可燃物な日々

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6月30日(日)

 2時ごろ起きて、またダラダラと本を読んだり、ときどき部屋を片したり、またゴロゴロしたり、を3:1:6くらいの割合でこなし、夕方になると買出しに行って、夜の試合に備える。

●決勝戦 ドイツ−ブラジル戦

 ありゃー、VIP席には天ちゃんと金ちゃんが御揃いでニコやかに手を振っていますよ。あれ?純ちゃんは?と思ったら、ピッチで選手と握手してました(笑)

 コイントスのとき、主審のコリーナ氏とカーンが接近した画は、迫力満点。特にコリーナ氏なんて、今回の活躍でハリウッドからラブコールを受けるのではないか?「羊たちの沈黙」でアンソニー・ホプキンスが卓越した演技力で作り上げた不気味な雰囲気をコリーナ氏は素でやっている。ファールとるときに、目をギョロっとさせると、テレビで観ててもビビるもん。

 そのコリーナ氏は、前半の早い時間にイエローを2枚出して両チームを牽制。この辺の操り方も「暗黒外のボス」っぽい貫禄十分。ロナウジーニョの派手はすっころびを冷静に無視するあたりには、「オレもやばいことはたくさんやってきた。テメーらの甘ちょろい手口なんてお見通しさ」という雰囲気。「動物のお医者さん」で漆原教授が試験監督を務めたときに、学生たちに向かって「私はカンニングのプロだ。だからどんなカンニングも見破る自信がある。」と宣言して学生たちを追い込んだような手口である。

 テレビ局に希望。「現役時代」のコリーナ氏のお宝映像を発掘すべし。フサフサだと尚おもしろいぞ。デビュー当時の「小ザル」だったカーンも観たいよなあ。
 そのカーンは後半終了ギリギリにもナイス・セーブで盛り上げる。

 やはり「野獣」ブラジル・フォワードも、カーンの野獣度の前には足元が狂うのだろうか?
 ファンの期待通りのカーン対ロナウドという対決が堪能できすぎで、「これはプロレスの試合か?」と思うほど。

 ドイツがカーンにバックパスを送ると、ブラジル・サポーターが一斉にブーイングするが、そのブーイングが「カーンをたたえる歓声」に聞こえてしまう。

 後半。
 イェレミースに換えてケール(青汁を思い出す)か?と思ったが、イェレミースなんとか復帰。

 エジミウソンのユニフォーム後ろ前に着ちゃったパフォーマンスに1点。

 などと思ってたら、カーンのこぼれ球をロナウドが押し込んだ。カーン痛恨の失点。やはりブラジルの野獣度にかなわなかったのか!

 結局2-0でブラジル。
 カーンがゴールポストから離れない姿が印象的。しばらく立って、背中をコールポストに押し付けたままで、チーム・メイトが次々と声をかけに来ていたが、ブラジルのウィニング・ランの様子を観てだんだんと気が抜けてきたのか、ズルズルっとしゃがみこむ。あの映像を観て

 「ああ、世界で一番、あなたのことを愛しているわ」

 と駆け寄って、抱きしめてあげて、ぶちゅぶちゅと両頬にキスの嵐を浴びせたくなった人は、私だけではないと思う。カーン様ったら、見せ所も心得ていらっしゃるのね。

 今回はブラジルが優勝するのが順当だし、次回がドイツ開催なので、「ストーリー的にはブラジルだろう」と思ってはいたが、でも、33歳のカーン様に次回はあるのか厳しいので、優勝カップにキスさせたあげたかった。

 なによりも、「あー終っちゃったよ。明日から何を楽しみに生きていけばいいんだ」と途方に暮れるキモチもあいまって、感動の涙ちょちょ切れ状態。



6月29日(土)

 夕方に「韓国と北朝鮮が軍事衝突」というニュースを知って「この最中になぜ?」と思ったが・・・・・やーねー(サッカー馬鹿の素直な気持ち)

●韓国-トルコ戦

 私の願いが通じたらしく、韓国はアン・ジョン・ファンをトルコはイルハンを先発に起用。ファン・サービスありがとう。(トルコの場合にはハサンの故障が影響してると思うが)これも3位決定戦ならでは。

 キックオフ直後、いきなりトルコが得点。ひゅるるるるるる〜という擬音で表現するしかないほど気が抜ける。
 いやー、「3位決定戦」って毎回かなり気が抜けているようだが(と思い出そうとしても全く過去の試合が記憶に残ってないほどだ)、これはやられたなあ。
 飛行機事故とサッカーの得点は「開始直後と終了直前」と言われてはいるが、開始10秒っつうのも珍しいのでは?離陸のために滑走路を走り始めたところだった。
 たしかに、DFにバックパスするときに敵のFWは厳しく寄せるので、シロート心にも「ああ、こんなところで球を奪われたら!」と思ってはいたのだが、そこはプロだし、ときどき危ないときもあるけど、ちゃんと対処しているのだと思っていたが、「やっぱ、こういうこともあるんだな」と自分の心配がそれほど見当外れではないことがわかった。たしかに、あれが得点にならなくても、DFにプレッシャーをかけるということは味方に余裕を持ってパスさせないという基本的な手法なんだろう。日本の初戦でも、途中出場のゴン中山はもっぱらそれに従事していたし。

 うーん、しかし、どうなるのだろうか?ホン・ミョンボ(個人的には、というよりも常識的にはアン・ジョン・ファンよりも彼のほうが「ハンサム」のような気がしなくもないけど、この人が皮のパンツはいてB’Zのどっちかと入れ替わっても私は見逃してしまいそうな気がするのであまり評価していない)も土壇場でこんなミス。
 でも、「あの」ホン・ミョンボですら、すでに気が抜けているのだ。燃え尽きちゃった人たちの「使用前/使用後」の集中力には物凄い差があるのだろう。数値化できたらおもしろいかも。

 などと思っていたら、韓国がスコーンとゴールキックを決めた。なんだか笑える試合展開になってきた。「3位決定戦はW杯の試合ではなく、もはや、いつもの親善試合」ということがよーくわかる展開だ。テレビで観ていても、W杯独特のあの緊張感が無い。
 イルハンも、ドカーンというより、スットンとシュート。イルハンの顔がアップになってちょっとうれしい。

 「で、次はいよいよアン・ジョン・ファンかな?」と期待したのだが、そうは問屋が卸さなくて、またイルハン?
 うーん「超個人的・世紀の花顔対決」を望む身としては、アンにも点を入れてほしいのだが。

 今日の主審・・・ファールを裁くときの白い歯がまぶしい。子供のけんかをたしなめるお隣のオジサンという風情であった。決勝戦の主審が「あの」コッリーナ氏になったことを考えると、3位決定戦がいかにどうでもいいかということを象徴しているような気がしなくもない。

 まあ、かくいう私も、相当気が抜けながら観戦してますが。

 結局トルコが逃げ切った。韓国がかなり追い上げていたので、「これで同点になっちゃったら、トルコのGKもたないじゃん」と要らぬ心配しちゃったじゃん。

 ずっと思ってたけど、3位決定戦ってやらなくてもいいんじゃないですか?
 W杯って「優勝以外は全部負け」というところが面白いのであって、「メダル獲得数」が重要なオリンピックとは違うような気がします。

 今日の昼間は「TX2002 Summer-スーパークリエイタの世界」というイベントに行った。出展者の友人がブースを離れたときの「お留守番要員」である。私をそんなところに立たせるなんて見上げた根性であるが、幸いにも、私が担当するブースは、幸いにも私にも説明できるような「操作は簡単」なものであるので、「ここをこーすると、こーなるんですよぉ」くらいはできたので、実際3名くらいは私が説明したが、製作者が目の届く範囲でサボっているときには慌てて「お客さんだよー」と呼びに行く係として機能していたようだ。

 あとの時間は何もやることなかったので、他のブースも見て回ったが、なんだか聞いたこともないカタカナ用語や、読めるけど意味がわからない日本語が氾濫してたので戸惑う。ためしに暇そうな出展者をつかまえて説明してもらっても、やはり相手にとっては当たり前の言葉が私にはいちいちわからないので、「それはつまりこーゆーことなんですかね?」と一般人にわかり易く説明してくれんかというキモチを込めて当てずっぽうに質問してみたが、やっぱしよくわかんなかったりした。

 そんな中でも「あれはお絵かきだから楽しいよ」と勧められて見学した3Dお絵かき&動画ソフトのデモは、でかいモニター(あのくらいの画面でW杯観戦したかったな。モニターのパンフも置いてあって、160万円だったけど)に、タッチペンで直接画面に絵を描いていくという、シロートにも大変アピールする作品であった。しかも、熱心にクマちゃんの絵を描いているのは、高校時代に「サッカー部の○○先輩」が人気者だったりしたころ、そういう「体育会系部活のアイドル」とは対照的な「文科系クラブのアイドル」がそのまんま大人になったような、ヤサヤサ系美青年である。

 その「顔良し、頭もいいらしい」彼が、黙々とクマちゃんや、ヘビ君を描きつづける妙な光景に心打たれてしまい、かなりの時間を割いて見学してしまった。
 慣れた手つきで3D画像を操るところに、多くの客が群がって見とれている姿はまさに「ハイテク飴細工屋さん」である。
 しかも、パパっと作るその画像がいちいち可愛くて、私の前で熱心に観ていた若い男性3人組も「うわー、超かわいいじゃん!」と声を挙げていたが、描いている彼は眉ひとつ動かさない。うーん、この人、よくわかってるなあ(何が?)と感心する。おもちゃ売り場で「実演販売」したら売れるだろうなあ。

 しかし、観ていてふと思った。「これは、このソフトの実演をこなしていくうちに、こういう絵柄がアピールするということで、こうなったのだろうか?それとも、もともとこういうファンシー趣味なのだろうか?」
 思い切って質問しちゃいました。そしたら、きっちりと「小学校のころからこういう絵を描きつづけています」とのお返事。
 家に帰ってから早速ご本人のページをチェック。
 http://www.mtl.t.u-tokyo.ac.jp/~takeo/Welcome-j.html  
 デモをしているときにも、ページが何回か出てきて「あ、顔写真がしっかり出てる」と思っていたのである。確信犯なのか天然なのかは判断できないので、この件についてはコメントを控えるが(現場では、眼鏡をかけていたので、そっちのほうがよかったけど、個人的な趣味です)、やはりクマちゃんが・・・・・・このルックスとクマちゃんのギャップがたまらないぞ。
 クリストファー・ロビン(クマのプーさんの所有者?)が日本で生まれ変わって、うっかり頭が良くなるとこういうことになるのだろうか?
 ただ、ページにある「イラスト集」を拝見しても、それほどの画才は感じないのだが、デモで見せた3D画像や、それを簡単なアニメにして、クマちゃんがジャグリングするその動きの作り方のほうが「キャーん、かっわゆーい!」であったので、己の画才を補填するためにあのソフトを作ったのではないかという気もするが。

 でも、あれを観ていて思ったのだが、「すごく楽しそうだし、私も遊んでみたい(実演者とじゃなくてソフトでね)」とは思ったが、果たして自分で使うとどのくらいの作品ができるものだろうか。(「カーン!ナイスキャッチ」なアニメを作ってみたい気もしたが)

 そのソフトにケチをつけたいのではなく、「イラストレーター」に代表されるような「誰にでもプロなみの絵が作れるソフト」が個人にも流行したときにいじくってみたが、結局「加工元」にする絵が描けないとダメだというあたりまえのことがよくわかったのである。もちろん、写真を読み込んで、いろいろ加工することはできるけど、その程度の「絵心」では「創作意欲」を維持するのが難しいのだ。
 「写真加工ソフト」を手に入れたときには、「これで私も修正美人?」と意気込んだが、シロート技では修正にも限度があり、それでも肌の色を調整してちょっとボカすだけでもかなりの効果はあったが、プロが金もらってやっている「CDジャケットの顔写真」のようにはならないのだ。それも「元ネタが悪いからね」というのとなのはわかっておりますが。

 話はまた逸れるが、前に友達と繁華街を歩いていたら、目の前のビルに張り付いた巨大広告スペースに浜崎あゆみのCDの広告が掲載されてた。アップの顔が綺麗に撮影されており、驚くほどデカい目が印象的だった。好きな顔ではないが、かわいいことは認める。
 そしたら、友人が「いいなあ、すごく色が白いよね。私があれを目指したら、3回くらいピーリングしないとなあ」と言ったのである。
 「え?だってあれって広告写真じゃない。肌色なんて加工し放題じゃん。アレ観て色白目指すのって無謀では?」
 と思いっきり反論した。

 雑誌のモデルでもそうだが、今時の加工技術が無い時代でも、写真なんて焼き方ひとつでずいぶん色が違ってくるものだ。とくに「広告写真」は、加工技術に金を惜しまないので、ああいうもんは「幻想」というか「SFX」だと思っていたのだが・・・・・プロが撮影し、プロが加工しているものと、「生身の自分」を見比べるという発想は私には皆無だったので、ちょっと驚いた。百歩譲って、「篠山紀信が撮ってくれたら、少しは私もマシになるかな」と淡い夢を抱く程度である。

 「スーパークリエイタ」から脱線したが、友達に誘われなければ絶対に行かないようなイベントだったので、なかなか雰囲気は面白かったし、別の意味でも堪能しちゃいましたが、行ってみてよかったです。


6月28日(金)

 asahi.comに「上司にしたい?監督たち」と「ピッチの貴公子」というのいつの間にか出来ていた。「ピッチの貴公子」は無難なセレクトであろう。スペインのGK、カシージャスが挙げられていないのが不満だが、どうもFWか攻撃的なMF中心に選抜したらしい。イタリアとイングランドからは2名づつ選ばれているのに、決勝戦で対決するドイツ・ブラジルの選手がいないところがポイント。

 まあ、こういうのは個人的な趣味なので、別にいいのだが、私が「ふーん」と思ったのは、「上司にしたい人はいますか?」という監督特集。いや、人選に文句つけいたわけでなくて、即答「いねーよ」だったからである。いや、だから「この中にはいない」という意味ではなくて、「そもそも、サッカーの監督が上司だったら嫌だ」という明快な立場なのである。
 
 世間的には「名将」が「上司」や「企業経営者」のモデルとして語られることは知っているし、プロ野球でもそういう話はよく聞く。でも、そういう「どの監督が理想の上司?」という話題に私はあまりノれなかった。今日になって、それがはっきりくっっきりわかった。なんてことはない、私が「総務部」の社員だからである。私が「営業部」所属だったら、サッカー監督に自分の上司を重ねてみることができたかもしれないが、「総務部長」というものは「大声を出さない」「手をバタバタ振り回さない」「叱咤激励をしない」「戦術なんて練らない」「そもそも戦ってない」というのが私の固定されたイメージであって、もしも「闘将な総務部長」が配属されてきたら嫌だよなあ。
 
 「7月から私は何を楽しみに生きていけばいいのだろう」という不安感を解消するために、軽い本でも読んで「リハビリ」しようと思い、斎藤美奈子の「読者は踊る」の文庫本を読んでみた。なぜか、斎藤美奈子の著書を読むのは初めてだった。雑誌などのコラムはよく目にするので読むし、好きだけど、なんで読んだことないんだろう?天邪鬼体質なので「流行り物は読まないけど、旬を過ぎると読んでみたりする」という傾向があるが、そうだったのかな?

