講 師 公正取引委員会事務総長 上杉秋則氏
テーマ 「日本社会と競争との親和性」
今回は公正取引委員会事務総長の上杉秋則さん(S41年入寮)に「日本社会と競争との親和性」という題で話していただきます。
我々が入学した頃はベトナム戦争が本格化、地上戦が激しく戦われ、トンキン湾の米空母からの北ベトナムへの空爆も激化、日本でも「ベトナムに平和を!市民連合(べ平連)」が結成されるなど、ようやくベトナム反戦闘争が盛り上がろうとしていた時でした。60年安保闘争、日韓条約反対闘争の敗北後低迷していた学生運動も、ベトナム反戦闘争、全共闘運動として再び燃え上がりつつありました。折から中国では毛沢東が文化大革命を発動、日本の学生運動にも影響を与え、帝大解体!造反有理!のスローガンが安田講堂に掲げられたりしました。
そんな時に一冊の雑誌が三鷹寮で発行されます。寮誌「雑木林」17号。17号とあるが、創刊号、2号、4号に続いて久し振りに実質4号目の発行である。本来毎年発行されていれば17号に当たるということで、17号を名乗るという三鷹寮的いい加減さ、ユーモアである。
目次を拾うと、出東短記(ある真面目な寮生)、大島紀行(小林仁朗)、伊豆紀行(高橋和彦)、君と果樹園(豊島直人)、定婚店(飯田徳松)、乗合自動車(尾崎文昭)、切り離しえぬ詩三篇への試み(渡辺元彦)の文芸物に、在日朝鮮人学校と外国人学校制度(南寮2階ブロック)、在日朝鮮人の民族教育の在り方(宇多村元昭)、文化大革命を媒介にしたスターリニズムとファシズムの若干の考察(今年亡くなった稲川慧君)と社会問題の論考が見られるのは時代の反映であろう。不祥干場も「中国プロレタリア文化大革命―その思想的考察」という、北京週報引き写しのような"論文"を書き、上杉君も「クロンシュタットの反乱について」という論文を寄せている。
その後ゴリゴリの社青同解放派の活動家に急旋回した豊島君など、それぞれの内容と書き手の40年後を重ね合わせてみると、感慨深い。真面目によく勉強し、ロシア革命について学究的な論文を書き、学問の道へ進むかと思われた上杉君であるが、役所としては地味な独禁法の番人の公正取引委員会に入ったのはその学究的性格の反映か。しかし、局長になるのも難しい競争社会で、多くの寮の同期生が次官を前に霞ヶ関を去った今、事務総長という次官級で残っているのは彼一人。
今、国際舞台で活躍する企業のみならず、もっぱら国内市場でプレーする企業にも否応なく迫られるグローバルスタンダード。透明性と公平性を旨とする競争のルール。他方公共事業や政府調達を巡る談合は止まず、課徴金の大幅アップなど公取法の強化が焦眉の課題となっています。デフレ社会の果てしない競争は個人と企業を疲弊させる面がありますが、霞が関という厳しい競争社会で生き残った上杉事務総長に、「日本社会と競争との親和性」について話していただきます。(文責 干場革治)
記
日 時 平成17年1月20日(木)18時30分〜21時
会 場 学士会館本館320号室 (千代田区神田錦町3-28 TEL 03-3292-5931)
講 師:上杉秋則 公正取引委員会事務総長(昭和41年入寮)
演 題:「日本社会と競争との親和性」
会 費 5,000円 (会場費、夕食代・ビール代、講師料、通信費など込み)
定 員 100名(先着順、定員を超えない限り特に連絡は致しません)
二次会を予定しています (約3,000円、近くの中国料理SANKOUEN)
申込先 平賀俊行 FAX 03-3256-0458 TEL 03-5256-0455(株)国際研修サービス
干場革治 FAX 03-5689-8192 TEL 03-5689-8192
(有)テイエフネットワーク e-mail:tfn-hoshiba@blue.ocn.ne.jp)