【'98年7月某日】

『首都圏市民ボード』
市民政治研究会 リンク「創」 研修セミナーにゲスト出席

演題『ミーハー言葉で挑戦中』

青山にて。

 普通の個人が各地域で市民と共に活動をし、
横に連絡する会が『首都圏市民ボード』。
政治、地方議会に興味を持っている人達の会ですね。
代表の青木さんを中心に、堅実な会を重ねて意見交換しているようです。
 99年4月の統一地方選に出馬を希望している人達も沢山いました。
お互い頑張っていきましょうね。

以下、当日の会議録をまとめたものです。


市民政治研究会 リンク「創」 首都圏市民ボード 1998
第2回研修レポート 98/7/23 (記録 河尻 英高)

「ミーハー言葉でオジン議会に挑戦中」

 八王子市議会議員の佐野美和さんをお迎えして、「普通の若い人」の感覚で、その対極にある「政治」の世界での活動内容や、議会や選挙、そして日本の社会について感じたことなどをお話頂いた。

1.自己紹介

 95年の統一地方選で無所属で初当選。現在も市議会でただ一人、無会派である。水着、コスプレで議会及び世間を騒がし、議長室に3回呼ばれるという経歴をもつ。
 議員になる以前は女子大生タレントとしてオールナイターズを経て、24歳でミス日本、そしてラジオ「思い出の歌」のパーソナリティーやTBSラジオショッピングの放送作家等をしている。

2.政治の世界に入った動機

 現在も在住し、生まれ育った街でもある八王子が好きであること。そして、従来のフェミニズムを主張したり、政党の駒であったりする女性議員やマドンナブームに対抗し、浮世離れした議員像を打ち破りたいと思ったからである。
 また、金権選挙や選挙カーで連呼する方法など選挙体質はおかしいと思ったし、文句や反発ばかりで創造性がない八王子市民の、市民としてのあり方も問題であると思った。そこで、若い人の代表もいないということもあり、格好がいい、かわいいという若い世代の感覚とは対極のものをあえて目指し、政治に興味も関わりもない人が政治をするとどうなるのか試したいという気持ちを持った。

3.選挙準備、選挙戦

 最初は、ロータリークラブ等のいわゆる地元の名士が集まる会や、各町会及び地元町会では相手にされない、各政治家の基盤もあるので、その地区には入れなかったが、その悔しさをはね返し、街頭に立つ決心をする。
 成人式の日に晴れ着姿で街頭演説をし、バレンタインデーには「美しく和やかな街」というたすきをかけて駅に立つ。形から入っているが、そうでもして自分をもりあげていかないとカミングアウト(選挙に出る)できなかった。
 最初は演歌歌手やキャンペーンガールに間違えられながらも、毎朝7時から駅に立ち、それ以外は戸別訪問やポスティング、集会への参加といった選挙活動であった。  毎日同じ人が同じ場所に立つとインパクトがあるらしく、市民の反応も変わってきた。声をかけてくる人に「180プロジェクトニュース」というビラに入会申し込みをいれて配った。
 選挙資金については、180万円用意したが実際は200万円以上かかった。

4.議会での活動

 議会での審議の他に、陳情を聞いたり、視察旅行もある。受け入れた陳情の例は、事故の多い交差点に点滅びょうを立てたこと。
 視察旅行では1人7万円の費用で福岡へ行ったが、役所で1時間ニュータウンに関する話を聞いて、タワーを見て宴会をやって終わりというものであった。内容については、例えばインターネットでも勉強できるものだった。さらに費用と時間の無駄である海外視察というのもあるが、これだけは行ったら終わりだと思い、参加していない。

5.選挙、議会を通じて感じたこと

 選挙に際して、組織やお金をちらつかせるオヤジが勧誘してくる。組織力や金がものをいう選挙が腹立たしいと感じるし、そういう政治家をえげつないと感じていた。
 これでは、まともな若い人は投票しない。投票日、もし落とせないデートがあれば、デートを選ぶに決まっている。若い人が今、何をしているのかが一番気になった。
 当選後、最初の一般質問で、芝生のサッカー場誘致の問題で、「キックオフ、芝生のサッカー場建設について」と打ち出したところ、「キックオフ」が英語だからという理由だけで議事録から削除されたり、一人会派なので年間40万円の「会派調査研究費」が出なかったり、待ち構えたかのようにヤジの集中攻撃を受けたり、役所に部屋の配置等で嫌がらせを受けたりと不合理が多く、自分の政策もなかなか実現されないが、市議会の空気も変わってきており、どんどん主張することで実になっていくと思う。
 地方議会は馴れ合いがあり、政策、信条に反対でも人柄を重視して手を組んでしまうという矛盾が見られるが、市民1人1人の意識が変わっていくことも必要ではないだろうか。

6.今後の展望

 これからも八王子のために働いていきたい。
 ケーブルテレビを応援するとか犬の糞掃除をするパリをモデルとするとか、個別の政策、ビジョンもいろいろあるが、八王子市に何か付加価値を作っていきたい。
 八王子はニュータウンの代表がいないが、若い世代のマイホームのターゲットであると思うので、例えば「八王子から未来のタイガーウッズを」のようにジュニアゴルファーを市で育成していく。
 今後もひと会派でやっていくつもりである。
 組織は利害関係が絡んできて自民党体質になりやすい。市議会は「数」がすべててはなく、組織がなくてもやっていける。与野党関係なく、その都度政策によって手を組める人がいれば手を組んでいく。
 自分の1票が賛否を左右することになる。
 そしてお金や組織がなくても政治はできるということを見せて、信念を持ってやっていきたい。

7.もしアタシが総理大臣だったら??? 経済政策6ヶ条

  1. 交際費に対する課税(7500円以上は50%の課税)の廃止。
    今の時代、サラリーマンは家も買えないから会社の金で遊べるように、会社の接待を増やす。
    そして明るい民民接待で陽気な会社にする。

  2. マンションのローンの年間支払額を課税対象からはずす。
    価値がないのに公団が高く売ったものや、値崩れして安くなったものは売れない。購買意欲を損なわせる原因となっている。

  3. 賃貸の公団住宅、都営住宅を立て替える。
    モダンな賃貸住宅を造る。
    貧しい人のための住宅政策を行う。
    古い団地は潰してサッカー場を建設する。

  4. 国が各家庭にパソコンを買うか、パソコン関連費用を税金から控除する。
    資源のない日本はこれから、特に子供は知恵がないと生きていけないから、最低、パソコンは一人一台に。

  5. 女子高校生以上の若い女性に株式の知識を植える。
    援交でオヤジからもらったら、その金を倍にしてもっと良いものを買う。つまり、女性がもっと経済力をつけるということ。

  6. 生活必需品こそ無税にし、ブランド品は10%にする。

8.最後に、選挙に出る人へのメッセージ

 選挙は楽しんでやって下さい。
 ネガティブな気持ちでいると顔に出て、有権者に見破られてしまうので、常に張り切って、ポジティブな気持ちで、信念を持って頑張って下さい。

(佐野美和氏経歴)

1966年生まれ
八王子出身
1985年 フジテレビ オールナイトフジ出演
1991〜1994年 TBSラジオパーソナリティ
1991年度ミス日本
1995年4月 八王子市議会議員当選

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