可燃物な日々

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11月12日(水)

 昨日は「金額の間違い」について考えていたら、いろいろ思い出したくもない過去の失敗を思い出してしまい、嫌になって途中で投げ出して寝てしまったのだが、そんな私に追いうちをかけるように、今日も金額訂正の雨あられ。
 どれも、私の直接的なミスではなかったのだが、私のチェックミスであるので、それは真摯に受け止めるが、得意先に「すいません」と謝ってばかりいると、生きているのが辛くなるから、勘弁してほしい。

 というわけで、リフレッシュのために、1時間ほど残業してから、レイトショーを観に行くことにした。
 港北のシネコンでは、「マトリックスさん」のレイトショーを早い時間(8時半)にもやっているので、それ狙い。
 ネットのあちこちで拝見する感想文はどれもケチョンケチョンであったが、今日は花の水曜日。女性は1000円均一なのである。つまらなそうな映画は、水曜日に観るとあまり腹もたたないので、時々利用している。(マトリックス2も水曜日に観たような気がする)

 でも、あまりにも「つまらない」と言われていたし、フジテレビの葛西アナですら、さんざん言葉を濁して感想を述べたあと、弱々しい作り笑いをしながら「ご興味のある方はぜひどうぞ」という最低のお勧め文句を言っていたくらいだから、かなり覚悟して望んだのであるが、覚悟しすぎたらしく、「思ってたよりも面白かった」のでありました。

 先に観て、けなしまくってくださった皆様のおかげで1000円をドブに捨てずに済みました。この場を借りて感謝いたします。

 あと、つまんないとわかっていても、どうしても観たかったのは、「うちのマトリックスの今後をどうするか」という大問題を抱えていたからです。

 映画館は8割くらい埋まっていました。
 というのも、ほんとのレイトショー(9時過ぎ開始)はシネコンでも1番大きい劇場でやっているんだけど、8時半からの回は、シアター5という、シネ・ヴィヴァン(故人。六本木ヒルズの下で永眠しました)程度の大きさ。「ファ・・・・・・(まだ、憶えられない)、「インファナル・アフェア」もここで観た。

 さて、かなり余裕かました状態で上映が開始されましたが、いつも通りに素晴らしいオープニングのCG(昔、旅の途中で偶然拝聴したDMTでのトリップ経験話を思い出す。こんなだったのかね〜)を観ながら、私はハタと気がついた。
 「前回、どこでどう終わったのか、さっぱり憶えてない!」
 「ER」とかだと、前回までのあらすじをフラッシュバックしてくれますが、テレビと違ってそういう親切なことはしてくれなくて、突然始まるので、「えーと、えーと」と困りまくる。

 やっと、ネオの隣りで、同じく意識不明で横たわっている人を観て「そうだ、この人が確か、スミス菌に感染していたんだよな」と思い出しました。

 そんで、モニカ・ベルッチが登場すると、すでに「胸の谷間だけ」ということはわかっていたにもかかわらず、なぜか釘づけ・・・・しかし、視線がそこで止まってしまうと、英語がさっぱり聴き取れない私は、字幕が読めなくなって、おフランス人さんのせリフがわからなくなるので、字幕に目線を戻すのだが、すぐにまた胸の谷間に目が行ってしまうので、とても困りました。
 そんなこんなで、長かったような短かったようなモニカの唯一の登場シーンでしたが、それが終わった後、アっと思った。
 「どんな髪型しているのかなんて、さっぱりわからなかった」

 ダメダメです。

 話は戻りますが、「いいも〜ん、マトリックスなんて、どーせ、キアヌ目当てで観てるだけだも〜ん」と開き直っていたのですが、映画館の隣りの席に座っていたカップルの女性の方が、開演前に「どうせ、キアヌがカッコよけりゃそれでいいのよ」と彼氏に言っていて、自分で言うのはいいんだけど、他人に言われるとなんかムっとしてしまう、心の狭い自分にまた気がついてしまったのですが、映画も後半になると、そんな「キアヌ目当て」な女性の心を打ち砕く酷い仕打ちが・・・・・

 「キアヌの顔に傷つけちゃダメでしょーが!」

 と、心の中で叫んでいました。
 そもそも、「マトリックスさん」は、リアルな傷口出しすぎ・・・・・私、それが苦手なんすけど・・・・キアヌじゃなくても、顔の皮がベロンとなったところで、泣けるセリフを吐いてもらっても(ミフネさん、あなたです)、目を逸らしてしまったので、字幕読めませんでした。

 だから、マトリックス内でスタイリッシュに闘っていただくのは大歓迎なんですが、今回は「現実世界での闘い」が多くて、ちょっと困りました。
 ザイオンを襲撃する、蛸足ロボットが群れをなしているところでは「イワシの大群みたい」と思っていたのですが、そのうち、やつらがグルグルと周遊する様子を見て「マグロの回遊みたい」とか思ってました。

 ダラダラと感想を書いておりますが、そういうえば、今回のトリニティはなんであんなにブスなんでしょう?
 これも「キアヌ目当て」な、私みたいな客へのサービスなのかもしれないけど、でも、20代前半のピチピチ・ギャルだったら「勝った」と思えるかもしれませんが、私みたいな年増客だと、「わー、こんな膨大な制作費使っている映画でも、小じわやタルミを隠せないの?」と悲しい気持ちになるので、もっと美しく撮ってあげてほしかったっす。

 と、思いつつも、死に際の長いトリニティのシーンで「早く死ね」とかボヤいていたのですが・・・・・
 そーいや、ザイオンが頑張って応戦しているときに、私の前の席に座ってた男性が大いびきかいていました。

 結局、最後にネオがスミスと対戦するところで、やっと「美しいキアヌ」が観れたので、ホっとしました。

 というわけで、この映画を観ながら私が思ったのは「宇宙戦艦ヤマト」と「銀河鉄道999」と「AKIRA」をごちゃまぜにしたような映画だなあ〜と。ネオVSスミスの闘いなんて、かなり「AKIRA」でした。
 で、最後に(って、これはネタバレなのか?ってゆーか、この映画、そもそもバレるようなネタがあるのか?)、セントラルパークもどきな公園で、オラクルとマトリックスの偉い人(なんかカタカナの呼び名があったような・・・・)が出会うシーンで、「あ、これは、AKIRAじゃなくて、童夢だ!」と勝手に勘違いして、ここでオラクルが「おイタはダメよ」って偉い人を殺すんだ、と思っていたら、そーいうわけでもなかったようですけど、これっていったいなんだったんだろう?

 なんかオラクルさんと、偉い人さんの長年にわたる不倫の清算に付合わさせれたような心地がしました。
 「おまえは食えない女だな」「あなたこそ」ってかんじ(笑)。

 そのオラクルさんの僕(?やはりなんかカタカナの名前があったような。憶えられない)の東洋人君が前回でも、けっこうおいしいとこ貰ってましたが、今回はキアヌよりもカッコよかった。インド人少女連れてビルの中で逃げ道探すシーンでは、「インファナル・アフェア」での、トニー・レオンとアンソニーなんとか(←きょうみさんの一押しはこっちらしい)の同様のシーンを思い出して涙しそうになりました。

 映画観終わった後に「登場人物の中で、誰か一人持ち帰ってもいいよ」と言われたら、あの人連れて帰っちゃいそうでした。あ、でも、モニカを持ち帰って、寄せて上げる技を伝授してもらったほうがいいかな。うーん、悩む。(一生悩んでろ)

 で、我が家の「ゴキブリ・ミスター・アンダーソン入り、マトリックス」を今後どうするか、さっぱりわからなくなったのですが、家に帰ったら、アンダーソン君が死んでたりしたら、すごいのに・・・・・と思ったのですが、やっぱし元気でした。わたしゃ、いったいどうすりゃいいのでしょう。ひょっとして、アンダーソン君が死んだら、私のマシンに巣くったワームだかウィルスも一掃されるのかな?うーむ、困った。(だから、一生悩んでろって)
11月11日(火)

 決算だとは言っても、各部署からなかなか資料が集まらないので、まったりしていたのだが、昨日でほぼ出揃い、今日はそれをガシガシ処理したりしていて「やっと決算ぽくなってきたな」と思っていたら、上司が「18日までにだいたい数字でるかなあ」と言ってきたので「・・・・・う・・・・・がんばります」とお返事して、ハイジに任せていた仕事の細かい指示を出したりしていた。

 ところが、その後すぐに、会計事務所の担当者から電話が入り、「伝票確認していたのですが、7月分に入るはずの伝票が入っていない」とのこと。
 今年の4月まで私をボロボロにしていた某新規業務の別会社であるが、4月からハイジに引き継いだし、ハイジも張り切ってやってくれたので、私はハイジの質問に答えたりするだけになっていた。そして、計画通りに、その会社の業務をうちの会社に譲渡することになっていたのだが、その会社の決算業務もハイジと上司でやっていて、私は税理士との打ち合わせにも呼ばれなかったので、いつ営業譲渡して、いつ解散させるのか、そういうスケジュールがさっぱりわかっていなかった。

