可燃物な日々

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12月31日(火曜日なのかな)

 大晦日だ。
 大掃除を望むのは無謀だとしても(誰も他に掃除してくれる人いないし)、小掃除くらはしたいものだと思って頑張って昼には布団を抜け出すが、窓から差す日がポカポカして気持ちよくって「ああ、また布団に戻りてえ」という本音を押さえてちまちまと洗濯物を片付けたり、シンクをキレイにしたりしてますが、なんとか夕方までに終わらせて実家に帰らないとな。

 カミちゃんからメールが来て「ウームのスベン&リッチーのチケット余っているからいかない?」とのことだったが、いくら人数を限定してるからって「限定1000名」とういのは、すでにハコのキャパを超えたものであり、そんな朝の山の手線を5周くらいするような苦行をしたいと思わないので諦める。
 Eちゃんたちは、去年もやっていたソルティスの幕張に行くと言っていた。
 そういや、Eちゃんがオープニングを視察した「ageha」というハコの話をきいた。新木場にキャパ3000人の大バコだそうだ。どこが出資しているのかしらないが、いまどき大胆な。
 しかし、Eちゃんの報告によると「フロアが絨毯だった」とのことで、「それじゃ、踊りにくいじゃん」「てゆーか、フロアはドリンクも喫煙も禁止なんだよ」「なんじゃそれ?」
 昔、ゴールドでやっぱりフロアを禁煙&飲食禁止にしたことがあったが、あまり長続きしなかったように思える。禁煙はともかく、ドリンク持って行けないフロアちゅうのはやっぱねえ?
 しかし、そこも今日は「入場料1万円」という強気の金額設定でダニー・テナグリアがDJするらしい。

 つーわけで、久々にクラブ系の友達に会っていろいろな話をきいてしまったので、私もどっかに遊びに行きたくてしょーがないのだが、年末のイベントはやはりパスなので、年明けにウームのサシャでも行こうかな。EちゃんがエレグラでサシャのDJが良かったと言っていたし。

 などと掃除から逃避してダラダラ書いている場合ではない、掃除に戻ろう。BGMはMasters At Work。

 ふーなんとなく片付いたので、またサボる。お腹がすいたので、インスタント・スープを飲んで休憩。
 しかし、やっぱり年末に大掃除という習慣は理にかなってないよな。
 こうなったら暦をずらして、10月とか11月くらいに年末を持ってきてくれれば窓拭きくらいやるのによ。(言うだけでやらないと思うが)
 もう一つ合理的ではないと思うが、極寒の中で行われる「受験」である。
 あれも「アメリカみたいに9月が入学式だったら、受験生もラクなのに」と思ったが、ある人にその話をしたら「でも、真夏に受験つーのも辛くない?」と言われたけど、7月初旬とかにやれば問題ないと思うけど・・・・・それに受験に失敗した人も、熱さのためにあまり深く落ち込まないような気もするし、浪人が決まった人も、8月は思いっきり呆然としてから、9月から勉強をスタートすればいいし、そんでどーせ寒くて遊びに行く気も起こらない冬にみっちり勉強すればいいじゃないか。そんで、梅雨の季節が「最後の追い込み」になるわけで、ちょうどいいと思うのだが。
 この時期を12月にした人や、4月を年度始めにした人には今一度反省を促したい。

 さて、休憩はひとまず置いておいて、また掃除に戻ろう。次のBGMはルー・リードで「トランスフォーマー」(適度に気が抜けていいかもと思った)
 はあ、やっぱ脱力。
 まあ、このくらい気を抜いて掃除したほうがいいのかもしれない。
 けっこう、まあまあキレイになったし、これ以上やるためには「不要品を大放出」して床に転がっているものたちの収納場所を作らなければならないわけだし、それはもっとヤル気というかお掃除の神様が憑依したときじゃないと、「なんでもかんでも捨ててやる」という乱暴な気持ちにならないわけで・・・・・とクドクド言い分けをしていてもしょうがないが、それなりに(普通の人の「ちょっと乱雑」)くらいにはなったので、これで良しとしよう、あとは洗濯物を干さないとな。(防犯目的のためにわざとベランダに吊るしておく)

 洗濯もしたし、自分も洗ったし(昨日と一昨日は寒くて風呂をサボった)、さてこれでいつでも帰省(ちゅうても電車で40分くらい)でいるのであるが、あまり早くに実家に到着しても暇を持て余すので、まだダラダラしていよう。

 十分、ダラダラしているうちに暗くなってきた。そろそろ出動しよう。

 それでは、良いお正月をお過ごしください。
12月30日(月曜日らしい)

 「昼過ぎに来てね」とう曖昧なメールをもらったので「1〜2時ってことか?」と返事したら「そのくらい」と言われたので、昼前に起きて、12時半ごろ家を出て、途中の酒屋で93年物のワインと日本酒を購入し、輸入食材店でチーズを物色してから駅に向かい、鷺沼駅についたら丁度1時半くらいだった。

 バスに乗って、出発をぼんやりと待っていたら、外に見慣れた人がうろうろしていたので、バスの中から必死に手を振るが気が付いてもらえなかったので、前の人に「すいません」と断って、窓をガっと開けて「Eちゃん!」と叫ぶと「あ〜、ミヤノさん」と、やっと気が付いてくれたEちゃんとKMちゃん。

 「このバスに乗らないの?」
 「駅前のスーパーで買い物しようと思って・・・・降りて一緒に行こうよ」
 「だって、もう料金払っちゃったし」
 「そっか。じゃあ、この荷物持っていってくんない?」

 どうやら、今日の忘年会の鍋やコンロは二人が用意することになったらしく、大きな紙袋を持っていたので、バスの窓越しにそれを受取る。もう一つ紙袋があったので「そっちも持っていってあげるよ」と請け負った。
 なんだか、バスの窓を介した荷物のやりとりが、東南アジアのバスターミナルでの風景のようで、周囲の注目は浴びてしまって照れくさかったが、なんだかうれしくもあった。ほのぼの

 バスに乗って、Aの部屋に到着。Aの部屋というか、MYRさんの部屋なのだが、MYRさんは年末年始はタイでイギリスチームと合流しているらしい。
 しばらくAとダンナのO(フランス人)と雑談していたら、やっと買い物を終えた二人が到着して、KMちゃんがテキパキと鍋の支度をしてくれたので、さっそく忘年会鍋パーティー開始。

 Eちゃんは来年の2月に看護師の国家試験だそうで、すでに就職活動に入っていて「今のところ補欠だからまだわかんないけど、例年だと補欠合格でも入れたらしい」と言っていた。
 でも看護師として正式に働きだすと、今までのように自由に遊べなくなることを心配していたけど、私も祖父のことで頻繁に病院に行ったし、看護師の仕事ぶりにも間近に接したので、看護の話に花が咲いた。
 他にも、KMちゃんがMG氏とオーストラリアの月食パーティに行った話とか、Eちゃんが幕張のエレクトラグライドにたどり着いたのが午前4時だったとかいう「クラバー系」の話や、新年の挨拶をかねて、Aは都内の親戚にダンナのOを紹介しに行くつもりなのだが、「いとこの子供が沢山いるので、お年玉のこと考えると頭痛い」とか雑談していたが、夕方遅くになって、Oがヤフオクで落札したシンセを受取りに行くと出かけたので(フランスで転売して儲けようという魂胆らしいが、果たして利益があがるのか、Aは心配していた)、日本語できないOがいなくなった気楽さから、いろいろ話は盛り上がり、8時くらいにOも帰ってきたのだで、9時くらいには引き上げた。

 Eちゃんには「12月はとっても遊びに行きたかったのに、スケジュールが合わなかったりして遊べなかった。来年、なんかいいイベントあったら誘ってよー」と、よくお願いしておいた。「えー、来年あたしは試験なんだけどな」と言っていたが、試験だろうがなんだろうが君は遊びに行くでしょうし。エレグラだって翌日就職面接だったくせに〜〜〜。

 ちゅうわけで、久々にガールズトークが堪能できて満足な忘年会であった。
 仕入れた噂話。
 タマちゃんが年末のWOMBでDJするらしい。(アンビエント・フロアなので、厳密に言えばリッチーやスベンと共演するわけではないが、まあ共演ってことで)
 MRK君はあいかわらず、20歳そこそこの彼女といちゃいちゃしているらしい。
 MRK君の同級生であるN君(九州の某有名私立高校の生徒会長を務めたのが彼の人生のピークで、その後転落の人生)は行方不明らしい。
 DJジェミニはパラパラDJとして一瞬だけギャルに大人気という脚光を浴びたが、現在故郷にUターンしたらしい。

 そういえば、Eちゃんは、カミちゃん(自他ともに認める「猫を切らしたことのない女」)が拾った野良猫の子供を貰い受け、可愛がっていたのだが、先日代々木公園をお散歩中に脱走されて、朝まで探し回ったのだが、発見できなくてショゲていた。猫用のお散歩綱を用意したのだが、子猫ゆえに柔軟性が思ったよりも高く、あっさりと抜けられてしまったようなのだ。
 数日間探したが、見つけられなかったのだが、代々木公園の一角にあるホームレスのテントの前に紐でぶらさげたボールを発見して「これは猫じゃらし用に違いない」と即座に判断して、そのテントの主である女性に話しかけてみたところ、「あら、猫がいなくなったの。うちでも3匹飼っているのよ」

 ホームレスはけっこう動物を飼っていたりする。イエローの側の西麻布のトンネル付近にいるホームレスが犬を何匹か飼っているのを目撃したこともあるし、新宿アルタ前に出没するホームレスはカラスを手なずけている。
 Eちゃんがさっそく、そのおばさんに自分の猫の写真を見せたところ、「この子、子猫でまだちっちゃいでしょ。この間、こんな子を見たわ」

 そしたらそのオバサンは「私の携帯の番号教えてあげる」と言い出すので、「家はなくても携帯持ってるんだ」とEちゃんは驚いたようだが、とにかくその猫の写真に自分の携帯の番号を書いて「もし、また見かけたら連絡してください」とお願いしたろうだ。
 そのときに、そのホームレスのおばさんが「あなた学生さん?」と言ったので、すでに26歳くらいのEちゃんで一回就職してから看護学校に入り直したのだが「ええ、でも専門学校ですけど」と答えると「看護学生かしら?」と言うのでまたびっくり。

 「なんでわかったのかなあ?」
 「どうも、そのおばさんの娘も看護学生らしいんだけど・・・・それで私と同じ年らしくて」
 「でも、だからって見破るもんでもないし、なんか話し方に染み付いてんのかねえ?」

 「テント生活って自然と密接して生きているから、都会人が失った嗅覚を持っているのかもしれない」などと、話していたら、Eちゃんの携帯がいきなり鳴ったので、Eちゃんが出て何か話していたのだが、話の内容を漏れ聞いたあとの3人は、てゆーかEちゃん自身もビビったと思うが、その「テントのオバサン」からで「さっき、その猫を音楽堂の裏でみかけた」とのこと。

 「ちょっと、ちょっとぉぉ。今そのオバサンの話してたんだけど、なんか怖くない?」
 「いや、丁度、買い物帰りに・・・・ホームレスが買い物帰りってゆーのもよくわからないが、とにかく買い物帰りに見かけたんで電話くれたらしい」

