社宅で節税


これから自宅を建てようとされる社長さんは個人所有ではなく、節税上会社の社宅として取
得することを勧めます。何故かというと、法人税、事業税、住民税及び相続税が大きな節税
となるからです。会社の資産として土地、建物を取得し、社宅として社長に賃貸すれば、建
物の減価償却費及び不動産取得税、登記料、印紙等の全ての費用は損金経理することが
できます。又、銀行からの借入金の支払利息も全て損金になります。

ただし、社長は会社から社宅を賃借りしているので、家賃を支払わなくてはいけません。賃
料相当額には計算式が決められていて、この金額を下回っていれば、差額は社長の報酬と
されます。

[賃貸料相当額の計算式]

賃貸料相当額(月額)={その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×12/100(木造家屋以外
の家屋については10/100)+その年度の敷地の固定資産税の課税標準額×6/100}×1/12

ただし、役員に賃貸している社宅の床面積が132平方メートル(木造以外の家屋について
は、99平方メートル)以下である場合には、使用人に対する下記の算式と同様としていま
す。

賃貸料相当額(月額)=その年度の家屋の固定資産税の課税標準額×2/1,000+12円×
その家屋の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル)+その年度の敷地の固定資産
税の課税標準額×2.2/1,000

又、豪華住宅に該当する場合には上記の算式ではなく、通常支払うべき賃貸料とされてい
ます。豪華住宅は、床面積が240平方メートルを超えているもののうち、取得価額、内外装、
その他の設備を総合勘案して判定されます。

豪華住宅に該当しない限り、上記の算式を下回らないように、会社は社長から家賃を徴
収して、収入にしなくてはなりませんが、この計算された金額は世間相場よりもずっと低
く、おそらく1/5〜1/3程度(物件所在地により異なる)しかないでしょう。したがって、この収
入として計上する家賃よりも、この社宅にかかわる減価償却費、借入金の支払利息等
の費用のほうがずっと大きくなり、節税もできることになります。

社長さんが死亡したとき、相続が発生しますが、会社で社宅として土地建物を所有するのと
社長個人で所有するのでは相続財産が全く異なってきます。会社の資産とすれば、社長が
所有している株式を評価することになります。この株式の評価は、大、中、小会社、上場
会社非上場会社等によって評価方法が異なるのですが、小規模会社では純資産額方式に
よって土地建物を評価します。これは、社長個人で所有している場合と同じ評価額にな
りますが、株式評価では相続税評価額と帳簿価額による純資産価額の評価差額の51%を
控除することができます。株式とすれば相続財産の含み益を半分以下にすることができる
わけです。

なにも、社宅を建てなくとも、借上げ社宅でも節税ができます。会社名義で大家と契約して、
社長が会社から賃借りするようにすればよいのです。会社が大家に支払う家賃の全額が
費用となります。ただし、社長は会社に当然、家賃を支払わなければなりませんが、これ
も計算式により、これを下回れば報酬と認定されます。この計算式では、おそらく時価の
1/5〜1/3にしかなりません。したがって、これにより節税できるわけです。


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