可燃物な日々

過去の日記


6月30日

 昨日はMちゃんちで山形氏ご出演の番組を見ながら録画してもらうことにして、ショバ代としてバケットとハムとチーズとポテトサラダとワインを持参して、サンドイッチを作ってもらいながら、もう一つの目的である、Mちゃん秘蔵ビデオの「前にナイナイのゴチでなんとかという番組で料理を作るハギー」を観る。その番組私は全然観ていなかったのだが、注文した料理の値段を当てて、一番金額が遠い人が支払うという仕組み。
 
 そこで「エル・トゥーラ」(東京レストランガイドでは目茶苦茶書かれているが、私らはトラットリア・スペースしか入ったことないけど店員が知合いのせいもあってけっこうお気に入り)が登場していて、シェフのハギワラ氏がおもしろい(つうか実物を知っているだけに)ので一度観たかったのでこの機会に鑑賞会。

 出てくる料理の豪華さに「宝くじが当たったら、ぜったい食おう」と二人でうっとりしながら観ていたら10時になったので慌ててNHK教育に合わせる。
 山形先生の「評論家」という肩書きに「なんか竹村健一みたいだよね」とか思う。
 NINのTシャツが笑えるが、ピンクのバッジがなんなのかMちゃんちのおんぼろテレビ(類友でやはり清貧主義)ではわからず。

 すでにワインを半分空けてほろ酔い気分の私は「なんでこの人、右ななめに目がいってしまうのだ!」とテレビの山形氏に空しいツッコミを入れる。「右側に目がいくのは左脳を働かせているからだよ」とMちゃんが冷静にフォローを入れてくれるが納得できず。
 ちなみに毎回(?)彼女を付合わせているが、Mちゃんのアイドルはベルディの広永である。正統派体育会系趣味。よって私の山形はまりを適度な距離を持って見守ってくれているのである。

 結局、私が酔っ払っているせいなのかなんなのか、話の流れがよくわからず、多摩大の先生のカタカナ乱用にむかついているうちに終わってしまった。消費者主体のビジネスモデルって何よ?IT革命で、今までつまんない仕事していた従業員もばんばんアイデア出せて、中間管理職なんてなくなるう?悪いけど、私は単純作業の仕事好きなんで、くだらんビジネスモデル考える暇あったら他のことするわい!好きでやってんのよ単純知的労働!

 いまいち精彩を欠く山形氏に対しては、
 「きっとさあ、NHKに出るとママが安心するとか、余命いくばくかのバーサンが『浩生はテレビには出ないのかい?』と言ったとかで、仕方なく受けたんだよ。もしくは超美人のNHKのディレクターが直接オファーに来たとか・・・」
 と、無理矢理理由をつける。あたしホントに「山形リスペクター」なのかしら?

 しかし、いきなり山形氏が誰に似ているかわかった。イタリアンシェフのハギーだ。態度はふてぶてしいのに、声がわりとハイトーンで淡々と早口に話すかんじが同じ。ただハギーの方が目が据わっていてこわいのだが、目線がいまいち定まらない山形氏と交換したほうが双方にとって良いのではないかと思った。イタリア料理のシェフはあんなに目が据わっていてはいけない。

 つうわけで、その後「上野コリアン街のキムチ店」のビデオも見て、12時過ぎに帰宅。酔っ払ってたのでそのまま就寝。

 さあて、昨日の反響はどうなのかなあ?なんて、ちょっとわくわくしながら昼休みにいつものルートで回ったら、いつのまにかこんなの出来てたんですね。なんかとても盛り上がっていて、おねーさんちょっと遠い目になる。
 個人的には文章と本人のイメージがうまく統合できずに戸惑っているのだが、そんな私を取り残すかのように、書き込みがダーっとあって溜め息。
 
 とりあえず、それは私の現実ではないので傍観することにして、現実的なことを考えよう。(こんなことで動揺してどうする。どうしてこんなに繊細なのかしらん。なーんちゃって)

 ちょうどいいタイミングで、先日一緒に温泉に行った妹から、かなり現実的に姉をリスペクトするメールが届く。(リスペクターになるよりも、被リスペクトよねやっぱ)

> しかし、○○ちゃんの胸は相変わらずデカくて羨ましかったなぁ。
> 昔は、姉妹なんだから私もそのうち・・と密かに思っていたけど、
        ―中略―
> でも、せっかく痩せたんだから
> ピタピタのキャミとかタンクトップとか着れば良いのに。
> それにぴったりした長めの巻きスカートでもはけば絶対似合うよー。

 かなり機嫌よくなる。私の現物を見たことない人がこれを読んだら、かなりのナイスバディを想像するであろう。ただし、よく読んでみよう。「長めの巻きスカート」が意味するものは、下半身は太いということである。さすが私の妹。現実的なアドヴァイスである。

 さらに、大学時代からの腐れ縁の「ずっといい友達」S君からも、現実的なメールが・・・

> 焼肉行きませんか?
> Hさんも誘って。
> どうスかね。
> 来週末あたり。マジです

 前に来たメールで「出張で中国に行くことになりそうだが、初めての海外旅行が出張というのも悲しいのでソウルに焼き肉でも食いに行きたいと思っている」と書いてあったので「いーじゃん、いーじゃん」と返事書いたらすぐこれが来た。
 ソウル行きたいけど、来週?ううむ。なんて現実的なんだ。マジらしいぞ。しかもHさんというもの男なので、野郎二人とソウル焼き肉ツアーというのは果たして現実的なんだろうか?「ゆとりのないサラリーマン」S君と、「長期休暇がとれない地方公務員」H君では、どーせ1泊旅行だろうしなあ・・・前も北海道に誘われたが、1泊しかしないというのでパスしたのだが・・・

 先週挙式したM子さんが披露宴をしなかったので、友人で集まって「披露炎(変換ミスなのか、意図的なのか不明)をしよう。心労(新郎)をみんなでつつこう」という企画(単なるホームパーティ)が日曜日に厳かに催されるハズだったのだが、新婦が疲労でダウンしてしまったので延期。ちぇっ!なんかムシャクシャするから、広末大学(?)政経学部卒、総資産日本一銀行勤務の新郎いじって憂さを晴らそうと思ったのに・・・命拾いしたわね。

 ああ、なんか荒れ模様で6月が終わってしまった・・・・



6月28日

 予告通りにまた3時半まで長電話。(テレホーダイにしたほうがいいのか?)
 選挙後であったのでMちゃんの熱い総評をききつつも、ついつい反論しちゃったりするから長引く。Mちゃんの言うことが「議会制民主主義」を愛する人間としては正論なんだろうけど、その厳しいご意見についつい「だってえ、誰に入れていいかわかんないしー。それに、誰でもおんなじだしー」とあまり変わらない立場の私としては、ついついそういう「考えない日本人」をかばいだてするようなこと言っちゃうんで・・・

 そして、私を待ち受けていたのは、まさに「サザエさんのような一日の始まり」だったのである。

 目覚ましを止めた記憶は微かにあるのだが、はっと目が覚めて、「やばい!」と時計を見たら8時45分。いつもなら、もう家を出ている時間。
 しかし、がんばって9時10分台の電車に乗ればぎりぎり間に合うと、「休んじゃえばあ?」と邪悪に語り掛けるもう一人の自分を必死に押え込んで、とにもかくにも着替えて歯を磨きコンタクトレンズ入れて、顔にパウダーはたいただけで飛び出そうとしたら、ふと玄関に積んであるゴミが目に留まる。先週出しそこなった「不燃物ゴミ」が二袋鎮座ましましている。

 「これを出す時間はある」と、とっさに判断して、外に出るがアパートの前の集積所は収集時間がやや早いので、通り道の角を曲がったところの集積所を目指すが、そこもすでにゴミの山はない。さらに進んで次の角を曲がるとルートが違うのかいつも遅くまで積んである集積所があるので、そこまで走るとなんとそこもきれいに片付いている。「え?なんで?」と走りながら頭はパニック状態。そして雷が落ちるように閃いた。(ゆりいか!)

 今日は水曜日だった!

 不燃ゴミの集収日は木曜日でした。たまにそういう勘違いをして、慌てて部屋に戻ることもあるが、何せそんな時間もない。幸いゴミはスーパー袋二袋なので、とにかくこれを持ったまま駅へ走ろう。商店街はまた集収日が違うし、たしか毎日収集していたような気もするから、とにかく駅へ急ぐのだ!と、走り出したときに、何かが後ろからぱさりと落ちた。
 なんだろう、リュックが空いて何か落ちたかと振り向くと・・・・

 ぎえええ!こ、これは、わたしのパンツやないか!

 かなり気が動転したが、理由はすぐに思い当たった。リュックが昨日取り込んだ洗濯物の上に置いてあったのだ。リュックを肩にかけるときに慌てていたのでパンツが引っ掛かっていたらしい。危うくパンツぶら下げたまま、人通りの多い茶沢通りを爆走するところだった。あんなところでパンツ落として、後ろを歩いている人に拾われたりしたら・・・・・

 とにかくパンツをリュックの中に押し込み、ゴミ袋抱えてひた走る。
 期待していた商店街もすでにゴミの収集は済んでいて、さあこのゴミどうしよう、どっかに置いちゃおうかなと悩むが、こういうときに「やっぱりワルになれないいいこちゃんな自分」が憎らしい。自分の家や店の前に、ゴミが置かれていたら、そうとう嫌な気分になるだろう。「まったく、こんなことする人がいるんだねえ。信じられないよ」なんて言われるのだろう。
 「ああ、ごめんなさい、ごめんなさい。これから集収日を無視して放置されているゴミを見たら、やはりわたしのように、自らの愚かさが招いたこととはいえ、やむにやまれぬ事情があったのだろうと暖かく見守りますから、どなたかこのゴミを引き受けてください」と必死にいい訳を考えるが、やはりその辺に投げ捨てる勇気がなく、「もう、こうなったら駅のゴミ箱に捨てるしかないか。でも、こんなの持ってたら、改札で呼び止められたりしないのか?」と。ますます気が小さくなっていたところにコンビニ発見。「あそこならよく利用しているし、今まで購入したものはこのくらいの量では済まないはずだ!」と納得できる理由が見つかったので、それでも気弱に一袋だけ投げ込みそのままダッシュ!(偶然見掛けたかたはさぞかし怪しまれたことであろう)

 三茶の駅に飛び込んだが、さすがに改札付近のごみ箱に投げ込むのは気が引けて、そのままホームへ。そうか、ホームにはごみ箱ないんだよな。仕方なく、「これはゴミじゃなくて、何か大事なものが入っているのよ」と無意味な演技を己に課しつつ車内に入る。
 鷺沼で普通電車に乗りかえるときに、やっとゴミ箱に遭遇し、やっとゴミから開放された。やれやれ。良い子のみんなは真似しちゃだめですよ。
 そこで、手早く化粧を済ませ(こういう非常事態に備えて、わたしは常に薄化粧を心がけている。マユをさっと描いて、口紅塗れば終了。)、やっと一息。しかし、あざみ野で市営地下鉄はタッチの差で行ってしまい、次の電車は10分後。会社に着いたら10時8分でした。

 パンツぶら下げて走ったのに全ては無駄だった。

 勤務時間は30分刻みなんで、6時半までいればいいだけなんですが、やはり遅刻が多いのは心証悪いんで・・・契約社員(つうか無所属派遣社員)はつらいっす。今月もあと2日。これ以上タイムカードを荒らさないように、生活態度を改めよう。

 今日は昼休みに区民税前期分18500円と滞納していた所得税6500円を耳をそろえて支払った。国は借金だらけかもしれないが、わたしは国に借金はないぞ。ざまあみやがれ。だてにパンツぶら下げてないぞ。(パンツぶら下げていた自分を実はかなり気に入っている)



6月27日

 三宅島のニュースをぼんやり見ていたら、あやうく遅刻しそうになる。ぎりぎりに会社に飛び込んで、さあタイムカードを押さなくてはと思ったら電話。得意先より振り込み先の確認。なんかごちゃごちゃ言っていたが、なんとか納得してもらって、さあタイムカード!と思ったら、また電話。上司が遅くなりそうなので、書類を用意しておいてくれとかなんとかで、引き出し開けて探したりして、よしOK、さあタイムカード!うおお、涙の10時1分。もちろんあとで上司にハンコもらって訂正していただきました。こういう日も珍しい。(いつもあまり電話は鳴らない)

 ニュースが三宅島一色になってしまったが、そういえば投票率は低かったようで、妹が不在者投票したというのに驚いたので、てっきり史上最高とかになるのだとばかり思っていたのだが、天気も悪かったみたいだし、給料日後だしねえ。そんなもんなのか。なんか結果も中途半端であんましおもしろくない。扇ちかげ(漢字わかんない。千景かな?)がIT大臣とかいうのに苦笑。もっといいポストないのかなあ。どうせ誰がなっても失笑ものだろうけど。
 ところで選挙運動のお手伝いをしていたらしいB君はどうしただろう?