 さっそくEちゃんは池尻に住む、今日も鍋の会に呼んでいたのだが「仕事いっぱいいっぱい」で欠席したフリーデザイナーの友達に「すぐに代々木公園に出動して猫を探すべし」という指令を送っていた。

 結局、猫は発見できなかったそうだが、狐というか猫につままれたような出来事であった。
12月29日(日)

 なんとか朝起きられたので、がんばって出勤。
 思ったとおり、出勤しているのは親会社対応のシステム部の数人だけで、私のいるフロアはシーンとしている。
 念のため、他人のスケジュールもチェックしてみたが、出勤予定の人はいないようだ。私もいちおう「有給休暇」にしてあったのだが、こっそりとそれを書き換えた。
 静かだと仕事が捗るが、あまりにも静かすぎてもダメなのは何度か経験済みで、そのたびに「CD持ってくればよかった」と後悔するのだが、CDじゃなくてもFMラジオで十分なのだが、その階はラジオの聴ける機器は無いし、家に埋蔵されている「野外に持っていって捨ててもいいと思っている古いラジカセ」(誰かが捨てるところを救った)は、カバンに入る大きさでもなく、わざわざ持っていくのも億劫だから、やはりCDを持っていってみた。

 会社のマシンでCDを再生したことなかったのだが、再生してみてビックリ。せっかく液晶モニタにはスピーカーがついているのに、そこからは音が鳴らず、本体の箱のほうからカシャカシャと小さな音が出た。いつもは、音声を消して使っているので、(間違って入力したときに「ピン」と鳴るのが気に障るし、ネットサーフしていると突然音楽鳴り出すものもあるし、うっかり仕事中に「FLASHの力作」を開いちゃったら大変だから)今まで気が付かなかった。
 きっと、なんか操作すれば、もうちょっとマシな音が出るのだろうけど、まあいいや、ショボい音でも。なんか鳴ってれば落ち着くだけで、前はテレビの音を小さく出してちょびっとだけ賑やかにしてたし、音楽聴きたいというよりも、ちょっとだけ雑音が欲しいだけなのだ、と自分に言い聞かせ、自宅でもヘビーローテーション中のアズテックカメラをかけて、ロディのギターがカシャカシャと安っぽいカッティング音を奏でるのをBGMにガシガシと仕事。

 落ち着いてやれば2時間で終わるだろう、と思っていた決算後の伝票修正や減価償却資産の目録などは、計画通り昼くらいには終了したので「これが終わっただけでも来た甲斐があった」と満足して、昼食は外にでかけて食べて戻ってきてからいよいよ別会社(新規業務)の方の11月分の伝票入力。
 この仕事も、いつもだと3日間くらいかかるのだが、この静まり返った環境で集中してやれば一日で終わるかもしれない。いや、絶対に今日で終わらせないと来年がまた辛いのだ。
 気合入りまくりで、途中で他部署の社員がやってきて、「なんだ出勤なの?」と話し掛けてきても、入力の手を休めず「そうです」と無愛想に答えたので、向こうも放っておいてくれた。(というか、怖かったので逃げたのだと思う)

   すでに午後のBGMは「単調なやつのほうがいいだろう」という計画で「FILA BRASILLIA」にしていたのである。テクノでアンビエントでジャジー。
 「このペースで行けば、6時には終了するな」と調子こいていたのだが、そのときフロアに人影が・・・・・また他部署の社員かと思いきや、私の天敵であるT部長であった。うそ〜〜〜、今日休みじゃなかったのぉおおおおおお?
 「あれ?出勤なんだ?」とT部長に声をかけられたが、私は丁度、年末にお客さんからいただいたクッキーを頬張っていたので、モグモグしながら無言でうなづき、そのままガシガシ入力をしていた。

 ぐるるるるるるるるるるるるるるるるるる(心の中で歯を剥き出しにして唸っている)

 丁度、掲示板で「バウリンガル」について書いた直後であったので、「今この瞬間にT部長がバウリンガルを持っていたら、『わしに話かけたら血ぃみるで〜』というメッセージを受取ったかもしれない」というほどに、全身に「今とっても忙しいの」というオーラを世界中からかき集めて必死にそのオーラを繋ぎとめていた。
 しかも、シャカシャカとCDをかけっぱなしだったので「これについて何か言われたら、私は泣いて家に帰る」と思ったが、そのオーラを感じてか、T部長はいつものように自分はヘッドホンでなにか聴いていて、どうも用事があった親会社の社員がまだ打ち合わせ中だったようで、ヘッドホンしながら大人しくお昼寝してくれたので、ほっとした。ぐっぼーい、ぐっぼーい。

 というわけで、良い子がぐっすり寝てくれたので、私はなんとか6時には11月分の伝票入力とファイルを済ませ、逃げるように帰宅いたしました。
 ところで、全然関係ないが、ジェニー・ホルツァーの電光掲示板を使用したメッセージ・アートのことを突然思い出した。
 わりと好きだったんだけど、実際にあまり作品を見たことがないのだが、それはさておき、私が会社で自分が発信したメッセージを社内に設置した電光掲示板に流している様子を想像してみる。

 ・・・・想像中・・・・・・・

 どうあがいてもグッケンハイム美術館には置いてもらえそうもないので、却下。
 でも、ときどき電光掲示板でも、張り紙でもいいですから「3時までに集計して振込送信しなければならない仕事と格闘中です。御用の方は3時以降にお願いします」とか掲示しておきたいときってありますよね。
 ほんとに、背中に「お取り込み中」とか貼っておきたいときってありますよね。(「ね」というあたりが気の弱さを反映している)
 そういえば、昔、仕事でよく広告代理店に出入りしていたときは(手形集金とか、請求書出しのお使いとかで)、バブル花盛りの「ボデコン」全盛期で、金曜日などエレベーターで乗り合わせた女子社員の服装の派手さに驚きましたが、同じくらいの年齢なのに、ネオアコ系且つ「オリーブ少女の育ち過ぎ」だった私は、アニエスbのボーダーシャツにジーンズ&スニーカーでベレー帽かぶっているのが基本でしたので、「ジュリアナに直行できるような衣装」で通勤している彼女らのことが理解不能というよりは、「あんなにバッチリ決められたら、上司は残業頼みにくいだろうな」と、妙な心配してました。

12月28日(土)

 9時に目覚めてしまい、「あ、このまま起きれば大掃除ができるわ」と思ったのだが、布団から出て、水分補給して「でも、いくらなんでも9時は早いだろう」と思って、もう一回布団に入ったのだが、そしたらまたグッスリ眠れてしまい、時々意識が戻ってきたが、グッタリで「そういえば、ここしばらく惰眠をむさぼっていなかったのだ」と自分に言い訳をして、とことん惰眠することにした。

 夕方やっと起きだしたが、頭働かず、とりあえず昨日の忘年会のことをうだうだ書いてリハビリ。
 そういえば、あれだけ「10」「5」「5」とわかるように貼っておいたのに、社長ったらやっぱり渡し間違えていた。自分で気が付いたみたいで、社長の横に座っていた総務の同僚が私のところに確認に来たので、確かめてみたら「5」だった。
 あちゃー、やってくれたよ。
 と思って、他の2名に確認しら、1名が「あ、ほんとだ10だ」と気がついたのだが、社長は「もう渡しちゃったんだから返せというのもなんだから」と言い出すので話がややこしくなる。社長はもうすっかり酔っ払っているのであった。
 結局、「10貰ってしまった彼は、それを他の社員に還元すりゃあいい。どうせ、この後2次会だろう」と言うことになり、社長が財布から私に「5」渡すので「でも、これじゃ、ややこしいです」と言うと、「まあ、来年返してくれ」とわけわかんないこと言うし、こっちも、他の社員も、酒が入っているので、どうしたらいいのかわからず、私も面倒になったので「じゃあ、来年なんとか処理します」ということで社長が出したお金をひっこめるのもなんだったので、そのまま受け取って帰ってきてしまった。ああ、もー、めんどくさ。

 ああ、こんな感じで今年も終わるのかな。
 恒例の「独断と偏見で選ぶベストサイエンスブック」の投票がとっくの前から始まっているけど、さてどうしようかな。いつも投票しているけど、そもそもあんましサイエンス本読まないので、それでも話題の本だけは読んでたりするのだが、今年は一般にも話題になった本ってあまりなかったように思える。私が不勉強なだけかもしれないが(弱気)

 風呂上りにぼんやりと本棚を見つめ、少ない中からも(最近ほんとにあんまし本読んでないし)、けっこう楽しんで読んだ本を選んでメールした。

 暇だからまたぼんやり今年を振り返ってみたりする。
 個人的にトップニュースだったのは、祖母が脳血栓で倒れたことと、その祖母の介護をしていた祖父が亡くなったことだろう。祖父母が計3名健在で平均寿命を上回っていたので、そのうちこういうこともあるだろうと漠然と思っていたが、テレビで観ていた「介護の現実」のようなものを実際に体験してみるとねー。まだ祖父母のことだから、間接的な苦労ではあるが、これが両親のことになったらどうすんだろ?考えるだに恐ろしいぞ。
 仕事も忙しかったし、エンターテイメントとはほど遠い生活であった。映画もロクに観てないし、コンサートにもサマソニくらいしか行ってないように思う。最後にクラブに行ったのはいつだ?

 とまあ、なんだかパっとしない一年であったが、それでも腰痛以外にはこれといって体調も崩さなかったし、給料は上がったし、まあまあだったのかもしれない。このご時世だしね。
 でも仕事はそれほど嫌いじゃないけど、仕事ばっかりしているのって嫌なんだよなあ。
 いや、実は仕事量が増えているのではなくて、自分の体力が衰えているだけなのかもしれない。ひゅう〜〜〜〜〜。

 来年はまた一から体力作りをしないといけないな。 
12月27日(金)

 一応、仕事納めの日。でも、親会社は年末年始は元旦だけしか休みじゃないため、子会社であるうちも、人数は少ないとはいえ、親会社のサポート業務の人たちは当番を作って誰かしら出勤しているらしいし、営業の企画チームも「年明け早々プレゼンがあるの〜」とか言っていたから、いつが仕事納めで仕事始めなのか曖昧な会社なのである。

 私も、日曜日か月曜日には出勤して、落ち着いて仕事できれば、年始は少しはラクになるかもなあ、と画策していたが、それでもなるべく11月分の伝票入力を片付けておきたかったので、朝からガシガシとやっていたが、今日になっても「年末挨拶の来客」が多く、会社は騒然とした雰囲気。ま、どこの会社でも年末はこんなんで、まともに仕事できないしな。と諦めて、「どうせ休日出勤だしよ」と開き直っていたのだが、昼ごろには、今夜の忘年会の準備として、会場費を現金で支払うための仮払いを用意したり、忘年会で発表される「社長賞」(仮名。社員が今年度の最優秀社員を投票して社長が集計するのである)の賞金を用意したりと、バタバタ。

 去年は3名が同点で選ばれたので、金一封を三つ用意したが、今年は「1+0.5+0.5」になるということなので、封筒にお金をつめてから、ポストイットで「10」「5」「5」と貼ったけど、それが剥がれ落ちるような気もしたので、封筒の裏側の隅にシャーペンでも小さく書いておいた。
 「社長賞」というのを仰々しいフォントで作って出力して、封筒に貼り「封はどうしようかな。糊で封しちゃうと開けるときに大変だし、貰った人はきっと、ちょっくら中身を拝みたいにちがいない」と思って、メンディング・テープ5センチくらいで軽く封しておいた。完璧な気配りだわ。

 後輩に午後に銀行に行ってもらい、新規業務の支払い業務も終了させたと思ったら、午後になって駆け込みで「30日まで」 というふざけた支払い伝票を持ってきたので、交通費等の経費清算が集中して、てんてこまいの後輩に代わって私がCD機まで行って振込み。
 現金での経費清算がなかなか途切れず「どうしよう、終わらない」と癒し系の後輩が小さな声でボヤいていた。私もこれほど集中すると思っていなかったので、「来年は、午前中とか前日で締め切るようにしようね」と言ったのだが、それでも夕方ギリギリになって離れた事務所にいる社員たちが「忘年会なのでそちらに寄りますから、経費清算してもらえるでしょうか?」などと言ってくるようで、私だったら「もう金庫締めるからダメ。来年」と言うが、気の優しい後輩は「はあ、わかりました」と受けてしまうので、横から「そんなことしてたら、忘年会に間に合わないよ」と激を飛ばすが、結局6時になっても現金の伝票が入力できず、忘年会スタッフである総務課のほうは「もう出発するよ〜」

 そして「T(経理の後輩)も受付だから、早く来てね」と言うので「おい、おい、まだ現金締められないよお」と私が言うと、向こうも「それはわかってるって」と笑いながら「でも、頑張って早く来てね」
 「とにかく、伝票入力はハショッていいから、金額だけ合わせろ」と指令したが、こんな状態でドタバタ現金出納をした後で、ぴったし残高が合うかどうか不安。その不安は後輩のほうが切実に感じているのは当たり前で「合わなかったらどーしよー」と弱々しく弱音を吐く姿が痛ましい。

 結局、残高はドンピシャで、後輩の顔が輝いたところで、「とにかくザっと片付けて、早く会場に行って手伝いなさい。現金を金庫に入れるのは私がゆっくりやるから」と尻を叩いて、なんとか6時半には彼女を出発させて、私は現金を金庫に入れたあとに、派遣社員を連れて会場に向かった。

 席はくじ引きなのだが、わりと「偉い人やクセのある人」のいない席で、のんびり会話できた。
 忘年会が始まって、うちの会社で初の「定年退職者」が出たのでそれの表彰。彼は定年後も「死ぬまで働いてください」(笑)と言われて嘱託で残ることになったのだが、そうやってみんなに支持されて職場に残れるっていうのは幸せなことだな、と心から思う。
 次に「10年勤続表彰」があったのだが、該当する社員1名が「子供が肺炎で入院しちゃった」ので欠席だったので、さらりと流して、次が「社長賞」の発表。今年は新入社員の数が多いので、サクサク進行しないと2時間に収まらないのである。

 社長が壇上にあがり「今年はいつもと違う投票方式にして、一人一名づつの投票ではなく、持ち点制でやったのだが、総合得点が高い人と、得点は及ばなかったが、多くの人が名前を挙げた社員に分かれてしまった」とかクドクドと集計の経過を説明したいたが、「それで、結論として社長賞は、ミヤノでした」とサラリと言うので、パクパクご飯を食べていた私は「へ?」

 しばし、呆然となる。社長賞は投票制なので、どうしても社員の多い部署が有利である。6人しかいない総務部から選ばれることはあまりない。それでも去年は、オフィスの大改装をしたので、それを指揮した総務課長の存在感がアピールされたようで、3人のうちの一人に選ばれ、上司であるO総務部長が「総務から選ばれて嬉しいです」と涙ぐんだのであった。(単に泣き上戸なだけ)

 よって「2年連続、総務部社員が受賞」ってなんか会社として間違ってないか?
 と、思ったのだが、壇上に呼ばれ、スピーチしなくてはならず、なんの準備もしていなかったので、「ええと、社長賞のお金は私が用意したのですが、自分の手元に返ってくるとは・・・・」などと喋ったのだが、アガってしまって何言ったのかよく覚えてない。とりあえず、社員数80数名のうち、50数名が投票したらしく、それで獲得点が一番だったということは、総務以外にも私に投票してくれた人がいたわけで、それはそれなりに嬉しかった。

 しかし、最近忙しさのあまり荒れていたので、「もーやってらんねーよ」と思っていて、このまま八つ当たりモードを続行させてしまおうかと画策していたのに、表彰されちゃうと、ちょとなあ。別にわかってくれなくてもいいから、もうちょっと個々にちゃんとやってもらえれば、いいだけの話なんすけど。

 と複雑な思いを反芻する間もなく、「景品の抽選会」のくじ引き係りを任命されてしまったので、30分くらい黙々とクジ引き。
 席に戻ると、すっかり冷え切ったコーヒーとデザートが置いてあった。

 忘年会が終了して、別室で総務の同僚と支払いを済ませ、会場に戻ると、総務の社員が待っていてくれた。O部長がなぜか嬉しそうに景品のプレステを持っており、「あれ?Oさん、それ当たってないじゃないですか!」「いや、当たったんだ」
 プレステを景品にする案はO部長が出しており「ぜったいに当てる」と意気込んでいたが、部長が当たったのは「5千円の商品券」であったはずだ。「プレステ当たったのは・・・そうだFさんだ。あ!交換したんですね?ずる〜〜〜〜」Fさんはプレステが当たっても嬉しそうではなかった。すでに所有していたらしい。それを知った仲良しのO部長がトレードを申し入れたら「こんなデカいもん持って帰るのも面倒」と思っていたF氏がよろこんで応じたらしい。
 総務部から社長賞が出たし、プレステをゲットしたしで、O部長満面の笑みであった。

 社員はそれぞれ2次会に行ったようだが、私はもう帰りたかったので、駅に向かうと、途中まで一緒のシステム部の女性が追いかけてくれたので、仲良く一緒に帰った。
 彼女の所属する部署は親会社のいろいろなシステムのサポートなので、「つくづく日の当たらない部署だって、今日感じましたよ」たしかに、地味な人材(独身中年男性多し)が揃っているし、社内ではその部署がどんな仕事をしているのかわかっている人は少ない。親会社のほうが、その苦労をわかっているだろう。
 「でも、たしか去年のとき、社長が言ってたよ。ほんとに去年大変だったのは、Kだろうって。でも、社内でそれをわかっている人は少ないだろうって」(Kさんが彼女の上司である課長)
 「ああ、そうなんですか。でも、ほんとにKさんに一回くらい社長賞あげたいですよ」
 「でもさ、日が当たらないといえば、うちの総務だって同じで、今まで受賞する人なんていなかったけど、去年と今年で連続だから、次はその部署の番かもよ」
 「そうですよね」

 そんな感じで、11時前には帰宅できて「わーい、ホワイトハウスに間に合った」と思っていたのだが、NHKをじっと睨んでいても、なかなか始まらず「あれ?年末だから休み?」と思っていたら、「ピースフル・トゥモロー」という、同時多発テロの被害者の遺族が結成した「被害者の名において、空爆などをするのはやめてほしい」と平和を訴える団体のドキュメンタリーが始まったのでぼんやり観てしまった。

12月26日(木)

 朝起きても、どよよんとしていて、なんだかとっても会社に行きたくなかったが、でもしょうがないので、渋々支度して、どよよんと駅まで歩く道すがらも「ああ、行きたくねー」と落ちまくる自分との闘いに朝から消耗してしまったが、通勤電車の中で「たしかに、ちょっと幼稚な会社だし、社員も幼稚な人が多いが、別に意地悪されているわけでもないし、もっとしょーもない職場もあったし、そこそこ金は貰っているし、仕事内容がそんなに嫌なわけでもないし、ただ、あまりにも余裕のない日々が続くのでちょっとお疲れ気味なだけだ」と、だんだんと自分を持ち上げていって、「それに、会社が嫌だというよりは、自分が余裕持って、もっと優雅に対応できないのがもっと嫌なのだ。てゆーか、それが一番嫌なところなんだろう」と問題を自分自身にすり替え「周りがダメだからって、自分もダメな態度をとってはいかん。忙しいときだからこそ、人間の真価が問われるのだと偉そうに言っていたではないか」

 その昔、駆け出しのOLだったころの私は、会社の周囲の人たちのことをけっこう冷静に観察していた。
 別に観察しなくたってわかるようなことだったが、「ちゃんとした人」と「ダメな人」というか、要するに仕事できるかできないかの差というのは、忙しいときにはっきりわかった。
 ピリピリしているときに、下っ端OLに当り散らすような奴はやはり仕事上でも無能。
 そして、そういう人とはあまり関わりたくないので、仕事もあまり手伝ってやらなかった。他の人もそう思うらしく、ピリピリした人は、周囲の協力を得られず、よけいに忙しくなってしまうようだった。

 そのことを思い出して、「忙しいときだからこそ、ちゃんとしよう」と心に決めて、午前中は自己洗脳の効果絶大で、

   「すいません、切手ってどうやってもらえばいいんですか?」
 という、中途採用の社員の質問には「Iさんが管理してます。もう宛名書いて封してあるものだったら、そのまま渡せば彼女が切手貼って投函してくれますよ」と明るくニコやかに対応。
 「代金引き換えの品物を仕入れて、午前中に届くんだけど、どうすればいいの?」
 という営業部社員からの質問には、「金額がわかっているのなら、出金依頼伝票を切ってもらえれば・・・」「でも、上司がまだ来てないからハンコが」「だったら、いったん上席のハンコ無しで出してあげるから、あとでハンコもらってね」とニコニコ。
 年末調整が現金支給されているのだが、契約社員でまだ来ていない人がいたので、もしやと思って「ひょっとして、メール来てなかった?」「あ、来てないです。知りませんでした。私も貰えるんですか?」他の社員は現金支給で大騒ぎしちょるのに、かわいそー、ちゅうかその部署の社員も気にしてあげなよな・・・「ありますから、認印持ってきてくださいね」ああ、私ったらマリア様の生まれかわりかもしれないな。

 しかし、そんな社員の質問対応や現金出納や電話対応ばかりやっているうちに、あっという間に昼になってしまい、「ああ、今日も自分の仕事ができない・・・・」とだんだんテンション落ちてきたが、昼ごろに、決算時に叔父会社に送った「株主配当の明細書 」の中にタイプミス(っていうか、それを作成した上司が決算期を前期のままにして今期に訂正してなかった)が発見され「差し替えておいて」って言われても、もう郵送しちゃったので、叔父会社の経理に電話して「すいません、追って郵送しますから、差し替えてください」というカッコ悪い電話も笑顔でこなし、またマリア度がアップして順調だったのだが、午後になって、来年初旬に行われる他部署の応援業務に駆り出されることが判明し、「その時期の私は、源泉の集計と、親会社への請求書作成(3000行くらいのエクセルデータ作成を含む)と、支払業務と、得意先への合計請求書作成で、いつもてんてこまいなのにーーーーしかも、正月明けでスケジュールが押しているというのによ!」とまた不機嫌になり、

