みら's REVIEW

Gダライアス
ジャンル:シューティング/タイトー

 私をすっかり(オブジェとしての)魚フリークにしたゲーム。あー、97年は「怒首領蜂」があったので「Gダラ」はゲーメストのベストシューティング賞は逃しているんですね。

 タイトーを代表するシューティングのひとつ「ダライアス」シリーズ4作目ですが、ストーリーとしては今作が第1作以前の時代という位置づけです。「君は生命(いのち)の誕生(はじまり)を見る」というキャッチコピーに尽きる壮大なストーリーは一見の価値アリ。
 「外伝」の時点で3画面の専用筐体からノーマルな1画面となったのも大きな変化でしたが、同じ一画面ながら、今作では
グラフィックがポリゴンとなったことで、2Dのゲーム性のままに奥行きある演出が実現されているほか、なによりも巨大ボスの演出がかつてない迫力に。それまでの画面に占める割合が大きいだけのボスと違い、奥に、手前に、画面の外にと縦横無尽に泳ぎ回るボスは身体の一部しか画面に出ていないこともしばしば。しかし、その自在なアングルと躍動感あふれる動き、そして「WARNING」のサイレンとともにボスが現れるデモシーンで、その存在感は圧倒的です。シーラカンスなんて歯の一本がシルバーホークと同じ大きさ…? 初めて見たときはこんなんと戦うのかーっ!とびびりまくり。
 
ポリゴンになって粗くなった分、ボスの造形に物足りなさを感じる点もありますが、ポリゴンならではの動きと演出はそれを補ってあまりあると思います。
 ゲーム内容の方に話を移しますと、1つの面をクリアして進むルートが二手に分かれるゾーン分岐はもちろん健在。今回は5面で終わりで、全15ステージ、最終面は5種と少なめに感じますが、その分
ボス戦が非常な長丁場なのでプレイ時間自体は短くなく、また、各ステージが途中で上下2つのエリアに分かれるので、30ステージ相当という訳で。進んだエリアによってボスの攻撃パターンも変わるし。
 また、「外伝」で中ボスを捕まえて味方にした「キャプチャー」システムを引継ぎ、
ボールを発射すれば当たった敵をキャプチャーできる単純なシステムに変更。キャプチャーした敵が種類ごとに違った効果のオプションになってくれたり、エネルギーに変換してボムやαビームとして使用するなど、ゲームの根幹のシステムに生まれ変わりました。オプションの攻撃やαビームにボーナスが入るので、スコアラーにとってはその使い所が重大なのですが、低次元な話をすると、単にこの敵をキャプチャーするとどんな攻撃をしてくれるのか、あれこれキャプチャーを試してみるだけでも面白かったりするんですよ。
 αビームには大きな特徴があって、ボスもビームを撃ってくるのですが、ビーム同士を相殺させるように当てると、
ボタンの連射で打ち勝った方が相手のビームを吸収して倍のパワーのカウンタービームに。このカウンタービームでも喰らわせないとボスはまず倒せないのですが…連射ボタンが付いている店でないと、3面辺りで手連射では負けます。やっぱり連射装置を標準で希望ーっ!

 それから、やっぱりOGR氏ファンとしてはサウンドは語らずにいられないです。
 「外伝」の心理学をモチーフとしたどこか不安感のある高音の旋律は、人を選ぶ独特の曲調でしたが、「生命」がテーマの「Gダラ」の曲は悲哀を秘めた壮大さで胸に迫るものがあります。私としては、5面の「KIMERAII」、ラスボス曲の「Adam」、初代ダライアスのラスボス曲のアレンジであるスタッフロール曲「未来完了」、それにシューティングゲームの曲としてはあまりに異質な、しかしインパクト抜群の2面ボス曲「B・T・DUTCH」が気に入っています。

 稼働から半年。プレイ時間が長いとのオペレーターの苦情に対応してか、営業に押されてやむなく開発された(…という噂)のがVer.2。初心者向けに難易度を低く、しかし3面で終わるモードと、ボス戦で粘って稼げなくなったタイムボーナス制などの変更を加えたノーマルモードの2種類に。……しかし、難易度ってゆーか堅さが尋常じゃないんですけど…。1面ボスで死んで大ショックだったのですが、どうも皆さんそうみたい。そういう訳で、Ver.2はスコアラーにも普通のユーザーにも評判悪し。

 家庭用ではPSに移植。ボス戦だけを連続して戦える(ちゃんと登場デモも見られる!)VSボスモードがおいしいのですが、クィーン&ファイヤーフォッスル戦が後半のみとなっているのは納得いかーん!!!
 あと、
それなりに処理落ちします…。まあ、「レイストーム」と違ってPSとの互換基板で作られている訳じゃないから無理もないか…。しかし、2000年6月に発売された廉価版の2000円はお得でしょう!

 ここからは余談。「Gダラ」に関しての話といえば…立川のシューター集団「4649フクダ連合」の一員である知り合いのSexy-Z君が、同人攻略ビデオを作るのでそのジャケットデザインを頼みたいと言ってきたことがあったのですが、細かい話は省略するとして、うやむやのうちに2度私の絵を無断使用されたんですよ。1度は私が出したフルカラー便箋をそのままコピーしていて、やむなく事後承諾で認めたのですが、それで勘違いしたのか2度目はその便箋のイラストを勝手にコラージュしやがって尚更不本意なことに。みっちり説教して「3度目はないと思えよ」と脅しておいたのですが、2度目のビデオの方はテロップマシンでスタッフロール入れて、「ジャケットデザイン」として私の名前入れちゃっているとのこと。この場合、勝手に入れたことを怒るべきか、名前出さずに無断借用でないだけいいというべきなのか…? 格好良くOPデモ作ったのでそれ見て勘弁してくれと言うので、とりあえず見てみたら…「Adam」のアレンジ版をBGMに確かに格好良い編集だったので、ほんとに「まあいいか」という気になりました(単純)。

システム・・・・★★★★☆ 敵を捕まえる面白さ、その利用法など無駄がなくナイスアイデア。
グラフィック・・★★★★☆ 背景や演出との相乗効果で。クィーンフォッスルは度肝を抜かれました。
サウンド・・・・★★★★★ Gダラの「生命」というテーマはこのサウンドあってこそ!