みら's REVIEW

豪血寺一族(1&2)
ジャンル:格闘アクション/アトラス

 主人公がババア! しかも変身する! これだけですごいインパクトです。格ゲー全盛期に発売された中でも、飛び抜けた怪しさというか、他タイトルと一線を画す独自の世界を展開していた作品です。
 私がこのゲームを知ったのは、ゲーメストの格ゲー増刊から。まず、村田蓮爾氏の格闘ゲームとは思えない繊細なタッチのグラフィックに目を引かれ、続いて「な、なんだこれは!」と。

 93年にアトラスから初めてリリースされた対戦格闘ゲーム。異色ぞろいのキャラクターだけが特徴な訳ではなく、壁が壊れてステージ幅が広がるので追いつめられにくかったり、二段ジャンプが標準だったり、ほぼ全部の技にキャンセルがかけられたりと、操作性の面でストレスがなく、遊びやすいものになっていたことが特筆できると思います。
 ただ、グラフィックにかなり難というか…1は身体のバランスが一部ヘン。イラストが良い分ギャップが激しいのがとても残念。
 また、新規タイトルですし出回りもそう良くはなかったと思います。

 「1」から1年経たずして登場した続編では、特異な世界がさらにグレードアップ。5人の新キャラが加わり、魔法少女はいるわ、今度はジジイや幼稚園児まで戦うわ、変身キャラが5人にも。
 特にすさまじく強化されたのがBGM。ほとんどのステージで歌ってます! それもアイドルあり、ロックあり、応援歌あり、ジュリアナ調お経あり、とどめにフォークまで。しかも才蔵ステージの背景のフォークデュオ“ルー&マーキー”は、移動ステージで追っかけてきながら弾き語ります。クララステージではアイドルがコンサートやっているし、背景のキャラも暴走!
 グラフィックも前作とは別物のように向上し、“何かの手違いだった”という話のアンジェラがちゃんとゴージャスな美人になっていて安心。
 ただ、私としてはどうも「2」の看板娘の新キャラ、花小路クララの存在が許せなくて(サハドも)。豪血寺にあえて露骨に狙ったキャラを出す必要があったのかと。豪血寺の一族という必然性が感じられず、1の豪血寺の世界観を崩しているように感じられたのです。もっとも、こういうキャラが出せるのも「豪血寺」ならではかもしれませんが。

システム・・・・★★★☆☆ 操作的にはかなりプレイしやすい格ゲーです。CPUの反応はどうも…。
グラフィック・・★★★☆☆ 1と2を平均するとこんなところ。
演出・・・・・・★★★★☆ とにかく一見の価値はあります。特に2。