 うちの会社の決算前に譲渡するはずだと思っていたので、何回かハイジに「どうなってるの?」ときいたのだが、「さあ?」と言うので、「ちゃんとOさん(上司)にも確認してよ」と言っていたのであるが、その後なんの音沙汰もなかったので、私もすっかり忘れていたのであった。

 というわけで、慌てて「会計事務所が、んなこと言ってきたんですが、その書類はあるんですか?」と二人に問いただすと、「これかなあ?」とボソボソと出してきやがった。
 なんで、なんの疑問も抱かずに隠し持っているのか、さっぱり理解できないが、でも、でも、なんで一ヶ月前の私がもっと暇なときに言ってくれないのよ〜〜〜〜。忙しくなってきたときなのに〜〜〜〜〜。

 で、二人とも、それを出すと知らん振りで、ハイジも自分の仕事だと思っていない様子。彼はすでにうちの会社に引き継いだ業務の決算でテンパっているので、過去のことなどどうでもいいのだろうか?
 とりあえず、その書類を見ても、私は何の説明も受けていないので、よくわからなかったのだが、「こいつらに聞いても無駄だ」とさっさと諦め、税理士事務所の担当者にひつもんの雨あられである。3回くらい電話して、いろいろ確認したら、やっと概要がわかったので、せっせと伝票を入れた。

 かなり頭にきていたのだが、ちょっと顔がひきつった程度で、あまり怒れなかった気弱な自分が悲しかったが、心の中で「も〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」と唸りながら処理していたので、胃袋が7つに分離してしまったような心地がした。

 まあ、でも、まだ一年目なハイジはけっこうよくやってくれているし、おかげで私の残業が減ったから、感謝しているのですが、久々に減点であった。
 そういうわけで、ハイジとはイマイチ、ソリが合わないのであるが、でも、初めての決算で仮受金や前受金の処理で頭グチャグチャになっているらしく、最近謙虚な態度で質問に来るので、かわいいっちゃかわいいところもある。

 でも、となりの部署の新入社員(ハイジと同様、バイト崩れ)のほうがもっとカワイイ。
 口が上手くて調子がいいのであるが、けっこう言いたいことはしっかり言うタイプである。ペーターと命名。
 今日の夕方、ペーターが給湯室でなんか派遣社員と喋っているな、と思っていたら、いつもコーヒーを入れているポットが増えていて、「紅茶」と書いた紙が貼ってあった。なんだろうと思っていたら、派遣社員さんが「さっき、ペーターさんが自分で紅茶をいれていたんですが、ティーバック一個で一杯しかいれないのはもったいないからって(笑)」
 大目に作って、ポットに入れたらしい。「すてきな奥さん」のような、すてきな所業である。

 久々にドタバタと仕事したので、久々にスポーツクラブに行ったが、まだ風邪がちゃんと治っていないのか、あまり調子が出ず、それに久々だったから息切れしたので、1時間で切り上げた。でも、けっこう汗かいたのですっきりした。

 そーいや、今朝、いつも観ている朝のワイドショー「とくだね」を観ていたら、オープニングトークで、丸紅の「一桁間違えて、2億円の損失」をとりあげていた。
 司会のオグラ某は、ちょうどパソコンが欲しいと思っていたので、激安パソコンを買いそびれて残念がっていた。しかも、なんで、そんなに大量に販売せざるを得なかったというと、どうやら某掲示板が絡んでいるらしいのだが、オグラ氏曰く「私たちは、その掲示板にあまりいい印象を持っていないのですが、たまには役にたつようなこともあるんですね」

 その掲示板で、オグラ氏が大人気だということはなんとなく知っていたが、さすがに人気あるだけのことはあるわ・・・・と脱力した。
 自分がいつも上げ足をとられたり「おズラ」と言われて不愉快な思いをしているというのに、他人が揚げ足をとられていると愉快なんですかね?

 私は金額を扱っている仕事をしているので、自分だって一桁くらいしょちゅう間違うし、幸いにもあまり一般大衆大勢に向けた仕事していないので、たとえ間違えても「すいません」で済んだりします。
 それに、私が間違ってなくても、他の社員が間違えて損したりすることはあるし、たまに、そのミスを私が代わりにお詫びして訂正したりすることもあるし、先日も得意先に請求書を出したら「件数が1件少ない」とのことで、その請求明細を出してきた社員に確認したら「少ないのは2件だった」
 「え〜、どうしよう」
 「先方に言って直してよ」
 「え〜、私が言うんですか?そもそも、足りないって向こうから言ってきてくれたのも驚きですが、さらに一件増やすのカッチョ悪いなあ」
 「まあ、そう言わずにやってよ」
 「そもそも、いつから足りなくなっているんですか?(毎月定額の請求なのだ。時々件数が増える)」

 結局、三ヶ月前から増えていたのに、それを知らずに少なく請求していたのだった。たまたま今月から単価が変わったので、向こうもちゃんとチェックしたら少ないので、確認してくれたらしい。
 それで、渋々私が電話して「実は・・・・」と事情を話し「申し訳ございませんが、訂正した請求書を送らせていただきます」と30万円ほど上乗せした請求書を出したのであった。

 もう、そうなるとチェック機能が云々の問題ではなく、いきあたりばったりなのだが、それをいつも「すいません」で済ませてきた身としては「すいませんでは済みませんでした」な事件は他人事とは言え、大変恐ろしい。うちも、ネット販売はやっていないけど、ネット受付はしちょるしなあ。でも、単価が数千円なので、どう間違っても、大損はしないだろうけど・・・・

 まあ、双方とも単なる社員の場合には、お互い「どうせ自分の金ではない」ので、多少金額が多くなろうと、少なくなろうと、「いいから、さっさと訂正してくれないと処理できない」だけなのでラクなのだが、外の一般客相手だと、そうもいかないんだろうなあ。怖いわ〜
11月10日(月)

 いつも通勤途中で出会う人の顔をなんとなく覚えていることがある。その人と他所ですれ違うと、知り合いかと思って、戸惑うのだが、「そっか、毎朝すれ違う人だ」と後で気がついたりする。前にも、毎朝駅に向かう途中ですれ違うお兄さんをフジロックでみかけて、「あれ?知り合いだっけ?」としばらく悩んだりした。

 別に彼が特別なにか特徴があったわけでも、特にハンサムだったわけでもない。他にも何人か、私が駅に向かう時間に駅から職場へ向かう人たちがいて、たまに帰りにもすれ違ったりすると、心の中で「おつかれさま」と呟いてしまう。だって、彼らは私より2時間ほど多く働いているんだから。(私は職場まで往復2時間かかるのである)

 たぶん、通勤電車内でも、同じメンバーが何人かいるのだろうけど、そっちはあまり憶えていないようだ。
 でも、何年か前に、行きも帰りも一緒の時間で同じ車輌に乗っていることが多かったので、密かに注目していた外人男性がいた。若い北欧形の「横顔ハンサム」君であったが、それよりも、彼が夏でも上下黒のスーツを着ているので目だったのである。たぶん、途中にある高級住宅地兼商業地区にある英会話学校の先生だったと推測していたのであるが、いつのまにか彼のことを目撃しなくなり「シフトが変わったのか、国に帰っちゃったのか」と思っていたのだが、1年前くらいから、丁度同じ時刻に出会う他の外人男性が現れた。

 彼もやはり、いつもスーツである。こちらはちょっとブリティッシュ・トラッド系というか、なんとなくサザエさんに出てくる冴えないサラリーマンを無理やり外人に変換すると、こういうキャラになるのでは・・・・という、一目見たら忘れられない風貌なのだ。だって、外国映画に登場するいじめられっ子がそのまんまオジサンになったようなルックスなんだもの。
 それにしても、なんで外人さんだと、こうして顔を覚えてしまうのだろうか?
 ただ外人だというだけで、目立ってしまってお気の毒だとは思うが、しかたない。

 というわけで、時々、道でもすれ違ったりしていたのであるが、先週の土曜日に西友の上にある本屋に寄ったら、その隣りにあるサービスカウンターに彼が座っているのを目撃してしまった。そのカウンターでは、旅行と不動産を扱っているのである。そして彼は不動産のカウンターのほうにちょこんと座っていた。
 どちらかというと、賃貸じゃない物件を主に取り扱っていると思っていたのだが、それよりも、彼は一人でそこに座って、ガラスで遮ってあるから、会話の内容まではわからなかったが、一人で不動産屋と話ができるくらい日本語ができる人なのだな、と漠然と思いつつ、通り過ぎた。

 なんとなく、他人のプライバシーを監視しているような気分になり、ちょっと申し訳なくなったのだが、しかし、今朝の電車で、私は各駅電車に乗って、鷺沼で急行が来るのを待っていたのだが、電車を待つ私の目の前に、座っている彼の後姿が見えて(髪形に特徴があるので、すぐにわかってしまったのである)、しかも、彼が手にしていたのは「売マンション」と大きな文字で書かれた物件紹介のA4のコピーだったのである。

 必死で笑いをこらえながら、電車に乗った。「そっか、マンション買うつもりなんだ・・・・」
 他人の生活を盗み見しているような罪悪感に苛まれながら、でも、それって私が意図的にやっているわけではないし、運命の出会いなのよ、しょーがないじゃない、ってことにしておこう。

 とりあえず、彼のことは「毎朝&たまに帰りに同じ電車に乗る外人さん」とだけ認識していたが、新たな情報が加わったので、「毎朝&たまに帰りに同じ電車に乗るマンション買おうとしているらしい外人さん」になった。

 話は変わるが、毎年この時期になると「ビッグバー度」が気になるのであるが、あまりゆったりと会社のそばにあるイチョウ並木を観察する暇がなかったのであるが、それは忙しいからではなくて、部下が二人もいるので、私が銀行や郵便局に行くことが少なくなったためである。

 昨日から、やっと冷え込んできて「秋ね〜」と実感できるようになったが、先週の東京は暑かった。昼間は半袖で大丈夫だったくらい。オフィスも冷房かけていたくらい。
 そんな陽気の中、先週の金曜日に、銀行にお金を下ろしに(私用)行ったのだが、ふとイチョウ並木に目をやると、なんだか違う。
 たしかに、一部紅葉していて、黄色くなっているし、一部はすでに落葉しているのだが、でも自分が半袖で汗かきながら歩いているのに紅葉していても、それはもはや紅葉とは思えず「暑さで立ち枯れしたか?」ってな風情だったのである。
 冷え込んだ中で、歩道に散乱する落ち葉を踏みしめ、カサカサ言うと風情があるが、「まだ残暑なのか?」ってな気候の中で、落ち葉を踏んでも「水不足で枯れた」ようにしか思えないし、茶色や黄色の落ち葉の色が汚らしく感じるのはなぜだろう。

 冷夏の影響で山の紅葉にもキレがないという噂であるが、都市部の紅葉もかなり冴えないようだ。
 紅葉というのがどういうメカニズムなのか、詳しくは知らないが、気温も重要だけど、日照時間も重要ファクターらしいから、多少気温が高くても、都市部の樹木はせっせと紅葉しているみたいだけど、でも、やはり温度の影響も大きいらしく、樹木によって「現在の季節の判断」がマチマチになってしまっているようで、さっさと葉っぱを落としている木もあるが、まだ初秋だと思っている木も多いような気がする。

 昔、外人率が高かった六本木で働いていたころは、外人さんたちの「衣替え感覚の欠如」がよくわかっておもしろかった。
 彼らは、暖かければ冬でも半袖を着て、寒けりゃ夏でもセーターやダウンジャケットを平気で着るのである。
 日本人だと、そういう「季節外れ」に対する抵抗感があるし、「衣替え」をしてしまうので、天候が不順でも季節外れの服をすでにクリーニングに出して奥にしまってしまうので、急に出せないということもあるが、「四季おりおり」の国で育っていない外人さんたちには、そういう感覚がないようだった。
 たしかに、ヨーロッパなどを旅行すると、夏でも急に寒くなってコートが欲しくなったりするもんね。

 というわけで、季節を彩るはずの樹木たちもしょせん「日本の四季」を理解してそうなっているわけでもなく、こういう変な気候になると、バラバラな服装をするようである。

 ちなみに、私の愛するイチョウの木は、内側から黄色になっていて、先にそっちだけ落葉しちょりました。
 なんか、私の趣味ではないので残念。
 私の趣味としては、ジワジワと全体的に黄色くなってきて、全部が黄色くなるまで、たわわに黄色い葉っぱを実らせて、限界が来たら、黄色いシャワーを浴びせてくれるのがいいのだけれども、今年は黄色と緑の境目がくっきりしすぎで美しくないです。ビッグバードのようになってくれません。

 それでも、今日はかなり冷え込んだので、銀行に行く道すがら「やっぱり寒いほうがキレいだな」と思っていたのでありました。これで、青々としている葉っぱも「あれ?やっぱ秋なんだ?」と気がついてくれて、一気に紅葉してくれるといいのですが・・・

 さて、風邪のせいなのか、先週から眠くて眠くてしょーがないので、今日こそ早寝すべし。
11月9日(日)

 パソコンがワームにやられちゃったらしく、一応、駆除ツールを使って駆除してみたのだが「それだけじゃないのかも」と思って、ウィルス対策ソフトのお試し版をインストールしてみたら、ボッコボコに発見され、なんだか収集つかなくなってしまったので、パソコンのお医者さん(ツナグ君の婉曲表現)に「リカバリーして〜〜〜」とSOSを発信したのだが、今週は予定があるとのことで、完全駆除はまだ先になりそうです。

 さて、日記が中断しておりましたが、金曜日は10月末で退任する非常勤取締役の方が来社され、社長や上司がお供するのかと思っていたら、「総務の社員も来れば?」と社長が言い出し、なぜか急に駆り出されることになった。
 そんで、一緒に飲んでいたら、その取締役は早々に酔っ払ってしまい、飲んでいるときに話題になった「うちの近所の飲み屋」に二次会で行くことになってしまった。

 日吉にある、ゲイバーだという。なんで、日吉にそんな店?
 と思ったが、社長、取締役、上司(総務部長)&あたくしでタクシーに乗ってGO。
 駅の外れにあるお店のようで、社長も上司も一度行ったことがあるが「10年前か?」という状態で、唯一、場所をちゃんとわかっているはずの取締役もすでにベロンベロンで「たどりつけるのかしら」と思ったが、無事到着できて一安心。

 つーわけで、六本木のギョーカイ勤めのときには、けっこうよく連れていかれたけど、この会社で働いてからは初めての「おカマバー」である。しかも、日吉っていうのがいいよね。
 客はうちらだけ。ってゆーか、着いたとき、まだ9時だったので、ママはまだ出勤していなかった。セリーヌのスーツも眩しいハーフなルックスのニューハーフがお相手してくれた。むちゃくちゃキレいだ。フィリピーナらしいが、フランスとスペインと日本の血が混じっているという。この人だったら、たとえ男だとわかっていてもOKだと思う男性は多いだろう。

 しかし、社長も取締役もベロンベロンで「おお、その胸はニセモノなのか?じゃあ、ミヤノのは?」「あ、あたしのはホンモノですって、あ、気安く触らないでくださいって」ペシっっと、酔っ払いのセクハラ対策で大変。つーか、自分も酔っ払っているので(その店に行く前に、4人で焼酎のボトルを2本空けていた)「私もホンモノとニセモノの質感についてはちょっと気になる・・・・ここで触り比べてもらってもいいかも」とマジで考えてしまったのだが、それやると、「ミヤノさんは、エラい人におっぱい触らせて課長代理になった」なんていう噂が出回るのも嫌だったので、必死にブロックしただけです。

 その後、ショータイムになり、美形ニューハーフさんが、Tバックいっちょで踊るぷち・ストリップショーを披露してくれたのだが、そこで社長がまた「うーん、キレいだけど、ミヤノとどっちがキレイかな・・・お前、横で脱いでみないか?」と言うので、冗談だとはわかっているが、「でも、私が脱いでも絶対に負けるからイヤです!」

 だってさー、向こうは足も細くて長いし、ウエストはしなやかにくびれているし、お尻は小さいけどふっくらしているし・・・・そりゃ、胸の大きさだけは勝ってますけど、それ以外は全敗しているから、ぜったいにイヤ!もっと勝てそうだったら、言われなくても、さっさと脱ぐわい。(そうとう酔っ払っている)

 で、12時前には解散して、タクシーで帰してもらい、12時半ごろ家にたどり着いた。そしたらすぐに電話が鳴って、とろうとしたけど間に合わなくて、「誰からかな?」と思って留守電をチェックしたら、友人M&Tからだった。「新宿でカラオケするからおいでよ」というお誘い。8時くらいから電話しまくっていたようで・・・・

 その留守電メッセージを聞き終わると、また電話が鳴って、Tさんだった。「これから来ない?」
 すごく行きたくなったのだが、ふと時計を見るともう1時。これから新宿に行くとなると、タクシーに乗ることになるし、そもそも明日は出勤なのでは?

