OHLINS FLAG-I

オーリンズの最高峰FLAGシリーズのインプレッサ専用モデルFLAG-Iです。
オーリンズ独自の20段調整にプラスして、個別に縮み側18段調整が可能となり、全長調整の車高調整も今までのOHLINSでは新機能です。
他にも随所に、こだわりを感じる車高調になっています。
出来れば、リアもキャンバー調整機能が欲しかったかも。


導入のきっかけ

走っていて、ほんのもう少し縮み側を強くしたいとか、弱くしたいと感じたことはありませんか?
そのためには、仕様変更をしなければ解決出来ない問題もあるし、個人的にはホームコース専用にPCV車高調を仕立てても良かったのですが、他のコースも同じくらい大事な場所なので、ワンクリックで仕様変更が現地で出来て、しなやかな乗り心地を実現するPCV搭載のFLAG-Iに前々から目を付けていました。


タンクがアッパー側にあるので、スプリング交換は、ナックルブラッケットを外さないと交換出来ません。
交換する場合は、車両から外して、黙々とナックルブラッケットを回して交換になるので面倒と言えば面倒です。

スプリングレートは、フロント8kgf/mm、リア6kgf/mmです。

メインの減衰力調整は、ダンパー下にアジャスターが付いています。(20段調整)
フロントの圧側調整は、ダンパートップから。
写真は、専用調整用工具を挿しています。(18段調整)
リアの圧側調整部分。(18段調整)
リアシートを取り付けたところ。
キノコ?
オーリンズ基準車高です。
フロント、リアともに30mmダウンのはず
ほぼ水平。

出荷時の減衰値で走ってみました。

出荷時の値は、メインアジャスター最強より7段戻し、圧側は最弱より10段目。
この状態は、ワインディング〜サーキットの推奨値になります。
市街地走行ではハッキリ言って硬いです。
が、左右に振られるような路面のウネリでも足が良く動き、感覚的には車体をフラットに保とうとしている感じがしました。
もう、この時点でも締め上げた足でありながら、しなやかに追従するOHLINSの性能が垣間見えます。

また、大きくゆっくりステアするコーナーでは、フロントのロールを抑えつつ、リアをゆっくりロールさせる動きが印象的。
それも絶妙なタイミングで感じるので、かなり楽しめそうな足であるのは間違いなさそうです。


乗り心地のいいポジションはどこだ?

と言いつつも、やっぱり普段乗るには硬めなので、乗り心地の良いポジションを探ってみました。
個人的には、町乗り時はメイン15段戻し、圧側は最弱〜1段目辺りが乗り心地がいいと感じました。
角の取れた硬さで、基準値の硬さが嘘のように心地いいです。

ついでに、メイン最弱も試しましたけどピッチングが酷く、路面の凹凸は気になりませんが、その後の納まりが悪く逆に乗り心地は悪いです。(バネだけで乗っている感じ)

最弱を経験することで、ダンパーがかなりスプリングを抑えているのを実感出来ると思います。


CUSCOピロアッパーマウント装着
2004.9.10

定価40ウン万円するサスペンションキットでも、リアは調整ピロアッパーではありません。

先般受けたサーキットでのアライメントサービスで、リアが重要だということを痛感しましたので調整のできるCUSCOピロアッパーマウントを装着。
大きく動かすのではなく、ほんの数mm調整するための導入になります。

ところで、フロントのノーマルピロアッパー・・・・・
コトコトコトコト・・・結構音がします(汗


折れたョ、つか折ったョ(汗
2004.9.10

サスペンションの先端付近にあるサブタンク。
タンクの回り防止、フェンダー内での接触防止のためにガイドボルトなるものが装着されています。
説明書通りストラット先端に六角レンチをあてて、ピロナットを回せば別に損傷はなかったのですが、これがつっかえ棒になって、ピロナットのみを回しても大丈夫なのを良いことに、グイグイ回していたらグニャリと曲がってしまいました。
でもって、それを修正しようと叩いていたら、ポッキリ折れちゃいました。(涙

早速、ラボカロッツェリアに問い合わせてみたところ、1本3000円(税別)プラス送料とのこと。
意外な値段に、ラボカロッツェリアの担当者と笑ってしまいました。(高っ

このボルトは、固定というわけではなく、緩むことを前提に脱落しないようCクリップ固定されている程度の物なのですが完全に特殊ボルトです。

これだけのために込み4000円近く払うのも何なので、ホームセンターでM6-50mmのボルトを買ってきて貫通させました。
これでも十分機能しています。(笑
63円也。


HEROしのいサーキット
2004.9.12

HEROしのいサーキットを走ってきました。
その前に、リアアッパーマウントを交換して調整らしい調整をしていなかったので、タイヤとフェンダーが接触する音に悩まされながらの走行になってしまいました。
応急処置として、若干つめ折を実施しましたが収まる気配がないので、泣きながらも3〜4周全開にしてみました。

サスペンションのポジションは、メインは最強より7段戻し、縮み側を最弱から15段としました。

※実は標準ポジションで走るつもりが、記憶力が悪く縮みを5段多く回してしまいました。(汗)
この状態でのインプレッションですがご了承ください。

HEROしのいサーキットの1コーナー、(150km/hオーバーからブレーキをかけて上りの103R)ここでは入口からオーバーステアな動きが見られました。
しかも、車の動きがフロント、リア共に速い感じ。
このサスポジションではアクセルを踏むとオーバーステアを助長すると言うか、トラクションのかかりがイマイチだったのであまり踏めずにタイムロスです。

連続する103R〜37Rの侵入では(110km/h程度から軽めのブレーキ)自在にコントロール出来るので、今まで以上に楽に姿勢を作れますが、37Rを抜けてすぐに現れる第1ヘアピンの侵入ブレーキでは、縮みが硬すぎたのが原因だったのでしょうか、フロントタイヤがロック気味&逃げ気味になってしまいました。

ダンスシケインは、(3つのコーナーを結ぶ連続シケイン)シャープな動きでヒラリヒラリとクリア出来ましたが、最後の出口が少しアンダー気味。

続く短いストレート後に(でも、4速入ります)縁石が高めのシケインが現れます。
(抜けた後は急な登りのストレートなので、軽めのブレーキング後シケインは全開通過です。)
下手なサスペンションだと跳ね飛ばされてスピン等も目にすることのある所です。
ここは縁石に乗っても着地で跳ねずに余裕の走り。(タイヤのこすれる音以外は。(汗)
いや、ホント跳ねないんです。

今回は、サスペンションのポジションを誤ってしまったり、上の写真の通りタイヤを擦る音が気になったり、アンダー・オーバーだったりで完全フラットアウトには至りませんでしたが、こんな状態でも48.2はマークできました。

※サスペンション購入直後だったので、調整してもう1ヒートが走れませんでした。(貧)

硬い中にも、柔らかく車体を落ち着かせる動きは流石でした。
今まで使っていた、PCV車高調より動きがシャープ(動きが速い)なので、ここから更にシャープに出来たり、落ち着かせたりできるだけの余裕がまだまだあるのもアドバンテージになるのではないかと思います。
現状でも、動きに自由度があるので、かなり楽しめる足になっています。


また折った
2004.9.13

と言っても、リアフェンダーのつめを折りました。
次回からは、心置きなく全開です。


HEROしのいサーキット会員特別走行会
2004.9.26

に行ってきました。
今回は、サーキット側のオプションと言うことでASSOさんが来場。
と言うことは、もちろんタイムを追いかけたスペシャルなセッティングを依頼するしかありません。

なんの調整も無く、ただ自分で組み込んだだけのFLAG-I、しかもリアのピロアッパーを調整用に付け替えたので、初期計測は当然バラバラ。
リアなんかポ△キャン。(滝汗
オーバーで、トラクションがかからないのは当然な組み付けでした。(汗
ん?もしや、爪折りしなくても・・・・Σ( ̄∇ ̄;)

今回は、アライメント参加者が多かったのと、走行枠が6本あるということでアライメント非調整のまま2本走ってみました。
路面はウエット。
減衰値は、別タンクの特権であるバンプ側を前後共最弱に、リバンプ側を強めにしての走行です。
さすがにアライメントがバラバラと言うこともあり、ハーフスピン2回、スピン1回してしまい撃沈。
流れ出したら止まらないので、無理矢理全開にしてフロントを引っ張り出してやらないとスピンしてしまう程オーバーステア。
ステアリングの反応も、手応えもない状況なので、動きはクルマ次第といった感じで、ラップタイムも56.9から59秒の間を行ったり来たりで落ちつきがありません。

やっとASSOさんも一段落してきたので、本日1回目の調整に入ります。
前回からの続きということで、今回は前後いっぺんに調整してのスタートです。

調整後の初走行。
雨は止みましたが路面はまだウエット。
減衰値の変更はありません。
さすがに、あのバラバラ状態からなので1コーナー目で動きが変わったのが分かります。
さっきまでのクルマの動きは落ち着きを見せて、ラップタイムも56秒台でピタッと安定し、タイムも0.9秒程アップ。
高速コーナーでも一瞬のカウンターだけで安定方向への戻り、ヘアピンの立ち上がりでリアは出てしまうものの、カウンターを当てて前進するので(横にだら〜っと逃げない)タイムも安定しています。
フロントも横に逃げる感じがしないし安心感が段違いでした。

調整2回目からは、路面もドライになって来たのでいつもように全開で走れます。
減衰力は、基準値であるメイン7段戻し、縮みを最弱から10段目で走行しました。

でも、高速103Rのヒーローコーナーで、どうしてもリアが出てしまい、それを抑えるのにステアリングで修正したりブレーキで調整したりしなければならず、調子に乗ってスピードが上がって行くと1ヘアピンの侵入でリアが出てきてしまう等の挙動がみられました。
全体的にスピードが乗っているので、リアが我慢ならずズリっと来てしまう感じです。
それでもタイムは、47.650で無軽量化のタイムを更新しています。(今回はリアシートだけ外しています)

3回目は、リアの調整は限界というこということでしたので、フロントをアンダー気味に調整したのと同時に、リアが出てしまうのはフロントが弱いためのロールオーバーと言うことで、本来ならスプリングレートアップを勧められましたが、縮みが調整出来るという利点を生かし、フロントの減衰値をメイン最強、縮みをプラス3程クリックで走ってみることにしました。
これがハマって、今までリアの出てしまう所でも修正することなく飛び込んで行けるようになり理想的な弱アンダーセットアップ。
タイムは47.598秒でタイムアップ。

全体的に落ち着きをみせ、踏ん張るようになり、とても乗りやすい足になりました。

最後に、お試しのタイムが出るセットアップ=アンダーで曲がりづらいセットアップというのを興味半分でやってもらいました。
コーナー侵入で一気に向きを変える走りが出来れば問題ないと言うことでしたのでいざ挑戦です。

最初は確かに曲がりづらく戸惑ってしまいましたが、ブレーキでドリフトをやるような姿勢に持ち込み47.504秒!!
無軽量化(リアシートは無かったけれど)のタイムとしては、過去ベストでした。
姿勢がすぐに戻ってしまい走りづらいけど、慣れれば問題ないと思ったので、このセットで終了。

今回は、ウエット、ドライのコンディションを走れましたが、現地でのアライメントもさることながら、FLAG-Iの懐の深さは凄いものがあると感じました。
今回のようにウエットならば、リバンプを強め、バンプを弱めに。
ドライなら、バンプを強めに、更にはバネレートアップの代わりにバンプを強めにとか普通なら仕様変更で対応しなければならないことが、ワンクリックでその場で出来るのは本当に驚異的です。
当然前後の差をつければ、コースに合わせた仕様がその場で出来るので、使いこなせばアドバンテージになるでしょう。

このキットは、リアを逃がして曲がりやすくしているようです。
クルマを自在に操りたい人なら、楽しめる足になっていると思います。
乗り心地も良いので、最高のストリート車高調だと思います。


しのいサーキット
2004.11.10

そろそろ、タイムアタックの季節と言うことで行ってきました。
仕様的には変更無しで走ったのですが、何故かスピンする程のオーバーステア変わってしまいました。
感じ的には、リアが動いていないと言うか、突っ張ったような動きで、減衰を変えてみても思った程挙動が変わりません。
そこで、リアを動きやすくするためにスペアタイヤを積んで走ってみました。
すると、リアのトラクションが増し、意外と安定してくれてタイムは、47.3秒。

でも、根本的なオーバーは消えないままでした。

今頃、ダンパーのなじみが出たのか・・・?
ちなみに、前回調整時は500km走行時でした。


オーバーな原因

と、ノーマルでもなかなかの走りを披露する車高調ですが、タイムを求める足ではないようです。
攻め込んで行くと、どうしてもオーバーステアが消えずアクセルのタイミングを外されてしまいます。
オーバーステアの要因をASSOにて、車載ビデオ、現車を観察し原因を色々追及してみました。
以下の通りです。

・スプリングが適正でない。
・減衰力不足。
・リアストロークが足りない等々

色々問題が出てきました。
結論として、スプリングが弱いために、フロントの縮みに対し、リアが浮いてしまっている状態。
リアの伸びストロークも、多いとは言えない状態なのも原因なようです。

スペック比較
PCV OHLINS
FLAG-I
伸び(F)
265kgf
280kgf
縮み(F)
170kgf
138kgf
ストローク(F)
125mm
94mm
L-max(F)
383mm
371mm
L-min(F)
258mm
277mm
伸び(R)
170kgf
150kgf
縮み(R)
75kgf
68kgf
ストローク(R)
154.5mm
124mm
L-max(R)
489.5mm
464.5mm
L-min(R)
335mm
340mm
(減衰0.3m/s)

PCVメインクリック7段目、FLAG-Iメインクリック7段目、圧側10段目のデータ

とりあえず、オーバーステアを抑える第1歩としてスプリングを変えてみました。
フロントをSwift 10kgf/mmに、リアをフロントで使用していた8kgf/mmスプリングに入れ替え。


しのいサーキット
2004.12.1

スプリングを変えて走ってきました。
結果、高速コーナーでのオーバーは穏やかになり手応えは増したが、低中速コーナーの立ち上がりでトラクション抜け等があって、やはり全体的にオーバー傾向は変わりありません。

タイムは47.2秒でしたが、各コーナーでカウンターを当てているので、ロスはかなり大きいです。
ここから、どうリアを安定させるかが鍵なのは間違いないです。


スプリングが・・・
2004.12.6

改めて車高計測してみました。
計測結果は、フロント左右の車高は誤差範囲の1mm、リアはフェンダーホイール下部間で、左578mm、右570mmと左リアが8mmも高い状態。(あれ?
ジャッキでリアを上げて、伸びストロークをフェンダー、ホイール下部で計測してみると、左右60.4mmで同じ。
ブラッケットまでの距離も左右同じ。
サスペンション全長も同じ数値なのに何故だ?

どうやら、原因は標準スプリングにあったようです。
今度はタイヤを外し、ジャッキアップしてスプリングの長さを計測。
左右共伸びた状態で200mm、リアサスペンションアーム部分にウマを掛けて車重をかけてみると、左179mm、右171mmと縮み方が全然違っていました。

つまり、ここの8mmが、車高の8mmの差だったようです。
この8mmが悪さをしていたのかな?

とりあえず、製品のバラツキにせよ、経たりにせよ、フロントスプリングをリアに使ったからと言われようと、3ヶ月使用でこのスプリングは交換です。


リアもSWIFT
2004.12.12

リアのスプリングを入れ替えました。
今度は、1G掛けても均等にストロークしています。
乗り味も初期入力がソフトな感じに変わり、サスペンションがよく動くようになりました。

同じくフェンダー、ホイール下部を計測した結果、572mm(1G)伸ばして606mmになりました。


KITサービスで点検
2004.12.18

をした結果、左ハブのガタ、右前のピロアッパーマウントのピロ部分のガタが発見されました。
ハブは酷いガタではありませんでしたが、いずれ交換しなくてはならない部分なので、ボールジョイントと、ナックルASSYで交換しました。

それより、フロント ピロアッパーマウント。
タイヤを揺すると、1mmくらい上下に動きます。
よく考えてみたら、1ヶ月以上前から右アッパー付近からカチカチ音がしていたなぁ。
耐久性低すぎ・・・・。

フロントアッパーも交換したら、ダンパー以外交換したことになるな。

ここから、Tメンバーブッシュを入れましたので、それも含めてのレポになります。


HEROしのいサーキット
2004.12.26

今年最後の走り納めをしてきました。
今回もASSOが来ましたので、走り込みながらのセッティングです。

今まで、オーリンズ基準値をベースにした車高で走ってきましたが、もう、どうにもならないので車高を大幅に動かしました。

で、最終的には、←この車高になり、リアはノーマルくらい車高をアップ。
フロントは、出来る限りダウンと基準値を大きく外した車高になっています。

見た目、オーバーがきつそうですが、アンダーステア方向のセットアップをASSOに施してもらい、ほぼ満足のいく安定感が出ています。

今回のベストタイムは、軽量化無し(リアシートは都合で取ってあります)で47.101秒。
前回から、0.4秒程タイムアップ。

同乗走行で、47.690秒と、これも0.4秒程タイムアップ。(隣に乗せて全開するなって。

更には、シート類を外し室内ドンガラ状態で、47.052秒。
これは、期待とは裏腹に今ひとつタイムが伸びませんでした。
20kg程の軽量化ですが、走っていても、46秒台に入る気がしないくらい浮き足立った加速しか得られません。
20kgと言えど、トラクションに影響があるのかな。
まぁ、タイヤも全輪←こんな感じのRE070でしたので、これ以上は無理でしたし、美味しい所は、とっくに過ぎているので、今回は大健闘だったと思います。

サスセッティングも、やっとまともに思える物になったので、後は微調整で何とかなりそうです。

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