秘書に対する暴行傷害事件について

 先日来、マスコミでストーカー事件等と報道されていますが、情報が断片的なせいか全体像がよく分からないので教えてほしいというお問い合わせを多数いただきました。

 そして今回の事件の背景には私が議員であるという要素があり、また、自分が公人である以上は自分が経験した事件について皆さんに報告しなければならない部分もあると考え、一連の流れを公開することにいたしました。

 このページでは、例の男の肉声も公開していますが、これを聞いて不快に思われる方もいらっしゃるかもしれないということを、あらかじめ申し上げておきます。

 なお、この肉声をお聞きになるためには、QuickTime Pluginが必要になります。プラグインのダウンロードは、http://www.apple.co.jp/quicktime/download/index.htmlを御覧下さい。


※佐野は、議員になる以前からもなってからもFとは一切面識がなく、それは現在も同様。

●1998年秋ごろ

 A4の紙数十枚の手紙が数回届く。

●1999年4月の統一地方選挙期間

 佐野の不在時にF本人が事務所に直接やってきた。酒に酔っていたうえに事務所女性スタッフに大声で怒鳴り散らす。当選後には『天下の美女 当選おめでとう』と毛筆で記されたFAX。

 そして、再び佐野の不在時に事務所に来て、『この般若心経はお守りだ。パンティを入れておくところにでも入れてくれ。』といった内容の手紙と般若心経などをおいていく。面会を要求されるが、身の危険を感じていたので秘書を通じて断る。

 その後、ひんぱんに電話・FAXで面会を要求される。その度に秘書が対応し、お断り。

 

●1999年6月〜

 6月頃からは、政策を攻撃しはじめる。事務所には連日のように電話・FAX。一通り質問に答えても、同じ事を何回もきいてくるという事の繰り返し。

 『これが最後の送信である。この送信をもって完全に切れることとする。さらば』のFAX。

●1999年7月〜8月

 Fは市議会に行き、議長と副議長に面会を要求。Fは佐野の同席も求めるが、同席の義務はないのでお断り。日を改めて、議長から呼び出しがあったが、呼び出しの理由がはっきりしないのでたずねると、「注意ではないから来てくれ」とのことだった。だが後日、Fに「議長から注意を受けているはずだ」と攻撃される。

●1999年8月〜9月

 事務所周辺の市民に、佐野への献金を強要するような毛筆の手紙を無記名で送付。そのうち何軒かには同様の電話もあったと報告をうける。(下図 左・中央)また、佐野以外の女性議員に佐野の支援者を名乗って中傷の手紙。(下図 右)

  

●1999年10月〜11月

 10月の下旬には集中的に事務所に押し掛けてくるようになり、階下の佐野の母親が経営する化粧品店で怒鳴り散らして佐野との面会を要求。自宅を聞き出そうともした。

●1999年12月(議会開催月)

 Fが佐野の職場である市役所周辺にも出没するように。

 朝は出勤してくる職員相手に中傷ビラまき、昼は議場付近で佐野を捜しまわり、議会事務局で怒鳴り散らし、夕方は玄関付近で待ち伏せ、といった感じ。一般質問中に傍聴席で叫びだし、退席させられたことも。

 役所の敷地内を管理する管財課がFにクレームをつけられ、管財課の職員がFの要求通り受付の女の子を連れてFの自宅に謝罪に出向いた事もあった。

 佐野の自宅にも来るようになる。早い時は早朝6時半からハンドマイク持参で現れ、大声で怒鳴り散らす。自宅前だけではなく、事務所前、市役所近く、駅前でも同じような事をやっていた。

逮捕前に届いた手紙・FAXの一部

●1999年12月25日

 Fが夜に佐野の自宅におしかけ、ひとり留守番していた祖母をおどし、次の日に佐野をFの自宅まで連れて行くという内容の念書を書かせる。署名捺印までさせられる。祖母は恐怖のあまり立っていられなくなってしまい、玄関先で座り込んでしまったという。

●1999年12月26日

 面会お断りの電話を入れた秘書への暴行の現行犯で逮捕。

●1999年12月27日

 Fの母親から示談を求める電話が入る。秘書が自ら示談を断る。

●2000年1月11日

 Fの弁護人から佐野の弁護士にFAX。内容は以下の通り。

『Fは佐野市議に対する抗議活動に行き過ぎを認め、秘書に対して暴行したことを認めている。Fは自己の行為を反省し、今後一切佐野市議および親族ならびに後援会関係者等とかかわりをもたないことを誓約している。』

 佐野の弁護士は、F本人が上記内容を文書で提出するようFの弁護人に求めたが、何ら回答はなかった。

●2000年1月14日

 傷害罪で起訴。

●2000年2月上旬〜

 議会運営委員会宛にFからの手紙が届くようになる。議会運営委員会とは議員で構成する組織。以下内容を抜粋。

『秘書が和解に応じないのは、佐野が背後で圧力をかけているからだ』
『報道によると、佐野が以前盗まれた下着の総額は50万円。議員として不適切だ』
SM写真集を出版するようなハレンチ議員・佐野を糾弾せよ』
『私は法律でいうストーカーではない。佐野に恋愛感情などもっていないからだ。』
『もう佐野の自宅に行く必要はなくなった。』(佐野側弁護士宛の手紙)
逮捕後に届いた手紙の一部

 

※ 逮捕後のFの手紙をめぐる議会事務局(役所)の対応

1) 市民からの議会運営委員会への要望書であり議会のことに関係するので、手紙の扱いについては内容に関わらず全て議長に読んでもらい、決済をあおぐ。
2) 手紙1〜9までは全て議会運営委員会(議員で構成される)にかけ、コピーをとって全会派の議会運営委員に渡し、今後どう取り扱うか審議。その結果、議会運営委員会では「ごく個人的な内容でもあるので、今後は取り扱わない」ことに決定。
→→逮捕後のFの手紙 その1
3) 手紙10〜については、取扱いが決定しているので議会運営委員会にはかけず、正副議長および議会運営委員会の正副委員長に読んでもらい、審査する。そこまで済んではじめて佐野は手紙に目をとおせる。
→→逮捕後のFの手紙 その2

 以前、議会運営委員会にかけるなどしたFの手紙の一連の扱いについて、課長が「私どもの判断ではなく、議長の判断。議長は王様。」と発言したのが印象的。

※Fからの手紙がマスコミで取り扱われることについて、議会事務局。

課長: 「まさか議会運営委員会宛の市民に要望書がマスコミに出るようなことになるとは思っていなかった、正副議長もきっと裏切られたという気持ちですよ。あくまでも宛先は佐野議員ではなく議会運営委員会であるところを、佐野議員の目にも触れるようにしているのに・・・。我々も本当に迷惑しています。」
(注:課長は「裏切られた」発言が、自分の言葉であることを強調。)
佐野: 「宛先が私ではないとか、恩を仇で返したとかいう話ではなく、これは刑事事件絡みなんですよ。私がFの手紙に目を通すのはごく当たり前なことではないですか。それに、議会運営委員会宛の手紙をマスコミに出してはいけないという決まりがあるのですか?」
課長: 「そういった決まりはありませんが・・・。議会運営委員会宛の手紙が新聞紙上に載ると困るのです。」

 議会事務局によると、過去、議会運営委員会宛の市民からの要望書(手紙)は例がないという。だから、その処理についても前例がないということだそうで・・・。

 内容はどうであれ、議会運営委員会宛の市民の要望書という形式を満たしているだけで、議会運営委員会はFからの手紙をわざわざ委員会にかけ、今後は取り扱わないという結果が出たあとでも、議会の正副議長と委員会の正副委員長がいちいち決済している。このように事実に反する内容ばかりの『要望書』でも全て通常通りに処理する必要があるのか。

 佐野がFからの手紙を見るには、この決済が終わるのを待って、議会事務局まで出向いてコピーをとらせてもらわなければならない。以前はFAXで送信してくれたのだが、どうもマスコミが逮捕後のFの手紙に注目してから役所の態度が硬くなった。役所も議会も有権者市民の無体な横暴をどこまで許すのか。


 Fが初めて事務所に現れた様子から、身の危険を感じ面会を断ってからというもの、Fは私の政策のいちいちを問題化し、政治活動への『抗議』を理由に攻撃をしてきました。その一方で、目的はよく分かりませんが執拗に面会を求め続けました。政策を攻撃するだけでなく、事務所近くの市民や市役所への手紙など、政治活動への妨害ともとれるような行為も繰り返して来ました。きわめつけは、本来政治活動に関係のない自宅にまで押し掛け、ハンドマイクで大騒ぎし、ご近所に大迷惑をかけたことです。私だけではなく、多くの人に迷惑がかかりました。

 最初から全部読んでくださった方には、私がFとの面会を断った理由もお分かりいただけると思います。議員には果たすべき義務がありますが、成熟した有権者市民にも守るべきルールが存在すると思います。

 私の信念は「働く人、がんばっている人を応援する」ということです。仕事が忙しくて役所に市政の文句を言いに行く暇もないけど、市民としてのルールをきちんと守り、がんばって働いて貴い税金を黙って納めている、という大多数の善良な市民の方こそ、私が応援していきたい方たちなのです。

 また、お身体が不自由だとか、そういった事情があって働きたくても働けないという人は、もちろん社会全体の助け合いで積極的に支えて行くべきです。そういった方々への支援は惜しみません。

 しかし、十分に健康で働けるのに働こうともせず、お役所や議員など、公的なものに不平不満をぶちまけ、有権者市民である自分の権利ばかり主張し、相手には最大限の義務を課すような考え方をする人を支援しようとは思いません。

 私は議員です。皆さんが納めて下さった税金から歳費をいただき、活動させていただいています。活動の過程で、有権者市民の皆さんからの相談をお受けするというのは基本です。色々とアドバイスや物言いをいただいたり、ということも重々承知しています。しかし、有権者であるからといって、際限なく横暴な要求を通そうとするような人には疑問を感じます。『有権者の声に耳をかたむける』のと『有権者の言いなりになる』のは全く違うということです。

 少々言葉がきつくなりましたが、今回事件に巻き込まれた事で、自分のスタンスがより明確になり、また、色々と勉強になりました。これからも皆さんの身近なところでよりよい仕事ができるようがんばっていこうと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

御意見をお待ちしています。