可燃物な日々

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8月31日(日)

 夏休み最終日だ。
 この日のテーマソングは、前世紀よりずっと「♪ほんとのこと知りたいだけなのに 夏休みはもう終わり〜」が不動の地位を占めている。

 昨晩も変な夢を見た。

 ジャンボジェットが離陸するのを見ていたのだが、飛び立った飛行機は、有名ジェットコースターさながらに、縦横に複雑に回転しながら飛んでいた。ブルーインパルスの曲芸飛行をジャンボでやっているのである。
 てっきり墜落する間際のきりもみ状態なのかと思って見守っていると、飛行機が飛び去った方向に火花があがり、「やっぱり・・・・」と思っていたら、それは墜落による火柱ではなく、花火大会の花火であった。紛らわしい。
 唖然とする私の横にいた人が「不景気で航空会社も顧客獲得に必死なので、ああいう曲芸飛行をして客寄せをしてるんだよ」と説明してくれたのだが、でも、私は次の便に乗る予定になっているのだが、ジェットコースターが苦手で、滅多に乗ったことがない(というか、名のあるジェットコースターに乗ったのは2回だけである。しかも、そのうちの1回は「花やしき」なのだ)のに、なんであんなアクロバット飛行する旅客機に乗らないといけないのか、真剣に悩んでいたのであった。

 結局、搭乗する前に目が覚めたので、助かった。

 ここんとこ、こういう大げさな夢ばかり見るが、精神状態になにか問題があるのだろうか?それとも、なにか社会不安を予感しているのだろうか?
 たぶん、布団干したほうがいいんだろうなあ。(原因がわかっているなら、さっさと対処すべし)

 使い捨てコンタクトのストックが無くなりそうなので、コンタクト屋さんに出かけた。
 昔行っていた、謎の声ハンサム(診察室が暗く、こっちも裸眼なので、顔が見えないので、顔までハンサムかどうか謎なのだ)眼科医のいるコンタクト屋は渋谷にあるので、雑踏を通り抜けるのが億劫になり、前回から同じチェーン店のニコタマ店に行くようになったのだが、そっちは、キャバクラみたいなネーチャン店員が多く、甲高いセールストークでハードレンズを勧められるのが難なのだが、たしかに、ハードのほうが目に負担が少ないのはわかっているが、最初に使ったコンタクトがハードで装用感は悪くなかったが、外すのが苦手で、何回も失敗して、目の奥に逃げられてしまい、そうなると、元の位置に戻すのに苦労するわ、痛いわで(目に大きなゴミが入ったときを想像してください)、そのうち、外すときに必要以上に緊張してしまうようになり、週に2回は失敗するという有様になってしまい、丁度、コンタクトも古くなってきたので、眼鏡に戻ってしまったのだ。

 そのうちに、使い捨てコンタクトが安価になり、使用している友人たちの評判も良かったし、「ソフトレンズだと、取り出すときにそんな失敗しないよ。そもそも、あまりズれないし」と聞いて、恐る恐る挑戦してみたら、本当に使い勝手がよくて、ここ7年くらい愛用しているのである。今更、ハードレンズには戻れません。
 それに「お客さまは近視の度も強いし、乱視も強いようですから、ハードのほうがちゃんと矯正できますよ」と言われても、裸眼と矯正視力の度合いが強すぎるのも問題だと思うし、(コンタクトを外した瞬間、自分の裸眼のあまりの能力の低さに悲しい気持ちになる)、乱視が、と言われても、本人ずっとこういうもんだと思っているので、別に気にならなくなっているのだ。心の目で補正しているらしい。

 別にサバンナで5キロ先にいる獲物を追いかけて生計を立てているわけでもないので、パソコンの画面が読めたり、映画館で字幕が読めたり、10メートル先で手を振っている人が誰だかわかればいいのである。
8月30日(土)

 腰痛で絶対安静が続いていたアエラさんが、先々週やっと「腰痛が治ったので、Aちゃんち行きたい」とメールしてきたのだが、私が週末に実家に帰る予定があったので、「来週行こう」と返事していたので、やっと今週「どうですか?」と声をかけたら、急に仕事が立て込んで、締め切りが迫っているので今週末は缶詰とのこと。

 というわけで、急遽「今度行くとき声かけて」と言っていたMちゃんに電話してみたら「急にクーリエ入らなければOK」だったので、一緒に行くことにした。
 AとMが最後に会ったのはいつだったのか全然憶えていなかったが、「ほら、フジロックで会ったでしょ」と言うので、そういや、そうだ。でも、あれって、2年前じゃん。あんときも、通路ですれ違って、ちょっと立ち話しただけだった。

 さて、今回の献立は(訪問する主目的は食事作りである。昨日はダンナのOが作ったそうだが、「ひき肉だけを固めたハンバーグで、しかも中のほうがまだピンク色してたので、食べているうちに気分が悪くなってしまった」そうだ。「つなぎ」という概念がないらしい)、駅前のスーパーで相談した結果、私が「なんちゃってミネストローネ」で、Mちゃんが「野菜のピカタ」&「鰻ご飯」(両方ともテレビで紹介されてた「簡単クッキング」だそうで、家に篭ってテレビばかり観ていると、そういう手抜きメニューを沢山憶えてしまうとか)。

 なんちゃってミネストローネ

 *材料
 キャベツ
 ピーマン
 にんじん
 アスパラガス
 にんにく(以上5品は、A宅の冷蔵庫で死亡寸前のものを救済)
 たまねぎ
 しめじ
 セロリ
 冷凍魚介類(イカ、アサリ、エビ)
 トマトピューレ

 タマネギを細かく切って、鍋で炒めてお湯を注ぎ、他の野菜と解凍した魚介類を細かく切って鍋に入れてから、粉末ブイヨンを入れて、煮立ったらトマトピューレを入れ、煮立ったところで、油でこんがりと炒めたにんにくを香りづけに入れた。
 ほんとは、さらに鶏肉で作った肉団子を入れて、まだ温存していた恐竜パスタも入れようと思っていたのだが、すでに具で一杯になってしまったため断念。でも、これだけで、10品目以上とれる優れもの。

 野菜のピカタ

 *材料
 ゴーヤ
 かぼちゃ
 ししとう
 (野菜はお好みでなんでもいいらしい)

 えらく渋い材料であるが、ゴーヤは5mm強くらいの「ゴーヤチャンプル」よりはやや厚めにスライスして、電子レンジで軽く火を通してから、小麦粉をまぶしてから卵に通して、油をたっぷりひいたフライパンでこんがり両面焼く。
 これがけっこう、面倒な作業で、Mちゃんが途中でイヤになってきたのと「全部、衣がかかっているとしつこいかも」ということで、カボチャはレンジで火を通してから衣無しでフライパンで焼き(素揚げ)、シシトウはレンジ無しで素焼き。

 鰻ご飯

 鰻
 鰻のたれ(鰻についているものだけでは足りないので、みりん、もしくは別売りの「鰻のたれ」が必要)
 紫蘇の葉
 ゴマ
 ご飯

 鰻は適当に細かくして(1センチ幅くらいがいいみたい)、小鍋でタレと共に暖める。
 炊きたてのご飯に、タレと鰻とゴマと刻んだ大葉を入れてかき混ぜる。分量はお好み。あっさり系のほうがいいときにはタレを少なくしたほうがいいけど、タレたっぷりも甘くて美味しい。

 以上、メニューに統一性は無かったが、「まあ、無国籍っちゅうことで」

 作り終わる直前に、Oも仕事から帰ってきたので早速食べ始める。
 野菜ピカタは2皿に山盛りできてしまったので「味があきるかも」と思って、「ポン酢醤油」と「タイチリソース」(以前、生春巻きを作ったときに買ったもの)を小皿に入れて並べた。
 あっさりした天ぷらのようになり、ゴーヤも苦味がマイルドになりビールのつまみに最適。

 Oの口に合うかなあ、と思ったが、それ以前に現在歯の治療中で奥歯が両方とも痛いらしく、固いものはダメだったみたいだったけど、ゴーヤ以外は柔らかいので、カボチャを中心にバクバク食べていた。鰻は初めて食べるみたいだったが、お代わりしていたくらい。
 「ゴーヤも前にゴーヤチャンプル作ったときに大丈夫だったし、何でも食べるね、嫌いなものって無いの?」と聞いてみたら「納豆」
 「私も納豆だめー」と関西人Mちゃん。

 Oはなんか、かつて見たことないほど御機嫌で、いろいろ喋っていた。どうやら、前に比べると日本語のヒヤリング能力が劇的に向上しているらしく、私たちが日本語で喋っていても、ほぼ聞き取れているらしい。前は日本語の会話が続くと明らかに退屈そうだったんだが。
 しかし、通っている歯医者では、Aも通訳のために付き添っているそうだが(医者がAよりも英語がダメなため)、Aにしたって、医者が「じゃあ、噛んでください」というのを「バイト、バイト」などとやっている程度なので、Oは治療計画もさっぱりわからないようである。うーん、治療が進んできて「ここに詰め物をします」とか「この歯は抜きます」なんていうことになるとややこしいようだ。

 それよりもOが驚いたのは、「ベッドが並んでいて、他の客の治療の音まで聴かされる」ということらしい。フランスだと、絶対に一人づつなんだそうだ。まあ、そう言われてみれば、他の医者では、患者が他の患者の治療過程をあんなに身近に観察することは無いよな。
 そーいや、同僚K嬢が急な歯痛で、会社の近所の歯科医に行ったら、同僚F氏が口を開けて涙目で横たわっているのに出くわしたそうだ。

 そういうのに特に疑問も抱かなかったけど、外国人には奇異に見えたりするんだなあ。
 それって、韓国垢すりをやってもらうときに、「げ、なんの仕切りもない」ということに驚いたりするのと同じだよな。(今はかなり定着したので、日本人向けに仕切りを作ったかもしれないが、流行初期はそうだった)
 で、なんの仕切りもなく、3つベッドが並んでいるところで、私と友達は「ここで、素っ裸で横たわるのって、ちょっと恥ずかしいよねえ」と、戸惑ったが、「まあ、韓国はこういう習慣なんだろう」ときっぱりと諦めて、あとで「垢すり始まったら、ほえ〜〜〜〜っとなっちゃって気にならなくなっちゃった」なんて笑っていたので、そんなこと今まで忘れていたのだが、今度、誰かが「韓国の垢すりエステは仕切りが無い!信じられないよ!」なんて怒っていたら、歯医者の話をしてあげようっと。

 というわけで、今日はたくさんご飯を作って、お腹いっぱいになって帰ってきたのであった。
8月29日(金)

●オカルトな一夜

 前日の大量酒飲のせいか、昨晩は家に帰ると眠気が襲ってきたのだが、洗濯をしたり日記を書いているうちに12時過ぎにやっと寝た。

 ふと、意識が戻った。
 いやな感じ。
 眠りが浅くなって目が覚めたのではなく、深い眠りから急激に浮上したようで、意識が混濁している。
 過去の数少ない体験からすると、これは「金縛り」の定型パターンなのだ。

 必死に意識をクリアにしようとするが、ぼんやりと見える薄暗い部屋の光景が、ユラユラと怪しく揺れる。
 今から思えば、金縛りになるときには、「意識がクリアなつもりでも、体が覚醒していない」状態みたいで、手足を動かそうとしても全然動かないのでパニックになるのだが、昨日のは逆で「体が目覚めてしまったので、眠っているのに目蓋だけ開いてしまった」ような感じだったみたい。夢遊病者の一歩手前とも言える。

 目は見えているつもりなのだが、ちゃんと焦点が合わないので、外から漏れる光が、不気味に揺らいで見えるようだったが、でも耳もちゃんと機能していないので、自分の部屋がいつもの部屋とずいぶん違う雰囲気に思えたが、それが夢の中なのか、本当に見えている光景なのかもよくわからなかった。

 そういえば、そんな不気味な部屋に脅えながらトイレに行ったのだ。もしかしたら、熟睡状態に入る直前に尿意を覚えて体が目覚めてしまったのかもしれない。でも、それも夢だったのかも。

 とにかく、やっとトイレに行って、また布団に戻り、とにかく眠ろうとしたのだが、なにしろ頭は半分眠っているわけだから、現実と夢の境目がはっきりとわからないまま夢の世界に突入してしまった。

 久々にスペクタクルな夢だった。
 もう、ずいぶん時間が経ってしまったから、あまり細部を憶えていないのだが、パソコンのウィルスだかワームだかが、かつてない規模で増殖したので、ある人が・・・知人だったのかなあ、忘れたけど、とりあえずAさんとしておく・・・自分の友人宅を訪問して、その処置をしていた。私のパソコンは無事だったので、Aさんを手伝うために同行したのだが、とにかくウィルスに感染する前にワクチンを投入しなくてはならないのだが、それにはけっこう時間がかかり、そうこうしているうちにも、どんどん感染していくのだ。

 バイオハザードかって光景だったが、私も心配になって、自分のパソコンを起動してみたら、すでに感染していて、ワクチンを投入する暇もなく、次々とウィンドウが開いてしまい、一生懸命閉じようとするのだが、間に合わない。エロサイトではよくある話らしいが(たぶん、その記憶をつついてしまったのだろう)、次々開くウィンドウは、とても気味の悪い映像や写真で、すごく気持ち悪いので、強制終了させようと、あれこれやるのだが、電源が落ちない。

 そうこうしているうちに、停電になり、Aさんが「とうとう公共設備を動かしているコンピュータも感染してしまったんだ」と言い、もちろん電話も不通。しかし、この緊急事態を切り抜けるためには、Aさんが持っているワクチンを使うしかないのだが、いったいどうしたらいいのだろう?

 近所の住人や知人たちと、家の外に出て「どうしよう」と途方に暮れていたら、遠くのほうに、北斎が描いた波のような見事な津波が空に貼り付いていた。あまりにも書き割りっぽいので、最初は何だろうと思っていたのだが、「津波だ!」
 夢の中の私は、「中央政府の管轄するスーパー・コンピューターも感染して、水のコントロールができなくなったせいだ」なんて思っていたのでした。(ぷっ)

 そばにいた誰かが「家の中に入って、窓を閉めれば大丈夫だ」という、とても夢らしい現実的な対処法を指示するので、数人で家に逃げ込み、窓という窓を閉めているうちに、最初の波が来て、家の中にも水が入ってきたが、「慌てるな!次の波がくるまで、まだ時間がある!」(小波が来てから大波が来るらしい)

 無事窓を締め切ると、すぐに大波が来て、家は水没した。
 しかし、波にのまれてしまった人が、窓の外にへばりついて、必死に窓を叩いている。
 でも、窓を開けるわけにもいかないし、たぶん開かないだろう。
 もがき苦しみながら死んでいく人を空しく見守っていた。(怖かった)

 そして、津波が去ったあとの町を歩いたのだが、町は死体と略奪者ばかりの無法状態になっており、私の仲間も何人か殺されてしまった。

 ・・・・・・という、ハリウッドの地球最後の日系SFX映画を何本か組み合わせたような夢を延々と観てしまったのである。かなり怖い思いもしたし、ヘトヘトになったら、やっと意識が正常に戻ったのか、突然目が覚めても、夢の感覚がリアルすぎて、「なんで、あんな滅茶苦茶な夢観ちゃったんだろう」とげんなり。
 それよりも、今はいったい何時なんだ?と時計を見ると、まだ2時半だった。
 12時半ごろ寝て、寝付いてからやっと最初の深い睡眠に移行するときにつまづいて、松田聖子でも出演を断りそうな駄作ハリウッド大作の世界にトリップしてしまったようだ。

 精神的にくたびれ果てていたので、改めて寝なおすと、今度はちゃんと静かに眠れた。

 ところで、話は全然飛ぶが、今週のアエラの中吊り広告の駄洒落が、なんの駄洒落なのか全然わからなかったので、勝手にAERA応援団で取り上げられるのを待っていたのだが、そこで紹介されていても、やっぱりさっぱりわからない。

 きょうもひんやり、冷夏何度?

 ↑ これの、どこのなにがどう駄洒落なのか、おわかりの方は、お願いですから解説してください。

 AERAの一行駄洒落広告は、「□いアタマを○くする」(←ローカル広告だから解説すると、某中学受験の学習塾が中学入試の問題を載せています)よりも難解なことも多く、2回くらい見ないとわからなかったりしたこともあったのですが、こんなに最後までわからなかったのははじめてです。
8月28日(木)

 映画「HERO」は、もしかしたら「花様年華」の続編かもしれないので、マギー・チャンとトニー・レオン目当てにそのうち観に行ってみようと思っているが、しかし、チャン・イーモーがSFXチャンバラ物を撮影するなんて、考えてもみなかった。だって前作が「初恋のきた道」なんですよ?

 「中国のモモエちゃん」の異名で知られたコン・リーの、ほんとに山口百恵を思い出させる、じわじわっと来る凄みというか、休火山だけどいつ爆発するかわからない富士山の地下深くに潜んだ「女の業」な演技に比べれば、「うわっ、昔の日本の正統派アイドルみたい!」なチャン・ツィイーが中国の田舎の野山を駆け回るだけの映画だったので(トヨエツが聾唖の画家で恋人が常盤貴子だったトレンディ・ドラマ「愛しているといってくれ」はトヨエツが井の頭公園を走り回るだけのドラマだったことを懐かしく思い出した)、「チャン・イーモーも年とったのかな」なんて思っていたのだが、そーゆー問題じゃなかったらしい。

 それはいいとしても、どうも予告編を観ていると、腕自慢の青年が凄腕の刺客たちと次々と闘う話のようで、それでなんとなく「エル・トポ」を連想してしまう自分が気恥ずかしかったりする。
 もちろん、「エル・トポ」は私が今まで観た中でも、ベスト10に入る「度肝抜かれた映画」であるし、映像の美しさは多分「HERO」に負けないと思うけど、ただ「エル・トポ」には歯がゆい思い出があって、大学生のころ、そんなカルト映画ばっかり借りてきて講義やバイトの無いときに家にこもって観まくっていたのだが、ある日、「エル・トポ」を観ていたら、母が帰ってきて、
 「あんた、なんでそんな映画観てるの?」
 「え?だって、すごく評価の高い映画なんだけど・・・」
 「人が血みどろになってばかりいるじゃない」
 「まあ、そうだけど、きれいなんだよね」
 「そんなのが好きなの?あんた、おタクだったの?危ない人みたいじゃない!」

 よく憶えていないが、たぶん「宮崎勤」の事件の後だったんだろう。「猟奇なビデオを沢山所有していた」ということが話題になりったので、母は「猟奇な映像を食い入るように眺めている娘」の姿を観て不安になったらしい。
 その後も、こっちが真剣に観ているのに「こんなの観るのやめなさい」と邪魔しはじめて、後半ちゃんと集中して観られなかった恨みがある。

 それに懲りて、ケン・ラッセルの映画などは用心のため、母のいない隙を狙って観ていたのであった。そんで、「ゴシック」で、ジュリアン・サンズ演じるシェリーが水死するシーンを何度も撒き戻して鑑賞していたりしたのだった。あのシーンに心打たれたのは私だけではなかったようで、数年後に資生堂の男性用整髪剤の雑誌広告で、あのシーンをもじった「白いシャツ着た男性モデルが青い水の中で浮いている」写真が使われており、「あ、お友達だ〜〜〜」と嬉しくなったものである。

 あのころ、グロいのが大好きだったよな。スプラッターとかホラーが怖くて観られないので、そのかわりに耽美系グロに傾倒していたのであった。でも、今はあまりそういうのに興味が無くて、丸尾末広の漫画も、ためしに「まんだらけ」に持っていったら一冊500円で売れたので、気をよくして全部売っぱらってしまった。もし不慮の事故で死んで、部屋にあんなもん残っていたら、また母親がパニック起こすのではないかとも思ったので、ちょうどよかった。

 でも、ああいうのって、今考えると、本当に好きだったのか、それとも「そういうのが好きな自分が好き」だったのか、いまいち判然としない。
 ただ、あの手のカルト映画が全部好きだったわけでもなく、パゾリーニとファスビンダーとかはダメだったし、デレク・ジャーマンも苦手だった。どうやら、「お笑い」の要素が無いとダメらしいことに最近気がつく。いや、ゴダールはお笑いじゃないけど(カルトでもないと思うが)、でも、なんか突き放したような感じがあるし、それにゴダールって実はコメディを目指しているだけなのではないかと思うこともある。ほら、そういう人っているじゃない(あまりいないけど)、自分ではシャレのつもりで言っているのに「あの人の話はなんか哲学的だね」なんて誤解されちゃう人。あれですよ。

 「エル・トポ」が好きなのは、「こんな美しい殺され方なら、殺されてもいいかな〜」と能天気な気分になれるからだ。

 そういえば、昔、Tさんが、アレックス・コックスを評して、「彼はほんとうは違うものを作ったつもりなんだと思う」と言ったことがある。
 「レポマン」は、ちゃんとしたSF映画(「ET」とか「未知との遭遇」とか)のつもり。
 「シド・アンド・ナンシー」は、ちゃんとした悲恋物(「ロミオとジュリエット」とか)のつもり。
 「ウォーカー」は、ちゃんとした歴史偉人物(「市民ケーン」とか)のつもり。
 「ストレート・トゥ・ヘル」は、ちゃんとした西部劇(「荒野の7人」とか)のつもり。
 本人は大マジメに色々なジャンルに手を出している「つもり」なのに(キューブリック御大を目指した疑い大)、どれもB級カルト・ファン向けになってしまったのではないか、という説であった。
 要するにエド・ウッドみたいに、本人マジメなのに、なんかズレてるというか、でも、エド・ウッドに比べれば、アレックス・コックスはちゃんと一般受けする才能を持っていたけどね。

 先日、やっと「ユークリッドの窓」を読了。
 なんか軽い印象の本。
 それはなぜかと言うと、友人知人の結婚披露宴に10回出ても、一人いればラッキーな「スピーチが上手いおじさん」のような本だからである。

 などと書くと、まるでケナしているみたいだが、一応誉めているつもりである。
 スピーチではないが、仲人さんによる「新郎新婦の紹介」が面白かったためしがないのは誰もが認めることだろう。「優秀な成績で○○大学を卒業し」なんていう決り文句ばかりで、客は決り文句の登場回数を数えて暇を潰すしかない。
 それを意識したのかしてないのかわからないが、この本の作者であるムロディナウさんは、名高い数学者を紹介するときに「なるべくフツーじゃない紹介をしよう」と努力したのかしてないのか、微妙におチャレケるのである。でも、それが下品にならずに、妙に上品というか、面白いようでいて古臭いような、なんか「クスっ」と笑いたくなるのだが、そうすると向こうの思うツボのような気がして、「こんなもんで笑えるか」と身構えてしまうような、不思議なかんじだ。

 翻訳の上手さもあるんだろうけど、なんとなく、冗談ひとつ言わないような堅物な教授(「柳沢教授」みたいな人がいいね)が、サラっと冗談を言うのだが、聴いている生徒たちは「今のはなんだったんだろう」とポカンをするみたいな文章の連発。そう、けっこう「これでもか、これでもか」なのである。
 さすがに過剰に連発されると、ちょっと引くが、一応それなりに「固い内容」の本なのに、作者との微妙な「ギャグ勝負」を繰り広げているうちに、なんとなく最後まで読んでしまうという変な本。

 内容的には、「一般向け」の鉄則を守り、というか守りすぎで、ほとんど数式も登場しない。たまにちょこっと難解な部分も無いことは無いのだが、それよりも「数学奇人伝」がメインなんだけど、でも「奇人」っていう視点ではなくて、「歴史的な数学者もしょせん人の子」という、「トリビアの泉」のような「へえー」なスタンスなんである。

 たとえば、マクスウェルは生まれたときは別の姓だったのだが、彼が叔父の名前を継ぐことを相続の条件とした叔父のために、マクスウェル姓を名乗ったそうだ。まあ、これだけだと、大した「へえー」でもないが、「今にしてみれば、多少の金と、このおかしな相続条件のおかげで叔父は自分の名前を不滅のものにしたといえよう」と書かれていると「まあ、そうかも」と思うが、すぐに「たとえそれが物理学者と科学史家にしか関係のないことだとしても」と続くので、「うん、まあ、たしかに」と、読者の心を宙に彷徨わせてくれるのだ。

 でも、私が単純に「へえー」と思えたこともありました。
 ハイゼンベルグを「スーツとネクタイを完璧に着こなし、整理整頓された机に座っているようなタイプ」と評したあとに、

シュレーディンガーは物理学界のドンファンだった。彼はこう書いている「私と一夜をともにした女性が、一生を私と共にしたいと願わなかったためしはない」不確定性原理を発見したのが、女性関係において百発百中のシュレーディンガーではなく、ハイゼンベルクだったのもうなずけようというものだ。

 「たらし」だったのか・・・・・?
 そんなの初めて聞いた。ってゆーか、「波動方程式」と「猫」しか知らん。
 あと、「シュレーディンガー音頭」

 あんまし写真観た記憶ないし、「シュレーディンガー音頭」に載ってるイラストでは判断が難しい。
 写真は残っていないのか?そんな大昔の人じゃないから、絶対にあるはずだ。

 というわけで、急にテンションあがって検索しまくったら見つけました。
 「たらし」かどうかはわからないが、そうとう「スカしてる」ことは確かだ。(このサイト、美麗写真満載だ)

 マン・レイが撮影したデュシャンと、マーラーと、コクトー芥川龍之介をごちゃ混ぜにした雰囲気だ。

 こりゃ、モテそうだわ。
 しかも、こんな顔して、黒板一杯に難しい数式なんて書いちゃうわけでしょ?
 なんか腹たってきたかも。

 というわけで、この本は、中学校のときに習った「三角形の証明」とかで使った「定理」から始まって、最後には「M理論」まで辿り付くので、「平行線が交わらないなんて、あったり前じゃん」とボヤいている中高生に読ませると、理系人口を少し増やすかもしれないが、私のような、すでに「その道」をすっかり外した人間は、「シュレーディンガーは美男子だったのか!くっそー、じゃあ、ウィッテンは?・・・・よかった。この人は「まとも」だ」

 というように、わけわからないところに飛ばされるので、学生時代に理系科目をあまりにも憎んだ反動で、著名な数学者や物理学者の名前を見るだけで緊張してしまい、ついでにアドレナリンが放出さるという「つり橋効果」になりやすい人にとっては魅力的な本でございました。(っていう、私の捻くれた誉め言葉をムロディナウさんなら、きっとわかってくれると思う)
8月27日(水)

 蕎麦屋で飲み会。
 お腹(?)に石を飼っている人が、入院して石を砕こうとしたが、大きすぎて半分にしかならなかったとか。
 衝撃波だかなんかで砕くらしいが、あまりに痛いのと保険とのからみで、次回の「1/2を1/4にする作戦」は3ヵ月後くらいになるらしい。それでもまだ砕ききれないという予測らしくてお気の毒。
8月26日(火)

 親から回りくどい催促のメール(弟は先々週孫を連れて宿泊し、妹は先週来て一緒に川越に行ったとか)ので、先週末は実家に帰ることにした。
 父も退職したので、老夫婦は暇を持て余しているらしい。

 通り道だから、土曜の夕方に吉祥寺のユザワヤに寄って、クッション用の生地を調達しようと思って、金曜日にその旨を伝えたら「あら、お母さんもミシンが欲しいのよね。あんたも裁縫なんてするの?なんならミシン買ってあげようか」と言いはじめるので「いや、部屋狭いからミシンは要らない。それに気が向いたときしか裁縫しないから」と、なだめたのだが、娘と一緒にユザワヤに行きたくなったらしく、「明日、出掛けに電話して。もしかしたら一緒に行くかも」
 と言うので、まあ多分一緒に行けば生地代はもってくれるだろうが(お買い物コンパニオンの正当な報酬である。あと、お茶とケーキがつくこと必須)でも、母に「サンダーバードのヌイグルミ」の話するのも面倒だな、と思っていたのである。

 で、土曜日に目が覚めてみると、すっかり真夏に戻っており、暑くて掃除洗濯する気にもならず、ゴロゴロしていたら昼ごろ電話があり、「ユザワヤはやめる」とのこと。そして、「諏訪神社のお祭りと、あと国立で『ねぶた』やるんだって。ねぶたなんて実際に観たことないから、見てみたくない?」

 はいはいはい。お祭りに行きたいんですね。わかりました。
 めったに実家に帰らないし、親と一緒に外出する機会も少ないので、年に数回なら「いい子」になれるので、決して「えー、今日こんなに暑いのに〜」なんて言いません。
 というわけで、5時に国分寺駅に集合して、まず立川に向かう。徒歩15分くらいで諏訪神社。けっこう大きい神社で、社殿はまだ新しくて、いまいち風情がなかったが、周辺はびっちり縁日の屋台も出ていて、なかなかの賑わい。みやの家では妹が「縁日好き」で、必ず何か買わないと気が済まないのだが、父と私はわりとその辺が淡白なのであるが、母がしきりに「Y子も来ればよかったのに」と言うので(妹は麻布十番祭りに行くかもとメールしてきたそうだ)、「しゃーねーな、姉娘が代役を勤めるか、でも、縁日の食べ物って高いし、あんま美味しくないんだよな、そうだ、さっき通ってきた商店街の店先で出してるもののほうが安かったし美味しそうだった」と作戦を練り、神社の参拝も済んで、ついでにお祭りに便乗して開放していた「真如苑本店」も見学して(あそこが本店だとは知らなかった)から、帰り道に、肉屋さんが店先で売っていた「骨つきソーセージ」を買おうとすると、母は「えー、ここで食べるの?駅に戻ったら冷房きいたところでお茶して、そこでなんか食べようよ」などと言うのだが、でも、目の前のソーセージ見たらホントに小腹がすいてきたので、「これくらい食べたっていいでしょ。せっかくのお祭りだし、それに肉屋さんのソーセージだから美味しそうじゃん」と言ったら、渋々買ってくれた。

