可燃物な日々

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10月14日(木)

 クララの親戚が亡くなって、葬儀に出席するというより、たぶん「お祖母さんの付き添い」として栃木だか群馬に行ってしまったので、昨日から3日間お休み。第一報だと「今日が通夜で明日が告別式だと思うので、二日間休みます」とのことだったが、現地(?)に行ってみたら「通夜が明日になってしまいました」と連絡が入った。

 クララは前にも時々「祖母が病院に行く付き添いに行くので、午後出社になります」なんて言っていたので、家族の中でわりと勤務時間が自由になるし、どこに出しても恥かしくない「おっとりとした長女」なので、祖母係りに任命されているのだろう。
 でも、あんな孫を連れて歩けるお祖母さんも幸せだと思う。自分の中で勝手に小津安二郎的な光景を想像して、ニヤついております。

 それはいいのだが、クララが慌てて電話してきたのは「支払データ送信が・・・・」
 エクセルでデータを作るのは私の仕事だが、それを支払データに変換して送信するのはクララの仕事で、それほど難しくもないのだが、私はやったことないし、他に出来る人といったら、転属になったO部長だけなのだ。
 しかも、今、我が社は「データの扱い」に無茶苦茶厳しくなっており、フロッピーにデータを落とすのにも一々許可がいる。それに、ファームバンキングで使っているパソコンが独立しているため、いったん変換したデータをフロッピーでそのパソコンに取り込んでいるのだが、それをやるのに毎回苦労しているのだ。

 まあ、なんとかなるだろうから、「明日、時間のあるときに電話してくれるかな?」と言ったのだが、電話を切ったあとにふと思いついた。
 前にも「このデータ変換はクララしか出来ないとなると、なんかあったときに困るなあ」と思っていて、「そのやり方、ハイジには教えておくように」とは言っていたのだが、控えめなクララは、簡単に説明することしかせず(ほんとに教えようと思ったら、まず一人でやらせてみないといけないのだが)、「それじゃ、いざとなったら役に立たないだろう」と思ったが、私自身もあまり憶える気もなく、でも、「そっか、いざとなったらデータ変換しなくとも、ファームバンキングの画面に直接入力すりゃいいだけじゃん」と思っていたのだった。

 ついに、その日が来たわけだ。
 午後になって、クララが「明日が通夜なので、昼間には会社に行けるので、データ送信だけやります」と言ってきたので「だいじょぶ。直接入力しちゃうから」「でも、沢山あるのに大変ですよ?」「まあ、時間はあるから、多少面倒でもなんとかなるでしょ」

 ちゅーわけで、昨日は2時間くらいチンタラと振込みデータを入力していたわけです。80件くらいあるから、途中で飽きちゃうし、目がシバシバしてきたが「なんとか、今日中に入力は終わらせて、明日は確認作業だ」と思って残業していたら、また社長に捕まってしまい、蕎麦屋に拉致されてしまいました。

 10時くらいには家に帰ったので、風呂に入ってから、またビールを飲みつつ、サッカー観ていたんだけど、後半の通訳が退場になったあたりで、意識が遠のいていて、いつのまにか眠ってしまったらしい。
 トルシエの通訳だったダバディは、かなり知名度が高かったが、ジーコの通訳のことなんて一般人は全く興味がなかったけど、今回の事件(?)人気上昇したかも。

 おかげさまで、今日もしっかり二日酔いだったのだが、なんとか10時前に会社に付、さっそく昨日の続きをして、お昼前には無事データ送信することができた。はあ、久々に忙しかったよ。

 おかげで「部分日食」のことなんてすっかり忘れていたが、それに気がついた12時頃は、かなり雲っていたので、どっちにしろ観察できなかったと思う。

 まあ、ただでさえ、決算が近づいているので、いろいろ忙しいのだが、今日も急にT部長がなにやら言ってきたので、あれこれと「この間も説明したのによ」なことを繰り返したのだが、向こうがあれこれ言うことの3分の2は、あまり意味の無い、彼が自分で納得したくてブツブツ言っていることなので、同僚K嬢を見習って、ただひたすら「ええ、ええ」と相槌だけ打っていた。

 だんだんコツがつかめてきたぞ。T部長はかなり「女性脳」らしい。
 なんか言うと、あれこれ言い出すのだが、それはこっちに向かって言っているというよりも、自分の中の思考を言葉に出しているだけで、その過程を彼はとても大事にしているようだが、相手にとっては意味が無いのである。
 まあ、私も、なんかあると「あれこれ」と喋っているうちに答えを探すタイプだし、男性の多くは女性のそういうやり方が苦手だと思うみたいだけど、私も、自分でやるのはいいけど、他人がそれをやると「もー、さっさと結論だけ言えよ」と思ってしまうことを反省して、T部長と楽しくおさべりしないとな。

 「そうなんだ・・・・・・でも、それって・・・・・・だしぃ、それに、前は・・・・・・・だったけど、でも、それじゃあ、しょうがないから、・・・・・・・したほうがいいのかな?・・・・・・・でもぉ」

 でもね、私は、あまり現実的な問題ではないことについては「でもぉ」と長々と考えていたりするが、「早く結論を出さないといけない」という仕事の案件に対しては、わりかし「即答」するほうなのである。
 でも、同僚の女性でもそういうタイプはいるが「でもぉ」を連発する人が何か質問に来て、「じゃあ、こうして」と言うと、向こうは自分が納得するまで「でも、でもぉ」を繰り返すので「だったら、あたしに聞いてくんな!」とブチ切れそうになることが多いが、だんだんコツがわかってきて、そういう人には「こういうこともあるし、もしかしたら、こうかもしれないし、ああかもしれないし、でも、でも、どうしよう?」と、結論を言わないで、好きなだけ混乱してもらったほうが「結論の出るのが早い」ということに気がついた。

 向こうは単に「結論に至るまでの長さ」を重要に思っているだけのようである。
 「これはどうしよう?」「ああ、それは、こうすればいい」と言って終わってしまうと「なんか、ちゃんと仕事してない」と不安に思うらしい。

 そういうタイプは女性に多いのかと思っていたが、今の会社は会議が大好きなので、5時間に及ぶ会議を2回くらいやらないと結論を出せないようなので、結論の質よりも、そこに至る時間の無駄を大事にする人はけっこう多いようだ。

 負け犬同士の私とMちゃんの、延々5時間に及ぶ「育児問題 大議論」じゃないんだからさ〜
 あれは娯楽なのよ。趣味なの、趣味。
 仕事だと、私もMちゃんも「最短距離」を目指すのだが、世間はそうでもないらしい。

 今日ちょっと、ときめいた「人名」は「行常さん」であった。(ユキツネさんと読むらしい)
 「わー、いいなー、諸行無常っぽい名前!かっこいい!」

 私がそんな苗字の人と結婚したら、ついうっかり子供に「諸無」って名前つけちゃいそう。(子供にとっては、いい迷惑)
 読み方はテキトーに考えるとして・・・ショムじゃ、ショムニみたいだから、ジョムを変形して「ジョン」って読ませてもいいわよ。

 「行常 諸無」

 うーん、目の錯覚を感じてクラクラする、いい名前だと思うのだが、どうですか?
 ジョム君の妹は「サラ」なんてどうでしょう?あ、双子だともっといいんだけど。
 「行常 沙羅」
 「行常 双樹」

 これは、あまりにもアニメっぽいので、やりすぎかな。(と、仕事中にあれこれ考えてリフレッシュしてました。珍名のお客さんは大歓迎。コーヒーにミルクと砂糖を2個ずつ添えてあげてもいいくらいだ)
10月12日(火)

 がびーーん・・・・

 久々の・・・・というか、けっこう頻繁だけど・・・・・・「20数年間ずっとそれで通してましたシリーズ」発覚である。

 先日「入内」というのを一生懸命「にゅうだい」で変換しようとして「あれれ?変換されない。古語だからかな?もー、IMEったら、ジンガイだからな」と、わが世の春を謳歌していた平家のような傲慢さでIMEをコ馬鹿にしていたのですが、オゴる平家は久しからず、壇ノ浦の藻屑となって沈んだのであった・・・・という前にそもそも栄えてませんが、ところで平家ガニって美味しいんですか?食べたことないような気がするんだけど、ああ、動揺のあまり、何を書いているのかわからないばかりか「実は古典が苦手?」というのを暴露されてしまったので、またアワアワしているのです。

 メールでご指摘いただいたのですが「入内」はジュダイって読むんですって!

