みら's REVIEW

ソウルエッジ
ジャンル:格闘アクション/ナムコ

 んー、心中複雑というか、あまり一般的でないプレイ環境だったゲームなので、レビューもちょっと偏るかも。「まともな」対戦をろくにやっていなかったし。
 それと、このゲームに関しては、私は完全にストーリーで入りました。

 武器格闘ゲームは3Dでは当たったためしがないという状況の中で、「鉄拳」で実績を確立したナムコからリリースされた3D武器格闘ゲームです。96年2月発売のVer.Iではシステム面の問題も多く、夏に改良されたVer.IIがリリースされ、使用キャラが増えています。PS版のベースはVer.II。
 時代は16世紀。伝説の剣と噂される、邪剣ソウルエッジを求める8人の者達が戦いを展開。歴史的背景をバックストーリーに活かし、キャラクターも多国籍。また、そのキャラごとのストーリーが、やたら密度が濃いです。
 
ゲーメストで公開されたストーリーを「ずいぶんしっかりストーリー付いてるんだな〜」と思いながら読んでいて、“幼きダークサイド”ジークフリートの設定にやられました。自分の手で父を殺したことに耐えられず記憶を歪ませ、居るはずのない「父の仇敵」を倒すためソウルエッジを求める…。うわ〜、こいつのEDってソウルエッジに乗っ取られるか、自殺か発狂しかなさそう、と、あまりのダークさにジークでプレイせずにいられなくて。(※↑そのとおり。しかもジークEDが真のEDっぽい
 ただ、ゲーム中に物語が語られるわけでもなく、ゲームだけ見ても設定が解らないのに、設定を知っていることが前提のようなEDはどうかと思うのですが。いや、別にこの作品に限ったことじゃないですが、ナムコ作品って特に必要以上に凝りすぎではないかと。おまけに、やはりゲーム本編以外の媒体でどんどん新設定が明かされるのがなんだかなー。ファンサービスと思っておけばいいんですかね。
 操作系の方は、後にはこの方式が多く導入された、縦斬り、横斬り、キック、ガードの四ボタン。3D格闘ではボタンガードは一般的ですね。横斬りにはしゃがみ、縦斬りには軸ずらしの避けという回避手段があり、また、武器攻撃を弾くガードインパクトがあり、これらが対戦のかけひきを生んでいました。
 しかし、Ver.Iではこのガードインパクトは神業。また、CPUが反応型アルゴリズムで後半極悪な超反応。Ver.IIではこれらの問題が解決されたほか、中ボスのセルバンテスと隠れキャラだった黄星京も選べるようになり、空中コンボを導入。…ゲーム的には、そりゃ空中コンボが決まる方が気持ちよくて面白いでしょうけど、私としては、人間がそんな風船人形みたいに浮くかって、一気に現実味無く感じられてイヤです。リアリティばかり重視しても面白いゲームにならないのは承知していますが。

 一番出来が良いのはPS版かもしれません。様々な武器を集めながらストーリーが進行する「エッジマスターモード」が追加され、アーケードモードはポリゴンキャラの人形劇のED、しかも分岐ありに。
OPムービーのクオリティの高さも話題に。
 個人的には、エッジマスターモードは許せない点があるんですけどね…。言葉が通じているのが嘘くさすぎて。せっかくの歴史的背景が台無しだなーと…。

 ところで、冒頭で「まともな対戦をやっていない」と言っているのは、Ver.Iの頃はやはりシステムの難かメジャーになれない3D武器格闘のせいか、単に対戦人口がいなかったのですが、その後ある程度対戦をやるようになると、プレイスタイルがどんどん大道芸に。見た目自体強烈で技が個性的なヴォルドはいいとして、ジークは意外と技が無謀というか笑えるので、ヘッドバットとかドロップキックとかちゃぶ台返しとか見た目が笑える技狙いから、そのうち斬り技は一切封印するように。ウケてくれる相手じゃないと失礼で悪い気がするので、対戦は控えるようになったわけ(まともな戦い方をするつもりはないらしい)。ちなみに、PS版はマウスでプレイができるので、マウスでクリアもお薦め馬鹿プレイ。

システム・・・・★★★☆☆ 「〜キャリバー」になると完成されていますが。
グラフィック・・★★★★☆ ポリゴンキャラの出来はかなり良いです。背景も綺麗。
世界観・・・・・★★★★☆ 歴史好きなら惹かれる。これで余計なものがなけりゃーね。