みら's REVIEW

ウォーザード
ジャンル:格闘アクション/カプコン

 カプコンのCPシステム3基板の第1弾がこの「ウォーザード」なのですが…今ひとつマイナーに終わってしまって残念な作品。いや、対戦格闘としてはアレなんですが、一対一の対戦型アクションRPGと考えると結構遊べたと思うんですよ。当時は必ずパスワード記録用のメモを持ち歩いていましたよ、ええ。

 剣と魔法のファンタジー世界を舞台とした格闘ゲームなのですが、私が“対戦型アクションRPG”と評しているのは、格闘ゲームには珍しいレベルアップのシステム。モンスターに与えたダメージや拾ったアイテムで経験値が入り、レベルが上がるごとにパラメータが上がったり、新技が使えるようになります。パスワードにによって成長させたキャラを次回のプレイで引き続いて使うことができ、最高レベルは32ですが、そこまで成長させるには何度もプレイする必要があります。ただし、こちらのレベルが上がるほど敵も強くなるので、クリアを目指すならレベル1固定のパスワードを使ってプレイする方が楽なのですが。
 必殺技とは別に、
6つの属性のオーブを使用することで魔法を使えるのもファンタジー世界ならでは。
 キャラクターは、呪いによって半獣半人となった“獅子王”レオ、ジパングのお庭番・ムクロ、幼い格闘家少女・タオ、天才魔導学者・タバサの4人とちょっと少なめ。CPU戦では、4人の中から主人公を選んで、
敵モンスターと戦いながらストーリーを進めていきます。ちなみにEDは分岐あり。キャラによっては思わぬ所に分岐条件があってバッドエンド行きに(例・ああっ!うっかり臣下を斬ってしもたーっ!)。
 戦闘の前後にストーリーが入る形式は「サイバーボッツ」以来と思ったら、プロデューサーが同じなんだと聞きました(自分では未確認ですけど)。要は私はこの形式が好みなのかも。
 対人戦ではプレイヤーキャラ同士の対戦です。

 まあ、メインはCPU戦のストーリーモードなんですが、対人戦のポイントを貯めないと入手できない武器や技があったり、対人戦とリンクします。しかし……対戦が寒いんですよ。
 ひとつは、レベルの存在によって、高レベルのキャラでレベルの上がっていないプレイヤーに乱入するとハンデが大きいこと。また、削られない上にキャンセルしてカウンター技の出せる“アルティメットガード”が強すぎたり(投げという対抗手段はありますけどね)、空中ガードが万能、浮かされると魔法が連続で入るなど、
CPU戦の攻略テクニックが、対人戦では勝負を面白くなくする方向に働いていた気がします。もちろん、自分よりレベルの高い相手を倒すほど獲得できるポイントは大きいのですが、技や剣を手に入れる場合、大抵のプレイヤーは、まずレベルを上げたキャラを作ってから、レベル1のキャラを使って自分で乱入するという方法を使っていましたし。
 結局、対戦が盛り上がらなくて消えていった……という印象ですが、さすがシステム3の
美しいビジュアルや巨大モンスターの特徴ある動きが素晴らしかったので、家庭用の移植もなかったのは残念。かえって家庭用ならイケるように思うのですが。
 個人的には、『グイン・サーガ』の豹頭王グインを彷彿とさせるレオが格好良いので、レオ使って剣を振り回しているだけでしあわせ。

システム・・・・★★★☆☆ CPU戦のコイン稼ぎは面白いんですが、やっぱり対戦となると…。
グラフィック・・★★★★★ 独特のデザインセンスや魔法使用時のエフェクトが見所。
世界観・・・・・★★★★☆ モンスターの造形などかなり異世界チック。その割に設定は半端な気が。