 「そうか、そうか、いいもん、年末も休日出勤して伝票入力しようと思ったが、いいもん、応援業務のせいで出来ませんって言っちゃうもん」

 と、しばらく「休日出勤なんてするもんかい!」とスネたが、まあいいや、ほんとに忙しかったらブッチするしかないし・・・・と無理やり自分を納得させようとしたが、でも、やっぱ会社ってそういうもんだと思うけど、黙って我慢している姿を影ながら評価してくれている人は絶対にいるが、でもやっぱ、「えー?マジー?やだー」と大声で言わないと、多くの人はわかってくれないだろう。

 と、また、クヨクヨ悩んでいたら、胃が痛くなってきたが、得意先が持ってきてくれたチョコレートを見たら、痛みが消えた。
 というわけで、今日もこんなかんじで、やっと6時すぎに落ち着いたし、部長連中も部長会議のあとゾロゾロと飲みに行ってしまったので静かになったので、メインバンクの預金の11月分の伝票入力を終了させて、やっと8時に退社。やっぱ、他の口座も終わらせるのには、年末出勤しないとダメかなあ。集中してできれば、それほど時間がかからないのだが。あと、新規業務のほうはまだ11月分が手付かずだしなあ。トホホ。

 久々にTさんからメールが来て、ジョーの追悼のために、携帯の着メロを「ロンドン・コーリング」にしているらしい。おかしかったのはTさんのパンクスの妹さんは「ポール・ウェラーは嫌みなジジイになって80歳くらいまで長生きしそうだ」と、ポールに八つ当たりしているらしい。
 まあ、たしかに言えてるといえば、言えてるが。

 こういう話題ができる友達と、しっぽりと酒飲みながら喋り倒したいなあ。
 来年になったら、そんな時間も持てるのだろうか?落ち着いたらジョーの追悼飲み会をしたいものだ。
12月25日(水)

 新規業務が儲からない理由がなんとなくわかってきた。
 社員を外に出しているからダメなのである。
 新規業務の業種は伏せるが(じゃないと思いっきり悪口を書けないから)、たとえば、コンピュータ技術者を抱える会社だということにしよう。
 技術者Aという社員が、月給50万円だとしたら、賞与などの年収を考えると、最低でも一日につき2万円から3万円の日給になるはずだ。この会社はさらに、不定期に請け負った仕事で、この技術者を数日派遣する。そして、利ざやが少ない仕事なので、利幅は1割くらいなのだ。ということは、100万円くらいの仕事でも利益は10万円くらい。一応利益は出ていることになっているが、その10万の利益を稼ぐのに、日当3万円の技術者が4日間派遣されているとしたら?

 仕事しないほうがいい。

 おまけに「業界の慣習」として、技術者が外に派遣された場合には、技術者に対して出張費を出すのだ。それは日当5千円くらいなんだけど、それを考えると完全に赤字。
 しかも、うちみたいな零細企業の場合には技術者が営業も兼ねているので、技術者が出張に出ている間は営業ができない。もっとも派遣された先で次の仕事を売り込むのだろけど、それはたかが知れている。
 そして、問題だと思うのは、営業部員を兼ねる技術者は、たくさん派遣して、日当を稼げばいいのである。月に三箇所くらい派遣されれば、基本給に数万円プラスになるのだから、けっこう仕事した気になるだろう。
 だから、仕事単位で「もっと利益をあげるためには」と考えるよりも、「もっと派遣先を増やそう」と考えるらしいのである。

 もし、まともに利益追求する会社であれば、社員が一人いて営業をして、派遣する技術者は完全歩合制というか、月給を支払わずに、日当だけを支払えばいいのだ。実際、同じ業種でも大手はそうしているはずだ。私の友人の知人もその仕事をしており、結婚しているのでフルに働けないので、週に一回くらい派遣で入ってくる仕事をしているらしい。パートタイマーみたいなもんである。
 そのことに気が付いて、暗澹たる気分に陥る暇もなく、今度はその業務を一部うちの会社でやることになった。別に元々の会社でやってもよかったのだが、窓口がうちの会社になることで顧客の信頼感とそれと抱き合わせでいろいろコンサルできるという夢を見たらしい。

 それはいいんだけど、新規業務も相当特殊な業種であるので、経理の私としては現在泡くって税理士などと打ち合わせしちょるというのに、それをうちの会社でもやるとなると、社内書類もそういう体制になっていないし、いろいろと後手後手でついて回っているので精神的に負担が大きいのだ。
 で、私はそこそこ「全体の流れで判断できる」タイプなので、最終目的がわかれば「こうしたらいいのでは?」とか判断できるし、手を抜くとこは抜いて、決めるところはバッチリ決めて、という優先順位もふれるのだが、なにが目的で、どういうビジョンでこういうことをはじめて、そしてそこに配属された社員の役割分担もよくわからないうちに、書類だけが回ってきて「これ払ってください」というので、わけわかなんないまま、そのうちわかるだろうと思って支払い業務だけはやってきたし、売上計上(請求書発行業務)は経理でやる人手がないので、元々の得意先を抱えていた営業部の契約社員にお任せしていた。

 でも、いろいろ問題が生じてきて、これは他人任せにしていると後で収集つかなくなるということだけわかったのだが、はてさて、どうしたらいいのだろう?

 というのが、ここ最近のジレンマであったのだが、そのあたりの細かい懸念を上司にゆっくり確認する暇もなく、今日になって営業部の社員が清算書を持ってきて「これでいいんですよね?」彼は判断力は低いが、異常に神経質だけど、その神経質さがいつも私の利益にそぐわない、というか、要するに「自分に関心のあることには神経を使うが、肝心な一般的なことはけっこう抜けまくり」という私にしてみれば「要領悪いよあんた」な人であるので、彼がまたネチネチ質問というか「また、ミヤノさんにいろいろ文句言われてもかなわんし、確認してもらおー」という程度で確認してきた書類で、重大な問題点を発見してしまった。

 そもそも、私もその新規業務からみの仕事がどう流れるのか、さっぱり理解していないし、私にはなんの説明もないので不機嫌だったので「私は元々どういう話でやっているのかわかりませんけど、この部分はうちが負担するのはちょっとおかしいのでは?」と、うっかり指摘したら(気が付かなきゃ人生ラクなのによー)、向こうも「じゃあ、どうすればいいんですか?」とまくし立てるので「どうすれば・・・・ってゆーか、こういうことは事前に決めてから仕事してくださいよ。最近こういうこと多くて、私はもう、うんざりというか、めんどくさくてしょーがないんです!」

   夕方の疲れきった時間だったので、ついうっかり本音というか「やってらんねーよ」な態度を表明してしまった。
 しかも、なまじっか微妙に賢いばかりに、なぜそんなことになったかの理由も漠然と想像できちゃったので、そのあたりも説明してあげちゃうと、相手は私に判断を求めてくるのであった。
 知らんよ、わたしゃ。自分で考えろちゅーに。あんたのほうが絶対に高い給料もらっているはずだ。

 本日、年末調整還付金と供に、支払調書もいただいて、私は目出度く「年収450万円」というOLとしては、そこそこの年収であることが判明したが、これは断じてうちの会社の「中堅どころ」よりは低いはずだ。(他人の給与は知らないが、全社員の支給総額は知っているのだよ)
 その私に「だったら、どーすればいいんですか?」って丸投げすんな!ってかんじである。
 もっとも、営業が気に掛けるところと、経理が神経つかうとことは、たいてい食い違っているので、そのあたりの歩みよりの責任は経理が負うことになるので、そういう仕事は仕方ないけれども、自分で全くわからないものを自分より給料安い人間に押し付けようとするなんざ愚の骨頂である。

 けっきょく、すったもんだした挙句、「じゃあ、訂正すればいいんですね」と相手。私は「それでいいのなら訂正してください。それによって経費の金額が大きく違ってきますから、得意先に請求するときはそれを忘れずに」「じゃあ、わかりました」「あ、まって書類忘れてますよ」「え?僕がやるんですか?」
 あんたが、その経費清算した社員に訂正するように言うに決まってるだろうが、ゴラぁ。なんで私が言うのよ!

 えーと、いったい何に腹を立てているのか、よくわからないかもしれませんが、とにかくうちの社員一同「お金のことは全部経理が仕切る」と思い込んでいるので、この仕事にしても「結局これは売上がたつので仕入れになるのか、それとも単なる出張費というか経費になるのかどっちなんですか?」と確認しても「さあ?」
 「じゃあ、誰が把握しているのですか?」「たぶん、H部長とO部長じゃないかなあ・・・・」「だったら、その辺をもう一度確認してください!」
 奴はとってもめんどくさそうだった。自分は単に経費清算を預かって、経理に持ってきただけなのに、と言いたげなのもよくわかったが、彼が担当する得意先のための仕事であるので、部長同士が勝手にやっている、で済ませないで「僕にもちゃんと説明してください」とあんたが言わないといけないだろう。
 あたしがやってもいいけど、だったらあんたの給料を年50万くらい私にくれる?
 ちゃんとお金の流れの管理できない中間管理職なんて、情けなくない?

 というわけで、クリスマスの晩も残業する予定だったが、そんなやりとりでドップリ疲れてしまい、7時には会社を後にして、「年の瀬賞与(11月に冬のボーナスが支給されるが、給与の1か月分だけ年末に「餅代」として別途支給される慣習がある会社)も貰ったし、冬の賞与も普通預金に寝かしたままで、現在の私は「百万長者」なのだ。クリスマスだし、キーーー!高いワインでも買ってやる!」と意気込んで酒屋に行ったが、やはりフランスワインは高価すぎて清貧な我が身には辛かったので、1500円くらいのチリ・ワインと500円くらいのロックフォール・チーズ買いこんで、現在一人で打ち上がっているのであった。

 もー、自分のことしか考えないバカは死ね死ね死ね!

 と、一人孤独に「死ね死ね団」やっているのである。

   でも、私の言い方も悪かったかなあ・・・・(急に反省モード)
 別に責めているわけじゃなくて、もっと自分で責任持って仕事してもらいたいだけだ。自分の仕事の範囲をきちんと確立してほしいがけなのに、「経理がいろいろうるさいから」というところで落ち着いちゃうのかもしれない。
 こんな苦労するくらいだったら、契約社員のままでもよかったのだが、年収が100万以上低かったので「これじゃ生活できないよ」と思って正社員になったのだが、「これじゃ神経持たないよ」の危機になると、暇を持て余して、あれこれ趣味の世界(手芸したり、ペーパークラフト作ってみたり)に浸っていたころが懐かしくも思えるけど、でもやっぱり自分の能力が必要とされているのなら多少の軋轢があっても、いろいろ主張したいところだが、でも、私がギャースカ文句言うことを他の社員が求めているのか疑問である。私が「わっかんなーい!どーすればいいんですかー?」と言っても、結果的に上司や税理士が後で苦労するだけで、そいつらはそれなりのギャラ貰っているので、そこで苦労してもらったほうが、真っ当なのではいかと思うこのごろ。

 ふーーーーーーー
 またグチグチしてしまった。
 ここまで真面目に読んでしまった人には素直に「ごめんなさい」と言っておこう。何がなんだかわかりませんよね?

 家に帰ると、郵便受けに、叔父会社のボン(将来の社長)の「結婚しました」ハガキがあった。ボンはなかなかの好男子だし、その嫁も噂には聞いていたが、かなりの美人で、美男美女の結婚式美麗ショットがレイアウトされた写真搭載のハガキを見て「でも、なんでこんな年末に・・・・」と思ったら、「喪中につき・・・」
 かわいそうに、秋に豪華挙式を挙げて(招待客500人くらいいたらしい)、年賀状の準備もしていたのに、ギリギリになって誰か縁者が亡くなってしまったらしいが、それにもめげず「喪中につき」ハガキを挙式写真にしたその根性に頭が下がる。

 てゆーか、そんなに「挙式写真」をばら撒きたかったのだろうか?
 うーーーーむ、悪いけど理解不能。
 「今年の10大ニュースは将軍のロシア訪問」とかやっていて、世界の情勢とは完璧に別の世界で進行している北朝鮮のほうが、私がかの国で生まれ育っていたら「偉大なる将軍様」と嬉々としてマスゲームをしていたような気もするので(それで飯が食えるのならやるさ)、「挙式写真」や「生まれたお子様写真」を嬉々として配るよりも、北朝鮮のほうがまだ理解可能なのであった。

 こんな私がフツーの会社でせっせと働くのにはちょっと無理があると思うので、やはりなんとしてでも年末ジャンボが当選して、夢の「南の島で寝て暮らす」生活ができるよう・・・・・・・・・・・・どの神に祈ればいいのだろう?
 クリスマスらしいから、一応、今日だけは「アーメン」とか唱えておこうっと。
12月24日(火)

 昨日はせっかく書いた日記をアップするのも忘れてぐっすり寝てしまいました。
 たっぷりといつもの時間まで寝て、いつもと同じ時間に出社。
 いつもは遅めの上司も、今日はなぜか出勤が早かった。「エレベータでも○○さんと一緒だった」そうで、どうやら「クリスマスだからパパさんチームは早く来て早めに帰宅」するらしい。
 しかし、お姉さんチームは、11時になっても私と派遣社員の人しか揃わない。
 「パパさんチームはクリスマスの予定があるが、お姉さんチームは予定無しがバレバレ」と二人で笑っていた。

 案の定、6時になると、パパさんたちはワラワラと帰宅し、社長が「お前ら今日は早いなあ」と笑っていたが、それからしばらくして、「家族が誰も帰ってこない寂しいパパさんチーム」(要するに子供がもう高校生以上)で「飲みに行くぞ」という体制が整ったというのに、お姉さんチームがフロアに残っているという惨状を見て、社長が「うちの会社の女性はモテないのか?」と、また大笑いするので、ちょっとムカついた。

 クリスマス会も忘年会もパスして、なんとか年末年始を乗り切ろうと必死に残業してんですけど。
 だいたい、昼間はバタバタして落ち着かず、自分の仕事が全然手に着かないのだ。
 今日は明日現金支給する「年末調整還付金」を袋に入れるのに2時間もかかってしまったし。私なんかは、還付金が振り込みでも全く構わないし、多くの独身社員も同じだと思うのだが、「どーしても現金」という社員が十数名いるために、忙しい時間を捧げて、しかもクリスマスだっちゅうのに残業しちょるわけなんでございますよ。

 社内サービス部門は、社員の我がままに振り回されて大変だが、街に出ればほんとのサービス業の人たちは大勢働いているわけで、「別にクリスマスイブだからってデートしているというふとどき者(ローマ法王も「クリスマスの初心に返ろう」とか表明したらしいし)はそれほど多くないのでは?」と思ったので、帰りに早速「チェーン店の定食屋」に寄ってみたら、9時だというのに満席だった。

 ほーら、平日だし、年末だし、皆そうそう遊んでもられないはずだ。
 と、思ったが、でもやっぱクリスマスに「定食屋でカレー」というのもちと寂しくなったので、久々に「ジローのいる道」を通ってみた。ジローの道はスポーツクラブの帰宅ルートなので、スポーツクラブにご無沙汰しているとジローにもなかなか逢えないのである。(ちなみに、しつこいようだが、彼の名前はジローではなくて私が勝手にそう呼んでいる近所のハスキー犬)

 ジローは相変わらず、柵に寄りかかるように寝そべっていて、私が立ち止まって腰をおろすと、耳をピクリと動かして私の気配を察知し、モゾモゾっと体制をかえて「なでろ」の姿勢になった。
 耳がピンっと立っていて凛々しい横顔を眺めつつ、「ジローはほんとにイケ面だなあ」と思いつつ(少なくともトヨエツよりイケてると思う)、クリスマスイブにイケ面の犬をゴシゴシ撫でられて、あー幸せ、と思った。(負け惜しみではない)

 そんで、ジローの道を通ると、三茶のキャロットタワーの「窓の明かりでクリスマスツリー」が足元からよく拝見できるのである。いつも楽しみにしているキャロットタワーのクリスマスであるが、今年は心の余裕がなかったらしく、しげしげと拝見するのも初めてだった。

 とりあえず、なんとなくクリスマスらしいことをしたので、そこそこ満足したが、「でも、せっかくだからシャンパンでも飲むか」と思って、ついつい酒屋に寄ってしまい、ハーフボトルのモエドシャンドンを買って帰って、お風呂上りにこうして日記をしたためながら飲んでいるのだが、「やっぱシャンパンって値段のわりには美味しくないな」と思ったので、やはり奮発して買ったほんとのビール(発泡酒じゃないって意味)で口直ししています。
 シャンパンやめといて、ビール1ダースのほうがよかったかな?(貧乏性)

 今日の昼間にニュースサイトをチェックしたら、芸能欄に「クラッシュのジョー・ストラマーさん死去」という一行を見つけだが、そうやってカタカナ表記されて、しかも「さん」付けになっていたものだから、そのままボンヤリと目で文字をなぞっただけだったが、コンマ1秒後くらいに稲妻を受けたような衝撃を覚え「うそ!マジ?」と大騒ぎしたくなったが、会社でそんな話をしても誰にも通じないことがわかっていたので、しばらく一人でしょんぼりしていた。おかげで、お昼のお弁当も半分しか食べられず。

 私はそれほど熱狂的なクラッシュのファンでもなかったし、ジョー・ストラマーがポーグスのギタリストとして参加して来日したときには「ジョーも観られてお得」だとは思ったし、ピストルズが再結成しちまっても「クラッシュだけは頼むからやめてくんな」と願っていたりした程度のファンだったが、でもパンク界の永遠の兄貴だったジョーがいなくなってしまうのは寂しい。日本にもちょくちょくやってきていたので、これといって目立つような音楽活動をしているようにも思えなかったが、それでもなんとなく元気に活動している様子を知って安心していたりしたのだが・・・・・
 すでに80年代半ばには、アズテックカメラが、珠玉の名曲「Walk out to winter」の中で

 ♪ Face of Stammer that fell from your wall
   And nothing was left where they hung
   So sweet and bitter, they're what we foud
   So drink them down and

 と、唄っていて、壁から落ちた写真は別にストラマーのではなくても、誰でもいいと思ったのだが、でも、それが「こんなの貼っちゃってさ」という気恥ずかしさだけではなくて、壁から落ちなければずっと貼っていたかったものとして、ジョー・ストラマーを選んだあたりにアズテック・カメラことロディ・フレイムの詩人としての技量を感じたんだけれど。

 というわけで、レトリックではなく本当に「ストラマーがこの世からからいなくなっちゃった」というか、Face of Strammer that fell from your life になってしまったらしいことを惜しんで、そして兄貴不在のまま、一人で頑張って冬の時代を歩いていかなければならない我が身を励ますように「Walk out to winter」をリピート再生しちょります。ひゅーーーーー(吹雪いてます)

 ちなみに「Walk out to winter」は最近DAMに入ったので、それを知ったときには絶唱しましたが、それ以来唄っていない。ついでだから練習しておこう。
 でも、やっぱ「ロンドン・コーリング」も聴いてしまったりする。・・・・うう、シンプルでチープな音が泣けるぜ。
12月23日(月)

 天皇誕生日で祝日らしいが、私は5時に起床。
 今日も天候が気になったが、まんまと晴天になるらしい。イベント仕事なので天気の良いのに越したことがないが、朝のニュースを観ていると「掃除日よりですね」などと言われているので「ああ、こんな日にお仕事なんて」と悲しくなったが、このイベントで飯を食っている身としては文句を言っても仕方ないし、それにいつもだとこのイベントは日曜日開催なのだが、祝日はテレビ番組は通常モードなので、朝のキャスターたちの見慣れた顔を見ると「みんな、祝日はフツーにお仕事しているのね」とちょっとだけ心やすまる。

 今日の会場は午前中だけだったし、客を屋内のロビーに並ばせられるので、いつもに比べると「寒いよ〜〜」という問題が少なく、しかも9階の会場までエレベーターで誘導するので、私はすっかり「エレベーター嬢」になるのが気に入って、ずっとエレベーターで上下していた。
 だから、いつもに比べると「階段上がり降り」も少なく、それほど疲れなかったが、やはりずっと立ちっぱなしは辛い。
 1時には開放されて、「これから洗濯するぜっ!」と叫びながら、まっすぐ帰宅。
 まだ少しお日様のお力が残っていたので、速攻で布団を干し、その隙に掃除機もかけたのだが、なんでこんなに埃が溜まっているのであろうか?私はそこそこの「誇り高い人間」であると自負しているが、誇り高いと埃も増えるのであろうか?だったらもうちょっとプライドを下げてもいいのだが。
 ともかく、なんとか掃除洗濯をやり遂げた。
 どうせ、休日は昼になんないと活動しないので、いつもと同じような時間に掃除洗濯をしちょるわけだ。
 でも、年末だし、クリスマスらしいので、BGMを「第九」にして気分だけ盛り上げてみました。

 掃除終わったら、なんだか眠くなってきてしまった。
 まだ5時だけど、今から寝れば14時間くらい睡眠できるな。
12月22日(日)

 また寝たとたんに電話で起こされ、3時まで長電話。
 最近お疲れ気味なので、もうちょっと早めに電話してほしいのだが。

 10時に起きたが、「笑っていいとも増刊号」を布団の中から観ながら、しばらくウダウダしてから、窓を開けて天気を確認すると雨があがっている。よかった、よかったと、やっと11時過ぎに支度しはじめ、なんとか12時前には出発するが、霊園のある駅に到着したのが1時ちょっと過ぎ。「1時に現地集合」と言われていたのだが、私は特に手伝うつもりもなかったので多少遅めでもいいやと思っていたのだが、霊園の入り口を入ってからが長く、たっぷり15分は歩いたような気がするが、霊園内のまっすぐな道をとぼとぼ歩くと実際よりも長く感じた。
 タクシーで行ってしまう人もいるようだが、駅前で「レンタル自転車」があったらいいのに・・・・それよりも平らな舗装道だし、キックボードとかローラーブレードだとけっこういいかもしれない。そうだ、表参道あたりで、環境保護系の団体が経営するドイツ産の「エコ・タクシー」が走っているようであったが(オート三輪の自転車版だったような)、あれなんて墓地内では活躍できそうだ。

 などと考えながら、なんとか1時半には両親と叔父夫婦と合流できたが、肝心の「骨壷を持ってくる伯父」が到着していなかったのだが、それから15分くらいして「標識が見にくくて青梅街道と新青梅街道を間違えて、すっかり迷ってしまった」と言い訳しながら到着。埼玉から来た叔父夫婦も「道を間違えて横田基地に出てしまった」とか言っていたので、叔母が「出る前にちゃんと地図を確認しないんだから」と文句を行っていたが、その辺も「似たもの兄弟」なのかもね。

 さっそく皆が持ち寄った工具で、墓石を動かす。石はけっこうすんなりと動いたが、中はけっこう狭く、大人一人がやっと入れるような空洞に棚があるので、叔父が中に立って骨壷をけっこう苦しい体制で収める。たしかに、それほど大変な作業ではないが、服は汚れるし、それほど力作業でもないのだが、年寄りにはできない作業だな。
 だいたい、めんどくさがりの私は、ただ横から「へー、中ってこうなってるんだ」と眺めていただけで、全く手を出さず、嬉々として「やっぱ、自分らで出来るじゃないか。数万円は高いよ」と会話する叔父と伯父のDIYな会話をぼんやりと聞きながら、「やっぱ面倒そうだから、私が誰かを埋葬することになったら金払って済まそう」と思った。

 また蓋を閉めて、蓋となる石と礎石の隙間をセメントで封すると母がリサーチしたので(そうしないと、地下になる骨壷を納める穴に雨水が入り、豪雨のときには骨壷が水で浮いて、割れてしまったりするそうなのだ)、母が用意したセメントを水で溶いて塗ったのだが、セメントをどの程度の堅さで塗るのかがよくわからず、叔父がやったのだが、かなり粗雑な出来具合。亡くなった祖父が見ていたらそんな雑な仕事を絶対許さなかっただろう。(印刷屋だったので、とにかく細かい人であった)

 まあでも、なんとか納骨をやり遂げてから、霊園の事務所に行って「埋葬許可証」を持って埋葬手続きをして(まだ埋葬してないことにして「これから自分たちでやります」と言って書類を作成してもらった)、墓地の所有者を変更する手続きもしたのだが、本来なら喪主であった祖母がやることなので、委任状だのなんだので書類手続きが煩雑になっているようだった。

 30分くらいゴチャゴチャ話しているうちに、伯父が私に「もう済みそうだから帰るぞ」とこっそり声をかけて帰ってしまい、手続き終了後に叔父が車で両親を送ってくれることになったので、どこかで軽く食事でもしようということになったので、街道沿いのファミレスで5人で食事しつつ、「とにかく、雪降らなくてよかったよ」「ほんと、雨でも辛かったよね」「これで年内に済んでやれやれってところだね」とお互いの労をねぎらった。

 その後「うちに寄っていきなさいよ」と母が言い出すが、叔父たちも「もう帰るよ」と言っていたし、たしかに道路もけっこう混んでいるので早めに帰宅したほうがいいと思ったし、私も「明日、5時起床の仕事だから、実家に寄っちゃうと遅くなっちゃうし・・・」と、しばらく駅で両親と「結局、老人ホームには行けなかったね」「でも、私も年内はちょっと厳しい。来年になったら・・・」などと話してから、帰宅。

 結局私はなんにもしなかったが、とりあえず墓に行ったことなかったので、場所を確認したかったのと、墓の中がどうなっているのか見たかったので、無理して行ったのであるが、孫で参加したのは私だけだったし(従姉妹は今日が祖母の介護当番。他の孫も年末だし、それぞれ事情があるのだろう)、うちの両親も私がいたので嬉しそうだったので「自分の貴重な休みを犠牲にしたけど、親孝行にはなったようだ」ということで・・・・・

 祖父の骨壷を見ても、それは単なる物体としか思えず、それを何か手厚く葬ろうとかそういう感情が全く湧かないし、私はあまり墓参りも熱心にしないだろう。やはり何かの気持ちを伝えたいのであれば生きているうちにしなければ意味ないと思うし、それが家族でも友達でも、とりあえず「自分に出来る範囲の愛情表現はなるべく惜しまないようにしよう」と改めて思うのであった。

 ずっと外にいたので、やはりちょっと冷えたみたいで、なんとなく風邪ひいたかもしれないが、そうか、そもそも寝不足気味なんだもんな。
 今日こそ早寝しよう。

12月21日(土)

 ちんたらと出勤。
 天候不良。
 今日はどーせ会社に缶詰だから雨が降ろうが雪が降ろうが、電車が止まらなければOKだが、明日明後日は屋外仕事であるゆえに天候が気になる。と、思っていたら、月曜日に割り振られた会場は屋内に広いロビーがあることが判明したので、もしかするとそれほど冷気にさらされずに済むのかもしれないが、明日の納骨はどうすんだろう?
 だいたい、うちの家族はなぜか全員ケチなので、業者に頼まずに墓石を動かして自分たちで納骨するらしい。母とその兄弟たちは「多分、簡単だと思う」と言っているが、ほんとにそんなに簡単なのかなー。怪我したり、腰を痛めたら出費は数万円で済まないと意見したのだが、本人たちがそれでいいと言い張るので、私が墓石動かすわけではないし、黙って見学することにした。

 土曜日の会社は静かだったので、後回しにしていた面倒な仕事を黙々と片付ける。
 新規業務の伝票入力で100行くらいの仕訳をしなければならない伝票があって、一枚の伝票はソフトの仕様で35行しか入らないので、3枚びっしりと入力。
 サクサクやっても1時間くらいかかるのだ。
 そんで、その仕事というか、その売上って、月に200万円くらい売り上げても、利益が3万円くらい、という空しい業務で、それで私がその経理処理をちんたら3時間もかけて(途中で飽きてしまうので、どうしても時間がかかる)やっているとなると、さらに赤字が増えると思うので、やるたびに空しさが累積していくのだが、どうにかしてもっとラクにできる方法を考えないとな。
 私だったらもっと端折ってやっちゃうのだが、その業務の担当税理士が細かい人なので、どうもズルできなさそうなのだ。

 そうやって細かく集計することによって、その業務を黒字に好転させるための策が作れたりするのであれば、私だって頑張ってやるけど、私だけが砂漠にジョウロで水をまいている状況を理解したとしても、実際にその業務に携わっている社員は「ああ、なんか忙しいな。あれ?今月は200万円も売り上げちゃった、すごーい」とか思っている可能性もあるので、200万のために、請求書を50通くらい発行したり、仕入れ伝票を100枚くらい書く手間をどう考えているのか私にはわからない。

 それで細かい現金入金などをせっせと持ってきてくれても、現金入金伝票打つだけで手間なんすけど・・・

 やらないほうがマシな仕事に関わっているとほんとに空しくなる。

 墓の話に戻るが、祖父は田舎から奉公人として出てきた人だったので、自分の墓地を昭和40年代に購入していたようだ。
 そこはずっと権利だけ所持していたのだが、祖父が仕事をリタイアしてから墓石なども用意していたみたい。
 当時はその墓地も僻地だったろうが、今では、まあまあの立地だと思う。新宿から数十分の駅の駅前に広がる都営墓地だ。
 うちの母は、父の家の菩提寺である東京の下町の寺の墓地よりも、そっちのほうが無宗教だし「あっちに入りたいな」とか行っているが、今回の祖父が亡くなったので、母の弟である叔父がその墓地の権利を相続することになったが、その叔父は「墓なんかに入りたくない」と言っているようだし、その兄である伯父は「山で死んでそのまま発見されたくない」とみんな好き勝手に言うので「でも、納骨しないと言うのは勝手だけど、そこいらに散骨するのは違法だと思うんだけど・・・・」
 と思ったので、ちょっと調べてみたが、最近は海への散骨もけっこう増えているようだ。
 漁業権などへの配慮があったと思うのだが、漁場を避ければ問題無いらしい。
 わかった、伯父さん、こっちにしてあげるよ。
 てゆーか、ちゃんと自分で調べて企画書作ってくれたまえ。

 友達に祖父の葬儀について愚痴ったら、「亡くなった本人にちゃんと意志を聞いておかなかったの?」と言われたので、自分は孫だからそのへんのことはよくわからなかったのだが、たぶん、明確な指示はなかったのだと思う。だから「世間並みに」という言葉に流されたのだろう。
 「本人がそういうのはちゃんとしておくべきだよね」
 といわれて、まあ、なかなかそうもいかないが、田舎のように「こうすべき」という暗黙のルールの縛りがそれほどない都会では、本人が「葬儀なんてするな。墓にも入れるな」と明確に意思表示しておけば「故人の遺志ですので」で済んだはずだ。

 まあ、葬式なんて、亡くなった本人は立ち会えないわけだから、故人のものというよりも残された親族のためにやるようなもんだから、「自分はこうしてほしいと思うが、子供たちにもそれぞれ社会的地位や体面があるだろうから」とも思うが、しかし、この「とりあえず無難」を目指すということもけっこうややこしい作業である。

 うちの葬儀でも、キーワードになったのは、「世間並み」とか「まあ普通に」とか「皆がいいように」とかであったので、私がその状況に少しいらだったのは、それが会社などでもよく振り回される言葉だからだ。
 私も、自分で決定するのがめんどくさいときには、そういうことを言うと思うのだが、「皆がいいようにしてよ」というセリフが持つズルさがどうにも気に入らないので、なるべく言わないようにしているというか、私はとりあえず「私はこうしたいと思っている」と言ってから、でもそれが受け入れられなかったときだけ、ふてくされたように「じゃあ、皆がいいようにしてください。それに従います」と言うけど、でもそういう過程もすっとばして「でも、フツーはどうするのかな?」にこだわる人がけっこう多いと思う。

 「皆がいいように」というのなら「最大多数の幸福」だかなんだか、とにかく民主主義的なそういう考えに基づいて「最終的には多くの人がこれで満足できるように」ということを考えているのなら別だけど、どうもそうじゃくて、ただ何か「絶対的なフツー」という概念を振りかざすのには納得がいかない。

 他の外国ではどうだか知らないが、日本ではこの「フツー」というあいまいな概念がかなり跋扈しているので、逆に「フツー」というのが劇的に変わっていく過程を観察するのは面白いときもある。
 身近なのが「ゴミ捨て場」だ。
 管理の悪いゴミ収集所があると、ゴミの収集日以外にもゴミが捨てられているので、そうなるとモラル・ハザードというのか、皆好き勝手にゴミを置きはじめるが、いったんそこを誰が根性のある人が頑張って掃除すると、そこは一転して「ゴミを放置してはいけないのがフツー」になるようだ。たしかに、誰もゴミを置いていないところに、ポツネンと置くのは勇気がいる。
 「私は好きなことにゴミを出す主義だ。ちゃんと処理しない行政が悪い」という強い意志を持って不法投棄しているわけでもなく、「みんなが捨ててるからOK」「みんなが捨ててないからダメみたい」という判断基準なんだろう。

 駅前に駐輪してある自転車だって、整然と並んでいれば自分も神経つかってきれいに並べるのだろうけど、いったん雑然としてしまうとどこに基準を見出していいのかわからなくなり、だんだんゴチャゴチャになっていく。

 「エスカレーターの片側で立ち止まる」というマナーもいつのまにか定着したが、ちょっと前までは、その暗黙のルールの存在に気づかなくて、「歩いて登る人用」の通路を堂々とふさいでいたが、最近は「片側」を意識するようになった人数が増えて「大多数」=「フツー」になったので、フツーじゃない行為をしていた人が「これはなにかおかしい」と前後をキョロキョロと見回してスっと片側に寄るという光景を目にするようになった。

 友達がウィーンに行ったときに、エスカレーターでウィーン市民がぴったりと右側で立ち止まりるのを目撃して「さすが」と思ったようだが、やはりアジア系というか、たぶんトルコ系移民はそれを無視して堂々とで立ち止まっていたようで、「人種差別はよくないとは思うが、たしかに移民に対して神経質になる気持ちもわかる」と言っていたが、日本で「マナーがわかっていない人」は、そこまで厳格にルール無視をするわけではなく、絶対的多数の前では挙動不信になるようなのだ。

 エスカレーター片側寄りや、銀行のCD機やトイレでのフォーク並びはたぶん、私もそうだが、西欧旅行をした人にとっては「実に合理的だし、これをやったほうが自分にも利益が大きいし、他の人にとってもストレスの回避になるだろう」というわかりやすいものだったので、日本でも導入されて受け入れられたのは嬉しいかぎりだが、でも、その自分にしても染み付いた体質というか、やはり「これが皆のためには正しい」ということよりも、なんとなく「フツー」ということに流されているような気がしなくもないのがちょっと片腹痛いが、ええと、また脱線しちゃったな、葬式の話をしていたんだ、東京という大都会においても「葬式は坊さんにお経をあげてもらうのがフツー」という思いはまだ根強いのだが、あと数十年すれば「自分の家が仏教のどの宗派だかもよく知らないのに坊さん呼ぶのは変なので、坊さんに来てもらわないのがフツー」という時代が来るような気がする。

 すでに結婚式業界においては芸能人が先陣を切って「結婚式挙げないジミ婚」をトレンドにしたので、結婚式を挙げない人がいても、「今はそういうのが流行りらしい」と理解されるようになったし、「とにかく本人たちがそうしたいのならそうすれば」ということは認められるようになったので、葬儀という本人が不在のときにもそれが認められるようになるまではもうちょっと時間がかかるかもしれないが、死後の臓器提供なんかもメジャーになってきたし、「死んだらこうしてくれ」というのをちゃんと意思表示している人も増えたと思うし、「なにがフツーか」じゃなくて、「自分はこうしたい」ということをちゃんと決めることはいいことだと思う。

 無茶な願いだったらともかく、誰にも迷惑かけないようなことだったら「こうしたい」と宣言するのは恥ずべきことではない。
 でもやっぱり自分にしても「こうしたい」と宣言することがいいことである、という教育を受けていないので、どうも弱っちくなりがちなので、もっとちゃんと意思表示しなけりゃな〜と思う。へなちょこなので「フツー」を振りかざす人たちにいつも負けているのだ。
 もっとちゃんと自分の意志を伝えられて、「フツーがいい」という人を納得させられるだけの度量をもちたいなあ、と思うのである。まだまだっすね。
12月20日(金)

 深夜にまたB君からの電話で叩き起こされた。
 なんか仕事の話をしたかったようで、私が勤務する会社の親会社の話を始めた。
 「ちょっと調べてみたけど、年商210億だって?すごいじゃん」
 「そう?別にたいしたことないと思ってたけど・・・・」

 年末ジャンボで億万長者を目指す自分にとっても(今日やっと買いました)、200億っていうのは想像もできない金額ではあるが、現在勤める年商数十億円の会社で、「年末には、この間、当貸で借りた1億円を返済しちゃいたいなあ」なんて思っているし、毎月親会社にはやはり億単位の請求書を発行したりしているので、億単位に鈍感になっているのである。
 それに、年商だけじゃ、規模はわかっても、その会社が本当にすごいかどうかなんてわからないし、もし私が企業のことを評価するのならトーシローなりに「配当金」あたりで判断したくなるんだけどな。今日も会社で所有している株の配当金が郵便為替みたいなので届いたが750円って・・・・それにハンコ押して郵便局に行く私の人件費がもったいないではないか。

 というわけで、なにやらまたビジネスの話をいろいろしたのだが、いいかげん「億単位」を目指すよりもまず「数百万」稼げよ、と思った。
 たぶん、親会社とB君が今たくらんでいるビジネスのジャンルがかぶるのに気が付いて、それで探りを入れてきたようだが、そういうビジネス話は親会社にはひっきりなしにあるということを説明してあげた。世の中そんなに甘くないって。

 おかげでまた寝不足になり、いつもどおりに出勤するが明日も出勤だと思うと疲れ倍増で、ちんたら仕事していたら、新規業務での新たな問題に気が付いてしまい、どっぷり落ちる。
 「普通の人よりやや頭が回るので、こういうことに気が付いてしまう自分が憎い。そして、その問題点をクリアするのには苦労する程度の知能なので、それがまたまた悔しくってしょうがない」
 と、しばらくモニターを見つめたままフリーズしていた。
 「気がつかなかったことにしよっかな。多少、消費税を損するくらいだし・・・・試算してみよう・・・・年間数十万円の違いか・・・・ふ・・・・・小さいと言えば小さいが、大きいと言えば大きい・・・・・ああ、気づかなければよかった。これをまともにやるとまた仕事が増えてしまうし、それで会社に利益をもたらしても、私は単なるサービス残業・・・・・ふ・・・・・」

 うーむ、しかし、負けず嫌いの私は多分、「わかっていたけどシカトしちゃったこと」を後で税理士などに指摘されたら死ぬほど落ち込むだろう。それを考えるとやっぱちゃんとやったほうが精神衛生上よろしいのかもしれない。
 うーむ・・・・・とジレンマに陥っていたら、「今日中に振り込んでほしい」という依頼が舞い込む。「あ、でも、もう3時過ぎちゃったらか、今日入金は無理ですよ」と言ったのだが、今日処理で火曜日付けでの振込領収書をファックスすればいいのだと言う。
 ガアア、まったくめんどくさいし、さっきも銀行に言ったばかりだが、まーしょーがない。私の仕事だし、と観念して、銀行のキャッシュコーナーに行って現金で振り込んで、会社に帰ってきて領収書をコピーしようと思ったら、袋の中にはおつりの小銭だけしか入ってない。
 「あり?」
 と思って、持っていった手提げの中やコートのポケットを漁るが、やっぱり入っていない。
 現金で振込みなどめったにしないので、小銭のおつりに意識が集中していたのか、そういえばレシートみたいな明細書を見た記憶がない。
 「うわ!レシート取らないで帰ってきてしまったかも!ひええええ」
 と叫びながら、師走の町をほんとに疾走してしばいました。
 ゼーゼーいいながら、キャッシュコーナーに到着したが、やはりレシートは残っていない。後から来た人がゴミ箱に捨ててしまったのかもしれない。私が振り込んだときには後ろに並んでいた人がいなかったのが悔やまれる。混雑している時間だったら、次の人が気がついてくれたかもしれないのに・・・・

 仕方ないから、インターホンで係員を呼び出し、CD機についているゴミ箱を開けてもらい漁ってもらうが、念のため3台分開けてもらったのだが、レシートは見つからず・・・・・
 「再発行してもらえるのでしょうか?」と聞くと、「来週の火曜日なら可能ですが、今日は無理です」と、つれないお答え。

 あああ、もう基本的なチョンボ。
 師走らしい事件ではあるし、いろいろ考え事をしていたときに急に言い付かったので渋々やった振込みだったが、こんな結末とは悲しすぎる。

 結局、領収書をファックスする手配をしていた人に「すいません、うっかりしてました。なんならもう一度振り込んで、先方が入金を2件確認したら片方返金してもらうということにしたら・・・・」と言ったのだが、たまたまわりと融通のきく取引先のようで、「大丈夫、信用してもらいましょう。向こうだって返金するのは面倒でしょうから」ということで、なんとか無事済んだのであるが、しかし、そのミスのショックで、その後全く立ち直れず、ってゆーか、完全にヤル気を失ってしまい、今日は珍しく6時半には会社を出た。

 ここんとこ、こーゆーつまらないことで、つまづくことが多いので、少し引き締めないといけないとは思うのだが、あまり落ち着かない環境であるわけだし、私は総合的には有能であると思うのだが、単純ミスは多いほうで、金額の入力ミスなどは日常茶飯事である。頭は回るが反射的な仕事というか、単純作業にはあまり向かないタイプなのはよくわかっているので(とにかく大雑把で杜撰なのである)そういう仕事は後輩や派遣社員になるべく割り振っているのだが・・・・
 と、言い訳をグチグチ書いてもしょうがない。
 来週は今週以上にドタバタするのが必須なので、少し気を落ち着けて仕事しようっと。
 私だけじゃなくて、後輩も「初めての年末」にかなり翻弄されていて、うっかりミスが多くなっているし、そっちにも注意を払わなくてはいけないので、そんな気を回してる余裕もないのだが、中堅社員はいろいろ辛いっすねー。(その割には給料安いと思うのだが、いいもん宝くじ当てるから。それに、給料はこんくらいでいいから、仕事減らしてほしいです)
12月19日(木)

 もっと楽しい「師走ソング」を発見した。

 ♪ しわぁっすなら手をたたこ! パンパン 
 ♪ しわぁっすなら手をたたこ! パンパン 
 ♪ しわぁっすなら態度でしめそーよ (胸を張ってカレンダーを指さす)
 ♪ ほら、みんなで手をたたこ! パンパン 

 す〜ばら〜しぃ〜〜〜〜〜(スネークマンショーの先坂さんか桃内さんの声色で自画自賛)

 と、一人遊びに興じていたのだが、今日になって24日にやらなければいけないことを数件いいつかり、「ちっ、休もうと密かに計画していたので休めないじゃん。クリスマスイブを寝潰そうというゴージャスな企画だったのに」とムクれてみたりしたが、世間ではクリスマス前の3連休かもしれんが、私は土曜日も出勤で、日曜日は休みだが、墓地での納骨に参加しないといけないし、月曜日はまた5時起きなんである。せめてもの救いは、月曜日のイベント仕事は昼くらいに終了する会場に割り振られたことくらいか?