 かなり酔っ払っていたので、自制する自信がなかったが「もう、遅い時間なんで・・・・次の機会に・・・」と言ってお断りしたのだが、そのあと、ぼんやりとNHKで「ロッカーの花子さん」を観てしまい、それが終わると「ダーマ&グレッグ」が始まったので、またしばらくぼんやりと観てしまい、「いかん、わたし、明日会社なのよ」と思って2時ごろやっと寝た。

 土曜日。上司も出勤してたので「昨日はお疲れさまどぇした〜」とエールの交換をして、決算期でそれなりに仕事はあったので、サクサクやっていたのだが、昼過ぎたらぐったりしてきて、夕方になったら眠くてたまらなくなってしまった。

 家に帰ると、眠くて眠くてさっさと9時くらいに寝た。
 電話が鳴っても、一瞬なんなのかわからず、この世の終わりが来たかのような状態で電話に出た。母上からで、明日、弟の家に行く件。そうだ、寝る前にその確認をしようと思ったのに、面倒で寝てしまったのだ。

 弟の娘、私の姪っ子Nちゃんの一歳のお誕生会をするのである。Nちゃんの誕生会というからには、祖父の一周忌も同じ時期なのだが(一日違い)、母曰く「まあ、亡くなった人のことは後回しでいいから・・・」私もそう思う。亡くなった祖父に関するイベント(何周忌とか)をやっても、祖父が喜ぶわけでもないけど、まだ物心つかないNちゃんも祝ってもらってもなんだかわからないかもしれないが、「なんかお祝いしてくれた」ということくらいは察知してくれるであろう。大勢の人に愛されているという実感を与えるのが、その他大勢の勤めである。それに、こういう機会がないと、かーわいいNちゃんと会えないし、弟は9月に購入した中古住宅に引っ越したのだが、私はまだ新居にお邪魔していないし、まだお祝いも渡していないのである。

 しかし、弟の家は「東船橋」という駅が最寄で、両親は国分寺、妹は高円寺、私は三軒茶屋と、全員「東京の西側」に住んでいるので、東側までどのくらい時間がかかるのかわからないので、「駅で待ち合わせしてもなんだから、各自でたどりついて」とのことで、住所を教わる。まあ、これで、駅にある地図を見たり、交番で聞けばいいだろう・・・・・・。でも、母上の「弟宅への行き方」の説明が延々と延々と延々と続いた。

 私は半分寝てたので、とりあえず「駅から北側出口について、まっすぐ行くとT字路があるから、そこを右、要するに東側に行くのよ・・・・・」という説明が地獄での閻魔様の説教のように感じた。母の説明は、すっきり終わらず、前後左右(T字路は2回現れるが、その1回目のT字路では信号を渡ったほうがいいとか、回転寿司屋が目印だが、その前にコンビニがあり、酒が飲みたいなら自分でそこで酒を買ってこいだとか、でも前回、父親が訪問したときに弟夫婦は父のためにビールを買ったが、結局飲まなかったので、酒を飲まない弟夫婦はその処理に困っているのだとか)するので、なんだか弟宅への道順は複雑怪奇に感じられたが、でもそれは多分、母の説明が4次元の世界なだけであろうと、わかっていたので、必死に4次元の世界の案内に「うん、うん」と相槌を打つが、結局、よくわからない延々と長い説明を受けるだけで30分くらいかかったしまった。

 なんとか電話が終わり「うう、また寝なおそう」と思っても、しばらく眠れないくらい4次元の世界はこんがらがっていた。
 さて、今朝の日曜日。
 弟宅への集合時間は1時になっていたので、10時に目覚ましかけていたのだが、その前に電話が鳴って目が覚めた。
 なんか、疲れがたまっていてダルダルだったが「きっと、母上からのモーニングコールだろう」と思って電話に出ると、「マンション買いませんか?」なセールス電話だった。血圧が、ドーンと下がり、またしばらく起き上がれなかった。

 なんとか、10時半には起き上がり、シャワーを浴びて、頭も乾かして、着替えして化粧して、まず選挙に出かける。
 投票してから、また駅に戻って「少し遅れちゃうかな」と思いつつ、電車に乗ったが、乗り継ぎもスムーズだったので、1時前には東船橋に到着し、駅にあった地図を見たら弟の家の地番も載っていたので、「ああ、だいたいこんな道順か」とわかったので、テクテク歩いて、なんとなく弟宅に到着した。

 姪っ子Nちゃんは、両親や私の顔を不審そうにじっと観察していた。
 生後1年。人の顔をジーーーっと観るようになった。
 まだ離乳食なのだが、あまり食べ物を美味しいと思う時代でもないようで、でも大人がムシャムシャ食べているののマネだけしたいお年頃なのか、空のプラスチックの食器を置いておくと、噺家さんのような見事なパントマイムで、ズズズっと啜ったりするので、かーーーーわいーーーーーーーーーー。

 両親、私、妹は全員メロメロである。
 食事が終わったら、嘘偽りなくたった1本のローソクが立ったバースデーケーキを目の前に置くと、ローソクの火に魅入っていた。かーーーーーわいーーーーーー。もうちょっと知恵がついたら「ロウソクの科学」とかあげちゃおう。(伯母バカ全開)
 そんで、「わー、Nちゃん、おめでとー」と全員で言うと、わかっているのか、わかってないのか、でもハレな気配は感じるようで、キャッキャと笑うので、全員で拍手しながら(ニッポン チャチャヤの勢いで、Nちゃん、チャチャチャ)盛り上げると、キャッキャと笑い、「いや〜ん、かわゆ〜い」と大人軍団が拍手と歓声の手を休めると、ぐにょにょにょとご機嫌ナナメな顔になるので、「あ、機嫌悪くなってしまった」と、また「Nちゃん、チャチャチャ」と応援すると、に〜んまりするので、わーわー応援していて、それを繰りかえしていたら、Nちゃんも大人もぐったり疲れてしまいまいた。

 もうすでに「自分ではいっちょまえに喋っているつもり」な発言をするので、今はまだ犬猫よりも言葉は不明瞭であるが、次回お会いしたときには、ちゃんと人間語を習得していそうだな。順当に発育していて、(もうけっこう歩く)頼もしいかぎりです。

 弟が面白いことをやっていて、自分と奥さんの「若いころの写真」をスキャナーで読み込んで、見比べていた。
 たとえば、弟の赤ちゃんのときの写真と、奥さんの赤ちゃんの写真を見比べて「どっちが娘に似ているか」を調べようと思ったらしいのですが・・・・

 結論「赤ちゃんていうのは、だいたい同じような顔をしている」

 そして、自分が高校生のときのクラスメートとのスナップと嫁さんの高校生のときの同様シチュエーションでのスナップを見比べてみて、
 結論「高校生というものは、だいたい同じようなポーズをして写真に写る」

 「イエーィ」という手の挙げかたの角度といいい、ピースしている人の比率といいい、観る人にほとんど同じ印象を与えます。それで弟も調子に乗って「オレが高校時代の悪友とハワイに行ったときの写真」と「嫁さんが短大時代の友人とハワイに行ったときの写真」を見比べてみると・・・・・・・ほとんど同じ(笑)

 なんか、人類一同なんかのワームだかウィルスに感染しているとしか思えないという「定型写真」をたくさん拝見して、ワハハハっきっと私も似たような写真を持っている!と「世代」というか「時代」のウィルスの存在を実感したのでした。
11月6日(木)

●気をとりなおして、「科学」本題

 で、「幸○の科学」の小冊子を読んで、ちょっと懐かしいかんじがすると書いていたが、でもそれは、なんとなく子供のころ身の回りにあった「2流なもの」たちの持つ、胡散臭さを懐かしんでいるのである。
 今でこそ、子供たちの持ち物などは洗練されているのかもしれないが、私みたいな高度成長期に小学生だった人たちは、そりゃ、親の世代からすれば相当恵まれた生活をさせていただいたとは思うが、なにしろ親の世代が貧乏で、子供に金をかけられなかったわけで、そういう育ちをした親が子供に多少のお金をかけられるようになっても、「いったいどうしたらいいのか」という、金はあっても知恵がない状態だったのだと思う。

 そんなわけで、親の多くは自分が子供のころ憧れていた近所のお屋敷のお嬢様を思い出して、子供に無理やりピアノを習わせたりしたもんだが、その親たちも定年退職してからやっと「ほんとは自分がピアノを弾きたかったんだ!」ということにやっと気がつき、シルバー向け音楽教室は人気らしいが、30年前に気がついてほしかったと思っている私と同世代の元・子供たちは多いと思う。

 というわけで、私が小学生のころの身の回りの品々を思い出すと、「プラスチックでペコペコ」な子供っぽい製品が溢れていた。クラリーノのランドセルに始まって、赤や黄色の上履き入れに、アニメの主人公がプリントされた筆箱はマグネット付のものが人気があり、象が踏んでも壊れない筆箱も流行ったけど、安っぽい匂いのする消しゴムがその中に入っていて、今から考えると、身の回りのもの全てが「駄菓子テイスト」であった。そして、個室を与えられた友達の部屋に遊びに行くと、ピンク色の化繊のフリルも禍禍しいフランス人形がタンスの上にデーンと載っていたりして、合板が貼り付けられた「学習机」の上には、電気鉛筆削りが堂々と場所を占領していた。