 たいして美味しくもなかったが、私がそれをたいらげていると、横で母が「から揚げも食べる?」と言うので「もういらない」と言うと、「あら、でもあっちも骨つきよ」
 この母は、現在老人ホーム暮らしの祖母に性格がクリソツで、人に食べ物を振舞うのが大好きなのである。
 さっきまで「冷房効いたところで食べよう」なんて言ったことをすっかり忘れて「からあげはいいの?本当に?お父さんはカラアゲいらない?」としつこいので、しゃーねーなそれも食ってやるかと思ったが、その隣りに置いてあったコロッケのほうが小ぶりで美味しそうだったので、「どっちかというとコロッケのほうがいい」と言うと、「あら、そう?じゃあ私も・・・お父さんは?」父は「いらない。あっちでビール買ってくる」

 あああ、お父さんずるい!
 つーわけで、母とコロッケを頬張りながら、まだ「でも、やっぱりから揚げも買っておこうかしら」と言っている母を引きずるように父がビールを買っているところまで行くと、「あ、こっちは豆腐入りコロッケがあるわよ。お父さん、豆腐コロッケなんてどう?」

 がーーーーーーーー、食べたかったら自分で食べてよ〜〜、なんで人に勧めるのよ〜〜〜〜〜〜

 という言葉はグっと飲みこんで、「さあ、ねぶたも行くんでしょ?」

 やっと縁日を抜けて駅に近づくと、今度は「今日はお神輿出ないのかしら?」
 父が「明日の日曜日なんじゃないの?」と言うと、「そうお?」

 しばらく歩いていると、警備員の詰め所があって、母が警備員さんに「今日はお神輿出ないんですか?」と尋ねると「7時半から出ますよ」
 「もー、お父さんたら、今日はお神輿出ないなんて、テキトーなこと言うんだから」と文句言っていたが、自分が観たいんだったら最初から自分で聞けばいいじゃないのもーーーー、という言葉も飲み込んで、「まだ7時前だし、ねぶた観てから戻ってきてもいいじゃん」と諭しながら歩く。

 ねぶたの会場は、羽衣町という商店街らしく、立川から一駅のところらしいのだが、歩いて行っても大した距離じゃないらしく、父は歩いて行こうとするので、そこでも「もー、お父さんたらいつも、たったか歩いて行っちゃうんだから」と私に愚痴る。だったら「電車で行こう」と言えばいいのに、「遠くないかしら?ミヤノが疲れちゃうじゃない?」と遠まわしに言うから、父にはその言い方じゃ通用しないのだが、まったく長く連れ添っている夫婦のやり方はよーわからんです。

 で、途中でイートインのあるパン屋を見つけて、そこでコーヒーを飲んで休憩し、母はさんざんパンも食べるかどうかで悩んだ末、結局食べず、また歩き出したら15分くらいで羽衣町。
 広い道路を通行止めしてあったが、通るのはお神輿や山車ばかり。やっと「ねぶた」を発見したが、本場から指導者を呼んで作ったというねぶたは、ずいぶん小ぶり。しかも、一個(?)しかない。「もっと大きいのかと思った」「まあ、そういうの観たかったら本場に行かないとねえ」なんて話ながら、そこのお祭りは商店街主催らしく縁日も出てなかったので、通過しただけでまた駅に戻ることにした。

 半分くらい戻ったあたりで、父がボソりと「一個だけってわけもないから、あとから他のも出てくるんだろう」と言うので、母がまた「もーお父さんったら、なんで今ごろそんなこと言うの?どうしてちゃんと確認してくれないの?」と言うので、「まー、まー、でも、他のが出てくるからって、あそこでずっと待っててもさあ。それよりも、また駅のほうに戻れば丁度、あっちの祭りのお神輿も出る時間だし」となだめて、駅に近づくと、案の定、お神輿が出ていた。

 新聞の紹介記事によると、「ここのお祭りのお神輿は勇壮」と書いてあったそうだが、でも、他でもよく見かけるような、やや小ぶりなサイズのお神輿だし、特に勇壮な感じでもない。
 父の実家のあたりのお祭りに行ったときにお神輿が本当に大きくて勇壮だったらしく「あれと比べちゃうと・・・・」
 そりゃ、東京の下町と比較しちゃあダメでしょ。それに、まだ明日もあるから、担ぎ手だって体力温存してるだろうし。

 駅前の歩道橋の上から、しばらくお神輿を眺めていたが、「そろそろお腹が空いてきたよ」と私が言うと、「じゃあ、食事しよっか」「どうする?立川で食べてく?」

母 「バーミヤンの割引券もあるのよ」
私 「この辺にあるの?」
母 「ううん、国分寺」
私 「じゃあ、それでいいよ」
母 「そうお?Y子なんて、バーミヤンをバカにするのよ」
私 「そうなの?でも、わたし、バーミヤンに入ったことないんだ?」
母 「あら、そうなの?じゃあ、バーミヤンにしましょうか」

 ああ、なんて親孝行な私。
 母はサイゼリヤとかバーミヤンとか食べ放題ランチが大好きなのである。
 そりゃ、私だって妹と同じで「なんで親に奢ってもらうのに、ファミレスなわけ?」とは思うが、しょっちゅう一緒に食事してあげている(というか、タカっているわけだが)妹と違い、私は滅多に一緒にご飯食べないのだから、親が喜ぶところに付いて行ってあげるのが親孝行だろう。高い店は自腹で行ったほうが気が楽だ。客単価2000円を超えると「こんなの家でも作れる」とか言い出すからな。

 で、親子3人で、仲良くバーミヤンで8月末が期限の割引券をフル活用した食事をして、お会計は2000円しなかった。「ね?変なラーメン屋行くより安いでしょ?」まあ、その通りでございます。

 家に帰ると明日どこに行くかの相談。
 「ちょっと遠いけど、温泉があるのよね、それとも奥多摩の温泉まで行ってみる?あと、多摩テックにも温泉ができて、そこは夜景がきれいなんですって」
 温泉に行きたいらしい。
 とりあえず、「明日の天気を見て決めよう」

 さて、翌日の日曜日も暑かった。
 冷房の効いた部屋でコーヒー飲みながら「どうしよう?」
 「農工大に、ミニチュア・ホースがいるんだけど、それ見たい?」
 「でも、温泉行きたいんでしょ?」
 「そうお?そんな大した温泉じゃないかもしれないわよ」

 なんで、人が言うと逆らうんだろう?なかなか誘導が難しい。
 いや、付き合い長いから、仕様はわかっているのだ、
 「でも、私さ、ほら、あせもがひどいから、温泉いいかも。温泉にしようよ、ちょっと行ってみたい」
 「そうお?そうね、温泉が効くかもね」

 というわけで、日が傾いてから出発したので、「祖母の見舞い」はパスになった。そっちは両親がマメに行っているから、私が行かなくてもいいらしい。そうだよな。各自、自分の親の面倒だけ見てればいいのだ。
 西武線で3駅行って、そこから徒歩20分。車の無い我が家は健脚なのだが、妹は歩くの嫌がるので、徒歩が強要される場所には私を連れていったほうがラクなのであろう。

 住宅地の奥にポツネンとファミレスのようにある温泉だった。テルメ小川
 「パート仲間で、この辺に住んでいる人はここをバカにするのよ」
 と母は言っていたが、都心にある温泉銭湯に比べれば、敷地も広いので、ロビーも広く、脱衣所も風呂も広くて、なかなか快適。露天風呂も空が広く見えて、気持ちがよかった。
 母も「この間、お父さんと妙高の温泉行ったけど、そこよりいいわ」と大満足。

 ぬるいお湯だったので、いつまでもダラダラと漬かっていたが、7時になったのでお湯から出て、着替えてロビーに戻ると、父が憮然として座っていた。
 「ずいぶん、ゆっくりじゃないか。お母さんは?」
 「まだ髪の毛乾かしてるよ。ずいぶん待った?」
 「もう、ビール飲んじゃったよ」
 「あ、いいな、私も飲む〜」

 父が食券を買ってくれた。「オレも、もう一杯飲もうかな」「そうしなよ、付き合ってよ。」
 2杯も飲むと母に叱られるのだが、母が出てきたときには二人で仲良くジョッキを傾けていたのであった。父も、私が一緒だと飲酒を制限されないことがわかっているのだと思う。
 孝行娘も「お父さん、実は2杯目」とチクったりしません。
 母は「フロ屋はやっぱりコーヒー牛乳」と、ゴクゴクと飲んでいた。

 母が御機嫌だったので、帰りはタクシーを拾って帰った。2000円くらいだったが、「思ったより高かった」そうである。西武線で3駅のところなんだけどな〜(笑)
 国分寺駅に着いたら、もう8時10分前だった。「今夜は手料理を振舞う」と母が出がけに張り切っていて、「帰りに丸井に寄ればいいから」と言っていたが「もう、閉まっちゃうじゃん」「大丈夫」

 丸井の地下食品売り場の閉店ギリギリをこよなく愛している母であるが、この日も新装開店したばかりの魚屋が刺身を投売りしており、あれもこれもとカゴに入れるのを横で「3人しかいないんだよ」と諭しながらも、たっぷり刺身を買っても、さっきのタクシー代より安かった。だって石鯛の刺身パック正価680円が200円になってんだもん。マグロの中落ちも200円。アジの刺身も200円。
 「ああ、せっかく一生懸命泳いで近海に来たのに、こんな値段で売られちゃって・・・・」

 というわけで、大量の刺身を3人でバクバク食べたのだが、ふと「あれ?手料理って何?」と思ったのだが、どうやら「ミヤノが来るから、昨日モロヘイヤを買ったので、それを茹でて食べさせる」ということだったらしい。
 だから、母の手料理の誉めどころは「モロヘイヤって体にいいんだよね」ってことと、「お刺身、ほんとに安かったね。これだけあっても、2000円しないんだもん。タクシーのほうが高かったよ」「でも、あのタクシー遠回りしたからよ」「でも街道が混んでたから、周り道しないと渋滞だったんだよ」

 というわけで、刺身をたらふく食べてから、デザートに巨峰も食べ、残った半分はお土産に持たされて、やっと開放されました。ふー、やっぱ一泊が限界だ。

 で、昨日は、夏休みで帰国していたきょうみさんに会いに、マチリンのお店。
 たくさん、お土産をもらった。ありがとー
 Kちゃんにも久々に会えたし。

 それで、またマチリンお手製の「シソ焼酎」をガブ飲みしていたのだが、途中で中国製の「二日酔いしない薬」を貰って飲んだのだが、それがまた効いてしまい、いくら飲んでも酔っ払わないような気になってしまった。
 なんとか終電で家にたどりついたが、朝起きたらすっきり。やぱり中国の薬は効くなあ。私はああいう怪しい漢方(別に怪しくないんですけど)大好きなのである。

 「田七」という、朝鮮人参やウコンと同じく「根っこ系」のものを頂き、今朝はそれ齧って出社。
 ところが、会社の一駅前で地下鉄が止まってしまった。
 最初は「急病人が」とアナウンスしていたのだが、そのうち「戸袋事故」になる。誰かがドアに引き込まれたらしい。しかし、待てども待てども解決しない。私の乗っていた車輌からは遠い場所だったのだが、人だかりがしていて、どういう状況かもわからなかったので、「待ってるのもなんだし、一駅だから歩いちゃおうかな」と外に出て歩き出すと、消防車(というかレスキュー隊だと思うが)や救急車とすれ違う。そんな大事だったのか?

 しかし、歩き出したら急に日が出てきたので、折り畳み雨傘をさして歩いたが、それでも暑かった。
 やっと会社に着いて「電車止まっちゃって、歩いてきたよ。暑いよ〜」と騒いでいたのだが、それから30分後くらいに出勤してきた人に「ダイヤ乱れてなかった?」と聞いたら「別に?」
 うーむ、歩いたのは早まったのかもしれない。あれが2駅だったら歩かなかったけどさ。

8月21日(木)

 会社のとあるプロジェクトのサブ・メンバーに選ばれていたのだが、先日行われた第一回目の会議には出席しなくてもよかったみたいで、「まあ、私は経理の立場で難癖つけるだけのサブ・メンバーだから」と思っていたのだが、今日の夕方バタバタしていたら、メンバーである課長に「これから会議なんだけど出られる?」と急に言われたので、「この用事が済めば大丈夫ですよ」と軽い気持ちで出席したら・・・・・・

 4時から始まった会議は、6時になってもなんの進展もなく、リーダーが放り投げるので、進行役がいない会議はまるで荒海に乗り出した小舟のようにあっちゆらゆら、こっちユラユラで、7時が近づくとお腹が減ってきたので「それそろ終わらないんですか?」なんて言ってみたが、終わろうにも、どう終わればいいのかでまた話し合いが続き、とうとうブチ切れてしまい「空腹で機嫌が悪いんですが、こうして集まって話合っても、なんにも進まないじゃないですか!」とまくしたてたら、私の隣りにいた人がもっとブチ切れてしまい、それを収めるのにまた1時間かかってしまい、空腹と怒りで頭真っ白になってしまいました。

 私は深窓の経理のおねーさんなので、あまり部外の会議に出たことがないし、そもそも会議慣れしていないのでよくわからないのだが、それでも「目的も予算もはっきりしない白紙からスタートするプロジェクト」に任命されたメンバーもいったいどうしたらいいのかわからないので、「とにかく各部署の業務を洗い出して、それをまとめて・・・・」なんて手順にばっかりこだわっているし、そういうやり方すると小さくまとまるのは仕方ないのに、リーダーは「それじゃあ、わざわざ開発する意味がないあ。現状でもいいじゃないか」なんて言い出すので、イライラがつのる。だったら、もっと進行を工夫するとか、せめてメンバーのモチベーションあげるためになんか言ってくれないと「おまえらで考えろ」という態度じゃ、誰もこんな面倒なことしたくないわけじゃん?

 そもそも、どういう意図でこのチームが発足したのかよくわからないし、「どういうものを作りたいか」というイメージの共有も全くできていない状態なので、ひたすら時間を潰すばかりだ。

 やってられっか、というかんじであるが、いろいろわかったこともあった。

 わかったこと その1

 私はきっと収容所に入れられてお腹が空くと、すぐに機嫌が悪くなり、看守に「ここの運営は間違っている!効率的ではない!」などと当たり散らし、真っ先に射殺されるであろう。

 わかったこと その2

 会議に挑むときにはお菓子を用意しておこう。(イライラするとお腹がすくらしい)
 会議の前におにぎりを2個くらい食べておいて、満腹で眠気と闘っているほうが闘争心が萎えていいかも。

 しかし、久々に猛烈にイライラしたので、これで寿命が3時間くらい縮んだと思う。

 あの進め方じゃ永遠に終わらないよ。「なにがやりたいか」ってことを先に決めないと、「まず目的を決めましょう」「目的に沿って現状の業務の分析をしましょう」なんて進め方じゃあ、おもしろくないじゃん。
 だいたい「業務分析」と言っても、それが遅々として進まないので、わりと「こんなことできたらいいと思って」と夢を語る人がいたので、その人の話を膨らまそうと「ああ、それ面白いかも」なんて頑張ったのだが、散々「あんなこと、こんなこと」と語ったりしたあとに「じゃあ、業務分析」って話戻されるとヘコむんですけど・・・・
 もっとわからないのは、あんな面白くない会議で、何にも発言せず、ただ無表情で座っている人たちだ。

 わかったこと その3

 自分は「温和な性格」が売りだと思っていたが、「会議室で無の境地」に入れる人たちに比べると、猛烈に気が短いらしい。
 そもそも、「時間の無駄」で残業できるほど広い心を持っていないのだ。何度、途中で中座してトンズラしようと思ったことか・・・・
 修行が足りないといえばそうなのだが、「そんな修行したくもない」

 というわけで、イラクやパレスチナで暗躍しているテロリストの皆様へ。

うちの会社の会議室も爆破してください!

 顔を見合わせてシーンとしているのに耐えられなくて「もうちょっと話がまとまるまで、メールや電子会議室で意見交換したほうがいいんじゃないですか?」と言ったのだが、無視された。 

 9時過ぎにラーメンを食べて、やっと心が落ち着いた。
 もはや、あのプロジェクトをどうしようということよりも「次の会議をどうやったらサボれるか?」(私、サブ・メンバーなんで〜)ということで頭がいっぱいである。

 いったい誰がこんな「ミッション・インポッシブル」と「透明人間」を足して2で割ったようなプロジェクトを発案したんだよ。(透明すぎてなんのとっかかりもないひどいミッション)責任者出てこい!

 いかん、またイキんでしまいそうだ。ひ ひ ふー (ラマーズ法で退避)
8月20日(水)

●命名問題

 妊娠中のAは子供の名前を考え中らしい。
 先日も「なんかいい名前ないかな〜男の子なんだけど〜」と言っていた。父親がフランス人だから、フランス人にも馴染みやすい名前というと、
 「やっぱり、アンリとか?」
 「私も、まっさきにそれを思いついたんだけど、その名前は古くさいって却下された」

 ま、たしかに、昔の王様の名前だし、それに、国際的には「アンリ」=「ヘンリー」で男名のようだが、日本だと女名である。(Aの友達にも、その名の女の子がいる)
 しかし、そう言われると、フランス人の名前がとっさに思い浮かばない。そういうときには、有名人の名前を思い出せばいいわけで・・・・

 ジャン・リュック・ゴダール
 ジャン・ポール・ベルモンド(70歳でパパになったらしい)
 ジャン・ユーグ・アングラード
 ジャン・ジャック・ベネックス
 ジャン・レノ

 なんで、揃いも揃って「ジャン」なんだろう?
 「ジャン」抜きのフランス人はいないのか?

 うーーーーーむ。

 ジャン・ギャバンや、ジャン・ジャック・バーネルはフランス人だったっけ?

 他にも、もっとなんかいただろう?
 と、すっかり「ジャンの迷宮」を彷徨い歩いたあげく、やっと見つけた出口は、

 アラン・ドロン

 でした。それで、フランス人にも「ジャン」がつかない人が最低でも一人はいることがわかり安心したので、思考が停止したのであった。

 というわけで、Aさん、「滋安」ってどうですか?(「ファンシー・ダンス」の登場人物)

 いかん、ジャン・ピエール・レオっていうのもいたな。(迷宮に逆戻り)
 フランス人は地震で瓦礫の下に5日間閉じ込められても「古今東西・名前にジャンがつく有名人」のネタが尽きることはないだろう。

 ええと、また話が脱線したが、以上は「枕」であって、本題は以下。

 で、他人の子供の名前なんて、どーせ私には何の決定権もないので、協力的ではないのだが、最近やっとうちにも家族が増えたのです。6月からずっと「ゴキブリと同居」しており、うっかり飼育してしまった2匹に名前をつけて可愛がっていたが、新しく来た生命体は「鉢植の植物」です。

 ガラス作家さんのお宅でアワビをご馳走になったときにお土産でいただいてしまいました。酔っ払ってたからよく憶えてないんだけど、小笠原かどっかの植物で、葉っぱからも根が生えるという、とても生命力の強い植物なんだそうです。
 そのうちでは、1mくらいのを育てており、このチビちゃんたちは、その子供たちのようです。(たくさん株分けしていた)

 しかし、私は「グリーン・ピース」にも「緑の党」にも入れてもらえなさそうなほど、植物枯らすのには自信がある「逆・緑の手」の持ち主であるので、今まで我が家の過酷な環境で何年か生き抜いたのは、サボテンだけで、その記録に続いているのは植物ではないけれどゴキブリだったりするわけですから、このチビちゃんたちの今後やいかに。
 生命力強いらしいので、がんばって我が家以外で繁殖して欲しいものであるが、「長生きしないだろう」と達観しているとはいっても、ゴキブリに名前つけているのですから、この子たちにも素敵な名前をつけてあげないと不公平でしょう。

 しかし、近所の犬2匹に「タローとジロー」と勝手に名前をつけているような安易な人間ですので、この鉢をいただいた翌日にシラフで眺めつつ、名前を考えると、

ブー フー ウー

 うーん、2匹だと「タローとジロー」で3匹だと「ブー フー ウー」なのか。
 まあ、それでもいいんだけど、他に「3」という数に相応しい名前はないのかね?「レッツゴー3匹」はなんて名前だったのかなあ?いや、そうじゃなくて、もっとさ〜、チェーホフの「三人姉妹」じゃ高尚すぎるしねえ、そもそも三人姉妹の名前なんて知らないよ。オリガ、マーシャ、イリーナだってさ(←インターネットって便利)
 そんなら、三匹の子豚チェーホフ風で「ぶーしゃ、ふーしゃ、うーしゃ」なんてどうだろう。

 などと真剣に悩んでいるうちに、ふと思いついた。
 そうだ!ゴキブリは「ミスター・アンダーゾン」と「エージェント・スミス」にしたんじゃないか!
 だったら、鉢植えはこれしかないだろう!

 というわけで、「ナタリー」「ディラン」「アレックス」になりそうです。

 でも、「ぶーしゃ、ふーしゃ、うーしゃ」も、まだ捨てがたい。

 名前が決まる前に枯れてしまうのではないかと心配です。
 実は、この梅雨のような天気で、鉢にカビが生えてしまったのでした。
8月19日(火)

 昨晩は10時には就寝して、今朝起きたのが8時だった。たっぷり10時間寝たわけだ。
 それにしちゃあ、いまいちすっきり目覚められず、「ああ、昼まで寝たい」と寝足りないのであった。

 涼しいので「春眠」に逆戻りしてしまったらしい。
 と、己のグータラを異常気象のせいにする。

 気象図を見ていると、梅雨どきよりも見事な梅雨前線が日本列島の真上を横切っているので、「ほんと梅雨みたい」と思っていたが、気象庁も「梅雨明け宣言の撤回」を考えているとか・・・

 でも、こういう夏って10年に一度くらいあるような気がする。前回は例の米不足のときだったっけ?
 私が中学生のときにも、雨ばっかりで部活の練習ができない夏があったような気がする。部活の練習嫌いだった私は、大喜びだった。

 台風がやたらと関東に上陸する異常気象や、全然雨が降らない異常気象や、東京が雪に埋もれる異常気象・・・・と、いつも思うのだが、「ふつうの気象」ってどういうのなんだろう?
 私も含め、みんな暑いと文句言うし、寒いと文句言うし、雨が続くと文句言うが、雨が降らなくて取水制限かかると文句言うし、乾燥すれば喉が痛いし、湿度があがると不快だし、四季おりおりの日本でも、ほんとに「ずっとこのままがいいな」と思える時期は短い。

 で、「異常気象ですなあ」と挨拶がわりに口にしてしまうが、涼しい夏を快適だと思っている。
 で、「また米不足ですなあ」と言っても、前回の米不足も飢えて死んだわけでもなく、ただブランド米が流通しなくなっただけで、あれがオイル・ショックのときの「トイレット・ペーパー騒動」と同じようなもんだったということを知っているので、「まあ、また、ああなったら、パスタでも食べよう。カリフォルニア米でも、タイ米でもいいし」なんて思っているので、呑気なもんだ。

 最も深刻な問題は、このまま高校野球の日程が遅れると、阪神がホームに戻れないということなのかもしれない。
 でも、もっと問題なのは、私はまだ噂のダルビッシュ君をちゃんと見ていないのだ。(美形なんですって?)
 Mちゃんに教えてもらって「しまったーーーー、最近、高校野球なんてチェックしてなかったよ」と慌てふためいているのであった。(あと、沖縄のピッチャーがなかなかだったらしい)
 で、慌てているだけで、昨日もダルビッシュ君のチーム(宮城代表・・・でも宮城はもう無くなったのでは?ああそうか、地震が起きたので復活したんだ))が逆転勝利したことまではネットでチェックしたのに、熱闘甲子園を見ないで寝てしまったのである。

 美形チェックよりも眠気が勝つらしい。

 と、また自分を発見してしまったりする今日このごろ。
 そういう日々の積み重ねの甲斐あって、あまりにも自分をよく知っているため、「自分探しの旅」に出る日は遠いだろう。

 というわけで、10時間も寝たのに、今日の午後も会社で眠気と格闘していたのだが、上司が「○○から来た内容証明どうしたっけ?」というから「ありますよ〜」と、その手の「税務調査が入ったら提出しなきゃいけなくなりそうな重要書類」(ちなみにその内容証明はうちの会社が連帯保証人になってリース契約していた会社がバックれたため、うちに肩代わりを要請してきた書類なので損金計上するためには重要である)を集めたファイルを見せてあげたら、上司は「あーよかった。なくしたかと思ったよ」と言うので、「自分が持ってたら絶対になくすから、ミヤノさんが管理してくれ」って言ったことすら忘れてるのね〜ん。モズのはやにえ(って、どういう字?)」、と思ったが、「じゃあ、××(そのバックれた会社)にうちから出した内容証明は?」って言うので、「いえ、あそこには内容証明では出してません。普通の書面でこれだけ立て替えてやったから月々返済しろって文書を出しました」と、同じファイルのすぐ隣りのページに差し込んであったのでそれも見せたら「ちょっと、これごと貸してくれ」

 まあ、そのためにちゃんと整理してあったので、役に立ってよかったが、上司はしばらくコピーをとったりFAX送った後に、「これだけ税理士に送ったから、丸ごと保管しておいて」「はい」「あと、これも、同じところにしまっておいて」と、上司が保管していた、その手の「困ったちゃん書類」を全部渡された。

 もー私って優秀すぎて困っちゃう〜〜〜〜〜

 と、眠気も一瞬覚めた太平楽である。いや、違うな、「平成の眠りを醒ます上機嫌・・・・・」下の句思いつきましぇん。

 基本的に私って前向きさんなんだよな。(お、いきなり自分探しの旅か?)
 前にも友達に「ミヤノちゃんて、ケストナーとかの少年少女文学に出てくる『いいとこ探し』な女の子みたい」と言われて「それはケストナーじゃなくて小公女セーラじゃないの?わはは」とか話したことがあったが、なんでそういう話になったかというと、彼女はとても繊細な神経の持ち主で、少しでも自分に不都合を与える人が耐えられないようだったので、そういうのに傷ついた話ばかり聴かされうんざりしたので「でも、向こうだって悪気があったわけじゃないでしょ」と片っ端から反論していただけだった。

 いちおう、励ましていたつもりだったが、要するに天邪鬼なだけである。
 で、わりと「人の悪口ばかり言う」という人は多いので、天邪鬼な私は必然的に「でも、みんな根は悪くないんだよ」と説いているうちに「前向き志向」を身に付けてしまったような気がしなくもない。

 だから「異常気象」などといわれていると、ついつい「そんなに異常じゃないよ」とフォローに回ってしまうらしい。
 気象だって、たまには「平年並み」(人間界で言う「人並み」)を外れて、ちょっとヤンチャしたくなるときだってあるでしょう。わかってあげようよ。オホーツクの寒気団だって、たまには夏に別のところに行きたくなるんだよ。太平洋高気圧だって、たまにはダレてみたくなるんだよ。偏西風だって、たまには寄り道したくなるんだよ。
 わかってあげよーよ。

 なんて書いていたら、また眠くなってきた。私が眠るとアルプスの万年雪が溶けると脅されても、私は眠たいときは眠るぞ。

 でも、洗濯乾かないから、ちょっとは晴れてくれないかねえ。
 と、人間とは自分の都合しか考えないのであった。
8月18日(月)

 昨晩、日記を書いてから「さあ、風呂に入るか」と思っていたら電話が鳴った。Mちゃんだった。
 少し前に暇だったときに電話したのだが、留守だったので「お盆近いから実家に帰ったか・・・もしくは・・・」と思っていたのだが、やっぱり「もしくは」の方だった。

 「電話貰ったとき、レアル観に行っててさ」

 よくチケット取れたねえ、と言ったら、獲得には相当苦労したらしく、ツテを駆使してなんとか手に入れたらしいが、なぜかレアルのチケットには漏れなくレッジーナのチケットもついてきたみたいで、なんか昔の人気ゲームの販売みたいな不思議な「抱き合わせ」であるが、MちゃんもTさんもレッジーナには興味がなかったようで、そのチケットはTさんのご両親が行ったそうだ。
 そーいや、Tさんの父上はW杯開幕直前の日本代表の発表のときに「サントスはショートコーナーばかりでつまらん。やはり俊輔みたに一発を狙わないと」などと発言し、「う、うちのオヤジまでがそんなことを言い始めた〜〜〜〜〜」とTさんを仰け反らせていた人なので、今だに俊輔が好きらしい。Tさん家では、W杯開催中にも、母上が急に「カーンの追っかけする」と宣言し、Tさんが必死に邪魔をしたという(カーンはもう成田に到着したと嘘をついた。あとで羽田に到着したとわかり、叱られたとか)、微笑ましい逸話が思い出深い。

 Mちゃんも「W杯効果がまだ残っているというか、あれで裾野が広がったっていうのを実感したよ」と言っていたのだが、レアルの試合を観にいく前に、パスポートの更新手続きのために都庁に寄ったのだが、受付をしてくれた職員がとても感じのいいオバサンで、なんか話しかけたくなるような人だったらしく、丁度、雨がぱらついてきたようだったので、
 「あれ?雨降ってきたんですかね?やだな〜今日、サッカー観に行くのに」
 と、呟いたら、
 「あら、サッカー?なんの試合を観に行くの?」
 と、食いついてくれて、
 「レアル・マドリッドの試合観に行くんです」
 とは言ったものの「やっぱ、ベッカムとか言わないとダメかな」と思っていたら、そのオバサンは近くにいた女性職員まで巻き込みはじめ、
 「あら、いいわね、ねえねえ、この人、レアル・マドリッドの試合に行くんですって」
 「あらー、うらやましい。私もフィーゴとか観てみたいわ〜」
 「あたしは、ジダンがいいと思うけどね」

