可燃物な日々

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4月30日(水)

 連休の谷間だからなのか、なんとなくテンション落ち気味。
 他部署のプレゼンを拝見したりしていたので、仕事もあまりしなかった。

 そんで、「10年来の友人」と「周恩来の友人」は似ている、とか思っていた。

 道端や庭先で咲いている、ツツジの花が、ブーゲンビリアみたいできれいだ。と、書くとツツジにひつれいだが、でも前はあんましツツジって好きじゃなかったんだけど、南国に行ったときにブーゲンビリアの花がきれいで「あ、ツツジみたい」と思ってから、ツツジが好きになった。
 昔のツツジって、もっと白とか赤で小ぶりな花が主流だったけど、最近はブーゲンビリア風の華やかなのが多いような気がする。

 そういえば、ベルバラに「ブーゲンビリア夫人」てゆーの出てこなかったか?
 うーん、検索してもヒットしない。私の勘違いか・・・・

 あのころ(小学生だったとき)は「ブーゲンビリア」がどんな花だか知らなかったな。
 ちなみに、アンドレのおばあちゃんは「マロン・グラッセ」という名前だったが、それもなんだかわからず、「変な名前」と思っていたが、近所の友達のお母さんが「とても高級なお菓子なのよ」と教えてくれた。それからしばらくして、クローバーのマロン・グラッセを食す機会に恵まれ、「こ、これがあの!」と思ったが、あまり美味しいと思わなかった。前の会社でも、今の会社でも、ときどきお客さんが持ってきてくださるのだが、どうも私には甘すぎで、あれを食べると脳みそがツーンとするような心地になる。

 花の名前に戻ると、やはり小学生のときに「しりとり」をしていたら、「ぽ」でドンヅマってしまったら、やはり傍らにいた友達のお母様が「ポインセチアは?」と助け舟を出してくれたのだが、子供一同「なんじゃそりゃ?そんなの知らないよ、変な名前〜」と言っていたが、それからしばらくして(10年くらい後)、クリスマスの時期になると花屋の店先を占領するようになった。

 そう考えると、昔はハイカラ(死語?)だったものが、だんだん当たり前のものに成り下がっていったんだな。

 ふと、記憶が甦った。「ブーゲンビリエ夫人だったかも?」
 大当たり。カルトクイズ上級編らしい(笑)

 なんかイマイチ調子悪いのは、昨日の嵐のような風のせいで、なかなか寝付けなかったからかもしれない。今日こそ早く寝よう。  
4月29日(火)

 休み。と言っても、祝日だからではなく、有給休暇とったのである。
 いつも、月末付近は比較的暇なのだが、ここしばらくは溜め込んだ新規業務の伝票打ちのために、なかなか暇を堪能できなかったのだが、4月からはそれをハイジに丸投げしたので、やっと有給休暇を使えるわ。うれしー。
 そのキモチはハイジにもちゃんと伝えておこうと、
 「いままで、日曜とかに一人で出勤して、その仕事やってたんだけど、A君がそれをやってくれるようになったんで、ミヤノさんやっとお休みがとれるわ〜。A君が来てくれてほんと〜〜〜〜によかった」
 と言ったら、ハイジはちょっとヤな顔してました。
 面倒な仕事ばかり押し付けられているらしいと、感づいたのかもしれない。
 でも、あたしが抱えてるのって、面倒な仕事ばっかなんだもん。しょーがないじゃん。

 それに、その会社は「やればやるほど赤字が増える」ので、繊細な私は伝票打っているだけで落ちてしまうのだが、ハイジはまだ入力するのに必死なので、そこまで考えている余裕がないらしい。
 赤字会社を人に押し付けて、ここんとこの私はボエエエっとしているのでありました。夏の決算のときだけがんばろ。

 せっかくの貴重な祝日であったが、「男性のコブシ大の子宮」から出血していたので、ダラダラ寝て過ごす。
 ダラダラしていたら、遠くで右翼の街車が叫んでいる音がした。(たぶん、246か、環7をパレードしていたのだろう)
 さいきん、あんまし右翼の街宣車みかけないので、珍しいな、と思ったのだが、よく考えてみたら今日は「元・天皇誕生日」だったのね。忘れてました。(それを思い出させるための街宣車なわけだから、目的は果たしたわけだ)

 昼間もほとんど寝ていたのに、夜になってまた眠くなってきた。寝てばかり。

●今日の呪文

 昔はたくさんの呪文を暗記していたが、年月とともに、そういう呪文が私に断りもなく勝手に「遺伝子組換え」してしまうというのは、先日の「じゅげむゲノム」でも書いたが、「あり おり はべり いまそがり」なんてゆー呪文も、ずいぶん失ってしまったように思える。

 そもそも「あり おり はべり いまそがり」が何の呪文かもよくわからなくなっているので、今日は暇だったので調べていたのだが、どうやら「ラ行変格活用」という呪文らしい。ああ、「こ き く くる くれ こ」も懐かしいなあ。君たち、元気にしていたかね?(20年ぶりに同窓会が開かれたような気持ちになっている) 

 あれ?「かつ かろ く い い けれ ○・・・・・」ってのは?
 あ、「かろ かつ・・・・」が正解か、しかもこっちは「古文」ではなく「現代文法」らしい。

 中学生のころ暗記したものと、高校生のとき暗記したものがごっちゃになっている。

 古文の活用のほうが、「呪文度」が高くて好きだったんだよね。
 「く から く かり し き かる けれ かれ」
 試験の前とか、みんな耳ふさいで思い思いに「くーからくーかり」なんてブツブツ言っていたので、楽しかった。

4月28日(月)

●意識不明瞭の重態

 朝起きたら、ものすごく頭が痛かった。
 うわ、昨日飲み過ぎたからか?と、思いつつ、ズキズキと痛む頭に手をやると「アタタタ・・・・」

 二日酔いによる頭痛ではなくて、外傷による痛みであることが判明。

 「そーいえば・・・・」
 昨日、飲んでたお店は、トイレの入り口が「くぐり戸」になっていて、まだ酒を飲む前にトイレに入ったとき、手を洗ってから出ようとしたら、思いっきり頭をぶつけてしまったのだ。「シラフでこれじゃあ、飲んだ後が思いやられる」と思っていたのだが、すっかり酔っ払った後にトイレに入ったときにも、また「ゴーン」とやってしまったのである。
 しかし、酒は人の感覚を鈍らせるので、シラフでゴンしたときには、それなりにガッカリしたのであるが、酔っ払ってからゴンしても「あら、また打っちゃった」とけっこう平然としていた。

 同じ場所を最低2回は強打したので(もっと打ったかもしれないが、忘れている)、そこがすっかり腫れているようだが、コブはできてないみたい。
 と、頭の無事を確認してから、でもやっぱりちょっと二日酔いだ。やはり日本酒とワインを交互に飲むのはよくなかったと反省。手に届くところにある酒を片っ端から飲むのはやめよう。
 喉が渇いていたので、水分補給をするために冷蔵庫を開けたら、「ココナッツ・ミルクセーキ」という謎の飲み物が冷蔵庫の中でおすまししていた。

 「なんじゃ、こりゃ?」
 こんなものをいったいなんで買ったのか、必死に記憶をたぐりよせるが、さっぱり思いだせん。
 最近、酒を飲みすぎると、正体を失うようで、「第二の人格」が現れて、ゴミ箱を破壊したりして困っていたが、「第二の人格」は「ココナッツ・ミルクセーキ」が好きなのだろうか?他にもコンビニで変なものを買っていたりはしないか、と冷蔵庫をじっくり眺めてみたが、これ以外には変なものは買ってないようだった。一応、飲みすぎ対策としてアミノ酸ドリンクも買っていたようなので、それを飲み干す。

 それで、また昨晩のことを思い出そうとするが、どうも後半の記憶がかなり欠落しているようだ。
 居酒屋コース料理の「高菜飯」みたいのを食べたまでは憶えているが、そのあと確か「デザートです」となんか持ってきたような気がしなくもないし、「あ、デザートだぁ!」と我先にと手を出したような朧げな記憶があるのだが、それがなんだったのかさっぱり思い出せない。

 「あ、そーいや、金払ったのかな?」と思って、慌てて財布を確認すると、5千円札が無くなっているので、支払いはしたようだ。でも、どうやって帰ったのか、あまり憶えてないぞ。それでもちゃんとJRではイオカード使って、東急線ではパスネット使えていたのか?一緒に帰った方にご迷惑をかけてなければいいのだが・・・・
 そもそも、飲み屋ですでに「第二の人格」に乗っ取られていたようなので、トイレに行くときに隣の人を踏んづけて破壊してたりしてないよな・・・・・・

 ああ、こうやって、年をとるにつけ、ほんとに父親クリソツになっていく自分が怖い。
 昔、父が正体不明になるまで酔って帰ってきたので、母が怒って、小遣いを没収してしまおうと思って父の財布を開けると、そこにはなぜか数万円入っていたので、「なんのために、こんなにお金を持っているのか知らないが、えーい、抜いちゃえ」と万札を全部抜いてしまったらしい。
 あくる日は確か土曜日か日曜日の休日で、昼頃に父に電話があり、どうも昨日一緒に飲んだ人も父に負けじと酔っ払っていたらしく「自分はお金を払っていなかったようだが、どなたが払ってくれたんでしょう?」という用件だったようで、それで父も全然記憶がないから、財布を確かめると、あったはずの数万が消えているので「たまたま用事があって現金持ってまして・・・それが無いから、どうやら私が払ったらしいです」とか言っていた。

 電話が終わったあと、母が「お父さん、ごめんなさい。実は・・・・」と隠したお金を見せると、父はびっくりして、さっき電話くれた人に電話かけて「払ったのは私じゃありませんでした!じゃあ、○○さんが払ったのかな?」としばらくあっちこっちに電話をかけて「誰がお会計をしたのか?」で大騒ぎになっていた。
 母と娘は、その電話のやりとりを「酔っ払いってほんとにダメね〜」と面白可笑しく拝聴していたのだが、そういう「反面教師」の教訓が全然生かされていない。これはやはり遺伝子が悪いのだろうか?

 で、昨日のことをさらに遡ると、飲み会に行く前は、池袋西武で「山形浩生先生講演会」を聞きに行っていた。「たかがバロウズ本。」発行記念講演会である。
 リブロの上の階にある、カルチャーセンターが会場で、エレベーターには女性が沢山乗っていたので、「山形先生にも女性ファンがたくさん・・・・」と思いきや、カルチャーセンターには沢山の教室があり、女性たちは「習い事」の生徒さんたちであったようで、どこかの教室に吸い込まれていき、私は「木目込み人形」や「パッチワーク」が展示されているロビーを彷徨ってしまった。うろうろと一周していたら、親切な方が声をかけてくださり、「会場あそこですよ」と教えてくれました。ありがとー。

 開演(?)15分くらい前であったので、席はまだ半分くらいしか埋まっていなかったので、やや後ろに座っていたら、山形先生(司会の人がセンセー、センセーと繰り返すもんだから・・・・)はすでにプロジェクターの準備をなさっていて、なにやら接続コードを手にして、「ホっホっホっ」と高笑いをしていたが、私の後ろに座っていた男の子たちが「すげえ、サウスパーク・ネクタイだよ」とか喋っていたので、どれどれとネクタイに目をやると、ほんとーだ。すげえ(笑)
 あんなネクタイを「センセー」と呼ばれるような場で堂々と締めているセンスも凄いが、それよりもなによりも、「似あっている」ということが凄い!間違いなく「サウスパーク・ネクタイが日本一似合う男」であろう。GQも書評なんて依頼している場合ではなく、グラビアで使うべし。

 で、講演の内容はというと、概ね本の内容をなぞったものであったが、「バロウズ御大ご出演のナイキのCM」というお宝映像も紹介してくれた。バロウズ御大よりも、それが「エアマックスU」のCMであったことがグっときた。「エアマックス狩り」とかありましたよね。
 あのころ、DJの友達が台湾に呼ばれて、友達も大勢ツアーを組んでついていったのですが、その団体が現地で熱心にやっていたのが「スニーカー購入」であったようで、私の女友達もその熱に浮かされて、「これを日本で売れば儲かる」とか言って、一足だけ買ってきてしまい、それが思うようには売れなかったようで、「ミヤノさん、サイズ合ったら買わない?」と持ちかけられたものの、サイズが違ったのでパスしましたが、買った本人も自分のサイズじゃないのを買ってしまったようで、しばらく不良在庫になっていましたが、やっとサイズの合う友達を見つけ、原価で譲ってました。
 そーいや、彼女の家に遊びに行って、というか飲んでて朝になって転がっていたら、宅配便屋が来て、なんの荷物かと思いきや「これも、そのうち高値になるかと思って」と、ACミランの限定発売SWATCHだったな。「なんで、自分が興味もないものに投資すんの!」と叱ったが、彼女のなんちゃって投資癖はその後もなかなか治らなかった。

 話が逸ればした。
 「たかがバロウズ本。」では、山形さん相当遊んでて、(てゆーか、マジで遊んだ痕跡を本で残したんだと私は思っていた)、たとえば、「カットアップの中での面白いフレーズの出現率」というのをやっていたのだが、講演では、それに対する「マジな質問」が「3通ほど来た」と言っていたが、その質問というのが「面白いフレーズってどういう基準で決めるのか?」

 私もそう思いましたけど、明らかにギャグでやっているとわかったので、わざわざ問い詰めたりしませんでしたけど、みんな真面目なのね〜(「みんな」って、たった3人か・・・・)
 てゆーか、あの本はそれなりに面白かったけど、そういう「お遊び」なかんじがわかってしまうのがちょっとモノ足りなくて、そういう「文芸評論をもっと数値化してやってみばした。経済モデルっぽくするとどうだ!」みたいなところをもっと徹底的にマジっぽくやってもらえれば、「完全なる真空」みたいな「そもそもバロウズなんて作家いないけど、全部架空の文芸批評ですのん」みたいな感じになって、面白かったと思うのだが、そこまで徹底してやれなかったあたりが甘いと思った。
 でも、その「甘さ」というか、「もっとちゃんとバロウズ批評してくれる人、出ないかな?」という上目遣いが山形氏のバロウズに対する愛なんだとも思ったけど。

 などと文句言ってる私はなんだといえば、バロウズの「ショットガン・ペインティング」も実物観ましたよ。
 あれって確か、渋谷の西武のギャラリーでやってたんで、行き易かったというのもあったけど、フロアの中央に、あの、なんちゃらライト(格子状のカバーがかかっていて、それがクルクル回ると怪しげな光線を放つ)も展示されてて、そこに胡座かいて居座って、じっとその光を見ている革ジャンの若者がいて、「君、君、そんなもんいつまで見てたってトべないよ。爺さんは、クスリ使ってたんだからさー」と思いましたが、(つーか、あのライトは、あれで「飛べる」ものではなく、「飛んじゃってから」観るとかなり楽しいと推測できる。ジャンキーな方々は光ものが大好きだ)それからしばらくして、麻布の交差点の近くに、「Jトリップ・バー」が経営する「バロウズなクラブ」が出来て、たしか、元フールズ・メイトの編集者かライターが関わっていたような気もするが、そうそう「エンドマックス」って名前だった、あそこの階段のところに、あのライトが設置されてて、友達と遊びに行ったときに「これ観てると眠くなるね〜」なんて喋ってたっけ、あのころは、「ヴォーギング」(マドンナがプロモビデオでも披露していた)が流行ったときで、フロアで踊っている人たちが皆ヴォーギングしてたんで楽しかったな。あれは笑えた。

 そんで、ラウンジには、バロウズ先生の「ありがたいお言葉」を刻んだプレートなんかが飾ってあって、「なんじゃ、ここ?」と思ったりしたりして、あの店もすぐなくなったけど、でもあのころ「ビデオ・ドラッグ」なんてゆーのも流行って、「じっと見ていたら涙が止まらなくなった」とか言い出す奴もいて、「そりゃ、ビデオをじっと凝視してたら目が疲れて涙出てくるわさ」とか思ったが、「シンクロ・エナジャイザー」とかいう、光がチカチカして、それで飛べるとかいう怪しげなシロモノも出たし、そーゆーものと、バロウズの小説が同列に扱われるような時代を生きてきた人間としては、「バロウズの小説をちゃんと読んでみましょー」と、今更正論を言われると、「すいません、すいません、すいません」でしかないわけです。

 でも、そんなへなちょこバロウズ・ファンであった私にも夢はあった。
 バロウズ先生とお話しする機会があったら、「ナイス トゥー ミーチュウ」などとは言わないで、「ハウ ドゥ ユー ドゥ?」なご挨拶をしようと、ずっと思っていたのだ。あのお声で、ゆっくりと、「ハウ ドゥ ユー ドゥ?」と、言われたらシビれる、と勝手に想像していたのである。

 あのクルクル回るライトで、α波出していたような、かつてあのあたり(どのあたり?)に沢山いたような人たちは今はどこにいるのだろうか?
 それとも「沢山いた」と思っていたのは単なる私の誤解だったのだろうか?
 よくわかんないけど、今になってちょっと孤独感を感じているのである。


 私が酔っ払って頭をゴンゴンしている間に、B君はやっぱり落選していた。
 市会議員になるのもなかなか難しいのね。
4月26日(土)

 蒸し暑い。
 昼ごろ目が覚めたが、「白い稲妻」対策として、まだ下剤を飲んでいたので、トイレが頻繁になってしまいゴロゴロしてた。
 その甲斐あって、白いものは全て排出したようである。
 暑いしダルかったので、午後はずっと漫画読んで過ごした。「動物のお医者さん」と「いつもポケットにショパン」を全部読んでしまった。しばらく「絶対安静」だったAに宅配便で送った漫画1箱であったが、奴が今度引越しをするので、送り返してきたのだが、まだ箱に入ったまま放置されてて、今日こそ片付けようと思ったのだが、ついつい読んでしまったのである。ありがち。

 「カバン持ち」でさらに思い出した話しを少し。

 同じフロアにいるT部長は私の天敵であるが、現在は別事務所の長であるK部長もちょっと苦手な人物である。でも、普段あまり近くにいないので、それほど気にならないのであるが、K部長はこっちの事務所に会議などで来ると、なぜか総務にカバンを置いていく癖がある。
 カバンくらい会議に持っていけばいいと思うのだが、なんでわざわざ置いていくのか謎。他にそんなことする人はいないし、それにK部長はわざわざ邪魔なところに置いていくのだ。一度、私がちょっと席を外してから戻ると、私の席の椅子にカバンが置いてあったことがあった。休みの人の席ならともかく、なぜ明らかに在席している人の席にカバンを置いていくのか理解不能。

 でも、たぶん、無意識でやっているのかもしれないが、カバンはK部長にとっての「存在証明」というか、「オレ、今日はこっちにいるから」というアピールらしい。

 くどいようだが、男性は貴重品を背広の内ポケットなどに入れていることが多いので、「カバン」というのは書類入れになっている場合が多く、そのために女性のハンドバッグとは別の「記号」になっているような気がする。財布や化粧品や時には生理用品が入っている女性のカバンはお店で「お預かりしましょうか?」と言われても預けられないことが多いと思う。

 そういえば、昔、同僚が悔しそうに話してくれたのだが、同僚が女友達から「友達の男の子と飲もう」と誘われたので、ついていったら、その男の子は車で迎えに来て、「六本木にいい店があるからそこに行こう」と車で六本木に向かった。
 その時に彼が「車の中、散らかってて狭いから、荷物はトランクに入れてくれ」と言うので、大した荷物も持っていなかったが、トランク開けてそう言われたので、中に入れたのだが、お店の前について車から降りたときに「トランク開けてくれ」と言ったら、
 「いいよ、いいよ、女の子にお金なんて出させないからさ。帰りも家まで送るし」
 と言われたので、そこまで言われたのに「どうしても荷物出せ」とも言えなくて、そのまま「ちょっと駐車場に車入れてくるよ。この辺、路駐に厳しいからさ」と彼が去っても素直に二人で待っていたそうだ。

 10分待っても、20分待っても、彼は戻ってこなかった。最初は「なかなか駐車場が見つからないのかな」と思っていたそうだが、その男の子の友達である子のほうがだんだん青ざめてきて、30分過ぎても戻らないので、「これは騙された」と思ったそうだが、私の同僚よりもショックを受けていたのは、その友達のほうだったのは明白なので、その友達に「大丈夫、私のバッグ、お金も大して入ってなかったし、そんな大事なものなかったから」と慰めていたそうなのだが、それにしても、当時20代そこそこだった、給料も安い女性二人の荷物をそんな方法で持ち逃げするほど、その男の子は金に困っていたのだろうか?

 もちろん、今よりも「車上荒らし」なんかがマイナーだった時代の話しではあるが、今だったら車に貴重品置きっぱなしというのは、玄関に鍵をかけないで外出するのと同じくらい軽率な行為であるが、でも、その話しを聞いた当時に私が得た教訓は「貴重品の入ったカバンを絶対に身から離してはいけない」ということだった。
 女性の場合には、たとえ財布だけ身につけていても、バッグを盗まれると痛い。
 私の友達が、バスで旅行したときに化粧ポーチをなくした。どうも、バスの中で化粧直しをしたので、そのときに落としたらしいのだが、後でバス会社に問い合わせても見つからなかったのである。
 「もー、超ブルーですよ」
 と嘆いていた。
 化粧品っていうのは、一気に買うこともなく、少しづつ買い足していくものなのだが、1つ1つは数千円でも、「ファンデーションもチークも口紅もマスカラもアイシャドーもアイライナーも入ったポーチだったんで、あれを全部買い直すと、けっこうな金額になった」そうだ。単純計算しても2万円は下らないだろう。
 財布に入っている現金よりも絶対に高額だったりする。

 そういうわけで、私はわりと「貴重品管理」には慎重なのだが、でも例えば友達と食事しているときにトイレに行く際には、席にバッグを置いていく。でも、映画館に一人で行ったときに、休憩時間にトイレに行くときには、場所とりは上着などにお任せして絶対にカバンは持って行く。
 昔、タイに一人で行ったときに、アユタヤの安宿で友達になったタイ人の女の子がいた。ノイという子で、普段なにやっている人かよくわからなかったが、宿のスタッフとも顔見知りみたいだったので、それほど怪しい人でもないようだったが、「夜、暇だったら飲みにいかない?」と誘われたので、暇だったからついていった。
 連れていかれたのは、彼女の友達が演奏しているライブハウスというか「生バンド付きレストラン」のようなところだった。

 暇にしていたので、ついていったが、「でも、けっこうお金とられるのかな」と警戒もしていたが、メコン・ウィスキーを飲んで、フルーツが載った皿も出されたが、初日は無料だった。
 それで、翌日もまた一緒に同じ店に行ったのだが、途中でトイレに行きたくなり、私はちょっと迷った。
 旅行中であったので、デイパックを背負っており、その中に財布とカメラが入っていた。私は旅行中は財布にはそれほど現金を入れず、腹巻きに入れてあるのだが、それでも日本円で数千円くらいの現金は財布に入っていた。日本では居酒屋の2時間で散財するような額であるが、タイではもっと使いでがあるだろう。少なく見積もっても5倍くらいの価値。数万円か?

 トイレに持っていくには不自然な荷物だし、置いていくのもちょっと不安。昨日今日知り合った怪しげなタイ人女性を信用してもいいのだろうか?
 でも、昨日と今日、ずっと一緒にいて、けっこういい人みたいだし、ここで荷物を持ってトイレに行くのは「信用してない」という表明みたいだしなあ。と、私はメコンでほどよく酔っ払っていたので、こんな些細なことで迷っていたのであるが、「でも、いいや。たいしたもん入ってないし、盗られたらあとで後悔しよう」と思い立ち、手ぶらでトイレに向かったのである。

 結局、荷物は無事だった。
 そして、その夜、メコンを飲み干してしまい、彼女が「もっと飲む?」というので、「うん」と言うと、「実は私はお金無いのよね。悪いけど、あたなに払ってもらっていいかしら?」と言うので、「いいよ」と承諾したのだが、「すごいボラれたらどうしよう」とも思ったが、彼女の提示した金額はそれほど高い金額ではなかったので、昨日はタダ飲みしたわけだし、そのくらいだったら妥当だと思って気持ちよく払った。たしか、200バーツだったと思う。バンコクで、中央駅から街の中心部(バッポン通りとかあるエリア)までトゥクトゥクで100バーツくらいの頃だった。

 なんか「カバン持ち」とは違う話になってしまったが、女性の場合は貴重品管理が悩みである。最近の洋服はポケットが無いので、どうしても財布をバッグに入れることになるので、スーツの内ポケットが羨ましい。
 私はクラブに行くときには、絶対にポケットのある服を着て行くのだが、おシャレをする女友達は貴重品管理にいつも困っていた。「だから、ジーパンで来い!」と怒っていたが、あるとき女友達が財布を手で持っていたので、「じゃあ、私のポケットに預かってあげるよ」と言ったら他の子も「私のも〜」と言うので、たまたま沢山ポケットのあるパンツを履いていたので、他人の財布を三つも入れていたこともあった。
 けっこう重かったが、「ポケット無いから財布を手持ち」していた友人が、トイレに財布を置き忘れて盗まれたということもよくあったので、「なんで、ヒラヒラのミニスカを履きたいやつらのために、私が犠牲になってるんじゃ」という気持ちもあったが、財布を盗まれる悲しさもよく知っていたので(小学生のときにスリに合ってドップリ落ち込んだ経験あり)、我慢して持ってあげたのであった。

 だから、よくAなんかに「ミヤノさんも、ちゃんとクラブでおシャレしなよ〜」と言われても、「財布がちゃんと収められないような服なんか着てられっか!」と反論していたのである。
 テクノのジャンルに一時期「ハンドバッグ」というのがあった。ギャル好みのテクノという意味らしく、かの英国でも、おシャレしてクラブに来るギャルたちは、貴重品の収納に困っていたらしく、ハンドバッグをクラブに持ってきて、それを持ちながら踊っていたので、「ハンドバッグ持ってくるようなお嬢ちゃんたちにウケるテクノ」というジャンルだったらしい。「ハンドバッグ」がもうちょっとハードになったテクノを「ハードバッグ」と言ったような。一瞬の流行だったな。
4月24日(木)

 健康診断というか「成人病予防健診」に行く。
 9時半に新宿の病院だったのだが、新宿駅地下街の「モーニング・セット」の匂いを恨めしく思いながら、「これが終わるまで水の飲めない我が身」を悲しみながら徒歩10分ほどの病院着。

 体重身長測定→採血→肺のレントゲン→心電図→聴音までは順調に進んだが、それからが待ち時間が長い。ずいぶん待たされてから、やっと内科検診。肺には異常なしと告げられ「心臓の大きさも変わりませんね。少し小さめの心臓ですが」と言われ、「どうして毎年、心臓が小さいことを繰り返すのだろうか?」と思うが、そんなにほんとにわざわざ患者(じゃないけど)に宣告しなくてはならないような重要事項なのだろうか?

 小柄な人が身長を測定されて「小柄ですね」と言われたら、ムっとするだろう。だから、私も「心臓が小さい」と言われるたびに「しょーがねーじゃんよー」とムっとしてしまうのである。

 内科のあと、また延々と待たされ、廊下にまで響き渡る技師の「はーい、またグルっと回って〜、そこでストップ!少し、こっち向いて、あ、そこでストップ!動かないで〜、はーい、息をゆっくり吸って〜、止めて〜」という掛け声を3人分拝聴し、やっと私の番。

 毎年やっているので、さすがに慣れてきた。慣れすぎで、最初にバリウムを一口づつ飲んで、食道も撮影するようだが、技師が「じゃあ、残りも全部飲んで〜」と言ったときにはコップは空だった。
 廊下で技師のオニーサンの声を聴きながら頭の中で練習していたので、思っていたよりも上手く動けた。

 胃のレントゲンが終わると、受付に戻って下剤を貰い、その場で飲んでから、今度は「婦人科健診」でまた待たされる。
 実は「婦人科健診」は初めてなのである。前の会社で「子宮健診」をやらされたときには、事前に自分で検体(っていうのか?)を採る方式で、要するに検便みたいなもんだったので、「これだったらラクだ」と思ったが、そういえば、あれでも嫌だという子がいたなあ。液体が入ったタンポンみたいのを突込み、液体を注入してから、ぐっと棒を戻して液体を吸い取るだけだったんだが、タンポンにも抵抗のある人には苦手な作業だったのかもしれない。

 さて、「婦人科健診」であるが、あまり考えずに「せっかくだからやってみようか」と思ったのである。乳がんの触診と、子宮の内診があるらしいが、あまり深く考えてなかったのだ。

 診察室に入ると、思いっきり男の先生だった。
 しかし、人間年をとると、そういうことはどーでもよくなるもんである。
 36歳になっても、一度も「産婦人科」に足を踏み入れたことがないので、そういう意味でも「一度、内診も経験しておくか」と思ったのであるが、もし私が18歳で、いきなり男の先生にあたったら、どう思っていたのかはわからない。

 看護婦さんが「まず、上を脱いで奥のベッドに仰向けに寝てください」と言うので、エイやっと上着を脱ぎ、横たわると「横になったら万歳してください」と言うので、「もーどーにでもして〜〜〜」のポーズになった。医者が丁寧に乳房を触診。特に異常なしだった。
 男性にとっては一度は憧れる職業かもしれないが、でも、よく考えてみれば、「成人病予防健診」は35歳以上なので、「おっぱいをいっぱい触れてうれしい」かどうかは疑問。

 さて、お次はベッドのとなりにある「あの椅子」に座るのである。
 看護婦さんが「下を脱いでこちらに座ってください」と言うので「上は着たままでいいんですよね?」と確認してしまった。うーむ、話しには聞いていたし、写真でも見たことあったが、実際に座るの初めてだったので「いったい、どこに腰をおろすんだ?」と思ったが、どうやら紙タオルが置いてあるところにお尻を載せればいいようだ。
 私が腰を下ろすと看護婦さんが、「じゃあ、ここに踵を置いてください」
 ・・・・・・なんとも言えない気分というか、「うーむ、なるほど」というか、私がスッポンポンの下半身をオッピロゲると、お腹のあたりにあるカーテンが閉まる。

 最初になにか金属の器具を入れられて「痛かったら、すぐに言ってくださいね」と言われたが、痛くもなんともなかった。鼻の穴になんか入れられたほうが痛いし、怖い。子供のころは「慢性鼻づまり」だったので、耳鼻科にはよく通ったが、あれは辛かった。鼻に器具が入ると、脳天がツーンとするのだ。
 というわけで、「産婦人科は耳鼻科よりも怖くないかも」と思った。

 次に、「では内診します」と言って、穴から手だか器具だかわからなかったが、何か突っ込まれて、もう一方の手で腹の上からグリグリ押される。これも、妙な感じではあったが「バリウムの入った胃袋を全身を使って回転させられるよりラク」だと思った。それに、歯医者だったら、あちこち突付かれると「ウギャー」と飛び上がるような刺激があったりするが、そういうこともなかったので、「産婦人科は歯医者よりも怖くないかも」と思った。

 診察が終わり、モソモソと下着を履いてから、椅子に座って問診。

 「子宮がやや大きいようですね」
 「はあ・・・・」

 大きいだの小さいだの、どうでもいいんすけど・・・・

 「男性のコブシくらいの大きさです。僕の手は小さめなのですが(と言って先生がコブシを作ってくれた)、これより一回り大きいくらいです。」
 「はあ・・・・」
 「標準的な大きさは、鶏の卵くらいなんです」
 「はあ・・・・(それって、ガンの疑いがあるとか子宮筋腫だとか言う話し?)」

 医者の所見によると、梅干大くらいの筋腫があるかもしれないということだった。もし、貧血になった場合には、筋腫の疑いが高いそうなので産婦人科に看てもらったほうがいいかもしれない、とのこと。

 なんか微妙な診断。まあ、健康診断なんて、こんなもんだろう。心臓が大きいだの血圧が低いだの子宮が大きいだのと言って健康な人を不安にさせるのが目的なんだからさ。

 まあ、しかし、子供産んだりしなければ「産婦人科は痛くない」ということがわかったので、本当に子宮が痛くなったら気軽に行ってみよう。
 でも、お腹にゼリーみたいの塗って、上からグ〜リグ〜リされる「腹部エコー」よりは楽しくなかったのは事実。(腹部エコーは5年に一回の「人間ドック」のメニューである)
 でも、器具つっこまれても平然としていたのは、実は、おならを我慢していたからである。
 バリウム飲む前に胃を膨らませるために炭酸の顆粒を飲まされる。そして「絶対にゲップしないでください」と言われるのだ。あれが辛いという人もいるが、私もなんとかゲップに絶えて撮影終了したのだが、ゲップにならなかったガスが空腹の腸を刺激するらしく、撮影後しばらくすると、軽いガスが何回か出ていたのだが、「あの椅子」に座る直前にも「あ・・・」と思ったのであるが「すいません、おなら出るまで待ってください」とも言えなくて、そのまま我慢していたのである。
 なので、先生が何か突っ込んでグリグリしている間に私がずっと考えていたことは「先生の顔におならを吹きかけてはいかん」ということであった。

 というわけで、今回もなんとか無事に終了した。
 会社に戻って、仕事していたのだが、夕方になると「白い稲妻」状態になり、トイレ行ってばかりであった。
 去年は「白い悪魔」に翻弄されてしまったが、今年は明日も下剤を飲んで備えよう。
 なにごとも、こうして1つづつ経験して憶えていくのだ。
4月23日(水)

 yucoさんの日記に「女性の荷物を持つ男/持てない男」について書いてあった。それで思い出したのであるが、たぶん、あれは私が働き始めたバブル崩壊のころだったと思うが、友達との飲み会の席で「♪なんでだろ〜 なんでだろ〜」という話題の一つとして、

 「最近、よく見かけるんだけど、若いカップルで、彼氏が彼女のカバン持ってるんだよね」
 「そうそう、私も見たことある。あれって変だよね」
 「え?別に男が荷物持っててもいいじゃん」
 「ちがうんだよ。買い物した荷物とか、旅行カバンじゃないの。ハンドバッグなんだよ」
 「そうそう、せいぜいケリー・バッグくらいの大きさのやつをわざわざ男が持ってるんだよね」
 「なんで?」
 「わかんないよ」

 我々がたてた仮説は「女性のカバンを持ってあげるのが優しい男だって誤解してるんじゃないの?」であったが、重い荷物だったらともかく、ハンドバッグを彼氏に持たせる心境は理解不能であった。そもそも、ハンドバッグって服装の一部なわけだし、そして、ハンドバッグというのは男性が持ってサマになるものではない。

 そのときに思い出したのだが、仕事関係での知り合いが「あの子、ほんとに変な子」と、やはり仕事関係の女性の悪口を話してくれたのだが、その話しというのが、ホテルで開かれた仕事関係の小さなパーティーに彼女と一緒に行ったときに、クロークで荷物やコートを預けるときに、彼女は傍らにいたベル・ボーイに「これ、ちょっとお願い」とハンドバッグというか小さなボストンバッグ(たぶん、ヴィトンのミニボストンが流行ったときだったと思う)を持たせた。
 そしてそのまま、バンケット・ルームに平然と歩き始めたそうな。
 ベル・ボーイ君もちょっと困った顔をしたようだが、仕方なく彼女のあとをついて歩き、会場の受付についたら「ありがとう」とカバンを受取ったらしい。

 「なんか、隣にいて恥ずかしくなって・・・・・いくらベル・ボーイだからって、あんな小さなバッグを持たせなくても・・・・だいたい、本人は慣れているつもりなんだろうけど、ハンドバッグを男に持たせるなんて、娼婦以下よ。下品ったら、ありゃしない」

 彼女は父親と一緒に仕事していたのだが、その昔ちょびっと成功した(実はかなりのヒット商品にかかわっていたのであるが、その後没落した)父親に育てられたので、成金趣味甚だしく、しかも美人で読者モデルなんかもやっていた、今で言う「叶姉妹系」であったので、周囲の女性には評判悪かった。「上品ぶっていても、しょせん高級娼婦。いや、高級でもない」と特に年配の女性たちの非難は厳しかったのである。

 しかし、なんであのころ、「彼氏にハンドバッグ持たせる」のが流行したのであろう?
 たしか、同じころ、「ヴィトンのやや大きめのボストンバッグを彼氏に持たせる」というのも流行った。一泊旅行にちょうどいいくらいのサイズのもので、あまり荷物が入っていないものを彼氏がブラ下げていて、彼女のほうは手ぶら。あれもよくわからない流行だった。

 今ではすっかり見かけなくなったな。
 あれは本当になんだったんだろう?「ヤマンバ・ギャル」のほうがまだ理解可能であった。

 明日は年に一回の「恐怖のバリウム試飲会」なのである。
 でも、去年はレントゲン台の上の蝙蝠傘とミシンの出会い・・・・・じゃなくて、かなり軽やかに回転することができたが、今年のオペレーターさんはどうだろうか?怖いニーサンだと、緊張のあまり、右と左がわからなくなって半ベソ状態になるのだ。
4月22日(火)

 昨日は会社の朝当番だったので、5時には会社を出て、恵比寿。やっと「ボウリング・フォー・コロンバイン」を観た。ほとぼりが冷めるまで待っていたのでありました。
 うーむ、しかし感想を言うのが難しい映画だ。「悪の枢軸」に怯え大量破壊兵器で武装する国家と黒人に怯え銃を持つ市民の関連性が描かれているのだが、これ観た私みたいな実際にアメリカにほとんど行ったことの無い人間は「やっぱ、アメリカこえーよ」とアメリカに対して心底怯えてしまうではないの(笑)。「アメリカなんかにうっかり行ったら、即銃殺されてしまいそうだから、行くのやめよう」って。

 スーパーで飴玉買うくらい簡単に弾を買えるなんて、「平和の国ニッポン」で生まれ育った私には恐ろしい話しだが、それを「自由の国アメリカ」の象徴として捉える人にはあたり前のことなんだろう。確かに日本でもスーパーで簡単に包丁は買えるわけで、小学校で刃物振り回して子供を何人も殺した男が現れても「包丁を簡単に買えないようにしよう」なんて議論は起こらないわけで・・・・う〜〜〜ん、ってかんじだ。
 最近は陽気のせいかマスコミが煽るからかわからないが「通り魔」が増えているようだし、「武装しておこうか」なんて思うもんな。

 映画館を出たら、目の前を歩いていた若い女性二人組みの会話。
 「なんか、フツーの人なんだね」
 「ほんとに〜、フツーの人ってかんじだった。きっといい人なんだよね。」
 どうも、マイケル・ムーアのことを言っているらしい。もっと、ハチャメチャな突撃野郎を期待していたのだろうか?

 映画が9時に終わったので、神楽坂のマチリンのお店に顔を出してみた。「焼酎試飲」という誘い文句に乗ったのである。紫蘇焼酎はほんとに紫蘇の香りがしたし、牛蒡焼酎もほんとに牛蒡の香りがした。次々と試飲していたら、けっこう酔っ払ったらしく、「ちょっと顔出し」のつもりが看板まで居座り、終電の一本前で帰宅。バタンと寝た。

 久々に・・・・「本日のロッテンマイヤー先生」

 「残高確認書」というのが時々得意先から送られて来る。今までは私が担当していたが、クララにやらせようと思って、ついでに「ハイジ、君にも説明するから聞きなさい」と言って二人の間に立ち「支払い先が決算時になると、こういう書類を送りつけてきます。3月31日付けの、向こうの売掛金がこの金額だそうで、うちの買掛金がこれと合致するかしないか調べなければいけません。さあ、どうやって調べますか?」
 クララとハイジは一斉に取り掛かる。やはり経理では1年先輩のクララのほうが速かった。とうか、ハイジは全然別の元帳を開いていた。(買掛金の勘定元帳。正解は、売上仕入管理ソフトの方の「支払先台帳」である)

