可燃物な日々

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9月30日(木)

 月末なので、納税だの、入金確認だので、いろいろ慌しかった。

 そういえば、昨日は寝る前に「また、暴風で目が覚めたりするのかなあ」と覚悟を決めていたのだが、12時過ぎに床に就き、うつらうつらしたところで、少しだけ「ぼぉぉぉぉぉ」という風が鳴く音がしたけど、次に気がついたときにはもう朝で、しかも、目覚ましを消して二度寝してしまったので、30分ほど寝坊した。すでに、外は平穏な天気で、私が熟睡していたためか、台風が関東を避けて通ったのかよくわからなかったくらいだ。

 ニュースでは台風の被害で、死者何名、行方不明何名という見出しが出ていたけど、自分の周囲が全く影響がないと、台風が通過した地域が中近東くらい遠く感じる。

 さて、話は前後するが、仕事でドタバタしてて、月末だから来月の資金繰りも大体出揃ったので、新任総務部長のT氏にさっそく「金がねーのでございます」と告白。
 今月、ちょっと苦しいのはわかっていたのだが、その話はずっと元総務部長のO氏と相談していたが、O氏が異動するときにも「今後、資金繰りや融資のことは・・・・とりあえず、早々に例の件がありますし・・・・」と、行間に「この件くらいはT氏に引き継いでおいてけれ」というのを匂わせたのだが、O氏はあっけらかんと「じゃあ、それはミヤノさんが社長と相談しておいて」

 まあ、それでもいいんだけど、でも、最初からそれやっちゃうと、後々までそうなりそうだったので、T氏も今日はドタバタしていたのだが、「ちょっとお話が」と、その件をちょろっと説明して、とにかく、今、銀行から「義理で借りてあげてる」短期融資が、結局、10月の「ほんとに必要なとき」に返せないというか、元々、10月に借りる計画を私とO氏では建てていたのだが・・・・と、ちょろっと説明するつもりが、けっこうクドクドした話になってしまった。

 それで、T氏もクドい性格だから、「そもそも、そういう融資関係のことって」とか「資金繰りのことは、各部署の担当者はわかっているのか」とか、細かいことをグダグダ言ってくるので、話が進まないのだが、でも、今回は私にブがある。だって、結論はわかっているんだもん。「お金が足りないから融資をお願いしてください」ってことだけだ。
 とにかく、今までは私が資料を用意して、O部長が社長決済を貰っていたので、私としては、その流れをT部長が引き継ぐのか、それとも私がその任務をするのかどうか確認したかっただけだ。

 結局、さすがのT部長も「これは自分の仕事」だと思ったらしく、30分くらいネチネチ話し合ったあと、「わかった。じゃあ、話はしておくよ」ということで丸く収まった。

 よし、一つ仕事は片付いた。
 と、思っていたら、親会社経理のF氏から電話。いきなり「すいません」と謝られた。
 今日は、親会社と大きな金額のやりとりがあったので、「え?今日の件で?」と言うと、どうやら、F氏がその金額に消費税を加算するのを忘れていたようで(「あたくしとしたことが」というお詫びのセリフが、かわいかった)、うちがその分を追加して振り込まなければならなくなった。
 別にそんなこと、たいした手間でもないのだが(まあ、振込みの手間はクララにお願いするし、後は伝票操作が一件増えるだけ)、電話越しでも、「尊敬申し上げている、お気に入りの先輩経理マン」が平謝り状態というのは、女王様っケのある私には快感だし、「数字に強い」はずのF氏の平凡なチョンボに、「やはり、誰だってミスはあるのよね、ふふ」と、心癒されたのであった。

 よーし、なんか人生、上向きになってきた象。

 と、久々に「調子こいてるアタシ」を取り戻していたのだが、夕方、ふとニュースサイトをチェックしていたら(サボっているわけじゃなくて、月末だから円相場が気になって・・・・単なる言い訳です)、私がとても引っかかっていた、「同居人の男に幼い息子2名を殺された、可哀想なお父さん」がなんとシャブであげられたと!

 「ほーら、だから、あたしが思った通りじゃん!」

 そんなこと、大勢の人が気がついていたと思うが、でも、そんなことはどうでもいい。私の勘が正しかった、ということが大事なのである。

 さて、今日は恵比寿のリキッドルームで「Faithless」のライブがあったのだが、まだ「不祥事の渦中」にある我が社では、事前に「今日、少し動きがあって、もしかしたら、問い合わせが多いかもしれない」と、また警戒レベルが上がったので、私も用心して前売り券を買わないでおいたのだが、夕方になっても、特に大きな動きはないようだったので、さっさとトンズラした。

 恵比寿に行くので、JR経由になる。新横浜の改札の下にある「牛乳スタンド」で、ヨレヨレの背広を着た冴えないオヤジがコーヒー牛乳を飲んでいる光景を目撃して、「はあ、こういう、どうでもいいけど、心に染みる光景に気がつくということは、やはり今、私はけっこう上り調子」と自覚を深めた。

 私はめったにJRに乗らないので、スイカも持っていない。イオカードがあれば事足りるからである。
 メインで使用するのは、パスネットのことが多いので、そっちの使用法については慣れていると思うが、どうもイオカードとは相性が悪い。前にも、一生懸命、自動改札機に入れてもダメで「なんでだろう?」と思っていたら、それはオレンジ・カード(冠婚葬祭で貰ったもの)だということに気がついたくらいだ。

 先日、会社の用事で外出したときに、久々にイオカードを使ったら、残高が数十円になってしまったのだが、その改札では「2枚投入はできません」になっていたので、諦めて新しいのを使ったのだが、新横浜の改札には特に「2枚投入不可」とは書いてなかったので「なにせ、新幹線が停まる駅だし、最先端だろう」と決め付けて、2枚入れてみた。

 だってさ、パスネットだと、都心の駅だったらだいたい2枚投入できるんだよ?
 逆に、「不可」なところは、それを大きく表示しているくらいだ。

 と、先に愚痴ってしまったので、結果がわかってしまったが、私が何気なく入れた2枚のイオカードの運命は・・・・

 唖然としたよ。
 まるで、ホームでイチャイチャしているカップルの脇で、酔っ払ったオジサンがこれ見よがしに「ペっ」と唾を吐くように、私の投入したイオカードの一枚は、「ぺっ」と吐き出されたのだ。

 ダメモトでやってみただけだったので、「カードが戻ってくる」ということは覚悟していたのだが、まさか「ぺっ」と吐き出すとは・・・・
 どうなったのか詳しく説明すると、新しい方の残高のあるカードは「取り出し口」のほうに戻った。でも「モニター」にはなんか「これじゃダメです」みたいな指示が出てたが、問題は残高数十円でハジかれたカードである。ほんとに「向こう側」に飛ばされたのだ。
 しかも「これじゃダメです」ということなので、扉は開かない。なので、飛ばされたカードを取ろうとしても手が届かないのである。

 あとで、よくよく考えてみれば「残高あり」のカードを取って、すぐ次の改札で入ってから、向こうに落ちた残高無しのカードを拾えばよかったのだが、とっさのことで、向こうに落ちたのが、どっちのカードだかわかんなかったので、自動改札の扉に無理やり体をねじ込んで、なんとか拾いました。

 おーい、JRの自動改札って、ちゃんと「ロボット3原則」をプログラミングしてんのか?
 いくら態度の悪い係員でも「この切符ダメです」って、向こう側に投げたりしねーぞ?
 「サービス」という概念もなく、公務員の態度が無茶苦茶悪い共産圏の田舎モノの国境警備隊だって、「あ、このパスポートじゃ入れませ〜ん」っていうときに、国境の向こう側にパスポート投げたりしないと思うぞ。こっちに投げ返すのなら、ともかく・・・・

 というわけで、残高数十円の「使えない」イオカードを「ぺっ」とされて、深く深く傷ついたのでありました。ロボットは人間を傷つけちゃいけないんでしょ?くすん、くすん。

 というわけで、自動改札に虐められながらも、なんとか恵比寿に到着しました。
 恵比寿なんか行くの久しぶり。渋谷とは違う雰囲気にちょっと緊張。だって、外人が多いんだもん。そりゃ、新横浜にもけっこう外人さんいるんだけど、ビジネス系の人しかいないから、ああいう「なにやってんだかわかんないような外人」がモノ珍しい。モデルっぽい人も多いし。ドキドキ。

 恵比寿のリキッドルームに行くのも初めてである。地図で観たら、昔ちょっと仕事で通っていたところの近所だったので「あんなとこに?」と思ったのだが、有名菓子店「パステル」や、ちょくちょく言った炭火焼居酒屋「海の家」は健在で「なつかひいなあ、私も昔は、ここを毎日通るような、トレンディなOLだったのに」と、ちょっと嘘はいってますが(でも、仕事帰りに、友達の家に遊びに行くときにはよく「パステル」のプリンを買っていったのはホント)、そこを通過して明治どおりに入ると、たしかにあったが、あそこは前はなんだったのか全然思い出せない。

 当日券を買って、中に入ると7時半を回っていた。8時開演というライブだったのである。
 タワーカフェも併設されているので、そこで時間つぶししている人も多いのか、「開演20分前」というのに、中はガラガラだった。
 レイアウトのコンセプトは、新宿にあったリキッドルームと通じるものがあるが、かなり小さくなったようだ。渋谷クワトロよりやや開放的な程度。
 この広さで、人気ミュージシャンのライブをやるなら、かなりお得な感じがする。

 さて、開演10分前になっても、ガラガラだったが、5分前になったら続々と入場してきて、8時になったらフロアはほどよく埋まっていた。この出足の遅さは「東京」というよりも「ロンドン」とかの雰囲気だ。さすが「大人の街・恵比寿」である。

 ライブが始まって、20分くらいしたら、会場で飲んだビールが効いてしまって、トイレに出たのだが、入り口付近が一番混んでいる、ということに「ああ、リキッドだなあ」と感慨深かった。
 新宿もそうだったんだけど、入り口とフロアに段差があって、フロアが低くなっているので、その段差を「眺めのいい場所」と確保する客が多いのだ。
 そして、後から来た客は、そこで止まってしまうので、フロアに降りようとしなくなり、出入り口付近は立錐の余地もなくなるが、いったん段差を下りて、奥に入るといつも空いているのである。

 だから、途中から出入りする人が、その混雑を抜けようとすると「なんだこいつ」って顔をされるが、「あんたらも、こんなとこで止まってないで、ちょっと頑張れば中は空いているのに」とずっと思っていたが、今日のリキッドもその悪しき伝統をきちんと継承していた。

 「Faithless」のライブですが、私はあまりCDは好きではなくて、というか「これは家では聴かないな」と思って、買ったことがなかったのですが、噂では「ライブはよい」とのことだったので、ちょっと好奇心で行ってみただけでした。

 CD聴いても思ったんだけど「ラップがあまり上手くないし、声質も好みじゃない」というのは、ライブでも同じでした。アメリカのラップや、イギリスだとドラムン・ベースのMCなんかのほうが、ノリがよくて凄いと思いますが、「Faithless」のボーカル(?)のライムは、どうもイモっぽいというか、わりと「ネイティブ・アフリカン」というのか(?)ちょっと、エスニック的な発音なのです。
 で、ルックスも、そうなると「つい先日、奴隷船に乗ってやってきました」な痩せ型だし、でも、痩せているなりにナイス・バディなのですが、アメリカで売れている黒人ミュージシャンとは志向が全く違います。

 なので、ライブの出だしは「やっぱ、このボーカル、ちょっとショボいな」と思ったのですが、だんだんと、「逆にそれが魅力である」ことに気がつきました。この、「かなり隙のある感じ」をうまく演出するのが、イギリス伝統の技なんですよね。ネオアコ魂を感じました。

 しかし、なんか不思議なバンドだ。
 それほど突出した「楽曲のよさ」があるわけでもないし、斜に構えて鑑賞すると楽曲も「ニューオーダーがもし、演奏が上手かったら・・・・」程度。

 客は外人率も高く、最初っから盛り上がってましたが、中盤にさしかかると、「何がいいんだかよくわからないが、なんかいい」ということが私にもわかり、わりと「クラバー系」が多そうな客も、「なんだかわかんないけど、とにかく踊らされてしまう」という感じて踊りまくってましたが、気がつくと私もピーヒャララと踊る阿呆になってました。

 やり方は、表面的には地味なんだけど、でも、ケミカル・ブラザース並のエゲつない盛り上げ方するんですが、でも、そんなに確信犯に見えないんだけど、でも、実はかなり確信犯なのかもしれないけど・・・・・とにかく不思議なライブだったなあ。

 結局、演奏自体がしっかりしてんでしょうね。ギターもベースも上手かったし、パーカッションやキーボードも活躍してて、時々絶妙のコーラスが入る・・・・・・計算高さが、わかりにくいのですが、実はかなり計算しているらしいような、それとも自然体なのか・・・・・でも、なんか「ツボ」を知っている人が仕切っているようなのです。

 こりゃ「ライブは最高」って噂が回るのもわかるわ。
 週末は朝霧高原でやるので、野外であれがどう効くのか、観てみたい気もした。

 というわけで、あっという間の1時間半だった。
 帰りは、気分上々のまま渋谷まで歩いて、ほんとは三茶まで歩いて帰りたかったくらい気分がよかったんだけど、洗濯が溜まっていたので、今日はなんとしても洗濯機を回したかったのだ。

 洗濯もできたし、さて、明日はもう金曜日か。
 なんかすでに、今日のライブが一週間以上前のことのように感じる。
9月29日(金)

 雨がだんだん激しくなってきたので、早めに家に帰ったのだが、歩いているうちに雨が激しくなってきて、靴がグチャグチャになってしまった。しかし、3分もすると、また小降りになったりして、まるで運だめしのような雨だった。

 そういえば、台風が頻繁に上陸したせいか、今年は猛暑だったけど「水不足」っていう言葉は聞かなかったような気がする。

 さて、暑さも峠を越して、ここ数日はカーディガンを羽織らないと寒いくらいだったし、引き篭もりだったマインドもかなり解消したので、今日は久々に掃除する気になった。おかげで床はかなり広がったが、(と言っても、たかが知れている)山積みになった洗濯物を洗えないのが残念。

 ふー、しかし、そろそろ秋冬モノの服を用意しないとなあ。憂鬱。

 はあ、なんか今日はこれと言って書くこともないなあ。台風も関東には明け方接近するようだが、それほど暴風雨にならないらしいし。
 ここんとこ、朝のワイドショーもプロ野球の話題ばっかりなので、あまり面白くない。前までは「選手会VSナベツネ」ってかんじで、それなりに興味が湧いたが、ナベツネが引っ込んでしまったら、いきなりつまらなくなってしまった。
 そしたら、いつもまにか「楽天VSライブドア」になっていて、ちょっと地味だ。
 でも、楽天の社長がネチネチと手堅く攻め込んでいるかんじが、いかにも財界のオジサマ受けしそうで、なんというか「出始めのころの、孫君もこんな感じだったのかなあ?」というかんじで、それなりに興味深いが、でも、楽天の社長がテレビで喋っているのを観ると、「SMクラブで女王様の靴とか舐めている人のような気がした」とゲッツ板谷のようなキャプションを入れてしまいたくなる。

 そーいえば、先日もMちゃんとの長電話で話題にしたのだが「韓国の売れっ子俳優とプロ野球選手の懲兵逃れ事件」であるが、あれもなんかわかるようなわからないような。
 たしかに、俳優はともかく、スポーツ選手の「2年間」はかなり大変なことだと思う。でも、ほんとに皆、徴兵に行ってるのか?

 何十人かが組織的な懲役逃れでどうの、と言っていたが、その他の一流選手は大丈夫なのだろうか?だって、それが日本だったとしたら、松坂とかどうするんだろう。逆に松坂クラスの選手だと「徴兵に行ってない」というのがバレバレだから、避けられないのかもしれないけど、しかし、役者だったら「目が悪い」とか「実は貧血」とか、言い逃れもできるが、プロのスポーツ選手が「不適格」とされるわけがない。
 でも、サッカーのアンジョンファンとか、W杯で活躍した選手には「徴兵の軽減」という措置がとられたという話がニュースになったくらいだから、滅多なことでは免除されないのだろうか?

 そのあたりが、実際どうなのか、よくわからないのだが、Mちゃんも言っていたけど、たとえば、バレエダンサーやピアニストみたいな、もっと軟派なプロでも、日々の鍛錬無しには未来はないわけだし、そういう場合はどうなるのだろう?

 「徴兵」というと、ついつい日夜訓練にあけくれる集団生活というイメージを持ってしまうが、そうじゃない「通い徴兵」みたいなものあるのかね?ほとんど事務職とか?
 「日本で全員徴兵すると、どうなるのか?」という想像が全くできないし、韓国の人口や年齢構成がわかってないのであるが、でも日本で「20歳代のうちに全員2年間」ってことにすると、その数は膨大になりゃせんか?
 だって、要するに「2年間の義務教育」ってことになるわけだから、「小学校5、6年生全員」と同じだけの数の「徴兵された人」が常に存在することになる・・・・・んだよね・・・・・

 だとすると、ほんとに全員徴兵すると、とんでもない人数になるわけだから、「ヨン様は視力でひっかかって徴兵されませんでした」って話で「は?日常生活に支障がない程度でも、ダメなんだ」と思うけど、いったいどの程度の基準で免除なんだろう。
 プロ野球選手が何十人も徴兵逃れしていたのを今更、騒ぎたてることから考えても「けっこう基準は厳しいので、スポーツ選手でもハジかれる」ようなもんだったのか?

 まあ、何が言いたいかというと、そのくらい隣国の「徴兵制度」について、具体的には「なーんも知らない」ということがわかったのである。
 だから、「徴兵逃れ事件」も、感覚的によくわからず、でもなんとなく、日本でついこの間大騒ぎになった「年金未払い事件」を思い出した。あれも国民全員で考えれば「未納の人が大勢いる」ということはわかっていたのだが、それを「年金のCMに出演していたタレントや、国会議員が実は未納だった!」というスキャンダルだったわけだし、韓国の徴兵騒動も、一般市民も実はけっこうゴマかして逃れている人が多いということは常識だったが、それを「人気俳優やプロ野球選手が!」ってのが問題なのか?

 しかし、そんなニュースも、あまり掘り下げられることなく、あっという間に消えてしまった。
 最近は、イラク情勢もどうなってんのか、テレビだけ観てると全然やらないね。
 新内閣は、超地味なところが逆にニュースになっていた。
 アメリカ大統領選も、どうなるんだろう。(日本のテレビ的には、って意味)

 そーいや、小泉首相が国連で演説していたけど、本気で常任理事国入りを狙っているのだろうか?

 えーと、私は国連の仕組みをちゃんとわかっているわけではないが、我も我もと常任理事国入りを目指すよりも、そもそも「常任理事国」という仕組みのほうが変だという話にならないのだろうか?
 「永久名誉監督」よりも、変じゃない?

 書くことねーな、といいながら、なんだかダラダラ書いてますが、先日、社内吊り広告で目をひいたのは、女性ファッション誌の創刊号の広告でした。

 NIKITA(ニキータ)

 「モテるテクニック」というアオり文句に、「ああ、とうとうここまで来たか・・・・」
 でも、今までファッション誌といえば「女性向け」が先で、男性向けはそれの後追いだったような気がするけど、「レオン」の「女性版」っていう展開の仕方は新しいと言えるのかもしれないけど、でも、「レオン」を女性向けにすると、こんなエゲツない感じになってしまうのか?と驚いた。
 だって、なんか「ニキータ」っつうよりも「アニータ」って覚えちゃいそうなんだもん(笑)いや、実は一瞬そう勘違いして「いくらなんでも、この内容で、そのネーミングは・・・・」ってドギマギしてしまったのでありました。
9月28日(火)

 今日は珍しく午前中は、打ち合わせで直行。
 場所は、山手線沿線で、集合時間は10時だったので、いつもと同じ時間に会社を出たのだが、渋谷で山手線に乗ったら、3人がけの席の真中が空いていたので座ろうとしたのだが、隣が「金に困っている若いころのレニー・クラビッツ」という風情の、要するにイマドキの「おしゃれな若いチンピラ」であったので、少しだけ躊躇したが、でも「人を外見で決め付けてはいかん」と思ったし、それにそんな時間の山手線だったので、警戒するほどのもんでもないのだが、しばらくしたら、そのチンピラ・レニー君の携帯が鳴った。

 「ああ、今、電車。品川に行くとこ。友達がつかまってさ、留置所に面会に行くとこ」

 うーむ。やはり見掛け倒しではなく、お友達がパクられても、こうして堂々と大声で話してしまうような人だったのね。やはり夜道では自分の勘を信じよう。と、思っていたら、さらに、

 「え?はははは、いや、違うよ。そういんじゃなくて・・・・・・違うんだけど。はははは。・・・・・え?ああ、あるよ。でも、今、入ってるのは、ブランドもんばかりだから・・・・でも、モノは確か。・・・・・・・ああ、すぐに入るよ。・・・・・・じゃあ、後で電話するわ」

 うーむ。やはり「人は見かけ」だったか。
 たぶん、彼は「ヤクの売人」をやっていて、「友達がパクられた」ということを言ったら、相手は「やっぱし?」と警戒したので、「いや、違う違う」と否定し(ヤクじゃなくて、傷害かなんかだと言いたかったのだろう)、そんで、向こうが「モノはある?」と言ったので、「ブランドもの」というのは、名のあるヤクだと言いたいのだろう。「名のある」シャブとかシンナーは聞いたことがないが、大麻やLSDなどは「名のある」ものがあるのだ。(大麻では、アムスの大麻コンテストで賞をとったものなどが有名)

 もちろん、売人が「上モノ」と言っても、それは偽装ブランド農作物と同じで、「こしひかり」と言っても、ほんとにそうだかわかんないわけだろうけど。

 まあ、ほんとに「ヤクの話」をしていたのか定かではないが、たぶんそうだったんだろうと思う。
 で、なんとなく可笑しかったのは、私は勝手にそう思っていたのだが、もしそれが本当だとすると、彼は周囲にいる普通のサラリーマンたちが、その短い会話の意味を考えもしないだろう、と思って、堂々と喋っていたのだろう。

 単にバカで、周囲のことなんて頭にないという可能性のほうが大きいが、でも意地悪な私は、ふと、いきなり横を向いて「上モノ入るの?」ってきいてみたくなったが、でも冗談が通じすぎて殴られてもヤダから思いとどまった。

 私の趣味としては、もっと「意外な人」が真昼の山の手線内の携帯電話でそういう会話をしてくれると想像も膨らむのだが、見た目「ヤクの売人」が、ほんとに「ヤクの売人トーク」をしているというのほど、つまらんものはない。あれで、どこから見ても普通の若いサラリーマンだったら面白かったのに。ちぇ


 夕方、そろそろ帰ろうかと思っていた6時ごろ、S部長が「ミヤノさん、今日は帰っちゃう?」というので、「いや、別に飲みに行くのなら・・・・」と生返事をしたら、どうやら社長御用達の寿司屋が「アラのいいのが入ったので、ぜひ来てくれ」とS氏に連絡してきたので、S部長が社長に「アラだそうです」と伝えたはいいが、S氏は行けないので(後で、それが別チームのスズメの会合だと知った)誰がご相伴する人を探していたらしい。

 そこうしてたら、社長がもう出発したそうにしていたが、他にすぐ出られる人がいなかったので「しゃーねーな、私が行くか」と私と社長だけで先発隊。(S部長は好きだし、それなりに世話になっているので、困っているときは、なるべくフォローしてあげるの)

 他の人が来るまで「ふたりっきり」だったのだが、社長が振ってきた話題が「今度の部長のTは、経理のこと全然わかってない可能性があるぞ?」ということだったので「ひゃー、やっぱ、社長はお見通しだわ」と思ったが「そーです、そーなんです」とも言えず、「まあ、財務諸表の見方はわかっているようなんですが、細かいことは・・・・ねえ?」
 他にも、いろいろ経理の現状のことを細々と説明しておいた。ビール一本あける前に(笑)

 こういう話は、なかなか社内ではできないので、こういうときには「酒が飲めてよかった」と思う。特にうちの会社の場合、酒飲み話は意外に重要なのだ。他の幹部社員もそう思っているので、けっこう重要な話題が出てくるので、小耳にはさんでおくと、心の準備が出来て仕事に役立つときが多い。

 なーんて言っていると、ただの「のんべの言い訳」みたいですがね(笑)

 今日のハイライトは実は、帰り道だった。
 また、東横線で帰ってきたのだが、時間が早かったし(10時前)、それほど酔っ払ってなかったので、渋谷経由でもよかったのだが「よーし、今日こそ!」と、また悲願の「祐天寺から歩いて帰る」作戦を実行。

 酔いもほどほどだったので、途中、やや方向を見失ったが「自分を信じるのだ」といいきかせて、なんとか世田谷公園の通りまでたどり着いた。あそこのデニーズが見えたら、もう「自分の庭」みたいなもんで、「やった。とうとう、ちゃんと家まで最短距離で帰れた」と感激。

 これでもう、どんなに酔っ払っていても、「祐天寺」は大丈夫だね。まだ「自分の庭」とまでは言えないが。
9月27日(月)

 今日はT部長がお休み(たぶん接待ゴルフ)だ〜い、きゃっほ〜

 と、先生が休みで自習になった中学生のように喜ぶ38歳(いつのまにか、カウントアップしました)であった。
 ご機嫌よかったので、クララに「土曜はも〜、ふたりっきりだったから世話が焼けてさあ」と愚痴りまくり。おっとりとしたクララも「世話が焼けた・・・・ほほほほ」(彼女の「ホホホ」笑いはけっこう面白い。甲高い「ホホホ」ではなく、押さえた感じの・・・・なんちゅーか、そういうのがいるのかどうか知らんが「少女のバルタン星人」の「ふぉふぉふぉふぉ」みたいな可愛らしさがある)

 そして「物事を自分の都合のいいように解釈する」癖のある私は、その「ほほほ」という笑いの中に「あたしも、ふたりっきりになったら、やーだなー」という気持ちが含まれていると解釈して、ご満悦なのであった。

 頼りにしていたO部長が、私たち小執事・・・・・子羊をあっさり捨て、電車で30分の別部署に行ってしまい、T部長とO部長はまだ具体的な引継ぎはしていない様子。たぶん、一気に引き継ぐという形はとらず、なにかあったらその都度という形式にするのであろう。O部長の性格上。

 だってOさんったら、異動が決まったときにも「まあ、もう、ボクがいなくても大丈夫なようにはなっていると思うけど、なんかあったら言ってください」という「他人まかせ」な引継ぎをすでに表明しているのだ。急にそう言われても、こっちも何を確認していいのか思いつかず、それでも翌日には、一応「これはTさんがそのままやるんですよね?じゃあ、あれは?これは?」と大まかな指針だけは確認した。

 でも、細かいことでは、10月にまた融資を受けなくてはならない予想が出ていて、その状況を細かにO部長には報告していたのだが、「じゃあ、今後、そういうことも・・・・」と言ったら、「まあ、当分はミヤノさんが社長に相談してみてよ」

 げろげろ〜
 今までもそりゃ、あたしが資料を作って「これこれこういうわけで、金がありません」って部長に説明して、部長が社長に融資の決裁をもらっていたのだが、それを直接あたしがやってもいいんですかいってゆーか、あんましやりたくないんすけど。

 とりあえず、うちの会社の融資関係を仕切っているのは社長であるが、その右腕となっているのは親会社の経理部長である。先日も銀行が中間決算で「短期融資お願いしますよ〜」ってのも、うちの社長と親会社経理部長F氏にお願いして「まあ、しゃーねーな」ってことになったのである。

 だから、うちの融資枠が(銀行がホイホイ貸してくれそうな、という意味)どの程度あるのかを把握しているのは、F氏なのである。もちろん、銀行はうちの会社を単体としては認識してないに決まっているから、親会社の銀行とのお付き合いが重要なのだ。

 なので、O部長に見捨てられた、かわいい小執事の私は、もう、こうなったら、F氏に「にゃお〜ん」と擦り寄るしかないのである。
 だが、天は我を見捨てていない。前からよく書いているが、私はF氏が「だーいすき」なのである。だって、細身でナヨナヨしてて、眼鏡かけてて、けっこうときどき気分屋さんだけど、でも数字にめちゃくちゃ強いんだもん。
 ハナタレ娘のときに懐いていた近所の中学生の兄ちゃんとか、高校のときの憧れの理系のセンパイとか・・・・・そういうのが・・・・要するに個人的に超好みだったものが、スクスクと捻くれて育って(経理は報われないから、かなり鬱憤がたまっているらしい。だから時々、O部長で発散していたので、O部長は彼のことがちょっと苦手だったみたい)40代半ばの姿をして目の前をウロチョロしているのだよ。これを極楽と呼ばすして、なんと言おう。

 ここ1年くらいで、F氏のほうも「細かいことはO君に言うよりもミヤノさんに言ったほうが話しが早いみたい」とわかったみたいで、確かに実際に伝票打つのは私だから、F氏がO部長に指示したことでも、私がO氏に質問しても「うーん、詳しいことはFさんに聞いてよ」と言われたので、「すいません、よくわからないんで教えてくださ〜い」とご指導を仰いでいたのだが、それでF氏もだんだん直接私に指示してくるようになったのだ。

 F氏はたぶん、O氏のことも大好きだったのだが、見かけよりドライな性格なので、「話が早い」ほうをとるし、「よくわかりませ〜ん」と卑屈になる姿勢が評価されたのか、一時は私もよく嫌味を言われて、どよーんとしていたが、最近はなんかご機嫌がよく、ってゆーか、実は賢い私はよーくわかっているのだが、彼がけっこうヤヤコシイ財務計画をたてたトバっちりをこっちが受けているので、彼なりに「面倒でスマンね」な気持ちがあるらしく、まあ平たく言えば、いたいけなっ少女M(あたしのことらしい)の両親をダマして、借金苦に陥れた、かなりサギ師な兄さんが、少女Mが、地道に返済計画を建てながら「これで、いいんでしょうか?」と、ウルウルして聞いてくると、親切に応対してくれているのである。

 まあしかし、実際はそんな悪徳でもないわけだし、今日もO部長がずっとほったらかしで、私が心配して何度か確認しても「それでいいって親会社は言っていた」の一点張りだったことをF氏に遠まわしに確認したら、やはり親会社はちゃんと常識的に処理しており、「やっぱ、そうなんですよね?なんか、このまま放っておくと、まるで裏金つくってるみたいなんで、気になってたんです。じゃあ、うちもテキトーに処理しておきます」

 つーわけで、ここんとこF氏もかなり私に懐いているのだが、この間も「なんでお金が足らんのか」の説明を軽くしていたら「でも、それって、こっちにドーンと請求しちゃえばいいんじゃない?」とおっしゃるので、「でも、前の案件でもそうしなかったし、この投資をどの時点でそちらにも負担してもらえるのかって話までは、私にはよくわからんのです・・・・」と涙目になったら(演技)、F氏は「ふー」と溜息をついてから「ははは、大変どすなあ」

 ああ、この人は、私よりも、ずっと大きな会社のお金を動かしているが、やはり私と同じで「現場は勝手に仕事を始めて、後の金のことなんて全然考えてくれない。会社にはいくらだって金があると思っている。経理がどんなに苦労して、みんなの給料の資金をかき集めているのか・・・・・・」ということをよくわかっているのだ。

 と、また勝手に解釈して、勝手に絆を深めていたのであった。

 でも、くどいようだが「もう、頼りはあなたしかいないのでございます」という、心の奥底から湧き出る雰囲気は、いくら「おねだり下手。甘え下手」な私でも、多少は醸し出しているのではないかと思う。

 ちゅーわけで、こんなことをくどくど書いていると、まるで私がF部長を狙っているかのようだが、私は仕事上ではわりとクールなので、自分の仕事をやりやすくするために、F氏を「仮想アイドル」において、せめて楽しいふりだけはしようと、めいっぱい努力しているだけである。

 まあ、それに、冗談は抜きにしても、人間としてはF氏のことを評価しているし、別の会い方をしていたら友達になれたであろう。(でも、その場合はいくら年上であろうとも、私が彼をイジめてたと思うけどね。お気に入りはイジめんのよ、あたし)

 でも、そう考えるとやはり、多少、意見が合わなくても、人間的に好きになれる人と仕事するのは全然苦痛ではない。ハイジだって、考え方はかなり違うが、嫌な奴ではないので、かみ合わない部分はあっても、スムーズに仕事できるよう、こっちも努力するこは苦ではない。

 でも、世の中には、その人のやることなすこと、全部がなーんか「いやーん」な人がいて、そういう人と一緒に仕事するのはかなり辛い。友達だったら、ぜったい付き合わないのに。