 スチール製の本棚の仕切りは当然のことながらプラスチックで、そこには学研や小学館の雑誌がきちんと並んでいて、ピカピカの図鑑が揃っているとお金持ち&教育熱心をアピールした。そういう家の居間にはサイドボードの中に百科事典とナポレオンの瓶が飾られていて、ブック型ナポレオンだとさらに善し。
 また、単なる飾りの「コーヒーミル」も当時の流行であった。

 で、また話が逸れまくっているが、何が言いたいかというと、最近、「タングステンおじさん」という本を読んでいるのであるが、これが、「ホンモノに囲まれた少年時代の自慢話」なのである。
 私は、この本の著者である、オリバー・サックスの他の著作を読んだことがないのだが、「妻と帽子をまちがえた男」がけっこう話題になったことは知っている程度。ユダヤ人の精神科医であるらしい。

 祖父が発明で成功した人であり、両親は医者という、かなり裕福な家庭で育っているが、うらやましいのは金銭的な裕福さだけではなくて、優秀な人材に恵まれているところであろう。オリバーが科学的なことに興味を持つと、タングステンおじさんを始め、周囲の親戚たちがこぞって徹底的にアシストしてくれるのである。
 そして、彼が手に入れるのは、私などが馴染んだ雑誌の付録の「実験セット」や学校での理科の実験レベルではなく、ホンモノの薬剤や金属を使った実験である。それを昔の科学者が書いた本を元に実験の再現をしていける環境を持っていたわけだ。

 ナトリウムの結晶を1.5キロも沼に投げ入れるなんていう荒っぽいことをやって遊んでいるのである。
 私が高校生のときにも、理科の実験でナトリウムを水に投げ入れるなんていう実験をやったが、それはほんとに少量だったはず。そのナトリウムをこっそり盗んだ生徒がいて、「あとで、学校のプールに投げ込んで遊ぼう」なんてやっていたような記憶があるが、危険な薬品などをそうやって自由に扱える機会はほんとに少なかった。

 オリバー・サックスは小学生くらいのころから、そういう実験の多くを大人の介添え無しでバンバンやっているのである。
 そういう時代だったらしいが、その恵まれた環境はほんとに羨ましいとしかいいようがない。

 この本を読んでいると、自分がいかに、そういう実験を漠然と与えられるままやっていたかがわかってしまい、ちょっと悲しくなってくる。水素と酸素を2:1で混ぜて、着火するとポンと音がして水になる、なんていう実験をやったが、そこに辿りつくまでに、どういう科学者たちの試行錯誤があったかなんて考えもしなかった。「ただ、こうなるだけ」と憶えていっただけだ。

 前に読んだ、「ユークリッドの窓」では、中学の数学の教科書に羅列してあったことが「どういう歴史的積み重ねを経てそういうことになったか」を丁寧になぞっていたので、「あー、中学生のときにこの本読んでりゃ、もうちょっと数学好きになったかもしれないなあ」なんて思ったが、「タングステンおじさん」では、化学や物理でもはや「暗記」と思われていたようなことが、オリバー少年の実験や考察の過程と供に「その歴史的な変遷」も丁寧に描かれているので、「酸化」なんていうことがわかる前にどれだけの試行錯誤があったかがよくわかり、「ああ、そんなことも全然知らずに、ただ、化学式を漠然と暗記していたなあ」と遠い目になる。
 だって、写真がカラーになる仕組みなんて考えたこともなかったもん。
 そして、もし私が子供のころ、「なんでカラー写真ってカラーなの?」って質問したって、周りの大人は「カラー・フィルムだからじゃない?」で終わりだったろう。

 だから、考えてみれば、私が子供のころに与えられた教材というものは「子供はここまで理解していればいい」という変な了解の下に作られたものだったので、子供のほうも「これ以上考えなくていい」と勝手に自分で壁を作ってしまったような気がするので、自分が納得できなければとことん追及していけるような環境ではなかったような気がするなあ、と思ったのである。

 それでも私は、数学や物理のような数式が出てくるものは苦手だったが、化学はけっこう好きだった。オリバー少年が気がついたように、物質が化合する際に必要なエネルギーとか、放出するエネルギーとか、そういうエネルギーの変換みたいな世界にはそれなりにトキメいていた。物理でも数式は苦手ではあったが、たとえば階段を登るのにゼーゼー言って、かなりカロリーを消費するのであるが、それは私という物体が高いところに行けば行くほど、別のエネルギーを持つわけで(飛び降りれば、地上にいる人一人くらい殺せる。同じ高さにいて、人一人殴り殺すのはかなり無理があるのに!)、そういうことを考えるのは好きだった。

 あと、あまり科学的な思考ができないにもかかわらず、たとえば誰かが「離婚するのは、結婚するよりも3倍はエネルギーを使う」なんて話をすると、「核融合みたいな話だな〜意味としては逆だけど」と思ってみたり・・・・
 「タングステンおじさん」でも、その昔は、科学と芸術がわりと近い位置にいたようで(社交的に)、科学の進歩が著しかった時代には、詩人たちがこぞって最新科学情報を取り入れて「比喩の幅を広げる」という作業に勤しんだようで、科学用語が詩作にもずいぶん取り入れられたらしい。そんな逸話を読むと、「私が好んでやろうとしたことと、同じだね」と思うのであった。

 そういう「科学がもっと身近でロマンチックだった時代」を描く、なかなか面白い本である。
 そして、小学生向けの科学雑誌や参考書や学参マンガという、所詮「2流なもの」から、結局抜け出られなかった自分のバカさ加減を嘆いていたときに、「幸○の科学」の小冊子を眺めると、味わいもひとしおであったということを書くのに、ずいぶん時間がかかってしまいました。
11月5日(水)

 昨日、日記を途中まで書いたところでメールチェックしたら、プロバイダーからお知らせメールが来ていた。いつも大したお知らせではないので、あまり読んでいないのだが、でも題名が「お知らせとお願い」になっていて「お願い」っていうのはいつもはついていなかったような気がして、開けて読んでみたら・・・・・

 どっひゃ〜〜〜〜〜
 「・・・当ウイルスによる影響を最小限にとどめるべく、弊社ネットワーク内において、今回のウイルスの特徴である特定のポートを対象とした大量の通信について、調査を実施しました。その結果、お客様にご利用いただいているIDによる接続について、当ウイルスの特徴と一致する通信を検知いたしました。・・・」

 とりあえず、いつからそうなってんのかさっぱりわからないが、知らずに世間様にご迷惑をおかけしてしまったようなので、接続を切って、酒飲みながら読書することにした。(というわけで、昨日書きかけだった「科学2題」の本題のほうはしばらくおあずけ)

 さて、今日は会社で「駆除の方法」とやらをプリントアウトしたのだが、これが10ページもあるシロモノで、見慣れない画面ばかし開くようだし、ちゃんとできるのか自信がなかったので、掲示板にはこんなことを書いておいた。

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自分の風邪もまだ完治していないというのに
大事な伴侶の小三治君(パソコン)が、病魔に冒されていることが判明した。

いや、病魔じゃなくて、「虫がわいた」らしいです。(涙)
もう我が家には、今日まで生き延びたアンダーソン君(ゴキ)
が一匹生息するだけだと思って安心していたのに。
(マトリックス3の結末によっては、外に放してあげようかと計画中)

昨晩、小三治君の愛人(プロバイダ)からお手紙が来た。
「あんたんとこのダンナ、虫がわいてるわよ。おかげでうちまでゴキだらけになって、困ってんだから、なんとかしてよ」

知らぬは本妻ばかりなり。

しかも、「これ読んで、自分で退治してね」と言われて読んでみたのだが
http://service1.symantec.com/SUPPORT/INTER/tsgeninfojapanesekb.nsf/jdocid/20030819150121953
プリントアウトしないと太刀打ちできないので
今日は会社でプリントアウトしてから、挑戦してみます。

愛人からは「そんなダンナを野放しにしておくと、世間に迷惑かかるのよ!」と言われ
「ちゃんと退治しないうちは、うちにも来させないでよね」とも言われ、しょげているのでありました。

そんで、「この壷を買えば、あなたのダンナにはもう悪い虫がつかない」とかいう人もいるし。

というのは半分冗談ですが(別に怒ってませんし)
はたして、自分で退治できるのかよくわかりませんが、
今夜、日記が復活されてなければ「できなかったんだな」と笑ってください。

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 「愛する小三冶君を救わなくてわ!」
 と、燃える女と化し、定時には会社を飛び出し、家へとまっしぐりとぐら!
(実は途中で、買い物しているのだが・・・・)

 しかし、初めてやるけど、ウィルス退治って盛り上がらないね。

 やっぱし、こういうときには、気分は「危険を顧みずにネオを助けに行くトリニティ」ってかんじで、後頭部にプラグをぶっさりと刺したいものである。
 すると、現実世界では、ただのパソコンである小三冶君は、バーチャな世界では小三冶師匠のお姿で、演芸場の舞台の上で、座布団の上に座りながら、落語を演じているのだが、そのお口から飛び出すのは、粋なお話ではなくて、真っ黒なゴキブリがゾロゾロで、ゴキブリに近づいて拡大してみると(マトリックスの銃弾の動きが静止するみたいなかんじね)やつらは黒いサングラスをしており、全部、スミスの顔をしているのだっ!

 といやーーーーーっ、と、右手に丸めた雑誌、左手に殺虫剤を鮮やかに操り、つぎつぎとエージェントを叩きのめすワタクシ。
 しかし、ゴキブリも負けていない。次々と押し寄せてくるゴキたちに攻撃されて、ミヤノさんはついに崩れ落ちる。
 すると、小三冶師匠が手にしていた扇子がムニュムニュ〜っと駆除ツールに変身し、扇子を一振りすると、ゴキたちがバッたバったと倒れ・・・・・

 ってゆーのだと面白いのだが、実際には手順通りにやって「駆除ツール」もダウンロードして、それを起動させると、ドドドっとファイル名が走って、なんかスキャンしているようだが、盛り上がらない。けっこう時間が経ってから、いきなりスキャンが終わり、「こんだけ退治したよ〜ん」なダイアログが現れて「ああ、なんかやっつけたのね。あんがと」で、もう一回やってみたら「ウィルスは検出されませんでした」でおしまい。

 つまらん。

 しかし、ひとつだけわかったことがある。
 「マトリックス2」では、けっこうファイトシーンが無駄に長くて、「早く終わらないかなあ。もういいよ」なんて思っていたが、あのかんじは、駆除ソフトがなんかやっているらしい様子をボーーーーっと観ながら「まだかな。早く終わんないかな」と思っている気分に似ているようだ。

 しかし、ほんとにこれで治ったのかね?

 ところで、「ウィルス」と「ワーム」の区別がよくわからないので、たわむれにシマンテックの用語集に飛んでみたのだが、この説明じゃよくわかんないよ。

 と、思って、全体をざっと見回してみると、この用語集、一般人には意味不明のことがズラっと並んでいて、なかなか壮観。

 できそこないの「悪魔の辞典」のようである。
 だって、「WORM」の下にある用語は、こんななんだもん。

 Unstructured external threat (非構造型の外部脅威)
 脅威になり得る組織外部の人物。この種の人物は技術的に高度なスキルも知識も持っていません。

 Unstructured internal threat (非構造型の内部脅威)
 脅威になり得る組織内部の人物。この種の人物は技術的に高度なスキルも知識も持っていません。

   Unstructured threat (非構造型の脅威)
 一般に技術的に高度なスキルも知識も備えていない脅威。

 なんじゃこりゃってかんじだが、よくよく考えると、もしかして私みたいに「なんかワームに感染してたらしいけど〜、別にパソコンは普通に使えてたし〜、なんだかよくわかんないし〜、別にい〜や」とか思っている人こそ、業界的には「Unstructured threat (非構造型の脅威)」なんですかね?
 略してUTか・・・・・ウーティって呼んでね、えへ。(いかにもボンクラそうで良い。「課長代理みやの」よりも「ウーティみやの」と呼ばれたほうが自分でもしっくりくるし)
11月4日(火)

 やっとお休み。
 先週の木曜日もお休みだったが、そのときは美容院に行ったので、「何もしない純正お休み」は久しぶりだ。
 しかし、朝は7時に目が覚めてしまい、がっかりしてしまったが、寝なおしたら、次に目が覚めたのは12時過ぎだった。よしよし。

●科学2題

 少し前のこと、会社から帰る時間に駅周辺が大混雑したことがあった。「も○○の塔」の国際大会というのが昼間から夕方にかけて開催されていたのである。それも、4日間もやっていたのだ。日本シリーズ並みの集客力である。不況だと言っても、宗教団体は金あるなあ、と感心していた。
 「も○○の塔」はよく住宅街にも戸別訪問に来るが、ときどきポストに入っているパンフはあまり趣味ではない。イラストの画風が好きではないのだ。ある意味、諸星大二郎系だったりするのだが・・・・

 それに比べると、やはり時々投函されている「幸○の科学」のほうが、趣味ではないのだが、なんか懐かしい感じがして面白い。最近は、この教団もあまりマスコミを騒がすことがなくなったが、景山民夫なんかが前面に出て張り切っていた当時は、いったいなんで揉めていたのか忘れたけど、なんか裁判していたんでしたっけね?とにかく、マスコミというかワイドショーでもよくとりあげられていた。

 高学歴の元エリートが教祖様で、「学習塾、予備校世代にアピールする」と解説されていたが、教義を説明するテキストも「学習参考書」のテイストを色濃く示しているらしいが、先日、会社のポストに小冊子が入っていたので、久々に読んでみたら、たしかに文字組が「教科書」なのである。

 間隔の開いた行間。難しい漢字「為替」「金融」「習慣」などに、ふられたルビ。紙面の下は4分の1くらい開いていて、そこに無難なイラスト(花や風景)が挿入されて、「読みやすさ」抜群です。
 たしかに、久々に「揚げパン」を食べるような懐かしさがありますが、でも、これって小学生の時の教科書みたいだが・・・・でも、中学の英語の教科書もこんな感じだったっけな。

 あと、「学参マンガ」みたいなページもあって、その端には「○○総裁の新刊を家族で読んでみよう!」と縦に書いてあります。よくマンガ雑誌では「○○先生に応援のファンレターを書こう!」なんて書いてあって、出版社の住所が書いてあるのと同じノリ。

 子供のころに慣れ親しんだものたちの、中途半端なパロディーの連続で、なかなか味わい深いのですが、でも、なんでこういうものが「エリートたち」を惹きつけるのかよくわからんなあ。それは、やっぱし、私がエリートじゃないからなんでしょうか?(笑)
 この小冊子は、一般向け窓口なので、ほんとのエリート向けには、大学受験参考書っぽい内容の本が出回っているのかもしれない。山川の歴史用語辞典みたいな装丁だったら、私でもうっかりハマりそうだ。なぜか、あのお菓子の包装紙みたいな表紙の紙質が大好きだったのだ。

 などと、けっこう楽しく読んでいたのですが(暇だった)、最後のほうに、「第17回 全国仏法真理学検定試験」の広告が登場して、大喜び。これって、2級とか3級があるのでしょうか?あったら楽しそう。「出題範囲」も書いてあって「その他、基本法典、重要法典からも出題いたします。(50問中、10問程度)」なんて記述を読むと、なんか懐かしいよね。
11月3日(月)

 「三連休」を全部出勤していると、それなりに悲しいものがあるが、三日目になると、それなりに慣れてきた。
 昨日の日曜日に帰りの電車の中で、中学生くらいの娘さんが、お母さんに向かって「ほら、これ、これに行きたいの!」と中吊り広告の「ドールハウス展」を指差しながら言っていて、お母さんも「へえ、おもしろそうね」「明日、お父さんたちはモーターショーに行くんでしょ?だったら私たちは、こっちに行こうよ」「そうねえ」と、楽しげに会話しているのをぼんやり聴きながら「いいな〜、明日もお休みなんだ」と、ぼんやりと悲しくなったときがピークだったが、よく考えると、その家族は「お母さんと娘」と「お父さんと息子」で別行動をとっているわけで(その時も母娘だけだった)、仲良さそうなわりにはサバけているというか、「個性の時代」って、こいうことなんですかね?

 と、別のところに興味が行ってしまったので、悲しみが薄くなった。
 そんで、「父息子はモーターショー」「母娘はドールハウス」って、なんか「おじいさんは山に芝刈り」「おばあさんは川で洗濯」みたいで、なんかあまりにもハマりすぎで、ちょっとヤだな〜と、さらに遠いところに行ってしまったのであった。

 そんなわけで、今日もお仕事だったわけで、朝、コーヒーをセットしていると、天敵T部長が出社してきた。
 「あれ?今日は出勤なの?そっかー、決算だもんね」と言われたが、別に忙しいから来てるわけじゃないもん。ぷん。出勤日数を調節しちょるだけです。と、頭の中でブータレていたのだが、私がジャーポットに水を注いでいたら、T部長が流しに割り込んできて、うがいというか、顔をちょちょっと洗っていた。

 そして、そばにぶら下がっている手拭に手を伸ばしたので「あ!」と思った。
 それは、「食器拭き用」なのである。前にもそれで手を拭く人がいたので、マジックで黒々と「食器用」と書いてあったのだが、その文字が薄くなっていた。でも、それは一般的には「食器拭き」として流通しているので、女性ならそれを手拭だとは思わないのだが、「山で芝刈り」ばかりしているので「川で洗濯」したことのないおじいさんたちには見分けがつかないのかもしれない。

 前にいたフロアでも、食器拭きで手を拭かれるのを防止するために、大きな張り紙してあって、それには「○○さん、これで手を拭かないでください」と、どんなに口を酸っぱくして言っても、うっかり手を拭いてしまったらしいオジサンの名前が明記されていた。そこのフロアはパートさんたちが沢山いたので、勤続15年を超える超ベテラン・パートさんたちには、社員のオジサマたちも頭が上がらなかったのである。

 T部長が食器用ふきんに手を伸ばすほんの一瞬の間に、私の頭の中では、以上のような情報がフラッシュしたのだが、さらに「あ!」と声を出そうと思ったけど、でも、いいや、手くらい拭いたって、後でこっそり洗っておいて、またマジックで大きな字で「食器用」と書き直そう。と思っていた。私は食器用と手拭用を混同するくらいのことに対してはわりと寛容なのである。でも、一応、手拭用のタオルもあるので、「手はこっちで拭いてくださいよ」と後で指導しよう・・・・・

 と、思っている私の目の前で、T部長はふきんに手を伸ばすと、それをふきん掛けから引きずり下ろし、それを口に持っていって、口を拭ったのである。

 久々に、頭の中が南極大陸も真っ青なくらい、真っ白になった。

 でも、向こうは平然としているので、なんとか勇気を振り絞って、「あの、それ、食器用なんですけど・・・・」と言うと、「あ、ごめん、ごめん、洗っておくよ」と彼はふきんを水洗いしはじめた。「いいですよ、このバケツに入れておいてくれれば、あとでまとめて洗ってますから」と言っても、彼はジャブジャブと水洗いして、またタオル掛けに戻していた。

 「いつもは、漂白剤に漬けているのだが・・・・・こりゃ、煮沸消毒だな・・・・」

 と思った。
 うーん、しかし困ったなあ。
 これはもはや「食器用ふきんだから」という問題ではない。もっと目立つところに、普通のタオルが掛けてあって、それは食器を洗ったりした人が手を拭く用なのだが、もちろん、自分のカップを自分で洗った男性社員や、食事の前に手を洗った人なんかも、そこにタオルがあると、やはりそれで拭く人が多い。
 そういうの気にする人もいるだろうけど、でも、手を洗った後に拭くタオルを共用するのは、私はあまり気にしないし、気にする人は自分用のを持ち歩けばいいだけだ。

 でも、まさかそれで口拭っちゃう人がいるとは思ってもみなかった。
 てゆーか、普通、誰が使っているのかわからないようなタオルで口拭いたりしないじゃない?そのために、ちゃんとティッシュだって置いてあるのだ。

 そんで多分、彼は「食器用を使ったのが悪かった」とは思ってくれただろうけど、口拭く行為が悪いとは思ってないだろう。
 そんで、そういうのは多分、指導してもまたやると思われるので、言っても無駄だと思うし、まあ、彼は自分でお茶入れたりする人じゃないので、あまり給湯室には出入りしないので、それほど被害はないだろうから、「Tさんが、これで口拭いた」なんて発表しちゃうと、同じフロアにいる女子社員が戦慄すると思うから、このことは私の胸にしまっておこう。
 と言いながら、こういうとこに書いちゃったりするあたり、小物である。
11月2日(日)

 昨晩は(昨日と同じ書き出しである)、「今日も早寝しようかな、どうしようかな」と思いつつも、ついうっかりテレビで放映していた「JM」を観てしまった。
 キアヌ主演作であるので、公開時にはちゃんと映画館で観たのだが、「JM」というのをずっと「JONNY MEMONIC」だと思っていたことに気がつく。正しくは「JONNY MNEMONIC」(記憶屋ジョニー)
 MEMORYと語源は同じだと思うけど、どうして、余計な「N」が入るのだろう?

 それはいいとしても、無理してJMを観てしまったのは、やはり悪口いいつつも熱烈なキアヌ・ファンであることの証明ではなくて、でも、やっぱり自分で「ぼんくら!」と言うのはOKなのだが、他人に「ダメ・スター」と言われると、ムっとするのでやっぱりなんだかんだ言っても好きなのだが、でも、JMのキアヌはやっぱ「ぼんくら」であるので、あの映画の見どころは、「イルカのジョーンズ」なのである。

 「イルカのジョーンズ」が後半押し迫ったときに登場するのがわかっていたし、そもそもバレーボールで10分押していたし、「ジョーンズを見ると、早寝できない」と思いつつも、最後まで観てしまったのであった。
 自分の頭に埋め込まれた情報を取り出すパスワード映像を失い、このままでは死んでしまうと、キアヌが必死の思いで訪ねた、「元海軍にいた凄腕ハッカー」が「ジョーンズ」

 で、アイスTが水槽の中にいるイルカを指し「彼がジョーンズだ」と言うと、キアヌがボーゼんとして「でも、これ、魚じゃん?」というシーンでは映画館でも一人で大爆笑してしまったのだが、やっぱし何度観てもおもしろい。
 他はあまり見どころがない映画なのだが、でも、ギブソンが好むサイバーパンクな要素が、けっこうダサダサに描かれていて、それでも「超強い女戦士」というイメージを確立したのは、ギブソンなんじゃないかな、やっぱ、と思ったりして・・・・私も、一時期は、ギブソンが描くサイボーグ手術した女戦士に大変あこがれたりしたのを思い出した。モリーぃぃぃぃ!

 しかし、キアヌはやっぱこの映画では冴えないのであるが、大ヒットした「スピード」とどっちが先だったんだっけ?と思って、たわむれに調べてみたら、公開は「スピード」のほうが先だったらしい
 「スピード」で一躍、大スターになったキアヌと、ビートたけしのハリウッド映画出演で、けっこう話題になった映画だけど、やっぱB級だよな。

 しかし、キアヌの出演作一覧をあらためて眺めると、私、けっこう網羅してるわい。

 なにせ、キアヌと最初に出会ったのが、「リバース・エッジ」で、「ダッチワイフ抱いたデニス・ホッパーが怪演」というの目当てで映画館で観たのだが(後に岡崎京子はこの映画に影響を受けた同名の漫画を描いた)、主演のキアヌにそのときにツバをつけたのである。
 しかし、私はちょっと間違っていた。「この子、かなりいいけど、でも役者より、グランジ系(当時流行っていた)とかハードロック系のミュージシャンになったら、ボン・ジョビ並みに売れるかも」と思っていたのである。
 いや、実は私は全然間違ってなくて、数年後、キアヌがロックバンド結成して、嬉々として(映画のプロモーション活動よりもよっぽど楽しそう)バンドのツアーをしているのを知り、「こいつは本当は、ロックで成功したかったんだな」と確信し、でも、どう考えてもダメそうなバンドだったんで、一度もその楽曲を聴いたり、ましてやライブに行くことはなかったし「お願いだから、バンドはやめて〜〜〜」と思っていたのであった。

 ちなみに「リバース・エッジ」を観たときに「この子は絶対に売れる」と確信したので、必死にエンドロールを観たのであるが、彼の名前が特殊すぎて、名前が覚えられなかった。
 数年後に、好事家(美形好き仲間)の同僚と「マイ プラベート アイダホ」を「リバーフェニックス君が出るもんね〜」で一緒に観にいったら、その相手役がキアヌで「あ、この子は!」と思って、帰りにパンフを買い、やっと「キアヌ・リーブス」という変な名前の役者だということがわかった。

 その後が、さー大変。丁度「ビルとテッドの地獄旅行」もアメリカで大ヒットしていて、おバカ映画を観るのに抵抗があった「単館ロードショー系」の私は、ぐっと我慢して、ビルとテッドもちゃんとビデオで観ました。とりあえず「エクセレ〜ント!」といっとけば、アメリカではOKかも、という勉強にはなりました。

 20代半ばだった私は、その当時けっこう暇だったらしく、週末といえば、ビデオを借りて部屋でゴロゴロしながら観ていたので、あの当時以前のキアヌ出演作はビデオ屋で手に入る限りは全部観てますね。その当時は、お気に入り俳優を全作押さえるという闘志に燃えていて、他にもヒュー・グラントとかジュリアン・サンズとかジェームズ・スペイダーが出ているからという理由で、駄作を沢山鑑賞させていただきました。

 で、映画館で新作がかかると、ちゃんと観ていたのですが、「JM」の後に公開されて「雲の中の散歩」あたりで、さすがに厭きたらしく、それに、その当時からクラブ遊びにハマっていたので、あまり映画を観なくなり、ビデオデッキも壊れたけど買わなかったので、それ以降はあまり追いかけてなかったのでした。
 キアヌ的にも「ハンサムだけど演技力ないし」という壁にぶつかっていたと思うのですが、いきなり「マトリックス」で大浮上。

 世間であれだけ話題になっていたのに、三軒茶屋の二本立て映画館に落ちてくるまで、観られなかったのは、私の複雑な心境を現しているのです。「ちぇっ、十年も前から目をかけていたのによっ」という捻くれたファン心理だったのでありました。
 というわけで、「マトリックス」はとうとう公開時に観なかったのですが、「リローデッド」はちゃんと六本木ヒルズで観たし、「レボルーションズ」もちゃんと早めに行こうと決意しているのでありました。こんなに業の深いキアヌ・ファンからすれば、マトリックス連作はキアヌの使い方がほんとに上手いと思うので、影ながら感謝しちょるのでありますよ。そーそー、あんましセリフ喋らせちゃダメなのよ、あまり演技させちゃダメなのよ、よーく、わかってるじゃん。

 なんか20年後くらいにも、「キアヌ〜、やっぱ演技下手」とか呟いて涙ぐんでいそうで、ちょっと想像すると怖いです。
 たぶん、ポール・ニューマンとあまり年がかわらない年配熱烈ファンも同じような道を歩んで来たのでしょう。

 話変わりますが、日本の「過剰包装文化」というかお菓子などの「上げ底」で思い出した話。
 たしかに、お菓子の上げ底が多いので、たまに「あれ?これで終わり?もしかして2重になってない?」と中に入っているペコペコしたプラスチックの入れ物を取り出して確認してしまうことは多々ありました。
 でも、それに慣れきっていたので、プラスチックがペコペコの底が見えたら、終わりなんだと納得するようになりました。

 ある日、たしかゴディバのチョコだったと思うのですが、やはり外箱よりも内側の容器が小さくて、あっという間に底が見えて、空になったので、捨てようとしたのですが、持ってみると、ちょっと重みがある。
 でも、なんてったって高級チョコレートですから、「やっぱ上げ底なんだろうな」と思って捨てようとしたのですが、それにしても釈然としない重さを感じたので、たわむれに内側の容器をペロンとめくってみたら、その下にも、もう一段あったのです!

 「ギャーーーーー!!!!、ゴディバのチョコを危うく捨てるところだった!わたしったら、わたしったら、なんてことを!!!」

 と、もう大騒ぎしてしまいました。
 同僚たちも「日本のだったら、この下は真空だよね」「たしかに、こりゃ、捨てるかも」と同情してくれました。

 あれ以来「輸入ものは一見、上げ底に見えるが、底までビッシリ詰まっていることが多いので、要注意」と思って、用心しています。外箱が無意味にゴージャスだと、中の重さがよくわからないので、特にゴディバの化粧箱は要注意。
 海外土産でよく頂くマカダミアナッツ・チョコも2重で入ってたりするので侮れません。

 文化の違いってホントに恐ろしいです。
 そーいや、中国で、卑猥な寸劇をやってしまった日本人留学生が恐ろしい目にあってましたが、彼らも海外に飛び出す前に「ゴディバのチョコを半分捨てそうになった」程度の「文化の違い」による「プチ恐ろしい目」に遭っていれば、もうちょっと慎重になれたのかもしれないよな。


11月1日(土)

 昨晩は「風邪の調子イマイチだから、明日は休もうかなあ〜、どうせまだ決算関連の書類諸々は集まらないので、暇だし。でも、そうすっと有給使うことになっちゃうから、有給はもっと有意義なことに使用したいしなあ」と悩んでいた。
 ほんとに具合が悪ければしょうがないけど、この程度の具合の悪さで、家でゴロゴロしているよりは、会社でぼんやりして過ごし、元気になってから有給をとって、「キル・ビル」や「マトリックスさん」(←わざと)を観に行ったほうがいいではないか。

 それで、早めに床についたのだが、夜中に目がさめてしまった。時計観たら、三時半だった。
 しかも、ずっと「軽い喉の痛み」&「鼻水」だった風邪の症状がさらに悪化しており、「鼻水」&「咳」&「痰」になっていた。
 ごふっ、ごふっと深い咳が止まらない。
 うー、ぐるじぃ〜。
 いやいや、胆石で腹を切った祖母や、出産で腹を切ったAの苦しみに比べれば、こんなの比較にもならないだろう。
 「そんなの、ただのカゼじゃん!」と一蹴されるに決まっている。

 ごふごふっ、ズズズー、びーーー、ゲホっ

 いや、でも、これじゃあ寝られないよ。手術した人だって痛み止めを処方されていたのだから、私だってドーピングする権利はあるだろう。
 しかし、しばらくずっと「鼻炎カプセル」でしのいでいたのだが、「咳」にも効くような総合感冒薬あったかしら・・・・と思って起き上がり電気をつけて、クスリ入れをガサゴソしたら、「TYLEOL COLD」という箱を発見。しかも「美国強生公司」と書いてある中国製もしくは中国輸入販売モノ。きょうみちゃんの、ずっと前のお土産だ。

 かみちゃんのアメリカ土産の瓶入りTYLENOLも愛用しているが、もらったとき「あ、これ知ってる。中国に住んでた友達もお勧めしてた」と言ったが、TYLENOLってガツンと効くから頼りになるのよね。(最近、日本でも発売されているが、そっちはまだ試したことがない)
 アメリカ製の薬は強すぎて・・・・という人も多いが、指定されている量の半分なら、大丈夫。友達は半分でもキツいと言っていたが、私は根が頑丈なので大丈夫。

 用法には「1-2粒」と書いてあったが、1粒飲んで横になったら、ほどなく咳も鼻水もピタリと止まり、また寝なおすことができました。

 ところで、以下はちょっと「汚い話」になりますが、痰や鼻水が酷くなると、なんかそれらが粘りを帯びた黄色の物体になりますが、私は思わずそれを観察してしまいます。
 傷口の膿って、白血球が細菌と闘った後の死骸であると、教わったような気がするのですが、(また騙されていたらスイマセン)そう考えると、ネバネバした鼻水も痰も、私の体内の免疫部隊が、風邪の細菌と死闘を繰り広げたあげくの犠牲者たちの累々とした死体の塊だと思うと・・・・・痰や鼻水に向かって「よくやってくれた」と労いの言葉をかけるのが統治者の義務なのではないでしょうか。

 そう考えると、ビビビーと鼻をかんだり、ぐごっと痰を吐き出した後に、ゴミ箱に堆くそびえる「使用済みティッシュの山」が英霊を祭った慰霊塔のように思えてきます。この慰霊碑だったら、コイズミ首相が参拝に来ても、中国も韓国もいちゃもんつけてこないと思う。

 風邪薬というのが、どういう仕組みなのかよくわかりませんが、市販されているものは「抗生物質」はあまり含まれていないような気がするので、薬が免疫部隊の代わりに風邪の細菌と闘っているような気がしませんので、鼻水や咳が止まるのは「休戦状態」というか、それで軍隊を休ませて、軍人さんたちに休暇をあげて「まあ、家族に会いに行ったり、女買ったりしてくださいよ」と言って、鋭気を養ってもらって、体力が回復したところで、「いざ、戦闘開始!」で、細菌軍を全滅させるのでしょうかね。

 というわけで、今朝起きたら、調子はまあまあだったけど、やっぱちょっと「ヤク切れ」というか「休戦協定が遵守されてない」ようなヤバい状態になってきたので、まるでパレスチナのような緊張状態ですが、とりあえず、またTYLENOLぶち込んで、無理やり休戦させました。

 ところが、会社に行って昼ご飯を食べてからのんびり新聞を読んでいたら、また「ゲホゲホゲホっ」と自爆テロしはじめる輩が出現したので、「停戦中なんだよ、お願いだから守ってください」と、またTYLENOL平和特使に出動いただいて、なんとか夕方まで持たせました。もー、パレスチナ和平を維持するのって大変ね。

 と、すっかりTYLENOL礼賛になっておりますが、あれ飲んでしばらくすると、じわわわっと汗が出て、敵(風邪の細菌)と闘おうとしている軍隊を無理やりクールダウンさせているのがわかるので、けっこうハマってます。
 やっぱシラクには大人しく引き下がってもらわないと、うちのテロリストたち、命が惜しくないですから、すぐに鼻水や痰として散る覚悟があるようなので、押さえるの大変なんで、早いとこ撤退してもらいたいものです。(イスラエルを風邪の菌よばわりするとなんかマズいことあるだろうか?)

 ああ、しかし、自分の風邪をこんなふうに中東和平に例えて語ると、長引きそうで不吉だわ。でも、同じ和平交渉でも、アメリカ政府はボンクラなのに、アメリカ製の風邪薬はこんなに有能。ホワイトハウスはジョンソン&ジョンソンをコンサルに雇えば?
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