可燃物な日々

過去の日記


6月16日

 やはりこれに付き合ってくれるという方は現れず、Mちゃん暇だったら付き合ってよーと頼み込むつもりで電話したら、先週はクアラルンプールに行っていたらしく、「とにかく暑さに負けた。ナンパが凄かった。でも、なんか雰囲気はよかった」という話をひとしきりする。クアラルンプールにもリゾラバの波が押し寄せているのだろうか?東南アジアのリゾートはどこでも日本人ギャル大人気だが、マレーシアで、しかも首都でその調子だという情報もいままで聞いていなかったので驚く。なにせ、某日系ホテルのフロントが勤務中に堂々とナンパしてくるし、地下鉄で路線図と所望すると「ぼく勤務が3時までなんだけど、どこか案内しようか?」と声をかけられ、「メキシコよりもすごかった」というのは、本当にラテン系を上回るマレー人パワーなのか、それともMちゃんの美貌がそうさせるのか謎。(「あそこはイスラム教だから3人目の妻には日本人がいいとか思っているのではないか?」というMちゃんの説が可笑しかった)

 結局Mちゃん土曜日の付き添いを快諾してくれたのでよしよし。(ただし、急にどこかに飛ばされなければ)「SD」連載に興味を持ってくれたようである。建築オタクなのであった。
 でもかなり前に、なんかよーわからなかった深夜イベントでジャンキーなおじさま方が集合されてトークするという余興で、本当は石丸元章が来るはずだったのに(笑)、なぜか行ってみたらスーツ着た山形浩生に摩り替わっていて、一人でオジサマ方に噛み付いていたのが印象に残っていたが、あのとき「生・山形観られてラッキー!」と言って喜んでいた私たちがまたのこのこと出かけて行くのね。
 シリング氏は本当にブリクサ似なんですかね?あたしゃあ生・ブリクサに無理矢理握手を求めたこともあるんですが・・・期待しとこ。
 でも、ちゃんと朝起きられるのだろうか?(そのためにも、友人と待ち合わせする必要があるのだ。一人だとめんどくさくなって行かなくなる恐れ巨大)

 皇太后お亡くなりになったのね。今日が「晴れ着、ここ一番」の最終回なんですが、大丈夫なんでしょうか?心配。(8時現在)

 歌舞音曲の類も大丈夫なんだろうか?さっきMZちゃんから電話があって、12時に待ち合わせして、まさに歌舞音曲なところに行くんですが、ベイエリアの外れなんで見逃して下さいませ。それにしても、ほんとにこんなコじゃれたところでやるの?
 私の知る限りでは最もB型な男、T君も来ると言っていたが、また「ミラーボールのように乱反射する会話」で私を遠くに飛ばしてくれるかしらん。
 去年最後に会ったときにも、私が得意の「だからB型はさあ・・・」な話をしていたのに、突然「ところでさあ、イランとかでは・・・・」と中近東の話を始め、私の心を真っ白に洗ってくれたのであった。カオス姫ならぬカオス王子と密かに呼んでいる。楽しみ。

 今日は満月なのかしら。電車に乗っていたら、目線の高さにまんまるお月様がぽっかりと。
 多摩川の上では、東山魁夷の絵から溶け出したような薄墨色の夕暮れ空に浮かぶ満月が拝見できて至極満足也。



6月15日

 梅雨の谷間だ。今日を逃すと週末も雨だ。雨だ雨だ雨なんだ。と強力にセルフ・マインドコントロールして洗濯に始まり、暖房器具をしまい(今ごろ・・・)、夏服を全部出して、クリーニング店から引き出してきたまま放置されていた冬服をしまう。ついでにアイロンがけまでした。これで週末は心おきなく遊べます。

 ドイツが原発廃止に向かうのかあ。代替えエネルギーのことは今後の課題みたいだけど。原発に関して私の知識はあまりにも微量なので、
反対派の話を聞くと「でも、そんなに危険なのに無理矢理やっているのには何か他に変えられない理由があるのかねえ」と思うし、推進派の話を聞くと「ふむふむ。じゃあ、都心にも作ろうぜ。皇居のあたりなんてどう?」とか言いたくなるし、要するによくわかんないから情けない揚げ足とりしかできない。
 
 でも原子力じゃなくても、この間の工場の爆発みたいに、日本の場合、危険物を扱う施設と住宅地が隣接しているから油断できない。

 それにしても、今週って、朝のワイドショーが全然「芸能ニュース」やらなかったなあ。少なくとも私が観ていた8時40分までは。どうしたんだ芸能人!ナイナイ岡村がクレジットカード偽造されたくらいしかないのか?「やじうまワイド」の7時半からの「芸能ニュース」でこれといった話題がないと私はついつい2度寝してしまうのだよ。そんで8時過ぎに「遺影は花嫁写真」とかでいやいやながら目が覚めると非常に目覚めが悪いのでなんとかしてほしい。

 うわあ!四角いスイカだって!一万円?海辺で双六やるのにいいかも。2個買って(2万円・・・)チンチロリンやるのもいいかも。私にお中元を送りたい方はあれにして下さい。

 三軒茶屋の映画館でやっと「シックス・センス」やる。週末なんとか見にいきたいところだ。ついでに「ボーン・コレクター」もカップリングなので、かなり重たそうな組み合わせだけど、久々のデンゼル・ワシントンなんで観たいなあ。原作まだ読んでないので、それなりに楽しめると思うのですが。



6月14日

 儚いものだ、というよりも儚くないからがっかりしてるのか。あっという間に体重元に戻ってしまった。堺屋長官に分けてあげたいよ、この回復力。今日も「サイエンス21」を読みながら、めくるめく遺伝子治療の世界に混乱しつつバイクを必死に漕ぐわたしなのであった。
 
 池澤夏樹の「花を運ぶ妹」は小休止中。なんだかなあ、ヘロインとはなあ。いいんだけどさあ。ちょっと重いのであった。誰もがヘロインでヘロヘロになるわけでもなくて、上手く付き合っている人もいるのに、たまたま主人公は耽溺してしまったと書かれているところは一応評価しよう。でもなんかヘロインものって好きじゃないんだよなあ。「トレインスポッティング」もイマイチだったし。コカインものは大好きなんだけどなあ。エリスとか。やっぱ鼻血出すまで吸ってもらわんと。注射器使うのがいやなのかなあ。でも、「パルプ・フィクション」はよかったんだけどなあ。やっぱ注射器でやるにしても、ああいうふうに景気よくブッスーと打って、ズコーンと落ちてもらってアッケラカーンのほうが好みなのだろうか。うだうだ。

 ニュースステーション観ていたらチアリーダーが踊っていた。すごい太ももだ。健康的でいいなあ。あれだったら目指せそうだ。努力しても足の長さは伸びないだろうけど。へそ出しに耐えられるウエストライン目指してがんばろっと。

 昨日からとうとう南北首脳会談が始まって、内容はともかく雰囲気がイケイケなので観ていて楽しい。晩餐会のメニューとか美味しそうだった。冷麺食べたい。

 なんか昨日から雨のせいなのか集中力がなくて、仕事中もついついぼんやりしてしまう。雨がうっとおしいのではなくて、なんだかうっとりしてしまうのだ。つうわけで文章も散漫。



6月12日

 昨日は結局ろくなもの食べずに寝てしまったので、今朝は豆苗と豆腐となめことワカメの味噌汁という素晴らしい朝食を作った。
 そしてそれが夜ご飯にもなった。(涙)
 お昼はちゃんと「とりスブタ弁当」を食べたのだが、なんで家に帰ると食欲がなくなるのだろうか?部屋が散らかっているからだろうかと考え、雨だけど無理矢理洗濯した。すこしキレイになったが、なんか中途半端だ。どうやったら「お掃除の天使」が私の肩に舞い下りてくださるのだろうか?入信すると、毎日掃除しないと気が済まなくなるように洗脳してくれる宗教団体とかあったら入ってしまうかも。

 夢の話を書き始めたら、次々と野望を思い出してきた。いいぞ、その調子で前向きに生きよう。とりあえず、ロマンチックな夢を書くつもりが、なにやら雄々しい夢になってしまった。



6月11日

 昨晩12時ごろリキッドルームに到着。エレベータが封鎖されているので「あーまた階段だー」と、文句タラタラ昇り始めると、3階くらいで列の最後尾がある。「え?まだ開場してないの?11時開場じゃなかったの?」としばらく並んでいたが、すぐにその列が当日券のものであると判明。人をかきわけ8階まで登る。はー疲れたよ、と一息ついて入り口に入ると「年齢を証明するものを見せてください」なぬー!いきなりIDチェックか?免許証を持ってない人間にIDチェックは厳しい。イエローだと時々やるので(なにせ警察に目をつけられてるから)リキッドでは初めてだ。とうぜんそんなところに保険証もパスポートも持っていくはずないので、しばらく空しく財布を漁って「うーん、年齢書いてあるものないなあ」とブツブツ言っていたら、受付のにいちゃんが「おいくつですか?」と聞いてくるので、あやうくサバ読みそうになったが「33歳です」と言ったら「何年生まれですか?」「1966年」にーちゃん、白目むいて暗算しはじめたので(早見表くらい用意しておけよ)「午年です。丙午」といったらポカンとしていたので、なんか他にも30過ぎていることを証明するようなこと言わないといけないのかと一瞬「大平首相は省エネルック」とか「私が大学受験生だったときには、センター入試ではなくて、共通一次といったものです」とか「オイルショックのころ、小学校にトイレットペーパーを持っていった」とか言おうかなと思ったが、そうこうしているうちに、にーちゃんの暗算が終了したみたいだったので通してもらえた。
 私のとなりにいた女性も「31歳です」とか言っていたし、入り口が暗かったので仕方ないが「明るくしときゃあ、あたしの顔みて18歳未満だなんて絶対に思わないって!」と憤りを感じる。昔、イエローでもいきなりIDチェックはじめたとき、やはり何も持っていなくて、前に並んでいたギャル2名が帰されていたのでビビり、どーしよーと、受付のにーちゃんにおずおずと「クレジットカードと銀行カードしかないんですけど・・・」と言ったら、にーちゃん私の顔を穏やかにいちべつしてから「けっこうですよ、どうぞ」とすんなり中に入れてくれて、「きー!もうちょっとごねてくれてもいいじゃん!」と逆にむかついたりしていて、しかも中で会った当時27歳くらいの友人が「IDチェックで入れなくて、どうしようと思っていたら、たまたま業界の友人が通りがかって入れてくれたんで助かった」と言っていたので余計にむかついたので、なかなか微妙な女心であることよ。

 なんかそんなんで疲れてしまい、中に入ってもしばらく座り込んでいたが、日本人の男の子のDJがなかなかよくて、けっこう踊った。1時ごろMCが二人登場。豪華だぞツインMC。それで益々フロアも盛り上がって、1時半ごろ御大ブケム登場。とにかく私の目的は「なるべく近くでブケムさんを観る」ことであったので、するすると前に出た。
 やはりブケムは期待通りにカッコイイ。服装はGAPのCMみたくカジュアルだった。けっこう黒人のDJってムキムキの人が多いのだが、ブケムは日本人好みに華奢なのだ。無駄のない体つきに知的なルックス。姿勢がよくて、物腰が柔らかい。しなやかという言葉がこれほど似合う人もいないだろう。銀縁の眼鏡がとても良く似合う。ターンテーブルを操り、フロアを見渡す鋭い目付きは「クール!」だし、ときどきスタッフやMCと笑顔を交わすと愛しの前歯がきらりと輝いて「キュート!」
 なにより全身に漂う清潔感が気持ちいい。そして淡々とした外見にときおり垣間見える強烈な自信。それでいて、油っけが全くないのである。私にとってあまりにも「理想のタイプ」なので、「お付き合いしたいわ」とも当然思うが、それよりも「私もああいう人間になりたい」と強く思う。
 ああいうものが、真にかっこよいということを今の青少年にもぜひ学んでいただきたいものである。
 あれだけかっこいいと逆にだらけた姿も拝見してみたいものだと、また妄想モードに突入する。寝起きのパジャマ姿で背中をぽりぽり掻きながら新聞読むブケムとか、口の周りケチャップだらけにしてホットドッグ食べるブケムとか、機嫌悪くて冷蔵庫蹴飛ばすブケムとか・・・ああ、どんなにダメなシチュエーションでもやっぱかっこいいに決まっているわ!とメロメロなのであった。
 というわけで、けっこう聴きながら観ながら踊ったつもりだったのだが、やはり相当気が散っていたらしく、というより音以外のものに集中していたらしく、ブケムの後にかけたブレイムのときのほうがよく踊れた。3時半くらいからブレイムになって、5時過ぎまで調子よく踊り、さすがに疲れたので帰った。友人も何名が来ていたが、私はあまりうろうろしなかったので、皆には会えずじまい。ご挨拶もできなくて、失礼いたしました。このとおり私はブケムで頭一杯になっておりました。

 外は雨だったけど、寒くもなく暑くもなく、しとしと雨がなんだかとても優しいかんじに降っていて、気持ち良く帰宅したのであった。

 寝たのが6時半ごろだったが時差ボケ防止のためにがんばって「笑っていいとも増刊号」を観る。
 図書館から連絡があり、また本が入ったみたいなので行ってみると、池澤夏樹の「花を運ぶ妹」が届いていた。けっこう早かったな。あんまり人気ないのかしらん池澤先生。
 私に池澤夏樹を勧めてくれたMZちゃんは「ジェフ・ミルズ(黒人DJ。ブケムより線が太いけど、やはり知的でクールなかんじのするミニマル系の雄である。MZちゃんの男の趣味は私よりやや濃い目)と池澤夏樹になら何されてもいい」と言っていたっけ。
 私は単純に彼の南の島志向と理系なかんじ(いそうでなかなかいない、理系な純文学作家)にとても惹かれる。さて、読むのが楽しみだ。

 そのあとプールに行って軽く泳ぎ、帰ってきたのだが、すごく眠いと思ったら当たり前か、4時間しか寝てないもんね。今から寝れば、12時間眠れる。電話はサイレントにしておこう!

 先週の平均体重がまた55キロくらいになっていて、なんだか下腹がぽっこりしていたので「なんとかしなくちゃなあ」とは思っていたが、昨日の土曜日は全然食欲なくて、ゼリー飲料でエネルギーチャージして夜遊びに出掛け、なんだかんだで4時間くらいぶっ通しで踊っていたので、今日体重計ったら52キロになっていた。今日もまともなもの食べてない。帰りに食材買ってきたのだが、食欲よりも睡眠欲のほうが強力だ。
 でもまた、すぐもとに戻っちゃうんだろうなあ。来週も過酷なスケジュールが待ち構えているので、週末で調整だな。



6月10日

 昨日はまた酔っ払ってくどくど少年犯罪について書いてしまったようだ。
 12時前に寝たのに、起きたら2時だった。わーい14時間も寝たぞー。

 世の中ボーナスがそろそろ支給されているようである。「思っていたより少ない」など、文句たらたらな人達もいるだろうけど、ここ数年ボーナスに縁のない身にしてみれば「もらえるだけましだろう、シクシク」と涙ながらに訴えたくなる。なにしろ3年前に比べると年収が100万円以上落ちているので、ときどき嫌になる。とうとう、また「宝くじ」を買ってしまった。それくらいしか私が大金を手にする道はないのだろうか。くすん。
 宝くじはあまり買わないのだが、3年前にちょっとマイブームになり、正月と夏のジャンボを連続して購入したのだが、連続して3000円の大当たりを出し(ちなみに、2回でつぎ込んだ金額は9000円)、「私の人生ってこんなものなのかもしれない。地道に働けということなのね」と痛く失望して、それ以来買っていなかった。(宝くじマニアに言わせると、3000円もなかなか当たらないそうなんだが、でもその中途半端さが無性にいやだった。しかも、宝くじ売り場で番号を見てもらったときに、おばちゃんが「あ!」とか言うものだから、そのコンマ数秒の間に「どうしよう、大当たりなのか、どうしよう、いきなり大金を手にしてしまい、人生が崩壊してしまうのではないか、悪い男に貢いだりしてしまうのではないか」といろいろと考えたのに、「3000円当たってますよ」とニッコリ微笑まれた瞬間に、どれだけがっかりしたか・・・)

 そんなわけで、金のかかる夢は叶わないとあきらめているものの、「人生金じゃない。こんなささやかな夢も見れるんじゃ」と、変な具合に開き直り「私の夢」を作文してみたりして現実逃避。

 でも私、自慢じゃないけど、これまでいろいろと夢は叶えてきた。10代の頃夢見ていた「独り暮らしがしたい」とか「海外旅行に行きたい」とか、あともう2つばかり実現させたのだが、その2つはちょっと公にしたくないので内緒だけど、たまに泥酔すると口がすべったりする。(あまり品行方正でない夢なので、自慢できないだけだけど)
 30歳になるまでに、そういう「思春期の夢」を全て実現させてきたので、「強く思っていれば、その夢は必ず叶う」と私は信じている。しかし、30歳を過ぎた今、新たな夢をなかなか抱けないでいるのも事実。そんなわけで、ちょっと夢の見直し作業をしたいと思ったのだが、なんかまたずれてんなあ。というわけで「夢見る頃を過ぎても」はまだまだ続く予定。

 さて、一休みしてから夜遊びに出掛けるのであった。今日はブケムさんにお会いするのだ。ああ、またあの珠玉の前歯を拝めるなんて幸せ・・・



6月9日

 今週は湿度のせいなのか異様に眠かったので、やっと週末が来てうれしい。
 それにしても今日の天気は梅雨入りというよりは台風接近みたいで、なんだったんだろう。
 新聞サイト観ていたら「ジャックさんに挨拶したら、ハイジャック勃発と間違われ厳戒体制」という事件に笑う。知合いにジャックさんがいないのを残念に思う。世界中のジャックさんは今ごろ皆に「もう、君には気軽に挨拶できなくなってしまったよ」というご挨拶を散々いわれてウンザリしているであろう。「ハーイ!僕の名前はジャックです。でも、僕にハーイ!って挨拶しないでね」なんて書かれたTシャツが売られそうだ。私がジャックなら、絶対にそれ着て飛行機に乗る。船旅で「See、Jack!」とか「Si、Jack!」なんかもだめなんだろうか・・・

 事件ネタもう一つ。どうしても栃木のリンチ殺人がよくわからない。警察の対応も謎だけど、一番わからないのは犯人の少年たちの心情なのだ。いろいろ考えてみたのだが、どうも暴力と金とが同時進行していたのが一番納得がいかないみたいだとわかった。金欲しさに殺すのはわかるけど、そういう犯人は被害者を必要以上になぶったりしない。(保険金殺人しかり、強盗殺人だって長時間にわたって拷問を加えたりしないだろう、殺すならとっとと殺す)相手を痛めつけたいなら金なんていらない。銀行強盗が立て篭もって、長時間に渡って人質たちを恐怖のどん底に突き落とすことはあったが(梅田の銀行強盗事件なんて、人質に死んだ人の耳を切らせたりした)あれは特殊な状況であったし、犯人も相当テンパっているのがわかる。名古屋の少年による5000万円恐喝事件だって、「カモ」から金を巻き上げるのが主目的なわけで、カモをいいなりにするための暴力は振るっても、殺すほどのことはしなかった。
 なのでそういう凶悪事件に対しては「ひでえなあ」とは思っても、まあ人間そのくらいのことはするだろうと、心のどこかで納得できるのだが、栃木の事件に関しては、1ヶ月あまり拷問を加えて、かつ金も巻き上げるという、けっこう特殊な事件のような気がする。どちらが彼ら、もしくは主犯といわれている少年にとって重要だったのだろうか?なんかスティーヴン・キングの描く「根っからの悪」みたいなイメージになっているので、そういうものが実在するということが怖いのであった。それに個人的にそれほど親しくもない人物にどうしてそんなに執拗に拷問できるのかもわからない。それが集団的なヒステリーから起こることなら、歴史上にはいろいろ事例があるから「こいつらは痛めつけてもいい」という社会的な背景というか土台があればそのくらいやるだろうけど、そういう思想背景を持たずにそんなこと出来るのかなあと素朴な疑問が湧くのだ。
 それが例えば、幼少時に母親から虐待を受けていて、大人になってから母親に似た女性を監禁して復讐するといったことなら、なんとなく理解できるんですが・・・だんだん現実の犯罪が私の想像力を上回ってしまうというか、もし栃木の事件みたいのが小説になったら「なんかリアリティーないし、人間が描けてないよなあ」なんて、一蹴するようなものが現実には起こっているということがちゃんと受け入れられない。

 でも、無理矢理こじつけするのなら、やはり監禁するということには相手への愛を感じる。本当に嫌いな人物と長時間一緒にはいられないのだ。多分、あの少年は被害者が善良でちゃんと仕事をしていて両親にも愛されていて、それでいてそれほど頭も切れなくてという人柄に、単純に嫉妬していたのではないか。自分に無い物を持つ人物を支配して痛めつけることに快楽を持っていたのであって、金を絞り出す作業は拷問の延長であって目的ではなかったのではないか。それならちょっと納得できるんですが・・・

 やっと今週はNHKの「晴れ着、ここ一番」をちゃんと観られた。やっと来週が最終回だ。早く終わってくれー。ドラマにはまると時間を拘束されるので嫌なのであった。



6月7日

 どうやら長野行きは、24日になりそうだ。先日の話だと、17日になりそうで、そうなるとライフ・フォースと山形浩生詣での二つが飛ぶが、親孝行のためには仕方あるまいと思っていたのだが、なんとかなりそう。

 久々に電車の中で熟睡した。はっと「いけない!コーヒー飲もうと思ってお湯かけっぱなし!」と起きたら電車の中だった。おかげで会社に着いてもしばらく眠気が覚めず、コーヒーがぶ飲みしていたのであった。
 そういえば、例の鎮痛剤の「使用上の注意」をもう一度読んでみたら、やはり「12時間持続」ではなくて「12時間のうちで6錠以上飲んではいけません」だった。よく読んでなかっただけだった。だって痛みで意識が朦朧としていたんですもの。(朦朧としていたのは単に早朝だったせいかもしれませんが)いくら、使用上の注意が書いてあっても、本当に具合悪いときにちゃんと読めるかどうか疑問である。
 それよりも、その鎮痛剤は2種類あって、Cちゃんは「夜用と昼用があるよ」と説明してくれたのだが、てっきりオレンジ色の箱の方が昼用で、青い方が夜用だとばかり思っていたが、よくよく確認してみると、青い方が「眠くならない鎮痛剤」であって、こちらの方が普通は昼用にするだろう。まあどちらを飲もうが、車を運転するわけでもないし、あまり関係ないし、薬飲もうがどうしようが、たいていいつも眠いのでいいのだが、やはり外国の薬の説明はちゃんと読まないとアカンなあと反省。

 薬といえば、先日会ったAさんが話してくれたのだが、「サリドマイド」がまた復活しているらしい。なんか、有名な皮膚疾患(名前聞いたら知っていたけど思い出せない。なんとか氏病みたいな名前)に劇的に効くそうで、東南アジアとかで出回っているらしいのだ。妊婦が服用しなければ、何も問題はないらしく、「使用上の注意」にもちゃんと書かれているのだが、識字力のない人達も「この病気によく効く薬」として安易に服用してしまうので、「サリドマイド児」がけっこう生まれているという話だった。うーむ、怖い話だ。英語の説明書をろくに読めない自分にとってはけっこう神妙になってしまう。

 昨日の掃除の話の続き。
 2人以上の家族の場合、私はキレイな家よりも汚い家のほうがなんか民主的な印象を持つ。(単身者の場合は元々独裁者なので、きれいにしようが、乱雑にしようが本人の勝手なので、そこに民主的云々は入り込む余地はない)
 わかりやすいから、カップルで住んでいる家に限定するなら、そこが整然としている場合、以下のパターンが考えられる。

 1 妻がキレイ好きで、ダンナはおかまいなし。妻が一生懸命掃除している。
 2 ダンナがキレイ好きで、妻はそれに合わせてしぶしぶキレイにしている。
 3 ダンナがキレイ好きで、妻はおかまいなし。ダンナが文句たらたら片づけている。
 4 二人とも超キレイ好き。
 5 妻がキレイ好きで、ダンナはいつもびくびくしている。
 
 4だったら文句ないけど、その他の場合にはなにか争い事の匂いがする。
 その点、乱雑な家を見ると

 二人とも掃除なんてどうでもいいと思っていて、それでもたまに余力があるほうがやることもあるが、どうせまたすぐ散らかるので適当にやる。たまに、どちらがより汚くしているかという「目くそ鼻くそ」なケンカをする。

 と、なんかこっちのほうが「似た者同士で仲良くやっている」という印象が強いし、なんとなく平等なかんじがしませんかね。
 なーんて理屈をこねて今日もまた掃除から逃避しているのであった。
 
 Cちゃんが「超よかったよー」とお勧めしてくれたガルニエの新譜(といっても随分前に発売されていたが)をやっと購入。いやあ、こりゃほんとにデトロイトだわい。一緒に写真撮ってもらったときガルニエ氏はしっかり腰に手を回してくださって「はあ・・・フランス人だなあ」と何気に納得してしまったんだが、新譜はとても渋い。もうちょっと聴き込まないと良さがわからないような。ガルニエくん、また来日しないのかなあ。その昔、ガルニエのDJ聴きながら、となりにたまたまいた年少の友人(男)に「いい、これは良く聴いて勉強するのよ。女はこうやってくどくんだからね。最初からガバっと押し倒しちゃだめ。じらさないと・・・、背中から攻めるのよ」とかなんとか、クドクド説教をたれてとても嫌がられたのはいい思い出だ。私をうならせた(というか、フランス人に口説かれてもいいかも、と思わせた)あの円熟の技は健在なのだろうか? 



6月6日

 今日、現金の伝票を打っているときに気がついた。
 「オーメンだ!」
 いまどき、6月6日にそんなことを言うのは流行らないのだろうか?ぜんぜん関係ないけど、最近食べ物に対する興味が盛り上がっているので「贅沢な悩み」を書く。悪魔のようなこの食欲をなんとかしたい。

 今日は普段「台所まわりの仕事をしてくれる3名」が揃って休みだったので、朝からコーヒーいれたり、麦茶作ったりと忙しかった。帰りもフロアのゴミをまとめたり。でも、座りっぱなしよりも多少雑用があったほうが体動かせて好きなのだ。その調子で部屋も片付ければいいのに、なんでできないんだろう。
 会社ではけっこうファイリング上手だし、机の上も整頓されているし、会議スペースもまめにキレイにしてあげたりしているので、未だそういう経験はないが、こんなアタシをみそめた男が部屋を見たらきっと「だまされた」と思うだろうな。それとも皆そんなもんなのかな。
 私の経験だと、会社で乱雑な人の方が、自宅はきれいにしているようだ。両方きれいなことに越したことはないが、そういう人は「潔癖症」の可能性が高いので、たいてい会社か自宅のどちらかにしか力を注げないのだと思う。ただし、たまに両方乱雑な人もいるので注意。

 他人の家を訪ねるといつも面白いと思うのは、人によって「どこをきれいにするか」という基準の違いである。
 物はきちんと整理されているのに、ホコリが溜まっていても気にならない人。
 ガスレンジだけが妙に汚い人。ガスレンジだけが妙にきれいな人。(使っていないだけかもしれない)
 バスタブは湯垢だらけなのに、バス用品や化粧品は美しく整然と並んでいる人。
 部屋はきれいなのに冷蔵庫の中がジャングルな人。
 部屋は汚いのに引き出しの中が異様に整理されている人。
 台所は汚いのになぜかフキンだけが漂白してあって真っ白な人。

 嫁と姑が掃除のことでケンカになるのも納得できる。どちらがキレイ好きかという問題ではない。お互いに「気になるところ・目に付くところ」が異なっているだけだ。
 前にカップルで住んでいた友人宅がこの世の終わりというか歌舞伎町の掃き溜めのように汚くて、二人ともそれでいいみたいなので「なんかしらんが幸せそうだ」と、けっこういい印象を持っていたのだが、結局そこによく出入りしていて、悲惨な台所の流し(食器が溢れ、ゴミも詰まっていたので、文字どおり溢れそうになっていた)を観て「うわあ、オレこういうの見ると我慢できないんだよー」とせっせと洗っていた男と数年後彼女は結婚したらしいと風の噂できいた。まあ、それだけの単純な話ではなかったのだが、ほんとにいろいろあったらしいのだが、なにか本質的なものがそこにはあるのではないかなんて考えて悦に入ってないでてめえも掃除しろよ。
 



6月5日

 昨晩11時ごろ、金曜日にお会いしたオジサンから電話。「今、あそこの店にいるんだけど、これから来ない?」
 「あの、お話ししたと思いますが、わたくし普通のOLなんで、あしたは出勤なんで・・・」
 日曜日の晩なんて、「よっぽどの事情」がないと出掛けませんよ。
 「今、となりでキアヌ・リーブスが飲んでるんだけどさあ」
 なんていうんなら飛んでいくが
 「今、トム・クルーズと飲んでるんだけど来ない?」
 くらいだったら、行かない。土曜日だったら行くかもしれないが・・・
 「これからジャイアント・パンダの熊の手食べるけど行かない?」
 だったら、次の日に何があっても行くので声かけてください。「トキの卵焼き」でも同様。

 朝起きたら嫌なかんじがしたので、布団をまくってみたら・・・・はああ・・・よかったまだ天気のいい日で。これで寒くて、雨なんか降っていたらかなり真っ黒な気分になること請け合い。目覚ましが鳴る前から洗濯だーい。シーツとパンツとパジャマを洗う。
 早起きしてしまったこともあって、お腹も痛くなってきたので、Cちゃんのアメリカ土産「一回2錠って書いてあるけど、1錠にしといたほうがいいよおー」な鎮痛剤を食してまた横になり、「やじうまワイドもこの時間は政治経済なのかあ」なんて思いながら、森くんの失言をBGMに痛みが引くのを待つ。薬が効いてきたので、起き上がって会社に行くが、昼すぎにまた痛みが戻ってくる。変だ。あの薬には「12時間効く」と書いてあったと思ったのだが・・・英語で・・・ちょっと自信を失う。しかし、もしかしたら1錠しか飲まなかったので持続時間も半分になってしまったのかもしれない。私の強靭な肉体はやはりアメリカ人並みだったのか?
 どっちが自分を許せるだろうか?「薬の説明もろくに理解できない英語力」と「アメリカ人並にクスリの効かない繊細じゃない体力」難しいところだ。
 それは置いといても、なんか頭の焦点定まらず、机に張り付いているのが目眩がするほど辛くて、「ああ、よかった今日は大事な会議とかがなくって」って、そんなもんあったためしも無いのだが、ちょっと頭飛んでしまっていた。意味もなく廊下をうろうろしたり、階段上り下りしたりしていたら、3時ごろやっと意識が戻ってきた。きっとまわりの人間には単なる「月曜ボケ」にしか見えなかっただろうなあ、それも悔しいが、背中に「生理痛につき近寄るな危険」と貼っておくわけにもいかないし。

 あまり薬に頼るのもよくないので、家に帰ったらフロにぬるま湯を溜めて「半身浴」をする。おフロのお供は西原理恵子「できるかな」。読み終わるまで漬かっていたら1時間たっていた。汗だく。ビール飲んだら眠たくなってきた。よく眠れそうなかんじ。



6月4日

 あれれ?3日の分が更新したはずなのに消えてしまった。なんかごちゃごちゃいじっていたので、わけわかんなくなってきた。

 2日の金曜日はまっすぐ帰宅して、NHKの「晴れ着、春一番」を観ようと張り切って洗濯なぞをしていたら電話があって、Aさんからお座敷がかかり、代田のブラックミュージックのかかるバー(なんでんかんでんの向かい側)で、ソウル好きのおじさん(60歳過ぎているらしい)と音楽や映画の話などをしていたら、結局帰宅したのが3時。
 
 3日は起きたらもう昼過ぎ。それからページの整理を延々とやっていたら夜になり、疲れ果てていたところに電話。今度はオーストラリアから帰ってきたMちゃん。またオージー話を一通り聞いて、そのあとはなんか「彼氏やダンナの浮気を許せるか?」という二人とも現在彼氏もダンナもいないのに不毛な話題で盛り上がる。話していて自分で気がついたのだが、私は倫理観よりもなによりも「他人に怨まれたりするのは絶対に避けたい」というのが強いみたいで、だから自分のダンナが浮気したらどういう心境になるのかはよくわからないのだが、とりあえず他人のダンナや彼氏と付き合うのは絶対にいや。実際にそういう事態になりそうなこともあったけど、その都度「この人のこと嫌いじゃないけど、シングルだったら付き合ってもいいけど、奥さんや彼女に怨まれてもいいと思えるほどのもんでもない」と判断してとんずらしていたので、それが「好きだったらそういうリスクを負ってもいい!」というほどの相手に出会っていないのかどうなのかもよくわからん。
 冷静に考えると、自分があんまり恋愛沙汰で「あの女が憎い」とか思った経験がないので、そういう世間一般で言われる「女の恨み」というものが実感できないので、よけいに怖いようである。
 なーんて話込んでいたらまた朝になってしまった。もともとMちゃんが電話してくれたのは、私に渡したいお土産が溜まっているので日曜日に会おうということだったのだが・・・・

 というわけで、今日は昼過ぎに三茶で待ち合わせして、「満堂」でビビンバ定食600円(安くて美味しい。アイスコーヒー付き)を食しながらお土産を貰った。スウェーデンの「にしんの酢漬け」とビスケットみたいなパン、ロンドンで購入の「インスタント・クスクス」、オーストラリアで発見した「ピックル」(インドの漬物。インド製)と各地で購入したフレバー・ティという豪華なものであった。前に同じ仕事を紹介したCちゃんもアメリカで風邪薬などを買ってきてくれたので、あたしゃ紹介しただけで何にもしていないんだけど、二人とも気を遣ってもらってすいませんねえ。ありがとさんです。

 出掛けに「笑っていいとも 増刊号」を観ていたら、TOKIOの城島くんが私たちの夢である「スウェーデンの世界最強の缶詰」を開けていて、すごいことになっていたという話をした。「ここが変だよ日本人」でもあの缶詰が紹介されていてスタジオがパニックになっていたそうで、スウェーデン関係の商売をやっている皆さん、日本にも正規に輸出してー。講習会やって正しい開け方を教えて売ろうよ。あれはそんなに「臭い」のか試してみたい人多いと思う。あと韓国のエイを醗酵させたのも強力らしいので、どっちが本当にすごいのか比べてみたい。

 昼食のあとカラオケ屋に行く。昼間3時間で900円でソフトドリンク飲み放題という店が行き着けなのだ。
 DAMなので、また高カロリーを出そうと張り切っていたのだが、カロリー表示のされない機械に当たってしまい、ちょっと残念に思っていたのだが、ふと「テンポ調整」ができることに気がつき、前に他の友達とやって盛り上がった「異邦人(久保田早紀)を最高速度で唄う」と、あのエキゾチックなイントロがまるで「ゴア・トランス」になるのをやってみたら、やっぱり面白くて、その後は全て「最高ピッチ」で唄った。
 Mちゃんが出した、デッド・オア・アライヴの「You Spin Me Around」なんて元々ユーロビートで早いのが、すごい激しいチャカポコになって歌詞もほとんど「ラン ラン ラン」になってしまって超おもしろい。ビートルズの「ストロベリーフィールズ・・・」はなんか「イチゴ狩りに行く歌」みたいに軽くなったし、ルースターズの「C.M.C」はもう早口なだけ。オザケンの歌も相当気合いれないと舌がもつれる。SMAPの「ダイナマイト」はもう音の速さで笑ってしまった。シカゴの「素直になれなくて」やポリスの「見つめていたい」などの歌い上げ系もピッチを早くするとけっこうあっさりとした歌になる。いやあ、この遊びおもいろいわ。もう一度やってしまうと普通の速度では満足できなくなってくる。またやろうっと。



6月1日

 月が変わっても何も変わるわけではないが、やはり「1」という数字には背筋を伸ばしたくなるようなパワーはあるようです。

 この日記をがんばって読んでくださっている皆様。ごくろうさまでございます。
 日記を公開しはじめて、ちょっと困ったなと思ったのは「なんか行けるかどうかわかんないけど、暇だったら行くよ」なんて言っていて、結局行かなかった場合、この日記を読まれてしまうと「単にめんどくさくなって、ごろごろしていただけ」ということがバレてしまうということです。
 実は、私の今年の目標は「いい加減なヤツになる」というもので、生来の気の小ささから(子供のころは対人恐怖症気味だったんです。本当です)時間にもわりと正確だし、約束もなるべく守ってきましたが、なんかそんな生真面目そうなキャラに30歳もとうに過ぎてから急激に飽きてきたので、ちょっとマイナー・チェンジしようかと、「いいかげん道」を体得しようと血のにじむような努力をしているというわけです。
 ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。

 と、月初の挨拶でした。
 今日もとなりの席の「天然美人」はやってくれた。何の脈絡もなく「明々後日の次ってなんて言うのかしら?」
 でも、私が「え?そんなのあったけ?」とうろたえていると、課長がきっぱりと「やな明後日」(漢字でどう書くのか調べたら彌明後日やのあさってとなっていて、明々後日と同義。でも東京では明々後日の次の日のこと=やなあさって となっていた)と言ったので「そうだそれだ、聞いたことある。すごーい」と、そういう時には惜しみなく「すごーい」と言ってしまう。
 しかし、はたと「じゃあ、おとといの前の日は?」と言ったら、美人に「それは、さきおとといじゃない?」とあっさり答えられてしまった。なるほど。さきおとといね。でもさきおとといしあさってが「反対語」だとしたら、さきおとといの前の日もないと不公平だ。それもあるんだろうか?

 実は、ときどきおとといあさってのどちらが過去で未来かが混乱するのだが、もっとひどいのはyesterdaytomorrowもどっちがどっちだかわからなくなり、前にアメリカ人と話していたときに、どちらかわからなくなり、「えーと、えーと、the day after today!」と言ったら、にっこり笑って「tomorrow」と教えてくれた。
 一応、対策は立ててあって、ビートルズの「イエスタデー」の出だしを頭の中でしんみりと「イエスタデー」と唄うと、あれは過去の未練たらたらの歌だから「昨日」だなとわかる。所用時間3秒くらい。「トゥモロー」の場合は、月並みですがスカーレット・オハラ嬢にご登場を願う。「トゥモロー イズ アナザ デイ」でそうそう、「明日は明日の風が吹くんだから明日」

 ついでに、こっちの症状の方が一般的だと思うが、「右と左がわからない」というのは、とりあえず「箸を持つ方が右」と思い出すことでなんとかなっているが、車でナビやっているとだんだんわからなくなってきて、ときどき間違えるので、そういう時はあきらめて手で指し示し「こっち!」と叫ぶことにしている。エアロビはじめてわかったのだが、インストラクターが「右!左!」というとよく逆に行ってしまうのだが、手と進行方向は良く間違えるのに、足はわりと大丈夫なのだ。つかさどっている脳の部分が違うのかなあ。それとも幼少のみぎりに「マーチッタカチッタカタ行進だ 右足くん 左足くん かわりばんこ かわりばんこ ぼくをはこんでチッタカタッタター」というお遊戯をさんざんやらされた成果なのだろうか?

 そんな記憶の片隅を掘り起こしてしまったら、芋蔓式に思い出してしまったことよ。私、幼稚園のときお遊戯が超得意だったんだよな。学芸会(そういう名称ではなかったが、それは思い出せない。要するに、いろいろな劇とかをやって親に見せる会)で、最初は群舞だったのに、あまりの才能に先生がもっといい役に変えてくれたのだ。その才能は妹にも受け継がれ、同じ先生に「ほんとうにミヤノさんのうちは才能豊かで」とけっこう高い評価を受けていたはずだ。(真ん中の弟はどうだったのか記憶なし)
 たぶん冷静に考えると、わたしら姉妹はわりと知能指数が高かったんだろうな。だから振り付けはさっさと憶えてしまい、大人が喜びそうなちょっとした表現力まで手が回ったのだと思う。弟は当時、ふつうに粗暴だったので、お遊戯なんてまじめにやるのは男のするもんじゃないと思っていたのだろう。幼稚園の先生の記憶にとどまるほど優秀だったわたしらも、20歳過ぎたらただの人の見本だにゃ。伊藤せんせい(そういう名前だったと記憶している)もう死んじゃっただろうなあ。すいませんねえ、期待していただいたのに、平凡になってしまいました。

 なんで幼稚園のころの思い出になってしまったのだろうか。人生走馬灯状態か。月初なのに不吉な・・・


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