講 師 日清紡績株式会社社長 岩下 俊士氏(昭和37年入寮)
テーマ 「日清紡の経営」
岩下俊士君 は、不思議な魅力をもった男である。人によっては、「とらえどころの無い茫洋とした 男」、あるいは「生き方の一貫した不器用な男」と映るかもしれない。若い頃から、自
己顕示や権力指向の喧騒から遠く離れ、静かに座っていた男である。その彼が、日 清紡という大きな会社の社長になるなんて、私など真っ先に耳を疑った一人である。
昭和37年10月、寮委員長に就任した私は、第27期寮委員会を組織するに当り、寮内を見渡して適切な人物を探していた。その中で、岩下俊士君を推薦する声をいく
つか聞いた。当時彼は授業に出ることもなく、寮で毎晩大酒を飲み朝まで麻雀をやっていた。しかし、彼の人物を高く評価する声は私も耳にしていた。
彼には売店委員(1名)になってもらい売店経営を全て任せた。彼は売店の従業員を大事にし、通
常時間帯の経営はきわめて順調であった。しかし、深夜によからぬ麻雀仲間たちが鍵を壊して闖入し、食料品などを掻っ攫っていくので、経営は赤字だったと思う。
< br> この寮委員会のメンバーは、今も年に1回程度旅行している。今年も11月に 神戸に集合する。確か昨年5月の福島旅行で、社長内定直後の岩下君が、みんな
の祝福の言葉に対し、「何かの間違いであってほしいなあ」、「朝起きて、社長になっ てくれと言われたのは、悪い夢を見ていたのだったと、今も思いたいよ」と、言ってい
たのを思い出す。
ところで昔から、彼があわてたり怒ったりするのを見た記憶がない。冗談で場の雰囲気を和らげようと
するなど、やさしい気配りを見せる。照れ屋でいながら反骨心をもつている。決して饒舌ではないが、内にしっかりした考えをもっている。
彼の好きな言葉は「あ がってナンボ」である、と聞いている。これは麻雀用語ではあるが、能書きより実行を尊重する、誰にもわかりやすい言葉である。「選択」と「集中」によって、企業の活性化を図ろうとする、彼の経営思想にも通ずると思う。創業100 周年を迎えた日清紡の「変化と創造の経営」を見守りたい。(文責:昭和37年入寮 竹内舜哉)
記
日 時 平成19年12月3日(月)18時30分〜21時
会 場 学士会館本館203号室(千代田区神田錦町3−28 03-3292-5931)
講 師:岩下俊士 日清紡績株式会社社長(昭和37年入寮)
テーマ:「日清紡の経営」
会 費:5000円(夕食・飲物付き)
定 員 70名(先着順)
申込先 平賀・干場 Fax 03-5689-8192 電話 03-5689-8182
有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp