平成10年・9月議会より(1)
『負けるな痛勤サラリーマン、
        深夜バス時間延長!』

9月9日水曜日

 はじめに・・・この議会はお騒がせしたパネル事件があった議会です。
 私が2枚のパネルを持って登壇したところ、他の保守系議員から、会議則に反すると動議が出て2時間近く議会が中断されました。でも実は、規則には全く無いことなんですね。詳しいことはまた、別のページでお話ししたいと思います。
 ここでは議会の全内容をお伝えします。

#他の保守系議員

 ただいま、パネルを持って登壇されましたが、議会運営委員会の委員長の注意にも関わらず、登壇されました。会議規則に反すると思います。議会運営委員会に前もって報告することが、会議規則に定めてあります。よって議長においてパネルを取り扱うことについて、おはかり願います。

#議長

 ただ今第○番◇◇くんから動議が出されまして、所定の賛成者がおりますので、動議は成立いたしました。
 ただ今□□□□議員の発言中に議運の委員長からの連絡がありまして、所定の議運の委員の方々が休憩をして、議運を開いてとりまとめたいというような意向が前もって示されておりますのでこの場合は休憩を致しまして、議運にかけて調整をしたいと思いますので、暫時休憩致します。

#副議長

 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 先程、佐野議員の資料持ち込みについて、◇◇議員から動議が提出されました。休憩中、議会運営委員会を開催し、調整をした結果資料持ち込みの際は、事前に議長または議会運営委員長に申し出るとの、議会運営委員会の申し合わせがあるものの佐野議員が出席していなかったため、知り得なかったことを考慮し今後このようなことの無いよう、厳重に注意をし、一般質問を許可します。
 第10番佐野 美和くん

#佐野美和

 はい。議長第10番佐野美和。通告に従って一般質問を始めます。
 その前に、議会運営委員会の申し合わせ事項について知らなかったこととはいえ、私の不勉強により議会を混乱させてしまったことは、大変申し訳なく思っております。
 今後は、この様なことが一切無いよう、十分に気を付けていきたいと思います。この2時間以上にもなるロスタイムを解消すべく、ゆっくりと丁寧に質問しますので、どうぞお聞き下さい。

 私の前回の一般質問のタイトルは、『頑張れ中央線、負けるな痛勤サラリーマン』。今年に入ってから3月末まで、1.5日に1回の割合で大幅にダイヤが乱れていた中央線。現時点でも多いものの、4月から7月のデータは、5.5日に1回の割合になりました。減少している状況にあります。市から、JRへの要請のご利益もありまして、私の質問後ずいぶん改善されました。ありがとうございます。
 御存じの市民の皆さんもいらっしゃると思いますが、私は八王子駅・西八王子駅・高尾駅などで「佐野美和レター」という会報を、朝の通勤時間帯に定期的に配っております。そこで通勤中の皆さんと、直接会話する機会が沢山ございます。その場で、市民の皆さんからのリクエストを頂戴することが結構あるんです。大変ご好評を頂いた『頑張れ中央線』。

 そんな中、電車と同じ位に、バスが重要な通勤手段となる八王子において、『深夜バスの充実』を訴えるサラリーマンの皆さんがカナリいることが確認出来ました。
 前回の『頑張れ中央線』の質問日は、3月の27日。その日の日経平均株価は1万6,739円あろうことか、その時期から更に状況は悪化しまして、8月28日には、日経平均株価1万3,915円と、バブル崩壊後の最安値を下回ったのは、誰よりもサラリーマンの皆さんのお財布が、御存じの通りです。景気は確実に良くない方向へシフトしています。
 ちなみに今日9月9日10時現在で日経平均株価1万4,990円。今朝のニューヨークの株、急上昇により、始め1万5000円の大台に乗りましたが、伸び悩んでいる状況。
 『ベッド・タウン八王子』多くのサラリーマンは、経済状況の厳しい今日も変わらず、バスに揺られJR中央線に乗り、また地下鉄に乗り換えてと、仕事場に向かいました。
 1つ整理しておきますが。国勢調査報告によりますと、昼夜流出人口の、就業者。つまり、八王子にお住まいで、八王子の外へお勤めに行く人数は、確実に右肩上がりに増えています。
 ここで問題のフリップ(パネル)が登場するわけです。せっかく作ってきましたので、市長もどうぞ後ろ向きにごらんになって下さい。

 私の生まれた「ひのえうま」の年の、1年前の1965年は、八王子からお勤めに出る人が、およそ2万8千人。そして、1980年、王選手が引退した年ですが、この年はおよそ6万7千人。85年は、およそ8万人、ちなみにこの年は、阪神タイガーズが21年ぶりに優勝した年。バブル経済最後の年、1990年には、およそ9万7千人。3年前の95年には、およそ11万人です。1980年の1.4倍ですね。
 八王子に在住し、市外へ働きに出ている人口は、こんなに増加しました。20年以上ものローンを組み、バブルの時に高値で、八王子にやっと手に入れたマイホーム。今では8割くらいでしか売れないんです。
 勤め先までの所要時間、ドア・ツー・ドアでおよそ1時間45分。八王子では寝起きをするだけ。市役所などには、最初に住民票を届けに来ただけの関係かもしれない。ましてや余程のことがない限り、役所に意見や苦情を言いに来る人間ではないかもしれない。けれども彼らは前向きに働いて、八王子になにがしかの税金を落としているんです。彼らこそが、今の、そしてこれからの八王子市民の大多数であり、21世紀の八王子市の主役となって行くのです。
 彼らは、「サイレント・マジョリティー」、物言わぬ大衆。私は彼らを、「ノーブレス・オブリージュ」「物言わぬ高貴」と位置付けています。
 一生懸命働き、ささやかでも家や家庭を支えているサラリーマン、OLの皆さんを、なにがしかでもサポートしてくれる市であって欲しいのです。
 これは私が市議に立候補した理由の1つでもあります。

 さて、今回の私の質問のねらいと主旨は。
 経済状況の悪い中、時間的にも非常に不規則なサラリーマン生活の中で、民間の会社では経費節約ということで、タクシー代や、いわゆる交際費を締め付けているわけです。
 不便なバス通勤の現状を、行政が共通認識する。そんな通勤サラリーマンたちのことを、行政もちゃんと考えていますよというエールを込めて。
 彼らにも八王子市民としてのプライド、そして喜びを持ってもらうように、行政がリードする、ということを踏まえて簡潔に質問いたします。

 ここで八王子駅発の平日の、終バス時刻について整理してみます。まずは西東京バス。川口小学校行き、終バス23時49分。宝生寺団地行き、23時47分。宇津木台、23時2分。みつい台、23時16分。楢原行き、22時57分。京王バスは。上大船行き、21時46分。法政大学21時13分。長房団地23時10分となっております。
 この終発の時刻を聞いて、この時間ならもう十分と思った人は。八王子で寝起きをし、八王子に勤めていらっしゃる方ではないでしょうか。ドメスティックなお話ではなく、グローバルなお話ですのでご了承下さい。
 ここで、ちょっとシュミレーションしてみましょう。私も赤坂にある某キー局のお仕事をしていますので。例えば八王子から赤坂に通う、痛勤サラリーマンを仮定して。終バスに間に合うために、席を立つ時間を想定してみました。
 まずは、今日も赤坂から帰ってくる八王子川口在住のAさん。八王子駅発の終バスが11時49分ですから、遅くとも11時38分八王子駅着の電車に乗らなくてはいけない。つまり四谷を出るのがおよそ10時50分の中央線。赤坂見附の駅を出るのは10時40分。つまり同僚に別れを告げるのが10時30分前に強いられるわけです。八王子の中で一番遅くまである、川口小学校行きでこの現状です。

 そこで最初の質問です。
 都心のオフィス街から帰宅する場合の代表的駅の、終電時間における深夜バスの現状をお聞かせ下さい。
 もう一つ、経済部長にお答え頂きます。長崎経済部長は市役所に36年勤務。八王子久保山町にお住まいで、ローンは払い終わったかどうか知りませんが、元本郷町のこの役所に、今日もバスかお車でやって来ました。この不況の中、都心へ通う、八王子のサラリーマンの痛勤について、これは通うという字で無く、痛いという字を書く痛勤ですが。どうお考えでしょうか。
 今日も都心から、ヨレヨレになって帰ってくる民間サラリーマンのお気持ちを真摯に受けとめ、お答え下さい。
 1回目の質問を終わります。


#都市計画室管理主幹

 バスのことにつきまして、お答え申し上げます。
 ご質問がございましたように、鉄道と終バスが必ずしも連絡されているという、状況でないことは十分承知しています。
 JRでございますけど、JRの最終は八高線が、23時39分。横浜線が、0時26分。中央線が、1時29分ということで、1〜2時間くらいその差があるということを承知しています。
 深夜バスとしましては、現在11系統、18本運行されておりますけれども、この利用については、減少気味というようなことも聞いておりますので、実態としてはかなり利用率が減ってきていると承知しております。
 以上です。

#経済部長

 今日の経済情勢の中での通勤サラリーマンの現状ということでご質問頂きましたけど、 昨日、経済企画庁が9月の月例報告で「景気の現状は低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にある」と、これ以上の言葉は無いくらいの、厳しさを表現しておりますが、一日も早く、明るい表現になって欲しいと、願っているところでございます。
 昨日も、他のご質問者に「長引く景気低迷は、広い範囲にいろいろ影響を及ぼしている」という内容を申し上げました。 これは、商工業者、農林業者のみならず、八王子を支えて頂いている、多くのサラリーマンにとりましても、大変厳しい影響を与えると思っております。
 八王子市は、都心のベッドタウンとして、急激に人口も増え、その多くの方が都心へお勤めになっていると思います。
 しかし、この不況の影響はサラリーマンにとって、企業の突然の経営悪化、あるいはリストラなどにより、先行に大変な不安感、そしてご質問者がおっしゃる、大変苦痛な通勤を毎日強いられているところだと思います。
 そういった意味では、サラリーマン生活も大変な厳しさを、余儀なくされている方も多いと、そのように認識しているところでございました。
 こうしたサラリーマンに、少しでも快適な通勤が出来れば、あるいは、早いうちに景気が回復して、また活気のあるサラリーマンになって欲しいと、そのように願っているところでございます。
 以上です。