 でも、そういう「苦手な人」が、いったいどういう思考回路で、私の気分を害するのか、あれこれ推測するのは、それなりに楽しいと言えなくも無い、ということにしておかないと、しょーがないしね。
 ちょうど、香港のきょうみさんが抱える、「ちょっとな〜」な案件の相談にのっていたのだが、そっちも、私の抱える「T部長」に負けず劣らずの「困ったチャン」であり、結局「そんなに多くはないが、どこにでもいるんだよな、こーゆー人」と、諦めるしかないのかもしれないな。
9月26日(日)

 上司が他部署に異動になり、隣の部署の「天敵T部長」が総務部長になったのだが、昨日の土曜日は最悪なことに、フロアはT部長と私の「ふたりぽっち」

 まあ、私も「いやだ、いやだ」とばかりは言ってられないし、これは仕事なわけで、たとえ苦手ちゃんでも、がんばって前向きになんとかやっていこうと決意したわけです。

 まず、ふたりっきりなのを生かして、会社の財務状態などをざっと話合う。T氏はかなりクレバーな人なので、そういう話は飲み込みが早いし、でも問題は「理解している」ことと「じゃあ、それでどうするか」ってことのバランスだと思うのだが、まあ、その辺は追々わかってくるだろうから、しかし、その辺については先行き不安というか、向こうが面倒くさくなってくると、口だけ出すが、丸投げされる可能性もあるので、かなり駆け引きが必要なわけで・・・・

 それはいいとしても、5メートル先の自分の席から、私の目の前(というか、すぐ横)の元O部長の席に「引越し」すると言うので、私としては「でも、あっちの席のままでいいのでは?」と言いたかったのだが「そうもいかんだろう」「でも、お荷物多くて、移動が大変でしょうから」「でもねえ」

 まあ、わかっていたのよ。無駄な抵抗だっていうことは。でも、あたし、諦めが悪いので、言うだけ言ってみただけ・・・・

 しかし、まだレイアウト変更もはっきり固まっていないので、T部長はとりあえずパソコンだけ総務の席に移動するというので、「大量の書類とかはどうするんですか?」って言うと「まあ、あっちは追々」
 「でも、そのまま放置されても困るので、必要なものだけ移動していただければ、残ったものはこっちで処分しますよっ」と脅しをかけてみた。

 余計なこと言っちゃったな。
 T部長は「引越し苦手だし、整理も苦手なんだよ」としきりに愚痴る。だったら、引越しなんて必要ないんだから、やらなきゃいいじゃん、と思うのだが、要は「大変ですね〜」って言ってほしいだけである。

 というわけで、「遊んだあとのオモチャの片付けを渋る息子」を「ほら、さっさとやりなさい」と叱るお母さん、というロールプレイというのか、「イメクラごっこ」というのかを一日中やらされて、大変クタクタになった。
 私も「人間関係は努力と辛抱」と思って、最初は頑張ったのだが、1時間もやっていたらすっかり飽きたので、無視していたのだが、あまりに距離が近すぎるために無視することもままならず、「さーて、どうしよう、少し書類も持ってこようかなあ、あーあ、苦手なんだよ、ね?」という「ね?」に、いちいち返事しないといけないので、「うう、これはシンドイイいよ〜」と思っていたら、他のフロアから、「T部長コロがし」が社内でも1、2位であるツートップのM嬢とS嬢がやってきた。

 「あ〜、お引越ししてるんだぁ、大変ですねぇ、ふふ?」
 「そうなんだよ〜、ふふ?」

 いや、本当に彼女らは凄い。まあ、彼女らが甘やかすから、こんな上司が出来上がったという逆恨みもできるのだが、でも、彼女たちだけの責任でもないと思うし、「厳しい環境に見事に適応している様子」に、ひたすら感心。
 どうやら彼女らは、顧客のインターネットがおかしくなったので、直しに行くのだという。

「も〜、土曜だから、のんびりしようと思ってたのにぃ、いきなり仕事ができちゃって、がっかりです〜」
「ははは、そういうもんだよ。向こうもSがだらけているのを知ってたんじゃない?」

 という、どうでもいい立ち話テクも完璧。
 そう、T部長は女の子の愚痴を聞くのが大好きなのである。それも、自分には関係ない愚痴(当たり前か)。そして、「大変だね〜」「大変なんです〜」とエールの交換をしているときが一番楽しそうだ。

 要は、女子社員同士のロッカールームの会話みたいなもんでいいわけである。私も女子同士でそういう話をするのは全く構わないのだが、オジサン相手にそれをやるのがどうも苦手なのである。
 そもそも、あんまり「ギャルギャルしい話」は苦手なので、女子でもそういう口調の人とは合わないことも多く、前の同僚だった子も私を苦手にしていたようだ。

 まあ、しかし、なにしろ直属の上司になっちゃったわけだから、愚痴ばっかし言ってもいられない。ボスの毛繕いも部下の仕事。これで給料もらっているんだ、なんとか毛繕いテクを磨かねば。

 それで、私の出した作戦は、「Tさんが移動した後に空き地ができるようなので、そのレイアウト変更のドサクサにまぎれて、鍵のかかる収納棚が一つほしいんで〜す」とおねだりすることだった。

 しかし・・・・・・私は史上最悪の「おねだり下手」である。
 T部長はいきなり「厳しい上司」の顔になり、(たかが棚1個で?)「でも、あそこの棚も空いているじゃないか」と、おねだりした娘に向かっていうようなことをいい始めた。そっか「厳しい上司」じゃなくて、私の「おねだり」が下手だったので、「娘のおねだりに対抗する父親」になってしまったのだ。(ちなみにT部長にはたしか、高校生を頭に娘が二人いる)

 O部長が転任の際、私に重要書類をごっそり残していって「これは鍵かかるところにおいておいてね〜」と言うのだが、私の机は古くて、その机を与えられたときにはすでに鍵なんて見つからなかったし、棚もあちこちから寄せ集めで鍵はどれも行方不明。どっちにしろ、最近、いろいろ書類が増え、総務と経理は収納に頭を悩ましているのである。
 クララにも前から「鍵付の棚がほしいです」と言われていたので、ここはいっちょ、と思っていたのだが、とりあえず、T部長に軽く承諾をもらってから、あとはゴリ押しで棚を買っちゃおうと思ったのであるが・・・・・敗北。

 しかも、そんなどうでもいいことで、あれこれ30分も話合うことになってしまい、また疲れきる私。
 とりあえず、「まあ、ちょっと言ってみただけなので、これから正式なレイアウト変更も決まるだろうし、総務の他の人たちがどう考えているのかもまだわかりませんし・・・・」ということで幕引きした。

 いったい、何がダメだったのか、よくわからない。別に棚ひとつなんて、はっきり言ってどうでもいい話なのである。
 まあ、いいや、次回また隙を見て、クララにも言わせよう。可愛い女の子(あたし以外の女子社員という意味)が大挙して(3人いれば大挙レベルであろう)「棚ほすぃ〜」とやれば、「まあ、しょうがないなあ」と言いそうであるし。


 があああ、こんなことで苦労させられるから、苦手なのよ。

 まあねえ、こういうことは他の人とでもよく起こることだし、こっちが「別にたいしたことないこと」だと思っていても、妙に反発をくらうことがあるので、難しい。お気に入りだったO部長がやることだって、私が全て納得していたわけではない。「なんで?」ってことは多々あった。

 ただ、なんだろう・・・・・T部長は、いつもは「ものわかりのいい優しいオジサマ」な顔をしているのに、けっこう我が強いし、「女の子と立ち話するのは大好き」であるが、その反面「女に指図されるのは嫌い」なことは明白なので、具体的に「こうしたい」と言うのはたぶんNGなんだろう。そういう人はわりと多いのだが、私の一番苦手なことでもある。過去に何回かそれで失敗したことがある。

 「困っているので、こうしたいと思います」と言うと通らない。
 「どうしましょ〜?」と泣きついておいて、うまく向こうが(私の考えている)解決策を思いつくように誘導しないといけないのだ。もちろん、向こうがもっといい策を考えてくれればそれでいいわけだが、そういうことはあまり無い。

 自分のために、おさらいしておくと、「Oさんから鍵つきのところに保管しろという書類を大量に預かったのですが、どうしましょう?」「あたし、鍵つきの場所を持ってないんです〜」で、始めたほうがよかったな。

