'97年12月議会より

PHOTO 私のまだ短い議員生活を振り返りますと、一般質問の場所では、豊かな市民生活の提案ということを常にテーマに、第1弾でサッカー場の提案、第2弾ではマルチメディアタウン八王子構想、八王子の財産でもあり、近い将来極めて重要な役割を果たす21世紀のメディア、CATVをプラスのツールと考えたインターネット、光ファイバー遠隔医療などを活用しようという提案をしてきました。第3弾の今回も豊かな市民生活の提案を考え、ゴルフを取り上げます。
 ゴルフというスポーツに関して、八王子市はコースが5つ、練習所が15ケ所という東京都の中でも非常に恵まれた環境にあります。この恵まれた環境を生かし、21世紀を背負っていく子どもたち全員にゴルフの道を早くから平等に開いてあげたいと願っての提案です。

 今回は、八王子から未来のタイガー・ウッズを、「ジュニア・ゴルフクリニック」開催の提案というタイトルで質問をいたします。
 この質問をする1ヶ月前から、私のメディア、インターネットのホームページにて、今回、ジュニアゴルフの提案をしますと告知しておきました。市民の皆様からたくさんのEメールをいただきました。中でもこんなメールが大半を占めていました。すごく気持ちがわたったんですが、自分の子どもの才能を生かして、期待して将来はスポーツ選手にさせたい、こんな親たちが非常に多かったんです。顔も見えないメールだからこそ、書いてくれた親の純粋な気持ちだと思います。
 では、親は子どもに何のスポーツで大成してほしいのか。野球、サッカーに並んで多かったのがプロゴルファーです。なぜプロゴルファーか。プロゴルファーは、野球やサッカーと違って選手生活が短命でなく一生現役でいられるという答えと一緒に、自分がゴルフを始めたのは会社に入ってからで、もしもあと10年、あと5年でも早くクラブを握っていたら、もっと違う道を歩めたかもしれないという自分が果たせなかった夢を子どもに託しての答えがありました。

 親の気持ちはせて置き、子どもたちはどうでしょうか。先日、ここからすぐの鶴巻橋の浅川の川縁で、禁止されているにもかかわらず、ゴルフクラブを振ってアプローチの練習をしている子どもを目撃しました。珍しい光景を偶然見たのかと思ったのですが、どうもそうではないらしいのです。近所の小学生なども友人たちと川原で素振りの練習をしてくると自転車に父親のクラブを1本担いで出かけているそうです。小学生が読むコミック雑誌でもゴルフ物は大人気です。漫画の影響も少なくはないですが、子どもたちのゴルフに対する好奇心にさらに火をつけたのが、皆さんもよく御存じのタイガー・ウッズの出現ではないでしょうか。
 世界を舞台にしたスポーツというのは、ここまで盛り上がってしまうのかというのが先日のワールドカップ予選通過以降の日本サッカーの盛り上がりでも痛いほどよくわかります。これから21世紀を背負う子どもたちのスポーツは、世界を舞台にしてほしいんです。特に自然に恵まれた八王子の子どもたちには。
 御案内のとおり現在、タイではタイガー・ウッズによる空前のジュニア・ゴルフブームが起きています。タイの子どもたちにとっては、タイガー・ウッズも自分と同じタイの血を受け継いでいるという身近さがありますが、自分らよりたった4つや5つ上の人がスーパースターという驚きに反比例する親しみすさなんです。それと同時に、僕たちにもできるのでは、僕たちもタイガー・ウッズになれるのではないかという気にさせてくれます。
 先月、タイガー・ウッズが来日したのは皆さんの記憶にも新しいと思います。そのときにウッズがラウンドしたコースが埼玉の武蔵が丘ゴルフコースという西武系がやっているコースです。私も先日、武蔵が丘に行ってまいりました。そこで見てきたのは、ウッズの幸せの黄色いハンカチとでもいうのでしょうか、タイガー・ウッズがティーショットを打った地点とボールが落下した地点に黄色い旗が立てられているのです。これはひきょりのものすごさを実際に目で見てもらおうというコース側のアイデアですけれども、余りのロングドライブにびっくいいたしました。でも、子どもたちにももっとこれを見せたかった。一方でそう思ったのも事実でございます。
 私は、ゴルフを大人社会の接待の道具としてではなく、子どもを含めた純粋なスポーツとして今提案しています。ゴルフはマナーを養うスポーツ、そして、とかく諸外国の皆様から最も日本人に欠落しているというフェアネス、公平さを求められるスポーツでございます。また、数あるスポーツの中でも勤勉で向上心のある日本人には最も向いているスポーツの1つといえます。それなのに、なぜ日本からスーパースターが出ないのか。いろいろと原因はあると思いますが、私は芝生の環境というのが1つの原因ではないかと疑っております。