 都庁の職員のオバサンたちが「ベッカム以外のレアルのメンバー」を知っているのである。まあ、テレビでもよくやっているので、それなりに興味のある人だったらレアルの選手を3人くらいは言えるだろうけど、それにしても、そんななんだ。
 「で、やっぱりスタジアムに行ったら、ベッカム・ギャルばかりじゃなくて、けっこう年配の人も多かったんだよ」

 なーんて話で始まり、私がフジロック行ってきた話をしたら、彼女も行こうとしていたのだが、苗場プリンスがすでに満室だったので、どうしようと思っているうちに、クーリエの仕事が入ったりして慌しくなり、忘れていたのだというので「でも、今年は雨に祟られたらしい」と言うと、「雨だとねえ」

 そんで、一通り、最近クーリエで行った所の話しを拝聴。ミシシッピ州都のジャクソンってところに行ったそうだが、「そんな街の名前初めて聞いたあ」「そうでしょ、私だって、友達にメールで『ミシシッピ州のシャーロットに行きます』って書いちゃったもん。なんか、名前な街だから混同しちゃって」

 ジャクソンはほんとに何もなくて、事前に観光局のサイトを調べたら「日産自動車工場への案内図」なんかが載っているだけだったらしいが、行ってみると東洋人などほとんどいなくて、てゆーか、街に人が歩いていなくて、車もまばらで(ダウンタウンらしいのに)怖くなってあまり歩けなかったそうだが、でもすれ違う人たちが皆とても気さくで、よく話し掛けられたそうだが、「でも、そもそも訛っているから何言ってるかわかんないし、だいたい、挨拶がハローじゃないんだよ」

 「なんて言うの?」
 「How are your doing?」
 「How are you? と同じなのかね?」
 「でも、いきなりそんなこと言われても、どう返せばいいのか悩んでさ」
 「Fine とでも言えばいいのか?」
 「観察した結果、How are you?って言われたら、How are you?でいいのと同じみたいでHow are your doing?では、How are your doing?と返せばいいらしかったので、そうしたらニッコリされたので、あれでよかったみたい」

 でも、みんな気軽に流暢な訛で話し掛けてきて、うっとおしかったので「人種差別してほしいと思った」そうである。
 ビールを買いにホテルから出たのだが、店が見つからず、だいたい開いている商店がほとんどないような寂れた街で途方に暮れていたら、車に乗ったおジイさんに「やあ、どうしたんだ?よかったら乗っていかないか?」と声をかけられ、しばし悩んだが、「どう見ても、大丈夫そうなオッサンだ」とMちゃん自慢の「野生の勘」で判断して、乗せてもらい、「実は、グロサリーショップを探している」と言ったら、「それならガソリンスタンドにあるよ」と言って連れていってもらい、その後またホテルまで送ってもらったそうだ。

 「う・・・・なんか、みんないい人そうだけど、とにかく暇で退屈してるんだね」
 「田舎なんだよね」

 帰りにまたヒューストン経由で帰ったそうだが、飛行機に乗り込むと「知り合いに会っちゃった」という人たちがいて、「うう、こんな光景、自分の実家あたりではよく見たが・・・・」
 そんで、ヒューストンの空港が史上2番目に「ダメな空港」で夏休みで混んでいて、旅なれない客がカウンターを占領し、スタッフの対応もトロくて、乗り継ぎに2時間かかったとかいう話を延々と拝聴した。

 そんで、ポーランドにも行ったらしく、ワルシャワは心の思い描いた「鉄のカーテンの向こう側」を見事に裏切るフレンドリーな市民に出会い、やはり皆、なんのためらいもなく流暢なポーランド語で話し掛けてくるので「いいから、人種差別してくれ」と思ったそうだが、最近は中高年向きパックツアーでも西欧制覇しちゃった「上級者向け」として「東欧ツアー」はそこそこ人気のはずなのに、まだまだ日本人が荒していないようなので、珍しいらしく、街中より英語が通じないという「こういう観光スポットが一番、東っぽかった」という王宮見学で遠足の小学生たちの熱い視線を浴びたとか、ワルシャワは第二次世界大戦で焼け野原になってしまったので、その後、旧ソ連の後ろ盾で復興した市街は「地図見て、1ブロックだと思って歩くと見事に騙される」という、「街中が官庁街」のような広い区画に整備されており、そっちは全然風情がないというか「あれを観て、やっぱ社会主義は肌に合わないと思った」そうだが、旧市街が残っており、残っているというよりも、市民が記憶を頼りに汚れや落書きまで丹念に再現したという後で作った旧市街だそうで、そこには人も住んでおり「あそこはよかった。すごかった」

 そんで、あとは「なんでドイツの主要都市である、フランクフルトやミュンヘンのトラムや地下鉄はあんなに乗りにくいのか」という話になったが、私もドイツはそれなりに旅行したけど、それほど困った記憶がないな。
 Mちゃん曰く「まず、英語表示が無い。そして、ホームに立っていてもいろいろな行き先の電車が来るのでさっぱりわからないし、もっとわからないのは、行き先表示がちゃんと書いてなくて、出発駅名が書いてあったりするんだよ」
 そーだたっけなあ?

 そんで、ヨーロッパに行くと、最近なぜか中高年男性一人旅を目撃するそうなのだが「なんか、そういうの流行ってるのかね?」「おじさんの自分探しの旅?」「でも、それに酔ってるのかなんなのか、なんか不審そうな人が多いんだよ」

 なんて話で数時間経ち、そのあと、ヨーロッパの酷暑やNYの停電話をしとしきりしてから、また「日本人って」の話になり「どうして駐輪場があるのに、わざわざその横に乱雑にとめるのか」なんて話をしていて、あと、妊娠中のAの話をMちゃんに聞かせたら「じゃあ、私も今度会いたいから誘って」なんて話をして、そのうちカリフォルニアの選挙の話になり、「日本も秋には選挙でしょ」なんて話をしていたら「そーいや、あの立候補した友達どうした?」「落選した。その前にケンカしちゃって、その後連絡無し」なんて話をしているうちに、電話が電池切れした。

 その後、シャワーを浴びて、4時ごろやっと寝た。
 今日は9時前に出社する「朝当番」だったので、3時間くらいしか寝られなかった。

 休み明けなので、電話も多いし、あれこれ仕事が多くて、眠気を忘れるほど忙しかった。
 でも、昼ご飯食べたらさすがに眠くなり、友達にもらった「ガラナ」をお湯に溶かして飲んだら、かなり眠気は覚めたのだが、休み前に上司が親会社と話してOK貰った見積書で請求書出したら、どうやら「内税か外税か」という話がちゃんとしてなかったらしく、上司に確認したら「もちろん外税」というので、その通りにしたら、親会社の経理主任がちょっと不満ゲで、あれこれ言われて、「じゃあ、上司と相談しますので」と言って、上司にその旨を伝えたのだが、上司もどうしていいのかわからないようなので、私としては「双方、内税で」とすればいい話なのだが、上司は、もはやそうするつもりもないようで、あれこれ話しているうちに、ガラナが切れてきたみたいで、地底に落ちるような眠気が襲ってきたので、5時半には会社を出た。

 昨日は睡眠12時間で、今日は睡眠3時間。平均6.5時間か。
 とにかく眠いので、今日は早寝して時差ボケを戻そう。
8月17日(日)

 ああ、よく眠れた。
 6時か・・・・・
 爽やかな夕方だ。

 昨日は、かみちゃんと食事してから車で出かける予定で、「じゃあ、かみちゃんちに8時に行くよ」と言っておいたのだが、7時に電話がかかってきて、「今起きたから、9時にしてくれ」
 ふふふ・・・・・予定通りだ。付き合い長いから、かみちゃんが予定時刻をどんどん遅らせることは予想しており、そのために時間を早めに設定してあったのだ。

 結局、ご飯を食べに行ったのが10時、その後、やはりかみちゃん故に物事はスムーズに進行せず、なぜか六本木に寄るはめになり、そしたら今度は高速の入口がわからなくなり、カーナビがあっても、かみちゃん道路標識見ないし、私は標識を見ても車線変更の仕組みがよくわからないために、六本木をぐるりと一周するのに30分くらいかかってしまった。
 都内はお盆休みのために道路はすいていたのだが、六本木交差点付近はタクシーの乗り降りが多いので、いつもほどではないとはいえ、かなり渋滞していたのである。

 かみちゃんはビビってしまい、「他の入口にしようか、渋谷とか・・・」と言い出す。彼女は高速が苦手で、新宿や渋谷ならなんとなくわかるらしい。「だめ、飯倉のほうが近いから、もう一回挑戦しよう。もしそれでも入り口見つからなかったら、六本木に戻らず、新橋まで行ったほうが近いから」と励まし、再度挑戦。

 飯倉入口はほんとにわかりにくかった。でも、なんとか無理な車線変更をしつつ、入ることができた。これも道路が空いていたからこそできたこと。
 高速に乗っても、標識を睨んでかみちゃんに「右側だ、湾岸のほう、レインボーブリッジに乗るんだよ!」と指示しないと、うっかり降りてしまいそうでハラハラする。
 そうしているうちにレインボーブリッジに突入し、美しい夜景に「わー、デートしてるみたいだね」なんて言って喜んでいた、30代半ば女性二人組であった。

 さて、新木場ランプで無事降りられて、新木場駅に到着。しかし、二人ともagehaの場所がわからない。かみちゃんは前に行ったことあるから大丈夫だと思っていたのだが、そのときは送迎バスで行ったようだし、私は初めてだったので道がわからなかったのだ。
 駅前に車を止めてかみちゃんが電話で確認している途中に、私はトイレに行きたくなったので、駅前にあった公衆トイレに行ってみると、駅から人がゾロゾロ歩いていた。
 車に戻って「みんなあっちに歩いてるよ」と言うと、かみちゃんも電話できいてわかったみたいで、どうやら駅前の道を真っ直ぐ行けばいいだけだった。

 もっと駅から離れているのかと思ったが、思ったよりも近く、芝浦のゴールドやジュリアナなんかに比べれば近いしわかりやすい道。しかし、駅前の交番前にはパトカーも待機している。アゲハができる前までは夜間は静かなところだっただろうに、急にこんなのができちゃって余計な仕事が増えたと思われ。

 そんで、てっきりこんな外れだから駐車場くらいあるのかと思っていたし、アクセスマップにも「車で来る場合」なんてゆーのがあったので、OKだと思っていたのだが、少しは駐車スペースがあるのか、それとも今日は混んでいるからいっぱいになっちゃったのか知らないが、周辺はびっちり路駐されている。
 整備員が出ていて、「人のうちの入り口に駐車しなければ警察も見逃すけど、絶対に入り口にとめないように。そうすると、苦情が出て、他の車にも迷惑がかかる」とのこと。たしかに、夜中でも大型車が出入りするような工場や配送センターがあるようだ。でも、お盆休みのためか、今日は閑散としていたけど、でも警備員さんが教えてくれた方向の行くと、そこはまだ路肩が空いていたので、なんとか駐車した。店から10分くらいで、まあまあの場所。でも、早めに来てよかった。これ以上遅い時間になったら、もっと遠いところになってしまっただろう。

 教訓:電車で行ったほうがラク

 やっとのことで入口にたどり着く。
 うっかり身分証明書を忘れてしまったが、かみちゃんは免許を持っているし、店員にも「すいません、でも、どう見ても20歳以下には見えないかと・・・」と言ったら、「まあ、それはわかるんですが」と言われたが、すんなり通してくれず、やきもきしたが「次回から気をつけてください」となんとか通してくれた。やはり日本も「免許持ってない証明書」を発行してほしい。「外人登録証」を日本人にも発行してくれ。

 で、中に入ると、クロークがあって、その奥がボディ・チェック。上着が入ったリュックは中に持って入ろうとしたけど「大きな荷物はなるべく・・・」と言われたので、仕方なくクロークに預ける。
 外国みたいに、ほんとに体まで触られた。(女性職員が待機)

 というわけで、中に入れたのは12時半ごろだった。ちょうどよかったかなというかんじ。
 中はかなり混雑していたが、広いので、それほどギューギューというわけでもない。入口に入ると広いバースペースがあり、そこれケン君を発見した。やーやーと手を振ってから、メインフロアに移動したが、ギューギューってほどでもなかった。
 とりあえず、奥のプールスペースまで探検してみて、そこでビールを飲んで、一息いれたが、まだ雨が降っているので、せっかくの海に面したテラスにあるそのスペースも座ってゆったりできない状態。

 ビール飲み終わったら、メインフロアに戻る。丁度1時くらいだが、DJブースが高いところにあるので、誰がDJしているのかわからない。お立ち台があって、ゲイダンサーが踊っていた。
 フロアに入ってみることにしたが、やはりそんなに混んでいないし、ハウスの客はトランスみたいにギスギスしていないので、人を押しのけたり、周囲を無視してドカドカ踊るやつがいないので、なんか快適。

 そのうちに、音が変わって、ブースを見るとなんとなく外人がいるようで、「ヴァスケスになったかな」(後で、タイムテーブル見たら23時からヴァスケスになっていたが、でもそれまではトランスっちいのがかかってたんだよなあ)
 フロアの奥のほうが空いていたので、そっちに移動して、踊っていたが、いまいちマッタリとした感じで冴えないので、「こんなもんなのか?」と思っていたのだが、2時ごろになったらだんだん凄くなってきた。

 思ったよりもガラージュっぽいのは少なくて、わりとテクノっぽい、かみちゃん曰く「やっぱ白人のハウスDJってあんまりファンクじゃないよね」
 たしかに、もっとファンキーな感じを予想していたのだが、4時くらいになったらかなりソウルっぽいのを掛けはじめたけれど、2時間踊りっぱなしだったので、かなりくたびれてきた。

 5時ちょっと前くらいに「もういいか、わかたっしね」と店を出る。雨は止んでいて、気温も昨日ほど低くなく気持ちいい朝。「まあ、よかったよね。中盤けっこうハマれたし」「そうだね」「それに今までは1万円とかだったのに、今回は5千円だったしお買い得だったよ」
 と大変満足いたしました。

 帰りもカーナビに導かれて、今度は簡単に高速にのれて、レインボーブリッジじゃない日本橋ルートで渋谷で降りて、三軒茶屋で下ろしてもらった。車だと帰りがラクだな。
 コンビにで食料と飲み物を買って家に帰る。今日も天気が悪くてよく眠れそうだ。
 家に着いたらまだ6時前。CD聴きながら漫画読んでゴロゴロしていたが、そのうちに眠たくなってMasters at workのCD掛けっ放しで寝てしまった。

 で、起きたら6時だったというわけ。
 またしっかり時差ぼけだ。 

 しかし、あのハコは今度どういう展開をするのだろう。かなり広いので維持費もかさみそうだし、たしかに音響はよかった。でも水周りが弱いみたいで、オープニングのときもトイレが壊れたなんて話を聞いたが、今日も4時くらいにトイレに入ったら水が流れなくなっていた。フジロックの簡易トイレかっちゅーの。あれだけ客が入ると、タンクが間に合わなくなるのだろうか?洗面台も1個しか使えなくなっていたし、なんか変。

 まあ、都心からは外れているとはいえ、JRと地下鉄の境目駅だし、交通の便はそれほど悪くもない。駅からも近いし。
 でも、あれだけのキャパを埋めるとなると、ヴァスケスくらいの大物を呼ばないと無理だろうし、そうなると、ゴールドやジュリアナがやったように、「あそこに行くと何かがある」というような付加価値というか幻想というか、まあジュリアナは実際、客がお立ち台で激しく踊るのが名物になったわけだし、でも、今のところ、ゲイナイトやったり、トランスもやったりと、「ハコ貸し」みたいなノリになっているので、今後どういう展開するのかな。

8月16日(土)

 今日の午前中まで雨が降るという予報で、たしかに10時ごろ目を覚ましたら外は明るくなっていたので「雨止んだな」と思っていたのだが、寝なおして昼頃起きると、また雨が降っている。
 ということは、木曜日から3日間降り続いているわけで、梅雨でもこんなに降り続くことは珍しいのに、いったいどうしたんだろう?やはり異常気象か?地球が泣いているのかな?(笑)ヨーロッパは乾ききっているらしいので、バランスとれているのかもしれない。

 最近、隣りの席になって仲良しになった火星と地球の会話。

地球 「なんか、最近お肌の調子が悪いの〜」
火星 「え?そう?地球ちゃんのお肌ってしっとりしてていいなって思うんだけど」
地球 「それが、口の周りとか、ほっぺたは乾燥してて、鼻とかおでこがテカるから、もー、化粧水選びが大変だし、化粧直しも大変よー」
火星 「わたしなんて、全部乾燥肌だから、いっくらクリーム塗ってもだめなんだよー」
月  「あたしなんて、ニキビ跡ばかりで悩んでるんだしー」
地球 「最近、お肌になんかカビみたいのができてて、それが原因かと思うんだけど」
月  「あー、そのカビって空気感染するでしょ!この前、私のニキビ跡にもできたよ。すぐ消えたけど」
火星 「そのカビってねえ、しっとりお肌にしか生えないらしいよ。私みたいな乾燥肌だとダメみたい」
月  「でも、地球ちゃんの隣りに座ってると、感染するよ。」
火星 「うっそ、マジ?」
月  「うそじゃないよ。教室の端っこくらいまでは飛ぶみたいなんだよね、そのカビ」
火星 「やーだー、どーしよー」
地球 「えー、私のせいなの?ごめんねー」
月  「でも、そのカビって、暗いところで光るじゃん?あたし、地球ちゃんの裏側見てるからわかるんだけど」
火星 「夜光性なの?すごいじゃん!」
月  「でしょ?だから、油&乾燥の混合肌くらい我慢しなよ」
地球 「そうかなあ・・・そうかも」
火星 「いいなあ、私もしっとりお肌になって、カビ生やしたい〜〜〜〜」
地球 「でも、火星ちゃんも昔はそんなに乾燥肌じゃなかったって噂聞いたけど」
火星 「うっそ、マジ?」

 などという会話を想像しながら火星大接近を鑑賞したいとカビの胞子は思っているわけでありますが、ペルセウズ座流星群との夢の共演も予期せぬ長雨のため中止ですね。
 ちなみに私も鼻の頭は「アラビア半島か?」ってくらい原油の産地ですが、ほっぺたはサハラ砂漠の混合肌です。

 昨日すでに、首都圏の電車の運行に支障があったようだけど、これだけ降り続くといくら市街地といえども地盤のゆるいところは心配であろう。

 関係ないが、キーボードの「A」がバカになって時々戻らなくなり、「ああああああああああ」と暴走する。まるで私が苛めているみたいで不愉快である。(「悦んでいる」と解釈できないこともないが、私はそこまで変態ではないつもりだが、こんなことを書いてしまうということはやはり・・・「私の小指で歓喜の呻きをあげるいけない団地パソコン」か・・・・やめれって)ときどき意味不明の「あ」が挿入されているのは、そういう理由です。

 ニューヨーク大停電は無事復旧したようだ。
 やっぱり楽しそうだった
 写真や映像で観る「光り輝かないマンハッタンと夕焼け」は、たいそう美しかった。生で観たら感激ものだろう。滅多に観られるものではない。

 夕方になっても雨が止まないが、今夜は夜遊びに行くのである。奇遇にもFrom NYなジュニア・ヴァスケス(世界1ギャラが高いDJという噂。飛行機嫌いで一人で飛行機に乗れないらしく、ガールフレンドや友人を大量に引き連れてくるので、その飛行機代や宿泊費がかさむらしい)。ヴァスケスは大停電を見逃したわけだな。
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