可燃物な日々

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8月15日(木)

 謎の電話でブルーになってたし、とにかく家に帰るとダルくてしょうがないのだが、昨日はもう一つトピックがあった。
 
 郵便受けからはみ出るような封筒が刺さっていた。その前日には、海外旅行ツアーのDMが入っていたので、てっきりまたDMかと思ったのだが、よく見てみるとTさんからだった。
 いったい何が入っているのであろうか?A4が収まるくらいの封筒だが、手にとると軽い。
 Tさんは、「うちの母がカーンの追っかけをしようとしている」とか「スターウォーズW杯版」などの愉快なメールを時々送ってくれるので、ネタにさせてもらっているが、今回はメールでは送れないブツが入っているらしいけど、なんだろう?カーンのお面とか?

 ちょっとドキドキしながら封を開けたら、こんなもんが入っていた。

 

 赤い蝶々?
 ミシン目が入っているので、どうやら切り抜けるものらしい。ペーパークラフトみたいだが、これ1枚で何ができるというのか?
 しかし、どう考えても80円切手3枚も使って送るようなものにも思えない。

 ためしに裏返してみたら

 

 木目調である。

 よくわからないので、同封された手紙を読んでみた。

 「会ったときに渡そうと思っていたのですが、毎回持っていくのを忘れるので送ることにしました。たしか、去年(おととしかも)のイームズ展の時に出たCasaについてたペーパークラフト(?)のゾウ(イームズデザイン)です。子供用だからシンプル」

 え?これって象なの?

 そう思って見ると、たしかに「象の開き」みたいだ。
 さっそく組み立ててみた。所要時間30秒もかからなかった。

 

 ほー、ほんとだ、象になった。けっこう可愛い。さすがイームズ・・・・って誰?人名ですか?チーム名ですか?(そういうのに疎いのが自慢なんで放っておいてください)

 手紙には、「スターウォーズW杯版で、いい忘れていたキャスト」が添えられていた。

 中村俊輔

 コリーナさんにははダースベイダーの中味をやってもらう予定らしい。

 さて、そのTさんも、「サマソニでモリッシーは本当に来るのか?」とドタキャンを心配しているっつうことは、行くのだな。
 今日になって、別の友人からも、「2日間行きます。幕張プリンスに宿泊して宴会する予定なので、参加しませんか?」とのメールが来た。
 
 彼女らもモリっ氏ー目当てらしい。
 どうやらちゃんと日本には入ったみたいだ。

 実はちょっと気になっていたのだが、どうしようかなあ。
 先日会ったIちゃんも「なぜにバンシーズ?ちょっと気になるけど、でも〜」とか言っていたが、18日のメインは私らの年代をターゲットにしているようだ。つーか、モリッシーとバンシーズ以外にはパフィしか知らないのですけどぉ・・・・・・

 話は変わるけど、昨日やっとアーヴィング先生の「第四の手」を読了。
 「未亡人の一年」ほどの偏執資質は発揮していないが、相変わらずチマチマとネチっこい小説であった。

 そして、なによりも私を狂喜させたのは、この小説で重要な小道具として登場するのが「シャーロットのおくりもの」と「スチュアートの大ぼうけん」なのである。

 自分が今更「シャーロットのおくりもの」を読んで、大涙しているのを見透かされているような心境である。
 実は、ちょっと前から「このくらいだったら私にも英文で読めるのではないか?」と思って、大きな本屋で原書を探したのだが、シャーロットはおろか、映画で話題になっているはずのスチュアート・リトルも発見できなかった。友達にそう言ったら、「アマゾンで探せば?」と言われて、ちょっと落ちた。

 最近は、なにか探し物していると告白すると、皆「アマゾンで探せば?」と言うので、がっかりする。
 昔はそんなもんなかったので、東京中の本屋を探し回ったものだ。そんで、そうやって何か目的があると買い物は楽しい。便利な時代は、そういう「探し物がある喜び」を奪ってしまった。
 
 と、ブツブツと「昔はよかった」と呟くには、私は中途半端な世代なので、「第四の手」でシャーロットが登場した時点であきらめて、素直にアマゾンで探してみたら、あっけなく見つかり、ついでに送料無料になるようにスチュアートも買っちゃったわよ。

 あー、なんかつまんないけど、文句言っててもしょうがないし、さっそく英語で読んでみる。たしかに、これくらいなら簡単だが、やはりわからない単語も多い。でも、日本語訳で先に読んでるから大体わかるのだが、そうでなければ「ax」すらわかんないもんね。「お父さんがブタを潰しに行くのだから、斧だな」とわかったけど、どう発音すんだこれ?「アークス」らしい。

 うーむ。これを精読すれば、ずいぶん英語力は上達するだろうなあ。
 なかなか勉強になるぞ。do away with は kill の湾曲表現なんだな。「始末するって・・・殺すってことでしょ?」とファーンが斧を持ったお父さんに子豚の命乞いをするシーン。
 きょうみちゃんは、「ハリーポッターの映画のセリフを丸覚えすれば、そうとう喋れるようになるな」と考察しておるが(今時の子供はビデオを何回も見たがるので、反復練習ができる)、私はE.B.Whiteで語彙を増やすかね(笑)そういえば、うちの父上はハリポタ英語版を読み終わっただろうか?いつも、ろくに読んでなさそうな英語の本をくれたもんだが。プーさんとか、アリスとか、源氏物語も英語版があった。

 「第四の手」では、主人公は意中の未亡人とのバカンスにシャーロットとスチュアートのどちらを持っていくべきか一瞬悩むが、「クモがワラワラと子供を産む話よりも、ネズミのほうがロマンチックだろう」と思って、スチュアートにするのだが、コテージに着いたら未亡人が罠にかかったネズミに嫌悪感をあらわしたので「失敗した」と思い、「クモって働きものよね」とクモ派の片鱗を見せたりするもんだから、ますます「シャーロットにしておけばよかった!」と真面目に一喜一憂しとるところが笑える。

 そんで、その地味だが超セクシーな未亡人が蜘蛛は嫌いではないのを知って、「ほーら、だからいい女はシャーロット派なのよ」と、ちょっと元気になってみたりした。

 人間が単純だと人生楽しいものである。 



8月14日(水)

 昨晩は「みっともない」について、もっといろいろ考えていたのだが、考えているうちに眠くなったので寝てしまった。
 電話で目が覚める。
 というか、最初は電話だとは気が付かなくて、ただ、なんとなく目が覚めて、なにか音が聴こえるのだが、それが目覚し時計の音ではないことが反射的にわかったので、「なんだ?」と思ったまたボーっとしてたつもりだが、体が反応して電話をとったところで、「あ、電話だ」と頭もついていったのだが、と、書くとまるで数十回もコールされているようだが、多分3コールくらいでとっていると思うんだけど、電話に出ると無言で切られた。

 これも「ワンギリ」なんだろうか?
 でも、1コールだけではないのだけど、時計を見ると6時半。こんな早朝に無言電話かける人がいるとも思えない。
 でも、そういえば、何週間か前に、やはり電話で目が覚めて反射的に受話器をとったら、ブツっと切れたことがあった。寝ついてからそれほど時間がたってないような気がしたのだが、時計を見ると午前4時で、ひっじょーにムカついた。

 今回は、あと1時間くらいで目覚ましが鳴る時間だったので、それほど怒りはしなかったけど、でも、最近、こういう電話が多いのはなぜ?
 と、思いつつも、気を取り直して、寝なおした。
 二度寝の上手さには定評があるのである。

 すぐにうとうとしたのだが、そしたらまた鳴った!
 クー許せん!と思ったが、しょうがないからまた受話器をとると、どうも相手は普通の電話ではないらしい。ガサゴソバチっとなにか機械的な音がするのである。
 う〜ん、どうやら無言電話ではないらしいが、FAXでもないようだし、なんなんだろう?

 どうでもいいけど、早朝ややめてほしいのだが、夜になって帰宅したら、留守電が入っていて、午後4時くらいだったが、やはりしばらく「ガサガサビシっ」と雑音がして切れていた。

 番号通知サービスを導入したほうがいいのだろうか?
 それほど頻繁にあるわけでもないので、ビミョー。



8月13日(火)

 電話が鳴ったので、すぐにとったのだがブツっと切れた。
 ここ半年くらい、こういう電話がたまにあるので、不思議に思っていたのだが、世間を騒がせている「ワンギリ」は携帯電話だけでなく、一般電話にもかけられているという話を聞いたので「これがそうなのか?」と思うが、電話番号が表示されない我家では確かめる術もなし。実際、一般電話に向けたワンギリ電話は番号表示サービスを導入している人が少ないために、コールバックの確率が低いそうで、携帯に比べると多くはないらしい。でも、月に二回くらい、同じような時間(午後10時ごろ)にかかってくるので、やはりそうなのかもしれない。その時間はスポーツクラブに行ってたりして、不在のときも多いから、実際にはもっとかかってきているのかもしれないし。

 郵便受けに「幸福の科学」の小冊子が投げ込まれていた。まだ、がんばっていたのね。
 でも、巻頭の総裁のお言葉が「成功するということ」というお題で、成功恐怖症(この間の「○つの習慣」でさらに症状が深刻よ)の私は怖いもの見たさで読んでみたが、「不正なお金や、自分で働いて得たものでないお金は身を滅ぼす」そうだが、「せっせと勤勉に働いてお金を貯めている人は、ある意味で偉い」と書いてある。
 そんじゃあ、せっせと貯めたお金を投資して儲けたらどうなるんだろうという素朴な疑問はさて置いて、要するに「健全な金儲けは社会のためにもなります」ということを言いたいらしい。
 清貧を目指していても生活保護受けてたらダメだし、自分で稼いだ金でたまに贅沢をするくらいのほうが、経済にとってもいいということなんだろう。
 あいかわらず、地味なお説だな。地味だからこそ、地道に続いているのかもしれない。でも、ギリシア神殿風の総本山は派手派手だけど。

 「そう言えば、最近あまり宗教関係が訪ねてこなくなった。
 でも、会社に来たことはあったな。「職場でなにか人間関係などのお悩みはないでしょうか?」って言われてもさ〜。
 しょうがないから、お上品そうな彼らに合わせて、精一杯お上品に「そういうことは特にございません」と丁重にお断りしたのだが、その後もたびたびやって来たので、「申し訳ないのですが、ここは会社ですし、特定の宗教の活動はお断りするようにと上司に言われましたので・・・・」と言ったら、その後は来なくなったが、ああいう生命保険のような営業は効果があるのだろうか?

 地味で思い出すのもなんだが、先日ちょっと驚いたのは、メタモルでM君の若い彼女の噂になったときに、「あの、髪の毛の黒い子でしょ?」という会話が展開されたことである。そう言われると、最近「黒髪」率は異常に低いので「髪の毛の黒いセクシーギャル」というのは珍しくなった。若者だけではなくて、カラーリングはかなり普及しているので、人を特定するのに「黒髪」というのは効果的なのかもしれない。
 私も美容院に行くたびに「カラーリングはしないんですか?」と言われるが、公式発表として「だって、今日び、黒髪のほうが目立つじゃないですか(笑)」と言っているのだが、ほんとうは染めるのが面倒なだけだ。それに、どうせそのうち白髪頭になって「染めないとな〜」と悩む日が来るのがわかっているので、白髪がそれほど目立たない今くらいラクさせてほしい。(白髪頭になっても放置するかもしれないけどさ)

 それでも仕事がちょっと一段落したので、「たまにはマニキュアくらい塗ろう」と思って久々に購入した。マニキュアはわりと好きである。なぜ爪だけ手入れするかというと、自分の視界に入る頻度が高いからだ。職場でも、いつも夕方になると口紅は落ちているし頭ボサボサだし、顔を猫のように手で洗う癖があるのでひどいときには眉が片方だけ薄くなっていることもあるが、トイレに行ったときに鏡を見ないと気が付かないので放置しがちである。「自分に見えないものは優先順位が低い」というわけで、こういう性質のことを「自己中心的」というのだろうか?

 「みっともない」という意識があまり無いというか、私の考える「みっともない」と他の人が想定している「みっともない」はなんだか違うような気がする。
 あ、なんか「みっともない国、日本」とかいう文字をどこかで見たな。中吊りだったかも。
 「みっともない」って、普通に使う言葉だけど、よくよく考えると語源がわからない。「見苦しい」の親戚なんだろうか?
 急に気になったので、辞書を引いてみたら「みとうもない」が元らしい。
 なるほど、そう言われてみれば、例えばうちの母が「水着買おうと思うんだけど、ビキニにしてみようかしら?」と言ったら、「みっともないから、やめて〜」と言うだろう。「そんなもん、見とうもない」ということか。



8月12日(月)

 親会社はお盆休みなので、会社もなんとなくのんびりムード。仕事に集中できるので、ご機嫌が少しだけ回復。7月分の未入力伝票を片付けてから、ずっと後回しにして溜めていた新規業務の伝票打ちを始める。
 伝票入力の仕事をしたことのある人ならご存知だろうけど、伝票の多くは「前月のコピー」で済むのだが、新規の仕事だといちいち最初から入力しないといけないし、あれこれ考えながらやらないといけないので、同じ量を処理するのに時間が3倍くらい多くかかってしまうのである。1ヶ月目を我慢すれば、翌月はかなりラクになるし、1年間我慢すれば、翌年はもっとラクになるという仕組み。
 こんな感じで、毎月お盆休みがあれば、なんとかなるかもしれないなあ。
 元々、月末はそれほど忙しくないので(だから先月も平日に休んだし)、そこを利用すれば、なんとかなりそうなのがわかったけど、一ヶ月仕事に切れ目がないというのもなんだか悲しいのぉ。連続休暇がとりにくくなるっていうことだし。

 そういえば、蝉が賑やかになってきたが、今朝家を出たら、アパートの廊下に蝉の亡骸が横たわっていた。仰向けになったその姿を見ると「残暑だなあ」と思う。今朝は風がやや涼しかったし、夕方もけっこう涼しい風が吹いていた。ここ最近の猛暑を思い出してみても、7月後半から8月前半の暑さと8月後半の熱さは勢いが違ったような気もするし、こうやってだんだんと秋めいてくるのであろう。

 ぼんやりテレビを観ていたら、NHKで「世界三大料理」のタレント食べ歩き番組やってたので真面目に観る。トルコのインフレはやはりすごいな。街でアイスクリーム買っても、250万リラ。最高額紙幣は10,000,000リラらしいが、1万円を両替すると億単位のリラになってしまうようだ。旅行者が混乱するのもよくわかる。
 あー、旅行に行きたいなあ。

 と、ボヤいていても何も解決しないので、サマージャンボは買った。前向きなのである。しかし、3億円当たって、それでトルコに移住したら、いったい何長者になってしまうのだろうか? ためしに換算してみよう

 4,117,152,661,504トルコリラ

 う・・・、年商数十億円の中小企業の経理のおねーさんには見慣れない桁。
 てゆーか、大企業でもなかなか見ない桁だぞ。

 4兆リラか・・・・なんか、めんどくさくなってきたな。



8月11日(日)

 残業の日々で仕事に対する鬱憤ばかり溜まってしまう。
 それでも、9時くらいには家に帰れているのだが、自宅でパソコン立ち上げる気にならなかった。仕事の愚痴以外に書くことがないし、眼精疲労のためでもある。
 昨日の土曜日は久々に落ち着いて仕事ができたので、机の上に溜まっていた書類をざっくりと片付けて、不要な書類を沢山破棄した。自宅の掃除は苦手だが、オフィスの机はいつも整理整頓しているのが自慢だったのに、最近は自宅の惨状にオフィスが追いつこうとしている。
 なんとか整頓してから、仕事して、定時には帰宅。長いような短いような一週間だった。

 なんか憂鬱になっているので、友人Mに久々に電話して愚痴を聴いてもらうことにした。「暑いね〜」で始まり、Mちゃんがまたクーリエでマニラに行った話などを聞いたりしてから、「新しい仕事が増えちゃうし、派遣の人は辞めちゃうしで、ボロボロなの〜」と話はじめ、向こうの会社の愚痴も聞きつつ、ついでに先日受けた「○つの習慣」のセミナーがいかにヘナチョコだったかなどを語っているうちに朝になってしまい、コードレス電話の電池がいきなり切れて長電話終了。丁度6時になったところだった。8時間は喋ったな。すごいなあ。8時間喋り通しって、普通できないと思うのだが・・・・・付き合ってくれたMちゃんに感謝しつつ、崩れ落ちるように眠る。

 「○つの習慣」では、「重要でもなく、緊急でもない」ということにされていた「ダラダラ電話」であるが、私にとっては砂漠のような人生での貴重なオアシスなのである。文句あっか!

 やっと斎藤美奈子の「文壇アイドル論」を読む。
 これを読んでいて気が付いたのは、「私はここに挙げられている作家の著作をほとんど読んだことがない」ということだった。

 ハルキとバナナから私を守って(?)くれたのは、当時の職場の同僚で、「なんか、ノルウェーの森って流行ってるけど、面白いの?」という話になったときに、「あれは、元になった短編があって、そっち読めば充分だよ。それで、もし気に入ったら、ノルウェーも読んでみたら」と言われて、その短編を読んだら、あんまし面白くなかったので、それ以上進めなかったのである。(でも、カーヴァーの翻訳ではお世話になった。私にとっては村上氏は小説家ではなくて翻訳家である)

 吉本ばななについても、彼女が「この間、病院に行ったときに暇だったから待合室で読んでたら、すぐ読めた。暇だったら読んでもいいと思うけど、別に無理に読むこともないと思うよ。」と言われたので「私も大学病院の待合室で半日過ごさねばならないようなときに読んでみよう」と思ったのだが、そういう事態にならなかったので未読である。

 その職場にいた男性の同僚は、職場の自分用の棚に村上春樹と村上龍の著作をずらりと保管していた。村上龍でも読んでみるかと思って「どれが面白いの?」と聞いたが、特にお勧めはなかったようなので、「じゃあ、これにしてみよう」と私が手をとってしまったのが「テニスボーイの憂鬱」で50ページくらい我慢して読んだのだが、それでギブ・アップ。それで次はエッセイらしい「すべての男は消耗品である」も読んでみたのだが、内容に全く記憶がないので10ページも読めなかったのだろう。そもそも、「テニスボーイ・・・」を私が選んだ時点で、なんか言ってほしかったと後から思ったのだが、村上龍のファンって、そういう抜けたところのある人が多いようだと後でわかった。

 林真理子の小説は、新興宗教にはまった人の話しか読んでない。題名も忘れた。もともと彼女のエッセイも好きではなかったので、「まあ、こんなもんか」と思って、それ以来読んだことはなく、何年か後に「不機嫌な果実」がドラマ化されたときに面白かったので、同じようにあのドラマにはまっていた学生時代の友人とそのことについて熱く語っていて、他の友人たちに呆れられた。
 「あれって、本来は男性のステレオタイプをそのまんま女性に逆転させてて、それをまた石田ゆり子があっけらかんと演じているのが面白い」
 「岡本健一のキャラがまたベタベタでいいですよね」
 などなど。
 それで、ちょっと原作を読んでみたくなったのだが、本屋でパラパラ捲っていたら、どーでもよくなったので、買わなかった。図書館で見つけたら読もうと思っていたのだが、なかなか書棚では見かけなくて、リクエストするのも面倒だったので(というか、その履歴がシステムに残るのがちょっと嫌だった)結局読まなかった。
 
 「なんとなくクリスタル」も立ち読みして、あの脚注を何個か見たら、読む気がしなくなった。ケニー・ロギンスがどうのこうのと書いてあったような気がする。

 俵万智は私の世代で買って読んだ人はほとんどいないと思う。学生時代のコンパでの酒飲み話で、「うちのお母さんが買ってきちゃったんですぅ」「うちの親も買っちゃったよ」と「親のバカ自慢大会」でのマストアイテムであった。

 上野千鶴子の本も読んだことないなあ。なんでだろう?なんとなく、20代女性が読んではいけないような雰囲気があったような気がしなくもない。オヤジ向けだと思ってたようだ。(斎藤美奈子氏の記述を読むと、その印象は正しかったらしい)

 立花隆の本を一冊も読んでいないというのは本当だろうか?
 なんで読んでないんだろう?
 たぶん、「立花隆よりも、コリン・ウィルソンのほうがおシャレ」と思っていたのだろう。立花隆の著作が世間でもてはやされていたころは、「今更ながら、コリン・ウィルソン」と思いつつも手を出していて、「私にもサイコメトリー能力ないかしらん」と友達の旅行みやげの岩石標本を握ってみたが、私には「流れる溶岩」のイメージは湧いてこなかったのでガッカリしてみたりした。数年後にも懲りずにアンモナイトの化石でチャレンジしてみたが、やはりダメだった。

 そう考えると、「オリコン上位もの」は避けて通る癖は、書籍においても同じだったらしい。
 「売れてます」という宣伝文句は私にとっては逆効果なので、敬遠してしまうのだが、それでも友達が勧めてくれたものについては素直に読んだりしている。世間に対しては捻くれているが、友達に対しては素直でいられるらしい。
 でも、いつもそうやって人に頼るのも申し訳ないので、たまには自らチャレンジしてみるものもある。「失楽園」は周囲で読んだ人がいなかったので、試してみたが、その次に読もうとした「マディソン郡の橋」までたどりつけなかった。また失業するようなことがあったら挑戦してみたい。

 そんなだから「文壇アイドル論」を読んでも「ふ〜ん」という感じだったのだが、それで一つだけ過去の逸話を思い出した。
 当時働いていた会社に出入りしていた人の友人がなぜかギリシャに夢中になり、どうしてもギリシャ語を習いたくなったが、教えてくれる教室がなかなかなかったのだが、知人が「どこかの大学教授が個人教授してくれるらしい」と紹介してくれて、その教授にお願いしたら「今、もう一人習っている人がいるので、二人一緒に教えるということでいいですか?」と言われたので「もちろんです」と、その教授宅に行ったら、そのもう一人の生徒は「村上です」と自己紹介したそうで、それが村上春樹だったそうだ。しばらく一緒にギリシャ語習っていたらしい。
 「ノルウェーの森」が大ヒットする、ちょっと前の話であった。

 つーわけで、音楽は洋楽志向で、小説も海外文学志向の私は、アーヴィング先生の新作「第四の手」をさっそく買って読んでるわけで、彼の著作では、いつも登場人物は事故でなにかを喪失しているが、今回もさっそくライオンに手を食べられたりしているわけで、「ああ、この人ってなんて律儀なの」と感心しているわけであります。

 秋になったら、高村薫のミステリーじゃないらしい新作も読もうっと。

 あー、また明日から仕事か。
 親会社がお盆休み中なので、落ち着いて仕事できるはずなので、今週サクサク片付けて、また自分のペースに戻したいなあ。マイペースが作れないと、ほんとに苛々するので、なんとかしたい。