 そ、それは、なんかスターウォーズみたいなので却下したいのですが、ニュウナイという言い方もあるらしい。

 えーーー、どっちもなんかなあ?
 「入内」の「内」は「お内裏様」の「内」だとはわかっていたので、どうも勝手に「にゅうだい」と読んでいたらしいのだが、でも、もしかすると「じゅだい」と「にゅうない」と勝手にミックスして造語していたのかもしれない。

 うーん、しかし、なんでそれで今まで気がつかなかったのだろう?たぶん、会話の中で「入内」などという単語を発音する機会もなかったのだと思うが(「ぱスカヴィル家の犬」と同じで、自分でわかっていれば不自由しない記号)、でも、試験にも出なかったんだろうな。
 「入内」って、実際の古典の原文には出てこない言葉なのだ。てゆーか、「入内」という状況がよく出てきたのは「源氏物語」で、あの原文ではそういう単語はあんまし出てこなかったと思う。たぶん。(だって、もっとわかりにくい表現のはず)
 では、どこで「入内」という言葉をおぼえたかというと、そりゃたぶん、ぜったいに「あさきゆめみし」のはずだ。
 あの漫画の中では「入内」は頻繁に出てきたはずだが、ふりがな振ってなかったのかな?(他人のせいにするのはよくないぞ)

 そういや、「入水自殺」って「じゅすい」って読むよな。あれもなんか好きくない。「にゅうすいじさつ」のほうが、哀れを感じるではないか。
 あと、いつも納得がいかないのは「刃傷沙汰」を「にんじょうざた」と読むことだ。「刃傷」と「人情」がごっちゃになるので、よくないと思う。

 ああ、もう、日本語って難しいから・・・・・好きです。
 てゆーか、他に選択肢がないので、これを好きでいるしかしょうがないとも言える。なんか、いくら旦那に殴られて痣だらけでも「でも、あの人、けっこういいところもあるのよ」なんて言っているようだが、しくしく。

 ちくしょー、「にゅうだい」のほうが、響きがいいじゃんかよー。タイムマシンで過去を変えたい。
 「ジュダイ」とか言う女房がいたら、「ほほほ、ジュダイっていうのは、こーゆーのなんですよ?」とヨーダの絵姿を見せれば皆、あたしに寝返るであろう。

●「大好きな韓国」四方田犬彦

 韓国の徴兵逃れ疑惑騒動で、韓国の徴兵制にちょこっと興味を持ったら、この本の名前を挙げた人がいたので、読んでみました。
 徴兵制の記述はあっさりとしていたので、私の知りたかった「いったい、どのくらいの割合で徴兵免除になっているのだろう?」ということまでは触れてませんでしたが、韓国の徴兵制度が世界的に見ても、かなり厳しいものであることはわかりました。

 私は、韓国に一度も行ったことがないし、それほど興味も持っていなかったのだけれど、70年代後半と、それから20年後に韓国に長期滞在した四方田氏の記述を読んで、「ああ、そうだ。韓国って昔はこういうイメージだったよな」ということをうっすらと思い出した。

 今でこそ、というか、私が大学生のころにやっと「ギャルが買い物に行く国」になりましたが(あのころ、皮のパンツやジャケットを買出しに行ってました)、その前までは、なんか政情不安な国という印象があり、気軽に海外旅行する場所ではなかったように思う。もっとも、私が大学生のころ、やっと「卒業旅行で海外旅行」というブームが起きて、「地球の歩き方」を頼りにみんながあちこちに行くようになったんだと思うけど、「韓国に行った」という話も聞かなかった。
 クラスでも一番の美人だった子が、「韓国に行ったらハマちゃって」と、韓国語を習い始めたなんて話を聞いて「ふーん」と思った程度。

 「近くて遠い国」というキャッチフレーズが、本当だった。
 そんなだから、つい最近まで「対日感情の悪さ」という事実を知らなかったくらいだ。日本で「韓国垢すり」がブームになったときに、日本人女性が「本場で垢すり〜」と大挙して押し寄せて、現地の人に「日本人はやはり韓国をバカにしている」なんて言われていたニュースを観て「え?」と思ったのだった。
 あの頃やっと、「韓国では日本の音楽も映画も禁止されている」ということを知ったような気がする。

 その少し後に、タダ券もらったので、黒沢明の「8月の狂詩曲」を観て、半分ボケちゃって原爆の記憶も生々しい老婆にアメリカ人旅行者のリチャード・ギアが「ごめんなさ〜い」と謝るシーンで「君に謝られてもなあ」と思ったりしたが、韓国の人にも「本場のキムチ!焼き肉!皮ジャケット!垢すりエステ!」を目当てに旅行に行く日本人ギャル&オバサンは「韓国を侵略した日本人」の子孫ではあるが、ぜんぜんわかってないので責めないであげてください、と思った。

 「韓流俳優ブーム」が韓国でもちゃんと報道されていることを願うばかりである。韓国イケ面俳優を従軍慰安婦扱いしてませんので・・・・・レオ様と同じように思っております。

 「大好きな韓国」では、韓国でも「村上春樹」が大人気ということが書いてあった。
 日本よりも「家」に縛られる韓国では、ああいう文学は新感覚としてウケたようだ。
 と、言われても、私はほとんど読んだことがないので、どこが新感覚なのかよーわからんのだけど、そういえば、ハルキ先生の新刊も売れ行き好調らしい。

 意外だったのは、ハルキ先生の読者は女性のほうが多いらしい。自分が読まないので、あれはてっきり「男ウケ」するものだとばかり思っていた。2ちゃんでも「ハルキな文章で・・・」というスレは、原作を全く読んでなくても爆笑できたので、ああいうのは、おタクなプログラマやサラリマン諸氏に支持されているのだとばかり思っていた。

 ハルキストを取り上げたニュースでは「独特の修辞が人気」というような取り上げ方をしていたが、日焼けした女性を前に「カフェオレの女王のようだ」なんて言うのが人気らしいが、私は思わずマシンガンを乱射したくなってしまったので、こんな血の気の多い気質がもう少し枯れるまで、春樹先生のお作を読む勇気がない。

 年金が貰えるようになったら読んでみようかな。(高額納税者のお作だと思うと、我慢できるかもしれない)

 今日は久々に残業してしまった。
 ハイジが暴走していたが、明るい暴走だったので、気持ちよくフォローできた。私に直接、アレコレ言ってくれると、こっちもアレコレ教えられるので、いつもこういうふうにヤンチャに話し掛けてくれるとやり易い。

 昨日は、またKM君から電話があり、また5千円融資(泣)
 また、仕事は始めたようだが、交通費が無いんだって(号泣)
10月11日(月)

 今日はお休み。
 昨日は祭囃子をBGMに早寝してしまったので、今日は自然に6時に目が覚めた。
 早寝早起き・・・・・たいへん結構なことであるが、朝の6時に起きても「なーんもやることない」ので、また寝なおした。
 それでも9時ごろにまた目が覚めて「掃除、洗濯でもするか」と思ったのだが、なんか今日もドヨンと天気が悪く、いまひとつ気分が乗らないので、そのまま漫画読みながらゴロゴロしていたら、昼になったので少し疲れて(寝転んで漫画読むのもけっこう体力を使うのだ)、昼寝してたら、変な夢を見た。

 場所は私の実家らしいが、実物の5倍くらい広くなっている。
 今で客数名と妹がなにやら音楽談義をしているのを聴きながら、私は夕飯の支度というか、メニューを考えつつ「買い物メモ」を作っていた。
 妹達の会話は、一部が「隠語」というか、何か言い換えているらしく、意味がよくわからない。でも、それは「言い換えゲーム」ではなく、ホントに政府によって規制されている言葉らしく、どうやら「CD」とか「パソコン」などの外来語を言ってはいけないようだった。
 そんで、大変うれしいことに、居間にいる客の中には、声が細野晴臣な人がいて(たぶん、本人という設定)、彼がボソボソと言いにくそうに、でも、それなりにナイスな禁制語の言い換えをしているのを「さすが、ホソノさんだわ」と、うっとりと鑑賞していたという、なかなか素敵な夢でした。

 お腹が空いて、外に出たときにはもう夕方5時だった。
 外に出ると、空気がひんやりとしていて、それでいて「寒い」というほどでもなく、住宅街はなんだか人通りも少なくて、「まるで早朝のようだ」と、すがすがしい気分になった自分が可笑しい。だったら、早起きしたときに散歩でもしてろよ。

10月10日(日)

 朝5時起床、7時に現地集合のイベント仕事。
 でも、このイベント仕事の密かな楽しみは、朝起きて、NHKでニュースをチェックし(今日は特に鉄道の運休情報が気になった)、そのまま支度していると、落語の放送をやっているのだ。

 落語でだんだん目が覚めていくというのも、なかなかいいもんである。今日は、たしか「エンカ」という人が、絶世の美女で入内(あれ?「にゅうだい」って変換してくれないの?)した人と地方の貴族の歌くらべ、みたいな話で、初めて聴いた。短歌が題材になったものといえば「ちはやぶる」なら知っているけど、今日のは「後に百人一首に入選したような名歌人の艶ばなし」であったようだ・・・・・・半分寝てたし、顔洗ったりトイレ行ったり着替えたりしながら聴いていたので、ちゃんと全部聴いてないのだが。

 ええと、なんか「蝶は三匹でもチョウ?」とかいう歌がどうので(丁か半かにかけてあることをとっさには思い出さず、噺家さんが解説してくれてからやっと「なるへそぉ」)それで、「チドリは一羽でも千鳥」とか応酬してたな。

 さて、会場の仕事であるが、今回は客の人数が少ない「ラクな会場」に割り振られたので、スタッフ一同、まったりとこなしていた。でも、私は責任者だったので、自分のチームにいろいろ指図せねばならなくて、けっこうくたびれた。
 それに、昨日の予報では、今日は台風一過で暑くなるということだったのに、見事に外れて、ずっと肌寒かった。
 こんなことなら、もっとスーツの下を「ババシャツ」で武装しておいたのに。

 客入れが済んでしまうと、しばらく暇になる。同僚たちと雑談していたら、部屋にスズメが舞い込んできた。
 追い出そうとしたのだが、なかなか外に出ようとしない。
 いや、別に部屋の中にいても構わないのだが、イベントが終わったら、この部屋の扉も閉めてしまうので、後で鳴いたってしらねーぞ、今のうち出ておいたほうがいいと思うぞー、という動物愛護の立場で追いまわしていたのだが、こちらの「暇つぶし」の気持ちを見破られたのか、あちこち飛び回って「飛べない人間」を翻弄するスズメであった。

 なかなか出ていこうとしないので「きっと、大学で勉強したくなったんじゃない?」と負け惜しみを言ったら、一緒に「スズメ追いしかのやま大作戦」に嬉々として参加してくれた後輩F君(ちなみに、ハイジと同期)が、

 「ふむ・・・・・学問のスズメ、ですか」

 と言ったのが、本日の「ツボに入った言葉、第一位」であった。
(ちなみに私が配属された大学会場は「学問のすすめ」系ではなく、某仏教系大学でありました)

 F君は、外見は憮然とした青年で、そのあたりはハイジと似た雰囲気なんだが、私にはあまり打ち解けて喋ってくれないハイジと違って、相手が誰であろうと、徹底的に喋り倒すという博愛精神の持ち主である。
 もっとも、彼が主に話し掛けていたのは、さらに後輩で可憐な天然ボケのK嬢であるが、主にリアクションしていたのは、「一言多い」私であった。

 たとえば、F君と同じ部署のM氏が「関西人らしいけど、あれはニセだと思う。だって、関西弁下手なんすよ?」と言うのを「M氏が下手なのは、関西弁ではなく、日本語が下手なのだろう」と斬ったりして(笑)
 だって、M氏がとても物腰の低い、いい奴であることは認めるが、あまりにも丁寧に説明しようとするので、彼が私になんかお願いに来ると、いったい何をして欲しいのか理解するのに、いつも膨大な時間を要するのだ。

 というわけで、F君とずっと雑談していたのだが、F君は今年になって親元を巣立ち、一人暮らしを始めたのだが、それが都心ではないとはいえ、10畳くらいあるマンションらしく、家賃も都心に住む私よりも2万円くらい高いのだが、ソノ上、大画面プラズマテレビと、プロジェクターを持っているのだそうだ。だから畳一畳くらいの大画面で映画やスポーツを鑑賞できるという。

 「音響にも気を使いました。おかげで、いつもボーナス一括払いっすよ」

 まあ、自分の金をどう使おうと知ったことではないが、彼はその上、最近、車まで買ってしまったそうで、それが某Bの次にMがつく外車。
 ディーラー所有の「新・中古車」で、走行距離もほとんどないし、まだ車検前のお買い得品だったそうだが、でも、車がいくらお買い得でも、月々の駐車場代はかかる。2万円だそうで。

 「おかげで、生活はいっぱいいっぱいで、カップラーメンばっか食ってますよ〜」

 まあ、好きにしておくんなせー。

 高級マンション+AV設備は超豪華+高級外車+韓国で買った偽ロレックス

 という、どこに出しても恥かしくない、イマドキの若いサラリーマンである。
 もうあまりにも、あまりというか、私の友人には存在しないタイプなので、その自慢話を拝聴するのはかなり楽しい。それに、自信満々な典型的「怖いもの知らずの末っ子気質」で、それはハイジとかぶるところがあるが、なんで、あんなに自信満々なのか、私の理解を超えるものがあるが、でも、いきなり「給与体系への不満」などを語り始めるので「給与のことは私はじぇんじぇんわかりましぇーん」

 経理に配属される前のハイジもそうだったんだけど、私が「給与計算」に関わっていると思っているので、少し親しく喋っていると、そういう探りを入れてくるのだが、私だってわかんないんだわさ。

 さて、1時前には解放されたので、さっさと帰ってきたのだが、まだ今日はゼリー飲料と飲み物しか口にしていないので、10時〜11時くらいには気が遠くなるほど「腹減った」と思っていたのだが、1時になると、空腹感もあまり感じなかったので、「いいや、三茶でゆっくり何か食べよう」と思っていたが、三茶に着いたら「そっか、お祭りだったんだ。昨日は営業できなくて屋台も大変だろうから、少しは貢献しよう」と殊勝なことを考えて、焼きソバを買って帰りました。

 前に、お好み焼きを買って帰り「うわ、昔はこういうのを美味しいと思ったもんだが、今だとちょっとなあ」と思ったが、焼きソバはさすがに「大ハズレ」も少ないのか、まあまあの味だった。
 昨日が雨で中止だったので、今日は、昨日出すはずの「子供御輿」も入り乱れ、歩行者天国は渋滞していた。
 子供はすぐに飽きちゃうから、「子供御輿」のアンニュイな感じがけっこう好き。

 そして、人ごみに多少興奮しているのか、散歩されてる小型犬が、ちょこまかと御輿の周囲を動き回る。

 すでに酔っ払っている町内会の幹部が、ヨレヨレと付き添い、路地に入る御輿を交通整理。

 ここのお祭りって、ほんとにいつもユルいので大好きなのよ。

 家に帰って、買ってきたビールで焼きそばを流し込みながら、テレビを観ていた。

 そしたら、サントリーのモルト・ウィスキーのCMが流れていて、登場した兄ちゃんがなんだか美形。「こんなに美形だと人生楽しいだろうな。いいな」と思って「誰だろう」と調べてみたら、V6の岡田君でした

 それはいいのだが、そのCMをボンヤリ見ていたら、そのウィスキーの銘柄が「北杜」と書いて「ホクト」と読むらしいのはいいのだが「北杜」と漢字で書いたラベルを見たら、普通の人は「北杜夫」だと思うよねえ。よねえ。よね?(強制。自分がどうしても「普通」「標準」でありたいという日本人の悲しいサーガである)

 ところで、昨日関東を通過した台風であるが、私の住む地域では、あんまし大したことがなかったらしいが、昨日のニュースを観ると、けっこう大したもんだったのかな?

