講 師 元名古屋大学農学部教授 垣沼淳司氏
テーマ 「バイオテクノロジーの30年を振り返る」
今回は、元名古屋大学農学部教授で、我が国のバイオテクノロジ-による医薬品開発分野の大御所的存在である垣沼淳司さん(昭和28年入寮)が講師に予定されている。
文系でバイオとは無縁の者が同氏をご紹介することは、必ずしも適当ではなく、同氏もまた相当の違和感を持たれるだろうが、そこはこれまでのお付き合いや、ご近所の誼でご勘弁いただきたいと願っている。
垣沼さんの名前は入寮前から知っていた。或る受験誌に掲載される優秀答案の常連だったからである。三鷹寮で会った彼は勿論今のピタゴラス的風貌ではなく、むしろやんちゃくれといった感じの大変明るく朗らかな好青年だった。同じ理Uでも羽鳥、渋川さん達はよく存じ上げていたが、彼とは部屋も大分離れており挨拶を交わす程度だったと思う。
垣沼さんは農学部農芸化学科卒業後武田薬品に入社され、約30年勤務した。その間、同社の理事・生物工学研究所長で退職するまで、数々の優れた研究業績を残している。
一、二を例示すれば、若くして日本農芸化学会の奨励賞を受賞したバイオサーファクタント?サーファクチン(生理活性物質)の発見や、C型肝炎に有効な国産?インターフェロンα?の開発・企業化がある。後者は遺伝子工学を用いて開発された国産第1号のタンパク質医薬であり、適用対象患者が多いので健康保険がパンクするのではとの噂もあった。
また彼は、優れた研究者としてだけではなく、ヒューマンサイエンス振興財団(厚生省関連)を事実上立ち上げるなど、オルガナイザーとしても高く評価されている。
垣沼さんは定年を間近に控えて武田薬品を退職し、高い競争率をクリアして名古屋大学農学部教授に就任し、教育・研究に加えて学会の役員や文部省学術審議会専門委員等の活動に忙殺されてきた。カバーする領域は醸酵学、生化学、バイオテクノロジー、栄養学と幅広いが、最近は、分子栄養学(分子生物学と栄養学との学際的領域)にも強い関心をお持ちのようなので、ひょっとすると、話の中で、栄養や食品からの、生活習慣病やボケ等の予防に有効なヒントを聞けるかも知れない。
最後に、彼の趣味は多彩でそれぞれが素人離れしている。中でも囲碁は6段(プロの高段者に3子)で、歌曲は数年前ウィーンで開催された国際栄養学会の市長主催懇親会の席上、楽団演奏をバックに、カンツォーネを歌い上げ大喝采を浴びるなど逸話も多い。今回は、斯界の第一人者から最新の知見をも交えて平易にお話いただけるとのことで、文系の講師とはまた違った意味での期待を十分に持てるのではないか。〈(昭和28年入寮 一重高毅(元武田薬品)記〉
記
日 時 平成17年5月31日(火) 18時30分〜21時
場 所 大阪弥生会館(大阪市北区芝田2丁目4番53号 電話 06-6373-1841)
JR大阪駅中央北口から徒歩5分
講 師 垣沼 淳司氏 元名古屋大学農学部教授(昭和28年入寮)
テーマ 「バイオテクノロジーの30年を振り返る」
会 費 5000円(夕食・飲物付き)
申込先 平賀俊行 Fax 03-5256-0458 電話 03-5256-0455 (株)国際研修サービス
干場革治 Fax 03-5689-8192 電話 03-5689-8182
有限会社ティエフネットワーク Email:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp