東大三鷹クラブ第63回定例懇談会

 講 師 阪和興業(株)代表取締役社長 北修爾氏
 テーマ 「お魚のビジネス」

 今回の講師北修爾さん(昭和37年入寮)は、ここ何年か、ほとんどの定例会に姿を見せておられます。超多忙な日程の中を、何とか都合をつけて出席下さっているのではないかと、世話人としていつも感謝しております。聞けば東大入学直後からワンダーフォーゲル部の活動に熱中し、同部の活動のため秋には下宿に移ってしまい、三鷹に在住したのは実質3ヶ月程度、したがって寮生活では8人部屋の起居が思い出に残っているそうです。ただ、父の二郎氏が創業された阪和興業は、当時すでに鉄鋼商社として着々と地歩を固めつつある段階でした。入寮選考にあたった浜田(卓二郎)委員会の面々からブルジョワ社長の息子は入寮すべきでないと、厳しく指摘され粘り強く反論してようやく許可を得たと話しておられました。

 北さんは、経済学部を卒業後、通商産業省に入られました。その背景は若い頃苦労して税関勤めを経験された父上が、高文(上級職)→公務員への道に強いあこがれとこだわりを持っておられたからとのことです。通産省でさまざまな要職を在任し、平成5年6月経済企画庁物価局審議官を最後に退官されました。そして、当時の上司のすすめもあり阪和興業に入社、常務取締役に就任し、ニューヨークにある現地法人に赴任しました。

 しかし、北さんを待っていたのは、平穏な第二の人生ではなく、地獄の試練でした。阪和興業は、昭和50年代終わり頃から平成のはじめにかけて、財テクの雄として名を馳せ、本業を大きく上回る収益を挙げておりました。バブルの崩壊とともに財テクの牙城はあえなく潰え去り、巨額の債務が残されるに至りました。北さんは急遽日本に呼び戻され、平成6年2月、社長に指名され、会社再建の全責任を双肩に担うことになりました。

 それからの毎日、筆舌に尽せぬ御苦労が続きましたが、社長就任後8年を経て平成14年3月期には、何とか復配に漕ぎつけました。今年3月期の決算では主力である鉄鋼の好況もあり、売上高、経常利益とも大幅に向上し、財務体質もさらに改善を果たすことが出来ました。

 今回の講演のタイトルは「お魚のビジネス」としました。水産物の部門は阪和の中ではまだまだウエイトは大きくありません。しかし、エビ、カニ、タコ、アジ、サバなど私達が日常親しんでいる食材の取扱いでは、全国でもトップクラスのシェアを占めております。そのあたりのお話をきっかけにして会社経営の方向、そしてまさに地獄の底から這い上がって来た会社再建への生のお話を、御自身の口から聞かせていただけるものと期待しています。(文責 平賀俊行)

                  記

 日 時 平成17年11月28日(月) 18時30分〜21時
 会 場 学士会館203号室(千代田区神田錦町3-28::03-3292-5931)
 講 師 北修爾 阪和興業(株)代表取締役社長(昭和37年入寮)
 テーマ 「お魚のビジネス」
 定 員 80名(先着順)
 申込先 平賀・干場 Fax 03-5689-8192 電話 03-5689-8182
  有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp

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