 まあ、いいけど、これはもう4年も前の書評であるので、取り上げられた内容は古いが、それでも収穫としては、「そうか、斎藤美奈子も柳美里の本を読むと『いつも軽い不快感を覚える』のか」というものがあった。私の読書家の友人にも「柳美里ってどう?」と聞いてみたことがあるが、「うーん、別に無理して読まなくてもいいと思うよ。あんまり楽しいものではない」というような回答だったし、うちのベストセラーに弱い母も「なんか、自分はずっと性的虐待に遭ってきたっていう自慢話ばかりで・・・・」と食傷気味だったので、「ま、いっか」と思ったが、斎藤氏もそう言うので、「これは、いつか不快な気分になるのを求める気持になったときのためにとっておこう」と確信した。「不快になりたい心境」ってなんだろう?ああ、でもあるじゃないですか、「絶対に胸糞悪くなりそうだけど」と思いつつ映画を観に行くときのキモチ。あれですよ。

 あとは、町田康(私の中では永遠に「町蔵」であるので、「康」の著作を読む決意に未だにならない。頑固なのである。)のデビュー作を「『自分』という知性のない男が使う一人称で書いているのが圧倒的に新しい」という評で、「そっか、私も『自分』っていう奴は嫌いだが、それを『知性がない』とまでは言い切れなかった。これは便利だから胸にとどめておこう」ということ。
 そーいや、先日の研修でも「自分」を繰り返す人がいて、「おねげーだから、やめてくれぃ」と言いたかったのだが、なんで嫌なのか自分でも説明ができなかったのでこらえた。今度「自分は」を繰り返す人がいたら、このページのコピーをこっそり渡してみようか?

 それにしても、この「読者は踊る」って本の切り口は、ほとんどナンシー関ですな。誉め言葉です。解説にも「出版社のパーティーなどでも斎藤美奈子さんを見かけたという話は聞いたことがない。一読者というスタンスをちゃんと守っているのだ」と書かれてますが、ほんとなんでしょうか?だとすると、その批評スタンスがナンシー関とほぼ同じというのも納得できます。ルックスも似ているのでしょうか?(なんか勝手に美人だと思い込んでいるのだが、そういえば顔写真を拝見したことがない)

 この本とは関係ないが、「勉強本」の批評のところで、福田和也の「ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法」と立花隆の「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」という本についてのコメントがあり、「『私はこんなに速くこんなに大量に読んでいる』と読者をコケおどかすような、自慢タラタラなこの署名」と斎藤氏もコメントしているが、私も周期的に流行する「速読術」というものが、なんで流行るのかよくわからない。

 もちろん、それを仕事にしている人はどうしても「大量」に読まないとならないのだが、それで仕事になっている人は他人からレクチャーされなくても個々の技を持っているのだろう。多分、「速く読む」というよりは、目次や見出しなどをザっと見て「このあたりがポイントだな」と見極める能力なのだと思う。だいたい、そこそこ数を読めば、ところどころ読むだけでも良し悪しは判断できる。「レコードおたく」というか「アマチュアDJ」だって、いちいちアルバム全部聴いたりしない、テイ・トウワがなんかの番組で「職業柄、レコードを2,3秒で判断できちゃうんだよね。それで、最近ピンと来るのがないんだよなあ」と自慢ゲに語っていたが、「そんな聴き方してるからだろう」と突っ込みを入れたくなったことは置いておいて、「2、3秒で判断」というのは、誰でもやっている。西新宿あたりの「自分で視聴できる中古盤屋」に行けば、「じっくり聴いたらトーシロー」という強迫観念にとりつかれた「DJになりたいボク」たちが、起用にレコード針をつんつんと飛ばしている光景が目撃できるであろう。

 でも「速聴法」なんて誰も書かない。まあ、音楽マニアが本なんか読まないということもあるだろうけどさ。
 いったい、どこの誰が「速く読みたい」と思っているのだろうか?謎だ。音楽マニアが「速聴」するのは、限られた時間で沢山のレコードを視聴し、確率的に「埋もれた名盤」を発見するためである。一旦発見すれば「出張で行ったときに発見した仙台の冴えない中古盤屋でこんなの見つけたんですよ」と友達やクラブで披露して「おお、これはすごい、え?いくらで買ったの?今度オレも探そう」とメモをとってもらえるという最高の栄誉にあずかれるのだが・・・・・本はどうするんだろう?「最近のベストセラーでは、これが秀逸だったよ」と語って自慢するのだろうか?う〜ん・・・・・・「○○さんは、すごい読書家だから、あの人に聞けば面白い本はすぐに教えてくれるわよ」とか言われるのだろうか?う〜ん、イメージが湧かない。

 まあ、「速読」というのは「文芸作品」を読むための技術ではないと思うのだが、だったら何を読むためなんだろう。ビジネス書だったら「金持ち父さん」とか「チースがどうたら」は、普通の人は半日もあれば十分だろうし、(12時間とい意味ではなく、退屈な日曜日の昼下がりに読み始めて、途中でおやつを食べたりしたり、競馬の結果を観たりいう気の抜けた読み方をしても夕飯までには読み終わるという意味)、もっと情報量の多い(というか堅い)ビジネス書でも、それほど時間がかからいだろう。堅い本だと問題なのは「スピード」でなくて、「内容がつまんないから、なかなか読みつづける気がしない」ということだろう。そんで、文章として読む気のしない本は、各章のまとめなどをかいつまんで、自分に本当に必要なところだけ読めばいいじゃない。
 新聞だって、全部読んでたら大変だ。国際経済を全部読んでも、家庭欄や地方欄は飛ばすだろう。逆に私にとっては株式欄は何の意味もない。だが、バブルのときには母が所有している銘柄が上昇すると「臨時おこずかい」という配当があったりしてので、けっこう見ていたが。

 友達で「読むのが遅いの」と言う人がいた。読むのが遅いので図書館で本を借りられないらしい。2週間では絶対に無理なんだそうだ。だから、若いころはほとんど本を読んでいないそうなのだが、最近になって「読書の喜び」も感じて来たので、知人友人に「面白い本があったら貸して」と言うと、みんな「じゃあ、これは?」と張り切って何冊も貸してくれるのだが(ありがち)、「そんなに沢山借りても、読むのに時間かかっちゃうからプレッシャー」と嘆いていた。
 私は親切なので彼女に「みんな、返却期間なんて気にしてないって。どうせ本なんて繰り返し読む人いないし。本棚に隙間ができたから、新しい本買ってるよ。逆に返さないほうが親切じゃない?」とアドバイスしてあげたのだが、信用してもらえなかった。レア本ならともかく、シャーリー・マクレーンの本なんて、30年間借りっぱなしでもいいですよねえ?

 試しに彼女に「それで、最近読んでみて一番面白かったのは何?」と質問してみたら、なんと意外にも「愛と幻想のファシズム」を挙げた。
 実は私は読んでない。村上龍が「仮想敵作家」だからである。ロクに読んだこともないのだが、私にとってはブッシュ大統領の「悪の枢軸」よりも「悪」なので、堅い防衛ラインを崩さない。それでも、失業中にあまりにも暇で「貧乏暇だけ有り」な境遇を生かして毎日のように図書館に通っていたのだが、ついうっかり読んでしまったのが「エクスタシー」であった。村上龍をちょっと知る人にこの事実を告げると皆、絶句するが、私の結論としては「松田聖子のほうがマシだ」

 まあ、私のことは置いておいて、「なんで、それが面白かったの?けっこう読みにくい本だという噂だけど・・・・」読んではいないが、世間の評判は知っていたので「現代国語の教科書以外にあまり本を読まない人」にはボリュームがありすぎだと思ったのだ。ところが彼女の返事は「だって、なんだかすごく難しそうなことがびっちり書いてあって、たしかになかなか読めなかったんだけど、なんかすごく読んだという充実感があった」というものだった。内容についての感想も求めたが、どうやら内容はよくわかってないらしかった。
 
 私にとってこのやりとりは衝撃的であった。いや、彼女がいい悪いではなくて「本を読むということに私とは全然違う喜びを見出している」ということに感銘した。それでも彼女は「速読とかできたらいいよ」と嘆いてはいたが、そのままでいいのだと思う。別に本を「ジグソーパズルの代わり」にしていてもいいではないか。それは人それぞれである。村上龍の著作を全部読んだからって、いったいなんになる?

 ちなみに、彼女が「おもしろい」と言った映画が「フロム・ダスク・ティル・ドーン」だった。「な、なんで?」と質問したら、「だって、一回で二本観たみたいだったから」と言ったので、それも感心した。

 速読法を求める人ってこういう人なのかなあ。みんなが「模倣犯」読むのに土日徹夜しちゃった、などと語っているのを「いいなあ、私だったが2ヶ月かかる」と羨ましがるような。でも、2ヶ月かかったからといって、なにかが劣っているわけでもないのだ。逆に世間一般では「ヨーロッパ一周5日間」の旅をした人よりも「3ヶ月旅してきました」のほうが偉いとされている。

 私はたまたま「わりと速く読める」ので、一気にガーっと読んでしまうが、一行一行意味を確かめながら、じっくりと読んでいる彼女のような作業は逆にできない。そういうえば、「本は読むけど漫画は読まない」という女友達が私の部屋に遊びに来たときに「へえ、漫画沢山持ってるんだね。なんか面白いのある?」と聴いてきたので、「わさび」を推薦したら、えらく時間をかけて読んでいた。知ってる人ならわかるけど「わさび」は一つのストーリーが数ページの「短編」で、セリフ(というか「ネーム」)も少ない。世間ではどう評価されているのか知らないのだが、「漫画界の小津安二郎」というような雰囲気。(一応、ギャク漫画だと思うけど)

 私は「ネーム」と「画」を同時に読む技を幼少のころからきっちりと身につけているし、漫画のコマ割にも慣れているので、すいすいと読んでしまうのだが、「漫画慣れ」していない彼女は、一コマ一コマじっくり鑑賞していた。ほんと「鑑賞」で美術館で人の流れを完全に無視して、絵を見て題名も見て解説もじっくり読んで、また絵を見てというような雰囲気だった。自分の漫画の読み方が、美術館の部屋の中心に立って、グルっと360度見渡してから「はい、次の部屋」というものであることがいきなりわかってしまった。
 でも、それだからこそ「この美術館は何回来ても新たな発見がある」と思えるのですが。(文芸書を再読することは滅多にないが、漫画はよく読みなおす)

 つうわけで、本当に求められているのは「速読」ではなくて「遅読」だと思います。どうやったら、あんなにじっくり読めるのかご指南願いたいと思っております。

 ま、ただ、世の中には読書だけでなくても、なかなか「ポイント」を押えられない人が多いんだな、ということは先日の研修でもよくわかりました。私はついついポイントを押えすぎて、「この演習では実は何が求められているのか」が読めてしまい、それを言うと全然理解されなかったりして辟易してしまいましたが(なんたって自分のことを「自分」という方もいらしたし)、でも自分がほんとうに「ポイント」を押えているのかどうかはわかんないんですけどね。でも「ポイントがわかているつもり」という思い込みは大切だと信じているのであります。そしてさらに重要なのは「自分には自分のポイントがあるが、他人にも他人のポイントがある」」というところで、書評などを読む楽しみはそういうことでしょう。



6月26日(水)

 出勤すると、やはり机の上は山積みの書類。午前中はせっせと解体作業をした。
 今日中にやらないといけないことも何件かあったのだが、3時くらいまでは研修中に保留になっていた私への確認作業が相次ぎ、ちょっとイラつきながら処理。他の研修を申し込んだ部署で、スケジュールの都合で出席させる社員を入れ替えたいのだが、どうしようと言われたので「もう案内書はそちらに届いているのだから、そこに書いてある電話番号に連絡してください」と対応。そんなことまでやってられるか。うちの会社はボールの奪い合いではなくて、押し付け合いである。

 ところで「ポスト・ベッカム」はマジに「カーン様」になっているらしく、会社でも「カーンがJリーグに来たら、Mさん観に行っちゃうんじゃない?」という会話が耳に入る。Mさんはあまりサッカーに興味の無い人だったのに・・・・
 うーん、このままだと決勝戦はバナナを振り回す、にわかカーン信者の姿が見受けられるのだろうか?不思議の国ニッポンである。(自分もなー)

●ブラジル-トルコ戦

 何回拝聴しても、ブラジルの国家って納得がいかない。サンバにすればいいのに・・・・希望としてはボッサなのだが、「イパネマの娘」だと和んでしまうというか、今風(?)に言うと「癒されて」しまって士気があがらないだろうけど、せめて「マシュ・ケ・ナダ」くらいの曲を持ってきてほしいと思う。日本も「サクラ、サクラ」のほうがアジア諸国受けはいいかもしれない。来日アーチストもよく唄ってくれるし。

 ブラジル国家の曲調とトルコの短調っぽい曲の感じが、あまりにもかけ離れているので、ちょっとムズ痒くなったが、トルコ選手はけっこう声を出して唄っているが、誰も音程が合ってない。ベンチにもマイクが行ったが、やはり音程バラバラ。

 今日の主審=(サンダーバードの誰か+古尾谷雅人)÷2

 今日の「イルハン様」・・・・ベンチで待機しているときは、髪の毛を降ろしていた。交代の指示が出てから、あの前髪ちょんまげの準備もするらしい。「ロナウドを見習え」と叫びたくなった。

 ロナウド君へお願い・・・・もっとラインをシャープにして、「富士山シルエット」にしてほしい。

 まあ大方の予想通り(てゆーか、うちの上司の願い通り)ブラジルが勝利。ポスト・ベッカムを虎視眈々と狙うイルハンをよく封じた。
 最後の10分くらいはほんとに面白かった。漫才のような激しいボケと突っ込みが展開されて、なんだか笑ってしまった。一番笑えたシーンはデニウソンに群がったトルコ選手4人。

 加茂氏が「カルガモみたいですね」と言ったので、今大会初めて加茂氏の言うことに素直にうなずけた。それ以外は今日もエラそうに「いやあ、この選手上手いなあ」とのたまっていた。

加茂「ほら、この11番またなんかやりますよ」
実況アナ「ハサンですね」
加茂「ほーら、また11番だ」
実況アナ「ハサンですね」

 名前くらい憶えろっちゅーに。
 なんか、加茂氏が誉めると「あの右端にいる、髪の長い子は、いい足してんなあ」と品定めするオヤジっぽくて、生理的にだめだ。てゆーか、なんか加茂さんの背負っている雰囲気は「プロ野球」なので、NHKも早くそれに気がついてほしい。

 今回、逆に高感度がアップしたのは武田。その昔、カズと並んでまだ現役バリバリだったころに、誰だったか忘れたが芸能人と食事しているところをスクープされて、ワイドショーの取材陣が自宅まで押しかけていったら、ひょうひょうと本人が玄関に出てきて、「僕、これから食事に行くところなんですが・・・・よかったら皆さんも一緒にどうですか?」と言って、取材陣を行き着けのとんかつ屋に連れていったという、意表をつく応対をしたのが印象に残っていて「なぜ、この技をプレーに反映させないんだ」と思ったが、芸能レポーターはそれですっかり武田寄りになってしまい「彼女とはほんとにただのお友達なんだそうです」とまくしたてていたので、なんか不思議な人だと思ったのだが、今大会でもその天然ぶりというか、いてもいなくてもいいけど、いてくれるとなんとなく丸く収まるというキャラを発揮していて、「日本代表のフォワード」としての資質はやはり無かったと思うが、こういう人が職場にいたらけっこういいかもと思ったのであった。

 話は逸れたが、これで決勝はドイツ-ブラジルになったので、カーンが・・・・おっと、カーン様がブラジルの攻撃をどのくらい押えられるかが楽しみだし、3位決定戦の韓国-トルコは、女性ファンのためにもアン・ジョン・ファンとイルハンを先発で起用して90分使い切り、「世紀の花顔(はなのかんばせ、と読んでください)対決」にしてほしいものである。

 さて、泣いても笑ってももうあとわずか。
 昨日あたりから、すでに終わりが見えてきた寂しさを感じているが、これはなんとなく「旅が終る直前の寂しさ」にも似ている。「ああ、もう終わりなんだ。帰らないといけないんだ」と思うと同時に「やっと家に帰って自分の布団で寝られる」という安堵感が入り混じった、あの帰りたいような帰りたくないような寂しさ。

 でも旅はまたいつ行けるかわからないけど、W杯は私がなんにもしなくてもまたやってくる。
 シドニー五輪のときにも思ったけど、日本での生活時間帯にゲームが観られると、ラクなんだけど、その代わりに「どーしても観たい。明日会社で寝ててもいいから観たい」という気合が少なくなる。午前3時半からの放映を観るために、夜8時に無理やり寝てから、目覚ましで無理やり起きて、さすがに眠いが「でも、でも、でも、観たいのよー」と決意して起きて、試合が終るとちょびっと寝てからまた起きて出勤。それで試合が面白ければいいが、つまんなかったりすると、「睡眠時間削ってんのに!」とムカついたり、前半で勝負がついたと思ってそのまま寝てしまうと、翌日のニュースで後半で逆転したことを知ってさらにムカついたり、わりと緊張感があったのだが、日本開催では別の意味では「やっぱ地元でやっているのはいいな」とは思ったけど、なんだか甘やかさせてしまったような気もする。

 戦時中の食糧難を乗り切った世代が、もったいなくて食事を残せなかったりするのとちょっと似たような気分かもしれない。
 「病気になるとバナナを食べさせてもらえてねえ」と戦後生まれのうちの母が懐かしむように、一山100円になってしまったバナナにちょっと不満だったりするみたいな。

 ああ、4年後。きっとオーウェンも立派なおじさん選手に成長しているであろう。
 そして他人ごとではなくて、ドイツ大会を迎えるとき、私は「今年40歳?マジ?」なのである。やばいな。30代の自分に対するイメージはかなり前から(20代前半のころから)確立していて、現在「ほーら、思ったとおりになった。私はいつも正しい」と思っているが、40代の自分にはなんのイメージも無いのである。
 
 失業中で、深夜の放送を観まくっていた4年前。
 社長室で社長や副社長と雑談しながら堂々と会社で観戦しているほど、のさばっている今年。
 4年後の私はどんな環境で観戦しているのだろうか?

 また社長室で「4年前を思い出しますね〜」と言いながら堂々と観戦している・・・・・・というのに、1アルゼンチン・ペソ(せめてもの抵抗)

 あ、そうか4年後は会社で観戦しなくてもいいんだった(笑)



6月25日(火)

 研修終了。
 感想・・・・「みんなまじめだなあ」
 今日はケーススタディといふものをやって、グループ討議を元に問題点をまとめて発表し、それを元に「解決策」をロールプレイとかいう要するに「寸劇」で演じるという、アクション物研修を堪能できるメニューであった。

 私は「寸劇」やるなら、「やはり面白くないと」と真っ先に考えて、主人公が職場でも悩み、忙しさにかまけて彼女との関係もやばくなっているということを踏まえ、「彼女から電話が入り、ハワイ旅行が懸賞で当たったから一緒に行こうといわれて、プライベートは無事に円満解決し、彼が突然休暇をとってしまったことで、いままで多忙な彼を見過ごしていた上司もそれに気がつき、休んだ彼自信も、自分がいなくても仕事が回っているということに落胆しつつも、今後は自分で抱え込まないようにしようと気が付くはずだ」という名案を投じたつもりだったが、思いっきり相手にされなかった。ギャクだと思われたのか?

 結局、無難なシナリオになってきたので、「つまんない」と思っていたのだが、全グループ発表する時間もなかったようで、残念ながらうちのグループは発表できなかったけど、別のグループはけっこう役者が揃っていて、それなりに面白かった。

 発表が終るとインストラクターが「どれもよくできてますが、結局、もっと同僚がいい人だったら、とか、もっと上司が把握してくれたら、という『タラ・レバ』ですよね。前向きな解決策で私が今まで観た中で、これが一番効果があるのかな・・・・結局、短期的にはそれしかないのかな・・・・と思ったのは、主人公が同僚に連れていかれた飲み屋で、そこのママに励まされた、というシナリオでした」というので、「なんだ、だったらやっぱりハワイ旅行でもよかったじゃん。それに私のほうが具体的に解決を示唆している」と思ったのであった。

 セミナー終了直前に「各グループから2名、感想を言ってください」というときに、グループ内で私にアイコンタクトがあったので、「こーゆー研修初めてだったので楽しかったです。自分はどうも、ついつい人と違ったことをしないといけないと張り切ってしまうので、それが反省点です」と言ったら、イストラクターが「でも、主人公が彼女とハワイ旅行に行って癒されるという案は、ほんとに効果ありそうでしたよ」と笑って言ってくれたので救われた。さすが、インスト、人の持ち上げ方をよくわかっとります(笑)。

 おかげさまで「ほ〜ら、みんな自分の殻に閉じこもってないで、もっとバカになろう」と己の正しさを再確認した。自分の職場の現状を説明して「問題点」を挙げてグループの他の人と「どう改善したらいいか」を話し合うところでも、私がついつい面白おかしく話してしまったので、インストにも「別に改善しなくても、そのままでいいんじゃないの?」と笑われた。
 インストも私がなんでこの研修に来ているのか疑問に思ったらしく、「上司の命令ですか?」というので、「いや、他の人に受けさせるかどうかの研究目的です。」と明かしてしまった。「それに、この研修の目的である役割を求められているようなので」「でも、なんかよくわかっているみたいじゃないですか」うん、自分でもそう思っているがね。(すっかりノせられ、タカピー状態)
 「でも、なんであなたが先発だったんですか?」「単なるスケジュールの都合です」「ハハハ、じゃあ、他の人にはこの研修受けさせたいと思う?」「ぜひ受けてもらいたいですね」(あたしはよくわかってるけど、他の人はわかってないかもしれないからね)

 こういう研修の意義をあまり信じてないが、「普段の仕事とは違うことを全く違う人たちとやってみる」というのは、けっこういい気晴らしになると思ったので、その点では評価する。ちなみに、同じ会社でやっているセミナーをあと2つ受けないとならないのである。こうなったら、とことんやってやる。ゲームはマジにやればやるほど楽しいのだ。(単なるゲーム好き)

 具体的な職場環境のディスカッションに話を戻すと、私の職場環境に問題がないわけではないが、他の人の話を聴いていると「立場」が固定されてしまっているような気がした。立場っていうか「視点」というのか。「違う角度からものを見てみよう」という発想はあまりないようだ。私は逆にいつも視点を移動させてしまい「立場を明確にしないズルさ」があると思うのだが、まあ、それも個性ということで。

 てゆーか、「あたしってなんでこんなにな自信家なんだろう」ということを改めて実感した研修でございました。昔はもっと謙虚だったと思うのだが、これはやはり「オバサン化」なのでしょうか?しかし、「自信家だけど、その根拠不明」と自覚しているので首の皮一枚で繋がっているようだが。

●韓国-ドイツ戦

 決勝のときに会社の見張り番として出勤する上司の予定表にはすでに「決勝戦 ドイツ-ブラジル」と入っていた(笑)予想というよりは「願望」だろう。

 昨日今日の研修で他グループにいた人だったが「この人誰かに似ている・・・・誰だろう」とずっと考えていたのだが、試合開始直前に判明。ファン・ソンホン顔だった。喉にひっかかった魚の骨がとれた気分。

 前半終了。
 解説の武田が「韓国はやはり疲れが出ている」と言っているが、たしかに今までのような激しさは無いけど、それは相手がドイツだからなのかもしれないし、そのドイツはとくかくいつもの1パターンだけど、このまま1点入れそうな気もするし、でもあまり早く得点しちゃうと、韓国を燃え上がらせてしまうだろうし、なかなか難しいけど、前半で早速、横っ飛びするカーンのナイスセーブが観られたので、「カーンがセーブするのもっと観たいから、韓国もがんばれ」といったい何を応援しているのかわからなくなってきた。

 後半。
 韓国の攻撃が続くし、なんとなくラテン系の国と違ってドイツは淡々とした雰囲気。これはラテン系が残した教訓(韓国にムキになると不利。サポーターも盛り上がっちゃうし・・・)を生かしているのか、と思ったらいきなりドイツのシュートが決まった。しかも、ヘッドではない。
 これで、また韓国の猛攻が始まるかもしれないので、カーン様の出番が増える。キッキー!今日はあの横っ飛びに惚れたが、パンチのときグーにするのも「お猿」っぽくてラブリー。

 ちなみに「猿、猿、猿」と思って観ているうちに、韓国のキーパーも孫悟空とかハヌマーンに観えてきた。キーパーって手が長いし、一人で手を使うのでサルっぽいのね。

 試合終了。
 う〜ん、なんかちょっとの差で韓国が勝てたような気もしたが、今回のドイツはいっつもこういう僅差というか、負けそうで負けないという雰囲気で勝ってきたし、これで順当なのかもしれない。しかし、次回はバラック抜きになるが、W杯ではブラジル-ドイツ戦って今まで無かったんだ?どうなるんだろう?韓国としてはトルコよりもブラジルとやりたいよね。そうすれば、世界の主要強豪国一周になるし。あ、そうすると、ドイツ-トルコになっちゃうのか・・・・それも微妙だし・・・・・まあ、明日のブラジル-トルコを楽しみにしていましょう。

 うーん、しかし、生半可なサッカーファンとしては、ブラジルのフォワードVSカーン様(すっかり様扱いで定着)という「ケダモノ対決」も観たいなやっぱ。 

 試合終了後に、サンマがアイルランドのキーンのゴールを紹介したが、あのカーンを床(じゃなくて芝)にねじ伏せたキーンはやはり凄かったんだな。

 ふー。明日からは通常勤務。研修の報告も上げないとならないのだが、めんどくさー



6月24日(月)

 私が以前勤めていた会社は「ギョーカイ」ということもあって、社員を研修に行かせるということはほとんどなかった。その必要もなかったし。「全員社長秘書みたいなもん」という特殊な意識の会社だった。

 そんなわけで、今の会社では何回か「経理関係の研修」には行かされたが、今回みたいなメンタル系の研修は初めてだったので、ちょっと楽しみだった。
 グループディスカッションをしたり、チームを組んでゲームしたりという研修は話には聞いていたが、「ふーん、こういうもんなのか」というかんじ。まあ、なんのしがらみもない初対面の人たちと議論したりゲームしたりするのはそれなりに新鮮だったが、高い金払ってやることかな?という気がしなくもない。 
 明日もあるのですが、ちゃんと真面目にやってます。

 昨晩やっていた、さんまが司会のサッカー特番にロナウドが出演してた。めちゃくちゃいいやつだった。きっと「ベッカム亡き後、ポッカリ空いた日本人サポの心を鷲づかみしてこい」との指令だったのでは?(笑)
 あと、その番組で監督に注目していて、スロヴァキアの監督が「退場」になっていたのを初めて知った。ポロシャツ姿の痩せた人だった。なかなかいいかんじだったが、ちゃんと見られなくて残念。
 日本の対戦国が日本をどう放送していたか、で、ベルギーのテレビ放送が最高だった。最初は余裕があって、「トルシエの通訳はジェスチャーまで通訳してるよ」と、すっかり動きがシンクロしているトルシエとダバディに注目したのは正しいが、結局同点になってしまい、番組の後半は反省会。でも、ブラジル−ベルギー戦はなかなかのもんだったしね。

 今日は、なんとなく月9のドラマの最終回を観てしまった。なんか救いの無い結末だ。悲恋ものは好きだけど、こういう説得力の無いのはあんま好きくない。美男美女で心中させればいいというのも安易すぎる。

 なんか散漫だが、W杯の試合が無いので集中できない。
 鈴木宗男逮捕もどうでもいいし、猪瀬直樹の抜擢もかなりどうでもいい。

 あ、でも北朝鮮がとうとう「イタリア-韓国戦」を放映したそうだ。それは「イタリア戦見せないと国民が暴れる」からだったのだろうか。気になる。北朝鮮でのW杯の捉え方も取材してほしい。

 ちなみに明日は「にわかドイツサポーター」になる予定である。どうも巷ではカーンが「強面」とか「ゴリラ」とか言われているのが気に入らない。自分は「愛があるので悪口言ってもいいの」と開き直っている癖に、テレビなどで言われるとムっとするのである。乙女心は複雑なのだ。(そう言えば、なんでも許されると信じているところも問題であるが) 
 カーンは「わたしのかわいいおさるさん」であって、「ゴリラ」ではないのである。

 そういえば、今日は新橋で研修だったので、夕飯は「スマトラ」で食べた。店員のおじさんは「あれ?今日はデーゲームだったのか?」「そうだよ、札幌でやってるんだ」と野球について会話していた。渋すぎる。この店はほんとに渋い。カレーはやっぱ「たいして美味しくないような気がする」けど「たまに食べると、これだ〜と思う」という渋い味であった。あれを「美味しい」と思える自分がおシャレだと信じているので放っておいてほしい。

 サッカーの話と言えば、ベッカムの髪型については何かひっかかっていたのだが、昨日やっと思い出した。あれは萩尾望都のSF佳作「A-A’」を代表作とする「一角獣シリーズ」の「一角獣種」の髪型だ。一角獣種というのは、「人間の改良種」で、宇宙船航行用に「感情が抑制された」人間を作ったという設定である。盛り上がった頭部とそれを覆う赤い髪の毛が特徴。だから、赤くはなかったけどベッカムの髪形は(C)萩尾望都である。



6月23日(日)

 日曜日だというのに、サッカーやってない。空しい、私は何をすればいいのだろう、とりあえず2時まで寝てた。「うーん、もしかするとどこかでハイライトとかやっているかもしれない」と思ってテレビをつけてみたが、やっぱりどこもやっていない。うっかりテレビ東京で「真昼間から放映していいのか?まあ、ゴールデンタイムよりはましだろうか」な「BODY」をうっかり全部観てしまった。前にもテレビで観たことがあるので2度目。たしか、すげくつまらん結末だった。
 この映画、どうやら「情婦」を狙っているらしいので、なにかどんでん返しがあるのかと期待して我慢して観ていたのだが、「え?これで終わり?」

 まあ、そういう意味では「意外な結末」だったのかもしれない。

 数年前に最初に観たときには、ある興味を持っていたのである。
 これが上映された当時は、「マドンナ主演のセクシー・サスペンス」としてちょっと話題になったが、私の周囲でこれを映画館に観に行く人がいるとは思っていなかった。しかし、いたのである。それも、当時「フリッパーズ・ギターの同人誌」を発行していた女の子が意外にもマドンナ好きで、「ちょっと観てみたいよね」というのは納得した。私よりちょっと下の世代には、マドンナには特別の思い入れがあるのは知っていたし、彼女の「ジャーナリスト魂」というか好奇心も理解できたのである。

 だが、彼女はなぜか友達の男の子を誘った。彼女がDJイベントをやるときにDJやっていたS君である。ネオアコに造詣が深く、ソフトロックやジャズも好きだし、なによりも山下達郎を愛し、服装はモッズ系で「会社で三つボタンのスーツを着てたら上司に文句言われた」とがっかりしていた。なぜ彼女がS君を誘ったのかわからない。まあ「マドンナのベッドシーン?ちょっと観てみたいかも」という男子と一緒には行きたくなかったのだろうか?それとも、「ちょっと教育しておいてあげよう」という思いやりだったのか・・・・・S君はわりと潔癖っぽい雰囲気であった。

 後日、彼女に「映画どうだった?」と聴いたら、「う〜ん、ちょっとねえ、期待はずれだった。やるならもっとやれってかんじ」というようなことを言っていたが、「一緒に行ったS君は?」と聴いたら、「ああ、Sはなんだか途中で気分が悪くなっちゃったらしくて」「え?そんなにグチョグチョだったの?」「そんなことなかったんだけどねえ」

 そういうのに疎い女の子にいきなりAVとか見せると、「吐き気」を催すときがあるということはわかるけど、男の子でもそうなのかな?でも、所詮、普通の映画だし、いったい何が気持悪かったんだろうか?と、ちょっと気になったが、金を払って観に行く気はしなかった。ウィレム・デフォーも出ているので、それはちょっと観てみたかったが、好きな俳優が「魔性の女にふりまわされる」というのも面白くない。(後年、愛しのジェレミー・アイアンズが私の天敵であるジュリエット・ビノシェに人生台無しにされるという「ダメージ」を観たときにやっぱ納得がいかなくて、気持が納まらずにとうとう原作まで読んでしまったのだが、さらに納得できなくなってしまった)

 そして、やっとテレビで放映されたので、けっこう期待して観ていたのだが、「なんだ、たいしたことないじゃん!」しかも、ベッド・シーン以外も中途半端である。ただ、テレビ放映のために「ほんとに凄いシーン」はかなりカットされたのだとも考えられるが、法廷シーンの陳腐さを考えるとやはりたいしたもんではなかったような気がする。

 いったいS君は何で「気分が悪く」なってしまったのか、今日久々に再見してみたが、やはりわからないのであった。
 それにしても、この映画のウィレム・デフォーはふがいない。「ワイルド・アット・ハート」でローラ・ダーンに「ファック ミーって言ってみろ」と凄んだのを思い出して、あの技でマドンナをヘロヘロにしていただきたかった。それで800万ドルの遺産を横取りせよ!

 ああ、サッカーやってないから、駄作映画について熱く語ってしまったことよ。

 昨日の会社のエレベーターにて。
 お昼を買いに行った帰りにエレベーターで他のフロアの女の子2名と一緒になった。

 「いったい、どういう育ちかたをするとああなるのかなあ?」
 「きっとさあ、親が仕事で転々としてたんだろうねえ」

 誰の話題なのかわからなかったのでぼんやり聴いていたら、

 「でも、8ヶ国語って、いったい何語なわけ?」
 「フランス語、英語、日本語、あと韓国語らしいけど・・・・あと4つって?」

 いきなり何の話だかわかったので、思わず、「ダバディの話?」と口を挟んだら、「え?ダバ・・・ティ?ってそれトルシエの?」「そうだよ」「え?あの人ってそういう名前なんですか?なんで知ってんの?」

 日本の常識だと思ってたが違うらしい。私はすでに2年前のオリンピックのときに「あいつ、何者?」と騒いで、サッカー好きの知人に教えてもらったのだが、今回で始めてあの存在が全国区で話題になったらしい。だって、日本戦全戦応援にいっていたフジテレビの朝のワイドショー・キャスターの小倉さんだってダバディの素性は知らなかった。 

 あれ?イランでまた大地震?
 アッバス・キアロスタミの映画「ともだちのうちはどこ?」の続編となった「そして人生はつづく」は、「ともだちのうちはどこ?」に出演してくれた少年達が住む地域が地震の被害にあったので、その無事を確認しに行く映画監督のドキュメンタリー風の映画である。
 その中で私が好きなシーンは監督役の役者さんが、子供達に「地震のときは何をしていたの?」と聴くと、「そのときはW杯を観てた。○○対○○戦の前半だった」そうで、監督が「そのときはどうだった?」というような質問をしたのだが、子供は「ちょうど、○○が1点リードされたところで、○○がコーナーキックを蹴るところで・・・・」とサッカーの話をし始めたので、監督は苦笑しながら「いや、試合のことじゃなくて・・・・・」

 そして、最後のほうで、家を失った人々がテントで避難生活している広場で、男達が大きなテレビのアンテナを立てていて、「これでサッカーが観られるぞお」とばかりにみんな大喜びだった。人間の逞しさを感じさせる感動的なシーンであるが、当時の私は「そんなにサッカー観たいか?」という気持にもなった。

 今の日本人の多くは、あの気持がわかるであろう。日本-トルコ戦の前日に大地震で家が壊れてしまっても、「仮設トイレは後でいいから、テレビ、テレビ、テレビをなんとかしてくれえ」と言う人は多かっただろう。
 というわけで、イランではまた、あの映画のように、「家は崩れちゃったんで、どこかでサッカー観られないかな」というのを第一に考えてしまっている人がいるに違いない。支援団体もそのあたりを理解しているでしょうか。

 そういえば、「それでも観たいかW杯?」と思った話としては、「北朝鮮ではW杯を放映している」というニュースである。
 私は呑気なので、「そりゃ、放映するだろうさ」と思ってはいたが、どうやら「韓国で開催されていること」を伏せているらしい。おいおい、それはちょっと無理があるのでは・・・・さすが北朝鮮と思ったが、しかも「韓国、日本、アメリカ戦」は放映してないらしいし、「16強」の発表から韓国を除外したようで・・・・・すごいなあ。もちろん、市民はそんなことわかっているだろうけど、韓国が勝ち進んでしまった今、いったい今後の放映はどうするのだろう?まあ、お金のある人は韓国の電波や衛星放送の電波を傍受しているらしいから、そういう人はいいだろうけど、それができない市民は「イタリア戦もスペイン戦もドイツ戦も観られない」わけで、ちょっとねえ。
 でも、「だったら最初から放映するなよなあ」と思うが、やはり放映しないといけない事情があるのだろうと想像すると「韓国の快進撃」を悟られてしまう危険よりも「W杯を見せろ」という要望のほうが大きいのだろうか?

 でも、ほんとになんかW杯ってこういう「サイド・ストーリー」が面白いのですよね。こんなものは他に無い。世界から配信されてくるニュースでも、イランでは「サッカー観戦していた医師が急患をちゃんと治療しなかった」と訴えられていたり、インドネシアでは看守がサッカー観戦している隙を狙って刑務所から集団脱走。ペルージャのガウチ会長の「アン許さ〜ん!」なコメントも「ああ、W杯の花だなあ」と思えてしまうのでありました。

 「代理戦争」と呼ばれてますが、たかだか一ヶ月、それも精鋭部隊なはずなのに、一ヶ月集中することがどんなに難しいかを目の当たりにすると、実際の戦争を指揮することの難しさを想像してしまいます。日本だって、「ニッポン、ニッポン」になってましたが、この状態を1年以上維持するのは難しいだろうし、どうせ6月30日には終ることがわかっているからこそ思いっきり盛り上がれることができるんだと思いますが、それが「いつ勝負が決まるのか」ということになったら、「国を挙げて」という気分を維持できないでしょう。ベトナム戦争はそんなかんじでしたが。

 そして、W杯での「勝負」の楽しさを経験してしまうと、戦争ちゅうのは、勝敗が灰色でつまらない。太平洋戦争で日本が負けたのは知っていますが、「フォークランド紛争」ってどっちが勝ったんだ?湾岸戦争も、アメリカが勝ったということになってんの?ベトナム戦争はアメリカが負けたらしいけど、戦争は「勝敗の瞬間」が曖昧なのでつまんないと思う。そもそも、どことどこが戦っているのかよくわからなかったりする。

 サッカーだって、韓国-スペイン戦を「選手が先に全員退場したほう(レッドカードや故障を含む」ということにして、「これは負けだな」と判断したVIP席にいるキム大統領がゲームを終了させて「敗戦」ということになったら、当然すごくつまらない。

 まあ、だったら別にサッカーじゃなくてもよかったでしょうけど、たまたま英語が国際標準になっちゃったみたいに、たまたまサッカーも世界中に広まっちゃったということなんでしょう。しかも、個人競技だと「国の代表」というよりも「個人の技量だろう」とちょっと冷めた気分になりますが、サッカーの場合は人数が多いし、個人の力量が必ずしも勝敗に貢献しないというあたりがポイントなのかなあ。戦術を練ればある程度まではいけるというあたりも。

 それにしても、自分がすっかり盛り上がっている最中に、あいかわらずのパレスチナ情勢で、悲しくなりますが、あれもしばらくダラダラと続くのでしょうか?だかって「サッカーで勝敗つければ?」という単純なもんではないのはわかっていますが。
 
 でも、パレスチナで「サッカー外交」はちょっと無理かもしれないが、北朝鮮はまたW杯に出て活躍できたりしたら、雰囲気変わると思いますしね。今回も、「日本負けたけど、韓国勝った」ということで、韓国の日本文化規制はずいぶん緩むような気もします。もはや、ライバルじゃないもん(笑)「被占領国」というよりも「兄貴」になっちゃいましたからね。まだ年配の人たちには「韓国のほうが強いなんて・・・・」という微妙な感情があるようですが、日本には「韓国をお手本にすべきこと」なんて全くないという意識がありましたが、それが少し緩んだだけでも(「悔しいけど韓国強いね、なんだか羨ましいよ」というセリフが頻発されていた)共同開催はよかったなあと個人的には思ってます。
 

 明日から二日間はまた研修。今度のは経理関連ではなくて、「自己啓発」系なので、さて、どうでしょう?先週に引き続きまた「都心のOL気分」が味わえます。でも「やっぱもう通勤ラッシュはヤダ。都落ち職場を大切にしよう」という気分になるのですが、でもやっぱり都心ってなにもしてなくても、なんかやってる気分になるので、その「都心マジック」を堪能いたしましょう。



6月22日(土)

 出勤している社員も少なかったので「ゆっくり社長室で観戦できるな」と思っていたのだが、親会社のほうで会議があったらしく社長も副社長も来ていて「3時から社長室で会議」ということになっていた。私も堂々と参加する。副社長に「ミヤノもサッカー好きだねえ」と言われたので、誤解のないよう、「私が好きなのはワールドカップです。それ以外にサッカーは観ません」ときちんと説明しておいた。

●スペイン-韓国戦

 やはり昼間は暑さが影響するらしく、なんとなくシャッキリしない試合。ラウル欠場でスペインも精彩を欠く。
 「う〜ん、どうなるかなあ」と前半終了。後半もそんなかんじで、「こりゃあ、延長になるねえ」と話していたが、やっぱり延長。韓国もさすがに疲れが出ているのか、イタリアに比べると激しく当たってこないスペインにちょっと拍子抜けしているのか、テレビ画面からはあまり気迫が感じられなかったが、それでも後半になっても動きのパワーが落ちないあたりは「やっぱ、キムチかねえ」

 前にブルガリアが大活躍した大会で、「ブルガリア・ヨーグルト」の明治は大喜びだったそうだが、(無料でブランド・イメージが上昇したわけだ)、同じように「韓国はキムチ食べてるから」ということになりそうだ。「韓国に美人が多いのはキムチのせいなんだよ」と言う知人のおじさんがいて、私はそれを信じてキムチ好きだけど(もともと辛いものは大好きだが)、「美と力の源」なわけですね。

 今回もGKカシージャスの好セーブが目立つ。「こいつ、運がついてるよな」と会社のおじさま方。「でもなんかこいつがやっぱ入れそうな気がする」とおじ様が「顔が良くて背が高くてサッカー上手くて金持ちで奥さん美人なんだってさ」とひがんでいるアン・ジョン・ファン。(ペルージャの会長といい、おじ様にひがまれるキャラらしい)さて、「サッカーの神様に愛された二人、今日の勝負はどっち?」

 それにしても、アン・ジョン・ファンがFKを蹴ると、「今大会イケ面ナンバーワン・キーパーであるカシージャスと、やはり美系度で負けていないアン・ジョンファンの勝負!」という感じで、一人で「イケ面対決!」と騒いでいたら、副社長が「イケてない場合はなんて言うんだ?」「さあ・・・・・・」そんなこと聞かれても困るわさ。

 今日の審判は前半は韓国に辛かったが、後半になると微妙な判定が多くなって、「これは韓国人はスペイン・リーグでも排斥運動か?」「いや、アン・ジョン・ファンが思いっきり外せば、スペイン・リーグがウェルカムでしょう(笑)」あのタッチラインは割ってないよね。でも、それがなくてもスペインは勝てるかんじではなかった。

 結局、PK合戦になってしまった。カシージャス最初の一発に触っていたんだけどなあ。大当たりしたあれを通してしまったところで「サッカーの神様」は韓国の方に行ってしまったらしい。あとはあっさりと決められていた。それにしても韓国のあの落ち着き方はなんなんだろうか?

 韓国ではヒディング監督が大英雄になっているようで、宿泊しているホテルは「ヒディング・コンチネンタル」に改名されるみたいだし、ヒディング・ヒルズとかいう高級別荘地もできるみたいだし、いっそのこと「大韓ヒディング国」に改名してみたらどうだろうか。
 まあ、今日のスペインの戦いぶりを観ていると、ドイツの相手にするならスペインよりも韓国のほうが面白そうだ。ラテン3連戦のあと、ドイツとどう戦うのか楽しみである。

●セネガル-トルコ戦

 ピクシーがゲスト。なんかツヤがまたなくなって渋くなっていた。顔が小さくなっている。現役時代はほんとにカメラ映えしたからなあ。

 これが意外というか、見ごたえのある試合になりました。トルコやっぱ強いじゃん。
 日本戦のときにはどうしても日本選手に目が集中してしまいますが、トルコもルックス的にはかなり揃っているような気がした。てゆーか、対日本のときには感じなかったけど、セネガルと並べてみると「ああ、トルコってやっぱ、ヨーロッパなんだな」・・・いえ、戦術じゃなくて顔が。さすが古来から「西と東の接点」という微妙な地理環境の国だけあって、選手の顔立ちも微妙。なるほど、トルコ人と結婚する日本人女性が多いとは聞くが、日本女性の弱点をつく「ラテン的な彫の深さ」と「ゲルマンの憂い」が上手くまざって、それをアジアンな親しみ易さで包むとああいうかんじになるわけね。

 しかし、「フランスの第2チーム」と賞賛(?)されるセネガルも、アンリはいるし(アンリ・カマラ)、シセもいる(笑)こちらも私好みの「端正なアフリカ系」揃いでなかなかのもん。
 そういえば、「フランスが予選で敗退したって、旧植民地のセネガルでも応援してればいいじゃん」と冗談で言っていたが、実際、フランス人はセネガルをどう考えているのだろうか?
 というのも、日本も「でも韓国もいるし」と思いたいのであるが、やはり「旧宗主国」な邪念がもたげてしまうのか、その心中は複雑なようである。今日も会社の人たちと韓国戦を観戦していたら、その複雑な心境がよくわかった。「韓国すごいけど、たしかに強いけど、でもなあ」という感じ。

 そういう話は保留にしておいて、「剃髪部門」(「坊主部門」にするとちょっとニュアンスが違うので悩んだ)にはトルコのハサンもなかなかいいと思うのだが、今大会からは「部分剃髪部門」もかなり激戦区だ。日本からも戸田がノミネートされているし、セネガルのディウフも「部分剃髪部門」だろう。そして、なんと言っても日本戦でも得点したタヴァラのモヒカン!じゃなくて「部分剃髪」あれは、どうしても「寿司ネタのなにかを思い出させる」のである。江戸前寿司のエビと卵のイメージが混合されている。どっちとも言えないが、どっちだとも言えるという、とても微妙なところに苛立ちをおぼえていたのだが、今日になって落ち着いてよく観てみると、「モヒカンの一部に10円ハゲが!」
 だめだ、ハゲていたら江戸前寿司としての完成度というか鮮度というか職人の技の立場がないではないか。でも、ポッコリと空いたその穴にちょっと釘付けだった。

 そして、日本戦のときにも途中から出てきたイルハン!
 その髪型はなんなんだ?「マルチーズかおまえは!」と日本戦のときにも思ったけど、何を目指しているのだろうか?大五郎?
 でも、この人、髪型に騙されてしまいたくなるが、顔立ちはかなりいい。「東洋のベッカム」と称してもいいレベルではいだろうか?あの髪型だから、ちょっと気持が引くが、トルコの安宿に泊まったら、宿の主人の息子がイルハン顔だったらかなりうれしいぞ。「キャー、トルコの男の子って超かわいい」と浮かれそうだわい。

 などと思っていたら、Vゴールをイルハンが決めた。
 う〜む、トルコもかなり上り調子のようなので、ブラジル戦はどうなるだろう?これはマジにドイツ-ブラジル3位決定戦ですかねえ。

 TBSのアナウンサーが「トルコの堂々たる行進曲いまだ鳴り止まず!」と言ったが、それは「トルコ行進曲」のことなんでしょうか?あの曲じゃあ、サッカー勝てませんぜ。てゆーか、私の中では「トルコ行進曲」といえば、グールドの演奏なんである。(あのモーツァルトを馬鹿にしくさったような演奏に好き嫌いがあってモーツァルト・ファンには評判悪いみたいだし、グールド・ファンにとっても「グールドはモーツァルトじゃないでしょう」ということみたいだが、私は「ギャハハ、モーツァルトって、実際こんな風に演奏してたんじゃないの?」と大受けして、唯一所持しているモーツァルト曲のCDである。これを聴いた、あるクラシックマニアの奥様は「私が弾いてるみたいだ」と言ったそうだ。いや、シロートっぽく弾いてはいるがあれはかなりのテクニックがいるのだよ。雑誌の企画で「私の好きなクラシックCD」というのをやると必ず一人くらいこれを挙げるが二人は出ないところがまたナイスだと思う。クラシック界でもかなりサブカルな扱い)

 ブラジルもなあ。昨日の夜のニュースでおさらいしていたのだが、たしかにリバウドはそれなりに調子いいみたいなんだけど、なんかリバウドってあんなに華の無い選手だったっけ?とにかく顔が地味。昨日も「華」は完全にロナウジーニョが背負ってた。ロナウジーニョのアシストでリバウドが華麗にシュートを決めていたらしいが、私には「ロナウジーニョのシュート」にしか思えなかった。なんだか地味なんだよなあ、リバウド。

 リバウドに「華」を背負ってもらうために、いろいろ考えてみました。「ベッカム・ヘアにする」これで日本人ギャル(&おばさん)にわかサポーターの心を鷲づかみ!「フェイス・マスクをする」韓国の選手も今日はやってました。あれは目立つし、「宮本に借りた」ということにしておけば、日本人サポの心を鷲づかみ!(準決勝は埼玉です)それと似たような手法ですが、「髪の毛を赤く染める」
 うーん、でも見かけが地味だからいいのかもしれないけど・・・・
 でも、なんとなくブラジルは全般に地味なような気がする。唯一、派手だったロナウジーニョが次の試合は出場できないので、もっと地味になってしまうのか?

 さあて、今日も充分堪能いたしました。これでまたしばらくお休み。あと4試合残すのみだ。
 6月に入ってから「4年に一度のお祭りよ!」とかなり熱くなっているのだが、こうなると、「あれ?私って5月までは毎日何をしていたんだろう?」と不思議になる。



6月21日(金)

 研修だったので、久々に平日の都心行き。虎ノ門から、日比谷方面に向かったが、駅のすぐ側にアイリッシュ・パブを発見して「いざとなったらここだな」と目星をつけておいた。ところで、あそこの交差点に昔からあった「ダブルデッカーがカフェになってる店」が無くなっていたのがショック!いつ無くなったのだろう?2年前くらいに通りがかったときには健在だったが・・・・もしかしたらイングランドを応援しに静岡まで走っていってしまったのだろうか?

 10時から研修。「テレビのある店」を探す必要は無くなった。「宝くじドリーム館」に大型モニタが設置されていたのだ。休憩時間でも行ける距離!
 公認会計士の講師はなかなか慣れているようで、かなりズンズカ進行していく。スケジュールによると「3時半〜3時40分。休憩」になっており、試合開始は観られるらしいが・・・・そのまま中抜けしてしまおうかと心が動く。でも、あたしって気が小さいというか、根が善人だから「会社が高い金払っている研修をブッチするなんて・・・」とも思う。

 昼食時間に研修所の休憩ルームに行ってみたら、なんとそこにもテレビがあった!こ、これは、私にサボれと言っているのか?
 3時半の休憩時間、そそくさと休憩室に行くと、やはり男性の多くはそこに集合していた。試合開始直後の10分は「静かに始まった」という印象。かなり気温が上がっているので、イングランドのスタミナが心配である。なんとなく双方ともキレがないというか気迫に欠けるような気もしたが、あの韓国-イタリア戦みたいに前半開始から凄い勢いだった試合に比べるとそう見えてしまうのかもしれない。

 5時に研修が終わり、速攻で「宝くじドリーム館」へ。大勢の人が集まっていた。でも、なんだかシーンとしてて異様。得点を確かめると「ブラジル2-1イングランド」、すでに両チームとも足が止まっている。ああ、もう試合は終ってしまったのだ。ブラジルはすでに「球回し」状態である。
 どういう状況でこうなったのかわからないまま、じっと見ていた。どうやらブラジルは一人少ないらしいが「誰が退場?」というのもわからないまま、他の客と一緒にシーンとして見ていた。
 結局、イングランドは打つ手もなく完敗というかんじ。すでに守りに入ってたブラジルの調子は私にはわからなかった。

 他の客は一斉に帰ってしまったが、その後も一人で観ていたが、実況アナが「でも、ベッカムもオーウェンも清清しい表情です」と言っていたけど、あれのどこが清清しいのか問い詰めたい。あれが「清清しい顔」なら、鈴木宗男なんて「さやわかナイスミドル」だ。「苦々しい」としかいいようのないベッカムをカメラは延々と追う。シーマンが泣いてるのを慰めるベッカム。シーマンは悔しかっただろうなあ。2点目は防げたと思っているのであろう。

 「日本が負けてもベッカムがいる」と言っていた「ワイドショー的サッカーファン」にとっても、W杯終っちゃったかな(笑)
 ブラジルにも、もうちょっと調子上げてもらわんと確かに盛り上がらないが、セネガルはどのくらいやってくれるだろうか?あ、トルコに勝ってからね。

 まだ明るいうちに帰宅できたが、金曜日だけあって、酒屋には英語が母国語ではない外人さん二人組みがビールを大量購入していた。これから二人で観戦するのだろうか。
 それとは別に缶ビールを買っていた若い白人男性は、すでに酒臭かった。三茶ってこんなに外人多かったっけ?

●犬の不思議

 これは前からずっと思っていたのだが、犬はどうしてあんなにいろいろな犬種があるのだろうか?まあ、他の生き物だって、かなり多様なのかもしれないが、現在ある犬種っていうのはどのくらいの期間を経て確立したのだろう?
 あまり詳しくないのだが、犬というのはもともと存在したものではなくて、オオカミをペットにしていくうちにだんだんと「コンパニオン・アニマル」になっというが、その元になったオオカミにもいろいろな種類がいたのだろうか?だって、どう考えてもポメラニアンとゴールデン・リトリバーが「先祖が同じ」とは思えないのですが・・・・
 ランチュウを趣味でやっていた人が前の会社にいて、「いい柄」などを育てるためには、沢山卵を孵化させて、たくさんの稚魚の中から「模様がいいやつ」だけを残して「あとは全部、トイレに流す」という恐ろしい話を聞いた。(「欲しかったら貰ってよ」と言われたのだが・・・・)金魚や鯉なども、そういう荒っぽい方法でコンテストに挑むのであろう。成長が早く、間引きするのにそれほど抵抗の無い生き物については、そういう方法で品種改良しているんですかねえ。植物の改良なんかも、そういう方法でやっているということは想像がつく。

 でも、犬だと、その方法はやりづらいように思う。たしかに、まだ犬が野生種に近かったときに「この犬は小ぶりで可愛いなあ。じゃあ、こっちのやはり小ぶりなのと掛け合わせてみよう」とやっているうちに、小さい犬になったというのなら想像がつくが、ダルメシアンとかいったい何が起こるとああなるんですか?「なんか、こいつにはブチ模様がある」ということになって、「隣の村にもブチがいたよ」というわけで縁組が決まって・・・・・というのを何百年か繰り返すんですかねえ?そんで、その近辺はブチ犬ばかりになるのか?

 マルタ島といえば、誰しも「マルタの鷹」が唯一の名産だと思うだろうけど「マルチーズ」も産出したらしいけど、マルタ島の人は「こういう潰れたかんじの犬が好き」というだけで、ひたすらそれを追い求めたのでしょうか?謎だ。
 犬があれほどバラエティーに富んでいるのに、猫はそれほどかけはなれた存在が少ないのはなぜだろう?ピレネー犬(ジョリイ!)がポメラニアンを嫁にするのはちょっと無理があると思うが、猫だったら近所のノラネコが血統書付きのペルシャを嫁にしても問題なのは「身分違い」なだけである。

 人間も肌の色が違ったりするが、どうして誰も「ブチの人間を作ろう」としなかったのだろう?
 やはり、真剣に品種改良に勤しめば、「ブチブチの人間」とか「ボールを追いかけちゃう人間」とか「胴が長くてキツネの巣に潜っていける人間」ができるのだろうか?やはり、宇宙人に地球を征服してもらって、「きゃあ、人間ってかわいいい、お父さ〜ん、誕生日に人間買ってえ」と「人間ブーム」が起こり、その宇宙人の好む姿同士で掛け合わされていくと、「全身長い毛に覆われた人間」とか「体毛がなくてツルツル」とか、「ものすごく手足が長い」とか、ものすごく小さいとか大きいとか、犬並みのバラエティーになるのかなあ。そして、そうなるのにはどのくらいの年月が必要なのだろうか?

 格闘技用の人間が飼い主の宇宙人を噛み殺したりして。
 人間好きのおじさんが、大量に餌をやって「人間屋敷」になって、近所の宇宙人から「臭い」と文句言われたりして。
 サッカー用の人間はどんなだろうか?頭の形がヘディングに有利な形になってたりして。
 
 私はきっと太りすぎで動かない人間になっちゃって、宇宙人版「鉄腕DASH」で宇宙人のTOKIOのメンバーに無理やり散歩させられたりするのだろう。
 朝のテレビでは「今日の人間」が人気コーナーで、「今日の人間は、お酒が大好きな人間です」とか。

●ドイツ-アメリカ戦

 なぜか黙祷で始まる。ドイツの往年の名選手が亡くなったらしい。「あたしがババアになったころ、『あのジーコさんが亡くなりました』と黙祷する日が来るのだろうか」などと想像。
 
 「特殊メイク部門」ノミネートのドイツの名キーパー、カーンであるが、よく観察すると髪の毛の色が見事なブロンドだ(笑)。ああいう髪の色にちょっと弱い。

 アメリカの試合をちゃんと観るのは始めてだが、出たなドノヴァン、加藤和彦か?(う、すごくマイナーなギャグ)いやいや、♪わた〜しは忘れない〜海に約束〜♪してないけど、シドニー五輪のとき、ドノヴァンで思わず♪ドナドナ〜と歌ってしまったくらい自分を失ったあの恨みを・・・・・

 今日の審判はスコットランド人らしいけど、ほんとにロディ・フレイム(アズテック・カメラ)の10年後ってかんじだ。典型的スコティッシュなのか、なかなかいい雰囲気のおっさんだ。

 ドイツ、ゴール!
 アメリカのキーパーはなんとなくマルコヴィッチっぽい。つうことはドイツは目指せ「マルコヴィッチの穴」?

 前半終了。
 なかなか、スピード感のあるいい試合である。「動員」な観客もなかなか盛り上がっていていい雰囲気だ(笑)

 しかし、アメリカもさすがである。スピードではドイツを上回っているのではないだろうか。
 しかし、しかし、しかし、ここでアメリカが勝ったりしたら、また「USA!USA!」とかいうメールがうちに来ることを私は恐れているのである。なんとかアメリカの息の根を止めてほしいのだよ、ドイツ!
 じゃないと、私がまた「和英辞典」と「英和辞典」を交互にひきひき、つたいない英文の「教育的指導メール」を書くハメになるので、それだけは阻止してくれ、ドイツ!(切実)
 わたしゃ、単に酒飲みながらサッカーをテレビ観戦したいだけなので、余計な作業したくないんだよ、がんばってくれドイツ!(泣き入ってます)
 ちなみに今日はドイツワイン飲んでます。

 さあ、後半だ。一応、もしものこともあるからここでまたアップしておく。

 後半。
 がんばれカーン!なんだかこの有名な写真(「SINRA」の表紙にもなったし、「ナショナル・ジオグラフィフィック」にも掲載されたはず)を思い出して、いてもたってもいられなくなり接写。著作権無視しているが、個人が楽しんでるだけのサイトなんで許してください。期間限定ですから。

 カーァァァン!ナイスキャッチ!

 よかったドイツ勝った。なんかハンドで勝ったような気もしなくもないが、「ゴッドハンド」は有りらしい。それもサッカー。
 今日の審判は「ユニフォームひっぱり合戦」に厳しかったですね。さすがロディ顔。
 イタリア-韓国戦がこの審判だったら、ずいぶん違う試合になったでしょう。

 あー、明日は韓国-スペイン戦が昼間?私はまた出勤なんだよな。韓国の「ラテン3連戦」と言われる、ポルトガル、イタリアに続くスペイン戦である。観たいよー。観ようよー。(明日やはり出勤予定の上司に向けられたコメント)
 そんで夜がセネガル-トルコ戦で、これをTBSが放送するということに笑いを隠せない。予想通りにいかないのもW杯。
 
 さあて、これで楽しみになってきたなドイツ-ブラジルの3位決定戦(笑)
 その日はとあるイベントのお手伝いというか「え、あたしがコンパニオンなの?他に友達いないの?衣装費は払ってくれるの?」なのですが、ギャラは食事らしいので、組み合わせによっては「アイリッシュ・パブでビール2パイント&フィッシュ・アンド・チップス」でいいのですが。(なんて安上がりな私。時価2000円くらい)

 ところで、私の主治医である兼平先生が、「Hanako」に写真入りで掲載されてます。ヘルス、コーナーでお灸の紹介。



6月20日(木)

 アイルランド・サポーターのT嬢からメールが来た。「いよいよ佳境ですが、我がチーム・アイルランドがいなくなってしまったので抜け殻状態の私。」だそうです。しかし、5月に会ったときにアイルランドの1次リーグ全試合観戦すると聞いて「なぜに?」と思ったのですが、テレビでアイルランドの試合を観ていて「さすがTさん」と感心いたしました。私も新横浜でアイルランド・サポの試合前の様子を目の当たりにして、すっかり魂を奪われてしまいましたが、Tさん&Mちゃんの「アイルランド追っかけ記」を聞くのが楽しみだ。

 ところで、なんだかんだ言って試合に熱くなっている私ですが、Tさんのメールを見て、「そうだ、私がやるべきことはこれだった」と襟を正しました。真面目に試合観ている場合ではありません。てゆーか、私は普段サッカーにそれほど興味はないのです。(道頓堀に飛び込む人たちよりは興味あると思うけど)
 Tさん曰く「今大会個人的いい男」、私にとっては「W杯、美青年を探せ!」

 私はブケムさん(DJ)や若いころのデンゼル・ワシントン(俳優)みたいな「スラっとしたアフリカ系」がけっこう趣味なので、今大会は「ジダンが地団駄」よりも「アンリが早々と姿を消した」というのが痛恨でございました。アンリの膝から下のかんじが好きだったのに・・・・・(変態なコメント)

 ちなみにTさんのセレクトを勝手ながら紹介しておくと、

1カシジャス(スペイン・GK)
 室伏を柔らかくしてスペイン人にしたらこんな感じ。
 でもアイルランド戦は出来すぎ。

2サンタクルス(パラグアイ・FW)
 正統派ハンサム。弟はもっとカッコイイという噂。

3アイマール(アルゼンチン・MF)
 サッカー選手で「ロード・オブ・ザ・リング」を作るなら
 フロドはこの人。バティストゥータとルイ・コスタが馬で。

4パヴリン(スロベニア・MF)
 ピクシーの流れを汲む哀しみの東欧系。

5ヨルゲンセン〈デンマーク・MF〉
 26歳だが少年系。さわやか。

 うむ、さすがによく観てますね(笑)。4位のパウリンについては私も注目しておりましたが、あまり観る機会がなかったのが残念。スペインのキーパーはたしかにちょっとよかったような気もしたけど、アイルランド戦ではその美しさを堪能する暇もなかったのですが、さすがTさん、冷静です。(笑)
 Tさんはどうしてもイタリアの「イケ面軍団」が気に入らないらしいですが(テレビを一緒に観ていたお母様も「なんだかむさくるしい人ばっかり」と評したようで、イタリア嫌いは遺伝だったと判明したとか)、私はイタリアのルックスのレベルはやはり悔しいけど世界一だと思います。

 あの人たちを観ると、「ああ、やっぱりアルマーニとかは、こういう人たちのためにデザインしてんだなあ」と納得してしまいます。古い話で恐縮ですがカズや武田やトシちゃんには歯が立ちません。(その昔、アルマーニの青山店には「お取り置き棚」というものが選ばれた客にだけ用意され、その選ばれた客というのがその3人である、という都市伝説、もしくはギャクが流布してました。)
 そして、フェラーリに代表されるような「デザイン性に優れたイタリア車」も、「こういう人たちが乗るようにデザインされてるよなあ」と納得してしまうのでした。

 でも、「イケ面」なのは認めるけど、やはり私の中では「サッカー選手の顔」ではないのですよねえ。やはりデルピエロは「インチキ宮廷画家」顔だし、トッティも「高級イタリアブランドの店員。日本人観光客には口も聞いてくれない」顔だし、ビエリは「スクーター屋さん」・・・・・イタリアの敗因は、「審判が買収された」わけではなくて、対戦相手が「くっそぉ」と思うようなルックスだったのも原因だったのではないかと・・・・次回にはもっと顔のレベルを下げて挑んでほしいと思いますけど(ジェラード売りのおじさんみたいな真にイケてるイタリア顔を希望)、4年後にはトッティは「白雪姫を苛める継母」のような顔になっているのではないかと期待しているので、それはそれで楽しみかと・・・・・

 アン・ジョン・ファンがペルージャ解雇のニュースが出回ってますが、元々契約更改しないという話だったので、いいんじゃないでしょうか?それにイタリア戦では最後には決めたものの、試合全体としてはあまり活躍してなかったと思うので、「おまえは城か?」という気がしなくもなかったわけで、大人しく国民的英雄として国内に戻ったほうがいいと思うのですが・・・・・・たしかに私好みの顔ですが、まあ日本には原田龍二がいますし(笑)
 しかし、イタリアも心が狭いですが、そういう心の狭さがけっこう好きです。「アジアでの開催なんてW杯のうちに入らない」とか大仰に構えておけばいいものを・・・・・ムキになるあたりが、さすがにちゃんとわかっているなと。

 W杯の何が面白いかって、そういう「へんちくりん」さが浮き出てくるからです。殺人現場の血痕が特殊なライトで浮き上がってくるみたいに。日本のへんちくりんさも「他国のユニフォーム着て応援してる」ということで浮き彫りになりました。(国際的には理解しがたい行為。私は個人的にはそういう日本人が好き)

 ところで、Tさんたちと会ったら是非ご意見を聞きたいのが「空前のベッカム・ブーム」でしょう。なんでいきなりこんなに人気者になっちゃったんですか?
 たしかに日本人好みのルックスです。あの顔のタイプは、イギリスのポップ・ミュージシャンにもたまにいて、個人的には「デュラン・デュランっぽい」と思っているのですが、デュラン・デュランでも、イギリス本国で「セックス・シンボル」と称されたのはサイモン・ル・ボン(後年、スーパーモデルの旦那として活躍してました)ですが、日本で人気があったのはジョン・テイラーだったというかんじで、ベッカムもたしかに本国でも「ハンサム」と思われてはいるようですが、日本でのミーハー歓迎ぶりは本人的にも意外だったのでは?

 ただ、ベッカムのいいところは、多分、本人はあまり自分のことを「美青年」だと思ってないように見えるからだと思います。あの野暮ったい雰囲気が日本人好みなのかも。会社の女の子も「日本負けても、まだベッカムがいるじゃん」と言っていて、私はびっくりしました。
 日本ではすっかり「消化試合」扱いになってしまったイングランド-ブラジル戦ですが、どのくらい「にわかイングランド・サポ」が出現するか注目されます。Tさんったらチケット持ってるらしい、いいなあ。

●今日はラッキーデイ

 今日はプールで一泳ぎした。外に出たらまた雨。帰りは近道して遊歩道を通った。世田谷には住宅街の合間を縫った遊歩道が多いのである。
 街灯の光も暗い遊歩道に入ったら、足元でなにかが動いた。「うお?」と足をよけたら、ガマガエルだった。雨に浮かれて遊歩道をお散歩中らしい。「おーい、びっくりさせるなよ」と思ったが、ガマちゃんは元気にパスパスパスっと道を横切っていった。冬眠明けのころとは段違いのそのスピードに「おお、ロナウドばりの突破力!」と感激。これで今年3匹目だ。世田谷にもまだまだカエルが生息しているのがわかってうれしい。

 と、思いつつまた歩き出したら、今度はシマシマ模様の少し小ぶりなカエルがいた。「今日、2匹目?ラッキー!」である。小さいカエルも、私の足音を聞いて、スパスパスパスパッと軽快にジャンプして道を横切った。「おお、君はオーウェンっぽいぞ!」

 つうわけで、雨の降りしきる中、「カエルのロナウド」と「カエルのオーウェン」が「遊歩道横切り合戦」を繰り広げておりました。うふっ

 ううううう、明日は5時に研修が終るので、そのあと「W杯放映中」の店を探して走り回る予定なのであった。日比谷近辺で5時ごろ血相変えて走り回っている女性を見かけたら、それは私です(涙)



6月19日(水)

 今日は試合が無いので、自分が運動することにしてスポーツクラブに行った。体重は1.5キロ増えていた。

 なんだかんだ言ってもかなり昨夜はエキサイトしてたみたいで、朝起きたら背中が痛かった。かなりリキんでたらしい。
 しかし、冷静になって「W杯だけ楽しみにしているナマクラサッカーファンである自分」の基本に戻ってみると、イタリアが敗退したのは残念だったのかもしれない。スペイン-イタリアっつうのも観てみたかった。

 ポルトガルも退場者を出したし、イタリアも痛恨のトッティ退場・・・・スペインはどうなるんだろう?これがホームってことか?というご意見(?)を頂きましたが、どうなんでしょうねえ。
 日本-ベルギーのとき、審判がけっこう日本に辛かったので、誰かが「あの審判、ホームだってことをわかってねえよ」と言っていたので、「ふ〜ん、そういうもんかねえ」と思いましたけど、その後、ロシア戦もチュニジア戦も審判は日本寄りだったような気もしたし、トルコのときもPK出ましたもんね。

 それよりも、昨日の韓国戦の審判って、なかなか味わい深い顔つきでしたね。なんと形容すればいいのだろうか?弱っちそうな下がり眉で、基本が「ふう、困ったなあ」な表情なんですが、態度はふてぶてしかったので、そのアンバランスさがなんとも絶妙でけっこう注目してました。そういえば、あれ?どこの試合だったかな、アイルランド-スペイン戦だったか、それとも韓国-ポルトガル戦でやはりレッド・カード出した人だったっけ?とにかく金髪フサフサな審判もいました。別に珍しい雰囲気でもないのだが、サッカーの審判って「短髪」が多いので、「あれ?」と思ったのでした。しかも、金髪フサフサ審判氏は当然動きはキビキビしているわけで、(パトリック・スウェイジ(映画「ゴースト」の死んだ恋人役でしたっけ?)+吉田栄作+石田純一)÷3という雰囲気でした。なんか、サッカーの世界には珍しく「アメリカ西海岸系」のルックスだったので印象深かった。

 久々にAから電話。携帯電話をトイレに落として「電話番号を全て失った」らしい。私のはかろうじて憶えていたようだ。ほら、親友ってやつ?(爆)
 「リッチーが来るらしいんだけど、いつだかわかる?」
 って、このサッカーフィーバーのわたくしに質問するんですか?とりあえず、他の情報通に確認することにした。

 たしかに、7月からの身の降り方をそろそろ考えないといけないな。しばらくは喪失感に浸りたいのであるが。日本国民の多くは、すでに終ってしまったらしいけど、私のW杯はこれからなのである。がんばれドイツ!(イングランド-ブラジル戦が観られないのが確定したので、ドイツがアメリカをぼこぼこにする試合に期待している)



6月18日(火)

●日本-トルコ戦

 会社でも仕事そっちのけでテレビを観ている人が多かったが、残念ながら日本敗退。まあ、勝てた試合かもしれないが、しっかり負けたとも言える。「決定打に欠ける」という日本らしらが最後で出ちゃいました。
 試合前におじさまたちが「これで負けたら、よっぽどのマニアしか観ねーよな!」と話していたので、「ハイハイハイ!私、マニアなんですか?」と手を上げてしまった。だって、だって、金曜日のイングランド-ブラジル戦のために「休んじゃおうかなあ〜」と思ったのだが、研修の予定が入っていたのだった。うううう、ノってきてるイングランドと昨日の試合を観て「やはりブラジルのフォワードは獣だわ」と感心して、やはりそっちもノってそうな両者の戦いが観たかんたんだけどなあ。というわけで、今日の日本戦は3分の1くらいしか観戦してませんでした。
 せめて同点になって、延長になってくれれば「もらい泣き大作戦。でも会社だし・・・・でも、こらえるのがまた快感なんだが」と、密かにかなりマゾな計画を夢みていたのですが、それもかないませんでした。トルシエとダバディに抱えられるようにして、泣きじゃくりながら歩いていた森島(だったかな?)が連行される宇宙人みたいでした。

 「もーこれで、韓国が勝ったらどうするんだよ」と会社の人が発言しておりましたが、私にはその心境がよくわかりません。
 とりあえず、「でも、日本だってどうせ負けるんだったら、ブラジルに負けたかったですよ」と言っておきました。

●韓国-イタリア戦

 この前観たときには「やっとこさデルピエロで同点」したイタリアで「これは調子悪いのかも、だったら韓国にもチャンスはあるのか?」と思っていたのですが、蓋を開けたら、「デルピエロ、トッティ、ビエリ」のスリー・トップ!?メインディッシュが一度に3皿出てきたみたいにクドい!前菜くらい食わせろ!
 「本気だ、本気なんだイタリアは、いいなあ本気のイタリアと試合できて」と思いましたが、試合始まったら、なんですかこりゃ?シャツひっぱり合戦ですか?こんなにビヨンビヨン引っ張ってもいいんですか?それにトッティ王子が「肘撃の名手」だとは知りませんでした。私の中では「白馬に乗った王子様」はあんなことはしてはいけません。対する韓国も元々アタりは激しいチームでしたが、ツンと清まして手癖の悪い観光客相手のスリみたいなイタリアを前にして、真っ向からぶち当たってます。
 ああ、とうとう流血・・・・と思ったらイタリア人同士の接触でした。さすが、肘には自信のあるイタリア。味方にまで肘入れてます。

 しかし、こんな熱い試合になるとは思っても観ませんでした。
 でも、あの見た目は端正なのに、中身は「動物」なイタリアのフォワードを見ると、アン・ジョン・ファンなんて、イタリア人色男におつり騙されても笑って許してしまう日本人ギャルにしか思えません。韓国ディフェンス陣は激しく肘撃ちで応戦してますけど・・・・サッカーって肘技も重要だったんですね。

 いやあ、これはいつ退場者が出てもおかしくない。別の意味でハラハラしてしまいます。

 などと、けっこう熱くなりながら、観ていたら・・・・韓国なんと土壇場で同点!すごい!小泉首相にこういうことろで「感動した」と言わないと!

 どわわわわ!これでゴールデン・ゴールの延長戦だ!
 これは勝っても負けても死人が出そうだ。

 延長戦で王子様が退場。なんか、サッカーってこういうゲームだったんですかねえ?
 てゆーか、こういう雰囲気になるから、W杯「だけ」好きだったことを思い起こしました。(でもセルジオ氏も「長いサッカー人生ですが、こんなスタジアムの雰囲気は初めてです」と感激してる)

 初っ端でPK外したアン・ジョン・ファンが最後に決めた・・・・・・・メイクドラマやりすぎですが・・・・・テレ朝のアナウンサーまで涙声だ。

 うるうる、アジアのかわい子ちゃんが伊達男に勝ったわ。うるるる。

 いやー、しかし、私はそれなりに「感動」してはいるのですが、根が捻くれているので「なんかこれ変じゃないか」とも思っているのでした。まあ、いいモノ見せてもらいました。これがお隣の国の出来事でちょっとよかったと思ってます。それに「韓国の方が成績が上で終ったほうがよい」と開会前から思っていたので、これで一安心。

 でも、どっちが勝っても、こんな試合した後はボロボロになってしまうのでは?次はスペインですか・・・・・・ 

 ところで「このサッカーフィーバー」(マスターカードのCMより)の最中ですが、昨日謎のメールが来た。「USA...USA...USA!!!!  YESSSSS....」それだけでした。携帯メールで送っている。F君からでした。「おめえ、わかってやってんのか?それとも全然わかってないのか?」とムっとしたがとりあえず無視。
 私がサッカー好きだとは知っているが、特に日本を応援してないということは知らないはずなので、今の日本の状況を見れば、こういうのも危険な行為だと思いました。せめて、今日の日本の試合の結果を確認してからにしたほうが・・・・今日、日本が勝つのを確認してから「決勝で会おう」と書くのなら問題ないが・・・・とクドクド説教したくなったが、英語でそんなこと書く能力ないので無視しとこ。でも、私が海外在住だったら、現地の友達にこういうメールは送らないと思いますけどねえ。よくわからん。というかアメリカ人はやっぱりわかっていないのかもしれない。まあ、人を憎んで国を憎まずということで、F君やっぱりダメだな。W杯終ったら会ってもいいやと思ったけど、これで終ったな。(冷酷)



6月17日(月)

 「ヒュンダイってどこなんだい?」と言う質問に対して「韓国の自動車。現代」とのご指摘多数ありがとうごさいました。
 「えー?また知らないの私だけ?」と思いましたが、でもW杯の放送前後にもジャンジャカと「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」と堂々と宣伝しているので、「知らない人」が多数であるとヒュンダイ社自信が言いふらしているのだから、たぶん私みたいな人は多いんだと思います。

 「それ以前にも広告してた」と言われても、全然記憶にございません。どこかでその社名を耳にしていれば「なんかインドの都市名みたい」と思っていたと思います。けっこうテレビは観ているんだけどなあ。でも雑誌広告などで観ていたら「HYUNDAI」という文字をどう発音するのかも考えなかったかも。以前は日本でどういう広告展開をしていたのでしょうか? そもそも車に縁がない生活をしているし、平均的女性と同じ程度に「車に興味がない」ので気がつかなかっただけかもしれません。

 でも、もしほんとに一般的に日本では知名度が低かったのだとしたら、今回の広告戦略はなかなかですよね。
 「知らないのは日本人かもしれない」と言われて「確かに知らない」と思った私みたいな人は、ちょっと興味を持つでしょうし、それにあのテレビCMはなかなか良くできてます。観てない人のために文章で解説。細部は間違っているかもしれないけど、雰囲気はこんなです。

 西洋の郊外の住宅が現われる。かなり立派なおうち。医者や弁護士などの中流家庭のおうちっぽい。ガレージには、ワゴン車とスポーツカー(私にはポルシェに見える)が停まっている。カメラがその「車2台以上持っている裕福なおうち」をパンしながらナレーションが流れる。「その車は家族に信頼されていた」今、そのガレージから出発しようとしているのは、「その車」らしい。わりと大きな立派なセダンである。玄関から家族が出てきてこれからお出かけらしい。そしてキメのナレーション「ヒュンダイを知らないのは日本だけかもしれない」

 私はこのCMを観て、「なんか変な名前だし、きっと北欧の車なんだろう」と思いました。私みたいに車のことを知らない人には、この車が目指しているのは「ボルボだな」と思えました。遠出をするのはワゴン車で、パパはスポーツカーも好きだけど、普段家族を乗せる車は何?ベンツじゃちょっとスノッブすぎるし・・・・日本車だと昔はアコードかもっと上のクラスだとクラウンだった(のか?よく知りません)けど、それも今更という気がするし・・・・というあたりに「ボルボ」はけっこう食い込んだと思うのですが(外車がいいけど、ファッション性ばかりが全面に出るのはダサいというあたりに上手く入った)、ヒュンダイもそのあたりを狙っているのだな、と。

 それが意外にも「韓国車」だと知って、さらに「よくわかってるなあ」と感心いたしました。個人的には車を買う予定はありませんが、やはり「韓国製」だったら日本製のほうがいいと思っている。単なるイメージですが。それに韓国車は「外車」には入らないという微妙な立場にありますし、どうしても韓国製というと「安かろう悪かろう」のイメージが払拭できない。というか「ブランド力」が日本では浸透していない。テレビとかビデオとか電子レンジみたいに、部屋の中に置いてあるものは「同じような性能なら、安いほうがいいや」と「ソニー」や「パナソニック」よりも韓国製品を買うことに抵抗はありませんが、同じ値段だったらソニー買いますけど、常に一目に晒される車の場合にはあまり韓国製は選ばないと思います。

 ですから、今回の「W杯オフィシャル・パートナー」に混ざっているところを日本人にアピールしたのはとても正しい戦略だと思いました。
 だって、先に「この会社は、マクドナルドやフィリップスやコカコーラやアディダスと並ぶ資格のある国際的に有名な企業なんですよ」とやっておいてから「でも、日本ではあまり有名ではないんですよね」と宣伝しておく。

 今回の日本の活躍により、女性もたくさんテレビを観ていますから、ヒュンダイの作戦はかなり成功したと言えましょう。今までだったら、旦那が「ヒュンダイなんてどうかなあ」と言ったら「なにそれ、聞いたこともないわよ」「韓国の自動車だよ」「韓国車?だったら日本車でいいじゃない」というふうに運ぶはずの会話が「ヒュンダイなんてどうかなあ?」「なんだっけそれ、聞いたことあるわねえ」「ほら、W杯のときに宣伝してただろう」「ああ、あの変な名前の車かあ。へえ、韓国のだったの?」
 そして、「ヨーロッパではすでにかなりのシェアがある」というあたりまで持っていけば、充分でしょう。外堀固めは日本では大切です。「日本では無名だが、海外ではすでにその実力を認められている」というセリフに皆弱いのである。

 というわけで「久々に手堅い広告戦略を見た」と思っているのですが、街を見渡してみたらすでにバンバン走ってたりしてね(笑)
 ドイツ特派員によると、「え?日本では無名だったんですか?こっちでは沢山見かけます」とのことでしたが、日本で見たという情報は「九州のレンタカー屋でミニバン発見」のみでした。「バカもの、そんなもんわしは300年前から乗っている」という日本の方がいらしたら、すいません。

 ああ、ヒュンダイ話が長くなっちゃった。

●アメリカ−メキシコ戦

 がーーーーん、アメリカが勝ってしまった。オリンピックに続いてまたベスト8進出かあ。なんだか悔しいのであった。意味もなく。なんだかやはりアメリカにはサッカー強くなってほしくないらしい。どうせ、アメリカ人はあまり関心ないんだろうし・・・・・それでも放送はしているらしいが。次はドイツか、ボコボコにされてください。もしもドイツに勝ったら、それなりに関心持たれるんでしょうかねえ?(ポルトガルに勝ったときには、それなりに報道されたらしいけど。アメリカ特派員の報告による。最近、海外の読者がついて、いろいろ報告してくれるので楽しみにしております)

 今日は休肝日にした。このまま調子づいて飲んでいると「自分はサッカーが観たいのか、それとも酒のつまみだと思っているのか」が不安になってきたからです。シラフで観よう、ブラジル戦。

●ブラジル-ベルギー戦

 ベッカムも観戦してるな。
 ところでベッカムは日本の熱狂的な歓迎に気をよくして「老後(?)は日本でプレイしてもいいかも」と発言したとか。Jリーグ関係者もノドから手が出るどころか首が伸びてロクロ首になるほど欲しいだろう、今日も電車の中で二人のお父さんが「うちのカミさんも、すっかりイナちゃん、イナちゃんだよ。あとやっぱりベッカムがいいんだってねえ」と言っていた。

 ベルギーはなかなか頑張っていた。やっと気候にも慣れてきたのですかね。しっかり守っていたし、「なんで日本は2点もとれたんだろう?」と思いましたが、やはり後半になるとバテてくるんだなあ。さすがブラジルは「動物」ですね。

 「ユリイカ」の蓮実重彦と渡部直己の対談では、「やっぱサッカー選手は動物じゃなきゃ」で盛り上がっていた。
 ところでこの対談は、すでにナンシー関の死を予見し、「ポスト・ナンシー」というよりも、まんま「後釜」を狙ったのだろうか?

 蓮実「FIFA会長のプラッターという存在が、この地球上から消滅してもらいたくらい不快なんです(笑)」

 に始まり、言いたい放題である。プラッターを「茶坊主」と言い、岡田・前監督を「結婚詐欺師みたい」と言い、オフトの起用に至っては「成田に国際空港作ったと同じくらいの失策。あれで日本の国際化は失敗した」など、雑誌クレアでのナンシー関と町山広美の対談に限りなく近い雰囲気で「サッカー語り放題」である。この対談の語尾を女性調にしたらそのまんま使えそうである。ケシゴム版画が挿入されていないことが不思議なくらいだ。いや、私には釜本の顔や、俊輔の顔の版画が行間の空白に滲み出て見える。

 私はこういうの大好きなので、ぜひ蓮実先生には亡きナンシーの代わりに「W杯の反省会」もやってほしい。(この対談は開会前のものなので)なぜあれほど「道頓堀」にこだわるのかとか、あれほど「俊輔落選」にブーイングしたのに、フタを開けてみたら快進撃で誰も俊輔のことなんて思い出しもしない冷酷さとか、「これは国家や民族について考えるいい機会だ」と言って就業中のテレビ観戦を推奨する某都知事とか、青いシャツ着て買い物に出かけちゃうおばちゃんとか、チケット騒動でも結局ガラス一枚割れただけだったとか、次々に出てくる「君って今は何やってるの?」な元サッカー選手について無責任に語れる人材が必要とされているのだ。

 というわけで久々に買ったユリイカで「ガハハハハ、蓮実センセー最高!」と思いっきり笑った。「サッカーは文化の敵である」とご自身が言うとおりに、徹底的に雑談した姿勢は偉い。これが狙ったのでなくて地だったらもっと偉いので、やはり毎日テレビを観まくって、ナンシーの代わりに文春で連載してほしいと思う。ナンシーも自分の死後の地位を東大総長(今も?)に奪われたと知ったら、突然死んだことを死ぬほど後悔するであろう。

 でも、もしかしたら、そもそも、ナンシー関が蓮実重彦のパロディをやっていたのだろうか?なんか外しどころと、当てどころがほとんど一緒のような気がするんですが・・・・・

 しかし、「ユリイカ」は1300円もするのに、他に読めるところがないとは、いかにもコストパフォーマンスが悪い。なんか、他のサッカー関連の文章は同人誌レベルなんだもん。内容のレベルは知らないが「読みにくさ」として。スポーツ雑誌のコラムのほうがよっぽど読める。「細川蹴平(サッカー愛好家)」って何よ?笑えないんだけど。笑うところじゃないのか?ああ、でも、昔からやってんのか



6月16日(日)

 大学生のころ、W杯を観ていた友人たちとこんな話をしていたのを憶えている。
 「グランドの周りにさあ(当時はピッチという用語などだれも知らなかった)、広告看板がずらりと並んでるじゃん。ほとんど有名企業なんだけど、何個か知らない名前がない?」
 「そうそう、私も気になってたんだよ〜、なんだっけ?あのフォレフォレとかポレポレとかいう変なのあるじゃん?」
 「やっぱりぃ?そうそう、ボラボラじゃなくて・・・・なんだったっけ?」
 「たぶん、現地では有名企業なんだろうねえ」
 「なんの会社なんだろう?」

 たぶん、86年メキシコ大会のことだと思われる。だから「中南米とか南米の有名企業なんだろう」ということになったが、あのころはその企業について手軽に調べる手段がなかったが、今だとインターネットがあるから簡単だ。

 しかし・・・・・なんて名前だったっけ?忘れちゃったよー。「pore pore」とか「pora pora」「 fira fira」などでやってみたがヒットせず。あ〜〜〜思い出せない! なんかたしかFかPがついたかわいらしい名前だったと思うのだが・・・・・うう、気になる。こういうくだらないことはよく憶えているのだが、記憶が正確ではないのであった。16年も前の話だしねえ。それともその後のイタリア大会のときだったかなあ?それでも12年前だし。

 などということを突然思い出したのは、今回の公式スポンサーにも「知らない名前」があったからである。しかもその自動車会社は「この車を知らないのは日本だけかもしれない」と親切にコマーシャルまで流してくれているので、「うん、知らなかったよ。教えてくれてありがとう」と思ったので、「とうとうわからなかったあのメキシコ大会のときの変な名前の会社」のことを思い出したのであった。

 ところでその「知らないのは日本人だけ」と宣伝する車であるが、これがまた変な名前で、最初そのCMを観たときには「なんだか、インドの都市みたいな名前だなあ」と思ったのであった。ヒュンダイ?どこの国の企業なんだろうかと調べてみようとしたが、開けないぞ!

 「インドの都市」というのは、ボンベイ→ムンバイ マドラス→チェンナイ に数年前名前が変わってしまったからである。私がインドに行った直前に変わっていたので、まだその名称に慣れていなくて、デリー→ボンベイ行きの特急電車に乗るときに一瞬焦った。「え?これ?行き先違うじゃん!なに?ムンバイってどこ?」
 その後、マドラスに向かうときにも、「さて、マドラスの天気でもチェックしておくか」と天気予報をテレビで観ていたら「あれ?そんな街ないぞ?あれ?でも大都市のはずなんだが・・・・」と一瞬悩んだ。
 そんなわけで、「インドの都市の名前がイギリス風から現地語に変わったんだよね。ボンベイ→ムンバイ マドラス→チェンナイ カルカッタ→ヒュンダイ に」と言ったら誰も違和感持たないと思いました。

 「足長おじさん」読了。
 「大人になって」から読んでみると、「ああ、このころは女性に選挙権がなかったんだ」というあたりが興味深い。さすが「大人読み」である。(ちなみにチョコエッグなどを一回に大量に購入することを「大人買い」と言うそうだが、先日W杯観戦のために仕事を終えてから新横浜まで新幹線で移動する予定の友達はそれを「大人移動」と言っていた)

 「足長おじさん」が出版されたのが1912年。アメリカで女性参政権が確立したのが1920年らしいので、作者が執筆していた最中はその運動もさぞかし盛んであったのだろう。シェークスピアも読んだことのない田舎の孤児院育ちの主人公が再三にわたって「女性にはなんで選挙権がないんでしょうね?」と発言するのはちょっと目立っていたので、作者の思い入れが感じられる。

 ジャーヴィス坊ちゃんはNY社交界の一員である。前に読んだ「エイジ・オブ・イノセンス」の主人公に近いマインドを持っているように思えた。「エイジ・オブ・イノセンス」の主人公の息子か孫くらいの代であろう。農園で伸び伸びと育ち、頭も良かった彼は、どうも社交界に馴染めなかったらしい。だが、育ちが良すぎて、そこから足抜けすることもできずに、慈善活動に身を入れることによって「ここではないどこか・・・・どこかって、どこ?」と精神的に彷徨っていて、「エイジ・オブ・イノセンス」の場合には主人公はその気持を「外国から出戻った伯爵夫人」にそれをぶつけるが、ジャーヴィス坊ちゃんは孤児院育ちの聡明な女の子にそれを見出す。

 そして、自分でもずっと思っていたのだが、抑制されすぎていて口に出来なかったようなことを外から来たジュディが軽やかに「NY社交界の典型的なお嬢様」である自分の姪(ジュディのルームメイト)の悪口を書くので(「ジュリアはなにもかも面白くないのです。ペンデルトン家の一門だというだけで、何の調べも受けずに天国へだって入れると思っている人ですからね」)腹を抱えて笑っているわけだ。そして自分の一族や、社交界の人々に対するジュディの痛烈な皮肉を「自分の気持の代弁者」ととらえて、そこにすがろうとするが、悲しいかな、自分も「みんなから浮いてはいる」けど「所詮、この世界で育った人間」なわけで、金で彼女を支配することしかできない。

 それが裏目に出ると、激しく悩むがどうしていいのかわからない。とにかく、なんとか会って彼女の関心を掴みたいし、それはどうやらかなり上手くいっているのだが、同時に彼女は親友の兄にも同じような好感を持っていることもわかっているので、がっかりしてしまう。そして、ライバルに先を越されてなるものかと、思い切ってプロポーズするのだが、彼女が断ったのでヤケクソになり、嵐の日に外を出歩いて(トレンディードラマの基本ですね)肺炎になって生死を彷徨う。
 そして、ジュディが「おじさま」に書いた手紙によって「ジャーヴィスさんからプロポーズされたけど、身分違いだし・・・・でも、あの方を愛しているのです」という真実を知って、やっとハッピーエンドなのだった。

 ああ、なんて弱っちいんだ、ジャーヴィス坊ちゃん!大金持ちでハンサムなのに「彼女がいないと僕は生きていけない」っつうのね。情けなくて涙がちょちょ切れてしまいました。

●セネガル-スウェーデン戦

 やった!私が楽しみにしてた延長Vゴール方式!
 ちょっとテレビ!わかってねーぞ!
 踊ってるセネガルはいいから、広いピッチに散乱するスウェーデン・チームの死骸にカメラを向けるべきである。黄色くて細長い物体が緑のピッチに干からびて死んだミミズみたいに横たわるその映像こそ観る価値のあるものではないか?見切れでちょこちょこと映っているが、ほんとにビクとも動いてない。

 あの瞬間、彼らにとってスタジアムは遠いところに行ってしまったはずだ。顔をうずめた芝生のチクチクとした感触と匂い。「ああ、芝生ってこんな匂いがしたんだ・・・・そういえば、庭の芝の手入れをしなくちゃなあ」とか思っているかもしれないが、何も考えていないのかもしれない。「このまま土に溶けてしまいたい」とか思うんですかね。とりあえず、「立ち上がる」ということを思い出すのには10秒くらいかかると思います。

 いやあ、それにしてもスウェーデン人は背が高いけど、立って走っていてもテレビではあまりよくわからないというか、「だから?」と思ってましたが、それが両手両足を目いっぱい伸ばして横たわっている画は最高に美しいですねえ。いやあ、感動しちゃいました。北欧男性の新たな魅力発見です。つうか、今まで北欧系はあまり趣味ではなくて、「北欧系は10代前半まで」と思っていたのですが(ちなみにアングロサクソン系は25歳が壁)、育った北欧系も「転ばせて顔面から突っ込ませる」とかなり使えることがわかりました。金持ちマダムになったら北欧系美青年集めて、庭の芝生で転ばせようっと。「ビヨルン、もっと顔から突っ込みなさい」「アンドレス、もっと足を伸ばすのよ!」とか、楽しそう〜〜

 とかバカなこと考えてないで、次の試合の準備よ!(ギネスの買出しです)

 買出し完了。遠くの酒屋まで行ってきて、アイリッシュ系を揃えてきました。

 

 さあ、早く飲み始めないと出遅れてしまう。アイルランド・サポーターはもうすでに出来上がっているはずだ。

 

 きょうみちゃんに貰った、ハーフパイント・グラスに注いでみました。泡の立ち方が缶だとイマイチですが気分は上々。

さあ!私はこんなに万全の体制で応援しているぞ!
がんばれアイルランド!

(ここで一旦アップしておこう。負けたらもう書く気しないかもしれないから)

●アイルランド-スペイン戦

 PK戦で負けちゃった。
 でも、いい試合でした。最後までわからなかったもん。あんなに盛り上がるPK戦も珍しいよ。
 楽しませてくれたアイルランドありがとう。

 はあ、明日はブラジル-ベルギーか。
 今回まだブラジルもまともに観ていないので楽しみ。赤い悪魔も少しはシャキっとしたかしら。明日はベルギー・ビールでも飲むかね。近所の西友はなにを血迷ったのかシメイを大量に仕入れてしまったのだ。昨日観たらまだ沢山あった。たぶん、日本-ベルギー戦で商売しようとしたと思われ。

 決勝戦まで私の肝臓は持つのだろうか。


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