 「はーい、クララがゴォォォル! さあ、ハイジ、クララが何を開けたかご覧なさい」
 「・・・・・ああ、そうか」

 しかし、クララも天然ボケ系なので、今日も「20日過ぎたけど、Rへの請求書発行してくれた?」と言ったら「あ、それだ・・・・」
 先月その仕事も引き継いで、「来月からあなたがやってね」と言ったので、予定表に「請求書発行」と入れていたそうなのだが「あれ?どこ宛ての請求だっけ?」と考えていたらしい。そして、しばらくすると「あの〜金額がゼロで出ちゃうんですけど・・・」「売上入れた?」「あ・・・・・」売上伝票入れないと、請求書発行しても数字出ないでしょ〜〜〜〜。

 ま、でも、人にやらせたほうが断然ラクなので、あと3年もすれば左団扇になるであろう。ロッテンマイヤー先生は、やっと今期の伝票をチェックする暇ができたので、徹底的に洗い直していてクララに訂正させているのであった。この作業を今からやっておけば、決算のときに慌てなくて済むのである。
 あとは、「売るつもりで在庫にしていたものを実は売らないで社内使用にしてしまった」ことが最近判明した機器3000万円を伝票操作でザックリ振替えたりして、「修正ばかりしてるから月次試算表の数字がさっぱり固定しない」のであった。

 そういえば、話しは飛ぶが、私が毎日利用する横浜市営地下鉄では最近になって「女性専用車両」が導入された。始発から9時までの運営である。昨日は9時前に出勤したので、偶然その車両に乗ってしまった。空席を探して移動して、空いている座席があったので座ったのだが、ふと気がつくと周りが女性ばかりだったので「こ、これはもしや?」と思ったら、その通りだった。電車を降りると、その車両が停まるあたりに駅の係員が1人立っていた。間違えて乗ろうとする男性を阻止する要員なんだろうか?

 そして、「女性専用車両」の出現とほぼ同時に、「女性車両反対オジサン」が出没している。車掌の物まねをしながら、ずっと電車に乗っている男の子などは、どこの電車にも一人や二人はいるものだが、このオジサンも電車好きらしく、たぶんずっと乗っているのだと思う。今日も私が始発駅で乗ろうとしたら、私の目の前にいた女性二人連れを突き飛ばすように降りていき、しばらくするとまた乗ってきた。しかも、私のすぐそばの席。
 害のある人ではないのだが、ずっと怒り口調でブツブツ言っているので、聞いていてあまり気持ち良くない。

 「女性専用?ふざけんな!だったら女は1000円払えってゆーんだよ。まったく女ってやつはよー、ほら新聞見てみろ、女がいるから世の中悪くなるんだ。変な事件ばっかじゃねーかよ・・・・」

 と電車の中で拾ったと思しき新聞をめくりながら、ずっと大声で愚痴り続けるのである。
 周囲の人と目を合わせようとはしないのだが、たまに女性が途中で乗ってきて、自分の隣に座ろうとすると「女はあっち行け!」と手で払うので、女性はビックリして他の車両に逃げるのだが、かと言って、隣に座っている女性には気がつかないようである。そして、「バカが。女性専用だって?冗談じゃねーよ」とブツクサがまたリフレインするのである。

 以前は見かけなかった人なので、「前からいるけどもっと大人しかったのが、うっかり女性専用車両に乗ろうとしたのを駅員に阻止されて、それが一ヶ月たった今でも面白くないのかしら?」と思うのだが、でも聞いてて不愉快な「大きな独り言」ではあるが「ああ、声には出さないけど、こんなふうに思っている男性もけっこういるんだろうな」とも思うし、「女がいるから犯罪も多い」という彼のお説は、マイケル・ムーアが描く世界「犯罪者といえば黒人という刷り込み」にも似たところがあり興味深い。
 そのオジサンがどの程度、個人的な理由で女性を憎んでいるのか分からないが、私の勝手な想像では、彼は今までは「自分以外の世界」に漠然とした恐怖を覚えていて、だからこそ自分の世界にこもっていたのに、ある日突然、いつもと同じように電車に乗っていたら「そこは女性専用です」と言われて、「女性こそが敵だったのか!」という結論にしがみついてしまったのではないかと思う。

 わかり易いものに飛びつくのは、彼だけではないってことは「ボウリング・フォー・コロンバイン」でも、コロンバイン事件の引き鉄になったと糾弾されてしまったマリリン・マンソンが「みんな、オレのせいってことにしたほうが、ラクなんだ。もっと本質的なことを考えなくて済むからね」と、ムクれていたことからもわかる。喋っているマリリン・マンソン観たの初めてだったけど、大槻ケンジみたいな人なのね(笑)。いかにも「元いじめられっこ」という風情であった。

 だからこそ、マイケル・ムーアにはアカデミー賞授賞式で「ブッシュよ、恥じを知れ」なんて言ってほしくなかったんだけどなー。「イラク攻撃は武器商人が儲けるためにやったんだ」なんて陰謀説が「戦後」の週刊誌の論調だけど(中吊り広告見るかぎりでは)それは、「犯罪者はいつも黒人」なんていう話しと同じように聞こえてしまう。
 「これが原因」っていうようなわかり易い答えなんてないわけだし、その中でも「こういうものの積み重ねが、アメリカの銃犯罪を増やしているのではないか?自分は自分なりに、その原因を形成していそうなものをピックアップして並べて編集してみました。皆さんはどう思います?」という意味ではよく出来た映画だと思うので、「陰謀説」とは距離を置いてほしいんだけどなー。
4月20日(日)

 S君のご親戚が出演しているというお芝居を赤坂に観に行った。
 「ひらり 空中分解(仮)」という劇団で、「ブルドッグ」という演目であったが、開演前にチラシを読んでみると「ほお〜郷田ほづみ演出なんだ」
 S君は「怪物ランド」を知らないそうなので、「私が大学生のとき、すごく人気があったんだよ」と説明。

 お芝居は3時に終わり、そのあとお茶してから、友達の家でインド料理を作るというS君と別れて、私は渋谷。
 シネセゾンで「24hour Party People」を観るつもりだった。なんとか4時20分の回の予告編上映中に滑り込むが、意外なことに客席は8割くらい埋まっていて、端か前方しか空いていないと窓口でも念を押されたのだが、1人だったので、真中の端に席を見つけることができた。

 「こんな映画、一般受けしないと思ったけど、『トレイン・スポッティング』や『ベルベット・ゴールドマイン』や『ベドウィグ アンド アグリーインチ』などを観る客が流れたのだろうか?」と思っていると、映画が始まった。

 泣けました。
 涙は出なかったが、けっこう涙ぐみました。
 イアン・カーチス役の役者が手をバタバタさせて痙攣ダンスをしているのを観るだけで胸が詰まります。
 バーニー役もかなり似てたし、ショーン・ライダー役もかなり頑張っていた。

 でも、それって、先日感激した「動物のお医者さん」で「チョビがそっくり!」というのと同じなわけで、「だから、なんだっていうんだ」とも思いますし、ACRが登場しても「似てるのかどうかよくわからん」と思ったし(レコードは全部、貸しレコード屋で借りてテープ持ってたけど、顔知らないよ)、ヴィニ・ライリーはあんまし似てないと思ったし、まあ、だからそんなことはどうでもいいのですが、要するにこの映画は「楽屋落ちモノ」なわけで、ある程度実際のキャラを押さえてないと、ちっとも面白くないのではないかと・・・・

 だって、ショーン・ライダーの目の前にUFOが飛んできて、そのUFOに「BEZ」と書いてあるのを観た瞬間に私は「どひゃひゃ」と笑いましたが、客席はシーンとしてました。
 ああ、お懐かしやベス!
 彼は世にも珍しい「バンドの盛り上げ係」でした。一応、マラカスは持ってましたが、舞台の上でただひたすら踊るのが仕事でした。(後にソフトバレエの森岡賢が同じような偉業を成し遂げた。私は彼が無意味にクネクネ踊るのが観たくて2回ほどライブに足を運んだ)「でも、やたらと人気があって、というか、ロッキンオンで現地にライブ観にいった編集者が「ベズがやはり凄い!」などと煽るもんだから、来日公演のときにも、私が一番期待していたのは「生ベズ」でありました。
 「おおおお!ベズだ!ベズが踊っている!さすが超高速ダンスマシン!速い!」
 と感激したことだけ覚えてます。たぶん、他の客の多くも「ベズ目当て」だったと思います。

 「マンチェスター・ムーブメントの青春映画」とは言っても、主人公はファクトリーとハシェンダの創設者であるトニー・ウィルソンなので、話しはジョイ・ディビジョンとハッピー・マンデーズ中心で、その周辺にミック・ハックネルもいたようだが、その彼と契約しなかったのをどうもトニーは未だに後悔しているのか開き直っているのかわかりませんが、何回か皮肉っぽく登場するので、「これも、シンプリー・レッドがその後、世界的にブレイクしたことを知らないとわからないよな」

 それでも、ハシェンダができて、最初はさっぱりだったのに、マンデーズがブレイクしてダンス音楽がブームになる過程なんかはスピーディに展開して、観ていて(というか音に)ゾクゾクいたしましたが、でも実際にマンチェ・ブームに火をつけたのはストーン・ローゼスやプライマル・スクリームで、マンデーズはその後に出てきたという印象があったんだけど、この映画ではプライマルやウェザオールといった「クリエイション・レーベル勢」には全く触れていません。

 よし、次は「クリエイション物語」も映画にしよう。マンデーズもクスリ漬けで大変でしたが、プライマルもその手の「伝説」には事欠かないし、マイブラがスタジオ代吸い込むので(ケヴィンが病的に音にこだわったからだと言われている)倒産しかかったとか、ストーリーはだいたい似たようなものだ(笑)。

 というわけで、私としてはとても堪能できた映画ですが、映画自体の出来はどうなんだろう?
 トニー・ウィルソンの自慢話っぽいよな。
 私は、ハシェンダが閉鎖する晩にヴィニ・ライリーが来ていて外で並んでいたのをトニーが見つけて中に入れるんですが、古株の受付も「ヴィニ!さあ入って、いいのヴィニだから入れてあげて」とヴィニを知らない受付に教えるというようなシーンで、ファクトリーがどんなに盛り上がろうと、浮かれようと、ずっと変らなかったヴィニ・ライリーを象徴するようなシーンだな、と思ったのですが、そういえば、昔、下北沢のZOOの「ラブ・パレード」というパーティーはフリッパーズ・ギターの人気上昇とともに入場者数が増えて、いつも入り口で並んでいたのですが、ある日、私の前にカジ君(現在「カジヒデキ」で活躍しているが、当時はフリッパーズの弟分バンド「ブリッジ」のベーシストで、「ZEST」というネオアコ系レコ屋の店員であった)が並んでいて「カジ君、顔パスしろよ」と思ったのですが、DJの瀧見氏が通りがかってカジ君を発見して「カジ君!なんで並んでるの?」と言うと「はあ・・・・だって並んでいたから」とカジ君が言うので瀧見氏はカジ君を引きずるように中に連れていきましたが、あとで友達連中に「カジ君ちゃんと並んでた・・・・いい人だ」とちゃんと言いふらしておきました。

 ちなみに、ヴィニ本人が友情出演したシーンもあったようですが「カットされました」と映画内で紹介されているという大サービス。

 というわけで、くどいようですが、あのころマンチェ系のライブやクラブでマラカス振って踊っていた人(私)には「涙無しでは観られません」な映画だし、イアンの墓参りに行っちゃうようなコアなニューオーダー・ファンにもアピールしますが、そういう思い入れの無い人にはつまんないと思います。

 帰るときのエレベーターの中での若いカップルの会話。
男 「おれはけっこう好きだな、あの映画・・・・」
女 「そぅお?」

 まあ、しかし「ベルベット・ゴールドマイン」を友達2名と観にいったときには、
私 「あー、笑えた」(グラムロックをリスペクトするフリをして徹底的に皮肉った映画だと思った)
私と同じ年の友人 「なんかねー、ボウイとイギーの実際の逸話も知ってるから、ああいうふうに描かれるとちょっと複雑」(グラムロック・リスペクターとしては納得いかなかったらしい)
8歳下の友人 「泣けました〜〜〜〜」(モデルがなんだかわかっていないので、単なる男同士の悲恋モノとして観ていたことがあとでお茶したときに判明した)
 という、「立場の違いによる見解の相違」が見事に生じたのだが、この映画もどうなんでしょう?ちょっと知りたい。  
4月19日(土)

 昨日も飲み会。
 そして、今朝はしっかり二日酔いであった。

 なんとか11時には出社したものの、ダルくて眠くて仕事にならない。
 「アザラシ」に思いをめぐらして逃避するが、ふと、「そうだ、あれを調べようと思ったのだ」と思い出した。

 話題の「SARS」であるが、私はあれをどうしても「さーる」と読んでしまう。
 なぜかというと、「NARS」という化粧品ブランドがあって、それを最初は「ナーズ」と読んでいたのだが、それが雑誌かなんかで「なーる」と読むと知り、「そうか、きっとおフランス製なのね」と納得して、それからは「なーる」と読んでいたので、「SARS」というのも自動的に「さーる」と読んでしまうのである。

 私が「NARS」なんて知っていることを意外に思うかもしれない。なにしろ、化粧品やブランド音痴ですから。
 前回、イギリスに行った5年ほど前、いや、97年だったから6年前にもなるのか、その渡英直前に本屋に行ったら、雑誌のFIGAROがロンドン特集を組んでいたので、ついついそれを買って持って行ってしまったのだ。
 そして、ニールズヤードでアロマ・オイルを買ったときに、あの周辺では雑誌で紹介されているような「おシャレな店」も多いので、FIGARO片手にブラブラしていて、とあるコスメ屋に入った。

 「せっかくの海外旅行だし、化粧品でも買うかね」とは思っていたが、そのコスメ屋には「まだ日本に上陸していないNARSの化粧品が置いてある」らしく、しかもそのNARSは「ビヨークも愛用している」と、FIGAROに書いてあったので、「そうか、これはそのうち、MACみたいにブレイクするのかもしれない。一世を風靡したMACの口紅は持っていないが、これを買っておけば流行先取りだ!」と思い、張り切って口紅を2本も買ってしまったのである。ロンドンで買っても一本4500円くらいして、わりと高かった。
 それ以来「FIGAROを旅行に持っていくと、余計なものを買ってしまうから危険」と自分にいい聞かせているが、そういうわけで「NARS」は私が免税店以外で買った化粧品として思い出深いのである。と、キッパリ言い張る自分は独身女性としては相当な変り者だと思うが・・・それはいいとして、NARSがその後、日本でも販売されるようになったことはなんとなく知っているが、今はどういう位置にいるのだろうか、と「SARS」の登場に刺激されて急に思い出し、今日の午後の「自由研究の課題」になった。

 さっそくGoogle検索「NARS(日本語のページ)

 ありり?「NARS(ナーズ)化粧品」になってるぞ?
 日本では「英語読み」を採用したのだろうか?
 それとも「なーる」呼ばわりされているというのは私の誤解だったのだろうか?
 まあ、前にも「アメリカ人はHERMESを絶対にエルメスと読まないだろう」と日記に書いたら「アメリカではハーミーズって言ってました」と読者の方から教えていただき、「そうか、欧米人はこういうことにあまりこだわらないもんな」と納得した。
 一応調べてみたら、「フランソワ・ナーズさんが創設者」らしくて、フランソワって言うくらいだからフランス人だろいうし、写真集も出ているようだが、Francoisって「c」におたまじゃくしのシッポがついた字が正しいと思うが、この名前ってアメリカ人は「ふらんそわ」ってちゃんと発音するのだろうか?

 と、自由研究はだんだん脱線していったのだが、それとは別に気になったのは、先ほどの「NARS(ナーズ)化粧品」のページには、「人気商品」として「アイシャドウ チベット」と書いてあって「へ?チベットぉ?」と目が止まった。化粧品の色名はけっこう変な名称が多いのだが、「コパカバーナ」とか「マリブ 」とかは、なんとなく理解できるが、「チベット」というのは目新しい。いったいどんな色なのだろう?てゆーか、このナーズ氏がイメージするチベットってどんな色なのか、ちょっと気になり調査を開始する。(当初の目的と大きく離れていくのも自由研究の醍醐味である)

 そして、やっとアイシャドウのラインナップ一覧を発見した。$42.50だって、高いね〜。どうやら、地名が好きみたいで、カトマンズやフジもある。よし、チベットな何色なんだ、とズズズっと探すと、下から2番目だったが・・・・色見本が無い!

 さらに探しまくり、パレットに収められたチベット発見。左側の4色のうちのどれからしい。どれだ?・・・・・・懸命なサーチの結果どうやら、チベットという色はパールホワイトであるらしい。(会社で外人のコスメ・オタクのサイトの記述を発見したが、家に帰って再度探してみたが発見できなかった)

 ふう〜〜〜〜ん?
 私の中での「チベットの色」は「ダライラマの法衣の色」なんだけどなあ。なんでNARS的には「純白パール」というか「透明に輝けるもの」なんだろうか?
 山のイメージなのかしらね?だったら「ヒマラヤ」とか「チョモランマ・スノウ」とかにすればいいのに。輝ける万年雪のイメージなら「南極」でもいいぞ。

 というわけで、「人によってイメージする色はちがうわねえ」ということがわかった自由研究であった。
 リンクたくさん張ったので疲れた。
 しかし、今日はいったいなんか仕事したんですか、あ〜た。
4月17日(木)

 「動物のお医者さん」がとうとう始まった。
 感想。
 チョビがほんとにソックリ。というか、動きまでソックリというか、漫画の絵が動き出したらああなるんだというか、ああして実際にハスキー犬が動き回っていると、佐々木倫子の絵がいかに写実的だかがわかって興味深い。ハムテルを引っ張って走るチョビの足つきなんて、ほんとに漫画から抜け出したようだったもん。(動物トレーナーの演技指導が凄いのかもしれないが)
 しかし、このドラマ、「原作に忠実」をひたすら追求しているなあ・・・・
 漫画だと、動物の動きがストップモーションになっているが、その雰囲気をなるべく再現するようにしているのか、それともそのほうがラクなのか、よくわからないけど、でもこれだけ動物出てくると撮影大変だろうなあ。

 というわけで、私はすっかり「きゃー、チョビが動いてる〜〜〜かわいい〜〜〜」と画面に釘付けだったのであるが、今後も「愛読者が心に刻み込んでいるチョビ」がどれだけ再現できるのか・・・・ハムテルや二階堂はどうでもいい。でも、菱沼さんは、もうちょっと「トロい」というキャラを前面に出さないと誰も納得しないよ。だめだよ、フツーのスピードで喋っちゃ。綾小路さんと対決できないじゃん。でも、衣装協力はやはりちゃんと「ピンクハウス」や「インゲボルグ」が入っているけどね。
 笑ったのは、お祖母さんの少女時代の飼い犬コロまで、似た犬を探してきたことだ。
 もう、このドラマは「どれだけ似た動物探してくるか」が勝負というのがわかった。シロさんとか、「名犬サブ」とかジョンとか、スコシなどが今後登場するのだろうか?清原の飼い犬「平九郎」は?ラジカセ犬パフは?ピーちゃん、けめこ、ナルは?ナツコちゃんは?シーザーは?ニャオンは?フクちゃんは?源さんは?オオニシキ号は?(私のような記憶力悪い読者でも、資料無しでこれだけ思い出せるのである。)

 番組の最後に「ハスキー犬は飼うのが難しいです」とか「獣医師になるのは大変です」というような「注意」が出たのも笑えた。
 というわけで、最後のテロップまでちゃんと観ていたのだが、ディレクターが「佐藤嗣麻子」ってなってて、「あれ?この珍しい名前の人知ってるような・・・」
 そうだ、ずいぶん前にどっか外国の映画学校出て、ジュリアン・サンズ主演の吸血鬼ロマンを監督していたのはこの人だった。そのころはちょっと話題になっていたが、いつのまにかテレビの仕事してたのね。

 話しは変るが、ミヤノ家では「象アザラシ」にまつわる昔のエピソードが今でも昨日のことのように語られている。
 私が何歳のときか忘れたが、多分小学生のころ(中学になったら家族と動物園になど当然行かなくなった)上野動物園に家族で行ったときに、アザラシなどの海洋動物のエリアに足を運んだ。
 ペンギンやアシカやアザラシなどを見てまわっていると、ガラス張りのガランとした部屋が現れた。ガラス越しに泳いでいる動物が見れるようになっていて、周りを岩で囲んであるという、よくある作りであった。
 「これはななんだろうね?」と表札(?)を確認すると、「象アザラシ」と書いてあるので、「それって、象みたいなアザラシなのかな?」と家族で話していたのだが、でも、その部屋にはそれらしき生き物がいなかった。水槽も陸(?)も無人だった。

 あまり大きい部屋ではなかったので、「きっと今は奥で休んでいるんだろうね」などと言っていたら、ガラスのすぐ中側にあった大きな岩がググっと動いた。
 そう、ミヤノ一家が「これは岩だ」と思っていたものが「象アザラシ」そのものだったのである。しかも、一頭がモゾっと動いたら、隣で横たわっていたもう一頭もモゾっと動いたので、「うわ!二匹もいた!」とビックリ。

 というわけで、あれから何十年か経っても「ミヤノ家の動物園での思い出」の第一位は「すぐ間近にいたのに、あまりにも大きすぎて、かつ微動だにしなかったので見落とされた象アザラシ」なのである。あれは完全に気配消してたね。

 そういえば、今日は春の査定面談があったのだが、そこで初めて知った意外な事実!

 「主任にも役職手当てが付きます」
 「え?そうなんですか?」
 「まあ、一万円ですけど・・・・」

 ビミョーな昇給(笑)
 まあ、これであとベアと基本給の昇給を合わせれば(でも、給料上がると保険とかも上がるから手取りはあまり変らないと思うんだけど)事務職としてはまあまあの給料になるだろうな。4年前より5割増っていうのが「実力が認められた証拠」なのか「最初が安すぎた」かは、あまり深く考えないことにして、やはり「スーパー活力鍋」だな。
4月16日(水)

 月曜日は珍しく休肝日だったが、昨日はまた帰り際に蕎麦屋に拉致された。
 ま、そういう席でないと、今、改修工事している事務所の改修費がいくらくらいの見積もりで、どうも修繕費にはなりそうもない、といった経理上重要な情報が聞けないわけで・・・・・変な会社。

 というわけで、中ジョッキ&日本酒3合飲んだらかなり酔っ払っていたらしく、トイレに行くときに太ももをテーブルや椅子にガシガシぶちあてていた記憶はあったが、朝起きると痣だらけだった。朝起きたらアザラシだらけよりはマシか。

 ところで、先週土曜日に久々に山手線の向こう側(新宿より先の上野方面)に乗ったら、高田馬場の発車音楽が「♪10万馬力だ」の鉄腕アトムの唄だったので「あれ?前からこれだったっけ?」と思ったが、どうやら「アトム生誕祝い」で最近そうなったらしい。と、buruさんの日記で知った。

 私はあのとき高田馬場であの音楽を聴いて、「なんで高田馬場なの?」と思った。「アトム生誕の地」があの辺りだということがいまいちピンと来ない。私の中では「アトム誕生の地」は「お茶の水」なんだが・・・・(産みの親ではないけど、なんとなく)

 ところで、つい先日ニュースになった「ヒトゲノムの完全解読」であるが、どうも「ヒトゲノムの解読」と書いてあるのを見ると、発作的に「ヒトじゅげむじゅげむごこうのすりきれずかいじゃりすいぎょのふーらいまつうんらいまつくーねるところにすむところやぶらこうじにぶらこうじぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんだいしゅーりんだいのぽんぽこなぽんぽこなのぽんぽこぴちょーきゅうめいのちょうすけちゃ〜ん」という、30年くらい前には、ちゃんと正しく暗誦できたが、長年の突然変異でボロボロになってしまった「遺伝子組換じゅげむゲノム」が頭を駆け巡るのであるが、もう一度暗記し直して「ジュゲムの完全朗読」を目指したほうがいいのだろうか?

 よし、「じゅげむゲノムの復旧」を目指して・・・と、正しい「じゅげむ」は・・・・これか?

 ああ、だいたい合ってたようだが、「ぐーりんだい」がスッポリと抜けていました。
 「しゅーりんがん」と「ぐーりんだい」が合体して、「しゅーりんだい」になってしまったらしい。

 超久々にスポーツクラブに行ったので、日記が短い。
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