反対に、デメリットとして考えられるのは、やはり、帳簿関係はよりしっかりしなければなり
ませんし、個人と会社の区別をはっきりさせなければなりません。税務申告についても、個人
のように簡単ではありませんので、税理士に頼まないといけなくなるでしょう。税務調査も個
人事業のときよりは、調査の頻度も増えるでしょうし、帳簿上の細かい処理についても指摘さ
れるようになります。
税金については、やはり、会社にした方が有利なことは間違いありません。それは、社長自
身も会社にすれば、給与をとることができ、給与所得控除分だけ課税される所得を減らす
ことができるからです。
その他、個人事業では事業主本人が退職金を取ることはできませんが、会社とすれば、退職
金を損金とすることができます。社宅についても、会社にすれば、社長自身が会社から住宅
を借りることもできます。
このように、会社にしたほうが経費が計上しやすくなり、大幅な節税になります。
もちろん、事業税についても、個人の事業所得に対して課せられていたのが給与になるので
当然なくなり、今度は会社の課税所得、すなわち社長の給与も差し引いた所得に対して事業
税が課されることになります。
個人と法人では、税率や均等割に違いがあり、単純には比較できませんが、会社にした方が
課税所得が小さくなり一般的に有利になることが多いようです。
消費税については、個人で課税業者であっても法人成りしたからといっても、それは引き継
がれません。
資本金1,000万円未満の会社は、設立2期まではいくら売上があろうと免税業者ですから消費税
を納めなくて済みます。