 今日も「働けど 働けどなお 我が仕事 全然片付かないよ じっとカレンダーを見る」と、来週は火・水・木・金の4日間しかないし、金曜日は会社の忘年会なので残業もできないし、今年の分は今年中に処理しておかないと、年明けは月初の仕事がドドドっと押し寄せること必須なので、いったいあたしゃどーすりゃいいのだよと、「トホーに暮れてトホホ」なキモチを満喫してしばいばした。

 そーいえば、先日行った祖母宅で母と叔母が、祖母と同居している伯父について話していて、伯父はなぜか母のことが気に入らないらしく、無視するか意地悪を言うかどっちかになっているのだが、叔母も「Kお兄さんも、自分の妹なんだし・・・」とその関係がギクシャクしている理由がよくわからないようだが、母曰く、
 「まあ、私もお父さんとはよくつまらないことで喧嘩するし、あなたのとこだってそうやって夫婦同士で当り散らしてストレス発散したりするわけでしょ?でも、独身のK兄にはそういう相手がいないわけだし、代わりに私にアタってるんじゃないかしら?」
 叔母は「そういうもんかしらね。まあ、そうかもしれない・・・・」と言っていたが、母は「ところで、あんたなんかはそのストレスをどう発散してるの?・・・・・・ビール?」
 体調不良の娘は、母と叔母の会話にテキトーに相槌いれながら、テキトーにビールを飲んでいたのである。
 「え?まあ、これもあるけど・・・・・あとは、友達と長電話とか?」
 「あんた、ほんとに長電話だもんね。」

 キャッチホンにもしていないので、周囲からとても評判の悪い私の長電話であるが、最近はそれほど電話に頼っているわけでもなく、どっちかというと、日記にストレスぶつけまくっているのであるが、それは内緒なのであった。
 
 なんかいろいろと、ブツブツ考えてはいるのだが、考えをまとめる時間が無いのがちょっと悲しい。
 インプットが全て中途半端になっているようだ。
 というよりも、典型的女性脳というのか、私は自分が漠然と考えていることを会話することによって無理やりアウトプットしてまとめていくタイプのようである。
 ちゃんとその会話についてきてくれる友達もあまり多くはないが、とにかく今はそんな時間があまりないので、もやもや〜っと考えていることが、きちんと言語化されないまま、もやもやぴょ〜んと流れ出てしまうので、自分でもイマイチ納得いかないというか、ちょっとストレス溜まっているのであるが、そのうち大いに発散できることでしょう。
 希望を失ってはイカン。

 ふと思う「愚痴るほど忙しいのはそれなりに幸せなはずだ」
 亡くなった祖父は、70歳になってからその後の20年くらいは、ほんとに「暇つぶし」に人生をかけていた。祖父の残した様々な暇つぶしは親族にとってはそれなりに偉業であったが(小作人の家系なのに、せっせと家系図を作ってみたり・・・)、はっきり言うと「別にやらなくても誰も困らないもの」であった。
 鉢植えの花を育てたり、池を自作して金魚にエサをやったり、東急ハンズで大工道具を買って「電話機を置く棚」を作ったり・・・・祖父がまだ70代だったころは、私が「漫画の単行本が納まる本棚が欲しい」と言ったら、千葉まで出張してきて3日間泊りがけで立派な本棚を作ってくれたりしたが、体力が無くなってきたらノコギリを振り回すわけにもいかず、自分でできる作業を見つけて細々とやっていたし、90歳近くなるとそんな体力も失われてきて、コタツで寝ている毎日であった。

 そうやって、だんだん弱っていって、そのうち足腰立たなくなるんだろうと、誰もが思っていたが、昨年になてって祖母が脳血栓で倒れて、半身が麻痺して家事ができなくなったら、祖父はいきなり家事をやりだし、祖母にかわって掃除洗濯と食事作りをこなしていたのだ。
 頻繁に手伝いに行っていた母も「なんか、お祖父さんったら元気になっちゃって・・・」と苦笑していたが、私が様子を見に行っても「自分ひとりじゃ、思うようにいかないから、できるだけ手伝ってくれ。お祖父さんも大変だよ」とこぼしてはいたが、でも、人生の終盤に立って、やっと「自分の働きが必要とされている」という地位を取り戻した人の輝きを感じた。

 たぶん、祖母が家事をやっていれば、祖父の腫瘍は急に発達しなかったのかもしれない。祖父のテンションがあがってしまったので、小さかった腫瘍がその活力をエサにして半年くらいで肥大化したのではないかと私は思っている。
 祖父の様子を観察するにつけ、私も失業中は「私って誰にも必要とされてないのね」とドップリと鬱状態に陥っていた当時のことを忘れないで、今現在の「キーーーーー!なんでもかんでも私に頼むなボケっ!」という状況はムカつくことはムカつくのであるが、それでも「誰かから必要とされてるだけマシかな?」と思う瞬間もあるわけで、その辺がとても微妙ではあるが、でも、これって重要なことらしくて、たとえばこの日記にしたって、「なんか読んでくれている人がいるらしい」と思うだけでも、なんとか書く気になっているわけで、それはどうやらお金よりも重要らしいようだ。

 なんとなく、印税でガッポガッポの人も「いくら儲かりました」ということよりも「何万人が私のために金を払ってくれたらしい」と言う事実を心の支えにしているような気がしますけど・・・・と、こんなことを言うと、「お前は著作権に無頓着だ」と叱られそうですが(いつも叱られている)、そういえば、アムロちゃんが結婚した直後のオーラの落ち方をうちの妹が注目していて、それは私もアムロに興味がなくてもすごく感じていたので、「不特定多数からの愛情を吸い取っていたオーラが、たった一人でいいやと思った瞬間に無残に消えていく様」をリアルに感じて面白かったけど、そーいえば私も昔の知人に「とにかく大多数に支持されたい」というブラックホールのような欲求をもった女性がいて、とにかく狭い周囲でも、全ての人の関心をひきつけないと気がすまなくて、何人かは凋落させたが、私のことも凋落させたかったらしいが、何を勘違いしたのか作戦が全然トンチンカンで「私、独学でシュタイナーについての勉強をしていて、論文書いているの」と言われたって、こっちは「シュタイナーって一応基礎的なことは知っているが、それについて語るとボロが出るので黙ってよう」と思って「ふーん」と聞き流していたのであるが、後で、共通の仲のよかった男友達が「彼女はそういう精神世界にも造詣が深いが、ときどきスマップの話題みたいな俗の世界の話をするのがどうもね」と話していたのをきいて「なるほど。彼女は私がこの人と仲良しであるから、私もそっち系の人間と読みあやまったのだな。シュタイナーの話なんてしないで、スマップの話をしてくれたほうが尊敬したのにさ」と思ったのであるが、えーと、何を言いたいのかよくわからなくなってしまったが、要するに私の身近にいた「ブラックホール系」が成功しなかったのにはそれなりにのわけがあって、というか、本人はいろいろ画策してたんだろうけど、それがうまくいかなくて、でも、テレビを観ていると、それをあっさりと成功させているアイドルが多数いて、その違いはなんだったんだろうと考えるにつけ「才能かな?」で終わってしまうんですが・・・・

 結論。人は誰でも他人に必要とされたい。でも、それには才能もいるし、運も重要である。
 で、今現在の自分が「報われない人」なのか、「数人には必要とされているので、けっこう幸せな人」なのか判断に悩むが、基本的に能天気なので、

 ♪ しわぁっすなら手をたたこ! パンパン 
 
 で、いいや、ということに無理やりしておこう。
12月18日(水)

 また掲示板が重いみたいですね。太陽黒点かなんかの影響でしょうか?(根拠無し)

 昨日は会社でちょっとムシャクシャする出来事があったので、「もーやだ、こんな毎日」と嘆きながら帰宅して、駅から家へと歩く途中も、なんだかとっても悲しくなり、ほんとに電信柱の一つも殴りたいような心境であったが、そのときにふと、

 ♪ しわぁすですか しわぁすですか あなた今〜 ♪

 という替え歌が頭の中に反響し(自作なのか、他人の作品なのか不明)、おかげさまで「全然しわーせ(幸せ)ではないが、でも、少なくとも、しわぁす(師走)らしい」と納得したのであった。
 しあわせとは程遠い生活を送られている方は、この歌をちょっと口ずさんでみることをお勧めします。ちなみに曲名忘れましたが、さだまさしの歌のはず。

 これに気を良くして、こういうのも考えた。

(「365歩のマーチ」の節で)
 ♪ しわぁっすは 歩いてられない だっから走っているんだよ ♪

 先生方に、この歌を歌いながらキャンパスを走り回ってもらいたいです。

 と、必死で自分を鼓舞しているというのに、今日の昼間は私をまたズンドコに突き落とすようなメール。
 財形を解約した社員の財形契約証書が返送されてきたので、それを返しに行ったら休みのようだったので、机の上に封筒ごと置いて置いたのだが、
 「私の財形証書が○○さんの机の上に置いてあったんだけど、なぜですか?中を見られてしまったじゃないですか。」
 という、クレームのメールが来たのである。
 その社員の隣の席の社員も休みだったので(うちの会社、土日でも出勤するので平日に休む人が多い)間違えてしまったのだ。いつもなら、「○○さんの席ってここですよね?」と確認したりするのだが、そのときはその島の社員もドタバタしていたので、確認せずに置いてしまったのである。

 その社員は、財形の一部解約が最近頻繁で「解約してるなら財形の意味ないし、自分の口座への振込み手数料が損だから、普通の銀行の積立預金とかにしておけば?」といつも言っていたのであるが、前にも解約するときに、解約用紙を机に置いておいたら、「言ってくれれば取りに行きますから」と言われたし、どうもお金のやり取りを回りの社員に知られるのが嫌なようだった。
 まあ、たしかに、財形でいくら積んでいるとか、いくら解約するとか、そういうことはプライベートなことだから、彼女の言い分もわかるのだが、私はどうもそういう意味ではかなり無神経なタイプなので、かなり反省すると同時に「だったら財形なんてやらなきゃいいじゃんよー」と釈然としなかったのだが、でもやっぱり自分の無神経さを真摯に反省してみたりを繰り返していたらドップリと落ち込んでしまいました。

 でも、あの人は本当にめんどくさいから、いいかげん財形やめてほしい。そんなちょくちょく解約するんなら絶対損だし。
 まあ、そんな些細なことで、午前中は落ちていたのであるが、午後になったら、バタバタしはじめ、うちの会社のことでA税理士事務所と電話で話し、手伝っている業務のことでB税理士に電話して・・・・を交互にやっていたら、どっちがどっちの税理士だかだんだんわかんなくなってきて、危うく間違って電話するところだった。

 その他にも、細々したことで振り回されて、その対応でヘトヘト。「ああ、もう3時か」と思って、次に時計を見たときには6時だった。今日こそ早く帰りたいと思っていたのだが、残務処理で結局7時になってやっと帰れた。
 なんだか、師走はこんな感じが続きそうです。
 ♪ しわぁっすは 歩いてられない だっから走っているんだよ ♪
 とガナリながら物凄いスピードで走ってくる(「口裂女」のイメージ)センセーに追いかけられているような心地で落ち着きません。

 冬眠したい。

12月17日(火)

 「自分の人生を足元から立て直そう」と思いたち、家に帰ると夕飯も食べずに掃除洗濯を始めたのだが、洗濯が終わる前にS君からの電話につかまり、結局12時過ぎまで長電話してしまった。
12月16日(月)

 総務部の忘年会。忘年会の予定が無かった社長も連れていってあげた。
 炭火焼のあとは、カラオケに行ったが、部長がキャンディーズのファンであったり(他の人が歌った「年下の男の子」でフリ完璧に踊っていた)、課長が「銀河鉄道999」の主題歌を歌ったり、「オレは曲名がわからない」という社長の選曲には悩んだが「小指の思い出」とか「また逢う日まで」等の渋い曲をテキトーに入れてあげたら、けっこう嬉しそうに歌っていた。
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