 「なのでこれ、Tさんに預かってもらってもいいですか?元々部長が持っているべきものだし。Oさんも、私に残していくなんて、何考えてんだろ〜、まったく」

 そうなると、T氏もちょっと考える。「他にいい収納庫ないの?」「ないんです〜」「じゃあ、一つ買うか」
 もしくは、T氏が管理してくれるのであれば、それがどこに収納されようが、あたしの知ったことではない。
 もともと、その書類は私の権限を超えているので、「げ、これヤダ」と思っていたのである。
 そして、クララが「鍵付の棚が足りない」と嘆いていたのも、「なるべく鍵付のところに保管しよう」という政策もO氏の言っていたことだから、T氏はそれに関心がないのなら、それはそれで構わないのだ、そーいえば。

 ちっ、今ごろわかっても遅いわい。まあ、こうして失敗しつつ、修練を積むしかねーんだから、がんばれ、あたし。

 今日はやっとA嬢宅に遊びに行った。
 一緒に行ったMちゃんが「近所の八百屋で栗が安かったから」と、両手でも余るくらいの栗が100円ちょっとで買ったので、家で茹でてきてくれて「それで、栗のリゾットと、あと栗の入った煮物でも作る」というので、「へえ、栗料理なんてやったことないよ。すごいなあ」と感心したのはいいのだが、栗の皮を二人で黙々と剥くことになった。

 Mちゃんも「皮むきのことまで考えてなかった・・・・・ちょっと失敗」と言っていたが、せっかく1歳のガキと遊ぼうと張り切っていたのに、栗の下準備で時間をとられて、あまり子供に時間を割けなかった。

 2ちゃんの「育児板」で研究を重ねているMちゃんは「Aちゃんも、買い物とかなかなかゆっくりできないだろうし、何か必要なものがあれば、買っていくけど」と事前に心配していたが、私の知る限りでは必要物資は充分に揃っているような気がしたし、どっちかというと「物資」は私んちよりもよっぽど充実している(笑)

 今どきは、通販も充実しているので、大きいものはそれで間に合うようで、細細した日用品の買出しなら、そんなに頻繁に行かなくても済むみたいだし、それに、そのくらは外出しないと、ほんとに母子で引き篭もっちゃうだろうし。
 だから、Mちゃんには「たぶん、Aが必要としてるのは、友達との会話なんだと思うよ。日本語喋りたいだろうし(ダンナの日本語はまだほんとにカタコト)」と話していた。

 実際のところ、客が来ると、子供も落ち着くみたいだし(あんなに小さくても「そとづら」を使いこなすというのが可笑しい)ダンナも気取って子供の世話をするので、そういう意味でも気分転換になるのだろう、ということは想像がつくし、それにやはりA自身が子育て上の愚痴を叫びたいのだ。

 2ちゃんで勉強中のM嬢は、そのあたりのツボを心得ており、「やっぱ、大変だね〜」で会話も盛り上がり、Aもガス抜きができたであろう。

 もっと頻繁に訪ねてあげられればいいのだが、私も腰が重いほうだし、なにより「日中ほとんど子供と二人っきり」のAと、仕事している私では、月日の経つ感覚が違うみたいで、私が「まあ、近々にまた」と言うのは、ついつい2ヶ月、3ヶ月先になってしまう。

 相変わらずダンナは育児に無関心のようで、その日も一人で電気店に買い物に出かけていたようだ。(テクノおたく)
 「でも、男の子同士だし、もう少し大きくなったら、ミニカーとか買ってきてくれるんじゃない?」
 「あー、たぶん、それはないと思う。そういうのに興味ないみたいだから。今あるオモチャも全部あたしが買ってるし」
 「そうなのか〜、そういうもんかね〜。友達のダンナなんて、自分がオモチャ好きみたいで、子供のためにと称していろいろ買い込んでたけどなあ」
 「たぶん、ミニカーもあたしが買うことになるよ。でも、私はどっちかというとママゴトがしたい」
 「そっか〜、わかったNちゃん(まだ人間語を解さない1歳男)、もう少し大きくなったら、ノンちゃんがミニカー買ってあげよう。フェラーリとか、すっげえカッコいいやつ、買ってあげるからね〜、あと合体ロボとか」

 そんなわけで、Aさんの子育ても大変そうだが、私はまた明日から「手のかかる上司」の世話をしないといけないのだなあ。ああ、いったい奴を誰が育てたのか・・・・・育てた人に、嫌味の一つも言ってやりたい。もう、あれだけ育っちゃうと、いまさら、教育のしようがないのよ。会社で爪を切るなとか(なぜか頻繁にやる。しかも、みんなが食事している時間に)、机の上に足を乗っけるな、とか、いい大人に向かって、いまさらそんなこと言いたくないのよね。
 だから、しつけはちゃんと子供のうちにやっておかんとねえ。親のみなさん、不幸なOLに迷惑かけないためにも、がんばってください。
9月25日(土)

 23日の休みの日は、千葉県は稲毛在住のYのうちに、千葉大大学院生の中国人留学生Kちゃんが遊びに行くとのことで、私も初めてYの住む公団住宅に遊びに行った。

 久々の遠出で、ちょっとリフレッシュ。Kちゃんは、近所の大手スーパーでバイトして1ヶ月くらだそうで、それも「経理の仕事」
 初めての「単純事務バイト」だったようで、パソコンと睨めっこする仕事らしく、「経理って、なんか難しそうだと思ってたけど、難しいと違って・・・・・」
 うんうん、皆まで言わずともわかる「ずっと座りっぱなしが辛いんだよね?」「そうなんです〜」

 そうなんだよ。「経理って大変でしょ?」ってよく言われるけど、あれは頭を使うというよりは、「一日中、ずっと座りっぱなしで、伝票を打つ」ってことが、苦手な人には拷問なだけで、それをクリアできれば適性アリなのであるが、とにかく「非アクティブ」な仕事なので、それを苦痛に思う人が多いみたい。

 そんで、Kちゃんの「うちらは、パソコンに売上とか支払を入力したり、商品券を発送したり、どたばたしてますが、課長さんは、じっと座って何をしているのでしょう?」という素朴な質問に「入力したデータを集計してるんじゃない?」とか、テキトーなことを答えていた。

 昨日は早く帰れたのだが、Aから何度か「そろそろ子供も1歳だよ」というメールをもらっていて「見に来て〜」という催促だったのだが、こっちも他人のお子様を拝見して「でへへ」とするような心のゆとりもなく、「そのうちね」で誤魔化していたのだが、そろそろ元気になってきたので、遊びに行ってみようかと思ったが、最近ほんとに休日になるとヒッキーになってしまうので、いっちょ保険をかけておこうと、先日、食事したときに「今度、Aちゃんちに行くときは声かけてね」と言ってくれていたMちゃんに電話してみた。

 朝の6時まで電話してしまった。
 10時間近い長電話であった。すごいね、うちら。
 こうなると、ほんとに、ただのバカである。

 最近、Mちゃんと電話していると、なぜか「育児問題」とか「教育問題」がテーマになるのだが、二人とも独身&子供無しの立派な負け犬なのに、なぜに?

 昔からその傾向があったが、どうも私が説教されるというか、Mちゃんに突っ込まれることが多かったのだが、私はどっちかというと、「あまり深く考えずに印象というか思い込みだけでベラベラ喋る」タイプだが、わりと硬派な論客であるMちゃんにとっては、そういう「いいかげんな思いつき」は通用せず(通用すると私の独壇場になるはず)、細部を突付かれるので「えっと、それは・・・・」と私が一方的に弁護に回るというか・・・・・

 具体的にはどんな話をしているかというと、例えば、「夜泣きの激しい赤ん坊」がいたとする。
 「赤ん坊だから、しゃーない」と思うし、私はわりと、っていうか、かなり鈍感なほうだし、そういう赤ん坊を抱えたご家庭が「周りのお家に迷惑なんじゃ・・・」と怯えていることのほうが気の毒だと思うので「それは、しょーがないでしょ」と言ってしまうのだが、2ちゃんの育児板などで研究しちゃっているMちゃんには、そういう言い方は通用しない。

 いろいろ工夫して頑張っている、エラい母親はたくさんいるし、そういう人にとっては「子供なんだからしょうがないじゃない」って開き直る人が壁になるようだ。

 それに私が展開した理論(ってほどのものでもないが)「私はたとえ赤ちゃんが夜通し泣いていても、あまり気にしないから、たぶん、わりとみんなそうなんじゃないのかな?」っていうのも当然のことながら通用しない。

 「そういう考え方はいかん。世の中には繊細な人もいて、隣の騒音に敏感かもしれない。そういう想定もすべき」

 たしかに、私の発想は週刊誌的に言えば「バカっ母」かもしれない。子供がわめこうが、叫ぼうが「だって、子供だからしょーがないじゃ〜ん」
 でも、話をややこしくしているのは、「でも、私は子供を産んだことがない」ということである。でも、たぶん、隣の部屋で子供が夜鳴きしてても、私は「しゃーねーな」と文句も言わないと思う。そもそも、大家にクレームをつけたことが一度もないくらの優良店子である。今までの大家さんは私が出ていくとき、大変ガッカリしてくださった。今の大家も「できるだえけ長く住んでください」な態度がありありである。

 でも、「赤ん坊が泣くのはしょうがない」ってのと「周囲に気を配る」のは別であるのはわかるので、隣近所に「いつも、うるさくてすいません」って挨拶しておくことはいいことだと思う。
 そのあたりの見解は一致するのだが、どうもMちゃんが、私につっかかってくるわけが昨日はわからなかったのだが、今、この文章書いてて、やっとわかった。(頭がのろくてすいません)

 「赤ん坊が夜泣きするのはしょうがないこととしても、なんとかご近所に迷惑をかけないように」と努力や工夫を重ねて、やっとなんとか治めた「がんばった人」が、ちゃんと評価されないのがイカんと言いたかったんだ!

 しかし、誰が「とても頑張って」いる人で、誰が「まあ、こんなもん」とやっている人か、傍から見ていても育児に関しては自分で経験がないだけに判断が難しいのであるが・・・・・(それはMちゃんも認めていた)
 結局「何が正しくて、何が間違っている」という基準が非常にあいまいな世界なのである。まあ、世界っていうのはそういうもんじゃが・・・・・・って言うと、また叱られそう。

 でもね、たしかにそうかもしれない、私は自分を「わりと寛大」というか「かなり鈍感」だと思っていたが、そのことによって「敏感で繊細な人」を間接的に傷つけているらしいのだ。
 私は私なりに、そういう「繊細な人」たちに、「もっとアバウトでもいいじゃん」というメッセージを宇宙に満ちたエーテルの波動で送っているような気になっていたが、どうもその考えは間違っているとは言えないまでも、正しいわけでもないということになったようである。

 じゃあ、私が間違っているか、というと、そうも言い切れないと思うし、「社会」ってやっぱし難しいわね。としか、言いようがない。
9月23日(木)

 ちょうど一週間日記を休んでしまったようである。

 別にこれといって忙しかったわけでもなかったのだが、ここんとこ精神状態がやや低迷していたのは確かだったけど、でもガツンと落ち込んでいるわけでもなく、でもなんか低迷していたのだが、先週の金曜日に急遽「久々の3連休!」がとれることになり(8月に休日を割いて出勤した穴埋め)、「よーし、これは、実家に帰って親孝行&祖母孝行したり、友達んちのガキの顔でも拝みに行くぜ!」と一瞬だけ張り切ったのだが、でも、やっぱしあんまし乗り気じゃない。 

 なんでこう、なんとなく鬱なんだろう・・・・・と、じっくりと考えてみたが、行き着いた結論が「きっと、これは軽い心的外傷・・・・ええとPTAとかSKDみたいなやつ(ちがいます)」ということに無理やり決定した。
 まあ、それは薄々気がついてはいたんだ。
 会社でとある事件っていうか「不祥事」が発覚して、それに関連したとされる人が解雇されたのである。その騒動の中で、私の上司も「過労」とは違う変な状態になっており、わかりやすく言えば「壊れて」いたのだが、私ら下っ端は、経過も詳しくは知らされていないし、はっきり言って顧客向けに出した説明と同じ説明をされただけであった。

 別に仕事上のことであるし、ショックはショックだったけど、それよりも総務部社員にはいろいろやることがあった。解雇された人の退職手続きである。そんなの初めてだったから、みんな、戸惑いながらも、黙々と事務的にこなしている姿が泣けた。

 私だけでなく、たぶん、みんなも「このことは深く考えないようにしよう」と、心にシャッターを下ろしてしまったのである。
 心の仕組みはけっこうよく出来ているので、わりと簡単にシャッターは下りるのだが、でも、思ったより精巧にはできてないので、ピンポイントで塞げないため、副作用として「全般的にぼんやり」してしまうのだ。それで、感情にメリハリが少なくなってしまい、「低迷状態」に陥っていたようなのである。

 というわけで、この小さな心の傷を癒すのが先決だし、それに親や友人と会っても、愚痴しか喋れないことがわかっていたので、連休3日間、たっぷり引き篭もっていました。ヘルシーリセッタ(意味不明だが、なんとなく浮かんだので)

 で、なにをやっていたかというと、ただゴロゴロして、ときどき洗濯とか布団干したりしながら、ひたすら読書である。それも、宮嶋茂樹(不肖・宮嶋)や石丸元章やゲッツ板谷の本をひたすら読む。いや、最初は不肖・宮嶋を2冊と、石丸元章の「神風」を買った帰っただけだったが、あっという間に読み終えてしまい、「このラインナップは今の気分にハマるようんだ」と気がついたので(そもそも選んだ時点でよくわかっている)、翌日また本屋に行って、あるだけ買いあさり、三茶の本屋2軒にあった不肖・宮嶋の本は全部制覇してしまったので、連休最終日にはしょうがないから、ゲッツ板谷の旅本を買ったのであった。

 そんなわけで、3日間の間、心の中ではあちこち旅して回ったわけで(それも、かなり強烈というかキテレツな面々と)連休明けに出勤しても「ぼーーーーっ」としていたが、派遣社員が9月で退職することになっていたので、急遽、送別会を開くことになり、飲みに行ったら、また部長がハジけてしまい、結局2次会のカラオケまで付き合った。

 部長以下、総務部社員がハジけてしまったのには深い理由がある。
 今回の不祥事で、また大きな人事異動があるのだが、なんと、O部長が異動することになったのだ。総務から主幹業務のほうの部長に「栄転?」
 それにもびっくりしたが、「じゃあ、誰が総務部長に?」と思ったら、なんとなんと、今まで隣の部署にいたT部長ですと!
 いやー、すっころげたわさ。
 まあ、今度の組織変更だと、総務部を含め、あと2部署、管理職しかいない「特別管理部門」ができて(不祥事再発防止プロジェクトみたいなもん)それのトップがT部長なのである。

 ふー、しかし、T部長、悪い人じゃないのはわかっているのだが、どうも苦手なのだ。
 しかも、彼は大学で経営学なんかもカジっているので、「工学部出身、いきなり経理やれって言われても・・・・貸借対照表って何?」というところから、なんとか勉強しつつ上がってきたO部長とは違い、変に専門的なことに詳しかったりする。

 今までも、ときどき茶飲み話で、経理的な話をされて、テキトーにお茶を濁していたのだが、この日もさっそく「もう決算だね」と話かけてきたので、「たぶん来年並の営業利益ですが、経常利益になると投資関係のことがあるので、まあ、その辺のややこしいことは後々ゆっくりお話することにして、とりあえず、開発中の○○への投資金額が大きいので、あれでキャッシュフローがねえ」と、テキトーに小難しそうなことを言っておいたら、うれしそうにウンウンと頷いていた。

 むーん、この人、頭はいいのだが、こっちが意見を求めると、テキトーなことを言うだけ言って何もしれくれないという側面もあり、O部長は「うーん、わかんないから、よろしく」と投げてくれたが、たぶんT部長は、あれこれ口を突っ込むだけ突っ込んで、責任はとってくれないような気がするからなあ。持ち上げどころが難しい。
 わかり易く言うと、O部長は「大雑把なアニキ」で、T部長は「小指の爪を伸ばしているオヤジ」タイプなのである。

 あーん、このまま、すぐ決算なんて、キツいずら〜


 そんなブルーな気分でしこたま酒を飲み、二日酔いでもちゃんと出勤した昨日の22日・・・・・・
 ふと、回ってきた伝票を見たら「げ、9月22日じゃん」

 誕生日だったのである。すっかり忘れていた。

 ま、でも、自分の誕生日にあまり興味がないから、ま、いっか。
 と思って、チマチマと仕事しているうちに、S部長がやってきて「社長と飲みに行くんだけど、誰か行かない?でも、君ら昨日もだったから、ダメか・・・・」と弱気に誘いに来た。