8月7日(水)

 なんだか毎日慌ただしくてヤーね。
 決算時期でもないのに毎日残業で腐ってしまう。私は残業しない主義なのだ。そもそも、うちの会社、残業手当出ないし。(笑)
 それにしても、他の部署ではガンガン派遣社員を増やしているというのに、いったいどんな仕事させているのだろうか?せめて、経理に持ってくる前にアシスタントにチェックさせるとかしてくれれば、少しはラクなのになあ。なんか、トイレで会うと化粧直しばかりしているように思うのだが・・・私なんて、ギトギトの顔で、頭もボサボサのまま仕事してるのによー、ブーブー。(でも、暇なときにもあんなに入念に化粧を直したりしないけど。そもそも直すほど化粧してないし。厚化粧だとキープするのが大変らしい。マスカラを最低でも3回は直しているようだが、私がトイレで出会わないときにもやっているかもしれないので、1時間おきに直しているのかもしれない。)

 びっくりしたのは、とある部署に仮払いをした清算をやっと持ってきたのだが、そのお金が合わないのだ。「なんで、お金を自分でチェックしてから経理に持ってこないのか?」と後輩と一緒に首をひねる。そして、こっちで領収書をチェックして「たぶん、これのせいで合わないんだと思います」と言ってから、やっと調べ始めたりするのだ。信じられませんね。つーか、「お金のことは全て経理でやってくれる」と思っているのだろうか?

 そもそも、経理という独立した部署が出来てからまだ日が浅いし、うちの会社しか知らない社員たちは「なんでも最後は経理」という感覚らしくて、そのまんま規模が大きくなってしまったわりには経理の人数増えてないから負担が大きくなる。まあ、今度新たに来るはずの派遣社員には経理の仕事も手伝ってもらおうという予定にはなっているが、その人には受付業務やお客さまへのお茶だしや給湯室の管理もお願いするので、それほど集中してやってもらえるわけでもないので、あまり期待はできない。

 そもそも、今の規模で実務してるのが2名っつうのはキツいよ。前に勤めていた会社は、今の会社の半分の人数を二人で捌くのがやっとだったもん。研修で隣の席に座った人がやはり経理の人で、仕事の話をしたが、その人の勤める会社はうちよりもやや社員数が多かったが、経理は6人でやっていると言った。

 まあ、文句言っていてもしょーがないので、きっぱり開き直ることにした。あんまりチマチマ細かいこと考えずにやろう。テキトーにやっていても、私の「テキトー」はそれなりにレベル高いはずだし、細かいことは後から直せばいいし、今は仕事が流れることだけ考えて、そんで「忙しいのよー」をなるべくアピールしておいて、他部署のアシスタントに仕事をふれるように下地を作っておこう。

 このところ、朝のワイドショーは殺人事件ばかりのような気がしてた。今日はマブチモーターズの社長宅だったし、その前は「離婚手続き中の夫が一家惨殺の後、妻を拉致」だったし、毎日誰かが殺されている。今日はやっとトップが芸能だと思ったら、「コニシキの母亡くなる」であった。
 そんな中、猛暑を吹き飛ばすような涼しい風を運んでくれたのは「元祖・亜麻色の髪の乙女のニセモノ出現」であった。その現場である町内会のカラオケ大会の映像を見て、心が洗われた。詐欺にあったと言っても、被害は15万円だし、それよりも、このニュースで日本中にカラオケ大会の映像が放映されたわけだし、「本物呼ぶよりも、話題になってよかったのでは?」というコメンテーターの言葉にうなずく。

 前に友人が2丁目のバーでアイドルに曲を提供している作曲家と名乗る人に遭遇した。たまたま、その友人と私は、その人の作る曲が今時の歌謡曲の中では好みだったので、よく一緒にカラオケで歌っていたので名前を知っていたのであった。しかし、2丁目で会うとは!かたりかもしれないけど、一応念のため「今度会ったら、独身かどうか探ってくれ」とお願いしておいた。「なんでですか?だって2丁目なんですよ?」「だって、もし偽装結婚したくなったら、花嫁候補に挙げてもらいたいと思って・・・・」
 友達はあきれて笑っていた。いや、もちろん冗談ですけどね。「○○さんの奥さんになると、あのアイドルが私にもご挨拶してくれるはず」と想像して、一瞬うっとりしてしまっただけで・・・・
 「そんなにゲイと偽装結婚したいのなら、そのうち僕がしてあげます」と言われたが「○○君はアイドルに挨拶されないもん」と本当のことを言って悲しませてしまった。

 結婚といえば、先週うちの親から電話がかかってきた翌日には、なぜかまたB君からも電話があり、そっくり同じことを言われてしまった。

 「一回会っただけで決め付けないで、付き合っていくうちに愛情が育っていくこともあるでしょう」

 見合いの話をしたらそう言われたのであった。

私 「ない」
B 「あるって」
私 「あるかもしれないけど、それを試す気がしないからほっといてほしい」
B 「そんなだからいつまでも結婚できないんだよ」
私 「だから、結婚する気ないって言ってるじゃん」
B 「そうやって理詰めで考えてるからダメなんだよ」
私 「理屈じゃなくて、生理的に反応して言ってるんだけど・・・・」
B 「ほら、また難しいこと言うんだから」
私 「ちっとも難しいことなんて言ってないよ。印象悪い人と、それでもがんばってしばらく付き合えば、もしかしたら好きになるかもと思ったりしないってことを言いたいだけで・・・別に結婚したくないわけでもないが、結婚するために努力はしないというだけで・・・・」

 そんな不毛な会話を1時間近く交わしたのち、なぜか離婚の話になり、それは多分「そんな軽い気持ちで付き合うと、別れるときに苦労するから、やだ」と私が言ったからだと思うが、B君が「離婚はすべきでない」という持論を振りかざしはじめたので、また私は不機嫌になった。だって、B君の話だと「うまくいかないときもあるけど、本人同士の努力でなんとかなるもんだ。それに子供がいる夫婦は絶対に離婚すべきではない」とか言うので、さらにムっとしていたら、向こうも以前この話でこじれたのを思い出したのか「他の話しよう」と言い出したので、他の話にしたのだが、なんかやっぱ話噛みあわないなあ。

 そんでまた「ミヤノさんは、それだけ喋れるんだから、臨床心理学か作家を目指すべきだ」と、よくわからんことを言われ、「作家はともかく、精神科医にはなれないだろう。私、自分で喋ってばかりだから」と言ったら、なんだかグダグダ説明されたが、さっぱりわからなかった。
 そんで「ミヤノさんほど、しっかり自分の考えを持っている人は少ないんだから、それをちゃんと発表すべきだ」と、また言われたが、ここでこうやって「発表」しちょるし、前に彼がネットできる環境にあったときにアドレス教えたのだが、やっぱ読んでないわね。(笑)
 読まなくていいので、あえて「ちゃんと書いてるよ」とも言わなかったが。それに、こういうのを「ちゃんと書いている」と思ってくれないだろうし。

 そんなこんなで2時間以上喋っていたら、B君が突然「でも、オレとミヤノさんってさあ、なんでこんなに話が弾むんだろうねえ」と言い出した。「こんな関係も不思議じゃない?」
 私は思わず、ドワハッハと笑ってしまった。だって、この間も別の男性にそう言われたんだもん。「あまりに話が弾むから運命の人かと思った」って。私は正直物なので、「悪いけど、そう言う人、何人かいるんだわさ。」
 たしかに、男性は少ないが、私はだいたい長電話なのである。たぶん、相手が言ったことに素直に納得せず、「でもさ」と反論するので「話が弾んだ」ように思うのだろう。そして、相手が言ったことを「それって、こういうことかね?」と倍の長さで言い直したりするので、相手は「なんだか自分の言っていることをちゃんと理解して/しようとしてくれている」と思うのだろうか?

 もちろん、私は私と話がしたいという人とは、ちゃんと真面目に話しをするけど、でも、あとで「あのとき、ああ言った」と言われても忘れてたりする。真剣に話すわりには、その場かぎりなのだ。
 そして、自分のそういう意味での欠点は「多少、話が合ったくらいでは、相手を特別に思わない」ということだろう。その気になれば、誰とでも話はできるわけだし、誰と話ししてもそれなりに面白い。

私 「だから、ちょっと会話してみて、じわじわと、『ああ、この人だわ』と思ったことは今まで一度も無い」
B 「あー、もー、そんなこと言うから、ダーリンができないんじゃないかよー」
私 「お喋り界のマザー・テレサと呼んでほしい」
B 「あー、もー、あんたねえ・・・・」

 と、また「なんで結婚しないんだ話」に戻ってしまったのであった。
 そんで、「まあ、うざい奴だが、年下の既婚子持ち男性に親と同じように説教されるのもそれなりに味わい深い」とか思ってたりするのである。

 つーわけで、「電話線の世界では聖人君子」を誇っているので、さて、明日からは、職場の聖女を目指してがんばろう。慈悲ぶか〜く、思慮ぶか〜く、そんで愚痴はここにか〜く。



8月5日(月)

 10時前には出勤したのに、金庫が開くのを待っている人が2名もいて、「私まだ、頭が立ち上がってないんですよー」と言い訳しながら現金を出して、やっとマシンを立ち上げながら、置いてある書類の整理をしていたら、「トイレが流れない!」と騒がしい。「なんか聞いてる?」と言われたが、「だって、水道タンクの検査で断水したのは、ついこの間じゃない」「そうだよね。メンテ関係のはずないよね」

 派遣社員が「流れないんです」とトイレから離れられなくなっていたので、一階の水汲み場までバケツで水を汲みに行った。やはりタンク経由でないその蛇口からは普通に水が出るので、うちのビルだけ断水しているのがわかった。
 先週も落雷で電話基盤のヒューズがとんでしまったが、昨日の落雷でなにかあったのかもしれない。

 メンテナンス業者が1時間くらいしてやっと到着。その前にエアコン業者も来て「今日はもー、あっちこっちで調子悪くてさー」と言っているので、やはり落雷の影響らしい。
 結局、原因がちゃんとわからなかったが、ポンプになにかの安全装置が働いてしまい停止していたようだ。だからタンクの水量が減っていたので、月曜日の朝になって皆がトイレを使っているうちにいきなり断水してしまったらしい。

 そんなこんなで朝から慌ただしく、「二日酔い→遠出して徹夜」という「脳細胞死にまくり」な週末を過ごしていた私は完全にやる気を失っていたが、そういう日に限って、急にいろいろ頼まれたりして、バタバタしているうちに夕方。なんか、たくさん仕事したうような、全然してないような・・・・・
 頭痛のタネである「新しいお仕事」では今日も振り回された。そこの責任者が今日は出張だか休暇だかで不在で、実務担当者が「結局、どういう段取りになってるんですか?」と不機嫌そうだが、不機嫌さでは私も負けないので、「私も実はさっぱりわからないのです。でも、こう決めたというわけではなくて、徐々に調整していくことになると思いますから・・・・・」

 そんなこんなで、「今日は途中でほっぱらかして早く帰ろう」と思っていたのだが、なんだかんだで帰れず、「たまの残業はしかたないと思うが、残業して当たり前という仕事量になるのは嫌だな」と落ち込む。まあ、以前も仕事が増えたときには、それでペース作るのに時間はかかったが、あれこれ工夫したり関係各者をこっそり教育したりして、なんとか定時でこなせるところまで持ってきたんだが、ひとつ落ち着くとまたひとつ・・・・・・

 まあ、金曜日に社長も「ありゃ、意外と大変だなあ」と言っていたので、わかってはいるみたいだし、こうなったらまた給料でも上げてもらうしかなかろう。
 ほんとは、金いらないから休暇が欲しいんだけど、この調子だといったい私はいつ休暇がとれるのだろうか?

 さて、私の「忙しいよ〜」は至って平凡であるが、非凡な人生を歩んでいるのでなんだか忙しそうなA嬢は、金曜日にとうとう「お嬢さんをください」会議を執り行ったらしい。「でも、両親がいろいろ言ってくるのを通訳してたら疲れた」というわけで、大変だなあ。
 でも、なんだかよくわからないのは、両親は「結婚するのはいいが、結婚してもビザが下りなかったらどうするんだ?」という方向になっているらしく、Aもそのあおりを受けて「入管がどういう基準で偽装結婚とするのかわからない」と、やや不安になっているようで、「二人ともお金ないからルームシェアしているところに住もうと思うんだけど、それだと怪しいかなあ?」とか言うので、「住所が一緒でほんとに一緒に住んでりゃ問題ないでしょう」と言ったのだが、「でも、半年くらいは監視するらしいんだよね」って、犯罪者じゃないんだから刑事が張り込むわけでもなし、「監視って言っても、半年後にいちおう調査に来て、隣近所に聞き込みしたりするかもしれないが、あんたたち100メートル先からもわかるくらいいちゃいちゃしてるから大丈夫だよ。近所の人たちもちゃんと『目のやり場に困ります』と証言してくれるって」と言ったのだが・・・・
 そもそも、偽装じゃないのに偽装と思われるのを心配するのもどうかと思うが、いろいろ不安らしい。また親がその不安につけこんでか、ほんとに心配してか「結婚式も挙げないとまずいんじゃないか」とか言い出すらしいし。

 現実的な私は、そんな心配よりも、今までお母さんにご飯も作ってもらってただろうし、洗濯もしてもらっていたはずのAが、家事を最低限でもできるのか、そっちのほうが心配なんですけど・・・・今の仕事は、深夜帰宅になるので、疲れて帰ったあとに食事の支度なんてできないだろうし、外食するようなゆとりもなさそうなので、食事がおろそかになるに決まってるから、また体壊さなきゃいいけどなあ、というほうが心配です。

 ま、人の心配しててもしょーがないんで、とりあえず、私も自炊する気もおきないような今日このごろであるので、帰りに「気休め」としてサプリメントを買い込んでしまいました。昨日、紫外線を沢山浴びたので、ビタミンCをお呪いに飲んでおこうっと。あと、ウコンのサプリも買いました。(飲みすぎ対策)



8月4日(日)

 日記が書けなかったので、金曜日から遡って・・・・

 3日の金曜日。
 新しい仕事でまた振り回させる。上司もこれほど煩雑だということは把握していなかったようだし、それを社長に報告すると、社長も「これは、ちょっとめんどうだな」とおわかりいただいた様子。
 また、チマチマと残業していたら、上司が「○○に行くけど・・・・」
 社長のごひいきの寿司屋。どうやら「天然モノのシマアジ」が入ったらしい。
 疲れて腹へってたし、なんだかムシャクシャしていたので、美味い魚を肴に酒でも飲まんとやってられんわ、な気分だったので参加した。

 シマアジは美味しかった。ハマチがもっとシコシコしたかんじ。
 テーブルには一升瓶がデンと置かれ、注がれるままに飲んでいた。
 私の記憶が正しければ、一升瓶は3本空いた。(飲んでた人数は約7人)
 後から親会社の社員もやってきたので、ご機嫌だったので愛想ふりまく。
 ここで言う「愛想」とは、ニコニコしてお酌をすることではなく、ベラベラと喋りまくることである。

 すっかり出来上がっていたが、なんかタクシーが呼んであるというので、乗り込んだら、すぐ近所の社長宅に連れていかれた。実はお邪魔するのは初めて。ほとんどの人はとんずらしたが、総務の同僚のわりと正気らしい女の子が来てくれたいたので安心する。

 社長宅では、どうやら高価なウィスキーが開けられていたようだが、私は一杯飲んだら、かなり限界まで来ていたようである。その後は水しか飲んでいないと思う。
 社長宅には、犬がいた。部屋犬である。なんだか犬とチュッチュしていたような気がする。そんで、犬がやはり社長にベッタリなのが気に入らなかったようで、無理やり社長から剥がして抱っこするが、逃げられたので追いかけてテーブルの下をドタドタと這いまわり、犬が吠えるので負けずに「オン!オン!」と吠えていたのは夢ではなかったと思う。記憶がかなり断片的である。

 システムの社員の人に「ミヤノさんってこういう人だとは思わなかった」と何回か言われたような気もするが、「こういう人って、どーゆー人なんですか!」と反撃したつもりが舌がもつれていたような気がしなくもない。

 まあ、「旅の恥はかき捨て」というのなら「酒の恥」もかき捨てさせてもらおうと思っているが、いいように解釈しても「相当の犬好き」と思われただろうな。
 たしかに、わりと好きだけど、あれは「酒癖」でもあるのだ。 
 昔働いていた会社の社長宅に行ったときにも、ヨッパラって犬に絡んで、顔を噛まれた。次の日、顔が腫れて「どうしよう、傷が残ったらシロに嫁にもらってもらえばいいのかな?」と一応言っておいたが、どう考えても私が悪い。だって、フリッパーズのCDジャケやプロモに出ていた犬(ダルメシアン)が、ベレー帽かぶっていたのを思い出し、「シロは似合うかな」と帽子をかぶせて、ついでに私の眼鏡もかけさせたんだもん。それも酒臭い息をふきかけながら・・・・

 シロは秋田犬の血が混じってそうな、大型犬であったので、その気になれば私の鼻くらい食いちぎれたのに、せいいっぱい「やだよー」と意思表示するために、軽く顔をガボっと噛んだだけだったのだ。ごめんね〜。でも歯型ついたんだけどさ。一週間くらいとれなかったよ。

 というわけで、犬とマジで戯れてしまうほど、久々に飲みすぎたらしい。
 帰りは同僚の女の子と一緒にタクシーに乗って、なにか語っていたのだが、さっぱり思い出せん。でも、きっとそうだ、あの話をしたような気がする。
 うちの部署にいる派遣社員が体調不良を理由に8月一杯で辞めてしまうのだ。

 ガガーン!新しい仕事も増えて、バタバタしている時期に・・・・・
 彼女がいろいろやってくれたので、私はけっこう細々と仕事を頼んでいたのである。それが新しい人になると、また一から説明し直しか・・・・・痛いなあ。

 というわけで、家に着いたのが何時頃だったのか、さっぱり記憶にないが、たぶん午前1時くらいだったんだと思う。喉が渇いていたので、タクシーをコンビニの前に泊めて、買い物してから帰った。

 3日土曜日。

 目が覚めたら、朝だった。部屋の電気はついているし、テレビもついていた。テレビの画像がちゃんと見えたので「あー、またコンタクトしたまま寝ちゃった」
 時計を見るとまだ7時半だったが、暑くいのと喉が渇いているので目が覚めたらしい。
 起きようとしてビックリ。素っ裸だった。どうも、服を脱いでから、ネマキ(Tシャツと短パン)に着替える前に沈没してしまったらしい。服を着たまま寝ていたことはよくあるが(さすがにいつも靴は脱いでいた)、裸というのは初めてである。猛暑ね〜(そういう問題か?)
 素っ裸のまま、「とにかく、飲み物!」と思って冷蔵庫を開ける。あれ?昨日なんか買ったんじゃななかったっけ?ヨーグルトなども買ったような気がするが、それもない。コンビニに寄ったのは夢だったのか?と思って周囲を見回すと、コンビニ袋に入ったまま玄関に置いてあった。すっかりぬるくなっているようだと、悲しい気持になりながら、冷蔵庫に移そうとすると、「あり?」

 なんで、あんな真っ直ぐ歩けないような状況で、ネマキも着られず、コンタクトも外せず、テレビもつけっ放しという、これ以上ないような「泥酔状態」だったのにもかからわず、なんで、あたしゃ、ビールまで買っているんですか!

 自分のダメさ加減にあきれ返る。やはり酒は最強のドラッグだ。「人間やめますか?お酒やめますか?」
 イギリスに行って、ついでにアムスにも寄るはずだった友人から「結局、ずっとアムスにいました。ダメダメです」というメールが来たので「一ヶ月もなにしてたんだ?」と笑ったが、今度彼女と「ダメ人間自慢大会」を開催しようっと。

 と、思いつつ、冷たい飲み物をグビっと飲んで、また死ぬ。完全に二日酔いというか、まだ全然酒が抜けていない。
 電話が鳴って起きる。Aから。今日は、メタモルに行くのである。

 「御殿場からのバスが3時くらいで終るらしいんだけど、どーするー?」

 と、言われても、全然頭が働かない。ほんとは昨日連絡したかったのだが、しょうがない。パソコン立ち上げてメタモルのサイトを見れば詳しいバスの時刻表も載っているはずだが、そんなことする気力がないが、Aも「パソコン立ち上げればわかるんだけどね〜」とか言っていて、自分でやる気はないらしい。Aが「ミヤノさんも行こうよ」と言ってチケットもとってくれていたので、そのくらいやってもらえるかと思っていた私がバカでした。(後で会場でMG氏に愚痴ったら「あんたら、何年の付き合いよ」と大笑いされた。)

 とりあえず、御殿場まで2時間くらいという情報をどこかで見たような気もしたので、下北沢で1時に電車に乗ることにする。

 その電話をしたのが9時くらい。
 さて、全然具合悪い。喉は渇くし、胃は重いし、頭痛い。どこに出しても恥ずかしくないほどの立派な二日酔いである。
 とりあえず、水分を補給して寝るしかない。
 しかし、あまりの具合の悪さに、寝ることもできず、ゴロゴロと寝返りをうちながら、「う〜、気分わりぃ」

 1時に下北沢となると、12時半には家を出ないとならないので、11時前にはなんとかシャワーを浴びて少しリフレッシュするが、とても外に出られるような状態ではない。
 それでも、ヨタヨタしながら、荷物をまとめる。敷物や、日焼け止めや、雨合羽等・・・・・・

 荷物をまとめて、服も着替え(恐竜博で買ったTシャツを着用)、髪も整えて、出発ギリギリまで横になっていた。グエーってかんじだ。
 外に出たら、暑さと日光で、倒れそうになる。なんとかヨロヨロとバス停まで歩き、下北沢まで行ってから、「途中でお腹が空くかもしれない」とおにぎりを買って小田急線。

 しかし、たまたま来た急行は湘南方面行きで、町田で乗り換えて山方面(箱根行き)を待ち、やっと新松田に到着したのが2時20分。
 駅の改札ではAとその同僚のココリコ田中君(ホントに似てる)が待っていた。

 二日酔いで頭フラフラだというのに、そこで告げられたのは、「御殿場からのバスに間に合わない」ということであった。
 二人は私よりも1本早い電車で到着したのだが、それでも御殿場行きのJRの乗り換えに間に合わなかったらしい。ローカル戦なので、次の電車は約40分後。それに乗っても、会場である日本ランド行きのバスに間に合わないという。

 「どーしよ、どーしよ」

 といわれても、こっちも二日酔いで判断力低下している。とりあえず「ああ、だったらちゃんと時刻表調べておけばよかったね」と言ってみたら、ココリコ君はちゃんと調べていたらしい、「でも、私が昨日は携帯がつかえなかったから・・・」
 おいおい、君たち、同じ職場なんでしょ?今日行くことは一週間前にわかっていたのだから、もっと早く調べて調整してくらさいよ〜

 で、結論から言うと、御殿場についたら、やっぱりバスで行こうとしている人たちがいて、バス会社は「15人揃ったらバスを出す」ということで、バスが出ることになり、なんとか日本ランドに到着。そこで、ミカちゃん&N君カップルに遭遇。テント付き。これで、テント確保!ああ、なんて、その場しのぎの一行。あたし、計画性のないのってどうも性に合わないんだけど、まあいっか。

 5時前には会場入り。
 入り口付近でうろうろするスタッフのMG氏に挨拶。

 会場入りして、ミカちゃんたちにくっついてキャンプサイトへ。
 テントが完成すると、私はその横に敷物を敷いて、寝てた。

 とにかく具合が悪くて、初対面のココリコ君にも「私、二日酔いなんで」と弁解しまくっていたが、気分が悪いので無愛想になってしまうのだ。
 でも、友達には大勢会えた。

 MG氏に、「この間、アエラさんの彼氏と会ったよ」と言うと、「え?そもそも彼氏なんているの?」
 人間スピーカーというか、人間メールサーバの彼が知らないわけがない。
 「ほら、広島(聖なる音楽祭)で知り合ったイギリス人だよ」「ああ、あれか!結局付き合ってんの?」「つうか、今日本に来てるよ」

 Y君 「最近は、どんな情報も携帯メールで一瞬で広まるみたいだね」
 どんな重要な情報かと思いきや、彼が「日本ランドまで、スクーターで行っちゃおうかな」と、M君に言っただけなのに、「今日来たら、みんなに『スクーター来たんだって?』と言われてしまった」そうである。ちなみに、M君は、彼女ができてラブラブらしく、欠席。(ちゅうか、DJとして声がかからないのでスネているらしいけど)

 M君の幼なじみN君は来ていたらしいが私は会ってない。23歳の彼女ができたそうで、「かなり舞い上がっている」らしいが、なんでM&Nの人生の浮き沈みはああも連動しているのだろうか?そっちのほうが不思議だが、それよりも、どうして、あんなしょーもない30男に若くてかわいい彼女が寄ってくるのか・・・・・・その秘訣を聞き出せたら、ベストセラー本になりそうだ。

 そのMのどうやら超かわいいらしい彼女とMが一緒に歩いているところを目撃したというA曰く、「新宿で見かけたんだけど、Mが彼女のお尻さわりながら歩いてたので、ちょっと声をかけそびれた」
 ・・・・・・あんたと彼氏もそのくらい平気でいちゃいちゃしとるんだが、まあ、他人がやっていると声にくい気持はわかるので黙ってた。

 オンちゃんもいた。そっちはほんとに単車で来たらしい。フジロックも単車で行ったそうだが、そっちは単車など珍しくなかったのに、メタモルの駐車場係りに「バイクで来た人はあなただけです」と言われたそうだ。「やっぱ、ロックは単車かね?」「つーか、レイバーはラクすることばかり考えてるんじゃないっすか?」
 「で、フジロックはどうだった?何日いったの?」
 「2日目だけ」
 「えー、いいいなペットショップボーズ、私も観たかった」
 「よかったっすよ。笑えました。ケミブラは普通だった」

 「Yがもしスクーターで来てたら、負けたと思ったでしょ?」と誰かが言った。「うん」「ほら!Y君、次回はスクーターだ!駐車場係りにもきっと驚いてもらえるよ!」

 整理。
 携帯メールで一瞬にしてバラまかれる貴重な情報というのは、今まで男っ気のなかった30代後半女性がイギリス人を連れ帰ったことよりも、「メタモルにバイクで行こうとしているやつがいる」ということらしい。
 オンちゃんは、月曜日から銀座で板前修業するらしく、北千住にアパートを借りたらしい。会ったころ19歳だった彼も大人になった。
 「私も年取るはずだよ」
 「ミヤノさんは、20代後半にしか見えませんよ」
 あー、口もうまくなったのね。と26歳の男の子の頭を「いー子、いー子」となでなでする35歳の私。
 「ところで、このグループ、オンちゃんの後が続かないね。だめだよ、後輩を育てないと・・・・」

 E君 「この地味さかげんが許せん!」
 メタモルの客層はたしかに、フジロックばりに普通だ。でも、そう憤るE君も普通の格好だったが、どうやら「ゴアパンの着替え」を持って来ているらしい。アッパレ。ちなみにE君の髪型はベッカムの新しい髪型みたいだった。女顔なので似合っていた。

 MHちゃん。「ユミちゃんと連絡とれたんだ。離婚してから、カナダに行ったりしたけど、今はインドにいるんだって」
 という話を聞いたのもずっと前のような気がするが、インドでのボランティア活動が性にあっているのか・・・・
 MDちゃんも来ていたらしいが、私は会えなかった。「妊娠3ヶ月なんだって。ふっくらしてた」
 女性の人生もいろいろである。

 タマちゃん「レンタカーで来たんだ」「え?タマちゃんが運転したの?」「運転したいんだけど、させてもらえないんだ・・・・・」
 隣にいた小柄な可愛い女の子が「私は運転しましたよ」
 タマちゃんのグループは安全管理に対しては万全なようである。私の知る限りでは、カミちゃんよりも運転が下手なのは、タマちゃんだけである。

 その、カミ&タマの新潟出身コンビも行った「佐渡島」でのパーティが嵐で大変だったとは聞いていたが、タマちゃん曰く「自然の驚異を堪能しちゃったよ」
 よくよく聞けば、そのパーティは、2年前新島でパーティしようとしたら、大地震で中止になってしまった「あの世」の主催であるという。

 「『あの世』っていう名前がよくないんじゃないかって言われてるよ。しかも、佐渡のときの副題が「ローリング サンダー」だったんだ。笑えないよね」
 と、住民が避難所に避難しているような嵐の中で、テントで一晩明かしたらしい。「あの世」は自然の厳しさを教えてくれるパーティみたいだ。

 というわけで、うろうろして友達や知り合いを見つけては「やあ、やあ、久しぶり」と挨拶したりして、またテントに戻って寝たり、アンビエントのところで敷きもの広げて寝たり、と寝てばかりいた。
 おかげて、やっと3時に始まったグリーン・ベルベットのころは元気になった。でも、なんで今更彼らなんだろう?5年前に来ていればそれなりに価値があったのだが・・・・・でも、往年の(?)ヒット曲「FLASH」もやってくれて、盛り上がっていた。でも、1時間のライブのために、ここまで来たかと思うと「別に新宿リキッドでやってくれても行ったけどね」とおも思った。あまり野外向けの音ではなかった。

 そのあと、シャッフルマスターだったので、「どれ、めったに会わないから、カナモリ君の顔でも拝むか」と一番前まで行ってみた。少し顔がまた丸くなっていたような気がした、と後でAに言ったら、「でも、太ったわけではないらしい」とのこと。まあ、貫禄がついてきたっちゅうことで。その会話を横で聞いていたY君が珍しくうがったことを言った。「ほら、オザケンみたいなもんじゃない?」オザケンも「貫禄がついた」ことをなんで知っているのか謎だが、カナモリ君もかつてはオザケンのように「ふっくらしてるけど華奢な少年っぽさを持った青年」であったので、同じような変化をとげているのであろう。

 あたりはだんだん明るくなってきたが、同時に寒かった。風がないと草の上で寝ていられたので、しばらく寝ていたのだが、風が吹いてきたら寝てられなくて、屋台で暖かいものを食べてから、またテントに戻ると、Aも寝ていた。私もしばらく隣で寝ていたが、ミカちゃんが帰ってきたので場所を譲って(というか、彼女たちのテントなわけで)またさまよっていた。

 アンビエントのところで座る場所を探していたら(場所はいくらでもあるが、傾斜がいいところを選ぶ)、遠くで手を振る人がいた。O君だった。ジャンキーXLのとき以来だ。約1年ぶりか。
 しばらく横に座ってポツポツと喋っていた。
 なぜかフジロックの話になり、O君の友人が行ったらしく
 「陽水がすごくよかったらしいですね」
 「ああ、最近NHKでアコースティックのライブやってんの観たけど、やっぱよかったもんなあ。野外で観たらまた凄いかもね」
 「友人が外人の友達連れてったらしいんですよ。もちろん陽水なんて知らないし、日本語もわからない人なんだけど、その外人が大感激してたらしいです」
 「そりゃ、すごいねえ。さすが陽水・・・・」
 「『最後のニュース』って曲あるじゃないですか、あれのとき、その外人がほんとに涙流して泣いてたらしいですよ、『この人はすごい!』って」
 「日本語わからない外人泣かせるとは、さすが陽水!」

 という、「いい話」を聞いた。

 そんなかんじで、喋ったり寝転がったり眠ってたりしているうちに、終了。
 私の今回の目的は「涼しいところで音楽聴きながら寝転がる」だったので、目標通りだったのだが、全然踊らない自分にちょっと驚く。まあ、年も年だし、そんなもんだろう。
 「僕は今でも踊れるよ」というY君にしたって、全盛期の動きからすれば運動量はかなり落ちている。その証拠に、誰かも「Y君が踊っていればすぐわかるはずなのに見つからなかった」と言っていた。地味になったんだよ。自分ではわからないのかもしれないけど。「でも、昔よりも踊りはうまくなった」と言い張るので、「うまくなったということは、洗練されてきて能みたいな動きになってきたんじゃない?それは自分にはわかるかもしれないけど、シロートにはよくわからないし、やっぱり若い子ががみしゃらに無駄な動きをしているほうに目がいくじゃない、違う?」と言って説得した。私って大人。

 さて、涼しいはずの高原だが、雲が晴れてきて太陽が顔を出したとたんに紫外線が強くなる。気温も上がってきたので、テントの中で寝ていられなくなるし、バスの時間も迫っていたので、「そろそろ撤収しよう」と言うが、N君が行方不明。仕方ないから片付けるが、N君がいないとはかどらない。やっと戻ってきたら「観覧車に乗ってた〜」

 N君をせかして片付けを仕上げて、出口に行くと、すぐにバスが出た。
 御殿場につくと、もう5分で電車が来るというので、慌てて切符を買う。(イオカード使えない路線なんです。車両に「ワンマン」って書いてあるし。なんで?)
 Y君やミカちゃんは、「ロマンスカーで帰る」というので窓口に並んでいたので、そこでお別れかと思ったら、「次のロマンスカーは3時間後だって!」と、慌てて自販機に並び出すが、私らはもう改札に向かうところだった。「いそげ〜出ちゃうよ〜」と言って先に電車に乗ったら、すぐに発車ベル。

 「どうしよう」と私がAに言うと、「悪いけど、しょうがないよ」とのことで、Aさんけっこうクール(笑)
 たしかにこれを逃すと、次の電車は1時間後なので、先に行くことにした。階段のあたりを見ていたが、降りてくる様子もないので、あきらめてお茶でもする作戦にしたのかもしれない。

 行は乗り換えに手間取って時間がかかったが、帰りは途中でトイレに行く暇もないほどだった。松田でやっとトイレに行けて、小田急線に乗り換えると、すぐに新宿行きの急行が来た。
 相模大野でAとココリコ君が降りて、一人で船をこぎそうになりながら下北沢。昼でも食べようかと思ったが、あまりの暑さに食欲がなくなり、とっとと歩いて途中のスーパーで惣菜や飲み物を買い、家につくとまずシャワーを浴びて、エアコンの効いた部屋で軽く食事をしてから、日記を書いていたが、途中で眠くなり、横になったらぐっすり寝てしまい、すっかり暗くなってから目が覚めたが、もうパソコンに向かう気力もなく、電源落としてまた寝た。



8月1日(木)

 月曜と水曜が休みだったのにもかかわらず、掃除もしなかったのであるが(洗濯と布団干しで力つきました)、今朝家を出ることきに、玄関に立って部屋を眺めたら、あまりの荒れように、死にたくなってきた。

 しかし、その3秒後に「今死んだら、この部屋を他人に見られてしまう」と思い、生きる気力というか「死んではいかん」と思い直すが、外に出るとあまりに暑いのでまた死にそうになるが「だから、今死んだら、あの部屋を見てうちのカーチャンがなんて言うか・・・・」と思って生きる意欲を取り戻すが、やっぱり死ぬほど暑い・・・・・

 と、しばらく「生と死のジェットコースターごっこ」に興じていたら、頭が疲れた。

 新しいお仕事の引継ぎ。うーん、ほんとに何もかもやらないといけないのだな。救いとしては、今までアナログな手書き伝票でやっていたところなので、伝票を入力自体はそれほど大変そうでもないのだが、問題は支払の件数の多さと、あと仕事ごとの収支をまとめる作業もやることになりそうだ。できるのかしら?しらんわもー。まあ、やるだけやってみて無理そうだったら、派遣でも雇ってもらおう。今はいいけど、決算のときとか死ぬよマジで。

 というわけで、なんだか暗い気分になってきて、残業してから家路についている自分が空しい。
 とぼとぼと歩きながら、「ああ、こんな気分のときに、部屋で女の子が食事を作ってエプロン姿で出迎えてくれたらイチコロだろうな〜」と同年代の働く男性たちが、結婚を決意する気分をなんとなく想像する。なんか、エプロン姿がいいと思うのだ、エプロンの下が裸だろうが服を着てようが、私にはどうでもいいことであるが、重要なのは、部屋も掃除されていて綿ボコリが溜まってたりしなくて、ベッドにはちゃんとベッドカバーがかかっていて、ハンカチにはアイロンがかかっていて・・・・・と、しばし「妻が欲しい」という妄想にうなされながらも、「でも、宝くじ当てて、家政婦さん雇うという手もあるな」とさらに夢物語に突入していたのだが、部屋に帰ると当然のことながら、朝の「死にそう」な乱雑ぶりである。

 久々に大掛かりに掃除しました。
  ↑
 文法的に間違っているかも。
 久々に大掛かりに掃除している最中です。まだ目標の20%もいってない。
 バコバコと物を捨てている。買い物嫌いなくせになんでこんなにいろいろ不要なものがあるのだろう。

 で、ゴミ袋2つ満タンにして、台所に掃除機をかけた時点で飽きてしまった。掃除機かけるために移動したものが収まらないままである。
 ああ、フリフリのエプロンしたお掃除ロボットがボーナス4回払いくらいで購入できるようになる日が私の生きているうちに来るのだろうか?

 変なセミナーはもういいから「片付けられない症候群」離脱のための逆洗脳セミナーに行かせてもらいたい。現在、会社の書類整理も頓挫しているのだ。あっちは体力勝負だから(書類収納箱の移動は腰に悪い)ほんとになかなか進まないのだ。私自身はわりとファイリング上手なのだが、「ファイリングという観念のないひとたちが10年間にわたって蓄積したもの」を整理するのがいかに大変か・・・・必要なものと不要なものを分ける作業だけでもすごく時間がかかるのだ。上司は「全部とっておこう」というが、ほんとに絶対に要らないものは捨てたいのだよ、わたしゃ。だって、10年前の手書きの月次試算表なんて、とっておいてどうすんの?と思ったので密かに全部捨ててやった。

 おっし、また「全部捨ててやる」病が出てきたぞ、いい兆候だ。また掃除に戻ろう。


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