 最近、友人がスターバックスに潜入(つうかバイト?)しているのだが、それで初めて知ったが、チャイがあるらしいのだ。しかも、なんとミルクは別売りだという事実を知って、インド旅行経験者でエスニック料理に情熱を注ぐわたくしとしては衝撃を受ける。それこそインド人もびっくりだ。
ちなみにインドでは「ブラック・ティー」と言わないと、ミルク抜きの紅茶は飲めません。

 リウイチ氏の裏日本工業新聞で、山形浩生NHK出演予告が・・・木曜日かあ。スポーツクラブはパスだにゃ。
 よく女友達には「ところで、その人ってカッコイイの?」と聞かれるのですが、本当に気になる方は是非ごらんになってご自分の目でお確かめください。ただ、金城武やキアヌ・リーブスやレオン・ライなどと比べられても困ります。そのラインに並べてもいいという方は今度一緒に追っかけましょう。(笑)
 それにしても、どうもここ数年は情報収集を他人まかせにする癖がついていて、だめだなあ。クラブ情報も人からの情報頼りだし、映画も友達の感想聞いてからどうしよっかなあという感じで、かつての勢いはないが、まあそれでも他人から勧められたり、誘われたりすると、割と腰は軽いので、財布が軽いのも難なのだが、なるべく出掛けるようにしてますんで、どしどし誘ってね。(行きたくないもんは行かないと言うけどね)

 とりあえず、正しいファン(?)としては、ビデオ録画しないといけないだろうか。ビデオ壊れたまま放置されて、特に必要もなかったので買う予定もないのだが、どうしようか。やはりここは、ご近所Mちゃんにお願いしようか。(サッカーの試合が無ければ大丈夫なはず)
 でも、電話かけるとまた長電話になりそうでコワイ・・・・



6月26日

 長野はあまり雨が降らなかった。誰の行いがよかったのだろうか。老人ホームに祖母を訪ねるという行為自体が評価されたのか?
 
 新幹線に乗ること事体が、高校の修学旅行以来。当然、東海道新幹線以外は初めてという、国内旅行に縁が無い人間なのであるが、長野は近いのね。あっという間でした。成田より近いよ、きょうみさん。(きょうみさん宅までドアツードアで3時間くらいかかる)
 10時のあさま3号(長野までノンストップ)で11時半には長野着。駅前の東急で酒の買い出しなどをしてから野沢温泉行きの急行バスで約1時間後に中村宿という町に到着。そこからハイヤー(田舎ではタクシーとは言わないのね)で馬曲温泉へ。妹が学生時代の夏合宿で行ったことのあるいわゆる「立ち寄り温泉」なのだが、最近宿泊施設もできたようで、行ってみるとたしかにこじんまりしたかんじでなかなかいいところ。
 宿泊施設も村営だかで、長期滞在用らしく、8畳間と台所があって、食事は付かないけど一人3000円という安さがいいし、フロントにおじさん一人がいるだけで、チェックインを済ませたらもうほったらかしにしてくれるので、手入れの行き届いた貸し別荘という風情で私には快適。
 温泉までは200メートルくらい歩くのだが、あまり苦にもならない。入浴料300円で宿泊施設を利用すれば、1回その料金を払えば何回入ってもいいので温泉旅館と同じ。露天と屋内風呂があったが、結局露天しか入らなかった。湯質は色の匂いもなくて、肌の弱い妹にはお湯負けしなくていいようだ。
 谷間の斜面にある露天風呂なので、山と谷と向こうのスキー場が見下ろせて、天気がよければ遠くの稜線も望めるようだが、曇りのためそこまで視界は開けなかったが、なんとなく見飽きない風景にくつろげる。最近は観光バスも立ち寄るようで、けっこう混んでるときもあったし、夜は近隣に住む人が銭湯代わりに利用するようなところで「秘境温泉」ではないものの、気楽なかんじがよかった。
 夜は持ち込んだ地ビールに、近所の直売所で買ったアスパラやエリンギを焼いて、地元で作っている辛い味噌つけて食べたりしたらもの凄くおいしくて、ぐっすり眠れた。6時にぱっちり目が覚めて、母や妹を叩き起こして朝風呂に向かう。
 ひと風呂あびて少し休んで、帰り支度をしてから、温泉の休憩所で出している大盛りの手打ちそばなぞを食べてから、またハイヤーを呼んで山を下り、今度は飯田から電車で長野。途中何度か見えた千曲川は一昨日の豪雨のせいでまだ濁流。茶色に濁った水が岸を覆うように流れていて、まるで南米の河のよう。
 
 2時過ぎには長野着。そこから、長野電鉄という、なんだか懐かしいかんじの私鉄(自動改札じゃないのよ)で15分。桐原という駅。父が書いた地図が簡単すぎて、駅から徒歩2分というのに迷ってしまい、人に聞いたらすぐわかった。
 元産婦人科の病院を個人が運営して老人ホームにしているらしい、受付にも人なんかいないので、ずかずか入っていったら、ちょうどおやつの時間だったようで、ロビーにたくさんの老人がいてびびる。どれがうちのばーちゃんだー。わかんなかったらどうしよー。と私が先陣を切ってうろうろしてたら、発見。「おばーちゃーん!」と声かけたって、みんなおばーちゃんなんだよな。ははは。
 名前呼んだら、自分のことだと分かったようだが、何せ予告なしで行ってるし、白内障が進行していてよく見えていないので、きょとんとしている。母が「わたしよー。○子ですよ」と言ったら「あら、○子ちゃん?」とやっと事態を把握してくれた。

 歩くのには時間がかかるが、自分で歩けるし、なによりも話しがちゃんとしているのに驚く。ぜんぜんボケてないよ。ほとんど外にも出ず、周りは話し相手もいないみたいで、(たしかにまともに話せそうな人は少なかった)ベッドと食堂の往復だけの狭い世界で何年も暮らしているのに、大丈夫な人は大丈夫なのね。
 母と祖母(やはり数年ぶりに合うはず)の会話が相変わらずなのが、可笑しいやら悲しいやらで、なんだか泣けてしまった。
 1時間くらい喋っていたのだが、祖母が目以外は元気なのがわかって安心したし、とても喜んでくれたのも嬉しかったので、「来てよかったね」というかんじ。
 「今夜は興奮して眠れそうもないわ」
 「いーじゃん。一日くらい眠れなくたって。いつだって寝れるんだから」
 「そーなのよー」
 母がおせっかいにも「みやのも老けたのよ」とかいうから「見えないんだから、余計なこと言わないでよ」と反発。
 おかしかったのは、居心地悪げに座っている妹の同居人を母が「もう何年も一緒に暮らしているのよ」と紹介したら、
 「ああら、仲良くていいじゃない」
 だって。母方の祖母は「結婚もしないで、変なのよ」とか言うのだが、父方のばーさんはあんまりそいうのは気にしないようで、ううむ、やはり私はこっち似かなとも思う。あんまり他人事には関心のない人なのだ。

 母がまた「東京に遊びにくれば」と言うのだが、もう外出めんどくさいみたいで、なんだかんだいうのだが、帰りに玄関まで送ってくれて「下の階に降りるのも久しぶり」なんて言っていたが、あれだけ階段上り下りができるのならどこにだって行けるのにと思うが、本人に気力や好奇心がないので仕方ない。でも、それでもおっくうな階段を降りた事自体が、やはり周りが働きかければある程度動くのだなと、もっとかまってあげられないことを反省するが、まあそれは彼女の人生なわけだし・・・・

 帰り際に「私はおばあちゃん似だって言われるからさ。おばあちゃんが、頭もぼけなくて、ちゃんと自分で歩けると、自分もきっと大丈夫だって安心するからがんばってよ」と言っておいた。
 現時点で、最もばーさん似と言われているのは無職が長い妹であるが。ばーさんはあの年代の人にはめずらしく、超なまけものなのであった。世が世なら立派な引き篭りになっていたことであろう。私もその気があるので必死でかばってしまうが・・・

 どっちかというと母方系の弟は今度ついにツールドフランスに挑むらしい。(参加するんじゃなくて、見にいくだけですが)

 帰りはお弁当持ちこんで、東京に向かう。長野ではとうとうまともに傘ささなくて、たまに日が射すので「天気悪いと思って、雨具は持ってきたが紫外線対策がない」なんでぼやいていたのに、軽井沢あたりから曇天。東京に着いたら7時だったが、みな傘を持っていた。
 早起きしたせいもあるし、車内では久々の電車の旅に興奮して景色みるのに夢中でほとんど寝ていないので、帰るとすぐ眠くなり9時には就寝。ふと電話の音で目が覚める。電話機の目覚まし機能が鳴ったのかと思い、もう起きなくてはいけないのかと悲しい気持ちで受話器を上げた。(そうすると鳴り止む)いつもなら「午前7時です」との音声がなるのに、何も反応がないので変だなあと思って、受話器を耳に持ってきたら、なんか音楽が鳴っている。例のソウルおやじだ!と気が付く。お店から携帯で電話しているのだ、こっちが無言なので向こうも無言。でもこっちも朦朧としているので、そのまま切っちゃった。だから日曜はだめだって!いったい何時だったんだろう?
 おやじを紹介してくれたAさんには「なんか毎週電話あるんですけど」とぼやいたら、やはりそういう人のようで特に私が気に入られているようでもないらしいので、適当にあしらうことにしていたが、無言でガチャンはちょっと悪かったかしら。

 そういえば、温泉でも、見知らぬジモティなじいさんに時間を聞かれ、快く教えてあげたらどうもナンパだったらしく(ナンパの仕方は世代を超えているのだなと妙に納得)あれこれ話してくるのだが、「どこから来たの?」「東京です」「べっぴんさんだから、新潟からだと思ったよ。新潟は美人が多いから」とか言わたのだが、その他のことが何を言っているのだかさっぱりわからず、ひょっとしたらボケボケなのかもしれないが、だとすると、私のことを美人だと思っているらしいこともボケのなすわざだと思うのもちょっと惜しいのだが、うーむ難しいところだ。
 じいさんと悪い虫(文字どおり。蚊などには大人気である。若い子が側にいても私が狙い撃ちされる)は人気があるのであった。

 今日も仕事帰り、また例の靴屋で懲りずにサンダルを物色。もうこれでいいやというのが見つかったので、店員に差し出した。店員は若いにーちゃん。なんか包みながら話し掛けて来て「これ大人気商品で、もうLとSは一つしか残ってなかったんですよ」とか言うので、物色疲れでちょっと心が飛んでいたのだが、せっかく話し掛けてくれたので返事しなくちゃと「履きやすかったし、見た目よりも軽かったんで」とか応えていたら「メンバーズカードお作りしましょうか?」というので単なるポイントスタンプカードみたいだったから「お願いします」と言ったら。レシートと一緒にそのカードも渡してくれたのだが、私は勝手に住所氏名かなんかを記入するものとばかり思っていたので、店員が差し出したカードを見てキョトンとしていたら、なんか笑われてしまった。そんな笑うほど変でした?
 なんか頭がぼんやりしていたのだが、帰り道、なんで彼はあんな可笑しそうだったのかと気になって仕方なかった。スカートのファスナー確認しちゃったよ。相手がもうちょっと年いってたら「ふふ、私のことがちょっと気になったのね」と勘違いしたいところだったが、どう見ても20歳そこそこのニーチャンに笑われるようなこと私しましたか?あのサンダルが年相応じゃなかったのかなあ?とか余計なことが気になる。

 疲れているようなので、今日も早く寝よう。



6月23日

 おとといはなんか、変な夢を見て、何度も目が覚めてしまったようで、もしかするとそれすらも夢かもしれないが、とにかくあまり熟睡できなかったような・・・
 昨日は早く家に帰って、「長野に行く前に夢の続きをアップしておこう」と張り切っていたら電話。例のレストランの方だった。「みやのさん予約入っていませんが・・・」しくしく、だって行きたいけど行けないんだもん。でもそんな営業電話かけてんのね。一応、友達の友達の友達なのでいいんですけど。でも、私は行けないがMちゃん行くっていってたはずなのに、さてはヤツはまただらけているなと思い、念のため電話してみたら「あー、今日あたりそろそろ予約しなくちゃと思ってたんだけどさー」で始まり、結局また「日本人論」みたいな話で激論になり朝5時。
 
 起きたら9時半でした。休もうかなあと思ったが、今日送らなくてはならない請求書があることを思い出し、11時に会社に着く。
 5時までとても暇だったので、眠くなって困るなあと思っていたら、いきなり忙しくなり、結局8時半まで働くはめに。残業なんて「3ヶ月に1時間」くらいしかないのに、なぜこういう日だったりする?おかげで、夕方ちょっと仕事のやり方の提案に来た営業の人が「ひょっとして、ぼくのせいなんでしょうか?」と心配していたくらいだ。いいのよ、残業くらい。あたしはちゃんと手当てもらえるし。この金で何が買えるか、というより、何が食えるか。アフリカ料理屋でチェニジアワインとか開けられる。2500円くらいだろう。

 つうわけで、明日も早起き。「あさま3号」で旅立つ私。母と妹と妹の同居人とで、家族団らん、ばーさまは元気かな?
 土日は不在なので悪しからず。



6月21日

 昨晩は、今週末の友人の結婚式(半地味婚なので、挙式と親族の食事会のみらしい)に参列できなくなったので、電話で冷やかしておこうと思い、11時過ぎに電話したところ、結局3時過ぎまで話し込んでしまった。おかげさまで今日は眠いです。スポーツクラブのヒップホップの日だったが、寝不足で行っても怪我しそうだしパスした。

 それにしても、その友人の結婚によって、中学・高校時代の地元友人では私がやっぱ最後まで残ったようだ。そういう予感はあったけど、そういうと「そんなこと言う人に限って一番最初に結婚しちゃったりするんだよ」などと言われていたのだが、ほーらごらん。って威張ってどうする。でも私って昔から自己分析に長けていたのかなあ。それとも、「できないことは言わない」という理念を無意識に実現したのであろうか。

 というわけで、育ちの地である千葉方面はかたづいたが、東京の友人どもは全然結婚しないにゃあ。類は友を呼ぶ。ですね。去年一人だけ結婚したか。自慢じゃないけど、私の女友達はみな外見はまあまあのレベルだと思うのですが。(よく男性の間では、そういって女性が連れてくる女友達はたいていブスだという定説が浸透しているようですが・・・)そもそも、女性にありがち(といわれているらしい)な、周りを自分より見劣りのするので固めておこうという発想はないし。大学生のころとかは、華やかな女王様タイプとつるんでいて、そうしているとけっこう美味しい思いができることに気がつき(すいませんねえ、皆さん。私までご馳走になっちゃって。)私には分不相応にちやほやされたりするので(女友達の不興をかうとマイナスポイントだということをみなさんよくわかってらした)そんなに気分悪くなかった。しかも、絶対的に面食いなので、女友達といえどもやはり顔で選んでいるのかもしれない(笑)。

 今日もハナマサで500グラム98円の激安パスタを買いながら考えた。
 どうしてこんなに食材を買うのは大好きなのに、なんで服とかカバンとか靴を買うのがあんなに苦痛なんだろう。最近はよほどのことがないとデパートなんかには行かない。年に数回発作的に服飾品に欲望を感じるけど、やはり自称「世界一買い物の嫌いな女」である。今までの自己分析によると「ケチだから」という理由が挙がっていたが、昨日サンダル購入に敗北したときになにかわかったような気がして、それが今日パスタ買うときにひらめいた。
 
 服は体型が標準サイズじゃないので、試着しても着れないものが多くて嫌になる。ボタンがはまらなくて悲しい気分になっているところに、店員が試着室の外から「いかがですかー」なんて声かけてくるとそのまま溶けて消えてしまいたくなる。
 靴も足がぶさいくなので、なかなか合う靴がないので、デザインだけで選ぶことができないし、デパートなんかだといちいちサイズの靴を出してもらうのが面倒くさい。しかも、あれこれ出してもらっていると自分の周りに大量の靴が転がっていて結界を作ったりするので「やっぱいいです」と、とんずらしにくくなり冷や汗が出てくる。
 カバンはどうしても両手が空いていないとだめなので、リュックしか持てない。あとは冠婚葬祭用のハンドバッグが一つあればOK。

 というわけで、どうも服飾品とは相性が悪いらしい。しかし、それが食材となると、好き嫌いはないし、胃腸は丈夫だし、その気になればけっこう量もいけるので、「買い物心」がそちらに集中してしまうのも納得だ。
 
 あ、あと美容院も嫌い。だって「どうしますか?」っていわれたって、このくせ毛で何ができるっていうんじゃー!!!と叫びたくなる。ストレートパーマは時間かかるわ金もかかるわで、なかなか大変。
 あと化粧しがいの無い顔でもある。前にどうしてもつけまつげがしたくなり、買ってみたのだが、どこに貼り付けていいのかわからず、「きっとこういうのって、私みたいな一重まぶたには向かないんだ」と友人に嘆いたところ「そんなはずはない」と言うので、友人と一緒に再度挑戦してみたら、友人が「あれ?おかしいな・・・・」と納得してしまった。

 爪だけはわりと形が気に入っているので、マニキュアは塗る。でも、前に某化粧品会社で派遣で働いていた友人が内緒で見本品たくさんくれたし、他の友人も誕生日プレゼントでくれたりしたので、ここ2年ばかり買ってないな。口紅なんて3年くらい買っていない。あと3年くらい買わなくても済みそうだが「賞味期限」はあるのだろうか?

 なんだか不幸自慢なのかなんなのかだらだら書いてしまったが、今週末のイタリアンレストランのパーティーに行けず残念。先月の貝づくしは最高だったが、今月のテーマはなんと「マグロとカツオ」なのだ。洋食のお魚料理はなかなか食べる機会がないので、すっごーーーーく残念。

 花より団子。



6月20日

 はあ、ルビー・チューズデイも淡々と過ぎる。
 帰りに駅前の靴屋が改装セール中なので、そろそろサンダルのひとつも欲しいなあと思い店内をうろつく。やはり女と生まれたからには、華奢なサンダルの一つも履きたいところだが、やはりなかなか私の24.5センチEEEのだんびろの足を優しく包んでくれて、しかもデカ足を小鹿のような可愛らしい足にごまかしてくれるような都合のよいサンダルには出会えず。デザインが気に入れば、きつくて入らないし(シンデレラのお姉さんの気持ち満喫。これでは王子様には選ばれない。足切っちゃおうかなあ・・・・)サイズがぴったりのものはなんか野暮ったくて、だったらこんなもん履くかよ、ビルケンシュトックでも履いてるよ、と嘆くことひとしきり。あきらめました。

 なんか気持ちが納まらないので、ひいきの輸入食材店で切れていたコーヒーを買うついでに「サンダル買わなかったんだから、代わりにこの1600円の高級バルサミコ酢買っちゃおうかな」としばし考えるが、そんなもん買ってしまったら、また料理にはまり、といっても素晴らしいものを作るのではなくて「バルサミコ酢で味付けする野菜いため」とか「カレーにたらすバルサミコ酢」とか「インスタントラーメンにも合いそうだ」なんてことになり、また体重を増やしそうなので、買わないことにしておいた。

 昨日買った、トマトとオリーブの実のパスタソースとやはり安売りだったサルサソースをペンネに和えたら、なかなか爽やかな辛さで「ペンネ・アラビアータのサルサ風」と勝手にめいめいし、辛くて簡単な「気合料理」を作らせるとなんて才能があるのだろうと自賛する。

 昨今は輸入食材も各国のものが揃っていて、種類も多いし、まめにチェックするとディスカウントストアなどで、えらく安価だったりするので料理の腕がなくても、いろいろな味にチャレンジできる。(だってパスタ茹でてからめるだけだし)

 Mちゃん土産のマレーシアの「骨肉茶バクテー」の素も、以前派遣で知合ったサッカーの追っかけの人に買ってきてもらい、その不思議なスパイス味が気に入っていたのだが、またマトンでトライしてみよっと。でもあれで料理(つうか単に肉をぶちこんで煮るだけ)すると1キロの肉塊を2日とかでペロリと食べてしまうのが難。

 あ、書いてたらCちゃんから電話。「明日どーするー」って何があるのかと思いきや、また鳥肌の公演があるのね。うちにはなんでDM送ってくれないんじゃい。7月の野音かあ、あれからもう一年経つのね。あんときは何も知らずにただの「ピンのお笑い芸人」という情報だけで連れて行かれたからなあ。Cちゃん鳥肌実にインタビューしたけど、思うような記事にさせてもらえなかったようで・・・愚痴きいた。



6月19日

 楽しい週末のあとは深いため息と共にブルーマンデーbyニューオーダー。
 
 幽霊が怖いけど、幽霊にも宇宙人にも遭遇したことはない。霊感の無さには自信があるので、多分交通事故にでも遭って体質が変わらない限りは幽霊観ることもないのでしょう。
 金縛りは3度ほど体験しているが、そのうちの一回がなんと海外。それもまだ景気悪いころのうらぶれたマンチェスターの小汚いB&Bでのことだった。最初、何かやな雰囲気がして、てっきり泥棒でも入ったのかと凍りついたら体に圧迫感。こんな冴えないところで殺されるのかレイプされるのか両方なのかと恐怖に脅えていたら、あ!これは金縛りだ!と気がつき、だからといってほっとすることもできず、いきなり般若心経を唱えた。(とっさに思い付いたのがそれだった)かといっても暗唱できるものでもなくて、「はんにゃあはーらーみたーじ しきそくぜくう くうそくぜーしき」を数回リフレイン(動けませんので頭の中で)したあとはいきなり終盤の「ぎゃーてーぎゃーてーはーらーぎゃーてーはらそーぎゃーてーぼじそーわーかー」をまた数回繰り返すが、そんなもんでは体が自由にはならず、必死になにかマントラなものを唱えなくてはといってもパニック状態の悲しさで「ぎおんじょーじゃのかねのこえ」とか「はるはあけぼのよーよーしろくなりゆくやまぎわ」とか中学生のころ暗記させられたものしか出てこなくて、そんなんじゃ妖魔退散できないじゃんと悲しみつつもあきらめずに「おんまゆりきていそわか」とか「おんまはまは」とかなんか漫画で読んだようなものを唱え、漫画といえば「エロイカより愛をこめて」で第七の封印がとかれると、空に鷹がまって「ああ災いだ、災いだ」とか言っていたような・・・だめだ、だめだ、魔除けにはならない、あと憶えている聖書の言葉は・・・ええと・・・「天にまします我らの父よ、願わくは」ちがーう、それじゃあ日曜学校じゃ、「幸いなるかな貧しきものたちよ、天国はなんじらのものである」ううむ、なんか迫力ないなあ、「エクソシスト」の神父さんはどんな呪文を唱えていたのだらうか、こういう非常事態のために「よく効くラテン語」のひとつも憶えておくのであったと己の無学を深く後悔したりして、なんじゃかんじゃ試行錯誤していたら、そんな私に愛想を尽かしたのか、でたらめな呪文のどれかが功を奏したのか、ふっと呪縛が消えた。

 こういう体験する人はけっこう多いと思うんですが(疲れると金縛りに遭いやすいという説もあるし)、「よく効く世界の呪文」とかの本ってないんですかね。売れそうだけど。その国の挨拶も重要だが、その国で幽霊に遭ってしまった場合の的確な対処の仕方も知りたい。とくに「ここは絶対に何か出る」という古城ホテルとかに宿泊してしまった場合とかに枕元に置いておくだけで安心できそうだ。

 そういえば、今日もぼんやりと「山形さんは・・・」とついつい考えてしまい、なにげに牛のごとく7つの胃袋でゆっくり反芻する物持ちのよい私なのであったが、一つわかったのが(牛のような頭の回転でもあるので結論出すのに2日もかかる)、今年になって雑誌とかに載った写真がいまいち統一性がなく「なんでこんなに顔が違うのだろうか」と不思議に思っていたのだが、実物を拝見してなるほどと思った。
 なんか顔つきが刻々と変わる人なのである。表情豊かとも言えるけど、なんかちょっと違うような。あんまりああいう人を他に思いつかないのだが、普通の日本人は欧米人にくらべると無表情なのでもっと顔が安定しているし、かといっていわゆるアメリカ人的な表情の作り方がどうのってかんじでもなくて、なんか微かに移ろうのである。なんだったんだろう。カメラマンもあれじゃあどの顔をとらえていいのやら困るよな。私も、どの顔を標準として記憶しておけばいいのか悩むもん。最終的に脳裏に刻み込まれるの服装だけだったりして・・・だからピアス打ってたりして(極論!)
 思い付きで言ってしまえば、表情と感情に時差があるようなかんじがした。そんな変なものだというわけではないし、別にたいしてどうのというほどのことでもないんだけど、なんだったんだろう。それとも単に私の思い込みかしらん。「山形さんはきっと普通の人と違うはずよ!」な(笑)そっちの可能性のほうが高し。
 でもなんかああいう表情パターンの人に会ったことあるような微かな記憶が・・・誰だ?思い出せん。2週間くらいかかるかも。牛だから。



6月18日

 さすがに疲れていて、昼過ぎまで起き上がれず。キリンカップの前半をぼんやり眺めるが、集中できなくていつ中村が替えられたのかもわからず。後半始まったくらいで家を出て、近所の区役所支所で不在者投票をする。入り口にNHKの腕章をつけた男性が立っていたのでなんなんだろう、取材なのかなあ、など思いつつ投票を済ませ、外に出たらその男性に話し掛けられた。これがいわゆる「出口調査」ってやつなんですね。本当にやってたんだ。いや別に疑ってたわけじゃないけど。
 別にどこに投票したのか教える義理もないが、なんか「わーい、出口調査だあ!」と嬉しくなってしまったのと、その男性が同じ年くらいの(もっと若いのかもしれないけど)気の弱そうな感じのニーチャンだったのでホイホイ教えてあげた。
 前回の投票まで聞かれたが、そんなの憶えてないよ。だいたいいつでしたっけ?なんて聞いたら、なんじゃか説明してくれて、どうもこの人バイトとかではない様子。その後、どうしてその政党にしたのかとかいろいろ聞かれたので、ちゃんと正直に対応してやった。「どうせどの政党を選んでも、選挙後に勝手に融合したりするからどうでもいいんですよ」と言ったら「はははは、その通りなんですけどねえ」と笑ってくれたので、なかなかNHKのやついいじゃんと思った。(あたくしはきちんと受信料も納めているのよ)

 今日の目標「映画を観る」というわけで、三軒茶屋の映画館へ。晴れてるからみんな外に出掛けただろうと思いきや、さすがにヒット作なのか館内ほぼ満員。なぜかスポーツクラブで見かける人を2名も発見してしまった。

 「シックス・センス」は友人に「からくりが『ファイトクラブ』と似ている」と聞いていたので、「僕は死んだ人が見えるんだ」というセリフでタネがわかった。変だとはその前に気がついていたけどね。(親となんで話しをしないんだろうとか)なかなか良くできた映画なんだろうけど、やっぱ幽霊が怖い。こんなの観たら、夜中にトイレ行けないよー。この少年みたいに「ママと一緒に寝たい」とか甘える人もいないし。やはり自分は恐怖映画は観れないということを再認識する。あの程度で「ううう、また怖いの出てきそうだから、目つぶっちゃおうかなあ」なんて思っているようじゃだめだ。あんな怖いものをしょっちゅう観てしまう少年の境遇に深く同情してしまいました。
 あと、舞台がフィラデルフィアだったので、一回しか行ったことなくて、しかもNYから日帰りで行っただけなのに(「ロッキー」がトレーニングしていたので有名なフィラデルフィア美術館がお目当て。どうしても死ぬ前にデュシャンの遺作を拝見したかったのだ。遺作の前を素通りしていたアメリカ人に「ここを覗くのよ」と身振りで教えてあげて「ワオ!」とか言ってもらったいい思い出のある土地である)わあ、懐かしいなど感慨にふける。

 「ボーン・コレクター」はサイコキラーものなので、こっちは悲惨な死体がたくさんご登場になって、やはり「目つぶっちゃおうかなあ」と弱気になる。なんかあまり現実味のない話で、捜査のしかたもこんなんでいいのかとツッコミいれたくなるが、顔だけで演技するデンゼル君はさすがで「こんなに頭よくて、傲慢で、でもユーモアのセンスあって、しかもハンサムだったら、やっぱちょっと一緒にいたいなあなんて思うわよね」とそこだけは妙に現実味があり納得した。
 こちらはNYが舞台なので、1週間しか滞在しなかったのに、わあ懐かしいなあと、またまた感慨にふける。

 つうわけで、ハリウッドな作品2本立ては「いい暇つぶし」にはなりました。終わり。

 今週末はなんだか家にいる時間がとても短かったので、長く感じた。とりあえず、予定はすべてこなしたし、思っていた以上の成果もあったのでよかったね。けっこう散財してしまったが。明日からまた地味に働くのであった。



6月17日

 やはり会ったとたんにカオス王子は炸裂していた。「一年まえくらいは、日本は平和だと言っていたんだけど、自分がそういう発言をしていたことは黙っていてほしい」???「私ちょっと話が見えないんですけど・・・」と私が言うと、MZちゃんもやはりわからないみたいなので、あいかわらずのT君節のようであった。(この発言だけ聞くと、なんだか精神分裂病のようだが、彼は彼なりに頭の中で筋道が立っているようだけど、その過程をすっ飛ばして人に話すので毎回この調子なんだ)絵を描く人の思考回路は謎である。でも面白いからけっこう私は楽しんでいるのですよ。

 品川で下車して、なんだか巨大な「品川 INTER CITY」の脇を通り、目指すはウォーターフロントのオアシス(?)天王洲。川沿いの遊歩道を歩き、なんだか風景がこじゃれてきたら目の前にTYハーバーシアターが現れる。やはり、かなりアーバンな空間である。1時近かったが、客足は相変わらず遅いようで、それほど混んでいない。知合いに一通りあいさつして(「最近見かけなかったけど、また旅行行ってたの?」なんて聞かれてふてくされる)ビールを流し込むと空腹のためか酔いがまわる。音はなんだかレゲエだったり、エスニックだったりでかなりラウンジ系。2時ごろからけっこう踊れるかんじになってきて、それからだんだん調子上がってきて、いつのまにかフロアも程よく埋まっていて、わりとゆるいテクノで気持ち良く踊れた。3時半くらいからDJがニックになり、かなり激しいジャジーなテクノになって、元気に踊っていて、まだこれからという4時半ごろ「私、今日は用事があるから帰らなくちゃ」と後ろ髪引かれる思いで退散した。たぶんあのあと最低でも6時まではやってんだろうな。往時のライフ・フォースだと平気で朝の11時くらいまでやっていたからなあ。

 品川までとぼとぼ歩いて帰り、家に着いたらもう6時。速効で寝て、10時に目覚ましの音で目が冷めるが起き上がれず、結局10時半になんとか起き上がり、服装も化粧も投げやりのまま、どうせ化粧しても寝不足の疲れは隠せないとあきらめ、渋谷に急ぐ。
 11時半に渋谷でMちゃんと合流。Mちゃん開口一番「昨日、夜中に友達に呼び出されて朝まで飲んじゃったー」ははは、私と同じ状況だ。
 寝不足の二人は眠気を吹き飛ばすかのように電車の中で喋りつづけ横浜へ。ポートサイド地区を目指す。
 「昨日、今日とウォーターフロントだよ。水辺を徘徊する私だあ」
 なんて話しつつ、やっと目的のポートサイド・ギャラリーに到着。こじんまりしたスペースである。前のほうには赤い座布団(というよりクッション?)が置いてあり、後ろの方はどこかの会議室からかき集めてきたかのように椅子が並ぶ。迷ったが、Mちゃんが「ミヤノの好きなことろに座りなよ。一番前でもいいよー」と葉っぱをかけてくるので、床の方の前から2番目に控えめに陣取る。

 そうこうしているうちに、けっこう人が入ってきて椅子席もいっぱいになった。
 トークショーが始まった。ハイナー・シリング氏はブリクサというよりは・・・・誰?まだ若いみたいでかわいらしい。ありゃ日本人ギャルにもモテルでしょ。彼の英語がとても聴き取りやすくて、この私のなまくらなヒアリングでも3分の1くらいわかったのでうれしかった。
 なんか話のテーマが定まらず、モデレーターの八角さんの言うことが一番よくわからなかったし、ホンマタカシ氏は「これはハイナーの企画だから、あんまり自分のことは話したくない」とか言い出すので、あんまりスムーズに運ばなかったのだが、別にパネルディスカッションでもなく単なる写真展の余興のトークショーなのですからテーマにこだわらなくてもいいのでは?なんて思いつつも、やはり山形浩生氏の話は面白かった。もっとお話してくれたらよかったのに。でもほとんど「通訳」役でした。

 ハイナーが卒業したドイツの写真学校の話題もあったが、そもそもそれを創設したBecherという人を私は知らないので、ハイナーは「べっしゃー」山形は「べっひゃー」八角は「べっかー」と発音しているという枝葉末節に心がいく。そもそもホンマタカシって誰って状態なので、他にも写真家の名前が出て来てもさっぱりわからず。
 それでも、ハイナーの言うことはけっこう興味深く、特に「郊外」subuarbiaに対する印象が欧米ではわりと荒んだものなのに、日本の郊外はもっと平穏で(まるでジャンキーみたいにみんな静かでおとなしい?)という話に「ふーんそうなのかあ、そういえばコダールもパリ郊外の団地をとても否定的に描いていたなあ」などと思い出す。

 ハイナーさんは、欧米の2×4住宅みたいなものを沢山撮影しているみたいで、そういう規格住宅に対しては「人々の個性を奪うもの」としてかなり否定的。そういう視点もおもしろい。
 「匿名性」というのがハイナーの一つの評価のようだが、確かに風景を切り取るときに「自分にとっての風景」という要素は排除されている。常に視点が社会的に外なのだ。ホンマ氏は「自分だったらもっと中に入ろうとするかも」と言っていたけど、私が写真を撮るとしたらやはりそういうスタンスをとるような気もするが、今度機会があったら考えてシャッターを押してみよう。

 質問タイムには「ハイナーさんは規格住宅に否定的のようですが、それはあなたが個性的な豪邸にお育ちだからでしょうか?それとも、結局そいういう家に住むことを考えて規格住宅の地位向上のために写真を撮影しているのでしょうか?」と質問してみた。
 「僕の父親の納税証明書みせないといけないかな?」みたいな答え。
 ホンマ氏は「なんでみんなもっと技術的な質問しないのかなあ?」なんて言ってたけど、他のお客さんは皆一眼レフカメラ持っているような人たちなのか?客層がよーわからんかった。前の方に座っていた若い男の子たちは必死にメモとっていたりしたけど、なんのため?

 トークショーが終了したので、ハイナーさんにサインを貰う。ついでに(本当はこっちが本命なんです。すいません)山形氏にもサインしてもらう。元気な人マークも描いて下さった。

 一応、目的は果たしたが、ついでに横浜美術館のギャラリーでは音楽のパフォーマンスがあるようなので、他の写真も見たくなったこともあるし、てくてく「みなとみらい」まで歩く。
 音楽はもろアンビエントで寝不足二人組みには強烈でした。84年、サマーオブアンビエント系ですかい?

 写真に写っているランドマークタワーとお隣の日揮のクイーンズビル(正式名称無知)が3人兄弟のようで「ブーフーウーは実はランドマークに憧れている」とか勝手に話しを捏造していたりした。でも、その会場にもいらっしゃった山形氏にどうしても話し掛けたくて、一人になったところを捕まえて、「surbarbiaという英語は否定的・肯定的な意味なのでしょうか?」などと質問したら、とても丁寧に答えてくださってとてもうれしかった。いやあ山形さんかんじいい方ですね。あんまりかんじ良かったので、「そのぶらさげている布のバックなんなんすか?ださくない?」とは、とうとう言えなかった小心者の私なのでした。靴がブーツなんだからさあ、カバンももっとごついのにしようよ。Mちゃんは「ダイエーのエコバックじゃないの?」と言っていたが・・・ダイエーではなかった。オライリーってなに?

 つうわけで、山形浩生にサインをもらう計画はさらに進んでちょっとお話するというところまでクリアしたので、有意義な土曜日であった。誘ってしまったMちゃんも「おもしろかったー」と喜んでいたのでよかった。山形氏くらい英語が話せたら人生もっと楽しいのにということで二人の意見は一致する。

 ギャラリーを出ると、さっき写真で観た光景の実物が違う視点で展開されていた。写真ではブーフーウー・ビル(勝手に命名)とランドマークタワーの間に割って入っていた、でかいアンテナ搭載したビルが実は一直線上に並んでいないことがわかる。ブーフーウーとランドマークは向かって右側。アンテナビルは左側。建築物を撮影した場合、建築家と写真家、いったいどちらの作品なのか、という問題があるけれども、この現実の距離を写真は変えてしまっているので、そういうもんなんだろうなあとあいまいだけれども何か重要なことに気がついたような気がした。

 そういうフックがあると私たち異常に盛り上がるので「郊外の位置づけの歴史的相違」とか「ハイナーの視点はやっぱ狩猟民族」とか「規格住宅について日本人はもともとの家屋がわりと規格に支配されてきたので、外見での個性の発揮の仕方というものにこだわらないのではないか」などと話しながら下北沢に戻り、アフリカ料理屋に行ったのだが「臨時休業」で、急遽はじめて行くモンゴル料理屋に入る。
 ほとんどすべてのメニューが羊だった。でも美味しかった。モンゴルのウォッカという「アルヒ」(ある日。森の中。クマさんに出会った。というふうに記憶することにした)は度数40度にも関わらず、刺激が少なく飲みやすかった。寝不足もあって酔いが回る。

 ところで山形さんは話しているとけっこう目が泳ぐところが帰国子女っぽくないですね。
 ところで、モンゴル料理屋でとなりの席に座っていた白人男性と日本人女性のカップルですが、男性が「Do you have a boyfriend?」などと、囁いていたのでとても気になってしまいました。そのご発展しましたでしょうか?
 ああ、もう眠い限界だあ。でもこれで、今週末の目標はクリアしたので、明日は「不在者投票をする」「図書館に行く」「映画を観る」というどうでもいい予定なので起きてから考えよう。



6月16日

 やはりこれに付き合ってくれるという方は現れず、Mちゃん暇だったら付き合ってよーと頼み込むつもりで電話したら、先週はクアラルンプールに行っていたらしく、「とにかく暑さに負けた。ナンパが凄かった。でも、なんか雰囲気はよかった」という話をひとしきりする。クアラルンプールにもリゾラバの波が押し寄せているのだろうか?東南アジアのリゾートはどこでも日本人ギャル大人気だが、マレーシアで、しかも首都でその調子だという情報もいままで聞いていなかったので驚く。なにせ、某日系ホテルのフロントが勤務中に堂々とナンパしてくるし、地下鉄で路線図と所望すると「ぼく勤務が3時までなんだけど、どこか案内しようか?」と声をかけられ、「メキシコよりもすごかった」というのは、本当にラテン系を上回るマレー人パワーなのか、それともMちゃんの美貌がそうさせるのか謎。(「あそこはイスラム教だから3人目の妻には日本人がいいとか思っているのではないか?」というMちゃんの説が可笑しかった)

 結局Mちゃん土曜日の付き添いを快諾してくれたのでよしよし。(ただし、急にどこかに飛ばされなければ)「SD」連載に興味を持ってくれたようである。建築オタクなのであった。
 でもかなり前に、なんかよーわからなかった深夜イベントでジャンキーなおじさま方が集合されてトークするという余興で、本当は石丸元章が来るはずだったのに(笑)、なぜか行ってみたらスーツ着た山形浩生に摩り替わっていて、一人でオジサマ方に噛み付いていたのが印象に残っていたが、あのとき「生・山形観られてラッキー!」と言って喜んでいた私たちがまたのこのこと出かけて行くのね。
 シリング氏は本当にブリクサ似なんですかね?あたしゃあ生・ブリクサに無理矢理握手を求めたこともあるんですが・・・期待しとこ。
 でも、ちゃんと朝起きられるのだろうか?(そのためにも、友人と待ち合わせする必要があるのだ。一人だとめんどくさくなって行かなくなる恐れ巨大)

 皇太后お亡くなりになったのね。今日が「晴れ着、ここ一番」の最終回なんですが、大丈夫なんでしょうか?心配。(8時現在)

 歌舞音曲の類も大丈夫なんだろうか?さっきMZちゃんから電話があって、12時に待ち合わせして、まさに歌舞音曲なところに行くんですが、ベイエリアの外れなんで見逃して下さいませ。それにしても、ほんとにこんなコじゃれたところでやるの?
 私の知る限りでは最もB型な男、T君も来ると言っていたが、また「ミラーボールのように乱反射する会話」で私を遠くに飛ばしてくれるかしらん。
 去年最後に会ったときにも、私が得意の「だからB型はさあ・・・」な話をしていたのに、突然「ところでさあ、イランとかでは・・・・」と中近東の話を始め、私の心を真っ白に洗ってくれたのであった。カオス姫ならぬカオス王子と密かに呼んでいる。楽しみ。

 今日は満月なのかしら。電車に乗っていたら、目線の高さにまんまるお月様がぽっかりと。
 多摩川の上では、東山魁夷の絵から溶け出したような薄墨色の夕暮れ空に浮かぶ満月が拝見できて至極満足也。


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