-特効薬- |
ある時期から、地球上にウィルスが蔓延した。 致死率五○%。 人類の二人に一人が死んでいった。 しばらくして、このウィルスに劇的な効果をもたらす特効薬が開発された。 人間の体内に入ったウィルスを一○○%死滅させた。 ただし、ウィルスを死滅させるさいに生成されるタンパク質は人体にとても有害で皆副作用で死んだ。 ウィルスの致死率は五○%。 人類が半分になるのを待つか、 その前にウィルスごと感染者を抹殺するるか。 特効薬を開発した博士の、 「世界の為に」 の言葉を受け、世界中の人達がこの特効薬を受け入れた。 しかし、人類の予測とは裏腹に世界の人口が一○分の一になってようやくウィルスは根絶された。 特効薬を開発した博士は裁判にかけられた。 「貴方の作った薬のせいで人類は一○分の一にまで減ってしまいました。どうお考えですか?」 博士は素っ気無く答えた。 「垂れ流す毒も一○分の一になったのだ。地球にとっては良く効いた薬だろう」 博士は死刑を宣告された。