外国為替の予約


短期の外貨預金は期末日レートで換算するのが原則ですが、為替予約によってその円換算額
が確定しているときは、当該予約レートで円換算します(法人税基本通達13−2−1−5)。
これを使って、期末日直前に1年以内の外貨預金をして,予約レートは為替損失を出すように
設定します。つまり、円高にするわけです。ここで注意することは,実質の円利回り(受取
利息から為替損失を引いた円表示額)を確保することです。これで、損することなく,利益を
を翌期に繰り延べることができます。

具体的な例を上げて説明してみましょう。
@外貨預金 10万ドル、A年利率 10%,B預入れ期間 180日
C各時点での為替相場
(イ)取得時 1ドル=160円(T.T.S.)
(ロ)決算時 1ドル=158円(T.T.B.)
(ハ)満期時 1ドル=156円(T.T.B.)
D為替予約をする場合の予約相場 1ドル=157円(取得と同時に予約する。)

仕訳は次のようになります。

取得時
外貨預金 15,700  現金 16,000
為替損失 300

決算時
なし

満期時
現金   16,328  外貨預金   15,700
法人税等    156  受取利息      784

以上の仕訳のとおり、取得時に為替差損が300千円、翌期の満期時に受取利息が784
千円となり、利益の繰り延べを損することなく実行できました。実質利息は784千円と
300千円の差額の484千円で、実質利回りは年6.063%です。

法人税の基本通達に記載されている方法なので、租税回避を目的としたと税務署が認定し
ない限り、否認されないでしょう。


法人税の節税方法

賢い合法的節税方法

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