 誕生日だと言うのに「大好きな上司が異動」という最悪のプレゼントをいただいた私はヤケッパチだったので、「いいっすよ、あたし、明日休みだし」(その代わり、土曜日出勤)と、ノコノコついていって、またしっかり飲んでいたのであった。しかも昨日と同じ店だというのが悲しみよさようなら状態全開である。 

 3人で飲んでいたら、今日中に関西に戻るというお客さんが会議が終わって挨拶に来たので、「まだ1時間くらい大丈夫だから飲んでいきなさい」と無理やり引きとめてしまった。


 ちゃんと電車に乗って家に帰ると、ポストに母からの郵便が入っていて、なにやら分厚い封筒を開けると、バースデーカードと象のマグネットが入っていて脱力した。(会いにも行かないでごめんなさい)

 そしたら、帰宅を見透かしたように電話がかかってきて、なぜか「あの栃木の幼い兄弟のお父さんも、悪いよねえ」と母娘でワイドショーネタを語っていたのであった。あと、姪っ子が2歳近くになるのだが、まだ人間語を話さないようなので、嫁さんが少し気にしているそうで、「でも、あたし覚えてるけど、Sちゃん(弟。姪っ子の父)だって、喋り始めたのって3歳くらいだったよ」「そうだったっけ?」「だってさ、急にバカとか、ブスとか、そういう罵倒語だけ喋り出したから、幼い私(6歳。幼稚園の年長さん)はとても傷ついて、弟のこと嫌いになったんだもん」「あら、そう、じゃあ、今度Mさん(嫁さん)にも、教えてあげよう」

 そんな、どうでもいい話で1時間くらい長電話していたのであった。

 そういえば、私の誕生日だというのに「薔薇族が廃刊」というニュースが大手新聞サイトでも紹介されていた。ふーむ。まあ、一度も買うことがなかったけど、高校のころ、回し読みくらいはしたような・・・・・

 ありゃ、今日のニュースでは「映画監督のラス・メイヤーさん死去」

 まあ、こんなニュースで「ありゃ」とか言っているということは元気な証拠(笑)
 引き篭もっていたときには、テレビもインターネットも見なかったので、プロ野球がストしていたのも知らなかったくらいだから。
9月16日(木)

 着実に涼しくなってきているな。
 個人的な「記録的猛暑への挑戦」であった「自宅でエアコン使用しない」という目標は達成できたようだ。
 うん、よく頑張った。自分で自分を褒めておこう。

 これも、超人的な忍耐力の賜物というよりも「うーん、今日はさすがに超暑いな、どうしよう?でも、エアコンのコンセント入れるのも超めんどー」という、常軌を逸した「ものぐさ」のなせる技である。
 ちなみに「エアコンのコンセント」は低い棚の後ろにあり、そこを見てしまうと、埃だらけなのが自分にバレるので「いかん、掃除しなくちゃ。でもなー、めんどう」という、「めんどー」が連鎖するのをひたすら恐れていたのであった。

 でも会社では、コマメにコピー機の埃やタッチパネルの指紋を拭いたりしているので、己の二面性に自分で納得がいかない。職場の上司や同僚が私の部屋を見たら、驚くだろーねー。あたしだって驚くもん。会社では、入り口の足拭きマットが曲がっているのを通るたびに直しているのに、自分ちのマットといえば、どれも腸捻転状態なんだもん。

 今日もなんか眠いな。涼しくなってきたので「秋眠」になってきたかね。

 先日、仕事でとてもがっかりしたこと。
 1日だけ、会社の資金がギリギリになることがわかり、上司にも「もしかしたら、短期で融資が必要かも」と言ってあったのだが、利息がもったいないので、なんとか激しく資金移動させて、一件小切手も切らないといけなかったのだが、当座への資金移動も当日ギリギリにやって、なんとか凌いだのであった。少しでも予定外の出金があったらヤバかったので、ハラハラしながら3日間くらい預金残高を監視していた。

 なんとか回ったので、ホッとした翌日、社長が「銀行に無理やり1億借りされられた」
 銀行が9月で中間決算らしく、10月初旬までの無意味な短期借入であった。がっかり。だったら、あと1日早くそれをやってもらえれば、あんなにセコセコとやり繰りする必要がなかったのだ。

 ムカついたから、その1億の返済日に、その銀行の残高減らしておこっかな。返さねーぞって(笑)
 そしたら、向こうが喜んで、さらに期日延期するだけだから無駄だが・・・・

 ま、でも、取引銀行がこぞって「ぜひ借りてください」と言ってくる会社だからラクはラクなんだけどね。

 「借金も財産のうち」という言葉もあるが、私は借金はやはり借金だと思うので、あまり好きじゃないのだが、でも設備投資するためのお金をコツコツ溜めていたのでは、機を逃してしまうし、守りに入ると伸びないのもわかるのだが、でも、どうもやっぱし、借金ってローン組んでモノを買うみたいな気がしてなんかね。と、会社のお金の動きと、個人のお財布を一緒に考えるのもなんだが、たしかに家買うためにお金を溜めようとしたら、お金が溜まったころには年老いてしまうので、そういうローンだったらわかるけど、車くらい金溜めて買えよ、とも思う。

 でも、それは私が心配性で、常に「そこそこの車だったら買えるだけの貯金」を持っているからであって、普通の人はあんまし貯金しないみたいだからなあ。別に私がそれほどいい給料を貰っているわけでもなく、それほどケチケチして生活しているわけでもないのに。いや、ケチケチしてんのか、ブランド物もDVDも電子レンジも持ってないし。でも、酒代には金を惜しまないし、年に一度は海外旅行に行ったりしてんだけどな。
 学生時代にバイトをしていたときにも、同じ学生バイトで、時給もほぼ同じで、稼ぎが似たり寄ったりのはずなのに、みんな○井のカードで洋服をよく買っていたので驚いたもんだ。あれもけっこう利息が高かったと思うのだが、一度に払うよりも月々分割払いのほうに魅力を感じる心境が理解不能だった。

 前にも書いたかもしれないけど、フリーのデザイナーをしている友人が「消費者金融」のことを話していたことがある。
 そういうフリーの人は、仕事をしても入金が先になるので、時々生活費に困ることがあるのはわかる。(まあ、そういうときに備えて貯金しとけよ、と思うわけだが・・・・)その友人も、100万円くらいの仕事をしたが、入金が2ヶ月くらい先になるので、「親に借りようかどうしようか迷ったけど・・・・」親に心配かけるのも億劫だったので、消費者ローンに申し込んだら、すぐに10万円くらいの融資枠ができたので、それでお金を借りて、一ヵ月後くらいに取引先から入金されたので、耳を揃えて返済したら、すぐに金融会社からお知らせが来て「あなたの融資枠が20万円になりました」

 借りた金をきちんと返済したので、「いい客」として認定してくれたらしい。「ほお、こういう仕組みなのか」と思って、それからしばらくして、また入金が先になる仕事があったので、今度は気軽にキャッシングして、またポーンと返したら「あたなの融資枠が30万円になりました」

 金額はそんなもんだったか忘れたが、とにかくどんどん限度額が増えていったそうで、「なんか、だんだん、その額が自分の金に思えてきてさあ」
 「あなたは100万円借りられます」という通知で「そっか、自分は100万円持ってるんだ」という気分になったそうで、さすがに本人も「これってヤバいよね」と言っていた。

 その話を横で一緒に聞いていた、やはり収入が不安定な別の友人も「そうそう、そうなんだよ。なんか金が増えたような気になるんだよね」と頷いていたので、「恐るべし、消費者金融」と思ったのだが、いまどき、頑なに「無借金経営」を目指している自分の方が古いのかねえ。

 いや、最近「やっぱ、DVDくらい買おうかなあ、それにテレビも液晶くらい買える金はあるんだし」と思いつつ、そうなると今あるテレビを処分したり(また、裏側は長年蓄積した埃でいっぱいだろう)、買ったものを箱から出したり、箱を処分したり、説明書見ながら配線したりするのが「超めんどー」なので、「このテレビが壊れたら、なんとかしよう」と思っているだけなのだが、そういえば10年以上前にもテレビが壊れたのだが「ま、いっか」と思って半年くらいテレビ無しの生活を送ったような・・・・結局、実家にあった余ったテレビを親が送ってくれたので、それで済んでしまった。

 そんなわけで「欲しいものも買わない」という清貧生活をしつつ、なぜか金に困った友人に無利息融資しているというのも、なんだか切ない身の上である。
 
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