講 師 明治学院大学教授 武光 誠 氏(昭和45年入寮)
テーマ 「歴史哲学から見た日本文化」
講師の武光
誠さんをご紹介します。最近の学生にとってはもはや歴史上の出来事になったようで
すが、大学紛争のあおりをうけて1969年春の東大入試は中止になりました。
東大の志願者は他の大学に流れたり、浪人を余儀なくされたりしましたが、武光
さんも一年間迂回を強いられた人だったと記憶しています。入寮は、したがって翌70
年です。
じつは私は、三鷹寮で武光さんがどのような生活を送っておられ
たのかあまりよく知りません。私は当初、南寮の現文研の部屋にいましたが、武光さ
んは木造の東寮、確か仏文研におられたのではないかと思います。しっかりと覚えて
いることは、たった一つです。
私は入寮後しば
らくして、ほとんど無理矢理に寮委員にならされましたが、ある日その仕事のひとつと
して風呂掃除のお願いに東寮の一室までいきました。そのとき武光さんが応対に出
られました。すでに武光さんが大物だということを聞いていたので、これがウワサの
人物かと印象に残ったのです。
志望学科がふたりとも文学部国史だったの
で、その後教室でよく見かけるようになりました。赤門を入るとすぐの史料編纂所とい
う研究所が、明治34年から刊行し続けている『大日本史料』という書物があります。
日本史の研究室には必備の編年史料集ですが、田舎の高校出の私はその名前さえ
聞いたことがありませんでした。その何冊もの膨大なシリーズを、武光さんは「自宅に
もっているらしい」という話がクラスの中にあり、あまりの格差に愕然とした覚えがあり
ます。
本郷へ進学し
て古代史の井上光貞さん(のち歴史民俗博物館初代館長)に認められ、問題なく大学
院へも進学し、同期の中で最初に職を得て本郷を巣立っていかれました。その後の
ご活躍はご存知のとおり。ご専門の律令制や古代天皇制だけでなく、神道、仏教、三
国志、海賊、武士道、大阪商人、地図、地名、名字等にわたる、じつに幅広い著作
活動を精力的に展開しておられます。最近では歴史哲学に関心を移しておられるよ
うで、日本古代史や天皇制研究に確かな基盤を置いた雄大なお話がお聞きできるも
のと思います。(1970年入寮 安田次郎記)
記
日 時 平成19年7月23日(月)18時30
分〜21時
会 場 学士会館本館203号室(千代田区神田錦町3−28 03-329
2-5931)
講 師:武光 誠 明治学院大学教授(1970年入寮)
テーマ:「歴史哲学から見た日本文化」
会 費:5000円(夕食・飲物付き)
定 員 70名(先着順)
申込先 平賀・干場 Fax 03-5689-8192 電話 03-5689-8182
有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp