みなさま、ほんとうにたくさんの貴重なご意見をどうもありがとうございました。
そしておまちどおさまでした。

コレってアリ!?第一回ストーカー法の結果発表です。
アリ/アリじゃないの比率と、それぞれの代表的なご意見を掲載します。
参考資料として、ストーカー規制法の全文と、埼玉県条例の抜粋を添えますので、ぜひ読んでみてください。

今回はストーカー法をテーマとしましたが、
また適宜テーマを選んでみなさまのご意見を聞かせていただきたいと思います。
その節はどうぞよろしくお願いいたします。

まずは、第一回の設問内容を御覧下さい。

 21世紀目前、世紀をまたごうとしている今の社会、信じられない矛盾が平然と闊歩し、かと思えばITをツールとした真の情報化時代において数々の失態が連日露呈されています。それらにまつわる矛盾、制度の不備その他諸々の疑問をみなさんと一緒に考えるコーナーです。

 毎回違ったテーマを取り上げますので、まず疑問に対し「アリ」または「アリじゃない」でお答えください。そのうえでテーマに対するご意見を送信していただきます。データをとるためのアンケートにもご協力ください。プライバシーに触れる部分は厳重に保護いたします。メールでお寄せいただいたご意見は、こちらで統計をとり、グラフや要約のかたちでご報告します。

◆第一回目テーマ

やっとこできたストーカー規制法。
でも取り締まりの対象を恋愛関係のもつれに限定しています。
コレってアリ?

解説&アタシの意見

 埼玉の桶川や静岡の沼津で起きた凄惨なストーカー殺人事件以来、従来の犯罪の類型には入らないストーカー行為の規制を求める声が高まりました。その声を受け総選挙前の今年5月に駆け込みで成立(施行は11月)した、いわゆるストーカー法ですが、成立の時点からいくつかの問題を抱えているといえます。

 この法律のフルネームは『ストーカー行為等の規制等に関する法律』というものです。この法律でいう「ストーカー」とは、恋愛感情等の好意が満たされない結果、法律で8つに分類される行為に走るものを指すということです。以下条文。

第二条 『この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又それが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者またはその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有するものに対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。』

1 つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他の通
  常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、または
  住居等に押し掛けること。

2 その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に
  置くこと。

3 面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。

4 著しく粗野叉は乱暴な言動をすること。

5 電話をかけて何も告げず、叉は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ
  若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。

6 汚物、動物の死体その他の著しく不快叉は嫌悪の情を催させるような物を送付し、
  又はその知り得る状態に置くこと。

7 その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。

8 その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、叉はその
  性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に
  置くこと。

附則

4 ストーカー行為等についての規制、その相手方に対する援助等に関する制度につ
  いては、この法律の施行後5年を目途として、この法律の施行の状況を勘案して
  検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるべきものとする。

 以上、条文を掲載しましたが、上記赤太字の部分が問題であると思われます。ストーカーを恋愛関係に限定してしまうと、街で一目見かけてついてきてしまうような、いわゆる「一目惚れストーカー」に対応できないからです。また、加害者が同性の場合も適用が困難です。

 加害者と被害者の間に恋愛感情があったか否かよリも、法律の掲げる8項目の行為で実際に迷惑を被っているまたは身の危険を感じている人を救えるかどうかの方が重要であり、緊急性が高いと思います。

 附則によると5年を目途に法律を見直すとしていますが、昨今のストーカー事件の多さを見ると悠長すぎるのではないかということと、立法のそばから見直しを視野に入れているということは、立法した方にもこの法律の穴が見えていたのではないかとさえ言いたくなります。

 実際、埼玉県ではつきまとい等事案のおよそ44%にストーカー法では対応できないという調査結果が出ており、『恋愛感情等の目的以外のストーカー行為等を規制』するために条例を改正して条文を追加し、11月にストーカー法と同時に施行することが決まっています。

 今回のテーマは・・・

やっとこできたストーカー規制法。
でも取り締まりの対象を恋愛関係のもつれに限定しています。
コレってアリ?

「現在のストーカー法の内容には問題はない。改正する必要はない」という方は「アリ」を、
「これでは不十分だ。条文に不備がある。改正すべきだ」と思う方は「アリじゃない」を。

併せてご意見をお書きください。


●コレアリ結果報告

     
男女計 男性 女性

ストーカー規制法全文はこちら
埼玉県条例(抜粋)はこちら


『アリ』のご意見

●これは解釈上の問題だと考えます。佐野さんの主張するように「恋愛関係のもつれ」に限定しているとは言えません。文節の掛け方をどう考えるかで拡大解釈できます。ですから、佐野さんのおっしゃっているようなことは、法文を最小解釈した場合に言えることではないでしょうか。しかし、赤字以下の「密接な関係」というものにはひっかかります。確かに、この場合には、一目惚れ的ストーカーには適用できないでしょう。が、このケースは他の刑法で対処できるものと考えます。
(京都府 20代 男性 学生)

●自己抑制の効かない人が増えてきているんであれば、規制法というルールを決めないとエスカレートしちゃう感じもしますが、あんまり細かく内容を限定してしまうと誤解によって迷惑してしまう人もいるんじゃないでしょうか?
(東京都 20代 男性 会社員)

●あこがれ等による純粋な行動と悪質な行動との区別がむずかしいのでは?
(東京都 40代 男性 会社員)

●よく吟味をしないうちに、ストーカーの対象を広げてしまいますと、どんどん拡大解釈されてストーカーの意志が何もない男性が見ず知らずの女性より告発される恐れがあるからです。実際(ストーカーとは関係ありませんが)満員電車の車中での痴漢事件で、女性の体を触る意志の全くない男性が女性に告発され、その後の裁判で無罪判決を得たが精神的ダメージを受けた。という産経新聞のコラムを読んだことがあります。
(東京都 30代 男性 会社員)

*『アリ』のご意見としては、規制の対象を広げすぎるのは如何なものかというご意見が一番多く、そのほか、法解釈の問題を指摘する声もありました。

『アリじゃない』のご意見

●弱点1 まったくの悪意による「つきまとい」に対応できない。●弱点2 「たまたま近所を歩き回っているだけ」などの「ほかのことをしながらついでにストーキング」というケースに対応できない。●弱点3 恋愛感情云々ということになると、立証することが難しい。
(静岡県 20代 男性 公務員)

●人に頼んでストーカーさせたら合法ってことでしょうか?男性の意見で作られてるように思います。女性の意見も反映させなければ!と思います。もっと●事前に防げるような手段を考えるべきではないでしょうか?
(大阪府 40代 男性 サービス業)

●ネットストーカーについてもついでに検討してみては?一日に何百通もメールが来たり・・・なぜ、嫌がらせの電話やファックスが入ってるのに、メールがないんでしょうね。
(東京都 20代 男性 コンピューター関連)

●1〜8項目に該当すると思われる犯行で、客観的に犯罪行為を規定すべき。犯罪の動機など、個人の心情を特定したり、推し量ることは難しい。嘘もいくらでもいえる。
(奈良県 30代 男性 学校講師)

●いわゆる逆恨みや仕返しとしてこの法律のような行為をした時はどうなるか三角関係のもつれで同性へのいじめ、この種行為はどうかライバル蹴落としのためのこの種行為はどうか
(鳥取県 50代 男性 会社員)

●私は、めずらしいことに同姓(男性)の人間から悪質な嫌がらせを受けた経験があります。法を検討、改正し、いかなる理由によっても、ストーキングをした人間は、被害者から完全隔離して、治療するくらいの政策が必要と思います。
(東京都 40代 男性 会社員)

●「恋愛感情ではない」と、逃げられるってことなの?!だったら、大いに異議あり。
(東京都 20代 女性 会社員)

●私は現在大学の4回生で、卒業研究としてストーカー規制法を勉強しています。規制の対象を恋愛感情のみに限定したことに対して様々な意見があることを、法律雑誌等でよく目にします。警察本部にもお話を伺いに来ましたが、実際検挙するにあたっても恋愛感情のみというのは不十分ではないかということでした。
(島根県 20代 女性 学生)

●国や自治体には、もっと根本的な事に取り組んで欲しいというのが率直な意見です。どんなに法で厳しくしても、解決にはならないと思います。問題は社会の在り方や、コミュニテイの在り方だと思う。
(埼玉県 30代 男性 会社員)

●一目ぼれ族が今の社会多いはずです。
(東京都 30代 女性 自由業)

●実は私3年程ストーカーと闘ってるんです。いろいろ相談にいきましたが、もう要領を得ないというか・・・正直、本気で、力になってくれそうな公的機関は皆無でした。
(神奈川県 20代 女性 会社員)

*『アリじゃない』のご意見としては、どうやって恋愛感情を判断するのか、ということに一番多くのご意見をいただきました。ウソをつけば逃げられるから、感情を含めず、行為のみで取り締まるべきだとのことでした。また、50代男性に限っていえば、全員が『アリじゃない』というご意見でした。


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