ゲーム屋デキゴトロジー

詩織ちゃんはいますか?

 これもまた私がゲーム屋でバイトを始める前の伝え聞いた話です。

 人気ゲームのPOPの中には、ネットオークションに出て高値で取り引きされるものもありますが、7万円の値が付いて伝説になったのは「ときめきメモリアル2」の等身大POPだとか(あれ、2でいいんでしたっけ)。店でその話題が出たとき、先輩バイトの人が「そういえば『コナミの人』が来たもんなあ」と言うのです。コナミの人?
 聞いてみると、別にコナミの営業の人が混乱を恐れて説明に来た…という話ではありません。コナミの社員を語って「POPの回収に来た」と云う人が来たのだそうです。……で、そう名乗るからには、ちゃんとスーツで偽造の名刺でも出してきたのかと訊くと、「いや、ふつーのカジュアルな服のお客さんでしたよ」と。カジュアルというか、まあいかにもオタク的な風体の? それで名刺も出さずにただコナミの社員を名乗るとはいい度胸というか…。自分だったらまず名刺の提示を求めて追及してやるところですが、まあ割と人が良いこのスタッフは「当店ではそういった処理はすべて本社を通じて行っておりますので」とご丁寧にお引き取り願ったそうで。

 が、ときメモに関してはまだ強者がいたそうです。この人が隣の店舗(中古専門)に居た頃、店に入ってくるなり「詩織ちゃんはいますか」と仰るお客さんがいて、最初誰かスタッフのことかと思って「詩織っていう名前の人いた…??」と困惑したそうなのですが、どこの詩織ちゃんかと聞くと「藤崎詩織」のことだった模様。しかし、それはどの「詩織ちゃん」が欲しかったのか?? ときメモのシリーズのどれか(ドラマシリーズの「旅立ちの詩」あたりとか)のことなのか、それともPOPか何かを貰いたかったのか、興味は尽きないところながら、そのお客さんは目的の「詩織ちゃん」が居ないと知るとそのまま帰ってしまわれた模様なのですが……何というか、そういった訊ね方はまた斬新というか…まあ後にも先にも他にいなかったそうですけど──世の中、色々な人が居るものです。

2001/10/4

GAMER'S VIEW メニューへ