話番やお茶くみを張り切ってやるようになった。

 でも、ほんとに素直で、言葉どおりに受け止めるので、普通は「こんなん、やってらんねーよ」な、社員の交通費や諸経費清算の現金出納も、「現金出納は地味で辛い仕事だけど、あれをやっているとお金の流れが全部把握できるし、社員の誰が金遣い荒いとか、そういうのが全部わかります」と言ったついでに、「現金出納をやると、なぜか社員に一目おかれる。それは、自分の金じゃないのに、人にお金を渡すと、なんだか尊敬されるからです。犬の餌と同じ。なので、現金を餌にいろいろ仕込むと、みんな不思議を言うことを聞きます」とリップサービスしたら、マジ受けしたみたいで、私が交通費清算書を出したときにも、「あ、ミヤノさん、もう現金出してもいいですよ。ご自分で持っていってください」と言うので「は?」

 「現金を出してやると、みんな喜ぶ」っていうのを真に受けたらしく、私が出した、合計800円くらいの交通費も、「早く出してあげなきゃ」と思ったらしい。

 その甲斐なく、私は「現金出すのは、あなたの仕事でしょ。なんで私が・・・・」と不快感を顔に出したのにも気がつかなかったらしく、その後も、隣の部署で、元総務部社員のK嬢が出した1500円くらいの清算についても「Kさん、清算のお金、今日出しますからね」と笑顔で言っていて、K嬢もポカンとしていた。私と同じ、独身貴族のK嬢も、1000円くらいの現金清算が来週になろうと、再来週になろうと、気にしてないのである。

 あたし、ちゃんと語ったつもりだったんだがなあ。
 お父さんチームは「月のこづかい3万円」の中から、交通費を立て替えていたりするわけで、そういう人が1万円くらい清算するときは「死活問題」なのである。だから、うちの会社は、決まった日に清算じゃなくて、随時やってあげるのだ。

 Sさんが前に働いていた職場では、月に2回だったそうで、「毎日、出すんですか?」と驚いていたので、「なるべく早く出してあげないと、もう外回りできないと愚痴られます」と説明したのだ。

 ちなみに、大手外資系銀行で短期派遣で仕事した友人によると「そういえば、交通費清算は月に一度だった。でも、みなさん超高給取りだったら、不満の声は聞かなかった」

 うちだって「お父さんの小遣い、月に10万円」くらい給料高い会社だったら、そうしたいわよ。

 そうSさんに説明したら、「はあ、ミヤノさんて、すごいいろいろわかってるんですね〜さすが」と誉められて、私を不機嫌にしたのであった。そんなことで誉められたくないわい。
10月10日(月)

 10月10日といえば「晴れの得意日」(こういう字じゃないのはわかっているけど、どうしても頭の中ではこういう変換なのっ)のはずなのに、得意日敗れたり。たしか、去年も雨降ってなかったか?(近所の神社の祭りが、雨で台無しだった記憶あり)

 さて、今日は一昨日行った多摩動物公園で撮った写真を見ていた。
 ただでさえ「どうして、こんなに写真が下手なんだろう?」と自分の才能の無さにがっかりするというのに、動物は動くから難易度高いから、さらにド下手映像をたくさん見るハメになり、とことんガッカリする。

 なんでも、そこそこできる「器用貧乏C級」(A級はビートたけしクラスで、B級は「マルチタレント」レベル)な私であるが、最近になって「写真がド下手」なことに気がついた。それは、ネットで他のみなさんの写真を「へえ、上手だなあ」と眺めるようになってからで、最近になってやっと「あれが普通で、私が超下手クソなだけ」ということにやっと気がついたのである。

 そういうわけで、ただでさえ、フレームの撮り方に一縷の才能も見出せないというのに、ブレた写真ばかり並ぶから、ほんとうに悲しくなる。そりゃ、上手い人だって、「10枚に1枚」というのをウェブで公開しているのだと思うが、私の場合、50枚に1枚も人に見せていいようなものがないんだもの。

 愚痴ってても、しょうがないので、さ、やっぞ。(←最近、エンタの神様やってくれないので悲しい。ちなみに私のお気に入りはマジャよりも「武勇伝、武勇伝!武勇でんでんででんでん!」の人たちである。チーム名を覚えられないのがなんだが)

●「初めての多摩動物公園」

 私の誕生日に、お母さんが「多摩動物園に行こう」と言い出しました。
 私もお母さんも行ったことなかった。
 お母さんは20歳くらいのときに、友達と野猿峠をハイキングしようとしたら、そこが工事中で、しょうがないから、工事の塀の脇をずっと歩いたそうです。「あれが、多摩動物園を作っているときだったらしい」と言ってました。

 ちなみに「野猿」という地名は、数年前とんねるずが有名にしたのですが、そのことを何度話しても、お母さんは憶えてくれません。

 さて、前日に集合時間を決めたのだが、私は「せっかくだから、ちゃんと午前中に着きたい。10時集合にしよう」と言ったのですが、多摩動物公園までどれくらい時間がかかるのかわからず、さらには「いったい、どういうルートで行けばいいのだろう?」と考えて、ネットで調べたら、明大前経由で京王線で行くのが一番良さそうだったのだが、ちゃんと会社で「駅すぱーと」で調べておけばよかったのだが、帰宅してから気がついたので、早めに家を出たのはいいが、早すぎたのと、思ったよりも接続がよかったので、9時半前には到着してしまった。


 朝が苦手な私が、この先二度と目にすることがないかもしれない、レアな「開園前の動物園」である。
 柱の象さんが、ラブリー。
 3連休の初日だというのに、開園前に並ぶ人もまばら。
 運動会でそれどころじゃないのかね?

 だいたい、高幡不動で動物園行きの電車を待っていたら「なんだ、若者が多いぞ?」と思ったのであるが、動物園駅につくと、若者たちはゾロゾロと左側の坂道を登っていってしまった。明星大学か中央大学の生徒さんたちであったようだ。
 今でこそ、モノレールの駅もできたけど、私が学生のころは、中央大学の学生さんたちは、毎日この動物園の入り口前を通って、大学に通っていたわけですね。私の友人たちも、サークル活動の交流会などで中央大学に行くと、もれなく皆さん、「ついでにコアラも見てきた」と言ってましたが、十数年経ってやっとその意味がわかったよ。

 立川からモノレールでやってきた母は10時ちょうどくらいに到着。
 さっそく「ライオンバスは混むと思うから、朝イチで行こう」と言い出す。
 しかし、たいした行列でもなく、すぐに乗れた。
 母は、どうやら「愛知万博」のことが頭から離れず、そういう心構えで望んでいたようである。
 たいして混んでない園内を見て拍子抜けしていた。

 さて、ライオンバスであるが、母も私もバカにしていたのであるが、思ったよりもよかったです。


 けっこう、ライオンが近いので、子供たちの悲鳴がバス内に轟いてました。



 大喜びで、ライオンに釘付けのママン。
 となりのオバチャンと「サファリパークに行くよりもいいわよねえ〜」とエールの交換してました。(そのオバチャンもすごく興奮していて、頬っぺたが真っ赤になっててかわゆかった)


 お約束のアフリカ象。小象もいた。
 30分くらい眺めていたけど、全然飽きない。
 「さて、他もあるから、そろそろ行くか」ってときに、一番大きなオスの象のチンチンがビローンと伸びたのを母は見逃さず、「これは、このまま見張ってれば、ぜったいドッキングするわよ」と、その場を離れようとしないのを引きずっていきました。そう簡単に交尾しないと思う象。

 「せっかくだから、コアラも見なくちゃ」とオーストラリア・ゾーンに入ると、カンガルーが寝そべってましたが、ゴロゴロしているガルーも、おなかをボリボリかくガルーも、なんだか自分の姿を観るようで・・・・母と娘は無言になってしまいました。「カンガルーって、超オバサンっぽい」らしいです。
 横になってテレビ見ているオバサンそのものってかんじでした。



 さらに、ウォンバットにいたっては「引き篭もりの寝たきり若者」のようでした。
 「オーストラリアは、猛獣がいないから、みんななんだかダラダラしているらしい」という理屈をつけて、ゴロゴロする動物を鑑賞してました。
 コアラ館も、かつては大混雑だったのかもしれませんが、今では客も少ないし、ガラスケースの中で、ときどき動いてユーカリを手で寄せて、モグモグしているコアラは、まるで阿片窟の阿片中毒者。

 たしかに大きさという姿形といい「ぬいぐるみみた〜い、超かわい〜」と、若いカップルの彼女は喜んでいましたが、母は「別にどうってことないじゃん」というし、私も「こりゃ、ただのジャンキーじゃん」と思ってました。


 ママンが妙にハマってしまったのは、オラウータン。
 「雑誌からお気に入りのページを大事に保管したりしてます」という張り紙があったので、私が「へえ〜」と母に教えたら「なんで、雑誌を大事にとっておいたりするわけ?」とノリノリになり、その後も、展示スペースに「こんなこともします、あんなこともします」と書いてある記事を見て、その中に「ガーデニングもします」なんていうのがあったので、ますますのめりこむ。

 「だって、オラウータンは猿系の中では特に賢いんだよ」と私が言っても「だって、絵も描くのよ?それで、孫の世話から逃避したりしたんだって、あと雑巾も絞るのよ?」

 庭弄り、お絵かき、孫の世話・・・・・それは、どれも母と同じであるので、49歳のオババなオラウータンに自分を重ねてしまったらしく、「ジプシーちゃん、ジプシーちゃん」と、もう夢中だったのである。

 今後、半年間は、うちの父は、「ジプシーちゃんがね」の話を朝から晩まで聴かされるのであろう。合掌。

 さて、さらに「ミヤノ家で永遠に語り継がれるであろう動物伝説」に新たな仲間が加わった。
 (昔、ゾウアザラシを初めて見たときのことは今だに語り継がれている)

 それは、「入浴するトラ」である。

 トラは、落ち着きなくウロウロしていた。
 「うーん、やっぱデカいね」「ライオンより落ち着きないね」と眺めていたら、そのトラが、池というよりは、トラがやっと入れるくらいの「湯船」にソロソロと足から入ったのである。




 周囲にいた子供たちも「あー、トラが風呂に入ってる〜」と叫んでいたが、ほんとに目を細めて「ふー、いい湯だな」という絵であった。ヘリにかけた前足がなんともいえず愛らしい。
 3分くらいずっと漬かっていた。
 母が思わず「あれ、ほんとに温泉なんじゃないの?」と言ったくらい。

 つーわけで、うちの父は、この先の長い老後をずっと「ガーデニングするオラウータン」と「温泉に漬かるトラ」の話を聞かないといけないことが決定した。チーン。なんまんだぶ。



 サイは角がなかったので、道行く人に「カバだ〜」と言われて、ちょっと気の毒だった。
 「モグラの館」も鑑賞しました。
 モグラが網でできた通路を通るので、母はそこに張り付いていた。後ろのほうにいた、よそのお母さんが、7歳くらいの息子に「ほら、○○ちゃん、小さい子の前に立っちゃだめよ」と教育的指導をしていたので、私も母に向かって「ほら、マーちゃん(祖母は母をそう呼んでいた)、小さい子の邪魔しちゃだめよ」と言いたかった。

 でも、うちのママンが「きゃー、また通った。わー、触れないかしら」と騒ぐので、他のちびっこも、「あ、モグラがいる!」とわかったので、ま、いっか。

 さて、私は入るときに見た「園内マップ」で「わー、バクがいる。バクがみたい」と言っていた。
 帰り道の順路沿いにいたので、さっそく観察して「わー、白黒模様でかわゆーい」と騒いでいたが、母は「そうお?かわいい?」と言っていたのだが、屋内の観察室もあるようだったので、そこに降りてみると、「ぎゃーーーー、ウリボウがいる!」と、私は大喜び。


 ニュースでもやっていた「マレーバクの赤ちゃん公開」だったのだ。
 「なんか、バクってキモい」というような母も、赤ちゃんにはカブりついてました。(写真左下。ちょうど、他の客がいない隙に、二人でずっと張り付いていたのである)
 しばらく、赤ちゃんを観察していたら、こんな張り紙に気がついた。



 「おがーざん、この子、あたしと誕生日が一緒だった・・・・」

母「じゃあ、あんたが名づけ親になりなさい。自分の名前付ければ?誕生日が同じだって言えば、ぜったい大丈夫」

私「でも、おがーざん、この子、男の子なんですけど・・・・」
母「ええと、名前の投票用紙はどこ?あら、ないわ?(用紙がもう切れてしまったらしい)係員はどこ?入り口になら、あるのかしら?」
私「いや、だから、別に名前をつけたいわけでは・・・・男の子だし、ダとリを使わないといけないらしいし」
母「大丈夫よ〜、誕生日が同じなんだから」
私「いや、用紙はいいです。その気になったら、インターネットで投票しますから」
母「でも、誕生日が同じだって、ちゃんと言わないとダメよ〜」

 マレーバクの親子の前で、ミヤノ親子はそんなやりとりを展開しておりました。

 ま、そんなこんなで、朝の10時から夕方3時くらいまで、歩き回ってヘトヘトですた。
 噂には聞いていたけど、なかなかいい動物園です。
 展示も工夫されてるし、なによりも「近い」のがいいですね。

 子供よりも、大人が楽しめる動物園でした。
 お子さんたちは歩きづめで、午後2時くらいにはあちこちで「ビーーーーーーだっこ〜〜〜〜〜〜〜〜」と絶叫していて、それを回りの人が「あらまあ」と微笑ましく観察してました。やっぱ、マレーバクでもユキヒョウでも、子供はちょこちょこ動くので、いい展示になってましたが、人間の子供もおんなじだ。

 ライオンバスのときにも、子供が「ギャー」と騒ぐと、怠惰なライオンも少しだけ反応するのです。私の席の周りは、オバサンばっかりだったので、ライオンはなかなかこっちに近づいてくれませんでした。
 前に八景島に行ったときにも、白イルカは子供に反応して、近づいてくれてました。

 人間が、「きゃー、動物の赤ちゃん、かーわゆーい」と興奮するのと同じように、動物も人間の子供には心を動かされるようです。

 また機会があったら、ゆっくり回りたいな、多摩動物公園。
 子供連れはそこそこいたけど、やはりデートな若者は少なかった。

 でも、開門直前に、大学生くらいのカップルの男の子が「幼稚園の遠足以来だよ・・・」と喋りながら歩いていて、門を見たとたんに「わー、同じだ〜。全然変わってね〜」と叫んでいたのが、微笑ましかった。
 けっこうデートにも向いてると思いました。


10月9日(日)

 少し時期がずれたが、昨日の土曜日は「お誕生日イベント」として、我がママンと「多摩動物公園&多摩テック・クアガーデン」に行った。
 千葉っ子の私は、恥ずかしながら多摩動物公園は初めてだったのだが、超たのしかったっす。
 ライオン・バスにも乗ったし、ニュースでもちょろっとやっていたけど「マレーバクの赤ちゃん」も観てきたよ。そんで、マレーバクの赤ちゃんはなんと、私と誕生日が同じだったのだ。

 しかし、広大な園内を歩き回ったので、帰りに温泉に寄ったとはいえ、くたくたに疲れた。
 明日は出勤だったので、今日は午後の早い時間に帰宅したのだが、近所の神社でお祭りやっていたので、神社でお賽銭を投げてから(正しくは「お参りした」というべきところだが、私は神社への寄付行為だと認識しているのである)、「さて、クリーニング屋にも行かないと、あと図書館も」と思っていたのだが、少し休もうと思って横になったら、ぐっすり寝てしまいましたとさ。

 昨日は、朝から出かけていたので、夜になって母と「ごくぜんスペシャル」を観ていたら、ニュース速報で「パキスタンで邦人親子が地震の犠牲に・・・」というのが出て、「な、なにがあったのじゃ?」と、11時のチョングムが始まる前のNHKニュースでやっと大地震が起きたのを知った。

 しかし、サークル活動で動物園には同行しなかった父は、母から「夕飯も食べて帰るから、お父さんはサークルの人たちと飲みに行っていいよ」とお許しをもらい、私らよりも、ずいぶん遅くにヨレヨレになって帰ってきたので、朝の新聞を見て「パキスタンで地震だって?」と驚いていた。
 昨晩の父は、全く記憶がないほど酔っ払っていたことがわかった。
10月7日(金)

 昨晩は、「私が愛したリボルバー」を読んだことがある程度の「まあ、暇つぶしにはなる作家」である、イッヴァノヴィッチの「気分はフルハウス」という昔書いた恋愛小説の書き直し(?)を読んでいたのだが、さすが「極上の暇つぶし作家」(誉め言葉です)だけあって、最後まで読まずにはいられず(「暇つぶし」と矛盾するのでは?)、午前1時くらいにやっと読み終わった。

 そんなに出来のいい小説とも思えないんだけど・・・・ってゆーか、要するにハーレクイン・ロマンスみたいなものであるが、でも、ステレオタイプの登場人物ばかりなのに、こんだけ笑わせてくれるのは技だよなあ。
 ブリジット・ジョーンズの、あのチームが映画化してくれたら面白そう。美男美女が繰り広げるドタバタ・コメディは、あのチームの得意技であろう。

 さて、今日の午後、会社の近所を歩いていたら、前方で「パサリ」と音がしたので目をやると、「今からボストに投函します」という風情の封筒が落ちていた。5メートルほど前を歩く中年と老年の中間くらいな男性が、脇に大きな封筒を抱えて歩いており、きっと、そこから落ちたのだろう。よくあることだ。

 封筒を拾うと、小走りにその男性に近づいて、後ろから声をかけようとしたときに、その男性には女性の連れがいることに気がついたので、瞬時に気を配って、そのカップルの間から顔を出すようにして「あの、すいません、落ちましたよ〜」と、男性のほうに封筒を差し出すと、男性は「あ、ああ」と驚いていた。

 それはいいんだけど、オロオロする男性の様子を見た、隣を歩いていた女性がいきなり「あんた!なにやってんのよ!」と、「怖いカーチャン」の声で叱ったのである。
 男性のほうは慣れているのかもしれないが、「ほら、あたしって親切でしょ?えへ?」という笑顔で、二人の間に割って入っていた私のほうが、ビクっとして一歩退いてしまった。

 女性のほうも、私の様子に気がついたらしく「あんた!なにやってんのよ!」の0.001秒後にすぐ「あら、ありがとうございます」と礼を言ったのだが、その0.01秒後にはまたダンナを詰っていた。
 ひゃー怖い〜
 人前で、あんな怖い声出さなくても・・・・
 ああいう声色は、夫が部屋で急にガソリンでも撒き出したときのために大事にとっておいてください。

 よく、若いカップルでも、彼女がちょっとドジをやらかすと「てめー、なにやってんだよ」なんて怖い声で言う男はいるけど、反対に彼女が「もー、なにやってんの?」と言っても、そんなに凄みはない。でも、オバサンが同じことを言うと凄みがあるのは、声のトーンにドスが効いているからということに気がついた。

 自分でも、最近、薄々そのことに気がついており、20代の女性が職場で「なにやってんの?」というのは、別に怖くもなんともない「ただの疑問系」であるが、40代の女性が同じつもりで「なにやってんの?」と言うと、「なにやっとんじゃ、われ?」という語感になるようなのである。

 それで、最近は目下の男性をなるべく「○○さん」と呼ぶようにしている。
 新入社員のときから知っていると、ついつい「○○君」呼ばわりしてしまうのだが、30歳くらいの女性がそう言ってても全然おかしくないのだが、40歳以上の人が「○○く〜ん」と言っていると、なんか怖いし、怖くない場合は「変」であることに気がついたのだ。

 まだ40代には突入してないけど、こういうのは早めに矯正しておかないとな(笑)

   
10月5日(水)

 昨日は早寝しようと思ったんだけど、(一昨日、部屋で缶チューハイをガブ飲みしていたら、夜中に全部吐いてしまったので、ちょっと反省しただけだ)日曜日に図書館で借りてきた、ジェーン・オースティンの「分別と多感」を半分まで読んでしまったら、「で、どうなるわけ?」と気になって、結局読み終わったのは午前1時であった。

 最高傑作は「高慢と偏見」らしいのだが、なかなか図書館でめぐり合えないので、「エマ」に始まって、一般的には無名のこの作品に手を出してみたのだが、邦題が「いつか晴れた日に」というので1995年に映画化されているらしい。
 しかも、主演はエマ・トンプソンで、エマの相手役はヒュー・グラントでっせ。妹役はタイタニックのあの子じゃないの。

 知らなかったなあ。まあ95年というのは、私があんまし映画に熱心ではなかった頃なのかね。
 でも、原作では、主役は20歳くらいの女性なんだが、10年前だって、エマ・トンプソンは立派なオバサン女優だっただろ?
 この小説の中でも「27歳にもなったら、誰からも相手にされない」っていうセリフがあったけど、10年前だって、エマ・トンプソンは35歳くらいだったはず。しかし、本の表紙はその映画の写真で飾られており、正直言って「この姉妹役は知らない役者だのお。どうせ日本では無名の人なんだろう」と思っていたのだった。

 それはいいとしても、やっぱりジェーン・オースティンは天才だ。
 だって、この「分別と多感」は、今の昼メロドラマに書き直しても十分なほどのあらすじなんだもん。

 「エマ」に比べると、登場人物の俗っぽさが目立つけど、それが現代のテレビドラマ向けなんである。
 それに「エマ」もそうだったんだけど、かなり「ええええ?」っていう「どんでんがえし」を決めてくれるのです。

 その「どんでんがえし」に命をかける様子に、アガサ・クリスティと同じ魂を感じた。
 クリスティのどんでんがえしも無理無理だったけど、でも「そんなの、ねーよ」というわけでもなく、読みながら「もしかして、こうなるのかな」って範囲のちょびっとだけ外にいるわけです。

 私もこの間「焼肉」というものが言語化できずに苦労しましたが、なんとなく潜在意識の片すみにはあるんだけど、はっきりと言語化しないものが、「どんでんがえし」として出てくると「やられたー」という思いもひとしおなのです。「犯人はオランウータンでした」っていうのよりも。

 クリスティのミステリー小説も、何冊か読むと、そのパターンがわかってしまい、しっかり言語化できるようになるので、読んでる途中で「なんでだかわかんないけど、とにかくこいつが犯人だ」と思い、それを後で言っても「後出しジャンケン」なのはわかるので、しおりに犯人と思しき人物の名前をメモしておいたりしました。
 オースティンの小説も2作読んでみて、パターンをつかんだので、たぶん、次のやつは犯人を・・・・・あ、犯人なんていないんですが、誰と誰が最後に結婚するのか、わかるようになるのでしょう。

 でも、今のワタクシ的には「エマ」よりも「分別と多感」のほうが面白かったな。
 「エマ」は主人公エマの視点で描かれており、「何不自由のない名家の令嬢」という不自由さを抱えていたエマの性格は、「分別と多感」の姉妹を足して2で割ったようなかんじでしたが、「分別と多感」の主人公姉妹は、中流ではあるけれども、そんなに恵まれてもなくて、心境的には現代の「わたしって中流のはず」な人と近い。

 そんで、「多感」の妹は、私からすればバカ女にしか思えないのだが、それは私が「分別」の姉娘と性格が近いからであろう。
 そんで、姉娘の他者への視線も自分とほとんど同じだったことに驚いた。
 礼儀正しくエレガントなだけの貴婦人をつまんない人だと思っているが、自分が落ち込んでいるときには、そういう人の礼儀正しい無関心さというか、鈍感さが嬉しかったりするのに、きちんと気がついているわけだ。

 そんで、子供相手に「きゃーーー、なんて可愛いのでしょう。あたし、子供って大好き!」なんて、はしゃいでるバカ女を冷静な目で観察しているのである。
 そんで、そんなバカ女を「でも、心根は優しい人なんでしょう」と思っていると、そいつが本当にどーしよーもない奴だとわかったりして・・・・・・どんなバカでも、それなりに理由があるのだろう、と思っていると、後で本当にただのバカだったのがわかってガッカリすることがあるけど、それと同じことをやっているようなので、しんぱしい。

 たぶん、ジェーン・オースティンとは、いい友達になれただろうな。
 でも、それも、私がそこそこの家柄の娘だったら、って話て、もし私が今の性格と知能のまんまで女中だったら、ジェーン・オースティンの小説に「すこし気のきく女中」として登場していたかもしれないというだけのことである。

10月3日(月)

 フジテレビの「今日の星占い」では、おとめ座さんは最低の運勢だった。
 月曜の朝から、上等である。
 でも、そういうとき「3歩歩くと全部忘れる」という性格が幸いして、きれいすっぱり忘れてしまうのであった。

 家に帰って「今日も、忙しかったなあ」と思ったときに「そういや、今日の運勢は最悪と言われていたけど、どういう内容だったっけ?」と考えてみたけど、全然思い出せなかった。ラッキーアイテムは「かきあげ」だったな、たしか。でも、昼ご飯は栗ご飯でした。

 今日は、なかなか上手く回った一日であった。
 フロアにあるミーティングスペースの電球が、急に点滅しはじめた。そこで、うちの社員と打ち合せするために待っているお客さんがいたが、彼女は派遣会社の営業さんで、私も面識があるので、「あ、ちょっとすいません」と言って、目の前で椅子の上に立って電球を外そうとしたのだが、あとちょっとで届かない。

 しょーがないから、「Aさーん」とハイジに声をかけた。
 「なにやってんすか?」と言われたが、「電球がチラチラしちゃってさあ」と言うと、「でも、お客さんが・・・・」と言うので、「でも、点滅していると気になっちゃうから、外しておこうと思って・・・・」
 ハイジは「オレだって届かないよ」とブチブチ言っていたが、このフロアでハイジより背の高い人は電話中であったし、彼がその営業の人とミーティングするので、まあ、彼が電球替えてくれたほうが、好感度アップかもしれないが・・・・

 でも、ハイジもそんなにご機嫌悪くなかったみたいで、「どれどれ」と椅子に登ってくれた。
 私より10センチくらい背が高いから、ちゃんと届いた。
 しかし「あぢっ」

 そうだ、電球って熱いんだよな(笑)
 いつもだと、出社してからすぐに電球切れに気がつくので、こんな午後に急に切れることは珍しいのだ。
 お客さんに「すいません、ドタバタしちゃって」と謝りながら、給湯室にかけこんで、雑巾をとってきてハイジに渡すと、それで電球をつかんで抜いてくれた。

 そして、すぐに倉庫に置いてある電球のストックを取りに行ってくれて、無事電球交換終了。

 テキパキ仕事してくれる同僚と、こうしてスムーズに仕事ができると、気持ちよいものである。(電球交換は立派な仕事である)

 夕方、社長のお客さんが見えたのだが、社長はその時間に間に合いそうもなかったので、出掛けに「なるべく遅めに来てください」と自分で電話していたのだが、やはりその客のほうが早く着いてしまった。
 「連絡が無いので、たぶんもう着くころだと思います」と告げて、「お待ちいただく間、饅頭でもいかがですか?」と得意先が差し入れてくれた美味しい饅頭とお茶を出していたら、社長が到着した。

 その女性のお客さんを社長もすごく気に入っていて、「今度飯にでも誘うかな」と言っていたのだが、相手は35歳くらいの独身女性だし、社長と二人っきりっちゅうのもなんなので、「できるサラリーマン」を自認する私は、「社長、○○さんを今度お誘いしましょーよー」と言ってあげたら、社長も誘いやすかったらしく、もちろん私も同席して、何度か寿司や天麩羅をご相伴しました。
 社長が気に入るだけあって、さっぱりとしたいい人だし、職種も事務職ではないので、お話も楽しい。

 そんで、社長は酔っ払うと彼女に「おまえ、そんなに仕事ばっかりしてると、彼氏もできんだろう」と絡むのだが、彼女は爽やかに苦笑しながら「そうなんですよ、どーしましょう?」なんて言うわけで、そんで社長が「かと言って、オレじゃあもう相手にならんしなあ」と、セクハラぎりぎり発言するのを「できる酔っ払い」を自認する私は、「社長、そんなこと言ってないで、いい人紹介してあげてくださいよー。・・・・・あ、でも、いいのがいたら、私が先ですよ?」と、場を和ませるのであった。

 彼女が昼ご飯を食べる暇がないことも多いことは、そういう酒の席で聞いていたので、「こんな夕方に、美味しいお饅頭を食べると、美味しさもひとしおであろう」と思った心遣いであったが、彼女も帰り際に「ありがとうございました。丸飲みする勢いで食べちゃった」と声をかけてくれたので「いいことをした」と満足であった。

 そんな「やることなすこと、なんとなくいい雰囲気で終る」という、「いい一日」だったので、その後も、せこせこと残業していたのだが、あれこれ他部署と内線して「あーでもない、こーでもない」と揉めていたハイジが、いつのまにか私の横に立っていて、「ミヤノさん、これってわかりますか?」

 パート社員の給料を集計している給与ソフトの問題であったが、私はそのソフトを使ったことないので、全然わからないのだが、会計ソフトと同じシリーズなので、「たぶんこういう機能がある」という程度は推測できるし、私のほうが社会人経験が長いので、「マニュアルはわからんが、普通はこういう機能があるはずだ」という広い視点で考えることはできる。

 それで、ハイジの横に立って、彼に操作させて「このあたりじゃない?」とか意見してみたのだが、午後からずっとそれであれこれヒートアップしていたハイジは疲れきっており、ちゃんと落ち着いて操作できない状態のようだったので、「ちょっと、どいて」と席を開けさせて、私がソフトについているマニュアルで探してみたら、「ほら、これじゃない?」「あ、それは、クララからそんな表を見せられてた」

 要は、担当部署がエクセルで作った表を給与ソフトに取り込む話なのだが、最初に誰かが設定したきりで、クララもそれを元にやっていただけで、新しい科目を設定するとなると、ややこしい話になるのだが、やろうと思えばできるのだ。
 そのことをハイジに語りながら、ふと「そーいや、最初は誰が設定したんだこれ?」
 最初は、前の部長がやっていて、それを新人だったクララが引き継いだのだが、前の部長もこんなややこしい設定したとは思えない。
 そうだ。このパートさんたちは、最初は親会社のほうで雇っていたんだ。だから、データ設定も、親会社からそのまま引きついだんだ。「だから、たぶん、親会社の経理部長がやったんだと思う。彼ならこういうの得意だし、彼に教えてもらえば?でも、余裕のあるときにAくんが試行錯誤しても、きっとできると思うけど」

 ハイジもそれで安心したようで「とりあえず自分でやってみます。そんで、わからなかったら、あの部長にきけばいいや」と、しばらくややこしいマニュアルと格闘していた。
 彼ならきっと、時間さえあれば自分で出来ちゃうであろう。

 私もパソコン音痴であるが、仕事で使うソフトをいろいろカスタマイズするのは得意かもしれない。特に汎用ソフトは、いろんな会社のニーズに応えられるように、けっこういろんな機能があるから、自分に便利がいいように、カスタマイズしていけばいいだけである。
 暇なときには、使いそうもない機能でも、イジってみて「なるほど〜」と遊んでいる。
 そういう好奇心が、仕事で役に立つのはいいことである。

 さて、そんなこんなで気持ちよく8時近くまで残業してしまったが、おかげで土曜日に終らせる予定だった仕事がなんとか終った。ふー、まだまだやること一杯ある。
 早く、Sさんにも色々覚えてもらわんとなあ。

 でも、クララから私が引き継いだ、一番面倒な仕事は「入金の消しこみ」である。
 そんなの、多くの会社では今では「入金消しこみソフト」でやっているのだと思うが、前にも、それを売り込みに来た会社にデモしてもらったが、「うちの会社だと、3割も自動でできない」ということがわかった。
 結局、最後には、勘と経験の世界になってしまうのだ。
 クララもその仕事では苦労していたが、引き継いだ私も「もー、こんなのやってられん」と投げ出したくなるほど難しい。

 難しくしている要因の一つが「得意先が一般企業ではない」ことである。
 例えていうなら、商店街の店主を相手に商売しているかんじ。
 支払サイトもテキトーだったりするし、請求の宛名が「○○商店」なのに、いきなり謎の「有限会社 △△」で振り込まれてきたりするのだ。

 もっと営業事務の流れができるのだったら、「どういうサイトで、どういう名義で支払ってくれるのか」っていう書類を交わすこともできるのだが、今のところそういう流れを確立できずにいる。
 うちが支払先になる場合には、よくそういう「得意先登録書」を書かされるんだけどね。

 まあ、しょうがないのだが、経理としては得意先に関しては、自分で勉強していくしかない。たとえば、雑貨屋の「森商店」というのと、喫茶店の「森珈琲店」ってのがあったとすると「あそこは系列だな」とわかるのだが、いきなり「株式会社 ウッド」という振込みがあると「えーっと」と、まるで「なぞなぞ」である。
 しかも、「森商店」と「森珈琲店」は、町内会の広報誌の広告費を「折半したい」と言ってきたので、5万円の請求書をそれぞれ発行したのだが、「株式会社 ウッド」からは5万円しか振り込まれなかった。

 うーむ、困る。
 どっちか未収になっているほうに、営業からプッシュしてもらいたいのだが(よく、請求書を紛失される)、どっちの入金だかわからないし、誰が「株式会社 ウッド」の経理担当なんだろう?

 この間、それで大変な目にあった。
 やはり、3つくらいの支店を持っているグループから、どうしても金額の合わない振込みがあったので、そこも、支店ではなく本部が取りまとめている組織なのは知っていたが、そこの連絡先がわからなかったので、支店の一つに電話して聞いてみた。
 「ああ、振込みは本部でやってるから、こっちに聞かれてもねえ」って言われたが、だから最初からそう説明してるだろっと思ったが、「とにかく、どちらに電話すればよろしいんでしょうか?」と、やっと電話番号を教えてもらった。

 電話してみた・・・・・・10回くらいコールしたら、若い男性っぽい声で「もしもし?」と言われたので「あの、○○の本部様では?」と言ったら「違いますけど?」と憮然とされた。
 わーん。たぶん、どっかの「個人宅」にかかってしまったのだ。すいませーん。

 もう一回、さっきの店に確認する勇気がなく、今度はその兄弟店に電話してみたら、やっぱし「うちに聞かれてもわからない」と言われ、やっと本部の電話番号を聞き出したのだが、「あれ?なんかこの番号に見覚えが」と思いつつも電話してみたら・・・・・・さっき、間違った番号を教えてくれた店にかかった。しかも、たぶん同じ人が電話に出たので、こっちもパニクってしまい、「あ、えっと、あの・・・・・入金の明細を確認したくて、本部にかけたつもりだったのですが」とシドロモ泥になっていたら、「ああ、それはさっきも言ったけど、本部に」とおっさるので「あの、その番号が違っておりまして・・・」と言ったら、「あら?○○○−6623よ?」

 私もさっき書いたメモに目を落としたが、だからそれが違ってんじゃ、とキレそうになったら「あ、違った。6223だった!」

 わーん!

 机に突っ伏して泣き叫ぶ私を隣の席のM嬢が「どうしたの、なんか大変そうだねえ」とフォローしてくれたので、「向こうに悪気の無いのはわかるが、このたらい回し状態はなに?」と興奮したまま愚痴りまくった。

 私でもこんな状態なので、とてもじゃないけどSさんに引き継げない。
 私は、なんでこうなのか、事情がわかっているから「しょーがない、これも仕事のうち」と我慢できるが、Sさんだといちいち「なんでこうなんですか?じゃあ、これはどうなんですか?あれはどうなんですか?」って確認してくるだろう。

 せめて、営業部社員に「得意先の店名と法人名が異なっていることくらい事前に調査せよ」って教育して、もう少しスムーズにできるまで、とてもじゃないけどSさんに引き継げない。今まで、こんなのを黙々と我慢してやっていたクララの「気立てのよさ」を恨みたくなるよ、まったく。

 あ、この話は先週の愚痴であって、今日は、「どこにどう確認すりゃいいのだ」というのもなくて、スムーズに行きました。

 それで、話は戻るが、残業しちゃったので、帰宅したのは9時近かった。
 先週、郵便受けに「国勢調査用紙」が入っていて「10月3日にまた伺います」と書いてあったので、昨日やっと記入したのだ。

 調査員も、ここが単身者ばかりのアパートなのはわかっていると思うので、夜に来るなと思ったのだが、この地域の調査員は町内会かなんかで分担しているらしく、近所のご隠居さんみたいな人がやっているのである。前回は、よくご挨拶するお隣のご主人が担当で、こっちも「何度も来られてはプレッシャー」と思って、自分で持っていったのである。
 今回は、調査票を持ってきたときに合えなかったので(というか、呼び鈴は鳴ったのだが、日曜の昼ごろだったので「どうせ宗教か新聞の勧誘」と思って無視してしまったのだ、誰が調査員なのかわからない。
 でも、今日、すれ違っていたら、「電話してください」とかメモでも入っているだろう、と思っていた。

 そしたら、アパートの階段を上がると、廊下を見知らぬ老夫婦がうろうろしていた。
 どう考えてもうちのアパートの住人しゃないし(女性限定アパートであるし、大家さんちには子供は5人もいるが、老人はいない)、「もしや?」と思った瞬間、奥さんのほうがぶら下げていた紙袋にデカデカと「国勢調査」と書いてあった。

 内気な老夫婦のようで、私が廊下に現れても無言で私を見つめるばかりだったが、私が「あ、国勢調査の・・・・用紙は記入してあるので、ちょっとお待ちください、すぐにお渡しします」と玄関の鍵をあけて、靴箱の上に置いてあった封筒を渡すと、ペコリと頭を下げるので、こちらも笑顔で「どうも、ご苦労さまでした」

 よーし、これで、なんかの事件に巻き込まれて、ワイドショーが近所の取材に来ても、「礼儀正しくて、マジメそうな、キレイな人でしたけど?」って言ってくれるだろう。よーし

 ほんと、国勢調査くらいなら喜んで協力するよ。
 そんなに記入は難しくないし。

 わーたしが、いっつも怒り心頭なのは、「官庁や地方自治体が勝手に送りつけてくる、いろんな調査用紙」である。
 ああいうので、景気動向や企業投資の伸び率や賃金の伸び率やパート社員の人数などを集計して、そういうのが新聞に出ている仕組みはわかる。
 わかるけど、多すぎるんだよ!
 そんで、各機関で横のつながりないから、みんな似たような調査ばかりだし、それに「総売上にしめるIT関連売上の割合」とか、算出するのが超面倒なんですよ。

 つーか、決算報告書渡すから、持ってってくれ、というか、税務署には決算報告書出してるんだから、それを勝手にかき集めてくれって思う。
 だいたい、あれだって、調査書の作成や郵送代で、すごい予算使ってるぞ?
 それで「IT関連投資が前年度より、○%の伸びです」って調査結果出てもよー。どうしても催促がキツいと、渋々書いてるけど、けっこういい加減に書いてるもん。
 もちろん、いろんな対策とか助成金とかに反映されてるんだろうけど、でも、あんなアンケート用紙でいいわけ?

 けっこう前に山形さんが書評で誉めてて、帯びにも「山形浩生絶賛」などと書かれていた、草の根市場調査している人の本があったけど、やっぱし現場にいかないとわからないことって多いと思うんだよね。
 それこそ、多くの企業にアンケート送るよりも、ランダムに選んでもいいから、100社くらい回れよって思う。

 最近、調査書を郵送してきたのは「中小企業庁」であった。
 ずいぶん、中小企業をナメた中小企業庁である、と思って無視していたら、今日、「まだ調査書が返送されてません」って葉書が来た。
 同僚M嬢が気にして「こんなの来たけど、いいの?」と言うので、「わたしゃ、近頃、自分の仕事も終んなくて、残業ばっかりしてんのに、こんなの書く暇あるかってゆーの。いいから、電話してこい!そしたら『国勢調査を書くので精一杯で、しくしく』って嫌味の一つも言ってやろーじゃん。中小企業庁が、紙切れ一枚で中小企業のOLの仕事の邪魔してどーすんのよっ」と啖呵を切ったら、M嬢は、苦笑していた。

 そんなM嬢は、自分に回ってきたそういうアンケートには、残業してでも記入している。
 催促の電話が怖いらしい。

 ええと、ああいうアンケートを送りつけてくる官庁や地方自治体の担当者に一言。
 ああいうアンケートでわかるのは、その会社に「気の小さい社員」がどの程度いるかってことだけです。
 「ああ、お役所からこんな書類が・・・・書かないと、ヤバいのかも」と思うような人がいる会社は返信してくるだろう。

 前の上司は、そういうのが来ると私に渡して「書きたいなら、書いて」と言ったので、私は書きたくないから書かなかった。
 たまに「これは、ヤバいかも」と思って、親会社の経理部長に「こういう調査用紙来たんだけど、そちらは書いてますか?」と確認したら「ああ、ボクは書いたことないな」と言うので、「じゃ、あたしもいいや」と書かなかった。その調査票も毎年来るが、一度も書いたことない。税務署が送ってくる「リベート等の調査票」なのだが、誰がこんなもん書く?

 つーか、いいからまた調査に来い!っつってんの!
 そっちが、2日だか3日の時間をとって来るんなら、全部お見せするけど、用紙だけ送ってきたって、書くもんかい。

 でも、黙々と調査票を集めている近所の老夫婦に罪はないので、国勢調査には優しい私でありました。

 あと、企業の国勢調査みたいな風情で、やはりパートで雇われたオバチャンがやってくる「IT関連サービス企業なんっちゃら調査」とかいうのが毎年やってくるんだが、そのオバチャンが毎回トンチンカンなので、優しくしてあげてます。
 だって、調査票を持ってきたときに「また来たな」と思って、私の名前をちゃんと告げているのに、調査票を回収に来るときに、いつも「IT関連サービス企業なんちゃら調査の調査票の回収に参りました」としか言わないので、受付に立った人は「えーと、ITなんちゃらっていうのが来たけど、なに?」と戸惑うのであった。
 私の名前、メモってただろー、「ミヤノ様をお願いします」って言っときゃいいのに(そうすりゃ、「ミヤノさんにお客さんだよ」と呼んでもらえるだけである)、マニュアル通りに正式名称言うから、誰も覚えられないんだよー。

 だいたい、事前に電話して「○日に回収に行くお約束ですが、大丈夫でしょうか」と確認してくるんだが、そのときにも「ITうんちゃらかんちゃらの調査票の回収のご確認ですが」とか言いやがるので、前も私がトイレに行ってる隙にかかってきたから、みんなで「なんだそりゃ」と騒ぎになっており「あ、それ、私が担当だ多分。つーか、私が担当だって言ったじゃんよー。」たとえ、名称が長ったらしくても、「ミヤノ様お願いします」って言ってくれれば、こっちも「ITなんちゃら調査だな」と思い出すのによー
 そうすりゃ、「ミヤノさん、IT・・・・なんとかですけど?」って取り次いでもらえるのに、なんか毎年、それでてこずるんですよ、不思議と。

 こういう調査の回答率を上げるための「識者」として呼んでもらえませんかね?
 ま、たぶん「ビョン様系の調査員よこせ」とか言って、役に立たないとは思いますが。

 そういや、先週の土曜日に最終回だったビョン様主演ドラマの「オールイン」は、「最終回なんて、どうせつまらん」という私の定説を上回る、物凄いつまらなさで、逆に心が洗われたくらい。
 やっと終ってくれて、せーせーしたよ。
 次は、BS視聴者の間ではすでに評判が高い「チョングム」がどうのの宮廷女官陰謀モノらしい。ホントーに面白いんだろーなっ。てゆーか、「オールイン」の後だったら、もはや、なんでもありな気持ちである。  
10月2日(日)

 掲示板が不調のため、「軽いつっこみ」を気軽に書いていただけないようで、ご迷惑おかけしております。

 昨日もその手のメールをいただき「ペッパー警部ってのは、ビートルズの同名の曲 (sergeant pepper)からとったのではー。」というご指摘をいただきました。

 へえ〜、なるほど。そうなのか。

 しかし、そこで気がついたのは「サージェント ペッパーズ ロンリー ハーツ クラブ バンド」っていうのが、ビートルズの曲名だか、アルバム名だかは知っていたけど、「サージェント ペッパーズ」がどういう意味か、考えたこともなかった。
 つーか、コショウだか、トウガラシの種類だと漠然と思っていたようである。
 「黒後家蜘蛛の会」みたいなかんじで、「○○胡椒孤独倶楽部」っていうかんじ。


 今日はやっと、いろんな用事を済ますことができた。
 クリーニング屋に行ってから、時計の電池を替え、図書館で本を返して、また借りて、シャンプーとリンスとコンタクトレンズの洗浄液を買って、あと、トイレットペーパーも買った。

 細々と支払していると、あっという間にお金がなくなる。もう財布に2千円くらいしか残っていない。

 今日のニュースは「バリ島爆破テロ」と「関東地方、10月としては7年ぶりの夏日」だった。
 たしかに暑かったけど、でも、部屋でゴロゴロしていた感じでは、盛夏の湿度はなかったから、私は暑いほうがどっちかというと好きなので、このくらいのほうがいいなあ。

 バリ島のほうはねえ?
 せっかく、3年くらい前のテロ事件が記憶から薄れてきたときだったのに。
 
10月1日(土)

 久々の6日間連続出勤。
 休もうと思えば休めたが、仕事がかなり溜まっているので、静かな土曜日に集中してこなして、うまくいけば来週の平日休めるかも、という計画である。
 しかし、思ったよりも雑務が多くて、予定より捗らなかった。どうしよ。明日も出勤するか?(笑)

 この間、小鳥ピヨピヨで紹介されてた心理テストとやらをやってみようとした。
 しかし、老化が順調に進んでいる私は、最近「あれあれ」が多くなっており、「四字熟語」がとっさに出てこない。

 そういや、今日も、ハイジに「これって、あれでしょ?」と言ってしまい、賢いハイジは「ああ、そうです。処理しておきます」と言ってくれたけど、自分で「これって、あれ」じゃわからんよ、と大笑いしてしまった。

 そんな「あれあれ上司」と化している日々を送っているわけですから「えっと、四字熟語、四字熟語・・・・」と昼休みに白目むいて考えていたのである。

 頭のどっかで「あれをとっかかりにすれば、ドバドバ放出されそうなのだが・・・」というイメージが湧いたのだが、それを言語化することがとうとうできなかった。
 後になって、「あれ」がなんだったのかわかった。

 吉野家の牛丼のご飯抜きのものをモヤモヤっとイメージしていたのだ。

 自分がいったい、どういう道を辿ろうとしたかというと・・・・


 薄っぺらい肉に火が通っていて、縮れている
 ↓
 焼肉
 ↓
 焼肉定食
 ↓
 弱肉強食

 あれを「焼肉」と言語化できていれば、無事に「弱肉強食」が出てきて、他の四文字もワラワラといろいろ思い出したであろう。一期一会とか五里霧中とか・・・・

 しかし、まるでおデコの上に載せたトランプを当てるように、必死で眉間のあたりに気を集中させてみたのだが、「焼肉」までたどり着けなかった。

 次にやったのが、とにかく、なんか頭の中で漢字が4つ並ぶイメージを作ってみることだった。



 うみゅー、と15秒くらい精神統一してみたところ、ポロっと浮かんだのが、これでした。

 「士農工商」

 これって、四字熟語なんだろうか?
 なんか、違うような気がするが、でも、思い浮かんでしまったのだからしょうがない。
 どんな心理テストなのかわからないので、これで勝負してみるしかない。

 でも、一つ出てきたので、頭も少し回ってきたのか、次のはすぐに思い浮かんだ。

 「公私混同」

 これも、いわゆる四字熟語とは言えないような気がするが、でも、しょうがない。

 さて、いちおう二つ出したので、回答というか、「これがなんの心理を表しているのか」を確認してみた。



 ・・・・・・・えっと

 これって、どう無理やり解釈すればいいのだろう?

 人生観「士農工商」
 恋愛観「公私混同」

 テキトーに話を作るのが上手いはずの自分ですら、「どうしたらいいのだろう?」と悩んだ。
 まあ、「士農工商」はいいだろう。商人の雇われ人として一生過ごす覚悟というか、それ以外は別に目指すこともないであろう。
 しかし、「公私混同」は納得できない。会社員生活が20年近くなってきたが、一度も社内や得意先に恋愛感情持ったことがないのが、ささやかな自慢なのである。
 あ、一度だけ、今はけっこう有名になった料理コーディネーターが打ち合わせに来たとき、あまりにもステキにカマっぽかったので、私と同僚二人して、キャーキャー喜んでました。
 黒ブチ眼鏡で、ナヨっとしていて、当時流行していたデカ襟のシャツに、きちんとしたブランド物スーツ着ていたけど、靴も「おでこ靴」で、むちゃくちゃキュートだったよ。

 あんときくらいかな、私が「キャー、彼が打ち合わせにキター!」って喜んでて、同僚が優しく「じゃあ、ミヤノがお茶だしなよ」と気をつかってくれたことなんて。
 喜んでお茶出ししましたよ。だって、お茶出すと「ありがと」って小首を傾げてくださるんですもん。超らぶりーだった。

 話は変わるが、今日、ふと思ったのは、今の自分はこうして毎日ダラダラと「作文」に精を出しているけど、たしかに小中学生のときには作文が得意だった。
 あのときは「作文」だったから、今みたいに「ってゆーか」なんて書かなかったはずで、それなりに気合入れて書いていたはずである。

 作文コンクールなどに応募したことはないけど、卒業文集などは、それなりにちゃんと工夫して書いていたような微かな記憶がある。
 でも、どういうの書いたのかは、さっぱり記憶にない。

 中学の卒業文集のときに、最初に書いたのが、担任からボツを出されたことは憶えている。
 当時、父の本棚から「悪魔の辞典」を読んでしまい、それにインスパイヤされて、中学校生活の「用語」を皮肉たっぷりに書いた文章を提出したのだが、自分でも、出来はほどほどだと思っていたのだが、そんな「お手本」があることを知らない担任の国語教師は、少しびっくりしたみたいで、「ユーモアでやっているのはわかるけど・・・」と難色を示した。

 蛇  長すぎる

 とかでキメたかっただけで、たしか「夏休み 親にとっては長すぎる。子供にとっては短すぎる」とか書いたような気もするが、他にも「職員室 生徒が正座して修行する場所」とか、その学校ではよく罰則で「職員室で正座」っていうのをやっていたのだ。それが酷い罰則だとも思ってなかったので、軽い気持ちで書いたのだが、そんなのばっかり羅列されてるのを読んで、担任はあまりいい気持ちがしなかったこともわかったし、それを覆すほどの自信作でもなかったので、あっけなく引き下がった。つーか、「ブラック・ユーモア」として評価されなかったのは、自分の力量が足りなかったせいなのは、すぐにわかったのである。

 ただ、その後に、無難なものを書いたはずなのだが、それがどんな内容だったのかなんて、さっぱり憶えていない。

 「もしかして、私が犯罪者になれば、ワイドショーや週刊誌が、私の卒業文集の文章を掘り出してくれるかもしれない」

 と、思ったのだが、でも、たしかによく「卒業文集」は掘り出されるけど、それって、たしか、「少年犯罪」?
 39歳のOLが一人くらい殺したところで、卒業文集まで探してくれないような気がする。
 30人くらい殺せば、探してくれるかなあ。
 でも、そんなにたくさん殺す気力があったら、実家の納戸のどっかにあると思うんだよな、卒業文集。それを探したほうが早いかも。
 ってゆーか、私が拘置所にいる間に、テレビで「彼女が小学校のころに書いた文集には」と紹介されても、自分じゃ観れないじゃん。文春あたりで取り上げてもらって、それを差し入れしてもらわないとな。

 と、いろいろマジメに考えてみたのだが、結局「卒業文集なんて、今読んだら、恥かしさのあまりに心臓発作おこすに決まっているだろう」というありがちな結論にたどりついた。

 高校のときには、文集があったかどうかわからないけど、「一行コメント」みたいなのがあって、たしか、「大友克洋の納豆」がどうのこうのって書いたような記憶がある。
 誰にもわかんないと思ったけど、「童夢」で、衝撃を受けた後だったし、世間もみんな衝撃を受けていて、「ぴあ」のはみだし一行コメントだったと記憶しているが「大友克洋 納豆を描く」と書いてあって、「わー、それは是非、見てみたい」と感動したのであった。

 そんで、頭の中が「大友克洋の納豆」でリアルにネバネバしていたので、それを書かずにはいられなかったのだ。
 それだけの話です。
 もし私が、今後、うっかり10人くらい射殺してしまって、高校のときのあのコメントを探し当てた記者さんが「なんじゃこりゃ?」悩んでたら、誰か説明してあげてください。

 我ながら記憶力がいいというか、手元にその文集が無いので、ほんとにそう書いていたのかわからないが、あの「一言文集」は、みんなペンネームで書いていたと思う。ほんとに「ぴあ、のはみ出し」と同じような体裁だったのだ。今は「はみだし」もどうなっているのか知らないが、あの当時は「はみ出し」目当てで買っていたし、「はみだし別冊」も出ていたのです。あれと質的に競っていたのが、パルコで出していた「ひめくりカレンダー」だ。

 「飯は食わねど ヨージ・ヤマモト」とか「壁に耳あり ジョージとメアリー」なんて傑作は今だに記憶に残っている。

 で、あたし、あのときのペンネームはたしか「イスタンブール」と「ゴジラ」を組み合わせていたのだと思う。
 あの当時、イスタンブールに非常に憧れていたのだ。イスラム建築のモザイクが見たかったのね。残念ながら、アルハンブラ宮殿には行ったけど、イスタンブールは今だに未踏の地だ。
 で、なんで「ゴジラ」だったかというと、あの当時、ゴジラ映画が久々に復刻されて、大々的な宣伝でも話題になっていたが、私はゴジラ映画なんてロクに観たことないくせに、ゴジラの気ぐるみには妙に憧れていて、「あれを着て、平然と山の手線に乗りたい」という、よくわからない夢を持っていたのである。

 かなりマジメに妄想していた。
 「キアヌに、結婚してくださいって言われたら、どーしよー?」って程度には(笑)
 ゴジラの着ぐるみを着て、電車に乗ると、「シッポは邪魔にならないのだろうか?」って真剣に心配していたのだ。

 ゴジラのままで、スーパーで買い物しながら、「さて、夕飯どうしよう?」と手を頬に当てていたりしたら、超かわいー、やりてー、と真剣に考えていた。

 そういえば、結局「着ぐるみ」って着たことがないな。
 もっと若いときに、がんばってバイトでやればよかったかもしれない。

 この間、日比谷公園のビールのイベントに行ったときに、場内を着ぐるみが闊歩していて、私もMちゃんも、目が真剣になって、よろよろと着ぐるみに寄っていってしまった。
 Mちゃんも、ただ単に無意識に引き寄せられているだけのようだったが、彼女も自分なりに「理屈」を考えていたようで、「この接続部の構造は・・・」とブツブツ言っていたが、要するに、ちょっと尻尾を引っ張りたくなっていただけのようだった。

 私のほうが、自分の内なる黒い欲望を自覚していたので、「ダメだあたし、こういうの見ると、ついイジめたくなって・・・・」
 Mちゃんは、尻尾をちょっと掴むだけで満足していたのだが(彼女は私より常識人である)、私は、もう、尻尾持って引っ張りたくなってさー

 着ぐるみの尻尾を見ると、どうしてあんなに劣情と闘わなくてはいけないのか、よくわからないんだけど、とにかく、なんかムラムラするものがあるんだよな。こんな大人なはずなのに、体当たりしたり、尻尾を掴んで振り回したくなるこの気持ちはなんなの?
 恋?(笑)

 たぶん、私がもし子供を産んだら、その子は、私に替わって、着ぐるみにラリアートとかカマしてくれるんだと思う。で「あ、○○ちゃん、だめよ」と言いながら、お母さんは超うれしそー。っていう光景が脳裏をよぎったが、さて、今日の作文も脱線しまくりで、作文コンクールじゃ通用しそうにもないな。

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