みら's REVIEW

サムライスピリッツ
ジャンル:格闘アクション/SNK

 私が対戦格闘を始めるきっかけとなったのがこの「侍魂」。以前に「ストII」をプレイしてはいたのですが、対戦台の登場と同時に、もはやゲーマーにしか入れない世界だと格ゲーから退いてしまい、それ以降は観戦オンリーだったのです。まだ虎沢礼樹と一緒に同人活動を始める前の93年秋、虎沢からこのゲームの話を聞いて、試しにプレイしたところ、時代劇を思わせる舞台設定や演出に一目惚れ。

 時代劇…といっても硬派な侍の世界ではなく、まさに英字の「SAMURAI SPIRITS」というロゴからイメージされる“海外から見た曲解された日本文化”的な、うさんくさい世界観が独特の魅力。元々、ねらいは和風ファンタジーだそうで。「一本」「勝負あり」という黒子の審判や、ボーナスステージの演武など、剣劇の世界ならではの演出も斬新でした。
 また、殴り合いの格闘と違って、まさに刀で一撃必殺の気持ちよさがあり、コマンドもSNK作品にしては簡単なこともあって、初心者にも受け入れやすかったのだと思います。即死連続技があんまりではあるのですが…。怒った覇王丸の大斬り怖すぎ!
 かと言って対戦が大味で単調なわけではなく、キャラ格差は大きかったですが、緊張感漂う対戦のかけひきが感じられました。
 ただ、CPU戦だと、アルゴリズムが反応型なので作業プレイにならざるを得ないので、慣れてくると単調に感じましたが、これは格ゲーだと多かれ少なかれそういうものかも。

 翌年に続編の「真〜」が出ましたが、演出の強化は良いのですが、追加されたシステムがどうも余計な気がしたり、キャラが(設定的に)半端に感じられたりと、個人的にはかなり不満がありました。


 余談に私のプレイ記。このゲームには、忘れられない思い出──いたって個人的な──があるのです。 ストIIの頃はコマンド入力が出来なかったのですが、本腰を入れてプレイした甲斐あって大抵のコマンド入力はできるようになり、3ヶ月かけて初めて格ゲーをクリア。それから対戦も、初めは乱入されてやむを得ずでしたが、慣れてくると積極的にやるように。
 そんな折りでした。ある冬の日の夕方、私は自転車で近くのゲーセンに対戦をしに行こうとしていました。脇道から出てきた車が止まっていたので、前を横切ろうとすると…その車はこちらを見ていなかったのか、いきなり発進するではありませんか。車に当てられて私はもろに転倒。運転者は慌てふためいて平謝りでしたが、こちらに外傷はなかったと見てそのまま走り去っていきました。私の方も、アスファルトに頭を打ったのは気になりましたが、当てられてコケただけで特に怪我もないし、その場から家の方が近かったのですがそのままゲーセンに向かいました。
 その日の対戦はなかなか好調。最弱キャラと言われるガルフォードでもやればできるじゃないかと上機嫌。一方、対戦相手はかなり熱くなっていたのか、その当時はそれほど対戦人口のいなかった女性ゲーマーに負けて悔しかったのか、席を立つと即、千円札を両替。「こりゃしばらく解放されそうもないなぁ」なんて思っていると、なんだか首が痛い…? 30分後、しつこく連続で入ってきた相手が帰り、新手の十兵衛使いに負けたところで帰ることにしました。帰ってからも痛みは続き、翌朝にはもはや起きられないほどに。どうも、首の神経を痛めたようで、整形外科医が「神経はあちこちに回るよ」と言ったとおり、後に背中や腰にも強い痛みがあらわれ、それまでは肩凝り知らずだったのに、凝りと骨の感触の区別がつかないと言わしめるひどい凝り体質に。……しかしまあ、事故った時すぐに家に帰っていたところでそう症状が変わったとも思えないし、その時ゲーセンに行こうと思ったことが起こりなんだから、そういう運命だったんだろう。
システム・・・・★★★☆☆ 斬り合いの迫力は充分で緊張感あります。バランスにちょっと難…?
グラフィック・・★★★☆☆ 初期の作品という感は否めませんが、和風情緒たっぷり。
キャラクター・・★★★★☆ ナコルルなんて公共キャンペーンに使われちゃうし。下敷き持ってます…。