PHOTO ちょっと余談になりますが、実はタイガー・ウッズが来日しているころ、ちょうどプライベートな旅行でヨーロッパ諸国に行ってまいりました。そこで見てしまった明確な違いは日本人と欧米人の芝生に対する考え方の違いです。この考え方はサッカーの質問のときにもお話ししましたが、大事なのでもう1度言います。芝生を観賞用にして立ち入り禁止の札を立てる日本人、芝生はその上で寝ころんだり、その上で裸足になるものだという考えの欧米人、日本の歴史の中で芝生というものが初めて登場するのは平安時代のころです。それから江戸時代まで、芝生は上流階級の人のためだけの特別なものとして、観賞用として育てられてきました。日本の芝生に対する考え方は、まだこのときの概念がいまだに強く多くの人の心の中に残っているのではないでしょうか。小学生や中学生にとって何が必要なのか。けがを恐れることなく思いっきり体を動かすこと、この時代に、もっと欲をいえば裸足で地面を駆け回れることなんです。
 先ほどから欧米との比較をしてまいりましたが、日本の芝生はノシバやコウライシバの夏緑型、欧米でよく見かける1年中緑色をしている西洋芝、常緑型の芝生、ベントグラスなど、性質が全く異なるものです。日本の気候特性では、芝生を育てるのも大変ですし、維持管理にはもっと苦労がいるというのは百も承知でございます。しかし、できないことはないんです。日本だって、ゴルフ場では1年じゅう芝があるわけですし、冬の間は枯れておりますが、そこには毎日お客さんが入って芝生を踏みしめてプレーを楽しんでいるんです。日本でも1年じゅうみどりを保つ、いろいろな品種を混ぜ合わせたミックス型の芝生を植えることは、できないことはないけれども、結局、お金がかかるということなんです。
 先日、こけら落としをした上袖木公園、その中にある八王子市唯一の芝生のサッカー場、今のところ芝生の状態が悪く使用は来年の7月ということですが、これからはぜひ有効利用をしていただきたいと思っております。本物の芝生の上でのプレーをする重要性、八王子市の役所の人だけでも芝生に対する考え方を改めてほしいと願っております。そして生まれたときから芝生とともに生きる人生を市民にプレゼントできらたいいと思います。そんなところにゴルフ界やサッカー界のスーパースターの誕生のかぎがあるのかもしれません。

 先月の11月4日で住民基本台帳上、ついに八王子市も人口50万人の大都市の仲間入りをしました。みなみ野シティなどの大きなニュータウンのオープンにより、きょうも1人、2人と新住民が登録されています。ここで八王子のセールスポイントについて考えてみたいと思います。
 例えば、都内のオフィスで知り合った20代の男女が結婚をします。会社から30分という距離の小さいアパートに住んでいました。そろそろ赤ちゃんも欲しい、貯金もたまってきた。これでローンを組めばどうにかひとつ世帯を持てるかもしれない。そこで八王子市というのがこれから一生住んでみようかなというターゲットになってきます。本音をいえば、吉祥寺や国立に住んでみたい。しかし、住むにはちょっと高い。そういう人たちを八王子市に引きつける、八王子市に住むメリットとして、前から住んでいる人にも、これから住む人にも、胸を張って何か言えるものを私たちはつくっていかなければならないとおもうのです。
 私は、豊かな市民生活の提案としてジュニア・ゴルフクリニックの提案をします。先ほどもお話ししたように、ゴルフコース5つ、練習所15カ所と東京都の中でも実に恵まれたゴルフ環境に八王子市はあります。これらを大人だけの娯楽施設ではなく、可能性あふれる子どもたたのために門を開いてあげるべきではないでしょうか。八王子というのは、まだまだ暴走族というイメージが強いまちであります。愛するまち八王子に自分の知人がやってきて案内などをしている最中、パララ、パララと暴走族がまちをならし、えっ、八王子にはまだ暴走族がいるのと笑われたこともたびたびでございます。わたしの親しい友人などにも、元スペクター八王子支部や元ミッキーズなど結構おりますが、今思えば若気の何とかで、ほとんどが現在、いいパパになっております。しかし、彼らにしましても、本音をいえば、あのとき、有り余る体力でスポーツに打ち込んでいればよかったなという後悔がないわけでもありません。清水市イコールサッカー、のように八王子市イコールジュニア・ゴルフのメッカ、になってほしいんです。この恵まれた環境ならきっと不可能はないのです。小子化で学校数には恵まれている八王子市でも子どもの数は確実に減少しています。今の子どもたちが21世紀の八王子を背負っていくのです。1人でも多くの税金を払ってくれる働き盛りの将来の青年を、スポーツを通じて、ゴルフを通じて八王子市は確保をすべきだと思っております。

 ここで質問をします。八王子市の公立中学校でゴルフ部のあるところを教えて下さい。ありましたら、今の運営状況、どうやって成立したか。親の反響について教えてください。ゴルフ部が少ない場合は、新たにつくる気はないのかといことについても教えてください。
 そして、ジュニアスポーツ振興の施策、本市の基本的な考えと今実施している施策について、ゴルフという単語を使った形でお答えいただきたいと思います。多分、お答えしてくださる学校教育部長の三宅さんと社会教育部長の戸谷さんは、私の独自の調査によりますとゴルフをおやりにならないそうですが、20年後に会議録を見返したとき、ああ、八王子の有名なジュニア・ゴルフの原点はここにあったんだといわれるようなお答えをお待ちしております。
 1回目の質問を終わります。