税務署の組織


税務署の組織形態は、平成3年に大きく変わりました。それまでは、税目ごとに所得税部門、
法人税部門、資産税部門(譲渡所得税、贈与税、相続税)、間税部門、管理徴収部門、総務課
となっていましたが、消費税も定着したところから、納税者別の組織になりました。
法人課税部門、個人課税部門、管理徴収部門と総務課となり、間税部門は物品税がなくなった
ことから廃止され、消費税は納税者別に法人課税及び個人課税部門で管理されることになりま
した。

皆さんに関係が深い法人課税部門を細かく見てみましょう。だいたい、1部門から10部門ぐ
らいまであります。(平成15年現在、渋谷署は21部門)。
法人課税1部門は内部担当で、法人の設立、移動、除却及び申告書の受付、整理等を担当して
います。法人課税第1統括官は法人課税部門の要となり、まとめる立場にあります。又、指導
官がいて、法人会、税理士会等の研修、申告書、決議書等のチェック及び納税者からの税務
上の質問等に答えています。

法人課税2部門は消費税を担当していて、主担部門とよばれています。
これは、主に消費税を担当するので、この2文字をとったものです。消費税の申告書の整理、
審理及び調査をしています。

法人課税3部門は源泉所得税担当で、法人のみならず個人の源泉所得税の納付書の電算入力、
審理及び調査をしています。

法人課税4部門は、別名特別調査部門(田舎の税務署にはない)といって、その管内で一番脱
税をしている疑いがありそうな会社を選りそぐって集めています。
つまり、予告無しに突然調査に来て、金庫、机の中、書庫等を調べ回ります。又、この部門には
機動官といって資料収集だけを仕事にしている調査官もいて、常に銀行等に入って、脱税の資料
となるものを収集しています。

歓楽街を抱える新宿、渋谷、京橋、豊島等では、特定地域担当部門があり、管内の一定地域を
担当しています。
例えば、新宿署では歌舞伎町、渋谷署では宇田川町、道玄坂、円山町等で、この地域のバー、
キャバレー、ソープランド、ラブホテル、ファションマッサージ、テレホンクラブ等のピンク関係
業種を専門に調査をしています。

そして、残りの部門は一般部門といって、主に業種によって分けられています。この部門は現金業
種以外は単独で、予告(1週間ぐらい前に電話がある)して調査に来ます。最近は、この一般部門
は若手ばかりで、調査経験の浅い職員が非常に多くなっています。

最後は特別調査官ですが、このポストは副署長待遇とされていますが、二つに分けれています。
それは、厚紙特官(特官とは特別調査官の略)、薄紙特官と呼ばれていますが、国税庁発令の
特官は厚い紙の辞令で、国税局発令の特官は薄い紙の辞令だからです。

厚紙特官は指定特官ともいわれています。この特官の下には、必ず付の調査官が1名くっつい
ていて、ペアで行動しています。
比較的大きな会社を集めているので、2年に1回ぐらいの割で調査する会社が多いようです。

退職間際の特官が多く、あまり仕事はしないので、その分、付の調査官が苦労することになります
(例外もかなりありますが)。
別名、調査官の墓場とも窓際族とも言われています。

以上は標準的な税務署の場合で、渋谷署のような大規模署では法人の内部担当が2部門あったり
源泉所得税部門も内部と調査に分かれたり、又、特別調査部門が2つあったりします。

国際税務専門官といって、海外取引を専門に調査しているところもあります。
反対に、小規模署になると、法人課税部門が1つしかなく、内部、消費税、源泉所得税、調査を
すべてこなすことになります。


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