【'04年8月某日】

エルビス オン ステージ

 毎年のように書いてるような気もしますが、やはり8月と言えばエルビス
ですね。映画「エルビスオンステージ」を見に行きました。映画が終わって思わず拍手
をしてしまいました。場内に拍手が沸き起こる映画って、すごく小さいときにはいくつか体験しましたが、本当に稀ですよね。はぁ〜とため息。見終わってから24時間以上立っている今も、もうエルビスの魅力にクラッ、クラッです。

 エルビスがなくなったとき私は小学生でしたが歌は結構知っていたので、死亡
を伝えるニュースと倒れた浴槽の映像が忘れられません。

 当時からハンカチをエルビスに差し出すと汗を拭いてかえしてくれる、という伝説は耳にしていましたが、エルビスオンステージではハンカチどころではなくて、「チュー」の連発!!しかも老いも若きも問わずエルビスは求める観客の女性達にチュ〜チュ〜していきます。何十人した事か。あえて言いますが、当たり前にマウスツーマウス。ワタクシも三十なかばを過ぎましたが、実にショッキングな映像でした。「あんなスターで天才が・・・!惜しみなく!自分を求めている人に120%で対応している・・・・」素晴らしい、これぞスター!!!と目からうろこでした。更にエルビスの絵を描いてきた女性が、ステージに駆け寄りエルビスにその絵を手渡すとき。「良くかけてるね」と言うまではまあ百歩譲っても超上級スターの対応でも、その次にエルビスから出てきた言葉は「これもらっていいの・・・」ですもの。もう涙ものでした。自分に持ってきたに決まっているところを、あえてもらっていいの?と聞くエルビス。驚きました。

 こちらの東劇で何日か前にゴッドファーザー2も見たのだけれども、自分の父親から受け継いだものを守っていく、という人生を生きるまさにオヤジ上位の世界を演じているマイケルコルレオーネ(アルパチーノ)は、私から見ると、面白くもおかしくもない男に見えてしまうのだけれど。それに比べてエルビスは女性の夢のために実在してくれたまさに夢の人ですね。

 エルビスの奥さんだったプリシラの本で「このラスベガスでのオンステージは、低迷していた人気を盛りかえすためのエルビスにとって賭けであった」とかの記述を読みました。若者がすごく理屈っぽくなっていったこの時代、ボブディランが出てきたり、ビートルズはマハリシヨギに傾倒して解散したり、分かりやすいアピールをする太陽のようなエルビスとは、時代がそぐわなかっただけなのですね。

 でもそれは一瞬の出来事。景気が良かろうと悪かろうと、戦争があろうとなかろうと、エルビスはどんなときにもエルビスなのですね。原点にして頂点でした。

ファンに飾りボタンなどむしり取られた状態でも
何もなかったように笑顔で歌うエルビスは夢の人

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