講 師 積水化学工業会長 大久保尚武氏(昭和33年入寮)
テーマ 「世界の生物多様性保全の現場を見る]」〜企業経営者の考えたこと〜
大久保さんに初めてお目にかかったのは2002年で、会長に就任されたばかりの経団連自然保護協議会の機関誌に収録する対談。私が「三鷹寮の後輩です」と話したら、「三鷹寮に籍はありましたが、ずっとボート部の合宿所にいました」とのこと。大久保尚武さんの入寮は1958年で、私のそれは1966年。講師の紹介は同室か同期の友人がするのがふつうなのに、大久保さんを知る人がみつからないために、私のところに回ってきました。ポートの実力はたいへんなもので、ローマオリンピック(1960年)の日本代表でした。いまは(社)日本ボート協会の会長でもあります。
その対談が縁で、同じ年の9月、経団連自然保護協議会のミッションを率いて、中国山西省大同市の私たちの緑化プロジェクトにきてもらいました。北京発の高速道路は途中で消え、石炭トレーラーの大渋滞に巻き込まれて10時間近くかかりました。
車窓の風景を熱心にみておられたんですね。北京からちょっと内陸にはいるだけで、風景が変わります。山はまる裸、河川に水はなく、茶色一色の凹凸がつづきます。「百分は一見に如かずとは、このことですね」としみじみ。
いくつかの現場を巡り、記念植樹をしてもらい、日本のNGOが現地の厳しい環境に溶け込んで奮闘していることを高く評価してもらいました。20年目の今日まで私たちの活動がつづいたのは、大久保さんが社長(現在は会長)を務める積水化学工業の支援があったれぱこそ。
その後も大久保さんは、日本経団連自然保護基金が応援するNGOの活動現場を毎年回っておられます。この基金が一貫して重視するのは生物多様性で、2010年の生物多様性条約締約国会議にあたって、大久保さんは大活躍されました。
企業経営においてもいち早くCSR(企業の社会的責任)活動に取り組み、ついには人事部をCSR部に吸収する思い切った改革に取り組まれました。さらにエコロジーとエコノミーの両立を求めて全事業所で自然保護活動を推進し、環境貢献製品が全売上高に占める割合を2009年度の21%から2013年度には40%に上げるのが目標だそう。最近お目にかかったら、「最初にいったのが黄土高原だったから、ほんとになつかしい。ぜひまた行きたい」。高速道路の全面開通で、あの大渋滞はなくなりましたよ。実現を楽しみにしています。(昭和41年入寮 高見 邦雄 記)
記
日 時:平成23年5月25日(水) 18時30分〜21時
場 所:学士会館本館203号室(千代田区神田錦町3−28 Tel 03-3292-5931)
講 師:大久保尚武 積水化学工業会長(昭和33年入寮)
テーマ:「世界の生物多様性保全の現場を見る]」〜企業経営者の考えたこと〜
会 費:5000円(夕食・飲物付き)
定 員:70人(先着順、定員に達しない限り、特に連絡しません)
申込先 平賀・干場 Fax 03-5689-8192 電話
03-5689-8182
有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp