平成10年・9月議会より(2)

 それぞれお答えを頂きました。
 ここのところ深夜帰宅サラリーマンの現状を探るべく、終電間近のJR中央線に、たびたび乗ってみました。高尾駅で多くの寝過ごしてしまった人が、駅員さんによって揺り起こされます。ヨレヨレになって「自動精算機」で精算しているのを、ずっと背後から盗み見していました。
 圧倒的に多いのは、豊田や八王子の定期券をもった方たちでした。長距離通勤の疲れもピークに達し、ヘタに立川あたりで座れてしまうため、座るやいなや爆睡モードに入ってしまうのでしょう。精算機で、中野や阿佐ヶ谷までの定期券を持った人が精算しているのは、緊張感の無さを、指摘せざるを得ませんがずっと鮨詰めの満員電車に揺られ、立川を過ぎたあたりから座れてしまい、ここで一気に緊張感が解け、睡魔が襲ってくるのです。
 長距離痛勤の、八王子市民のサラリーマンの寝過ごしには、同情せざるを得ません。

 今回も、私の持っている独自のメディア、インターネットの ホームページにて、「バス通勤」についてのご意見を緊急募集してみました。
 私もホームページを開設して3年弱ですが、ここ数カ月のメールブームには本当に驚いております。今回、この私の質問内容の主旨をすでに、ホームページ掲載してあるのですが、わずか数日でバス関連について、数十本のメールを頂きました。

 アメリカのニューヨーク、そしてワシントン州から、そして八王子の姉妹都市、北海道の苫小牧市の市民の方からも、頂きました。今、ワールド・ワイドの規模で、八王子の深夜バス増便について注目が集まっているんです。

 舘ヶ丘団地にお住まいのSさんからのメール。

 「いつも残業で終電近くの中央線に乗ります。もうあと30分くらい遅くに終バスがあればと常に思っています。ふところに余裕がある時はタクシーなのですが、いつも家内を電話で起こして迎えに来させるのですが、頭が上がりません。」

 一番多かった内容は、「本当に役所なんか疎遠だけれども、税金は納めている訳だから、普段余り役所に関係ないサラリーマン、僕たちのことを考えてくれたら嬉しく思う」というような内容でした。
 そして、お隣日野市のKさんからは、バス関連ということで、こんなメールを頂きました。

 「私の住んでいる日野市には、市内循環バス、通称『ミニバス』 が走っています。密集した住宅街にも走っていて、結構便利なんです。」

というメールです。
 そこで、このお隣の日野市で、市民に好評を得ているという『ミニバス』とやらについて、整理してみましょう。
 正式名は、「市内連絡バス」。設置目的は、交通不便地区の解消及び、公共施設への足の確保。南北交通の不便さを解消するために開始されたものです。ここでまた問題のフリップ(パネル)が登場するわけです。

 ミニバスに関する財政補助、年間合計6,600万円。日野市の一般会計予算との比率で言うと、0.14%の歳出となっております。これを八王子の一般会計1,700億円に置き換えますと、2億4000万円という数字になります。したがって八王子も日野市と同じ位の比率の負担をして、深夜バスの補助に当てて頂けないでしょうか。
 16万都市の日野市が、実際にサラリーマンやOLの通勤のお手伝いをしています。50万都市の八王子市でも、働くサラリーマン、OLの通勤の応援をして頂きたいと心から思います。
 深夜バスが、市の補助金によって実現すれば、税を払っているありがたさを実感してくれるのではないでしょうか。
 たまたま日野市の例を出しましたが、こういうのこそが、一つの生きた税金の使い方なのではないでしょうか。
 八王子は、前向きに働いているサラリーマンやOLの応援をしてくれているのでしょうか。彼らのために、こんな税金の使い方をしてると胸を張って言えるでしょうか?

 ここで、ちょっと興味深かったエピソードを一つお話します。先日朝の某ラジオを聞いていました。「自分の住んでいる町はお金持ちか」というインタビューで府中市民にインタビューをしたところ、ほとんどの府中市民が、「自分の住んでいる府中はお金持ちだと思う。なぜなら大企業もあるし、なんと言っても競馬場がある。」
 更には「府中は他の市と比べて税率が安いんじゃないかしら」と答えていた市民が結構いたのには驚きました。実際は、市民税はどこも同率です。
 ふたを開ければ、府中の競馬場も、法人市民税は非課税扱いなんです。そのかわり「用地取得寄付金」という名目で、まあ迷惑料ですね、5億円、市に納めているようなんです。

 もしあの番組のインタビューを八王子市民にしたらどうでしょう。府中とは反対の答えが返ってくるのではないでしょうか。実際、「八王子に引っ越してきて、税金が高くなった」と誤解している方も結構いるんです。
 行政の皆さんは、倒産の心配をしなくていい代わりに、莫大な市民要望の中にうずもれ、さまざまなご苦労が、さぞあると思います。
 時には、そのうっぷんを妻に八つ当たりもしてきたでしょう。
 しかし私は、どんな時代も、前向きに働く人たちのサポートをしていく行政であって欲しいのです。それこそが、21世紀の八王子に実となって帰ってくるのではないでしょうか。

 質問です。
 日野の市内循環バスのようなミニバスの運行を、深夜の終電時間帯に運行するための補助等はできないでしょうか。また現行のバスの、終電と終バスの連絡で増便ができるか。深夜バスの充実のため補助制度を考えられないかを、お答え下さい。
 最後に市長へご質問します。
 市長は市を支えているサラリーマンの皆さんが、このように苦しい状況の中、バス痛勤されている状況について、どのようにお考えでしょうか。
 そして、前回の『負けるなサラリーマン』シリーズの中央線問題について。私の質問以降、波多野市長にJRの八王子支社にサラリーマンの皆さんの要望を伝えて頂きました。1つ下りの豊田止まりの本数が多いので、八王子止まりの本数をもっと増やして欲しい。2つ、混雑のため、上下線別のホームの改造を。3つ目、踏切の遮断機の下りている時間が長いので、短縮して欲しい。
 これらの実現の見通しについてもお答え頂きたいと思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。



#都市計画室管理主幹

 まず、深夜バスの増便についてお答えします。
 バス利用者にとって、必要性があるということは認識しておりますけど、8年度の状況でございますけども、市内には161系統のバスが運行されております。
 これで1日平均の乗車利用率で申し上げますと、平成4年と8年では、約9%の減をみている状況でございます。
 また深夜バスでは11系統、18本運行されておりますが、これも乗車利用率は減少で、約6%くらいの減をみております。
 そんな中でバス利用者数、バス路線数、採算性等バス事業者にとっても課題が多いかと思いますが、バス事業者との年1回の懇談会、あるいはまた別の機会もございますので、ご質問のご主旨については、要請して参りたいという風に考えております。

 それから、深夜バスの充実のための補助制度というご質問でございましたが、昨日も他の議員から、新規バス路線に対する補助制度についてご質問がありまして、室長が答弁しておりますけども、本市の財政状況ならびに、先程申し上げましたバス事業者の課題も多く、補助制度については今後の研究課題とさせて頂きたいと考えています。
 以上です。

#市長

 深夜の利用者というのは、やはり特定の方だと思いますが、いま、担当がお答えしたとおり、機会がある時に一応バス会社に要請して参りたいと、そんな風に思います。
 またJRの問題でありますが、前回のご質問につきましては、まず、豊田止まりにつきましては、年末に行われるダイヤ改正について豊田止まりを、高尾行きに変更する本数を増やすというお話のようでございます。
 また踏切時間が非常に長いということで、目下検討をして、停車しておる場合あるいは通過する場合、そういうような駅周辺の問題につきましては、近々改良して時間を短縮する、あるいは通過した踏切についても、早めに開けるような検討を進めておるということで、これも早い機会に実現して踏切をなるべく開けていこうという努力をしておるようです。
 また駅の問題につきましては、更に今、駅の改造をしていこうということで、改札を入ったところが今はたまり場になっておりますが、あれを真っ直ぐに引きのばしてもう一本奥まで行くようなかたちで、また横浜線で降りた人たちが、そのままストレートに前に来るのではなくて、中間的なところから今の改札口に来られるようなことをしながら、駅のホームも改良していこうというような考えも打ち出しておりますので、本当にJRも真剣に取り組んでおるということをご報告させて頂きたいと思います。