10月9日(土)

 朝のニュースだと、今日の夕方から夜にかけて台風が関東に接近というか、通過するようだったので、いつもより早めに出社して、早めに帰るつもりだったのだが、お昼ごろ「仕事に支障がなければ、なるべく早く帰るように」という通達があったし、それに「いつごろ暴風圏に入るのだろう?」とソワソワ(「ワクワク」に言い換え可能)してしまい、仕事が手につかなかったので、3時くらいに退社してしまった。

 関東に上陸する台風としては、過去10年で最大ということで、これからどうなるかちょっと不安。(「楽しみ」に言い換え可能)

 朝、家を出るときには、帰りがどういう状況になっているかわからなかったので、レインコートにジーパン、長靴という完全装備で出勤して、会社でスカートに着替えた。
 でも、昼にお弁当を買いに行くときには、雨がやんでおり、長靴がちょっぴり恥かしかったが、帰りはかなり降っていたので、長靴で闊歩すると気分爽快であった。雨で靴やスカートがビショ濡れになると、かなり気分が重くなるが、ちゃんと雨具で武装すれば雨も楽しい。

 なので、ちょっとした雨のときでも、長靴で出歩きたいのであるが、大人用の長靴はデザインがイマイチなので、よほどの雨じゃないと履いて歩く勇気がないのが残念。もっと、足が小さければ、子供用のでも履けるんだけどなあ。
 前にも「歩くと踵がピカピカ光るスニーカー」が仲間内で流行し(クラブで履いて踊ると、かわいい)、私も履きたかったのだが、元が子供用なので(交通安全靴として開発されたらしい)、23センチくらいまでしかサイズがなかった。


 さて、話は変わりますが、「久々にナメクジを見た」と感激していたけど、やはりナメクジはあまり好きではない。
 でも、物心ついたときから苦手だった「毛虫」「蛇」に比べると、「ミミズ」や「ナメクジ」は、小学校低学年くらいまでは平気だった。

 今から考えると、非常に恐ろしい光景だが、生活排水を流していたドブからミミズを素手で拾い上げ、それをママゴト用のプラスチックのお椀に入れて「うどん」を作っていたりしたのだ。おえええええ(思い出して気分悪くなった)

 もちろん「ままごと」なので、食べませんでしたよ。草花や木の葉の「おかず」と同じ用法です。あと泥饅頭とか。

 ナメクジも「塩をかけて遊ぶ」ために、あちこちひっくり返していたのだった。
 ある程度、大きくなってから気がついたことなのかどうか、記憶が曖昧だが、でも、塩をかけるとナメクジが「溶ける」とは思ってなかった。塩をかけると、水分を放出して「縮む」ということは、じっくり観察していたのでわかっていたし、それが「野菜に塩をかけると水分が出て、量が少なくなる」というのと同じ仕組みだということもなんとなく理解していたような気がする。家に、「浅漬け」の容器があって、あれは上から押し付ける機能があったが、でも水分を出すのは圧力ではなくて塩のせいだと教わったのである。

 ナメクジに塩をかけると、まるで仮面ライダーの敵役の怪人のように、しゅわしゅわしゅわ〜っと消滅するのが楽しかったのだが、あのころの「研究テーマ」は「じゃあ、このナメクジに水をかけてあげて、しばらくすると、また復活したりするのだろうか?」というものだったのだが、その研究がどういう成果をあげたのか、さっぱり覚えていない。
 たしか、あまりにも小さくなってしまった「元ナメクジだったらしいもの」をちゃんと摘出できなかったような気がする。どこまでが「水分を吸った塩」なのかわからなくなっちゃったのだ。

 残酷な研究といえば、あれは確か、幼なじみの男の子が考案したのだが、秋になると、大量に発生していたトンボの羽をちょびっとだけちぎっても、トンボは飛ぶことができたので「じゃあ、どのくらい羽が欠けると飛べなくなるか」という研究テーマを見出し、トンボを捕獲しては、ピンセットで羽の一部を千切っては飛ばしてみたのであった。

 最初はトンボの羽の黒い部分が飛ぶのに実は必要なのではないか?という誰かの口から出任せの仮説に基づいて、との部分だけ除いてみたりしていたのだが、だんだんそんなことはどうでもよくなり、大ざっぱに羽を千切るようになったので、当然のことながら、もう飛べなくなった状態のトンボが大量に誕生してしまったのであった。申し訳ないことをした。

 最近、トンボもあまり見かけなくなった。私が絶滅に少しだけ関与したのかもしれない(笑)

 それにしても、いろんなもので遊んだよなあ。あの頃は「ゲーム」と言えば、人生ゲームやトランプくらいしかなかったので、トンボの捕獲数を競って遊ぶことが立派なゲームだった。あと、街灯に群がる羽虫を虫取り網で根こそぎ捕獲して、絶滅させようとしたこともあったが、いくらやっても減らなかったので、そのうち飽きた。

 もう少し、女の子らしいゲームとしては、「庭にある草花で色水を作る」というのも流行った。「キレイな色水」とか「濃い色水」を作るとエラかった。しかし、熱中するあまりに、咲いたばかりのチューリップの花びらを全滅させてしまったので、そこんちの親に叱られてしまったが。

 東京も暴風雨になってきたな。(午後6時)

 近所の神社のお祭りは当然のことながら、今日は中止されていました。明日で全部詰め込むのかね?

 そういえば「うちの近所には秋を感じるものが少ない」と昨日は嘆いてみましたが、今朝、そう思いながら歩いていたら、「駐車場の片隅にわざわざ植えてあるらしい、ススキ」とか「まだ青い実だが、たわわに実っている柿の木」などを発見しました。分散してひっそりと存在しているので見落としがちだ。

 あと、今朝の大雨で、道路のあちこちにオレンジ色が散見された。金木犀である。まだ甘い香りを放つ前だというのに、この台風でかなり落ちてしまうのだろう。その昔は「キンモクセイと言えばトイレの香り」という不名誉を得ていた時期も長かったが、最近はトイレにキンモクセイの香りは流行らないようで、金木犀も自信を取り戻したであろう。

 いつのまにか、雨が止んで静かになった。(午後7時半)

 荒れていたのは、ほんとに短い時間だったな。
 まだ運休している電車も多いみたいだけど、明日は大丈夫だといいな。

 台風が無事(?)通過してくれてよかったけど、明日は台風一過で最高気温が28度だって。暑いじゃん!
 まあ、雨よりマシなので・・・・・お空の神様ありがとう。

 明日は久々の5時起床。
 外も静かになったし、もう寝よっかな。

 あ、ニュース観てたら、そうか、今日はテニスの決勝だったんだ。有明の屋根有りテニス場でやってるやつ。シャラポワひーばーで大入りだったらしいけど、何度か試合もテレビで観たが、もー、あの胸の谷間といい、スカートがヒラリんと捲くれると、真っ赤なパンツの眩しさといいい、女のワタクシですら、いったい自分が何を見ているのかわからなくなるくらいだから(サーブのコースよりも、真っ赤なパンツをついつい追ってしまうし、シャラポワがレシーブで構えていると、「ううむ、見えそうで見えない・・・・」と胸の谷間に釘付け)、いいんだか悪いんだかとは思うが、でも、確実に「客は呼べている」わけで、プロなんだよなあ。

 しかも、テニスしてなくたって、どこでも通用する「美形」なわけで、美人で金髪でスレンダーな長身で足が超長いくせに胸もしっかりあるのにまだ17歳ってだけでも凄いのだが、それが優勝しちゃうんだから、もうなんと言っていいのかわからない。
 でも、彼女の出現で、女子テニスが俄然面白くなってきたような気がする。やはり正統派美人がいてこそ「悪役」が光るわけだから、ウィリアムズ姉妹も、シャラポワ相手にもう一花咲かせてほしい。あと、ダベンポートなんかが、シャラポワをボコボコにする試合を見てみたいなあ。すごく盛り上がりそう。
 ああ、全盛期のナブラチロワと対戦させてみたかったなあ。
10月8日(金)

 ナメクジを見て、秋を感じてるっていうのもなんだかなあ。
 (と、昨日日記を書いたあと、少し反省していたので、日記をアップせずに寝てしまいました)

 今日も雨。
 また台風が近づいているらしい。
 近所の神社が土日で恒例の秋祭りなのだが、雨だと縁日が台無しになるので、ちょっと心配。今日は雨の中、屋台の設置をしている人たちがいた。

 それが他人事ではなく、実は日曜日にまた野外のお仕事なのである。雨だと大変だし、ましてや台風が接近したらオオゴトなので心配。

 ところで、近所の神社のお祭りは、ささやかだけれども「秋」を感じることのできるイベントだが、でも、元々「秋祭り」って収穫祭の意味もあるんだと思うけど、ここんとこ「収穫の秋」を感じることがほとんど無いことに気がついた。だから、ナメクジを見て「はあ、涼しくなったんだなあ。秋ねえ」なんて思ってしまうわけである。

 桜並木は近所にあるので、春は満喫できるし、オフィスの近所にあるイチョウ並木で冬の訪れも感じることができるが、わりと「秋」を彩るものに恵まれていない。
 柿の木でもあればいいのだが・・・・・

 せめて、ススキでもあればいいのだが、千葉にいた頃は、ありきたりだった「ススキ野原」は都心では貴重なものになってしまったようだ。

 柿の木、ススキ、そしてやはり田んぼが必要だなあ。
 高校の頃は、京成線の沿線から田んぼが見えたので、あの当時は別にありがたくもなかったが、今から考えると、水田って物凄く「季節の移ろい」をわかりやすく表現してくれていた。

 たっぷりと水を湛えた初夏に始まり、青々とした緑の絨毯のような夏を越えて、秋が近づくと黄金色に輝き、そして、収穫されて切り株が取り残され、冬は霜で白くなる。
 そして、収穫期が素人目にもはっきりわかるので、それをただ眺めているサラリーマンや学生でも、なんとなく収穫の喜びを感じられたりしたのかもしれない。

 あの光景をちゃんと見ていれば、「さあ、米がとれたぞ、お祝いだ、神様にお礼をして、来年もよろしくってお願いしよう」→「神社でお祭り、ぴーひゃらら」ということにスムーズに乗れるはずなんだけど、住宅が密集している中にポツネンとある神社で、いきなりお祭りが始まっても、「毎年この時期にやるイベント」にしか思えない。バーゲンと同じくらいの季節感かも。

10月7日(木)

 ここんとこ、また、なんとなく人生が平坦である。
 ということを感じるのも日記をつけているからで、これがなければあまり感じないのかもしれない。
 でも、こういう感じをここ最近、何度か繰り返しているので、前みたいな絶望感(おおげさ)は感じなくなった。
 年を重ねるってこういうことなんだろうな。という感じ。
 ブチ切れることは少なくなったが(20代の頃から少なかったが)、その替わりに「大感動」も少なくなった。

 でも、今日は帰りに、「なめくじ」を目撃したぞ。ちょっとカンドー。
 最近は「みみず」も滅多に見なくなったが、「なめくじ」なんてもっとレア。
 それも、やはり「手足の無い、もしくは多すぎるものを発見する超能力」というのか、暗い夜道なのに、通りすがりの家のコンクリの塀になにか小さな違和感を感じたので、近寄ってみたら、街頭の灯りをわずかに反射して、ナメナメっと光っているナメクジだったのである。5センチくらいあるけっこう巨大なやつで、かなり気色悪かったけど、久々に観たから嬉しかった。

 30年くらい前は、よく庭の花壇の周りにあったレンガや石をひっくり返して、ナメクジを探しては塩をふりかけて遊んでいたなあ。
10月6日(水)

 先日、Aさん宅に遊びに行った帰りに、Mちゃんが「下北の牛角っぽい安い焼き肉屋が、10月に半額セールするんだよけど、よかったら一緒に行こうよ」と言っていたのだが、そのセール期間が今週の平日で、「牛角っぽい」というのは「牛鉄」のことであることがわかった。

 Mちゃんは先週はまた仕事でロンドンに飛んでいたらしいが、今週も「エルパソどうでしょう?」と打診があったけど「焼き肉に行きたいから」と断ってしまったそうで、ずいぶん気合が入っている(笑)
 どうやら「牛角」にも行ったことがないらしく、「あの手の焼き肉屋に一度行ってみたいと思っていた」そうで、「半額なら、さらに素敵!」ということらしい。

 というわけで、月曜日にメールで相談して「金曜は混むだろうし、どうせなら明日にしよう。天気も悪いから、空いているかもしれない」と、昨日の火曜日に挑戦することになった。

 それにしても、日曜日からずっと雨で、梅雨よりも梅雨っぽい。火曜日は、雨の勢いも時折強くなり、靴やスカートがグジョグジョになったが、8時に下北沢に集合したときには、雨は止んでいた。でも天気予報によると、その時間はやむけど、また夜中にかけて降ることになっていた。

 日中の土砂降りで、下北沢もいつもよりガランとしていたし、目指した「牛鉄」もすぐに席に通してもらえたほどで、席も8割くらいの入り。
 メニュー全部が半額なわけではなく、カルビ、ロース、ハラミ、トン塩などの「基本メニュー」が半額なので、それらを中心にオーダー。(てゆーか、他にはキムチと野菜しか頼まず)
 すばらしいことに、生ビールも半額だったのだ。

 ちゅーわけで、生ビールで肉をひたすら流し込んでいた。肉も思ったよりは美味しかったので大変満足した。それで3時間も粘って、会計は二人で3000円ちょっと。牛さんに申し訳ないようなお値段でした。

 店を出たときには11時ちょい前くらいだったのだが、どうせ二人とも歩いて帰れるし、「もう一軒寄らない?」と、ミスドの奥にある、英国パブに入って、また2時間くらいダラダラ喋っていた。
 1時になったので、店を出ると(Mちゃんは基本的に無職だが、私は明日がある身なので)また雨がけっこう降っていた。

 とぼとぼ歩いて、家に帰り、寝る支度していたら2時を過ぎてしまいました。
 ついつい近所だと、遅くなっちゃうよね。

 私らが次に計画しているのが、Mちゃんちのすぐそばにある「住宅街にポツネンと出来たイタリアン」である。テーブルも4卓くらいしかない小さな店なのだが、どうもネット上では評判いいらしい。前から「いつか行ってみよう」と言っていたのだが、あまりにも近すぎるのでついつい行きそびれていた。それでもディナーが7000円くらいと、わりといい値段なのである。「まず、ランチで様子を見てみよう」とまた誓いあったので、今度私が平日休みのときにぜひ。

 あと、ずいぶん前に二人で熱狂し、毎月多くの友人を誘って行っていた、青山の有名レストランだったらしい(私はバブル期の全盛期を知らなかった)エル・トゥーラであるが、何に熱狂していたというと、そこで月に一回開催される「3500円食べ放題の日」に足しげく通っていたのである。

 たまたま知り合った、友人の友人の友人がそこの給仕頭であったので、「こーゆー企画あるから是非来てください」と言うので、試しに行ってみたら、「わー、デザートとコーヒー代は別とはいえ、一流シェフ(かどうか知らんが、「料理の鉄人」出場経験有り)の料理が5000円くらいでお腹いっぱい、しかもワインは飲み放題!」で、大感激し、しかも、友人の友人の友人の給仕頭がいつもグラッパなどをこっそりサービスしてくれたので、調子こいてかなり通っていたのだ。

 まあ、あまりにいい思いばかりしていたので、悪いなと思って「仕事絡みで女性デザイナーなんかと食事する機会が多いので、おしゃれな店を開拓したいんすよね」と言う編集者の男友達も連れてったら、彼がその後、ちょくちょくその店を使ってくれるようになったので、その友人の友人の友人である(くどい)給仕頭にも大変感謝されたので、大イバリだったわけです。

 その後、あの店も閉店してしまい、ちょっと寂しかったのだが、Mちゃんがたまたま田中康夫の本を読んでいたら「あのシェフがやっている店が紹介されてた!」
 もう開店して数年経っているらしく、「予約のとりにく店」という称号を得ていたが、値段は「おまかせコース」のみの9000円。ということは、飲み物などを入れると、客単価は15000円なのだろう。ちょっと高値の花(故意です)であるが、「でも、いつか行こうね」と誓い合った。

 さて、そんなわけで、今日はやや寝不足だったのだが、久々の秋晴れで気持ちよかった。
 昨日は、薄手のコートが必要なくらい寒かったが、今日はカーディガンでちょうどよかった。
 このくらいの時期が一番過ごしやすいんだけど、長くは続かないことはわかっている。

 夕方、ちょこっとだけ外出したのだが、西の空にたなびく雲と夕焼けが美しかった。
 地平線と平行に広がっている薄い雲が淡いオレンジ色に染まっていて、それが何層も重なっていた。

 「ああ、なんか、鱒寿司みたい(大好物)」

 と、食い意地の張った感想を言ってしまったのは、たぶん「食欲の秋」だからだろう。ちなみに、今日のお昼は、松茸ご飯をいただきました。(時々会社で使う日本料理屋からの「差し入れ」というか営業活動。春にはタケノコご飯をいただいたっけな)
10月4日(月)

 体調不良開始が土曜日になってしまったので「眠い、だるい」という欲望(?)のおもむくままに惰眠を貪った寝週末であった。ってゆーか、最近ずっと週末になるとこんなかんじ。なーんもヤル気しないのだ、わはは。(笑ってごまかせる幸せよ)

 それでも土曜日の夕方、なんとか洗濯だけはしたのだが、日曜の朝、雨の音で目が覚めて、がっかり。
 う、う、う、昨日、シーツも洗って干したのにぃ。

 結局、日曜日はずっと雨。秋雨前線とやらの仕業かな?

 ところで、土曜日の夜に、とうとう「タイタニック」を最後まで観たのだが(でも、結局途中からだったので、あの名シーン「タイタニックごっこ」というのか、船首でなにやらイチャイチャしている場面はまた見逃した。あのシーンはかなり最初の方なんだね。あたしが観たときには、すでにレオ様はなんでだか知らんが手錠に繋がれてました)、その後「口直しにニュースでも観るべ」とNHKにしていたら、なにやらまた♪ちゃららら〜ん、という哀愁のメロディが・・・・

 どわ、これは「冬ソナ」に続く、韓流ドラマではないか、もう観まいと思っていたのに、ついうっかり・・・・
 しかし、もうとっくに始まっているのかと思ったが、なんと初回だったのだ。

 なぜ、なぜ、韓国ドラマは私をそっとしておいてくれないの?
 と、悲しい気持ちになるが、これも自己責任である。しょうがないから、観てみましたよ、「美しき日々」

 そしたら、出だしは「冬ソナ」よりもスピーディーで、ゴロゴロしながら中途半端に眺めていたら、話の展開が早すぎて「え?誰が誰で、どういう関係?」というのがさっぱりわからなくなってしまった。
 でも「なれそめ」を延々と2週間もかけてやっていた「冬ソナ」に比べると、初回の30分であっとうい間に「そもそも」を説明仕切った技は、数年前に日本でも流行った「ジェットコースタードラマ」を彷彿とさせて、演出的にはなかなか良しである。病気のバアサンを看病しているシーンから一転して、葬式の場面になったり、主人公と妹が泣く泣く「大嫌いな親父」の家に帰るシーンが一転して、父親のレコード会社で重役をやっている主人公が出てきたり・・・・と、余計なシーンを極力省いているので、ついてくのが大変だが、でも、この調子でやってくれるのなら、続きも観たいね。

 ただ、一つだけ文句を言わせてもらえば、主人公のニイサンがどうしても「原田泰造」にしか見えないことだ。

 「冬ソナ」のヨン様が、松尾貴史にしか見えなくなったのは、ずいぶん後だったが、こっちは初回からこれじゃあ、ちょっとなあ。

 そんなことはどうでもいいのだが、昨日の日曜日になって、もっと重大なことに気がついた。
 「美しき日々」を観たあと、すぐに寝てしまったのだが、なんと、その後に「ER[」を放送していたのだ。そっちも初回。こんな突然の「韓流ブーム」が来なければ、「冬ソナ」の枠ですでに「ER[」を放送していたはずだが、「土曜日の枠はまた韓国モノかよ!」という私の思いが通じたのか、私みたいな「ERはどーした!」という客が多かったのか(しかも、地上波しか見られない貧乏人)、超深夜に放送することにしたようである。

 そんなこと全然知らなかったから、見逃しちゃったじゃないの〜〜〜〜〜

 まあ、怒ってもしょうがない。来週からはがんばってERを観よう。
 あのドラマはほんとに「お仕事大変そうですねえ」なので、大したことやってるわけじゃないのに、愚痴っている自分がバカバカしくなるというか、とても「癒される」のである。

 「大したことない仕事の愚痴」と言えば、今日はやっと、派遣社員の人に、「その服装と靴がちょっと評判悪いようなんで〜」と言うことができた。

 彼女も「え、あ、そうなんですか?」と恐縮していたが、よくわからん反応だと思ったのは「じゃあ、お詫びに回らなくてもいいですか?」って言われたことだ。
 いや、酒の席でちょっと出た話だし、誰もお詫びしてもらおうと思ってないし、そもそも「誰がそんなクレームつけたか」ってことは言いたくないし、文句付けた人たちだって名指しで「誰誰さんが、文句言ってました」と明らかにされたくねーだろうから、「いえ、お詫びはいいですから、明日からもう少し地味にしていただければ・・・」とこっちもシドロモドロ。

 つーか、そもそも(「そもそも」が多いね)、そういうこと言う私だって、大した服装してないのである。
 なので、他人の服装をとやかく言うのは気が引けるが、「ともかく、けっこう保守的な会社なんで、地味だとOKなんすよ、私だって、こんなだけど(全身、MUJI&ユニクロ&西友)、今のところ何も言われないのは、地味だからです」と地味地味と繰り返し、冷や汗をかいた。

 私が心配していた「電話受付」のほうは、落ち着いた声でしっとりと捌いてくれているようなので、見かけの「アン・ルイスの私服か?」よりは、落ち着いた人らしい。
 できるだけ長く働いてくれるといいんだが。

 今日、笑ったこと。
 クララの席に、クララと同期で、クララとはまたちょっと違うタイプの「天然ボケ」であるH嬢がやってきて「あのあと、どうだったあ?」
 「いや、なんか、向こうはすっかりソノ気になっちゃったみたいで、クララがいないときに、『オレが送っていく』って息巻いてたから、ちょっとなあって」
 「ええ、ええと、もぞもぞ(聞き取り不能)」
 「大丈夫?電話番号とかきかれちゃった?」
 「あ、それは、もぞもぞ(聞き取り不能)」
 「もー、あんなの連れてくると思わなかったからごめんねえ」

 クララは小声で話していたが、相手のH嬢がマイペースで淡々と喋るから、「ははん、H嬢が合コンにクララを誘ったのだな。そんで、メンドクサそうな男に目をつけられたと」と全貌が明らかになってしまったではないか。決して大きな声で喋っているわけではないのだが、周りがシンとしているときに普通の音量で喋るから全部聴こえてしまうのだ。

 別に大声で話すのは構わないが、たぶん、H嬢はいつものごとく「単に周りが見えてない」のであろう。彼女は会社の中では挨拶するが、一歩外に出ると、誰のことも無視して通りすぎるので有名である。近眼なのかな?とも、思ったが、今日の会話でもわかる通りに、「周りがカボチャにしか見えない」タイプの変わった人である。普通の神経があったら、ああいう会話は人のいないところでひっそりとするはずだ。

 しかも、その会話でわかったことは「周囲に全く興味がない人かと思ったけど、合コン仕切ったりはするんだ」ということである。
 H嬢、おもろいなあ。
 一緒に仕事する人は大変そうだけど。

 ずいぶん前だが、H嬢がまだ見習いの「システム部社員」だったときに、私がパソコンを少し移動することになったら、IP電話の線が足りなくなり「勝手に抜くとシステムに叱られる」と思って「なんとかしてください」と頼んだら、新米H嬢がやってきて、無表情のままなにやら長いコードをつけてくれた。
 心配したH嬢の上司が監視にきて、H嬢が、私のパソコンとIP電話のコードを醜くくクロスして接続しているのを見て「おまえ、それはダメだ、美しくねーだろー」と指導したのだが、H嬢は半開きのアンニュイな瞳(いつも眠そうなかんじ)を瞬きもせず、そのまま平然として立ち去ったのであった。
 残された上司は「おめー、だからダメだって、いつも言ってるだろ!人の話聞けよ!」と、しばらくガナっていたが、それを全く無視して、行ってしまったのであった。

 たしかに、多少配線が醜くても、使用するには支障がない。
 でも、すぐ脇で、上司が「それじゃ、ダメだ」と言っているのに、完全に無視するH嬢の姿が、恐ろしかった。(しかも、かなり小柄だけど美形なのだ)
 あの威圧感はタダモノの「天然ボケ」ではない。私も人生長いけど、20代で「月影先生」のような「他人に有無を言わせない」オーラを醸し出している人は観たことがないので、けっこう注目しているのである。

 そのH嬢とクララが同期だから「タメグチ・トーク」しているのを傍で見ていると、どんなドラマや映画よりも面白いんだ。なんかSFっぽいんだもん(笑)
10月2日(土)

 なんか、体調もよくなかったのか、昨日はかなり酔っ払ってしまって、電車の中でもちゃんと座ってられず、べったりと横になっていたような気がするけど、三茶の駅に着いたのは、まだ10時過ぎくらいで(多分。だって、家に帰ってテレビつけたら丁度「八つ墓村」の犯人あかしシーンだったから)、地下鉄出口を出て、よろろろろ〜と家に向かって歩き出したら、中年サラリーマンが「やあ、お互い、よく飲んだよねえ」と話し掛けてきたので、「はあ、そうですなあ」というような顔だけで反応していたら、「これから、また飲みなおすか?」と、いきなり腰に手を回されてしまった。

 「やめてください!」という場面であるが、私はダルそうに、自分の胴に回された酔っ払いの手をゆっくりとほどくと、「もう、これ以上、飲めまへん。気持ちわる〜」と、呟いたら、向こうも納得したのか、さっさと引き下がった。

 酔っ払いって、ほんとにしょーがないわね。

 というわけで、今日も二日酔いでたっぷり寝ていたのだが、夜になってテレビをつけたら「タイタニック」が完全放送とかで「よし、今度こそちゃんと見てやるぞ」
 ちょうど、船が沈むのが確実になり、ボートへの避難が始まったところであった。
 「よしよし、もうクライマックスだな」と思ったのだが、甘かったようだ。この映画「半分以上が沈むところ」だったのである。
 「まだ沈まんのか〜〜〜〜」と思いながら、そして、せっかくボートに乗れたのに「やっぱり愛してるのジャック!」と言ってボートを降りてしまい、「キサマのせいで、一人乗りそびれてるんだぞい?」という虚しい突っ込みをしたが、その後、二人でドタバタ逃げ回っており「ローズがいなけりゃ、ジャックの生存確率上がるんじゃないか?」という虚しい突っ込みも虚しく、自分本位でドタバタする二人を眺めつつ、やっと船が本格的に沈み始めたところで、時計を見たら「まだ、10時じゃんよ〜」

 あーあ、なんか2時間くらい「とっとと沈まんかい!」って突っ込んでいたので、なんだか疲れた。
 「世界の中心で愛を叫ぶ」を読んでいたときにも「さっさと死なんかい!」と思ったが、「タイタニック」のユルさもあれに匹敵するようだ。
 やはり昔テレビで観た「ポセイドン・アドベンチャー」のほうが、よっぽど面白かったぞ?
 あとは、私の大好きな「タワーリング・インフェルノ」とか、やはり脇のストーリーが「じわっ」っと来ないと、こういう話は薄っぺらくなる。

 「タイタニック」も、演奏を続ける楽団とか「紳士的に最後を迎えたい」という貴族や、最後まで職務をやり遂げようとする乗務員などは出てくるのだが、それらも「こういう映画には、こういうのがお約束なんでしょ?」くらいの、突き放した描写なので、ちゃんと感情移入できないまま、主人公の色恋沙汰ばかりがクドくて、それも「サカリのついた若い男女はまともな判断ができないらしい、ということで、クドいようだが、ローズは一度、ボートに乗っているので、そのままだったら助かったのだ。それで、ジャックと二人で海に投げ出されてから、ローズだけが残骸の板に乗れて九死に一生をえるのだが、「ローズがいなけりゃ、ジャックがこの板に乗れて、助かったかもしれないのに」と、「純愛賛美」よりも「純愛ってやっぱしバカ」としか思えなかった私が捻くれ者なのか?
10月1日(金)

●順番間違ってるよ?

 T部長とちょっとミーティング。
 T部長は元々かなり「お忙しい」人(「忙しい人」とは厳密に区別させていただく)であるので、誰もが「総務部長まで兼任できるのか?」と思っていたのだが、本人もそう思っているらしく「ミヤノは課長代理だけど、でも総務には課長がいないのだから、実質、総務課長ということなわけで・・・・」と、くどくど回り道をしながらも、要するに言いたいことは「元々Oのやっていた仕事を全部、ボクが引き継ぐのは無理だから、ミヤノに任せられる仕事は、任せたい」とのこと。

 「はあ、そうですか。どうぞ」って言っておけばよかったのだが、私も「話がクドい」のには定評があるので、「でも、O部長はここ2年くらいで、事務作業レベルのことは私を含め、部下に割り振っているので、「部長決済」をやってただけなんですけどねえ」

 と、私が知る限りの「実状」を説明したつもりだったのだが、「でも、まあ、いろいろあると思うんだよねえ」

 結局、O部長が抱えていた一番重要な「事務作業」は「給与関係」だったのである。
 でも、それも「考課の取りまとめ作業」と「賞与の金額算出」が手間なだけで、後は給与ソフトに賞与金額を入力していただけである。

 我が社の給与事務はほとんど親会社の給与担当者がやっているのである。だから、いわゆる「給与計算事務」はその人の仕事だし、「交通費の変更」などは、こっちの総務で書類を受け付けて、それを報告すればいいだけで、そういう事務はO氏はタッチしてなかった。

 って、あたしがいくら説明しても、「でもね〜」と納得してくれない。
 それでは話が進まないので「あの〜、Oさんとはまだそういう話をなさってないのでしょうか?」と聞いてみると、「まだ」だそうで、それって順番ちがくない?

 O氏がどの程度、その仕事に手間をとられていたのか、私はだいたいわかっているつもりだが、私がそのことについて述べると「でもね〜」と否定するような態度をとるのだったら、最初からO氏に確認すればいいだけではないか。
 それでO氏と相談して「この仕事の一部はミヤノにも出来ると思うよ」と言ったのなら、私に「これは任せる」と言えばいいわけだし、そこで私が「でも〜」と渋るのならわかる。

 二人で「結局、O氏は具体的にどんな作業をしていたのか?」ってあてずっぽに語っていても、時間の無駄じゃん。

 だから、私はT氏を「お忙しい」人、と称するのである。

 そんなんで30分もミーティングして、アホらし。
 とりあえず、「考課」は別としても、「賞与金額の入力」や「昇給のときの金額変更」や「昇進のときの役職手当の変更」くらいなら、私でもできる。あんまし、やりたくないけど、上がそう判断するのなら、しょうがない。
 ただ、一つだけ釘をさしておいたのだが、私の席はとてもオープンな場所(人通りの多い場所)にあるので、あの席で給与を扱うのは問題だと思う。
 O部長の席で、現在T氏が座っている席は、壁を背にして通り抜けできないようになっているので、ああいう立地ならなんとか可能だか、いつ誰が後ろに立っているのかわからないところで、給与書類を広げられない。ということだけは、きちんと伝えておいた。

 あと、親会社の経理でも「給与もそっちでやれば?」という打診はときどきあり、でもO氏はそれをノラリクラリとかわしていたので、ここで私が「給与入力だけはする」ということになれば「じゃあ、全部やっちゃえばいいじゃん」と言ってくるのは目に見えている。

 そしたら、T氏は「じゃあ、H(親会社の給与担当者)とも話してみるけどさあ」
 だ、か、ら、まずO氏と話をしろって。
 もー、「お忙しい」人ってほんとに・・・・・理解不能。

●新しい派遣の人

 他の社員がほとんど外出していたり、会議が長引いてしまったので、社長はどこかに飲みに行きたそうだったのだが、私しか「飲める」社員がいなかったので、しょーがないから他の人が揃うまでお供。先日も、あたしが先発隊で、しばらく社長のお相手をしていたのだが、O部長がいないと、私にその責務が・・・・・

 まあ、社長と飲むのは嫌じゃないからいいんだけど、さ。
 先日も二人っきりでしばらく話す話題は「T氏」のことで、社長も彼が「ちゃんと総務の仕事をする」とは思っておらず、「どうすんのか?」と思っているのだが、そんなのアタシは知らんぜよ〜
 今回の異動はたぶん、部長達で組んだことなので、その変もちゃんと含んで決定してほしかったと思うが、「ドロ縄」なのは我が社の社風だ。

 社長の考えでは、O氏の前に総務部長であったK氏に「考課作業」をやらせればいい、とのことだった。K氏が本部に戻ってきて、代わりにO氏が別事務所(基幹業務は場所をとるので、全部そっちにまとめた)の部長になったのだ。
 だから、この騒動がこのまま落ち着けば、K氏にその仕事をする時間はあるだろう。

 そんな話になったから、「どうもTさんは、給与ソフトすら触る気がないようですねえ。もしかしたら、入力は私が・・・ってなりそうなんですが」とコボしたのだが、話をしていると社長も「O氏がどの程度、経理の仕事をしていたのか」がわかっておらず、「いえ、もう給与の入力以外は、全く伝票打ってなかったですよ」
 「そうなのか?償却とかは、あいつがやってなかったか?」
 「いえ?判断は仰いでましたが、減価償却の計算も計上も私がやってました」

 細かいことを言えば、前回の決算から、投資関係の処理も、保証金の償却も、ぜーんぶファイルごと「よろしく〜」と投げられたのだ。それに、決算後の利益処分(役員賞与だとか配当金だとか)も前回から、私が処理した。金額の決定はO氏と社長でやっていたので、振込と伝票入力だけ。

 「なので、考課は大変だけど、あとは、昇給と賞与の金額を給与ソフトに入力するだけで、後の計算は全部、ソフトがやってくれるし、それの管理は、Hさんがやっているから・・・・・」
 と、また社長にクドクド説明することになった。
 さすがに、社長は、その仕事をミヤノがやってもいいじゃないか、とは言わなかった。「給与金額」は極秘事項なわけだし、それを知る権限をおいそれと与えることには慎重なのは当たり前だろう。

 そんな話をしているうちに、他の社員も続々と仕事が終了してやってきたのだが、少し酒が回ったところで出てきたのが「新しい派遣の人」の話題。

 実は少しだけ覚悟はしていた。私も「ちょとなあ」と思っていたからである。
 服装が「ちょっとなあ」だったのである。
 「初日から、その服装なのか?」と首を傾げた。少々ゴス系が入っていたのだ。雰囲気はゴス系だが、黒いパンツの上に、レースのミニスカートみたいなのをいつも合わせているのである。

 彼女が面談に来たときに見てなかったので、そのときの服装がどうだったのかわからないのだが、でも、初日にいきなりあのロック系な服装には「この人、どうなんだろう?」と首を傾げた。
 自分も経験あるけど、新しい職場では服装に気を使うから、特に慣れるまでは、ちゃんとした服装を心がける。それで、だんだん周囲を観察したり、職場の人に「ここって、けっこうカジュアルですよね?」と確認してから、だんだんドレス・ダウンしてけば問題ない。

 ただ、他のフロアにウェブ制作の派遣社員が数名おり、彼女らも、かなりラフな服装というか、ジーンズにTシャツで闊歩していたりするのだが、外と接触する部署ではないので、見逃されているだけなのだが、もしかしたら、面談に来たときに、うちのフロアのトイレに来ていた彼女らの服装を見て「これでOK」と思ったのかもしれないが、それにしてもなあ。

 というわけで、いきなりオジサン社員たちに「あの服装はねーよなあ」と言われてしまったのである。
 たしかに、まだ1週間目だが、基本は「パンツの上にスカート履き」で、今日はさらに派手なトラ柄の光沢のあるカットソー、さらには厚底の黒いスニーカーで決めていたのある。
 オシャレはオシャレなのだが、どう見ても「クラバー」な服装。やっぱ、オジサンには評判悪かった。

 実は、その前任者も、わりとカジュアル過ぎだったのだが、彼女は雰囲気がおっとりと大人しく、小柄だったので目立たなかったし、カジュアルといっても「ギャルギャル」はしてなくて、雑誌でいえば「ノンノ」風だったので、誰も文句は言わなかったようだ。

 うーん、しかし、飲み会のドサクサで、私が彼女に注意するように、と言われてしまった。やだなあ。

 でも、たしかに、彼女の仕事は「受付」がメインなので、社長のお客さんへのお茶出しなども多いので、問題なのはわかる。それに、うちの会社は女子社員こそラフな服装だけれども、男性社員は、ちょっと前までは「ダブル不可、カラーシャツ不可」くらい保守的だったのだ。親会社がそうだからである。
 さすがに、親会社とは全く別の仕事をしているので、うちの会社はそこまで厳しくないが、親会社相手が仕事の社員は服装に気をつかっている。それに、女子社員にしたって、私が入社する直前まで「制服」があったのだ。

 だから、親会社の女子社員も基本は「スーツ」であるようで、うちの女子社員のカジュアルとはかなり違う。
 なので、新しい派遣の人にも、その辺をちゃんと説明しておかなくちゃなあ。

 あと、電話の応対も彼女はちょっとイマイチだったのだ。
 まだ慣れてないだけかもしれないが、外からの電話に「○○さんは、外出されてます」って言ってるようだ。
 それが新入社員なら「さん、は要らないし、中の人に敬語を使わないのがビジネスマナー」と教えるところだが、新入社員のほうが入社直後に「マナー研修」などを受けているので、そういう応対をする人を見たことがなかった。

 それに、そういう「基本」はわかっていることを前提の「派遣社員」のはずなのにぃ。
 所詮「電話番、お茶くみ」の仕事なので、あまりレベルの高い人に来てもらっても申し訳ないのだが、でも先日も「みどり銀行さんが来ました」と言うので、「へ?みどり銀行?」としばらく考えてから「ああ、みずほ銀行でしょう」と笑ったら、向こうも恐縮していたが、その一件で「あまり仕事馴れしてないというか、こういう事務系の仕事をしたことがないんじゃないか?」と思った。たしかに、慣れない職場だと、聞き取りにくい会社名や部署名が多いけど、「み・・・・なんちゃら銀行」と聞き取れなくて「みどり銀行」と言うか?そんなの聞いたことないわけだし、日本有数のメガバンクの名前を認識できないとなると、先行き不安である。

 とは言うものの、私も「聞き取り」が非常に苦手で、そういう「創作活動」はよくやってしまうので、あまり人のこと言えないのであるが、そういえば、うちの会社にときたまかかってくる電話で、初めてそこからの電話を取る人が茫然となる、「電話番OL殺し」の会社名といえば・・・・・(あたしも心停止して仮死状態になった)

 「いこましーびーりちゃーどえりすの○○ですが・・・」

 そんな長い社名、ちったあ略すとか、考えろよ!と思うが、調べてみたら、かなり有名な会社であったが「みすほ銀行」と違って、一般人には馴染みがない。
 最初に電話を受けたときには「なんじゃこりゃ?」と思ったが、賢い私は、他の子が「いこま・・・・・あれ?」と電話の取り付きのときに目を白黒していたのを覚えていたので、担当者には「いこま、なんちゃらからです」で通した。

 「生駒CBリチャード・エリス」なのだが、電話で社名だけ聞くと、どこがどうなっているのか、さっぱり区切れず、それで向こうの担当者の名前はすっかり忘れてしまうのだ。それに、かつての「太陽神戸三井銀行」みたいに、長くても省略できない事情もよくわかるし(笑)


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