平成11年・12月議会より

一般質問

2001年3月27日

第1回目

 今回は、ご案内のとおり、珍しく多角的な質問構成となっておりますので。いつものように余計なことは言わず、ひたすらに有効な回答を引き出す質問をしていきたいと思います。

 ところどころ理事者にも質問がありますので、メモのご用意をお忘れなくお願いいたします。

 なお、これだけは言っておきますが、今日これからのやり取りの一字一句、丑三つ時には私のホームページから、全世界に向かって発信される予定ですので、ご承知おきを願います。

1:『財政再建』八王子はどうやって稼いでいくの?
  条例による映画撮影の環境づくりの提案

 市の財政が厳しい。耳にタコができるほど聞かされた言葉です。こういった状況では財布のひもを締めることも重要ですが、積極的に市が稼いでいこうという姿勢が大事だと思います。

 そこで、ドル箱のご紹介です。今回私は、条例による映画撮影の環境づくりの提案をします。映画の撮影にはたくさんの人が一ケ所に集まります。たくさんの人が一定期間にわたって八王子に滞在すれば、そこでお金を落とすという構造がうまれます。

 市内で映画等の撮影を積極的にしてもらえるようにしたら、元気な街になりませんか。

 単なる思いつきではありません。過去をふりかえり八王子の街ほど多くの映画、およびテレビドラマの撮影に使われてきた街はそう無いからです。

 私が八王子市立第5小学校の児童だったころ。「先生の通信簿」という映画では、舞台の学校は、八王子第一小学校。その他東放射線、旧小杉会館前などの市街地から、南部に位置する絹の道まで。オール八王子ロケーション。最近CATVでたまたま放送されていまして、思わず見入ってしまったのですが。当時の八王子の街の匂いみたいなものが生々しく伝わってきて、胸が熱くなりました。

 また、思い起こせば、多摩御陵への橋は、ドラマ「夕日が丘の総理大臣」をはじめとする、学園ドラマの登下校シーンの定番として数多く使われてきました。1980年代後半からは、いわゆるトレンディードラマというやつに八王子のニュータウン界隈が頻繁に登場しました。一昨年には旧夕焼け小焼け文化農園の話をCM製作会社にお話ししたところ、公文式のCMに使われました。

 八王子には、全く手を入れることなく、そのまま映画撮影に使える、自然、建物や道がたくさんあるんです。これは八王子の特色なんです。

 そこで、質問です。

 撮影の現場として使われる場所はいくつか考えられますが、一般的に道路は、国道、都道、市道と分かれています。また、市の公共施設もあります。

  いま現在、映画等の撮影をする場合、どんな手続きをしたら市内で映画等の撮影が可能となるのか、教えてください。

2:負けるな痛勤サラリーマン

 八王子の痛勤サラリーマン問題です。

 首都圏からおよそ40キロ離れているこの八王子に住み。ドアツードア、およそ2時間、満員電車に揺られながら都心部へ通う痛勤サラリーマン。略して「痛サラ」。もちろん、漢字の痛いという字を書いて「痛勤」と読みます。

 以前頻繁に質問させていただいたのですが、よんどころない事情で「窓口」の方がいらっしゃらなくなりましたので、新体制では初めての質問となります。

 JR当局との交渉の具合をお聞きしますが、市長就任後、どんな交渉を当局としましたか。不況の中頑張っている痛勤サラリーマンのみなさんを支援する策として、痛勤快速を八王子駅から増やして欲しいと思いますが、いかがお考えでしょうか。

3:働く女子の支援策

 市長は選挙広報に「女性がいきいきと働き、参加できる環境を作ります」と掲げ、育児支援をうたっていますが、残念ながら、いまだそのような側面が見えてきません。

 痛勤しながら子育てをしているママのために、駅付近に託児所を設置する考えは持っているのでしょうか。ただでさえ、待機児が900人と、あふれかえっている現状です。この緩和にも役に立つ、一石二鳥の方策だと思いますが、いかがでしょうか。

4:地方分権による自主課税権

 昨年4月1日より地方分権一括法の制定により、自治体に自主課税権がありますが、市はこれについて何かお考えを持っていますか。もしないとするなら今後検討していく考えはありますか。

 地方分権時代の今の時代をよく表す言葉かもしれませんが。市長はよく「都市間競争」ということをいっておりますが、どういうことなのでしょうか。まちのつくりはもとより、面積も風土も歴史も違う都市どうしを比較できるのか。

5、多摩ニュータウンの街づくり

 ニュータウン事業は、開始から30年を経過していますが。いつ頃八王子地区は、事業が終わる見通しかお尋ねします。また、ニュータウン事業は都の事業であるので、当然都が建設事業については資金の手当てをしていると思いますが、学校、公園、道路についてはいかがでしょうか。

 今回ももちろん、質問前のご意見大募集ということで、ホームページ上に声をつのったところ。多摩ニュータウンの街づくりについて、ニュータウンの選挙、投票場についてのご意見を、多数いただきました。ご紹介はあとにまわしまして。

 前回のそれぞれの選挙における投票率のデータを見ますと、平成12年1月の市長選が44.17%。平成11年4月の市議選が50.75%。同じく平成11年4月の東京都知事選が57.85%。平成9年7月の東京都議選は46.27%と、決して投票率は高いとはいえません。

 市長はこの結果を見て、投票率についていかがお考えでしょうか。市長として、投票率はこのままの水準で良しと考えるのか、それとももっと上がって欲しいと考えるのか。

6:多摩都市モノレール

 平成13年度予算では、(株)多摩都市モノレールに対し、市から3億円の出資があります。

 私も先日、駅頭で議会報告をするかたわら、朝の痛勤ラッシュ時に、実際にモノレールに乗ってみました。乗客数は、中央線や京王線の痛サラの皆さんがうらやむほどの空き状態。面倒なので、たすきをかけたまま、人目を気にすることなくモノレールに乗れたと表現すれば、お分かりいただけるでしょうか。

 初乗り料金は200円ということでその高額さに、改めて驚きましたが。4月20日から一駅100円という新料金の設定。これは新聞でも報道されていましたね。料金の見直しはもちろん、我々市民にとってはメリットですが。都市と都市をつないで、利便性をさらに高めることも重要だと思います。

 昨年1月にオープンしたモノレール、その後の状況を教えてください。

7:都の多摩地区合併案

 今年、多摩地区では田無市と保谷市が合併して、西東京市となりました。1月1日現在のそれぞれの規模は以下のとおり。

         人口          面積

 田無市    78、253人    6.8平方キロメートル

 保谷市   102、489人    9.05平方キロメートル

 この合併で、27市が26市となります。そこで、東京都は多摩地区合併案を発表しましたが、その内容を教えてください。

 3月9日の朝日新聞によると、町田市の市長は都の合併案は実現不可能だと発言しています。その内容は、八王子、日野、多摩、稲城、町田の旧南多摩郡の市は、それぞれ個性があり、また水系も、多摩川、鶴見川と異なっていることからも、一緒に地域をくくって市政をしくことは無理であるとのことです。そして町田市の市長は、今後は中核市を目指すということを明言しています。なお、都の合併案については、各市長から積極的な評価はありませんでした。

 今現在、中核市となっている都市の名前と人口をお答えください。

 ちなみに、中核市の要件は地方自治法第252条の23にあるように、

 1 人口30万以上を有すること。

 2 面積100平方キロメートル以上を有すること。

 3 当該市の人口が50万以上

 ということですので、我が八王子市はこの条件を満たしています。

 中核市については都と交渉して進めていくのでしょうか。それとも長い凍結のまま諦めていくのでしょうか。現在の考えを市長にお伺いします。中核市移行については、平成12年第一回定例会のお答えの中で、「都知事との交渉については機会を見て交渉していきたい」のことでしたか。その後どうなったのか?お答えください。

 ちなみに町田市は2月1日現在、人口が37万9、862人。面積が71.62平方キロメートル。面積要件が満たせないので、人口50万人を突破することで、中核市を目指していると、私は思います。すでに要件を満たしている八王子市はどうなんでしょうか。

 地方自治法第252条の19で「政令で指定する人口50万以上の市・・・」とありますが、中核市と政令指定都市の権能の違いをお答えください。

 政令で定める大都市は人口にしてどのくらいの規模の都市を指すのか。また、現在、政令指定都市となっている都市の名前と人口をそれぞれお示しください。

 市長は選挙中「政令指定都市を目指して」等と話されていたようですが。平成12年度の第一回定例会の質議に対する答弁は、「政令指定都市も視野に入れながら」というお答えをくり返しています。日本語を大事にする私としては「目指して」と「視野に入れて」とでは、だいぶニュアンスが違うふうに感じるのですが。ここのところいかがでしょうか。

8:元気な街づくり

 市長になってこの一年間、元気な街づくりのための施策を具体的には何をしてきましたか。お答えください。

9:東海大学病院の進捗状況

 来年3月開業予定の東海大学付属病院の工事の進捗状況を教えてください。

産業振興部長

 市内での映画撮影についてお答えしたいと思います。映画等の撮影をする場合、どんな手続きをしたらいいのかということでございますが、市の公共施設での撮影には公有財産規則により行政財産の使用許可の手続きが必要となっております。また市の公園での撮影に関しましては、八王子都市公園条例および施行規則によりまして、映画、テレビ、ビデオ等の撮影行為の許可をとり、占用料を納めるものとなっております。また、公道、市道での撮影に関しましては、道路交通法に基づきまして道路管理者でございます、警察署の道路使用許可が必要となっております。

都市計画管理室長

 3点ほどご質問をいただきましたので、順次お答えいたします。まず、新市長になってからJRとどのように交渉したかということでございますが、本市につきましては、JR中央線それから八高線ともに沿線自治体との協議会を組織してございまして、年に一回開催する、その総会におきまして採択されます要望書をJRに提出してございます。例えば八高線でございますと、列車の増発、駅舎の改良等でございます。それからJR中央線でございますと、連続立体交差化および複々線化の早期完成でございます。それから本市に関わる固有の事例につきましては、高尾駅南北自由通路の問題、駅のバリアフリ−化の問題、道路との立体化の問題、中央線の朝夕特別快速増便についての、それぞれ八王子支社と交渉を行っています。それから2点目のニュータウンのまちづくりでございますが、多摩ニュータウンにつきましては、昭和40年の都市計画決定、それから昭和41年の事業計画決定を行いまして、事業に着手してございまして、おおむね34年を経過したところでございます。多摩の優れた自然環境と調和した、良好な居住環境を備えた新市街地の形成を行って参りました。収束段階を迎えた東京都施行区域の鹿島、松が谷、下柚木、鑓水地区は平成15年度を目途に事業を収束する予定でございます。また、都市公団施行区域の別所、長池、堀之内地区は平成17年度事業収束を目指してございますが、堀之内地区だけはさらに数年の延期が予想されるところでございます。資金、事業費の関係でございますが、学校につきましては、国費と都の補助金で全額負担されてございます。ただし平成11年度からは都の補助金の見直しを見まして、一部市の負担になってございます。また、公園、道路は都の予算で事業がされております。それから多摩都市モノレールにつきまして、ご答弁申し上げます。平成12年1月に全線開通しました多摩都市モノレールにつきましては、順次上から、上北台〜立川北駅間が平成10年の11月に開業しまして、月平均の乗車人口が約5万人でございます。それから平成12年1月10日開通の全線でございますが、当時は月平均の乗車人口が5万8、000人でございます。ただし、平成12年4月1日以降、学生の定期の割り引きをいたしまして、その後は月平均乗車人口が9万3、600人を超えております。なお、ご質問にありましたように、先日新聞記事になりました利用客増を図る為の割り引きにつきましては、4月20日から大人200円のところを100円、こども100円のところを50円に料金を改定しているところでございます。

福祉部長

 働く女子の育児支援のための具体的な対策の一つとして、駅の近くに保育所を設置したらどうかということでございますが、現在東京都の方で駅前認証型の保育所の要綱を整備しているところでございますので、要綱を受けてから本市としても検討をしていきたいとそんなふうに思っております。

税務部長

 自主課税についての考え方でございますけれども、分権一括法で自主課税、これが強化をされております。なかでも、法定外税の創設、これは自治体の政策課題、これらを推進するのを税制面から支援したり、また、自治体運営を可能とする手段ともなりえます。また受益と負担の関係を明確化して求められる政策課題や地域固有の問題を解決する、この為に積極的な活用が図られるべきと考えております。

企画政策室長

 私の方には質問が多岐にわたっておりますので、できるだけ簡潔にご答弁申し上げます。まず、都市間競争、自治体間競争の定義でございますけれども、いずれもほぼ同様のものであるというふうに私は理解しておりますけれども、あえてその意味を分けて考えますと、都市間競争といった場合には経済面での比較において、自治体間競争といった場合には公共サービスの質と内容の比較と、私は解釈をしてございます。それから、多摩地区合併案でございますけれども、基本的には20万目安の人口でゾーニングをしておりますが、広域型、細分化型、細分化修正型の3つのゾーニングが指針として示されております。修正型では、私どもと町田市が単独ということで位置付けられております。次に中核市でございますが、全て都市と人口をということだったんですが、お互いに全て申し上げますと大変でございますので、簡潔に申し上げますと、北は旭川市から南は鹿児島市まで、27市が指定をされております。人口は30万余の宮崎市から、80万をこえる堺市まで、相当の幅がございます。次に政令指定都市でございますが、これにつきましては現在12市でございまして、300万人をこえる横浜市を筆頭にですね、最小の千葉市では85万人の人口規模となってございます。それから中核市と政令指定都市の権能の違いということでございますけれども、まず事務配分の特例としまして、政令指定都市の場合は、民政、行政、保健衛生行政、土木行政それから都市計画等に関する事務をですね一括処理をすることになってございます。中核市の場合にも、原則的には政令指定都市に移譲されている事務を処理することになっておりますけれども、都市計画の一部などですね、都道府県が一体的に処理する方が効率的だという事務についてはのぞかれてございます。それから行政監督の特例ということで、知事の承認、許可、認可等の監督を要している事務については、その必要がなくなるということで、主務大臣の監督となるというものでございますが、中核市の場合はその行政監督の特例は設けられておりません。その他に特例としては政令指定都市は区が設置できますけれども、中核市は区が設置できない、こういうふうになってございます。

保健医療部長

 東海大学医学部付属八王子病院の工事の件でございますが、平成13年11月の竣工を目指しまして、現在順調に工事が進んでおります。病院棟はコンクリート打が終了いたしまして、内装工事に入っているところでございます。病院の開設につきましては、現在平成13年3月の予定だと病院側は申しております。

市長

 9番佐野美和議員の私に対する3点の質問にお答えいたします。まず投票率についてはこのままでいいのかというご質問をいただきました。結論から言いますと、いいと思っておりません。もっと各選挙について市民の皆さんがさらに高い関心を持っていただくということは極めて重要なことだと思っております。これからも少しでも投票率向上のための努力をして参りたいと思っております。次に中核市についてでございますけれども、中核市を凍結いたしました。これにつきましては、議会の皆さんの意向というものを十分に斟酌した結果でございまして、凍結した当時と環境は変わっていないというふうに思っております。さらに厳しくなっているんじゃないかなと思っています。年間60億円ほどの負担増ということになりましたので、これが多少でも減り、いうなれば消化できる範囲となるならば、中核市は目指すべきものだというふうには考えております。それから政令市について、私が政令市も視野に入れながらというご答弁を従前いたしました。目指してと視野に入れての違いということですけれども、目指してというのはあくまでも市が積極的な取り組みをするということだと思うんですね。私は当然ながら、八王子市だけでの中核市というのは難しいと思います。ただ、これから地方分権が進んだ場合に、やはり国や都からそういった働きかけもあるんじゃなかろうかと思っています。いずれにしても100万人前後の一つのかたまりができるようであれば、私は政令市というのは目指すべきものだというふうに思っております。さいごに元気なまちづくりを標榜し、この一年間に何をやってきたのかという主旨のご質問でございますけれども、元気なまちをつくる基礎として、私は市役所も元気にならなくてはいけない、こういう姿勢から今までもお答えしてきましたけれども、元気な市役所をつくっていきたい、風通しのいい市役所、そういう意味ではとくに職員一人一人が、自分の能力を十分発揮できるような市役所をつくりたいと、このような努力をして参りました。また産業振興会議を設置いたしまして、八王子の今後の産業振興について貴重なご提言をいまいただいているところでございます。あるいは外郭団体のさらに活性化というものも、検討会の意見をいただくなかで取り組んでいるところでございます。またFAMの跡地ですね。これも今まで放置をされておったわけでございますけれども、いよいよ動き出したというようなこと、こういったこともひとつの元気なまちづくりの方向づけではなかろうかと、そんなふうに思っております。