可燃物な日々

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10月15日(火)

 昨晩は12時前くらいにもう一度電話してみたが、まだ母が戻らないといことなので、朝起きてから電話してみるが、話し中であったので(こういう緊急時であるから、キャッチホンにすることを勧めたほうがいいかもしれない)、「どうしよう、出勤しようかな」と思ったが、でも、向こうの状況(人手は足りているのか、祖父の具合はどうなのか)もよくわからないままなので、気になって、祖父母宅に行ってみることとにした。うちの会社はフレックスだし、遠回りになるが、昼くらいには会社に着ける。
 家に着くと、鍵が開いていたので、ズカズカ入ると、母は役所に電話中。どうも葬儀のことでいろいろ相談しているようだ。電話が終わると「あら、あんた来ちゃったの?」と言うので、「だって、叔父さんの話だとよくわかんないから、ちょっと寄ってみた」と言うと、「用があれば、こっちから電話するから」とそっけないが、逆に言えばそれだけ状況も落ち着いているし、叔父さんがいるから人手も十分なんだろう。私の父が、夕方仕事で都心に出てくるので、寄る予定もあるそうだし、初老チームでなんとかなるみたいである。

 母もわりと元気そうだったので、差し入れの「10秒チャージ」を渡すと、なにこれ?ってかんじだったが、「ほら、テレビCMでもキムタクだかが、張り込みの最中に飲んでるやつだよ。病室に張り付いてると食事も取れないって言ってたじゃん。」
 ゼリー飲料だと、食欲無くても飲めるし、それに病人も羨ましがらないだろう。我ながら気の利いた差し入れである。

 「せっかくだから病院寄って行きなさい。今、叔父さんが行ってるから、それも持っていってあげれば?」
 と言うので、病院に向かう。祖父母が過去に何度が入院したときも同じ病院だったので、何度か行っているのだが、そういえば平日に訪れたのは初めてだと気が付いたのは、いつもだと奥の方の小さい入り口から入るのだが、平日だと外来と同じ玄関から入ることになるのだ。
 中に入ってびっくり。大病院の待合室はどこもごった返しているという話はよく聞いていたが、「こういうことなのか〜」
 広い待合室のベンチは満席状態で、人の行き来も激しく、「ここにいたほうが病気になりそう」という雰囲気だった。人をよけながら奥の病室専用エレベーター入り口にたどりつき、祖父のいるフロアへ。叔父が廊下で所在無さげに立っていたので、手を振ると向こうも私に気がついて手を振っていた。

 「どう?様子は・・・・」  「今日はずっと眠ってるよ」
 祖父は口を半開きにしたまま、スースーと寝息を立てていたので、叔父に母から渡された替えのタオルとゼリー飲料を渡して、すぐに病室を出て、待合室の隣にある公衆電話コーナーで会社に電話し、「今日は、大丈夫のようなので出勤します」と伝えて会社に向かった。

 会社では後輩が支払日で忙しそうだし、上司は深い咳をしていてかなり具合悪そう。実は、今日明日と半期に一度の査定面談があるのだが、昨日の時点で「どうなるかわかりませんが、とりあえず予定変更の可能性大」とメールしていおいたのだが、今日中に課長と部長に立て続けに面談してもらうことになった。

 とりあえず、二人とも評価は最高をつけてくださるちゅうことであるが、課長がボロっと「この新人とほぼ同じの職能階級では、評価せざるをえないしね」とホントのことを言ったのが可笑しかった。課長とは同じ年なので、たぶん、彼と私とでどのくらい階級差があるのかわかっているのだろう。

 で、部長からはやはり「とりあえず、決算前だし、9月の試算表を作れるようにしておいてください」と言われたので、「昨日、かなり進めておいたので大丈夫です」と安心させて、今日もわき目も触れず伝票打ち。人間やればできる。やればできるのはわかるのだが、これを毎月やれって言われてもちょっとな・・・・。これだけ集中できるのは「いつおじいちゃん死ぬかわかんない」という緊張感があってこそである。火事場の馬鹿力であって、私の実力ではないことをわかってほしいんだけどさ。

 結局、12時出社でお昼もおにぎり頬張ったくらいで、ろくに休憩もとらずに8時までやったらなんとか終了。
 あ〜、疲れた。
 でも、これで、いつでもOKだよ、おじーちゃん!(笑・・・・笑いごとではないのだが)

10月14日(月)

 というわけで、今日は休みの予定を変更して出勤。
 となりの部署は3名いたけど、私の部署は先週、引越しのため4連休していた同僚だけ。
 「あれ?今日は出だったっけ?」
 「いや、じーさん危篤状態で、とりあえず今日は大丈夫そうなんで仕事片付けに来た」

 とりあえず、いつ休むことになるかわからないし、休んだとしても、きっと上司は平気に「試算表いつできますかねえ」と聞いてくるので(決算前なので、なるべく早く9月までの状況を把握したいのだ)、できるかぎり伝票入力しておく。

 鬼のように伝票打ちながら、中学時代の担任教師の話を思い出した。
 その話をしてくれたときには、すでに「10年前」と言っていたが、まだ若かったのでバレー部の顧問もしていたらしいけど、夕方、学校に電話が入り、兄弟から母が亡くなったことを知らされたらしい。
 今よりも電車が不便だった時代だし、たしか東北出身だったので、新幹線も通ってない当時は、その時間に知らせを受けてもその日のうちに到着できなかったのだろう。

 それでも、すぐさま帰省する支度をしたかったそうだが、明日から休むとなると、生徒たちの自習の準備をして行かなければならない。
 私が中学生のころは、教師が用意するプリントは自動輪転機のような印刷機で作っていたが、それよりちょっと前までは「手動」であった。彼女は、まず版下をつくり、生徒の人数分と日数分の数百枚の自習用プリントを夜遅くまで学校の印刷室に一人残って、

 「どーせ、あの悪ガキども、私がこんな思いして印刷したって、自習となれば大喜びで遊びまわるくせに、なんだって、あたしがこんな思いして、こんなことしなくちゃならないのよー」

 と、ボロボロ泣きながら、印刷したという。

 たしかに、「予定した休み」であれば、教師は自習用の教材を用意しておくものだが、たまに急病などで休んでしまい、代理の教師がいないときには(インフルエンザで先生が全滅寸前というときもあったな)、「読書してなさい」とか「教科書を予習しておきなさい」と、漠然とした支持を教頭先生などから与えられ、生徒は当然そんなことやりっこないから、好き勝手遊んでいたが、その教師も、もし電車(汽車って言うのかな?)が間に合えば、プリントなんか用意せず、すっとんで帰ったんだろうけど、「明日一番の汽車で出ても同じだし、どっちにしろ、危篤ではなくて、もう亡くなっているんだし」ということで、生真面目にプリントの用意したんだろう。

 で、7時過ぎくらいまで頑張って仕事してから家に帰り、「うちの母さん、そろそろ病院から帰ってきたかしら」と思って、電話してみたら、男性の声が出てきた。
 「もしもし?」
 「もしもし?ミヤノですけど・・・」
 「ああ、」
 「ああ、じゃなくて、どなたですか?」
 「Tだけど・・・」

 K伯父さんとT叔父さんとうちの弟と従兄弟(叔父の息子)の声がそっくりで、どれがどれだかわかんないんだから、ちゃんと名乗ってよ〜〜〜〜。山に逃げたK伯父が早めに帰ってきたのかと思ったじゃない。
 T叔父の喋りがあまりにボケっとしているので、「もう爺さん死んだのかな」と構えてしまいました。

 まあ、昨日、今日とずっといて疲れているだろうし、「初めての親の死に際」にショックを受けているのはわかるが、まるで「朝叩き起こしたばかりの高校生の男の子」みたいな喋り方。叔父さん、中学校の先生でしょ?(でも、こんなだから生徒に人気があるようである。等身大の大人ってやつ?)

 「お母さんは?」
 「ああ・・・・まだ・・・・なんか、ギリギリまで病院にいるって・・・・」
 「そうなんだ。で、お爺さんの具合どう?」
 「あー・・・・なんか、こう・・・・その・・・・まあ、あんなかんじだなあ・・・・」
 「あまり変化はないのね」
 「まあ、そうなのかなあ」
 「叔父さんは、今日はこの後どうするの?」
 「今日はここに泊まるよ」
 「じゃあ、明日もいてくれるんだ。私さ、とりあえず休めるようにしたから、人手足りなければ行くって言ってたんだけど、叔父さんが明日いてくれるなら、明日はいいかな。明後日にしておこうかな?」
 「いや、僕は、今週いっぱい休みとったから・・・・」

 そんなに休んで大丈夫なのか?
 まあ、よく地方に親が住んでいる人は危篤の知らせで飛んで帰って、そのままっていうこともあるから、そういうもんなのかもしれないけど、私なんかと違って、「後で残業すればいいのよ」っていう職業ではないからちょっと心配。
 たしかに、仕事なんて休んじゃえばどうにかなるもんだし、叔父さんがいてくれたほうが安心だし・・・・あんまし実務的な面では頼りにならんようだが(うちの母も「葬儀とかどうしよう」というのは、教頭先生である叔母のほうにまず相談してた)。

 というわけで、要領を得ない叔父の説明により、祖父の状態がどんなだかよくわからなかったので、明日また電話してみるか。明日はK伯父も帰ってくる予定だし。またK伯父と母が喧嘩になりそうだが、T叔父がいれば大丈夫か・・・・あまり大丈夫そうでもないが、まあ兄弟のことは兄弟で解決してもらわんとな。

10月13日(日)

 私としては珍しく午前中に起きて、昼前には祖父の入院する病院に到着。先に来ていた埼玉の叔父一家はお昼休憩で徒歩10分の距離にある祖父母宅に帰ったようで、母と父がベット脇で並んでいた。
 一昨日は、モルヒネの効きすぎだったのか、かなり意識が混濁していたようだけど、昨日今日は本人が多少の痛みを訴えても、家族と会話できるくらいに薬を調整しているようで、かなりクリアだった。父も家のほうに帰ったので、母と私とでしばらく話し相手をする。
 なぜか祖父の話題は「日本経済を愁う」という話になり、「低金利でどうしようもないなあ」などと語りだすので、母が「でも、おじいちゃんのころは高金利だったんだから、それで海外旅行に行けたって言ってたでしょ?」前にも祖父が元気だったころにそんな話になり、祖父が商売を始めたころは、少し無理をして借金をしても、インフレのおかげで返済には苦労しなかったらしい。祖父は印刷屋だったのだが、印刷用紙を借金して仕入れても、それをしばらく置いておくと、印刷費が値上がりするので、あまり苦労せずに借金を返済できたらしい。
 たぶん、祖父の中では「金は遣うものではなく、溜めておいて、利息で贅沢をしてみる」という時代が続いたので、今みたいな低金利が納得いかないのであろう。

 そんな話をしているので、「かなりクリアだな」と思ったのであるが、ときおりぼんやり宙を見つめてわけわかんないこと言ったりするのだが、でも酔っ払い常習犯の私としては「でも、こんくらいの混乱は酒飲みにでもよくあるじゃん。」と、泥酔経験の無い母に言ってみたりした。
 たしかに、祖父はときどき今いるところがどこなのかわからなくなってしまうようだが、酔っ払いも現在位置をときどき見失うし、喋ったことも聞いたことも断片的だったりするので、たぶん似たようなもんなんだろう、と強引に解釈。

 ヘルパーさんが食事を作りに来てくれない日曜日に、ときどき手伝いに来てくれていた亀有に住んでいる祖父の姪のSさんも来てくれたが、この人が何歳なのかわからないが、たぶん現在90歳の祖父のすぐ上の姉の娘なわけだし、60代なんだろうけど、話し方が全然おばさん臭くない人で、話をしていてもとても心地よかった。まるで、ベテラン女性教師のような安定した喋り方。
 Sさんに対しては祖父も昔話に花が咲くようで、いろいろ語っていたようであるが、そのあと、祖母を車椅子で連れていくと、頭ピヨピヨな祖母と意識朦朧としている祖父の会話がいきなり「お茶の間の会話」に豹変したので驚いた。長年連れ添った夫婦の会話というのは、意識ではなく「反射神経」で行っているのが、よーくわかった。
 かと言って会話が噛み合っているわけではないし(お互い耳が遠い)、言っていることも筋が通ってなかったりするのだが、お互いの顔を目の前にすると「日常生活」にトリップするらしい。
 で、祖父は叔父の顔を見ると、「おお、迎えに来たのか」と起き上がって帰ろうとする。叔父の妻である叔母は、その様子を見て「あの、しゃんとしたおじいさんが」とショックを隠せないようであるが、たしかに、かなり混乱しているのは確かだが、それは統一した場所設定が流れていないので、傍で語りかける人によってシチュエーションが変わっているだけで、一つ一つはとても筋が通っているようなので、そうなっているのは多分、モルヒネでボヤっとしているのだろうな、と思った。モルヒネ投与しなければ、現状認識ももっとクリアになるであろう。全身の痛みが嫌でも今の自分の状態を思い出させるであろうが、「帰るぞ」なんて言うということは、痛みが消えているということだ。

 往診に来た医者も祖父の症状というよりも意識の具合を確かめたいようで、ずっと話を聞いていて、ちょうどそのときに祖母が来たので、祖父と祖母のとんちんかだが、なんとなくお互い通じているような会話に耳を傾けていた。
 もう直る病気ではないので、本人の痛みをどのくらい取り去り、どの程度の意識をキープするのか、ああいう末期の患者への薬の投与はなかなか難しいのだろうな、と思った。

 母のテンションはかなり上がっていたが、叔父一家が来てくれたので、いろいろ語りたいらしいけど、それが愚痴ではなくて、「でも、私はけっこう楽しんでいるの」という口調だったので、まだしばらくはなんとかなりそうだ。
 でも、食欲ないくらい気が張っているのは確か。祖父が会話の途中にでも、ふっと消えるように眠るように逝ってしまうのでは、と思って、傍らを離れられないようなのだ。

 でも、このくらいの意識のあるうちに祖父がそっと逝ったほうが、祖父にとっても幸せだと考えているようで、私もそう思う。入院する前に往診してくれていた近所の医者にも相談して「来週になって、このままの状態だったら帰宅させて家で看取る方法もある」とのことだが、麻酔薬の投与はやはり大きな病院のほうが安心だし、私が今日見たかぎりでは、祖父は病院をそれほど嫌がっている様子でもなかった。もともと、病院好きだったし、前に何回か入院していたときも、看護婦さんがかわるがわる話し掛けてくれるのが気に入ってたようだった。

 祖母の病状が悪化して、何もできなくなってから半年間ずっと、献身的に家事をこなしていて、その大変さはわかってもらいたいようだが、一番わかってないのは、祖母なわけだけど、その祖母を残していくのは心残りだろうけど、でも、わりとそういう話はしなかった。心配は心配だが、もう自分は何もできないし、これ以上やる気もないというのが本音かもしれない。

 まあ、こうやって身近な人の死に際を観察するのも初めてだったので、ついつい客観的に眺めてしまうが、とりあえず、今日はちゃんと話ができたし(爺さんが私をちゃんと認識していたのかは疑問だが、それは私の問題であって、どうでもいいのだ)、私は別に死に目に立ち会わなくてもいいので、とりあえず明日休む予定であったが、明日は埼玉の叔父もまたやってくるようなので、私は明日仕事して、平日に留守番をしてあげる計画にした。銀行に行ったり、葬儀のことを調べたりしたいらしいのだ。

 困ったことに、祖父の入院手続きをしたあと、長男である伯父は山に行ってしまった。(趣味が登山)
 完全に「逃げ」に入ってしまったらしい。祖父の状態がかなり悪いのも伯父は知っていたはずなのに、それを母に説明していなかったので、医者もびっくりしたようだ。おかげで家族への連絡が遅くなり、今日になってワラワラと集合してしまったので、「あんまり急に集まるとおじいさん気づいちゃうじゃない」と心配していたが、あまりそういう繋がりまで判断できる状態でもなかったようなのが幸い。

 このままひっそりと亡くなるか、それともこんなかんじでしばらく持ってしまうのかよくわからないが、せめて伯父が帰ってきてからにしてあげたいなあ。そうじゃないと、母が納得しないだろうから・・・・
 とりあえず、私としては、母に後悔のないような展開になってくれることを祈る。

 まあ、しかし、老人一人見送るのも一苦労ですね。うちの場合、まだ自分で身の回りのことや妻の世話ができた祖父を先に失ってしまい、残されるのは巨体の赤ん坊みたいな祖母だけになっちゃうので、今後の世話についても頭が痛いが、母も今はそのことを考えてもしょうがないと思っているようだし・・・・
 しかし、あと何十年かしたら、自分もそういう問題にぶち当たるのかと思うと、後学のためにもじっくり観察しておきましょう。
10月12日(土)

 昨晩の12時過ぎに妹から電話が入り、
「おじーちゃん、入院してるから見舞いに行ってあげて」
 祖父が風邪をこじらせてしまい、母が付きっきりだったので、母の代わりに父と落語を観にいったのが先月の末で、その風邪がよくならずに入院してしまったのか?と思ったが、今日、見舞いに行った妹の話では「かなり意識が朦朧としている」とのことで、どうもかなり悪化してしまったらしい。まあ、もともとあまり丈夫な人ではないし・・・・

 で、今日は休みだったのだが、起きたのも昼くらいだったし、仕事の疲れがどっと出て、「もーなにもしたくない」状態でゴロゴロしていて「じいさんの見舞いは明日にしよう」と思っていたのだが、夜になって父から電話があり、「おじいさん、かなり悪い状態だから」と、言うので「昨日、妹からも電話があったので、明日行こうと思ってたんだ」と呑気に応えたら、父が「とりあえず、麻布(祖父母宅)にお母さんがいるから、電話しなさい」と言うので、電話してみたら話中だったので、さっき10時くらいに電話してみたら、なんかちゃんと喋れない状態だったので、「どうしたの?」と聞いたら

 「なんかもう、涙が止まらない。ヒック、ヒック」

 な状態で、いったいどうしたのかと思ったら、祖父の病状は「風邪をこじらせた」のではなく、実はガンが全身転移していて、担当の医者によると、「あと3日くらい」ということらしい。

 泣きじゃくる母からいろいろ聞き出すと、ほんとにヤバいらしい。祖父母と同居している伯父は、趣味の山登りに出かけてしまい、残された母がボケた祖母と、危篤状態の祖父の世話で精神的にもボロボロになっているらしく、泣きじゃくりながらいろいろ愚痴もこぼされたが、私もそこまで悪いとは思ってなかったので、なんと言っていいのかわからないが、母の愚痴は孫である私に向けられたものでなく、祖父の息子である伯父と叔父(母の兄と弟)が全然わかってない、ということであったので、「こりゃ、私は全然戦力外なのだな。とりあえず、ここは、母の精神的コンサルとして機能しておこう」と思って、もらい泣きしながら、「うん、うん」と話を聞いた。

 母も親の死に際に接するのは初めてだし、私も祖父が一人亡くなっているが、それは私と入れ替わりだったので、実際に自分が関わったことはないので、「とうとう来たか」という気持ちであるが、ただ、「このまま、おじいちゃんは死んじゃうんだ」と言う母の語り口は、泣きながらもかなり冷静で、客観的に考えてもかなり聞きごたえがあったので、かなり親身に話を聞けたと思う。(ちゅうか、私まで涙止まらず状態)

 母の場合にも、私が言えることは「でも、おかーさんがいてよかったじゃん。ほら、おじいさんの工作魂が理解できるのは、お母さんだけだし」とゆーくらいしかないが、母も「そうなのよ」と言うし、入院するギリギリまで祖父は家の中の工夫に余念がなかった。体が弱っているのはわかっていても、祖母のための手すりを作ったり、ヘルパーさんへの指示書を母が書くと「おまえの字は汚くて読めない」と自分で書き直していたそうだ。
 母は、家事なんてしなかった父親がそうやって、いろいろ苦労しながらボケちゃった祖母のためにどれだけ苦心していたか、目の当たりにしていたので、このまま祖父が祖母を残して逝ってしまうのはさぞかし心残りであろう、ということも理解しているのだが、他の兄弟がそのことに無関心なのが悲しいらし。

 私もとりあえず、「そんな大変なことになっているとは知らないでごめんね」と言ってみたが、母も最初はこんなに悪いと思ってなかったので、「孫が揃って見舞いに来てもなんだから、小出しに来てもらおう」という作戦をたてて、木曜日はたまたま有給休暇中だった弟、金曜日に妹、姉娘はどうせ土日しか来れないから、妹娘に「おねーちゃんにも連休中に来るように電話しというて」と言っていたらしい。

 とりあえず、母娘でボロボロ泣きながら、1時間くらい電話していた。
 母を持ち上げる言葉がなかなか出てこなかったが、とりあえず、母が一人でがんばっているのはよくわかったので、ときおり冗談を交えつつ、話をすることができたが、でも、やっぱり娘だよね〜
 男兄弟はほんとに宛てにできん。

 「なんか、そういう話を聞いてると、何十年後かに私がお母さんの死に際に立ち会っている姿を想像しちゃうよ」
 「花火あげてね」
 「わかった、うちの母は花火大会が大好きで、しかもスターマインじゃないと満足しないんです。死ぬ前に見せてあげたいって花火業者に病室から見えるところであげてもらうよ」

 明日、じいさんのところに行くつもりだが、かなりモルヒネ効いている状態らしいので、どれだけ私のことを認識してくれるのかわからないが、とりあえず、私がじいさんのことをとても好きだったし、尊敬していた気持ちを伝えられたらな、とは思う。でも、伝わらなくてもいいんだ。ちゅうか、今まで、いつもちゃんと爺さんとは真面目に語り合ってきたつもりだし、爺さんは私のことをちゃんと理解してくれてたと思うんだ。

 と、書いていると、私も泣けてきた。近い親類の死に目にあったことがないのである。特に爺さんはとても頭のいい人で、「ほお、この人の遺伝子が私にも受け継がれているのであれば、私がそこそこ賢いらいいことも納得」という人物であったので、このまま死んでしまうのはとても悲しいけど、でも、子供たちも孫たちも今では元気にやっているので、そういう意味では幸せな人生だったと思うので、このまま安らかに、私の憧れであるモルヒネびしばし状態で安らかにいってほしいとも思う。
 母とも話したが「モルヒネって相当気持ちいいらしくて、前に病気で処方された人が『あれをまた投与してくれるのなら、また病気になってもいい』と言ってたよ。そのくらい、いいらいしいよ」なのであるが、まあ、もしかしらた、持ち直しちゃうかもしれないけど、どっちにしろ、あまり長くなさそうなので、残された家族としては、今後のこともあるが、(ボケた祖母どうする?)今は、祖父が静かに逝けるように、そして、残された家族が納得できるように、うまく対処していくしかしょうがない。

 でも、でも、おじいちゃんがいつか死ぬことはわかっていたけど、やっぱり悲しいのであった。
 涙でモニターが曇ってしまうじゃん。

10月11日(金)

 寝不足でボロボロだったのに、徹夜明けでテンションあがっている人から電話が入り、午前1時くらいまで長電話に付き合うことになってしまったので、今日は寝坊してしまった。

 なんとか11時前には出勤したのだが、(普段は10時に会社に着けるように心がけている)予想通り、フロアにいるのは派遣社員だけという惨状。これで総務部なんだから変な会社。平日に休む人が多いし、フレックスだからしょうがないんだけど、総務部6人中、休みが2名、いつもお昼くらいに出勤する人が1名、私の上司はだいたい11時くらい、後輩の新人嬢はここんとこ残業続きでヘタっているらしく、最近やはり11時くらいに出勤している。遅く来て、静かな6時以降に仕事したほうが、たしかに自分の仕事は捗るのだが、でも会社の受付でもあるので、一般的な勤務時間に社員が出勤していないというのも、ちょっとなあと思うし、「いてナンボ」という職種でもあるわけで・・・・まあ、いいんだけどさ、みんながそれでいいんなら、でも一人で生真面目さを貫いていて損してる気分になってるだけです。

 先日も会社の会議で「価値観ってなに?」と思ったが、こういうことが価値観の違いというものなのかな?
 だとすると、もう一つ「え?」と思ったことがあった。
 私が遅刻してきたために、営業から経理に回された得意先からの電話を受ける人がいなかった。私の机には「○○より電話。折り返し電話してください」というメモ書きが置いてあって、たぶん、隣の部署の派遣社員さんが受けてくれたのだと思って、確認したら「そうなんです、2回電話かかってきました」ということで、「あちゃー」と思ったのだが、得意先の電話番号がわからなかったので、営業に内線した。
 内線に出たのは、営業の電話受付担当の派遣社員。実は、前から彼女のことが少し苦手だった。なんか愛想が無いのである。年はたぶん20代後半くらいなのだろうが、「落ち着いている」とも言えるが、あまり微笑まないキャラで、経理に用事のあるときもすごく無愛想で、なんとなく威圧的なのである。華奢できれいな人なんだが・・・・
 私も人のこと言えないが、「お忙しいところすいません」などの一言を言わなくて、いきなり横に立って書類を突き出すようなタイプなのである。「なんか、営業部のアシスタントがこういう人でいいんだろうか?」と思っていた。私もわりと愛想が無いほうだが「経理だからこれでいいのだ」と思って、「適材適所」だと思っているので、経理一筋なのである。だから、得意先からの電話などは人一倍気を遣っている。

 前置きはいいとして、その派遣のYさんに「○○から電話あったみたいなんで、折り返しかけたいんですけど、電話番号教えてもらえます?」と言ってみたら・・・・

Y 「え?またかけてくださるそうだから、いいんですよ」
私 「でも、電話くださいってメモが・・・・」
Y 「私はそうは伝えてません。11時すぎにまた電話くださるそうです」
私 「でも、こちらから電話したほうがよくない?」

 なぜだか、しばらく保留になる。誰かに確認しているのだろうか?

Y 「やはり、大丈夫です。先方が電話してくださるそうです」

 私も自分の部署の電話はよく取り次ぐので、「折り返しお電話いたします」と言っても「もう、出かけるから」とか「出先ですので」という理由で拒む客もいるので、そういうことなのかな?と思ったのだが、それでも、その客は最近かなり売上も上がっている客だし、決算前なので未収になっている請求の処理を営業にさせたら、すぐに対処してくれて、先方の経理担当者が直接経理にあれこれ確認してきて焦ったが、その後、未収の分の振込みをする際には「請求番号何番の分の振込みは明日します」とマメに連絡してくれるようになったので、とてもありがたいので、こちらとしても「また電話します」と言われて、たとえ不在でも一応かけておくべきなのではないかと私は考えたのであるが、なんか阻止されちゃったので、「じゃあ、いいか」と思って電話かかってくるのを待った。

 そしたら、夕方になってやっとかかってきて、「すいません、午前中に何度か電話いただいたようで」と言ったら、「そうなんですよ。でも、電話くださるということだったのに、電話いただけなかったから・・・」
 得意先は企業ではないので、喋り方もフランクな女性である。けっこうマイペースで喋る人なので、最初はビビったが、気さくな人柄がだんだんわかってきたので、こちらもあまりかしこまらずに、「え?そうだったんですか?すいません、また電話いただけると聞いてましたんで、失礼しました」と謝ったが、別に向こうも気にしている様子もなく、用件を話し初めて、それがまた「明日振り込んだのは、この請求の分です」という内容だったので、「わざわざ、その用件のために何度もお電話いただいて、すいません」とさらに平謝り。

 Yさんが何と言おうと電話すべきだったが、たぶん、電話は2回あり、最初の電話をYさんが受けて、「また電話します」ということになり、次の電話を別の人が受けて、それを私の隣の部署の派遣の人が受けて、「折り返し電話いたします」と言ったのであろう。
 だから、Yさんが「折り返しだなんて言ってません」ときっぱり言うのは間違ってないが、でも私が電話したいと言っているのに「その必要はない」と言い切るような人が、営業の電話番をしていていいのだろうか?

 私がYさんと内線で話していても、あまりいい雰囲気ではないので、顧客にもあまりいい印象を与えてないような気がするんだけど・・・・このことを営業の派遣を統括している社員に話そうか迷ったが、まあ、私みたいな鈍感ものが気が付いているくらいだから、その社員もわかっていることを祈って、しばらくは黙っていよう。またなんか機会があったら、それとなく言ってみるつもり。こういうのってタイミングだし。

 でも、これって、仕事だけでなくて、たとえば留守電に友達から「また、電話します」とメッセージが入っていたら、こっちから電話したりするでしょ?それが、あまり話したくない人だったり、こっちも忙しくて電話する暇がないときはしないけど、でも、自分が「大した用事ではないので、また電話します」とメッセージを入れたら、友達からすぐに電話が返ってきたらうれしいじゃない?

 まあ、それも「価値観の違い」ちゅうことなんですかね?
10月10日(木)

 今週、どうも長いと思ったら、土曜日からずっと出勤してんだもんな。しかし、昨日やっと親会社に厚さ1.5センチの明細書付きの請求書を出したと思ったら、今朝になって請求先違いの項目が紛れているのに気が付いて、慌てて訂正。もー、どんどん項目が増えていくので、私の脳みそでは処理できない。
 それでも、自分でミスを発見できたので、自分で自分を誉めておこう。ちゅうか、先月は親会社の経理主任に先に間違いを発見されて叱られてショゲていたのである。その主任はとても頭がいいので、たいへん尊敬している・・・・というよりも、細身でヘタっとした感じのにーちゃんで、私が幼いころ遊んでもらった近所の大好きなにーちゃんに似ているので、かなり親近感を持っているのだが、見た目と違って言葉がきついときがあり、しかも口頭で言うのを避ける癖があるために、そのときもメールで「・・・・が間違ってました。今後、こういう紛らわしいことはしないでください」と書いてよこしたので、

紛らわしいこと

紛らわしいこと

紛らわしいこと

紛らわしいこと

紛らわしいこと

紛らわしいこと

 と紛らわしいことが、走馬灯のようにグルグルしてしまい、泣きそうになったが、「ここで負けてはいかん。笑顔で『ごめんなさ〜い』と言うんだ」と決心して、翌日(意気地なしなので時間がかかる。損な性格)ついでの用事があったときに「すいませんでした〜」と言ってみたら、ヘラヘラと素敵な笑顔を返してくれたので、安心した。

 午前中からそんな感じでドタバタしたが、お昼前からようやっと明日までに仕上げなければならない支払い集計に取り掛かるが、昼飯食ったら猛烈に眠くなり、コンビニに行ってカフェイン抽出なんちゃらというドリンク剤とチョコラBBを買って、給湯室でグビグビやってたら電話が入って呼び出されたのでドリンク剤片手に電話に出てしまった。かっちょ悪ぅ。

 ドーピングの甲斐あって、なんとかまた仕事を再開。ベカベカと入力しながら、ボリボリと頭の横を掻いたら、大きなフケが袖に散らばった。疲労が溜まっているので、頭皮も硬くなって油っぽくなっているらしい。情けない我が身を嘆く暇もなく、ドカドカと入力して、なんとか夕方には集計終了。社長の承認もいただいて、「ああ、これで今週の大仕事は終わった」と思った瞬間に、もう何も手につかなくなったので、ぼんやりニュースサイトを眺めて定時ぴったりに帰った。
 しかし、サラリーマンモードから、なかなか離脱できなくて、帰りにラーメン食べに寄っちゃったし。
 もーどーにでもして、って感じ。

 「鬱の会社員」が増えているそうだが、私も「このままだとヤバいかも」と思っていたのだが、仕事がなんとか片付いた開放感で、ちょっとナチュラルハイになり、近所のドラ猫が塀の上で伸びをしながら爪研ぎをしている姿がおかしすぎて、しばらく立ち止まってヘラヘラ笑いながら観察するゆとりがあったのだが、それはそれでヤバいのかもしれない。
 でもって、今日のお月様は見事な三日月で、「まるで書き割りのようにわざとらしい」と思った瞬間、「カキワリ」という言葉が気に入ってしまい、ずっと「カキワリ カキワリ カキワリ」と頭の中で転がして遊んでいた。

 上司も「派遣雇おうか?」と言ってくれているのだが、今の段階では他の人に新規業務を引き継げる状況でもないし、それにフルタイムでやるほどの仕事量は無いのだ。私が月に2日間みっちりやれば終わる程度なんだけど、今現在その時間がとれない状態。休日返上して頑張る気は当然無い。でも、月に2日くらい、ある程度自分で判断できる人に書類整理と入金の確認だけでもしてもらえればずいぶん違うはずだと思って、昨日、現在失業中の友達に「日雇い事務仕事やらない?もしくは、失業中とかフリーだとか、主婦でもいいんだけど、誰かいい人いないかな?」と粉をふりかけてみました。
 他にも「彼女ならできるかも」という現在無職の別の友人の顔も思い浮かぶが、2時間かけて来てもらうのも申し訳ないし、地理的条件と能力と「月に2日程度」というわがままな条件に合う人がなかなかいそうもないのである。募集するのも手間とお金がかかるしなあ。
 
 こんな調子で、決算期に突入するのが恐ろしいので、その前になんとかしたいものである。
 さて、明日踏ん張ればやっと休みだ。三連休したかったけど、無理かなあ。明日の片付き具合による。溜めるとまた来週が地獄だし・・・・
 夜中に小人さんが伝票打ってくれないかなあ。

10月9日(水)

 残業した。家に帰ったらもう10時。  買ったけど使用しなかったので、里子に出そうとしていた「箱」(硬い円盤や母板等を収納するものらしい)の里親が見つかったらしいので、S君に電話したら、家で仕事ばかりしているので誰かと喋りたかったようで、なかなか電話が切れない。
 「もう、眠いから寝るから」
 と、無理やり電話を切ったが、もう一件だけ他の友達に電話しなくてはならなかったので、電話したらハマってしまい、友達にたっぷりと「仕事の愚痴」を聞いてもらってしまった。電話終わったのが3時過ぎ。
 仕事の疲れもあって、もうヘロヘロ。
10月8日(火)

 残業してたら、飲みに誘われたので、飲んじまった。  自分のキャッチフレーズ(笑)は「お気楽OL」だと思っていたのだが、最近急激に「フツーの30代独身サラリーマン」化していて怖いわ。
10月7日(月)

 昨日は結局、夕方4時くらいに寝てしまって、夜中の2時に目がさめてたが、また頑張って寝直した。
 疲れも溜まっているが、仕事も溜まっているので、朝からハイテンポで処理する。
 最近お気に入りの「超つまんない駄洒落」は「父として仕事進まず、母母と笑うしかない」
 つまらなすぎて、涙が出そうだ。

 そんな最中に代表電話を受けた人が「なんとか郵便局からなんですけど、振込みの件みたい」と電話を回してきたので私が受けたのだが、相手が何を言いたいのかさっぱりわからず。
 親会社のからみで、主婦からの電話をとることが多いのだが、どうも専業主婦って話がまとまらないことが多いのだが、別に女性差別発言ではなくて、「仕事してない人って仕事の話するのに慣れていないのだな」と思うのだ。
 そういう人の特徴としては、「相手が組織で動いているということがわかっていないので、誰彼かまわず用件を話し始める」ということがある。普通、どこかの会社に電話かけたときにはまず「○○の用件なんですが、ご担当の方をお願いします」と言うでしょ?まず、だいたいの大まかな用件を言って、担当者に代わってもらってから詳細話せばいいものを用件を要約する能力が無いと、まず代表電話をとった受付部門にクドクド説明し、担当部署に回してもらってから、またそこの社員にクドクド説明してから、やっと担当につないでもらって、またクドクド・・・・って時間の無駄だと思うんだが。

 その郵便局員の女性も、そういう主婦っぽい喋りをする人で、まずどんな用件だかがよくわからず、一生懸命聞き出すのだが、向こうの思い込みで喋るので、よくわかんないのだが、どうもうちの振込みではなくて、親会社の振込みの件であったようなので、「こちらではわかりかねますので、親会社の担当者に折り返し電話させます」と言って電話番号を聞いて一旦切った。

 しかし、親会社の該当部署に電話してみると、担当社員の出勤は昼ごろになると言うので、郵便局の人には「すぐにお電話させます」と言ってしまったから、その旨を伝えておこうと電話したら、留守電になっている・・・・・?郵便局が留守電なわけないし・・・・きっと電話番号を言い間違えたのか、私がメモし間違えたのだな・・・・えっと、なんていう郵便局だっけ?と、しょーがないからインターネットで検索したら、○○郵便局というのに近い名前が何件かあり(○○東局とか新○○局とか)、しょうがないから「また電話かけてくるだろう」と他の社員に「郵便局から電話があったら、私に回してね」と言っておいた。

 3時くらいになって、やっとかかってきて、やはりその電話をとった社員が困っていたのですぐにわかったので、「あ、それ私だ。その人、何言いたいんだか、よくわかんないでしょ?」と言うと、「なんか怒ってるみたいです」
 一応、「すみません」と謝って、「でも、伺った電話番号に掛けたんですが、違うところにかかってしまったので・・・・申し訳ないのですが、もう一度教えてください」

 なんと!私が書き間違えたわけでもなく、彼女が言い間違えたのでもなかった!
 電話番号はぜ〜んぜん違っていたのである!
 市外局番以外、全部違っていた。045の次の3桁までもが違っていたのである。おいおい、自分の自宅の電話番号でも教えてくれたのか?
 一応、「あら?先ほど伺った電話番号は○○○-○○○○でしたけど・・・・全然違いますね」と言ってみたが、反応無し。普通、「え?そうでしたか?」くらい言うだろう。なんか、そーゆー雰囲気も「頭悪そう」だったが、とりあえず再度親会社に電話して、「そちら宛ての振込みの件らしいんですが、ちょっと要領を得ないんで、そちらから直接電話してもらえますか?」とお願いした。

 やれやれ、と思っていたら、夕方5時ごろに「また郵便局からです」「え?またさっきの要領得ない女の人?」「今度は男の人」
 なんだなんだと電話に出たら、「もう締めるんですが、ご返事いただけないようなので、このままでいいんですね?」
 「え?担当者から電話いれるように手配したんですが、まだ電話が無いのでしょうか?」
 「電話はありましたが、その方が『それはうちではない』と言われて、そのままです」
   えー?だったら、それ教えてよ、親会社の担当さん!ちょっとムカつく〜
 しょうがないので、その男性局員に「結局、どういう問い合わせなのでしょうか?」と聞くと、その人の説明がちゃんとしていたので、いきなり「あ、それはうちの扱いでした」とわかった。最初からそう説明してくれればよかったのに〜。女性局員は素直にその振込み用紙に書いている情報を読み上げてくれなくて、自分の勝手な思い込みで話していたらしく、「それなら親会社だ」と思ってしまったのだが、親会社の名前が入っていても、それは子会社であるうちで事務をしている仕事だったのである。

 結局、たいしたことでもなく、そんなことでお互いにずいぶん時間を無駄にしてしまったことよ。
 最初から、その男性局員がうちに電話をしていれば、話は1分で済んだのだ。
 しかし、ああいう人と仕事するのって苦労だろうなあ、と同情する。

 でも、わけわからん人はうちの会社にも多いけどね。
 この間も「備品を買ったら、請求書がきちゃったんだけど、どうしよう?」という電話を受けて頭真っ白になった。いったい何年うちの会社で働いているんだ!?
 たぶん、「備品の購入」の手順は、まず自分のお金で立て替えたり、仮払いを申請したりして、現金で購入してから、経費清算書に記入して経理に回して現金で返してもらう。という定型で捉えているので、「請求書だと、経理に怒られる」と思っていたようなのである。「請求書で大丈夫かなあ?」と言っていたので、「それのどこが悪いのか?」と逆に問い詰めたくなった。
 なに考えているのかよーわからん。

 でも、結局、ちゃんと根本的な仕組みを理解してなくて、ただ表面だけで理解しているとそうなっちゃうのかな、とは思う。すごくくだらないことでも皆経理に確認してきたりするが、「そのくらい判断してよ」と思うし、そういうのって「自分で判断して、あとで叱られるのが怖い」からやっているのかと思ったが、ほんとに全然わからないから聞いてくるんだな、と思うことがよくある。
 例えば、ある得意先に20万の請求書を出したが「10万は現金で支払って、あとの10万は来月振込みしたいって言うんだけど、大丈夫?それでいい?」と確認してきたりするが、そんなのどーでもいいのである。最終的に入金すればいいのだ。振込みだろうが現金だろうが、3回に分けようがどうでもいい。ただ、その情報を教えてくれればいいだけで、経理が「そんなの認められません」って言うと思ってんのかな?
 他にも「支払いを確認してから商品が発送されるんだけど、それでいい?」とか、「着払いでもいい?」とか、いちいち聞かないでいいから、「明日着払いで品物が届きますから、この伝票の現金は明日用意してください」と言って持ってきてくれればいいんですけど・・・・
 つーか、「これでいい?」「あれでいい?」というくだらない確認が相次ぐと、「ダメ」って言いたくなっちゃうじゃないですか。
 そのわりには重要な確認が抜けてたりして、ついこの間も品物を売った先から「手形集金のお知らせ」がきて、「げ?なんで手形なの?」と思って担当部署に確認したら「え?手形なの?なんでだ?」と慌てている。取引するときにちゃんと確認してくれよ〜。基本中の基本でしょ?と、思ったので、その部署の責任者にも「一般企業はある一定の金額以上は手形になったりするので、初めて取引するときには注意しましょう」とメールを出したら、「すんません。すんません。今回はうっかりしてました。次回から気をつけます」と謝ってきたけど、私に謝られてもねー。

 単純な話、手形決済になると、仕入の支払いが半年くらい先行してしまうことになるので、そのために短期借り入れをしなくてはならない場合もあるし、手形を割り引くという手段をとることもあるので、前にいた会社は「手形支払いの会社相手には、その分上乗せして請求すべし」とされていた。現金しか受け付けないディスカント店がなんで激安なのかわかってんのかね?

 だからそこ、得意先の支払いサイトをちゃんと把握して営業することが大事なのに、そういうこと考えている営業部員がいないというのもなんだかな〜なのであった。
 と、愚痴愚痴してたら、また疲労が・・・・・早寝しようっと。今週もまだ長い。なんたって、月月月火水木金な一週間なわけだし。明日でやっと折り返しか・・・・とほほ
 
10月6日(日)

 うああ、帰宅したのが午後1時。いつもの日曜日だと「やっと目がさめました」な時間である。
 うちの会社には年に数回「日曜日だっちゅうに、早朝集合するお外の仕事」が割り振られ、ここんとこ私が忙しいということを上司がよーくわかっているので(と、私が勝手にそう解釈しているのだが、もしかしたら外向けの人材ではないと正しく判断されたのかもしれない)免除されてきたのだが、今回久々の参加。朝5時起床でございました。

 立ちっぱなしのお仕事なので、足はパンパンだし、足の裏痛いし、腰も痛いしで、どこにも寄らずにまっすぐ帰宅し、部屋でごろごろしていたら、玄関の呼び鈴が鳴るので、ドアを開けずに「はい?」と様子を伺うと、「○○交番です」
 げ、おまわりさん?
 あ、あたし、なんか悪いことしたっけ・・・・というより、今の服装はドアを開けてもOKだろうか?
 ほら、たとえ私にその気がなくても、「誘った」とか言われえても困るし(笑)。

 などと考えつつ、「あ?ハイ・・・・えっと、えーっと」とブツブツ言っていると余計に怪しいと思って、いちおう、ちゃんと服は着ているのを確認して(でも、キャミソールに短パンという、限りなく寝巻きに近い格好であった)ドアを開けた。

 「昼間は外出が多いんですか?」
 といきなり言われる。
 「え?いえ、別に・・・・というか、昼間はフツーに働いているので・・・・」
 おまわりさんは緑色のカードを差し出したので、
 「あ、それって、ずいぶん前にポストに入ってたので、記入して置いといたんですけど」
 と、玄関に画鋲でとめてあったものを渡す。
 前に住んでいたところでも、ポストに入っていて、しばらくしてから回収に来たので、そのうち来るのだろうと思っていたが、半年以上は放置されていたと思う。
 おまわりさんは、私の記入した書類にざっと目を通すと、「ご協力に感謝します」とも言わずに立ち去ってしまった。
 急な来訪は困るわ〜。いや、警察だけでなく、宅配便もそうなんだけど、ドア開けていい服装じゃないときが多いんで・・・・そーいや、映画「チャーリーズ・エンジェル」で、キャメロン・ディアスもスゲー格好で宅配便を受け取ってたな。まあ、そーゆーことにしておこう。

10月5日(土)

 来週の仕事をすこしでもラクにしようという作戦で、金曜休んで土曜出勤することにしたのだが、出社すると書類がドワドワ、メールもドカドカ来ていて、それが「財形解約したい。10日までに間に合うか?」(→すぐさま、親会社の経理に行って解約用紙をもらって、月曜日に本人からハンコをもらえばすぐに郵送できるように書類を整えて、書留分の切手を貼った封筒も用意)「納品書に社印を押して返送してくれ」(→そのくらい自分でやれよー!と言いたい)「先日の請求明細は間違ってました。これで差し替えてください」(→グォ!請求書の出しなおし!)等々、雑務を片付けているうちに昼過ぎになり、「今日やりたかった自分の仕事」に取り掛かる前にくたびれてしまったのであった。ありがち。

 「これで来週も残業の日々決定」と、さっさとあきらめて、6時には会社を出て、久々のK子さんち。
 タマちゃん(アザラシではないが、人間かというと、ちょっと疑問がある)の誕生会が開催されているのだ。
 私が8時前に到着すると、すでに宴もたけなわで、照明はすっかり暗く落とされて、新宿新都心の夜景が広がっている。
 ああ、なんてアーバン・・・・・・仕事でくたびれきった心に染みる夜景である。

 Y君が相変わらず喋りまくっていて、元気そうは元気そうだったが、あれだけテンションあがってるっちゅうことは、まだ働いてないな。で、K子さんも「今朝、静岡のパーティーから帰ってきて、ずっと昼間は寝てたんだけど、今日は暑かったよねえ」とか言っているので、やっぱ仕事してないな。
 ここんとこ、友達と会っても、我が真珠のような唇からは「仕事の愚痴」しか出てこない身としては、肩身が狭いというか、ちょっと居心地悪いというか、自由人らの話題についていけないというか、という状況で、黙々とご飯を食べる。ちょっと会わないうちにまた怪しい色気に磨きがかかったような気がする(夜景のせいかもしれんが)KSさんが、「これもおいしいよ」と気を使っていろいろ勧めてくれるのがうれしかった。なにせ、薄暗いので、テーブルに載っている食物の正体がよくわからなかったのである。

 タマちゃんも、とうとう三十路に突入したそうだ。感慨深い。
 で、ミナガーが用意したバースデーケーキには「Happy Birthday タマちゃん」と書いたチョコプレートが載っており、タマちゃん本人も「アザラシみたいだ」と笑っていたが、ミナガーも「ケーキ屋がそう思ったのではないかと心配になった」そうだ。
 とりあえず、夜景のきれいな高層マンションの一室の照明を全部落として、ケーキにローソクを立てて♪ハッピバースデーを皆で合唱するという、ゴージャスな光景が展開されたが、主役がローソクを吹き消すと、「じゃ、ご本人が切り分けて」ということになり、「おお、初めての共同作業?」「いや、30代初めての単独作業だろう」

 タマちゃんが「人間っぽくない」と思っているのは私だけではなくて、カミちゃんとも「タマちゃんって、なんか不思議なペットっぽい」と語り合ったこともあったが、決定的だったのは、根がオカルト系なYKさんの一言である。
 YKさんの現在の妻であり、当時は同居人だったCちゃんが入院したときに横浜のみなとみらいに近い病院にお見舞いに行って、そのあと、私と多分Aとタマちゃんとで残って、みなとみらいの海辺の公園を散策していた。
 薄暗い夜の公園と、間近に迫る近未来な夜景と、海の静けさがマッチした場所で、YK氏が「タマちゃんって宇宙人なんだよね」と言い出した。
 横尾忠則も電車の中でときどき人間にまぎれている宇宙人を観ると言っていたが、YK氏も「なんか人間ではないもの」が観える体質なのかもしれない。それはいいとしても、いきなりそんなことを言われたのに、タマちゃん本人は「ふーん」という感じで聞き流していた。
 その様子は、「おまえ、○○と付き合ってんだろ?わかってるんだよ」なことを言われて図星な人が「ふーん?それで?」とシラを切る様子に似ていた。「なんでそんなこと言われるのかわからない」という態度を装っているような態度であった。

 みなとみらいの夜景を眺めながら、私は「そうか、タマちゃんはどうも人間臭くないと思っていたが、宇宙人だったのか」と納得したのであった。
 なので、「なにかの目的があって派遣されたはずの宇宙人なのに、こんなとこでウダウダしているタマちゃん」が30歳になったというのも、なにげにシュールである。

 で、私はタマちゃんのことを「宇宙人」と思っているのだが、昨日はこなかったけど、Eちゃんはタマちゃんの人間臭いところに敏感なようで、激しい突っ込みを入れて、その「ほんとは人間のくせして!」な部分を暴くので、その二人のやり取りは大変興味深いのである。
 それが観られなくて残念だったが、まあそれは別の機会で。
 仕事忙しいけど無理して参加したのは、やはりそうやって声かけて欲しいからだ。
 でも、10時くらいには「明日、5時起きなんで退散します」と中座した。「忙しい自慢」にとられたかもしれないが、だってほんとに忙しいんだもん。


10月4日(金)

 今日はお休みなのだが、昨晩1時過ぎに、久々にB君から電話が入り(私が話中だったので、そんな遅い時間までネバったらしい)、なんだかんだで6時くらいまで話し込んでしまった。
 話の内容は相変わらずだったが、なんか少し煮詰まっているようなんだけど、具体的にどういう仕事しているのかよくわからないので、私は自分の仕事の話をしたのだが、少し愚痴ると「だから、ミヤノさん、ベンチャーで働けよ」と、いつものように、「なぜ、貴様はそんなにベンチャーが好きなのだ?」と疑問に思うが、それを言い合っても話は堂々めぐりするので、おとなしく聞いてましたけど。
 パターンとして、彼が東京のことを思い出してブルーになると、うちに電話かけてくるので、「みんな元気かなあ?」というのも定番なのだが、毎回「もう、あまり交流ないからわからない」と冷たく応えていたのだが、今日はその「思い出モード」がやや粘着質だった(多分、酔っ払ってたのだろう)。

 彼が東京を離れたのは、家庭の事情などがあったようなので、一番クラブ遊びが楽しかったころに、渋々離脱したのであった。でも諦めきれなくて、たびたび上京していたが、交通費だけでもけっこうお金がかさむし、だんだん回数が減ってきて、最後に出てきたのが4年くらい前になるのだろう。
 で、「夜遊び話」に関して言えば、私がいくら「もう、あまり行ってないし、だいたい行っても知り合いに会わないよ」と言っても、それがどういう状況なのかわからないらしい、というか、「盛り上がっていたあのころ」のことしか頭にないので、自分以外の「みんな」はまだ、当時のように週末ごとにどこかに集合しているような錯覚を覚えているのだろう。

 でも、興味深いのは、彼の言う「みんな」というのは、実は3人くらいのことだったりする。そのうちの一人は、雑誌にマージャン記事書いちゃうくらい数年前からマージャンに夢中で、それを私よりも知っているのにも関わらず、「Jちゃんに会った?」と私に聞いてくるので、「さあ、何年か前までは、彼の奥さんがFちゃんと一緒に遊びに来てたが、最近は見ないなあ、ああ、そーいや、Fちゃん、メタモルにいたんで、挨拶したけど、私の知らない人たちと一緒だったなあ。」
 「あいつは、ちゃんと仕事してるの?」
 「してんじゃないの?だって、いい客持ってたし・・・・」
 「でも、そんな才能あんのかね?」
 「(グラフィック)デザイナーなんて、それほど凄い才能なくたっていいだろうし、それよりも、定期的に仕事くれる得意先をちゃんと持てるかどうかが勝負なんじゃないの?フリーで仕事するのって大変だろうけど、昔から人付き合いはソツなかったし、それに作品も見たけど、なかなか優秀だったよ」
 「ふーん、そんなもんかね」

 B君はF君が気に入らないだけである(笑)
 「そーいえば、メタモルでGちゃん見かけたなあ」
 「GがIちゃんと別れたの知ってる?」
 「何年前の話よ(笑)」

 昔、誰かのエッセイで読んだのだが、外国在住の友達に会いに行ったときに「日本の芸能界」の話になり、友達が「あの人は今も活躍してるの?」とたずねてくる芸能人が皆一昔前の「あの人は今?」な人で「外国暮らしの弱点は芸能界らしい」と書いていたけど、B君と昔の友達について話しているとそんな気分になる。
 あのころ一緒に遊んだ友達の中でも、今でも会っている友達もいるが、それは私が徐々に築いた関係であり、その過程を彼は知らないので、「あのころ自分が仲よかったと信じている人たち」にこだわるのだが、その人間関係は私とは関係なかったりするので、
 「Gちゃん、私がそばに寄っても気がつかなかったから、声かけなかったけどね」
 「そうかあ、俺が会ったら、『おー!Bかあ!』と言ってくれそうな気がする」
 夜中の長電話にくたびれていた私は、ちょっと意地悪が言いたくなって、
 「でも、そーゆーのあんまり期待しないほうがいいよ。けっこう声かけても『誰でしたっけ?』と言われること多いよ。そう言われるとヘコむんだよね〜」
 「そうなのかなあ?」
 「そういうこともあるよ。だから、思い出は自分の胸の中に美しく保存しておいたほうがいいよ」

 転校生は去ったクラスのことを憶えているかもしれないが、残されたクラスメートたちは、『去るもの日々に疎し』の法則に素直に従うもんだ。
 いや、実際にその周辺の友達に「ときどきB君から電話があるんだよ。会いたがってたよ」と言ったこともあったのだが、「え?それって誰だっけ?」と言われたので、多分顔見れば思い出すと思うんだけど、名前(とういか通称だが)だけでは思い出せなかったらしい。そういうことはよくある。

 とにかく、多くの「知り合い」たちとは、そういう場所でしか会わなかったし、名前と顔が一致している人はごく少数。
 B君は「そういう薄っぺらな奴ら」はどうでもいいらしいのだが、「でもハートの熱い奴もいた」と言うのだが、相手もB君のことを同じように思っていたかは疑問なのだけど、その辺はつっこまないようにした。
 どっちにしろ、それは彼の「思い出」であって、私のそれとは違うものなのだ。
 で、たまにこうやって電話かけてきて「あのころはよかった」と語るのもジジくさいが、本人も「自分でもそう思うよ」と苦笑しているので、わかってやっているのならいいんだけど、でも、ほんとはそういう過去を完全に断ち切りたいという気持ちもあるようで「ミヤノさんに電話するときも、いっつも迷うんだけど、どうしても電話せずにいられなくてさ」と言われると、なんか複雑なのだが、まあ、いつも書いているが、こういう友達がいるというのもいいだろう。

 夜はS君といっしょにフレンチ食べに行く。少し時期がずれたが、誕生日祝いということで奢ってもらった。
 S君が三茶のお役所に用事があったので、駅で集合して一緒に九段下に行くと、どうやら武道館でコンサートがあるらしく、人が多い。「いったい、誰のコンサートなんだろう?」と観客を観察してみた。
 ・女性が多い。
 ・服装はわりとカジュアルで、フツーっぽい。
 ・外人さんの姿がちらほら。
 どうも外タレのようである。でも、私は最近は武道館でやるようなコンサートに縁が無くなってしまったので、客層だけではなんとも判断つかなかった。でも、歩いていたら、チラシを配っている人がいたので「こういうのってビデオが発売とかいう広告かも」と思って受け取ったのだが、配っている人が「シェリル・クロウ来日で〜す」と言っていて、見ると確かにコンサートの告知だった。

 「つーことは、その手のアーチストだな」と思ったのだが、「アラニス・モリセットとか・・・あと、『その手』って誰だろう?わからん」と思っていたのだが、結局アラニスで正解でした。
 ご飯食べて帰るときには、コンサート帰りのお客さんたちがワラワラと歩いていたので、九段下の駅を避けることにして、S君と別れて半蔵門に向かったのだが、道を間違えてしまい、ちょっと迷いながらもなんとか半蔵門駅について無事帰宅。
 そういえば、今日は金曜日だったんだよな。
 しかし、私は明日も明後日も仕事なのであった。

 そんでもって、次の休みは来週の土曜日の予定なのだが、明日がんばって仕事を片付ければ、来週も平日に休みを入れられるかもしれないけど、どーなることやら。

10月3日(木)

 部の会議。いろいろ不満はあるが、とりあえず言いたいことは言ったつもり。
 でも、私はどうしても、そういう場で「言いたいこと」を言おうとすると、言葉がきつくなってしまうので、ちょっと反省。
 でも、今回の会議では「部署ごとに明確な改革案を提示する」というようなことになっていて、そもそも会社が中途半端に大人数になってしまったので、「経営理念」みたいなものが希薄になってしまい、横のつながりが弱くなった云々という問題をどう解決していくか、とかなんとかなんだけど、今日の会議でも「じゃあ、経営目標みたいなものを皆の目につくところに置いておいて、常に意識してもらおう」とか言い出す人もいて、「バッカじゃない?」と思って不機嫌になってしまった。

 あたしは、ああいう「企業理念」とかゆーのがどうも嫌い。というか、それとは次元が違うのかもしれないが、「価値観の共有」っていったい何?「価値観」というのがどうもよくわからない。結婚したカップルが「価値観が・・・」という意味はなんとなくわかるけど、企業という組織の中での価値観っていったいなんなんだろう?
 もっとも、私以外の人たちがそれをちゃんとわかっていて「価値観が・・・」というのなら私ががんばって理解すればいいだけだが、「で、価値観ってなんなんすかね?」と問いても誰も答えてくんないし。

 ある程度の人数が組織として動く上では、なにか共有するものは必要なんだろうけど、価値観を共有する必要というのが、どうもわからない。てゆーか、「価値観違ってあたりまえ」という前提を受け入れるという手法もあると思うんだけど・・・・
 重要なのは、価値観でもなんでもいいんだけど、そういう「すれ違い」をちゃんと受け止めて、「じゃあ、そういう違いをどう生かそう?」ということを考えることだと思うんだけど・・・

 それぞれ違う価値観を持っているから、会社内でも政治でも、揉めることはあるわけで、じゃあ、自分の価値観を尊重してもらうためにはどうすべきか?会社内では、他の社員を説得するだけの努力は必要だし、もちろんある程度の成果も必要だろう。

 結局は力関係だったり政治力だったりするわけだが、でも価値観なんてものは移り変わっていくわけだし、 「組織として統一された価値観を維持する」なんてこと、ほんとに考えてんのかなあ。
 「今の状態だと、人が変わると方針までも変わってしまう。もっと一貫した何かが必要」
 という意味はわかるが、でも人が変わるとそれだけでいろいろ変化があるから、人事異動が面白いのであって、特にうちみたいな小規模の会社だと、ガラっと雰囲気が変わるから、それは「小回りがきく」という利点にもなるわけで、それはそれでいいと思うんだけどな。

 と、今日の会議でもまとまらなかったが(というか無理やりまとめたが)、まあ、こうやって、普段あまり真剣に考えないようなことについて、ちょっとまじめに語り合ってみるというのも、たまにはいいんですけどね。

 でも、結局、「どうするべきか?」とうことより先に「どうしたいのか?」をちゃんと考えたほうがいいと思う。
 私は自分がそういう「我」がすごく強いし、自分の生活や仕事を自分で持っているイメージに近づけるためにコントロールするのが当たり前だと思うし、そのために努力もしていると自負しているが、みんなあまりそういうふうには考えないのかな?よくわからない。

 会社の目標だぁ、理念だぁと言う前に、「自分がどうしたいのか?」ということをはっきりさせたいよな。
 それは仕事だけじゃなくて、「どんなふうに生きたいのか」ということだって同じだと思うんだけどな〜

 たまには仕事以外のことも書きたいけど、ニュースは北朝鮮拉致問題ばかりだな。
 北朝鮮問題を考えると、「あー、昔の日本も外から見るとこんなかんじだったんだな」と思うし(今も似たようなもんかもしれない)、国内の法律を行使してもオウム真理教には苦労しているわけだから、それが法律の外にある外国相手だと、いったいどうしていいのかわからないちゅうのも、なんかよくわからんけど、結局それを突き詰めるとアメリカみたいに「武力行使だ!」という理屈に飛躍するのかなあ、とかいろいろ考えるのであるが、組織と個人というものを分離すべきなのか、いっしょなのか、ってことを考えさせられる。  
10月2日(水)

 今日も1時間くらい残業してから、会社の人たちと一緒に中華料理食べに行ってしまった。なんとも健全な会社員的日々である。「豚舌」というものを食べたが「ぶたたん」「とんぜつ」「とんたん」等、なんと読むのか議論になった。世の中平和である。
 今朝は、なんか頭部に違和感があった。
 電車に乗っていたときに、頭になにか乗っかっているような気がしたのだ。
 なにか「憑いて」いるのかと思ったが、どうも髪の毛をいいかげんにまとめていたので、後れ毛がつっていることがわかり、電車の中で直したら、やや違和感が消えたのだが、それでもなにかがおかしい。

 「ヅラの人ってこういう気分を毎日味わっているのだろうか?」  と、考えるが、でも、私は売るほど暑苦しい自前頭髪を所持しているので、「気分はもうヅラ」というのも矛盾しているはずなのである。

 しばらく、「なんでだろう?」と考えていたのだが、やっとわかった。
 今日は髪の毛の分け目をいつもと逆につけたのだ。私の分け目は、ほぼ7・3になっており、ときどき真中分けにするときもあるのだが、分け目をつける利き手が左という事情から、いつもは左側が3になっているのだが、いつも同じところに分け目をつけると「ハゲる」という噂もあるし、たまに気分転換として、反対側に線引きすることがあり、今朝はたまたまそうしたのだが、そのために、なんとなく分け目の納まりが悪く、浮いたような感じになり、それを無理やりジェルで固めたために余計に浮いたかんじになり、おまけにゴワゴワになりすぎたので、

 「100%天然頭髪なのに、気分はヅラ」
 に、なったらしい。
 おかげさまで、一日中なんだか落ち着き無く頭を撫でさすってしまいました。

 あー、なんか今日もダルかった。このまま一生ダルいのかもしれないゾぉ、と自分で自分を脅して遊ぶ。暗い。


10月1日(火)

 台風接近です。
 しかも、そんじょそこらの台風ではないようで、「戦後最大級」という前評判です。
 さて、今日の私はいつにも増してくたびれきっていました。
 日記中断中は、あまり実況できませんでしたが、8月から私の新たな業務となった「例の新規事業」に9月になっても振り回されましたが、優秀なOLを自負する私ですから、業務の流れはなんとなく整えたのですが、まあ、あまり詳しくこんなところに書くことはできないのですが、その事業をやっていた子会社を吸収することは先送りになったので、あと1年は別会社として機能させることになったのですが、細かいことはいいとして、問題なのはその会社がちっとも利益をあげてないのです。 (だから吸収して整理するらしいのだが・・・)
 経理関係の仕事をしている方はよくご存知でしょうけど、会社っつうのはたとえ利益をあげていても、資金繰りには四苦八苦するものです。それが、赤字企業だとどういうことになるかっちゅうと、「今日振り込みしなくちゃいけないんだけど、口座の残高がぁぁぁぁぁ!」ということになります。

 昨日の私は、まず出社するとまずその会社の通帳を記帳しに行きました。残高数十万円・・・・月末の振込みは数百万あるのです。ハハハハハ・・・・と笑うしかない。
 足りないことはわかっていたのですが、なにしろ、支払依頼は突然上がってくるし、入金予定など私にはさっぱりわからないので、上司には、「どうも、かなり足りないようなんですけ、とりあえず月末の残高確認してからはっきりした数字を出します」ということになりました。足りない分はうちの会社で補填するのです。
 そんなわけで、500万くらい不足なのかな、と粗っぽく予想していたのですが、朝の残高では、桁が違っていました。でも、月末に何件か入金があるはずなので、何回か電話で残高確認して、やっと昼ごろには私が予想していた数字に近くなったので、上司に「これだけお借りします」と断って、自分の会社の通帳から現金引出ししてから、その会社に入金してから振込みという、月末だというのに七面倒な作業を銀行にしてもらって、なんとか月末処理終了。

 月末だから、当然のごとく窓口は混んでおり、ずいぶん待たされたので、お昼ご飯が食べられたのは1時近かったです。バタバタするのはいいんだけど、なんで私がよその会社の「資金繰りの心配」までしないといけないのでしょう。自分の金でなくても、なんだか眉間にしわが寄ってしまいます。この先、1年間、ずっとこの作業をするのかと思うと、暗澹たる気分になるのであった。「忙しい」のはしょうがないけど、「金が無い」とい精神的苦痛から逃れることができないのが、とっても負担です。

 さて、台風の話に戻りますが、今日は朝から気分がすぐれず「あ〜なんだか疲労感」と思っていたのですが、昼近くになったら湿度も上がってくるし、気圧もどんどん下がるので、そのせいか頭痛がしてきたので、小難しい仕事はほったらかして、書類ファイル作り等の「頭使わない仕事」に切り替えてなんとかやり過ごしていて、「なんか疲れがとれないから、やっぱ明日は休んじゃおうかな」と計画してました。

 ところが、午後3時くらいに、「台風が近づいているので、なるべく早く帰宅すべし」との指令が下りました。私の利用している路線は不通になることはないと思いますが、とにかく「早く帰ろう」モードになってきたので、私も現金の残高合わせなどを済ませて、とっとと帰っちゃうことにしました。

 そしたら、あんなにぐったりしてたのが、パキっと気分良くなってしまった。(笑)
 湿度や気圧のせいではなくて、単なる「仕事したくねー」状態だったようです。いやー、てっきり気圧が1000hPa以下になると、気分が悪くなるもんだとばかり・・・・

 しっかし、余計な仕事のおかげさまで「気分はもう軽度うつ病」で、あれだけドタバタしているわりには「やりがい」の無い仕事をしていると、ほんとに頭がぼーっとしてきて、倦怠感といい、肉体的な疲労感とか、あと、やっている作業にリアリティーが無くなってきたりして、「このままだとヤバいんでないかい?」と思うのですが、ここまで追い込まれるのも数年に1度のことですし、自分がどんな状態になるのかじっくり観察してやろうかと思ってます。(前向き)
 で、昔ちょこっと手伝った「絶望的に金の無い会社」の場合には、給料も支払えないほどだったのですが(そんなだからすぐ辞めたけど)、今度のケースは、そういう苦境にはないわけですから、とにかく金が無ければグループ会社から投入できるわけですから、胃を悪くするようなキリキリした事態ではないだけで、ただ、気質として「金が無い」という状態が嫌いなので、ユーウツになっているだけなので、しばらくはこの「ぷち鬱状態」を楽しんでみることにいたしましょう。




別に何も楽しくありませんが、「趣味の酒豪」じゃなくて「修行」ちゅうことで・・・・・
さあ、今日は天の恵みで早く帰宅できたわけだし、天の恵みに感謝しつつ、早寝しよっと



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