ゲーム屋デキゴトロジー

ゲーム屋の仕事なめてませんか?

 私が今いる店にバイトの応募をした時、その隣の中古専門店でも募集が出ていまして、実はどちらにしようか迷ったのですよ。そもそも、その募集は私がまだ会社に勤めていた時から掲示されていまして、すぐには応募できないけど残っているだろうか…と思っていたところ、中古屋の方は人が入ったのか掲示が取り下げられて、今の店だけ募集が続いていたのです。それに、この辺では唯一のそれなりの規模の新品専門ゲーム屋なので、新作の仕入れのない中古屋よりも現場経験をするには向いているだろうと考えてのことで。
 が、この隣の店舗ではバイト募集をした際、採用までに4〜50人も応募があった盛況ぶりながら「ろくな奴が来ない」状況だったそうで。当時そちらでバイトをしていた人に聞いた話です。

 まず、電話や店頭で見込みがないと判る例。およそ働こうという態度でない人があまりにも多いのだとか。話し方もさながら、ひどいのになるとガムを噛みながら電話してくる奴までいたそうで。タメ口まではさすがにそういなかった(…てことは少数いた!?)らしいのですが、敬語の使い方がなっていない。学生ならまだ大目に見られるものの、高校卒業したばかりの人の方が緊張感があるのかまだまともで、20代前半が特に駄目らしい。それも、学校出てから何年もなにもしないでいて、初めて働くという人が少なくないとのこと(それまでどうしていたんだ?…何もせず家でゲームやっていたってことなのか!?)。
 聞いた中でもスゴイ人をピックアップ。
■カウンターの前に無言で立っている。「何かご用ですか?」と訊くと、一言「…バイト」。さすがに聞き返すとまた一言「やりたいんですけど」。──もう締め切ったと言ってお引き取りいただいたそうです。
■面接に来た人を2階の事務所に通して、担当を呼びに下に行って戻ってみると、ヘッドホンでウォークマン聴いていた。アンタいくら始まる前といっても面接でそれって…。
■面接の時間になっても来ない女の子。そのうち道に迷ったとの電話が入る。それは普通、時間の前に道が解らないとなった時点で尋ねるものだが…。電話で行き方を教えてから、店に来たのは4時間後。もう閉店で担当も帰っていたため翌日出直してもらうことに(随分寛大だなあ。その場で不合格でもおかしくない)。が、その翌日も結局2時間遅刻してきたそうな。

 いやはや……私は自分が物心ついたときからゲームやっている人間ですし、その自分をも否定することにもなりますから、ゲーマー=社会不適応者というような短絡的な見方はしないことにしていますよ。ゲームをプレイすることとその人の内面は別問題でしょう。しかし、ゲームにのめり込むあまりに社会との接点が切れている人間が存在することも否定はできないのですかね…。 あるいはたまたま居るところには居る…のか? そして、そういった人達はこれまで、そしてこれからもソレで世の中まかり通っていくのでしょうか?? まさかゲーム屋はそれでも通用する職場だと思っているのではないでしょうね?

 そういえば、ほとんどの態度に問題ありの人が挙げた志望動機は、「なんか面白そうだから」と「楽そうだから」なのだとか。まあ別に、この仕事は特にキツイとは言いませんし、必ずしも最初から専門知識を持っていなくてもいいとは思いますが、それでも他の小売業と同じ程度に接客の心構えは必要ですよ。ゲーム屋の店員はゲームで遊ぶのではなく、ゲームを売るのが仕事なんですから。検品や試遊台で遊べるとかいう目論みがあるのなら、検品には余計な時間は割けませんし、仕事中に試遊台でプレイする機会があるとしたらデモ入れ替えやメンテナンスの際だけです(あー、これは店によりかも。お客さんが誰もいなければいいとかね)。
 仕事自体に目的意識がなくして面白い仕事なんてどこにもないと思うのですけどね…。

2001/6/9の日記より

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