可燃物な日々

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6月30日(木)

 えーと、火曜日はまた飲み屋に拉致され、かなり飲んだらしく、アパートの階段でコケて肘に痣を作ってしまった。
 それにしても、こんなに会社のメンバーと飲んでばっかりの経理のお局様というのも珍しいのではないかと思う。しかし、まあ、いろいろ事情があるのと、火曜日みたいな暑い日に「さー、ビール飲みに行くぞ!」と言われると断れないアル中であることと、そんで、別に予定がなければ断らない「付き合いのいい人」と思われていることと、まあ、はっきり言えば「どーせ夜は暇だろ?」ってゆーのがバレバレだってことと、どーせ真っ直ぐ帰宅しても、家で1人でビールを飲んでるのもバレバレだってことと、あと、たぶん、そんなに酒癖が悪くないってことがあるんだろうなあ。前はよく「全然、酔っ払ってるように見えない」と言われたが、最近は「そう見えても相当できあがっている」ということもバレているようだ。

 昨日は、6時を回るとさっさと帰り、家でご飯を食べながら「トリビアの泉」を見て、洗濯して、10時には床についた。目覚まし時計を3時45分にかけて。
 そんなに暑くなかったので、わりとちゃんと眠れたようだ。ピピピピとパコちゃん(粗品でもらった電波時計)が鳴いたら、パシっと目覚めた。

 しかし、やっぱし眠い。
 仕事で時々早朝に起きることがあるが、5時起きだとだんだん目が覚めてくるけど、4時だとちょっとトイレで目が覚めました、またすぐに寝なおせますっていう朦朧状態だ。
 それでもなんとか「ブラジルとアルゼンチンの試合はレアものなんだ」と自分に言い聞かせ、テレビをつけて、横になったらそのまま沈没しそうだったから、ちゃんとテレビの前で座って鑑賞。

 そうだよ。コンフェデ杯はW杯のリハーサルなんだから、このペースでちゃんと会社生活ができるかどうかのリハーサルなんだよ。
 でも、この間の「午前1時起床で、3時まで試合を見てから寝なおし、7時半に起きる」のほうが、ちょっとラクだったかもしれない。もともと眠りは浅いほうだと思うので、たまたま睡眠のリズムと合っただけかもしれないけど。

 そんなわけで、かなり気合入れて鑑賞したのだが、アルゼンチンはメキシコ戦でもギリギリだったが、あの延長とPKでかなり消耗していたようで、ダメダメでした。
 アドリアーノがあっさり決めて、すぐにカカが続いてダメ押し。
 「もう、寝ようかな」と思ったが、「W杯の練習」という課題があるので頑張りました。辛かったのがハーフタイム。本当に眠かったが、眠気覚ましにメールチェックしてみたら、なんとママンがとうとうモンゴル乗馬ツアーに旅立ったというメールが来ていた。今ごろ、観光ゲルで寝ているのだろう。

 旅行前にわりと荷造りに時間がかかる母は、いつも自分に言い聞かせるように「でも、どこにだってお店はあるから、いざ向こうで必要になったら買えばいいのよ」とブツブツ言っていたので、それは私の旅行前の口癖にもなったが、今回はたぶん、生まれて初めて「宿の周囲にコンビニやスーパーはおろか、昔ながらの雑貨屋もない」というところを旅行するので、異常に荷物が多くなったらしい。
 それどころか、水道もないので、下着も日数分持たないといけないし、旅行会社から「必携」と言われたリストを全部そろえるだけでも大変な量になるようだ。

 「荷物が多くて・・・・・ 水が無い所(水道が無い)なので、下着1週間分、夏の衣類の他 寒さ対策衣類、雨着上,下、トイレットペーパー、 ヘップサンダル、体を拭く大型ウエットティッシュー、薬,などなど、まだまだ必ず持って行かなくてはならない物が沢山有って大荷物になってしまいました。使っても使わなくても、帰りにゲル(泊るテント)に捨ててくるつもりですが、○○さんが ゲルの壁に「ゴミは日本にお持ち帰りください」と書いてあるよと言っています」

 ○○さん、と書いてあるのは、父の名である。うちの母はあまり「お父さん」と言ったり書いたりせず、名前を使う。これは娘の勝手な推測だが、母の父(私にとっては祖父)は、つい最近まで生きていたので、彼女の中では「お父さん」はそっちの方がメインのようだ。
 自分の旦那を60歳になっても「○○さん」呼ばわりしているのが、うちの母にとって最もオシャレなことかもしれない。

 さて、話しは逸れたが、やっと後半が始まったと思ったら、今度はロナウジーニョがゴール。
 また「電話してね」を両手でチャラチャラさせてヨロコビのポーズ。あのポーズ、敵はムっとすると思うなあ。だって、古いネタだが、スマスマで仲居君がやってた「計算マコちゃん」が「やっだ〜」とブリブリするときみたいなんだもん。
 その後は、部屋の電気も消して、テレビもスリープタイマーかけて布団の中で観てたというよりか、聴いてました。結局、表彰式の直前くらいまでは意識があった。

 コンフェデは、ずっと暑そうな試合ばっかだったような気がするが、決勝戦は雨の中だった。たまたま、可動式の屋根付きスタジアムだったが、全部覆う方式じゃないみたいで、ところどころ隙間があるので、その部分をカメラが写すと、画面上でもかなりの豪雨なのがわかった。
 屋根付きだったら、試合が中断するくらいの雷雨だったらしい。

 ところが、一箇所、その傘のような屋根に穴が空いていたらしく、実況しているアナウンサーが「ピッチの一部に滝のようになってますねえ」と言うのだが、配信映像であるので、なかなかその現場がテレビに映らなかったが、やっとその場面をカメラが捉えたのだが、ほんとに、レジャー温泉の「打たせ湯」みたいになっている。

 「打たせ湯」はせいぜい1mくらいの高さだが、それでもけっこう水圧は高いんだけど、スタジアムの屋根から落ちてくる水流もすごい水圧だろうなあ。
 しっかし、大事な国際大会の決勝戦で、しかも工業国のイメージが強いドイツの、それもビジネス都市フランクフルトで(ヨーロッパの飛行機での玄関口というイメージだ)、雨漏りはカッチョ悪いよなあ。
 でも、かなりヤワい屋根のようで、水がたまったところが、運動会のテントみたいにへこんでいた。あれを下から、箒でつついてザッパーんとやるのが、小学生の楽しみであった。

 ということは、あんな豪雨はめったに無いということなのか?
 たしかに、日本だったら、隙間のある可動式屋根なんて意味がないような気がするし(実際どうなのかわからないけど)、傘みたいなヤワいつくりでも大丈夫なくらいの雨しか降らない地域なのかもしれない。

 そのあたりをもっと追求してほしかったが、実況しているアナも解説者も「あの周辺ではプレーできませんねえ。コーナーポストのそばなのに」と言うだけで、ちょっと残念。

 そういえば、意識が混濁していたので定かではないが、たしか、ハーフタイムで日本のスタジオに中継が戻ったときに、「アドリアーノ、すごいですねえ」な話しに当然なり、誰かが「女性から見ても、カッコいいでしょ?」と、女性アナに言うと、「ええ、カッコいいですね」と言うので、さらに調子に乗って(ってゆーか、その程度のことのために用意した女子アナだったのかもしれないが)「お付き合いしたーい、って感じでしょ?」と言ったら、彼女は「え?・・・・・・うーん・・・・・」と言葉を濁したので、話しが進まなかった。

 彼女はそんなつもりではなかったのかもしれないが、印象としては「アドリアーノは趣味じゃない」ということになってしまった。
 フジテレビの女子アナだったら「えー?でも、私がよくたって、向こうが相手にしてくれませんよ。スーパーモデルやスパイス・ガールズ級じゃないと(笑)」くらい言いそうな場面だったが、「・・・・うーん」はないだろう。ロナウジーニョならわかるけど(笑)

 もしかしたら、すでにJリーガーと付き合っているのかもしれないと、朝起きてから考えてしまったことよ。(我ながら、くっだらねー、朝一番のひらめき)

 さて、試合を観ている間に、東京もすごい雨が降ってきた。フランクフルトから雨雲が移動してきたかのよう。
 梅雨っていうより、夕立であった。

 結局、5時半くらいに寝なおして、2時間後に目覚ましが鳴り、ボヘラーっとしながらシャワーを浴びて出勤した。

 最近、仕事のことでは、細々とマイペースを崩されることが多く、ちょっとストレス溜まり気味。
 あんまし深く考えないで、流れに身を任そうと思う。
 自分が想像力逞しいところは気に入っているのだが、職場でも勝手にいろいろ想像してしまい、勝手に感情移入して、というか共感しているつもりで物事を進めようとするのだが、いつも小さく傷つくのは「他人は自分と同じようには思考していない」というと、自分が崇高な思想でやっているみたいだが、要するに「人それぞれ、違う考えを持っている」ということで、他人が何を考えているのかよくわからないから人生面白いともいえるけど、すこしヤヤこしいことになると、どうしていいのかわからなくなって煮詰る。

 それでちょっと弱気になっていると、些細なことで深く傷ついてしまったりするので、立ち直るのに時間がかかってしまう。

 今日もちょっとブルーだったのだが、そんな私を励ましてくれたのは、前からちょっと苦手な人だった。
 親会社の女性職員なんだけど、いつもピリピリと思いつめた雰囲気が苦手で、今はあまり接点がないのだが、以前、そこの部署とやりとりしなければならないときがあって、彼女のことはなるべく避けていたのだが、ある日、質問しに行ったら他に職員がいなくて、しょーがないから「あの〜、この件のことなんですけど〜」と彼女に尋ねたら、ギョっとした顔をして「え?私?なんで?え?なんで私に聞くの?」と大声で騒がれ、私はそんな対応されると想像もしてなかったので立ちすくんでいたら、後ろの島にいた中堅女性が、「何の件?」と助け舟を出してくれたので嬉しかったのだが、あんなんでちゃんと仕事できているのだろうか?

 その彼女が、久々に電話してきた。用件はうちの事務所にある会議室を貸してほしいという。
 たまに親会社の会議室が満室になると、こちらに打診してくるのだが、私がなんかちょっと聴いただけでも「え?なんで私に?」と、堂々と言う彼女だが、子会社の会議室も堂々と借りにくる。というか、本当は気の小さい人なので、他人に何かお願いするときに、無意味に高飛車になってしまうという困った人だ。

 前置きが長くなったが、久々の彼女からの電話に、こちらも心の中で深呼吸して「仕事なんだから、ちゃんと丁寧に応対してあげよう」と思い、「ああ、○日ですね?その日はまだ空いてますよ。A会議室でもB会議室でもどちらでも大丈夫です」と言っていたら、「あ、そうですか、あ、ちょっと待ってください・・・・」

 と言うので、上司にでも確認するのかと思いきや、電話を保留にもせず「あ、それ、さっき私が受けて訂正したんですけど・・・・・そうです・・・・・いえ、ですから、・・・にしたんですけど・・・・・いえ、だから・・・・・」と、離れた席の人となにやら言い合いになっている。

 どうも会議室の話しをしているのではないらしい。しかも、なかなか話しが終らない。
 向こうが頼みごとで電話してきたのに、保留にもせずに他の話しを始めるなんて・・・・マナー違反である。
 電話を切りたくなったが、彼女はなにかを弁解しているらしいが、その攻撃的で且つ、要領を得ない話しぶりがおかしくなって、しばらく拝聴していた。こっちの電話を一旦切れば、もっと落ち着いて話せるだろうに、それができない余裕のなさが哀愁だ。

 そしたら、私の方も急ぎの用件が現れた。
 その少し前に、某部長が「車を少し使うけど、小さい車のほうがいいから、そっちの車を押さえているTにそう言っておいて」と言って、慌てて外出してしまったので、そのTさんに内線したのだが、電話中だったので、隣の席の人に「電話終ったら内線ください」と伝言してあったのだが、先に本人が現れて、車のキーを探していたので、こっちも負けじと電話を保留にせず、少し遠ざけて「あー、ごめんごめん、ちょっと待って、車ないんだけど・・・電話終ったら話すから、ちょっと待って」と話し始めたら、やっと彼女も電話に戻ってきて「あのー、それで、すいません、それで」とまたモタモタしているので、こっちも負けじと「あ、いえ、それで、ちょっと後にしていただいてよろしいですか?5分後にでも」と言ったら、「いえ、そうじゃなくて、やっぱしよくなりました」

 「はあ?」
 「よくなりました」
 「えーと、会議室予約しなくて、いいんですか?」
 「はい、ええ、すいません、大丈夫になりましたんで、お騒がせしました」

 なんだったんだー、いったい。

 すごく疲れたのは確かだが、「ああ、こんな人でも、ちゃんと仕事していることになっているんだ」(その部署での周囲の評価は知らないが)と、気持ちがちょっとだけ緩んだ。
 気分が下がり気味のときには「正統派バカ」に攻撃されるのもなかなか効果的のようである。余計に下がる可能性も高いが。

 同じころ、クララも親会社の他の職員に、めんどくさい仕事を押し付けられたのに、質問してもまともな返事が返ってこないのでやきもきしていた。その男性職員も、いつもなんだか忙しそうだが、実は全然なんにもやってない、ということを前に同じイベント会場で同じチームになった私もたっぷり堪能させていただいたが、今日はさすがのクララも小さく切れていた。(まさに「ぷちっ」ですな)彼女にしては英断で、その業務をもっとわかっているはずの上の人間に直接質問していました。

6月27日(月)

 昨日の日曜日は、たっぷり昼寝することができたので、そのまま早寝して(昼寝と早寝の境目が曖昧である)1時の目覚ましでなんとか目覚めた。

 そして、寝ぼけなまこ・・・・・・
 自分に一番近い動物はゾウアザラシであると自覚していたが、「寝ぼけたナマコ」もけっこういいセンいっているかも。

 話しを戻すが、寝ぼけまなこでテレビをつけたら、寝起きにはキョーレツな濃い方々ばっかり。
 アルゼンチンには、2名ほど「やや薄い」人がいたようだが、メキシコ選手は全員、超熟仕込みである。

 アジア予選だと、イラン選手などはかなり濃く見えるが、国際レベルでは大したことないんだな。
 昨日の夜もかなり暑かったけど、そんな中で、むせかえるような男臭さを振りまいている男子大勢が必死の形相で走り回っているのを眺めていると、バランスをとるためにアンガールズあたりを投入したくなる。

 髪型がさっぱりしていると顔が異様に濃いし、顔がまあまあ普通だと、髪型が少女漫画もマッつぁおのように濃かったりする。コロッチーニなんて、もろ「エロイカ」である。
 あの髪型で、30度を超すピッチをフルで走り回って、大丈夫なんだろうか?
 それとも、空気の層ができて、断熱効果があるのか?

 ちなみに、コロッチーニはラフなプレーでメキシコ選手を1人潰したので、その後、ボールを持つたびにメキシコ・サポータからずっとブーイングを浴びていたが、遠くから見てもわかりやすかったから、誰も見逃さなかったようだ。

 唯一の心のオアシスは、アルゼンチンのペッケルマン監督であった。ドイツ系らしい。
 しかし、監督の姿はなかなか画面に写らず、活躍するのは濃い人ばっか。アルゼンチンのフォワードであるフォゲロワもけっこう薄いのだが、昨日は存在感そのものが薄かったので、なかなかアップにならず。(結局、同点ゴールを押し込んだのは彼だったが)

 試合そのものよりも「濃すぎて個体の見分けがなかなかつかない!」で終った前半だった。

 でも、ハーフタイムの解説で、東京のスタジオにいたジョン・カビラが「おしょうゆ顔の日本人」に見えたくらいに、目が濃さになれてきたようで、後半になったらだんだん見分けがつくようになってきた。両方ともキーパーはなかなかのハンサムである。
 でも、その二人ですら、日本では濃いほうの楢崎や宮本なんかを3倍凝縮したかのようである。

 後半になって、やっと顔と名前が一致するアイマールが出てきた。
 でも、あんましパっとしなかった。

 で、試合は0−0のまま、延長戦になって、今度は1−1になって、PK戦になったが、延長までは頑張って寝転がって見てたが、PK戦の前にテレビ消して寝てしまいました。もう、どっちでもいいってかんじ。お腹いっぱい。なんだか朝起きたら胸毛が生えてそう。

 そういや、審判は「セリエAでもお馴染みの、イタリアのロセッティさんです」で、やっぱし分け目がびしっとした長身のなかなかの美中年であったが、それはいいんだけど、アナウンサーが審判を紹介するたびに(カードが飛び交っていたので、よく紹介された。なにせレッド2枚切ったからね)「ロセッティさん、セリエAの審判です。37歳」と年齢を連呼したのはなぜ?

 いや、なかなかカッコいいオジサンだと思うし、イタリアン・スーツもイタリア車も似合いそうだが、でも、やっぱし「おっさん」だと思ったんだけど「そっか、年下なのか・・・・」と「37歳」と繰り返すたびに、目頭が熱くなってしまったのでありました。

 前のW杯でも同年代の友人と「ほとんどの選手が年下ってゆーか、年上の選手なんて片手で数えるほどだ。とほほ」と話していたのだが、その友人の会社でもそういう話題になったとき、先輩が「私なんて、コリーナさんですら年下よ」と言ったそうである。

 友人とは「次回のドイツでは多分、年下は1人もいないかもね」と悲しく盛り下がっていたのだが、そんな「約束された未来」を思い出してしまった。
6月26日(日)

 やっと、森山さんの「サイエンス・メール」を申し込みしました。
 ロナウジーニョのおかげで、少しテンションあがってきたかも。

 先日の「日本VSブラジル」は、その前にしっかり飲んでしまい「これは、4時起きは無理かも」と思ったが、いちおー目覚ましを一つだけ4時にセットして寝たのだが、目が覚めたのは、もう一つの目覚まし時計が、いつもの時間に鳴ったときだった。

 あーあ、と思ったが、でもまあ、日本代表をそれほど応援しているわけでもないので、そんなにガッカリしなかったけど、朝のワイドショーを観ていたら「ブラジルに引き分けた!」と大騒ぎしており、ダイジェストで観ても、本当にいい試合だったのか、それとも最後にブラジルが手を抜いたので同点になってしまっただけなのか、よーわからんかったのだが、でも、ブラジルって、いっつもそんな感じで、予選はけっこうギリギリで通過してきたりするが、決勝トーナメントでは「なんで予選で、あんなに苦戦してたんだ?」というような試合をしたりするので、解説者などには「試合運びを知り尽くしている」とよく絶賛されるけど、緻密に計算して「手を抜くとこは抜いて、決めるところはビシっと」なもんでもなく、結果オーライでなんとなく辻褄を合わせてしまうあたりが「王国」の王国たるところなんだろうけど、なんか、ああいう仕事の仕方って憧れちゃうわよねえ。三年寝太郎みたいで。

 というわけで、ブラジルの調子もよくわからないまま、昨日の夜というか今朝1時からは「ドイツVSブラジル」の準決勝。W杯以来、初めて観る「W杯クラスの組み合わせ」である。
 「W杯だけ、妙に熱中する」という、なまくらサッカー・ファンの私にとっては、この先1年は、なるべくこういうのを鑑賞しておいて、いろいろ勉強しておく必要がある。だって、もはや、ロナウジーニョとバラックしか、顔と名前が一致する選手がいないんだよ。

 もっとも、普段、ヨーロッパのクラブチームの試合や、ユーロだとかチャンピオンズリーグの試合を観ることのない、「地上波オンリーさん」な私なので、W杯でしか世界の有名選手を知る機会がないわけで、W杯の予選リーグを地道に観て、一から勉強しているのだ。

 さて、試合開始になったが、いきなり審判が「W杯クラス」であった。いや、あたしゃ、審判がいいとか悪いとかは全然わからないのですが(友人Mに「審判のゲームコントロールが!」を語らせると、それだけで1時間くらい語るが)、この試合の主審であるチリ人のチャンディアさん、遠めで観ると、デ・ニーロみてえ!そもそも、最初にアップになったとき、見事な七三分けに心を鷲づかみにされた。
 デ・ニーロは審判の服装似合うんだな。そういうコメディ映画いかかでしょうか?デ・ニーロが短パンってだけでおかしいぞ。

 こういう、観た目だけでも印象に残る審判がW杯には集まってくるのだということを久々に思い出した。もう、それだけで心が熱くなり、アジア予選とかは、掃除したり洗濯モノを畳んだり、アイロンがけしたりと「ながら族」をやってしまうのだが、ドイツ・ブラジル戦はちゃんとじっくり鑑賞いたしました。

 ドイツは若手ばかりを起用しているようで、でもドイツ人の20歳ちゅうのは、東洋人から観るともっと貫禄あるように見えるのだが、たしかに顔がわかる選手がバラックしかいない。バラックは、ハリウッドの青春映画に出てくる「いじめっこ」顔だと思っていたが、さらに磨きがかかってきたようだ。
 だいたい、ドイツ選手は、顔つきだけで、「いじめっこ」か「ナチの親衛隊」に分類できる。顔が整ってないと「いじめっこ」で、妙に整っていると「親衛隊」という、わかりやすい分類だ。(←おめーがわかりやすいんだ)
 もちろん、両方を兼ね揃えている人もいて、そういう人は、ディカプリオの恋敵役なんかに抜擢してあげてもいいんじゃないかと思う。

 しかし、前半は飛ばす都バス。
 よく「相手にスペースを与えない」と言うが、シロートにもそれがよーくわかる展開であった。中盤にやたらと人がひしめいていて、ブラジルにボールが回ると、ドイツが3人くらい集まってきて、たいへん賑やかである。
 ニュールンベルグも30度を超す熱さらしいので、あのペースでずっとやるのは無理だろう。観てるだけで汗が出てきそう。

 前半の中ごろになって、ようやく少し緩んできたところで、ブラジルのセットプレー。けっこう距離のあるフリーキックだったので、ぼんやり観てたら、アドリアーノのキックがスッポーンとゴール。
 あまりにも見事だったというか、虚をつかれて、夜中に1人で「ぎゃははははは〜〜〜〜〜」と大笑いしてしまいました。

 そしたら、すぐにドイツもヘディングでゴール。
 なんだよ。ドイツはまたヘディングばっかなのかよ。

 やはり、ブラジルのほうが「なにをしでかすかわからない」というドキドキ感を煽ってくれるので、おもしろいね。でも、ドイツもまだチームが固まってないようなので、いつもの(っていうほど観てないので偉そうなこと言えないが)ドイツみたいな1パターンみたいな雰囲気もなく、その迷いのあるかんじが好感が持てた。

 今の段階だと、このくらい「学芸会の演目が決まってません」なほうが、一年後にはいいんじゃないかな。
 ブラジルは、毎回「サンバ・パレードで決まり」なので、ろくにリハーサルもしないのがウリなわけだし。

 さて、そんなんで1−1のまま前半を終えるのかと思ったら、ギリギリになってブラジルがPKをとった。
 ロナウジーニョが蹴るらしい。

 アップになるロナウジーニョ。
 ゴールを真剣な目で睨むロナウジーニョ。
 そして、見事に決めて、カメラ目線でガッツポーズするロナウジーニョ。

 また夜中に1人で「ぎゃははははは〜〜〜〜〜」と笑ってしまいました。すいません。しかし、世界でも指折りの選手であることは間違いないのだが、なんでこう、人を和ませる「おばさん顔」なんだろう。
 相手チームにとっては、最も恐ろしい選手なんだろうけど、あの顔を間近で見ると、力が抜けてしまうのではと心配になるが、それは私がテレビで観ているからであって、1メートルくらい接近すると、もっと違うふうに見えるのであろうか?

 しかし、ブラジル代表のキャプテンになっても、やっぱしロナウジーニョはロナウジーニョだ。
 サッカー界だけじゃなく、世界のスポーツ界全体で考えても、あれだけのトップ選手で、あの風貌っていうのは希少なんじゃないだろうか?
 丁度、裏でやっていたウィンブルドンでは、ミドルサタデーの習慣として、客席に招待客が並ぶのだが、今年は「オリンピックをロンドンでやろうよ、プリーズ」という年でもあるので、正装したセレブたちはどうやら「過去のメダリスト」だったらしい。

 日本では名前も顔も知らない選手がばっかだったけど、そのセレブ然とした雰囲気に「そうだよなあ」と思った。
 有名選手っていうのは、たいてい「名士」としての雰囲気を身につけるものだ。まあ、あんましそうならない人もいるし、そういえば、ジーコ監督もそんなにセレブセレブした人じゃないけど、でも、ロベカルなんかはけっこういいセンいってた。うーん、そうか、ブラジル選手は、ロナウドもリバウドもあんまし「名士顔」になんなかったしなあ。

 でもね、想像してみてください。
 サッカーのことなんて全く知らない両親の前に「この人と結婚したいの」とロナウジーニョを連れていったら、両親がどれだけ落胆するか。
 華はなくても、リバウドさんだったら「真面目ないい人」という印象を与えるし、ロナウドだったら「ちょっとやんちゃそうで心配だけど、でも、魅力的な男だな。もう少し落ち着いたら大丈夫だろう」と思えるかもしれないけど、ロナウジーニョはねえ?

 一流と呼ばれる選手は、それなりにルックスが整ってくるはずなのですが、私の知る限り、ロナウジーニョだけは例外。逆にそれだから、凄いのかも。

 アドリアーノも今の時点では「私が超セレブになったら、こういうボディガード雇おう」としか言えないが。

 そういえば、ブラジルのカカは可愛いね。ブラジルには珍しいジャニーズ系だ。
 髪型がそもそもジャニーズ系なのだが、ふと気がついたのだが、バラックも同じ髪質で似たような髪型なんだけど、「なんで、こんなに印象が違うんだろう」とまた笑ってしまったのでありました。

 そういえば、ドイツの監督の横に座っていた黒髪の色男は誰だったんでしょ?監督と同じような「クールビス」な服装をして、監督と同じポーズでじっと座っている姿は、かつてのダバダバを思い出させてくれた。

 そんなわけで、なかなか堪能できたドイツVSブラジルでございました。
 (いったい、何を堪能してんだか。でも、スポーツの試合をどう観ようと、あたしの勝手である)

 試合終了してから、ウィンブルドンのシャラポワの試合を観てたんだけど、今回のシャラポワの衣装、あんまり好きじゃないんだけど。
 でもなー、やっぱ、シャラポワが活躍しているうちに、ウィンブルドンには再挑戦してみたいなあ。(8年前、現地に行って、中には入ったのだが、雨で試合は観ることができなかった)
 センターコートで、シャラポワの見事な「わお!」と書けばいいのか、文字で表現することは難しいが、マイケルもびっくりのあの叫び声を生で聴いてみたい。

 うちの弟は、ウィンブルドンを堪能して(同じ時期に行ったのだが、弟はちゃんとテニス目当てで、私はグラストン目当てだったので、ロンドンにいる時間が短かった)、「なんかヒンギスの試合ばっかだった。しょーがないから、ヒンギスのお尻ばっかり見てたんで、もう見飽きた」と言っていた。私もそうだったんだけど、弟もあんましヒンギスに興味なかったらしい。
 その後、やつは順当にクルニコワにハマっていたようだが(笑)
 なので、姉としては「シャラポワのパンツはもう見飽きた」って弟に自慢したいという野望が煮えたぎっているのである。

 それにしても、今回のコンフェデ杯でやはり痛感したのは「時差がつらいよ」である。
 フランス大会でも思いっきり昼夜逆転したが、あんときゃ無職だったから好きにできたけど、来年はどうすりゃいいんだ。
 そりゃ、録画しておけばいいんだけど、生中継で見るのが好きなのよ。

 そういや、うちの弟は、昔からアメフトも大好きで、彼が学生のときに、夕飯時に帰宅してきたらいきなり「ニュースは消してくれーーー、できたらテレビを消してくれーーーー」と叫ぶので、なんのことだかわからなかったのだが、衛星放送がマイナーだった当時、アメフトの試合なんて生中継されることもなく(スーパーボウルは超例外)、せいぜい夜中に録画放送してくれるだけだったから、その放送を観る前に試合結果を見ないようにするのに苦心したらしい。

 とは言っても、日本ではアメフトの試合のニュースなんてほとんど報道されないので、普通にしていれば大丈夫なのだが、だからといって油断していると、番組の合間の短いニュースなんかでポロっと試合結果が耳に入ってきたりするので、そういうときには、ヘッドホンステレオで耳をふさいで帰宅すると部屋に篭って、放送時間になるまで外の世界との接触を一切絶っていたのである。
 弟のアメフト好き仲間同士でも、相手が録画した試合をまだ観てないのに、ぽろっと言ってしまう事故が実際にあったので、それ以降、別の用事で電話がかかってきても「アメフトの話しは絶対するな」と最初に念を押したりするらしい。

 たしかに、結果わかってから観てもつまんないもんね。
 W杯だと、結果を知らないようにするのは無理なので、やっぱしちゃんと生中継で観たい。

 ああ、会社やめよっかなあ。

 宝くじ当たらないかな・・・・・・

 この間、買ったやつ(恐竜博見た帰りに「これが当たれば、本物の化石が買えるかな」と思って買ってみました)は、しっかり外れた。
 でも、しっかり外れるのも久々だ。3000円をよく当てるのが悲しかったので、どうせなら、しっかり外れたほうが次への希望が湧いてくる。「幸せ貯金」の残高を増やすのだ。

 さて、今日の深夜1時からは、もう1組の準決勝「メキシコVSアルゼンチン」だ。
 うーむ、アルゼンチンもチェックしておきたいなあ。
 どうしよう。夜まで昼寝すっかな。

 外出したら、街は「都議会選挙運動」で入り乱れていて、とてもヤカましい。
 それはいいんだけど、商店街を練り歩いていたある候補者の売りが「私は、○○でパン屋をやっております」というはいいとして、「毎朝、三時半に起きているパン屋です」を連呼されてもさー。

 こっちだって、朝1時とか4時からのサッカーの試合と、昼間の仕事の両立で悩んでいるわけですよ〜。
 

 全然関係ないが、「夏至」って言葉が好きだ。字面もいいけど、音もいいよね。げしっ
6月25日(土)

 すっかり暑くなってしまって、ほんとに梅雨はどこに行ってしまったのだろう。

 昨日もクソ暑かったですが、謄本をとりに関内まで行きました。桜木町から向かうので、川を越えたりするあたりは日陰もなくて超暑かったです。
 法務局なんか行くのは10年ぶりくらいだったが、やっぱし思った通りに情緒が全くなかった。
 銀行の「順番待ちカード発行機」が3台くらいあって、まず受付でそれを引いてから5分くらいしたら、「503番のカードをお持ちの方 1番窓口まで起こしください」と機械のアナウンスで呼ばれて、窓口で申請書を提出。

 そのとき、窓口職員に「カードをお願いします」と言われたので、「503」と書いてあるレシートを出したら、「それじゃなくて、印鑑証明書の・・・・・」
 あ、そっか、そのカードね。このレシートをカード、カードって連呼するから、すっかりこれしか念頭になかった。

 そんで、待っている間にも、機械が「498番カードをお持ちの方は○番窓口へ」「510番のカードを・・・」とずっとまくし立てているので、うるさくて眠れないよ。
 そりゃ、昔は大変だったよ。
 マイク持った男性職員が、出来上がった謄本や印鑑証明を持って、次々と社名や申請者を読み上げて、それで人がワラワラと集まってきて、「○○社申請のミヤノです」とか「××社の印鑑証明」なんて言のを一々探して、渡すんだけど、印鑑証明の場合には「代表者の生年月日」を確認したりしていて、その場所は市場のセリのように活気があったのだ。

 取り付け騒動(笑)が終了すると、また静かになり(ときどき書類不備の人がアナウンスで呼ばれたりするが)、待ってる人たちもボーっとしているが、またその男性職員がマイク持って「それでは、今からお呼びする方は受付カウンターまで起こしください」と、ダーっと読み上げるのと、みんな心の中でプレーリードックちゃんみたいに種リンクして聞き耳を立てるのであった。

 私がその当時よく足を運んだ法務局では、そのマイクパフォーマンスをする職員がずっと同じ人で、「ああ、この人は毎日これをやっているんだ。大変だなあ」と思ったけど、でも彼は淡々と自分の仕事をこなしていた。
 あと、登記の閲覧に来る人も多いので、そっちの呼び出しも同じようなペースであり、そっちは女性がアナウンスしていたので、その二人のデュエット(ハモルことはないが、銀恋の出だしみたいに交互に歌う)をBGMにいつもたっぷり昼寝していたのでありました。

 機械での呼び出しは銀行でも同じなんだけど、銀行だと、最初に提出するときに機械で呼ばれるだけで、出来上がると「○○様〜」と口座名で呼ばれるのだが、法務局は、出来上がりを呼ぶのも機械なので、かなりやかましかった。
 それに、とうという法人名や個人名を呼ばれることなく、番号に始まり番号に終るので、一言も口を声を発しなくても大丈夫なようになっているあたりも、なんか嫌い。

 そういうのがとてもイヤなので、わざとはっきりと「お願いします」(+にっこり)とか、「ありがとうございます」(+にっこり)と声を発したのだが、窓口職員には完全に無視された。
 もちろん、それでいい。スピードアップが最優先であり、愛想なんて不要である。接客態度で客が増えたり減ったりする仕事じゃないんだから。

 でもね。なんか整然と機械アナウンスの音頭に乗って、ただひたすら書類の受け渡しだけやっている職員を目の前にすると、こっちも「いい年してガキの使いみたいなことやってるな」っていう気分になってくるというか、往復30分も電車に乗って、往復15分ほど暑い中を歩いて、結局、自動販売機で書類を買っているのだとすると、「これなら別に、もっと近所にこの機械を置いてくれればいいだけじゃないの?」と思ってしまうわけだ。

 パスポート発行するところも、一県に一箇所くらいしかなくて、とても不便だが、あそこは「提出してから、また1週間後に受け取り」という仕組みなので、「なんか、あそこでしか出来ない重厚なことをやっているのだろう」と無意識に思うので、「区役所でもいいじゃん」とは思わないけど・・・・たぶん。

 また、何を言いたいのかわからなくなってきたが、その昔、うちのママンが「スーパーで買い物ばかりしてるとストレスが溜まるような気がする」と言っていた。
 スーパーに行けば、なんでも揃っているし、たいへん便利なのだが、一言も言葉を発することなく店を出ることが多いことに気がついたそうだ。無言で商品をカゴに入れ、無言でレジに並び、レジ係りが「2530円です」と言うと、無言で千円札を3枚出し、無言でお釣を貰ってくる。たしかに、普通、そうなる。
 スーパーは、その「無言で買い物できます」ということを極めようとしているのか、「レジ袋はいりません」という客のセリフも奪うために、「袋不要カード」なるものをレジ横に置いていたりする。

 たしかに、商店街の八百屋や魚屋で買い物すると、「奥さん、今日はサンマがお勧めだよ!」なんて言われて、それを苦痛に思う人も多いだろうけど、多少はそういうやりとりがないと、買い物以外に外出しない主婦にとっては、「お父さんが帰宅するまで、とうとう誰とも喋らなかった」ということになりかねない。

 母とその話しをしていたときに、「え、それは私のほうが深刻では?」と思った。仕事している間は、一応会話はあるが、休日などは、ほんとうに誰とも会話せずに、スーパーで買い物に出かけても、一言も喋らないわけで、それを辛いとか悲しいなどとは意識しないけど、母の言う通りに「微妙にストレスが溜まる」とは思うので、意識的に豆腐を豆腐屋で買って「もめん一つ」などと声を発したり、豆腐屋の老夫婦が頑張ってる姿を見ると、ついうっかり、がんもどきまで買ってしまったりすることが、自分の心の健康(笑)の維持に役立つと思っている。

 そう考えると、コンビニやファミレスで、若いバイト定員が「変な敬語」を披露してくれるのも、「間違ったマニュアル」ではなく、一種の自浄作用なのかもしれないなあ。(飛躍)
6月24日(金)

 来客も電話も多く、ただでさえ慌しい一日だったのだが、夕方、貧乏クジを思いっきり引いてしまった。

 総務で代表電話を受けているので、そのほとんどが営業電話であるのは「これも仕事のうち」なのであるし、前は派遣のアシスタントに電話応対をお願いしていたが、結局、そういうセールスに応対するのは社員の仕事になってしまうので、しょうがないんだけど、前の職場は一般顧客相手の仕事ではなかったので、そういうセールスには冷たく応対していたが、今の職場は子会社とはいえ、一般顧客相手の商売なので、セールス電話をかけてくる人も顧客になる可能性があるので、あまりゾンザイにできないのが辛い。

 しかし、代表者や役員を名指ししてくる電話のほぼ99%は、会社の業務に関係あるものではなく、怪しい融資や、先物取引などの勧誘である。
 そういう電話の半分くらいは、社名を言わずに「田中ですが、社長いる?」と、親しい知人を装うので、念のため社長に「○○さんという方からお電話ですが・・・」と確認するのだが、たいてい「知らん」と言われ、「今日は出張中です」とか「外出して、戻ってきません」と嘘を言ってブロックするのもけっこうストレスなんである。
 だが、前にもちょっとトラブルがあったのだが、こっちが変な対応すると、恐喝まがいに転じる「やばい組織」も存在するようなので、気をつかうのだ。

 今日あった電話も、そんなヤバい雰囲気で始まった。詳細はちょっと変えて、相手の名前なども仮名にしてなんとか表現してみよう。

 代表電話が鳴ったので、電話をとると、いきなり「えー、私は、島田・・・・島田幸男と申しまして」

 わー、いきなりフルネームかよ。
 なーんか、やな電話とっちゃったなあ。
 と、トホホな気持ちでいたのだが、相手はマイペースで語りつづけていた。

 「いつも本部ではお世話になっております」

 本部?
 たしかに、内輪では「本部」と呼んでいる。うちは子会社だし、親会社は支店を抱えているので、グループ内では「本部」と言えば、親会社の中枢が入っているビルのことである。
 なーんか、ヤな予感がしたのだが、でも、こっちが構えているような「社長にかわれ」という展開にはならなかった。

 「ええ、お世話になっているというか、そちらの支店に通ってまして」

 なんかのクレームなの?でも支店でのクレーム電話がうちに来ることはほとんど無いんだけど?

 「それでですね。実はわたくし、○○不動産のモノで、そちらの店舗開発のことで、なにかお力になれないかと思って、本部に電話したら、開発はそちらの会社でなさっているとのことですので、ぜひ、一度ご挨拶できたらと思いまして・・・」

 なーんだ、不動産関係だったんだ。ほっ
 たしかに、子会社であるうちの会社の社員であるK氏が、親会社の賃貸物件の交渉を任されている。なぜなら、彼はそのために、バブル時代の大手不動産業から引き抜かれてきたのだ。
 ただ、店舗拡張も一段落ついてしまい、最近はそんなに動かないので、彼の能力がもったいなくなり、その営業センスを買われて、今は不動産とは関係ない主幹部署で忙しそうなんだけど、「店舗開発のご案内」は途絶えることなく、親会社としては、彼に任せきりだったので、不動産関係の営業電話があると、自動的に子会社のほうに回してくるのである。

 K氏が在席してれば、ただK氏に電話を回せばよかっただけだが、たまたま彼は、会議中であった。その少し前にも同様の「店舗のご案内」電話があり、K氏の予定を確認していたのだ。
 不動産業界では、普通はそんなにシツこい電話をかけてこない。たまたま、テナントに空きが出て「もし、この地域に出店予定があれば」と確認してくるだけなので、「それは、Kという者が担当しておりますが、あいにく、会議中で」と言っておけば「じゃあ、また掛けなおします」で終わりである。もしくは、案内したい物件のFAXを送ってもらうとか、そんなもん。

 しかし、「今、担当者が会議中ですので」と言うと、その電話の主は食い下がってきて、「会議は何時に終わりますか?」
 「ええと、少々お待ちください」と言って、K氏の予定をパソコンで確認しようとしていたのだが、そうしてる間にも向こうは喋り続ける。「実は、今日、そちらの近所に足を運ぶ予定がございまいして、せっかくですから、ご挨拶に伺いたいと思いまして・・・・」

私「今、予定を確認しておりますので、少々お待ちください」

 自分の部署の人の予定はすぐに観られるようになっているが、他部署の人のは、ちょっと時間がかかるのである。ちょっとって言っても、ほんの20秒くらいなもんだが。
 K氏が入っている会議は、15時から17時になっていたが、会議が実際に終るのが何時なのかは正確にはわからないのが世の常である。特にうちの会社は会議好きなので、会議が長びくことも多い。
 それに、私が勝手に彼のスケジュールを組むわけにもいかないので、「ご挨拶に伺いたいが、何時なら大丈夫か?」と言われても、その後の予定はわからないのである。フツー、そうでしょ?

 とりあず、「予定では、5時ごろまでになってますが、その後の予定がわからないのでお約束できません」とはっきり言ったのだが、向こうは勝手に「じゃあ、その頃に伺います」と言うので、「でも、次の予定が入っているかもしれませんし、もしかしたら会議が終ったらすぐに外出してしまうかもしれません」と言ったのだが、そしたらまた、「自分はおたくの会社の顧客である」を振りかざして、「いやー、ほんとにそちらにはお世話になったもんですから、実はおかげで○○しましてねえ。大変感謝してるんですよ。それで、今はちょっと通ってないのですが、(うちの会社の客は子供なので、彼の子供はもう大人になったという意味である)でも、お世話になっているときには、お仕事の話しを持ち出すものはばかられましてけど、今はそうではないので、逆にいろいろお手伝いしたいなあと思ったんですよ。先日も、渋谷のお店をのぞいてみましてねえ。いやあ、なかなか繁盛なさっているようで、私としても、そういうお手伝いをしてみたいなあと・・・」

 ああ、ウザい。
 こう「客だ、客だ」を連呼されると、こっちとしても「はあ、ありがとうございます」と生返事を繰り返すしかない。しばらく向こうの自慢話を拝聴していたのだが、それでも、K氏の予定を私が決めるわけにもいかず、「会議が終らないとなんとも・・・・」と口を濁していたのだが、そしたら「じゃあ、伝言を残してください」と言うので、おお、やっと向こうもわかってくれたかと思っていたら・・・・

 「私の電話番号は、○○○−○○○で、携帯が、○○○−○○○・・・・」

 もし、もーし?それは、折り返し電話しろってこと?
 飛び込み営業電話で、いきなりそれは反則でしょ?

 「じゃあ、そのメモをKさんに渡してください。それで、私は5時ごろにそちらに行きますから、Kさんをあなたが少しだけ引き止めてください」

 いや、親しい取引先が急用でっていうなら、そのくらいやるけど、「何かお手伝いできることないか、とりあえずご挨拶」で、そういう要求されたことなかったので、かなりびっくり。

 こっちも再度、「お見えになっても、Kは会議中か不在ということもありますが・・・」と念を押したが、向こうは聞いちゃいないんだけど、「とにかく名刺だけでも」と、やっと真っ当なことを言ってくれたので、「じゃあ、私が名刺をお預かりすることはできますが」と言っても、それでいいらしい。

 ふー、なんだか疲れる。
 しかも、「ところで、そちらの住所なんですが、○○の3−15なんですよね?」と親会社の住所を言うので「いえ、そこは本部なので、うちは近所なんですが住所は別です」と言うと、
島田氏 「え?3丁目じゃないの?」
私   「いえ、3丁目なんですけど」
島田氏 「3−15だよね?」
私   「いえ、3−7なんです。親会社からは、徒歩2分くらいなんですけど・・・」
島田氏 「それって、どの辺?」
私   「ええと、どの辺と言うか、○○(近所にある観光施設)の近所になります」
島田氏 「ああ、そうなんだ。3−15じゃないんだ」

 うーん、この街の地理に詳しいんだか、わかってないんだか、微妙なんだが、まあ、また確認してくるだろうな、とは思った。
 しかし、強引なんだか、天然ボケなんだかよくわからないが、とにかく「人の話を聞かない元気なオジサン」であることは間違いなく、それが実は「超優秀な営業マン」としての技なのか、ただのバカなのかはその時点ではよくわからなかったが、私がとてもイライラしたのは事実。
 でも、ボケてようが、なんだろうが、新規開拓の営業マンっていうのは、けっこう癖があるのはわかっているので、この簡単にはいかない雰囲気が「実はデキるやつなのかも」という可能性を残した。

 5時10分くらいに、また島田氏から電話があり「今、駅につきました」
 K氏はまだ戻ってこない。てゆーか、総務に顔を出すかもわからない。でも、同じ会議に出てた人が戻ってきて「K?今、5階でタバコ吸ってたよ」と言うので、そのフロアの喫煙所に行って「こういう電話があって、来社するってきかないから、もう来るらしんですけど、どうしましょ?なんだったら私が応対しますが」と言ったら「ああ、いいよ」と言ってくれたので、島田氏が到着するのを待った。

 10分経っても来ない。
 駅からは、そんなに離れてないのである。
 つーか、この街自体が「人工的な街」であり、駅を中心に10分も歩けば、野原になってしまうのである。

 K氏も総務のフロアに降りてきたので「さっき駅から電話があったんですけど・・・」と言っていたら、やはり島田氏から電話があった。

島田氏 「いやー、久々に来たんですが、どこですっけ?」

 どこですっけ?って言われても、あんたはどこにいるんじゃ〜〜〜〜〜
 二丁目だの三丁目だの言っていたのは、なんだったんだ〜〜〜〜〜〜〜

 だいたい、うちの会社に「会社の場所を知らない客」が来ることは滅多になく、道順を説明するのに慣れてないのだよ。
 てゆーかさー、そっちが営業かけてきて訪れる会社の住所がわかってるんだからさー、調べてから来るのが礼儀だろー。それに、あんたんとこ大手不動産会社でしょ。不動産屋が「地理にうとくて」っていうほど恥かしいことないと私は思うんだけどね。

 しかも、島田氏は私が一番苦手な「わかってないのに、中途半端にわかっているふりをして、人の話を聞かない」タイプであり、「どこでしたっけ?」と言われて、私がフリーズしていると、「M銀行の並びじゃなかったでしたっけ?」と、わけわかんないこと言う。M銀行はたしかに駅前にあるのだが、ほんとに当てずっぽうで言ってるだけなんだな、と冷静に分析できたのは後になってからである。

 他人にも理解してもらえると思うが、「駅からの道順を教えてください」と、きちんと聞いてもらえれば、ちゃんと道順を言うことができるが「M銀行の並びでしたっけ?」といわれると、「いえ、違います」とYES/NOで、とっさに答えてしまうのだ。

島田氏「あれ?違う?じゃあ、どっちだったっけ?」
私  (「どっち」って言われても、どういう目印を言えばいいのだろう・・・・考え中)
島田氏「プリンスホテルのほうだったっけ?」
私  「いえ、そっちじゃなくて・・・・」
島田氏「アリーナのほう?」
私  「いえ、そうではなくて」
島田氏「○○って飲み屋があるけど、そっち?」

 後から考えると、彼は手近に見える案内板をただ羅列しているだけである。私が必死に「○○の方」と言っても、それは彼が見てる案内板に無いらしく反応が無い。

 しかも、ムカつくことに、彼は「自分はこの街にけっこう詳しい」という態度をくずさず、

島田氏「そうだ、○○信金があるよ。あそこの通りでしょ?」
私  「いえ、違います」
島田氏「ええ?違う?○○信金の通りだよね?」
私  「いえ、違います」

 泣きたくなってきた。
 島田氏もバカだが、それにつられている自分も相当しょーもない。
 しかし、○○信金が出てきたので、方向を説明しやすくなったのがわかったので、フーっと深呼吸してから、

私  「○○信金よりも、もう一本先の通りです。駅に背を向けて、○○信金を通り過ぎて、もう一本先の通りを左に曲がってください」

 よーし、これでちゃんと辿りつけるかな。
 と思っていたのだ、待てども待てどもやってこない。

 時刻はあっさりと5時40分になった。

 K氏もあちこちと電話してて忙しそうだったが、「すいません、もう近所に来てるみたいなんで。それにしても、かなり疲れる人です」と謝った。

 5分くらいして、また電話があった。

島田氏 「今さー、スタバの前なんだけど」

 きーーーーーーーー。だから○○信金のところを駅と反対側にって言ったのに、直角に曲がりやがったな。

 しょうがないから「ええと、スタバの角を右に曲がると、××っていう店があって・・・・」

島田氏 「ああ、××、あったよ。そこを曲がるの?」
私   「ええ、右に曲がると・・・・」
島田氏 「ああ、わかったわかった。その××の上?」

 違うってーの!人の話をちゃんと最後まできけ!

私   「そこを曲がると、コンビニのFが見えるので、そのお向かいくらいです」
島田氏 「Fの並びね」
私   「並びじゃなくて、お向かいです!」

 その電話が終ったあと、私は「なんなの、この人、なんで人をこんなに疲れさせるの?」と1人で絶叫してしまいましたが、島田氏が到着したのは、それからたっぷり5分後でした。××の角から、うちの会社まで徒歩10秒くらいなのに・・・・

 ああ、きっと彼と私は別の時空に存在しているのでしょう。

 やって来たのは、やはり、「実は豪腕営業マン」ではなくて、ほっこりした雰囲気の初老の男性でした。全身に「天然ボケ」のオーラが漂っていました。私がこの1時間、彼の電話に振り回されて、他の仕事が全く手につかなくなってしまったことなんて、3千回生まれ変わっても気がつかないでしょう。

 K氏との面談の様子もわかりましたが、また「実はおたくの客でして」のアピールと、自慢話が始まってました。
 大手不動産会社にこんな使えない営業マン?と思いましたが、その不動産会社も何を考えたのか「異業種から再就職を募集する」というトンチンカンなことをやったようで、それで再就職したのはいいけど、何から手をつけていいのかわからなかったので、でも「自分が過去に貢いだ会社は営業に行ってもムゲにしない」ということは学習していたのか、そもそもその会社はそれ狙いでそういう人材を雇ったのか・・・・

 ああ、今から考えると、きっとそうなんだろうなあ。
 営業の基本が全くできてなかったもん。
 あまりにも型破りだったので、逆に警戒しちゃったくらいに。

 で、あれでも、担当者の名刺もらえば、もっとちゃんとしたのが切り込みに来る機会を作れるのかもしれない。
 K氏も面談が終ったあと、「うちの客だ、客だって言われてもよー」とボヤいていた。

 たしかに、営業に来てそういう話しをする営業マンはけっこう多いけど、それだけじゃあ、話しの繋ぎにしかならないんですよね。
 それに、最初から「客だ」を連発する営業マンも珍しいというか、普通はアポをとりつけて来社してから「実は、けっこうお世話になっていたんですよ」なトークで、相手に話しをちゃんと聞かせるっていうのがセオリーなんだろうけど。

 島田氏は打ち合わせが終ってから、K氏に「あれ?どっちでしたっけ?」と言っていた。
 そんな大きいビルではないので、1フロアに社員を詰め込んでも20人くらいしか入らないビルで、帰りのエレベーターホールの場所を見失うって、どういうこと?

 とにかく、ものすごく方向音痴であることは間違いない。
 エレベータの目の前にあるミーティングスペースにご案内したのに、帰り道を見失うなんて、そんな不動産屋が薦める「立地のいいテナントビル」なんて誰が信用しますかい。

 ま、それはいいとして、勉強になったのは、他人にモノを聞くときには、「私は中途半端にできるだけのことはやったんです」というのをアピールするのは、逆に損だということである。
 前に私を悩ませた派遣のOさんも、そのタイプで、「これはどうすればいいんですか?」って質問してきたときに、こっちが「えーと」と考えている横で、「こうしたほうがいいんですかね?それともこうですか?引き継いだときには、こう聞いていたんで、それで調べてみたんですけど、前例が見つからなくて、それでどうすればいいんですかね?」と激しくまくし立てるので、それを拝聴していると、どう判断したらいいのかこっちもわけがわからなくなるんである。

 そんな無駄な努力をするよりも「全然わからないんで、最初から教えてください」と言ったほうが、時間的には早く済みます。

 もちろん、世の中には「ちったー自分で考えろよ、なんでもすぐ聞いてくるな」とか言うやつもいますが、でも、たぶん、そういう人には、そう言ってもらってから「実は、ここまでは考えたんですけど、その先が・・・」って言えばいいだけ。

 「7割は理解してるんだけど、後の3割を教えてください」という態度で来られると、こっちは、「この人が理解しているという7割とやらと再度説明しては失礼になるのかな?」と勝手に気をつかってしまい、その場合、「あまり初歩的なことからクドクド言うと、うんざりされるのだろう」と思って、少なめに説明しちゃうんですよね。

 で、自分も40年近く生きてて、今だに試行錯誤ですが、相手が言わんとしていることを最初からわかっていても、そこから聞いてやるのが大人というか・・・・先日も、クララの悩みを聞いてから、ハイジに「どうなってんの?」と聞いてみたら、やっぱり彼が「こういうわけで」と話しだしたことは完全に私の想像通りだったのですが、そこで遮っちゃうといけないと思ったので、「うん、うん、なるほど」と最後まで聴いて、最後に「私もそういうことだと思ってはいたんだけね」と、つい言ってしまったのですが、本当なら「え?そうだったんだ」と言ったほうがよかったんだろうけど、でも、ついついプライドが高いものですから(笑)、そこまで鈍感な人にはなりきれなかったというか、営業マンでも、ちゃんと道を確認して、その会社にちゃんと到着してから「10年前はよく立ち寄ったんですけど、しばらく来ないうちにずいぶん発展しちゃいましたね。おかげで迷ってしまいまいした」って言うことで、プライドをキープすればいいんじゃないかと。

 よって、今日の教訓のまとめ。
   先に知ったかぶりをするより、後で知ったかぶりするようが、双方の時間の無駄は防げる。

 ホリエモンだって「想定内」の発言は後出しだったと思うし、後で「実はわかっていた」というのは趣味の問題なので好きにしてほしいし、それが自分にとって、いいか悪いかも趣味の問題だが、先に「わかっている」を装うのは、確実に迷惑行為だから是正してほしいです。  
6月21日(火)

 週末は昼夜ガクテンしていたので、日曜の夜はなかなか寝付けず、シルクロードの再放送を観ていたけど、「ヒマラヤ郁夫先生には、永遠に生きていてほしい」とかなんとか思いつつ、全然眠くならず、とうとう1時になってしまい、「もう、テレビを消して真剣に寝るか」と覚悟を決めたときに、ふとチャンネルを回してしまったら、コンフェデのギリシャ戦が始まったので、せっかくだからそれをBGMにして寝ようと思ったんだが、そしたらけっこう大きな地震があったので、さらに目がさめてしまい、悶々としていたのだが、試合のほうもなんだかギリシャが調子悪すぎでパっとせず、ドイツ在住ギリシャ人たちのブーイングをBGMに、うとうとしてたんだけど、そのうち意識が遠のいたと思ったら、また意識が戻って、どうやらいつのまにか日本が得点したらしく、それで実況が盛り上がったから起きちゃったらしく、「あーあ」と思ったが、そもそも、テレビつけたまま寝ようとしている自分が悪いわけで、そうなったらもう最後まで付き合ってやろうと、終るまで観たので、眠れたのは3時過ぎだった。

 ちゅーわけで、昨日は眠くて眠くて、会社でも死にそうだったので、「今日は頭使う仕事は無理」と諦めて、倉庫室の書類整理などをしていた。
 仕事が終ると、さっさと帰宅して「さー、寝るぞ」と張り切ったが、なぜか夜になると目が冴えてしまい、結局、寝たのはスマスマが終ってからであった。

●おいしかった

 先日、T嬢が教えてくれた「じゃがりこ ジュラシック・ソルト味」であるが、近所のスーパーにはなかったが、T嬢が言っていたとおり、セブン・イレブンにはちゃんと置いてあった。
 さっそく食べてみたのだが、これが雑味がなくて、シンプルで美味しい。じゃがりこは好きなので、ときどき食べるが、ジュラ塩味が一番「ジャガイモの味」がするのである。

 試しに会社でも、何人かに試食してもらったが、概ね好評。T部長などは、追加で手を伸ばしてきたくらいだ。
 シンプルなポテチが好きな人には超お勧めである。

 意外に美味しいものとして、先日、友人と電話していたら「スープカレー」の話題になり、彼が言うには、松屋のがけっこうイケるらしい。歴戦の「エスニック通」が松屋のスープカレーを食べて「松屋のカレーを美味いと感じるなんて・・・・」と悔しがっていたそうだ。
 そうなると、一度食べてみたくなって、久々に松屋に入ってみたのだが、どうやらスープカレーは激辛らしいのだが、牛丼屋の激辛なんて、たかが知れているだろう、と思って食べてみたら、本当に辛かった。

 ハバネロなどに挑戦するような辛いモノ好き以外には、お勧めできない辛さであったが、タイ料理屋などで、辛さの表示が出ているときに、「辛さ☆☆☆」なんてーのをついつい頼んでしまう人には、一度試してみてほしい味である。「あの松屋が、よくここまで思い切った」と感心する。
 それも、辛くて味覚がなくなるような、乱暴な辛さではなく、ギリギリの辛さに調節したあたりに「あの松屋が、よくぞここまで」と、ちょっと感動する。

 残念なのは、やる気の無い縁日の金魚すくいのように、具がショボいことだが、390円という価格を考えると、エスニック激辛好きなら、一度は食べてみる価値はあるだろう。他にあんましオーダーしている人がいなかったので、すぐに消えるような気もするし。

 仕事の話し。

 前にも、少し小耳にしていたのだが、今日やっと面と向かって相談された。
 まあ、ちょっと残念な話しだったが、それはしょうがないし、まだ決定したわけでもないので、「第一報」として真摯に拝聴していた。
 その話しでもけっこう時間かかったんだけど、「それと、あと・・・」と他の相談もあって、その話が始まったら、彼女は急に泣き出してしまった。

 うわーーーーーー、どうしよう。と固まる私であったが、まあ、本人も愚痴というより、仕事とプライベートのことで、疲れが溜まっていたらしく、涙が止まらない。
 そういうのって、すごくよくわかるので、時間をかけて話を聞いたつもりである。
 向こうも「すいません、涙がとまらなくて」と自分でも呆れているというか、少し笑顔が出たので、「まあ、ストレス解消にはいいみたいよ」と、慰めにもならない言葉をかけた。

 いや、しかし、久々に目の前で泣かれたが、いやー、やっぱり女の涙はすごいわ。はらはらと落ちる涙の美しさに、「これは反則だ。最終兵器だ。核兵器だ。いや、生物兵器か」と思う冷静な自分もいたが、ほんとに、ぎゅっと抱きしめてあげたくなったもん(笑)

 私がもしも男で、「仕事のことで相談が・・・」と会議室に呼び出されて、目の前であんなに可憐に泣かれたら、いったいどうなっちゃうんでしょう?ってくらい、キューンと来ましたわよ。そうかあ、オフィス・ラブって、ああやって始まるんだなあ。勉強になった。いまさらそんなことを勉強しても遅いけど。

 うーん、しかし、どうしよっか。自分に何か手助けができるのだろうか。
 考えていたら、ちょっとだけ小食になってしまった。

 自分の問題だったらもっとラクなんだけどなあ。他人同士の問題は難しい。

 友達同士の問題だったら、じっくり双方の話しを聴くとか、好き勝手に意見言うとかできるんだけど(それで解決したこともないが)、仕事の人間関係だとちょっとなあ。
 まあ、自分の仕事がスムーズに行くかどうかも、少し関係しているので、これを「いい機会」だと思って、ちょっと首をつっこんでみるか・・・・・もしれない。うまくタイミングが合えば。私もなかなか波長が合わない相手であるからして、ずっと苦戦してきたのだ。嫌いではないし、もっと仲良くしたいのであるが、私からすると相手は気難しいと思うし、もしかしたら相手もそう思っているのかもしれない。
6月19日(日)

●Musical Baton

 週末はたっぷり引き篭もったので、日記も引き篭もりで書いていたのですが、こんな私にも「Musical Baton」というのが回ってきました。
 あちこちで拝見はしていたので流行っていることは知っていたが、ブログ界(?)でのことだと思っていたので、自分に回ってくると思ってなかった。

 とゆーわけで「ほよ?」とは思ったが、せっかくyucoさんからバトンを回していただいたので、いちおーバトンを振り回してみましょう。

 ええと、まず「コンピュータに入っている音楽ファイルの容量」・・・・・

 下着メーカーの調査みたいな項目だな。ブラジャー何枚、パンツは何枚持ってますかっていうような。
 あれはいつも「ふーん?」と思う。なぜなら、いつも私の所有数より断然多いからである。
 実は他所でこれの記述を眺めたときにも「ふーん?」と思ったのですが、みなさん、○GBとかちゃんと書いてますが、「ふーん?」

 この質問、私にとっては運転免許持ってないのに「違反切符切られたことがあるか?」って質問されているようなもんなんですが・・・・
 もちろん、私の知らないうちに、勝手にダウンロードされてる音楽ファイルもあるのかもしれないし、ウィンドウズが立ち上がるときに「♪ぽろろろ〜ん」と鳴るあれも音楽ファイルの一種なんですかね。よくわからん。

 私の「ふーん?」な気分を説明する、いい例えが見つかりました。
 「お部屋に今ストックしてあるコンドームの枚数」という質問に、他のみなさんが、8枚だとか10枚だとか、28枚とか書いているのを見て「ふーん?」と思うのに似ている。

 ブツブツと変なことを書いてないで、気を取り直して次の質問に行きましょう。

 「今聴いている曲」

 最近、テレビばっかりタレ流しているので、あんまし音楽を聴いてない。
 最近また、CDプレーヤーの調子がおかしくて、マメにクリーニングしないとすぐに動かなくなってしまうので、テレビをつけないときには、J-WAVEをタレ流していたりします。
 なので、今流れているのは、クリス・ペプラーの「東京ホット100」だったりするんですが(笑)

 昨日もそんなんで、J-WAVEをかけていたのですが、「お?」と思って曲名をメモした曲は、「STATELESS」の「Falling Into 」だったりした。2年前にけっこうヒットした曲だった。

 「最後に買ったCD」

 ほんとに最近、めったに買わないのだが、この間、美容院に行ったときに下北で買ったCLOUDINE LONGETの「WE'VE ONLY JUST BEGUN」と「 LET'S SPEND THE NIGHT TOGETHER」のカップリングCDが最後に買ったやつだな。
 スズメ百まで渋谷系だ。

 「よく聞く、または特別な思い入れのある5曲」

 ビーチ・ボーイズの「GOD ONLY KNOWS」はやっとカラオケに入ったが、何度挑戦しても思うように唄えないので、クローディーヌ・ロンジェのカバーを聴いて、また練習中である。

 スミスの「HEAVEN KNOWS I’M MISERABLE NOW」も、とうというカラオケに入ったけど、いつも鼻歌で唄っていたつもりだったのに、挑戦したら玉砕してしまった。また練習せねば。

 アズテック・カメラの「WALK OUT TO WINTER」は、自分なりにけっこう上手く唄えるよになったと思う。

 ニューオーダーもけっこう苦戦していて、「REGRET」をなんとか形にするのが当面の目標である。

 そういえば、この間、友人が、マニック・ストリート・プリーチャーズの「エヴリシング・マスト・ゴー」を熱唱していた。この曲は、某ビールのCMでもガンガン流れてますが、あのマニックスの曲が日本のお茶の間にこれだけ流れるなんて、デビュー当時は想像もしなかったので、かなり感慨深い曲である。

 以上、カラオケ絡みに絞って「思い入れのある曲」を選んでみました。

 で、このバトン、5人に回さないといけないらしいが、どうしよう?
 きょうみさん、貰ってくれない?(笑)

 そーいや、香港ねずみーランドのオープンまで「夏も近づく88夜」だったらしい

 ぜひ自分に回してほしいという方がいらっしゃいましたら、お気軽にお申し出ください。先着4名。

 クリーニング屋と図書館に行った帰りに本屋に寄ったが、映画雑誌コーナーには、ずらりと岡田准一くんの顔が並んでいたので、しばらくニヤニヤしながら眺めてました。
 堤真一と共演する映画がもう公開なんだね。スターウォーズと思いっきりぶつかるみたいだが。

 ルックスだけで語るなら、今が一番「おいしいところ」のような岡田君であるが、あまり演技の才能ありそうじゃないけど、でも、あれだけのルックスなのに、あんまし自意識が高そうじゃないところが面白い。なんとなく「彼は自分の顔が好きじゃないんだろうな」と思っている。
 あまりにも目鼻立ちが華やかなので、この先どうなってしまうのだろうと、勝手に心配しているのだが、まあ、チャン・ドンゴンあたりを手本に、うまく年をとってほしいとは思う。あとは、阿部ちゃんあたりがいい手本だ。そっちのほうが現実的かな。

 しかし、そんなことよりも、最近の堤真一は、ジャニーズ系とばかり共演してないか?
 キムタクとの共演で、一気に「全国区」になったが、今はツヨぽんと共演だし・・・・

 「恋に落ちたら」も、ダークサイドになってしまったクサナギ君は、やっと氷の破片がとけて、やはり「丸くなった」堤真一と一緒に仕事を始めたけど、ここで、堤真一が最後にクサナギ君を上回るキョーレツなダークになってくれないと、ファンとしては気持ちがおさまらない。

 私としては、「恋におちたら」をもっと硬派にしたような企業モノを堤真一と佐藤浩市でやってほしいわ。で、和久井映見演じる妻が「わたし、他の女に嫉妬したことはないけど、あの人にだけは嫉妬したわ」って言うような濃いやつ観たいな。うーん、そう考えると、「白い巨塔」をその二人にやらせたら、わたくし的にはけっこういいかもしれない。

●猫とにらめっこ

 近所のシロ黒ブチ猫が道を横切っているところに、そのままこっちも歩く方向だったので、気にせずに歩いていたら、向こうが私の気配に気がついて立ち止まり、顔をこっちに向けて固まっていた。
 その動作が、なんだかすごく大袈裟で、歌舞伎のミエみたいだった。その生意気そうな感じがシンノスケっぽかったので、勝手に「シンノスケ君」という名前に決めた。
 そのすぐ側では、私が勝手に「スフィンクス」と名づけている、いつも、そのアパートの入り口の前で座っている猫が、私が横を通っても微動だにせず、「きっと3000年前からここに座っているんだろう」と今日も納得した。
 シンノスケよ、おまえもちょっとスフィンクスの落ち着きを見習え。

 時間は遡るが、その前にやはり道を歩いていたら、道路の真中で休憩しているアゲハ蝶がいた。
 休んでいるだけかと思ったが、近づいても全然飛び立とうとしない。
 なんでだかわからなかったが、もう飛べないらしい。すでに軽く轢かれていたのかも。

 介護しようがないので(木のお医者さんっていうのはいるらしいけど、虫のお医者さんっているのかしら?)、放っておこうかと思ったが、でも、そこで死なれると、車に轢かれてしまって「蝶の押し花」ができてしまうと思ったので、つまみあげて、道端の植え込みに避難させた。
 どっちにしろ助からないかもしれないが、もし助かれば、私が地獄に落ちたときに馳せ参じてくれて、「唯一のキレイどころ」として機能してくれるかもしれない。期待しておこう。

●こんなとこでもジュシック・ソルト

 恐竜ともだちのニャオちゃんから、こんなタレコミが・・・・・


 
6月18日(土)

 昨晩は「タイガー&ドラゴン」を挟んで、また「独裁者の要塞」を読みまくり、とうとう今日の昼間、読了いたしました。はあ、長かったな。久々に「続きもの」を読んだという達成感はある。

 私の予想をいい意味で裏切ってくださいまして、後半は主人公の出生の秘密を暴露してくれたりとサービス満点だったのだが、でも、別に主人公の出生はどうでもよかったんすけど?

 最後は、宝塚歌劇団が、エッシャー先生が舞台美術担当した大階段を降りてきて、♪スミレの花の咲くころ を唄ってくれたようです。

 たしかに、なんかすっげえ変なミュージカルみたいな小説だったな。
 「オズの魔法使い」をブニュエルが演出したみたい。けっこう、変なずっこけ技(「すかし」というのか「オフビート」っていうのか)がブニュエルっぽかった。
 あと、冷戦時代を反映した共産主義者っぽい敵軍のへんちくりんな描写が作者がけっこう気に入って、ノリノリで書いているようで(その国の人は「自分の言葉」で喋らなくて、「17人組」という党公認のテキストからの引用しか喋らないのだ。なんか映画「イノセンス」みたいでござんしたが)そのあたりは、なんだか、「スターシップ・トゥルーパーズ」で苦笑するような、爆笑していいのかどうなのか、ちょっと自分の胸に手をあてて考えてしまうような・・・・

 戦闘描写でもそうなんだけど、ときどきボソっと深いことを言うので、けっこう説教臭いのであるが、でも、私らは「偉大なる将軍様」という言い回しを変だと思うけど、じゃあ、台風で大荒れしてても「グッド モーニング」と挨拶したり、「はわゆー?」と挨拶されて、たとえその朝、吐血していたとしても「ファイン サンキュー」などと言わなければいけないことに疑問を感じたりするけど、(中学生の英語の授業で、そのことに抵抗を感じた真っ当な生徒が何人もいた)、でも芸能界に入ったら、昼だろうが夜だろうが、「おはよーございまーす」と挨拶するもんだという心構えはできているわけだし、都市伝説の一つらしいが、京都で「ぶぶづけでも」と言われたら、「速攻退散せよ」という符丁であると信じているわけで、そこまで大袈裟なもんじゃなくても、日常生活は「決まり文句」が蔓延しているわけで、国会やお役所なんかがその温床になっているのが定説であるが、「記憶にございません」が「知ってるけど、いいたくありません」の言い換えだとか、「誠意を持って前向きに対処いたします」が「しばらく保留」の意味だとか、なんかそんなことをグルグル考えてしまうと、この小説はなかなか読み進まないのであった。

 絶対にありえないことだが、「新しい太陽の書」が100万部のベストセラーになったら、「新しい太陽の書から学ぶ 人生の真実」なんていう副読本が5万部くらい売れるであろう。

 さて、そんなこんなで今日もウダウダしていたのだが、テレ朝で7時からやっていた銀座の高級クラブのドキュメンタリーを最後まで観てしまいました。

 こういう企画はときどきあるけど、いつもとっても面白い。
 銀座のクラブの世界って、ジーン・ウルフの描く別世界よりも、ある意味、別世界なんである。

 まあ、取材OKな店も限られるのか、ヴェルベのママとか何度か見てるような気がするが、それにしても、数十万のワインやシャンパンが今でも景気よく開けられている様子は、「やらせなんじゃないの?」と思ってしまうが、でも一晩で数十万円使うのは他の趣味やストレス解消と比べても、そう高いものではないのかもしれない。女性経営者なんかは、よく高級ブランドで派手に買い物したりしているし。
 ホステス同士が「係り」(担当者。これがないと自分の売上にならない)が空いた客を巡って争奪戦を繰り広げるのは、なかなか面白かった。
 美人同士が、自分を争って、プレゼント合戦したり、髪型まで替えたりするのは、「自分のお財布目的」だとわかっていても男冥利につきるでしょうね。なるほど、店で酒飲むだけの遊びじゃないのね。
 前からある程度知ってはいたけど、「大人の男のための育てゲー」というのも大きいんですよね。ホストクラブでもそうなんだろうけど、自分の贔屓のホステスをナンバーワンにするっていう醍醐味。
 競走馬の世界でG1狙うよりかは、ずっと安い金額で楽しめると思う。

 そんな高級店じゃなかったけど、前に銀座のママが知り合いの知り合いで、いろいろ話しを聞いたことがあったけど、彼女は超有名店でナンバー1だったとこもあったらしく、その当時も相当稼いでいたようだったが、でも、上客を獲得するためには、黒服にもたくさんチップを振舞わないといけなくて、稼ぎのほとんどはそうした営業経費に消えてしまうのだそうだ。
 そりゃ、毎日美容院でセットしないといけないし、洋服代やタクシー代、客への付け届けも、けっこうな出費だろう。

 どんな仕事も大変だけどさ。
6月17日(金)

 日曜日の立ち仕事でズタボロになったので、とても土曜日までは持たないから、昨日は計画的にお休みした。今年は、じゃんじゃん有給を消化するぞ!
 と言っても、この日記でも何度も繰り返し書いているが、うちの会社は、有給を全部消化しても、「週休二日&休日は暦通り」の会社に全然追いつかないのである。

 「新しい太陽の書4 独裁者の洋裁・・・・」ぷっ、じゃなくて「独裁者の要塞」が火曜日には届いていたので(3巻は目黒区から拉致してきてもらうのに随分時間がかかったが、4巻は世田谷中央図書館の書庫で安眠しているだけなので、すぐに叩き起こしてくれたようである。図書館はけっこう働き者で素晴らしい)、昨日はさっそく借りに行った。

 ついでに前から計画していた「白髪染め」を敢行してみようと、ドラッグストアにも最近、数種類置かれるようになった「ヘナ染料」を買ってみた。
 まだ、それほど白髪が目立つわけでもないけど、ちらほらと現れるようになったので、ちょっと気にしていたのだが、美容院で白髪染めしてもらうほどのもんでもないので、ヘナ入りシャンプーとリンスを試しに使ってみたのだが、あんまり色がつかないので、いっちょ本格的にやってみようかと決意したのである。

 前に友人K子嬢も自宅でやっていたので、もっと簡単なのかと思ったら、水に解いたヘナ染料(草木染めみたいな天然の染料である)は思ったよりもゴワゴワで、繊維質がけっこう残っているので、髪に塗りにくい。もっと短髪だったらラクなんだろうけど、肩くらいまでの長さがあるので、なかなか全体に行き渡らないし、一度塗るともう櫛が入らなくてどうしようもなくなった。プロだったら、ちゃんと根元を計画的に分けて塗るんだろうけど、風呂場で1人でやっているから、早い話が髪の毛を泥パックしてゴワゴワになってしまったような状態である。

 とにかく、なんとか全部髪の毛に塗り込み、そのまま2時間以上放置しないといけない。草木の独特の匂いは大丈夫だが、最初はけっこう痒くなった。

 蛇女ゴーゴンの髪の毛が自分で自分の姿を見て石になってしまったような情けない状態なわけで、まあそれでも当初の予定通り、その間、ずっと「独裁者の要塞」を読んでいたわけです。
 もう、自分で染めるという暴挙はやめようと思った。こんなに大変なら、数千円払ってプロにやってもらったほうが、ぜったいに安い。それに、たぶん、こんないいかげんなやり方じゃ、ちゃんと染まらないだろうし。

 さて、いろいろ苦労して、やっと4巻目までたどり着いた「新しい太陽の書」であるが、前にも書いたが、訳者の解説によると「3巻は暗かったが、4巻でパーーーっと」ということだったが、しかし、主人公セヴェリアンは、尼僧団が経営する野戦病院に入院して、他の患者とちんたら「物語合戦」を繰り広げている。

 あの〜〜〜、もしもし?

 全然観てないから、例えに引き出すのもおこがましいが、スターウォーズのエピソード3を気合入れて観にいったら、アナキンが入院してて、隣のベッドには女性戦士が入院しているだが、その女に求婚している患者が何人かいて、その女が「じゃあ、一番面白い物語を語った人と結婚するわ」と言い出し、アナキンに「あなたが審判になってね」と言って、前半1時間くらい、「えー、それじゃ、私の生まれた星では・・・・」という求婚者たちの「物語」が続いたら、椅子からずり落ちそうになると思うのですが・・・・・

 そんなかんじで、3時間くらい本を読みつつ時間を潰して、やっとヘナを洗い流した。
 やっぱし、ちゃんと染まってなかったが、でも、表面に近い部分には軽く色がついていて、けっこう白髪が目だたたなくなっていたようだ。ま、いっか。このくらいで。ヘナ染料は1000円くらいしたのだが、つまらない映画でも観たと思えば腹も立たない。ヘナにはトリートメント効果もあるということは知っていたが、たしかにちょっと髪がツヤツヤになったような気がしなくも無い。

 さて、今日も出勤途中で熱心に続きを読んだ。
 やっと物語が動き始めたので、うぉーーーーと突っ走って読んでいたが、半分くらい読み終わったところで、ちょっと寂しくなってきた。

 このままだと、すぐに読み終わってしまう。

 なんか、悲しい。

 あまりにも素晴らしいライブに立ち会うと、最後まで観るのがもったいなくなる気持ちのことは前にも書いたと思うけど、またくどいようだが書くけど、その昔、ラジオでサンディーだったと思うけど(サンディー&サンセッツ)、元プラスチックスのトシちゃんだかが、トーキング・へッズのライブの途中で席を立ったというエピソードを話していたのだ。周りの友人たちは「え?なんで?こんなにいいのに?」と思ったが、トシちゃんは、「だって、こんないいライブ、最後まで観るのがもったいない」と言ったそうで、その話しを聴いたときには、全然意味がわからなかったのだが、その数年後に、アンビシャス・ラヴァーズの初来日公演@渋谷クワトロに、あまり気合入れずに行ったときに、あまりにも素晴らしくて、大興奮していたのだが、だんだん時間がたって、「そろそろラストの曲かな」と思い始めたときに、「なんか、アンコールまでいるのヤだな」と思ったのである。

 そのままいれば、確実にコンサートは終るのはわかっていたので、その「終わり」を体験するのがヤだったのだ。自分がそこから立ち去れば、自分の中では永遠にそこで時が止まるような、そんな余韻を持って帰りたくなった。  でも、結局、最後まで聴いてしまって、「終わり」の寂しさもそれなりに堪能したけど。

 そのときにやっと、トシちゃんが言っていた「終わりまでいたくない」という意味がわかったのだが、でも、やっぱし立ち去る勇気もなく、ライブでも小説でも「えー、これが終るのヤだなあ」と思っても、最後まで付き合ってしまう弱いあたしでありやした。

 「新しい太陽の書」は確かに面白いけど、でも、こういうファンタジー冒険モノをほとんど読んだことの無い私に、これをちゃんと評価する資質があるかというのはちょっと疑問なんですが、でもやっぱ、純粋に「で、この先はどーなんのよ!」と鼻息を荒くしてガツガツ読んでしまう小説はやっぱ面白いのでしょう。

 あまり親切な作りではないのだが、雰囲気としては、アーヴィング作品のような「それで、どうなるの?」なワクワク感は満載なので、それ系の文学ファンにも胸を張ってお勧めできると思う。
 ただ、嫌な予感がするのは、ちゃんと最後にきちんと大団円で、♪スミレの花の咲くころ シャン シャン シャン という終わり方はしないような気がする。

 アーヴィングやキングは(わたくし的には、二人は同じ土俵でやっている)、2時間サスペンスのラスト15分で、「意外な」犯人が断崖絶壁の上で、これまでの顛末を丁寧に語ってくれるように、(ちなみに、昨日観てしまった、平日午後の再放送でも、最初に、ちょい役っぽい役で田中実が出てきた瞬間「こいつが犯人だ」とわかったのですが、やっぱし最後に、海辺で犯行の経緯を人質に刃物をつきつけつつ語ってくれました)読者に全部教えてくれる親切な作家ですが、世の中には、そーゆーのをわざとやらない、ヤーな性格の作家も多いわけです。

 だから、絶版になるんじゃーーーーーーー

 と、コ一時間説教してやりたいのは山々ですが、「こういう、落ちの無い物語を堪能できる、あ た し」というものに酔ってしまうことも事実なわけで、あまり強く言えないのですが、でも、こ難しいわりには、けっこうエンターテイメントの基本をイヤというほど抑えまくりなのが、嫌味よね。

 難解なんだけど、同時にベタベタな話しなんですよ。
 主人公は女食いまくりだしよー。
 それで、品のよい言葉で綴ってはいるが、「オレみたいに、いろんな女を経験するとさー、けっこう似たような女とヤルことがあるわけね」なんてセリフをかましてくれるので、ズっこけます。

 そんで、話しの展開もけっこう、ホラー映画っぽいときもあり、淡々と進んでいるので安心していると、ズバっと死んだりして、びっくりします。(最近の映画だと、「コンスタンティン」の冒頭で、いきなり車に轢かれたりするシーンでギョっとしたりするかんじが近い)
 あまりにも重要な登場人物が、あまりにもあっさり消えたりする様子は、アメリカの連続ドラマっぽい。急に死んだりすると「ああ、この役者は、他でいい役をもらえることになったので、降板したかったのね」と思うじゃないですか。
 死んだ人は元に戻りませんが(双子の妹が現れたっていう手はあるが)、ERでも、いったん他の病院に替わって、いなくなった人が、数年後に復帰したってことはありますけど、(さすがに、ジョージ・クルーニーは復帰しそうにもない)「新しい太陽の書」では、そうやって、いったん降板した人が、ひょこっと戻ってくるので、なんか「そっか、降板して他の仕事してみたけど、あんまりパっとせず、プロデューサーに泣きを入れたのかな」なんて思ってしまいます。

 「新しい太陽の書」では、最初のほうに出てくるヴォルダスなんて、しばらく登場しないので、私の中では、「この役者、このころは売れてなかったんだけど、そのうちまだ登場させようと思っていたら、2クール目になった頃には売れちゃって出演料が高くなったから、なかなか出せなくなったんだな」ということになりました。2クール目で、なんとか出したのですが、ちょこっと出ただけです。その後、さらに出演料が高騰したようで、全然登場しません。物語の発端なのに!

 主人公の命を狙う女、アギアも、ときどき姿を見せるけど、4巻の半分になってもまだ出てきません。映画の撮影などでスケジュールが無いのでしょうか?
 1巻でちょっとだけ出てきた謎の美女ヴァレリアが、その短い登場シーンだけ何度も何度も使いまわしされるのはなんでなんしょ?4巻でも激しく回想されますが、その間にブラピかトムクルの嫁にでもなったのかっていう勢い。

 そのように、けっこう「実在の役者を使っているのか?」と思うくらい、不自由なキャスティングをしているってゆーか、ふと登場したキャラが急に膨らんだりといった、「なんか、私以外の人の民意がどこかで反映されているのか?」っていう、不自然な流れになるのがちょっと癖になっていたのでありました。

 この作者、けっこう緻密に計算しているかのような話しを書くが、けっこう緻密に「天然」っぽいところもあり、B級SF映画もびっくりするような怪物が出てきたりするのは、前衛的なバンドがいきなり、ストーンズのサティスファクションを楽しげに演奏し出したような脱力感をおぼえるので、それも楽しいっちゃ楽しい。

 うーん、おもしろいんだけど、100万人にアピールする面白さじゃないのが残念だが、でもちゃんと宣伝すれば10万人は喜ぶ話だと思うんだけどなあ。 
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