うーん、レビューが難しいジャンルが来ました。実は、私はシミュレーション系は時間がかかるからと避けていて、この作品が初めてまともにプレイしたシミュレーションＲＰＧなので、他と比較が出来ないし。そもそも、どうして突然このゲームをやろうかと思ったのかも、直感とか天の声としか言い様がないし。

　剣と魔法のファンタジー風世界・フォルセナ大陸で、大国アルメキアがクーデターにより滅ぼされたことから戦乱が巻き起こり、６つの国が覇権を争います。
　選べる国は、属国に落ち延びた王子ランスが率いる西アルメキアをはじめ、大陸統一を志す若き王ヴェイナードが治める北の大国ノルガルド、静かなる賢王と呼ばれる君主カイの治める魔法王国カーレオン、狂王・ドリストのもと将来が危ぶまれる歴史ある国イスカリオ、神託によって女王に選ばれた少女リオネッセを戴く祭祀国家レオニアの５カ国で、エストレガレス帝国は敵として設定されています。また、１００人を超える騎士各々にしっかりプロフィールがついていることが特徴。
　こう聞くと、ストーリー主体型かと思うかも知れませんが、ドラマ部分を期待するとちょっと肩すかしを食うかも。拠点数が一定数に達するごとにストーリーは進行しますが。キャンペーン型でなく国盗り物ですし、結構あっさりしている方だと思います。でも、戦場で対峙する（または同時に出陣する）騎士の組み合わせによって会話が発生したり、拠点にいる騎士の組み合わせでちょっとイベントがあったり、騎士を探索に出すクエストでのイベントもあるので、細かい点では多いかな。
　魅力を感じたのはやっぱり戦闘。でなきゃ２０回もプレイしていません。
　ルーンの騎士と呼ばれるキャラクター達は、モンスターを支配下における“統魔力”を備えていて、この統魔力の範囲内でどう部隊を編成するかで悩みます。強力なモンスターほど統魔力コストを食うため、安易にモンスターをクラスチェンジさせるとすぐ統魔力オーバーするし。また、部隊の移動は、編成フェイズ終了時に一斉に行われ、本番まで敵の動きが読めないので緊張感があります。ＣＰＵは相手の戦力配置に合わせて部隊送ってくるので、攻め込むのは結構きびしいのです。
　次に戦闘。マップはオーソドックスな６角形ヘックスの構成で、素早さで部隊の行動順が決まるターン制。肝は“統魔力”同様にモンスターを統率する力の及ぶ範囲として設定されている“統魔範囲”かな。ルーンの騎士を倒すとその部隊は撤退しますが、ＣＰＵは劣勢だとすぐ逃げるのでなかなか倒せません。また、騎士を倒しても負傷となって一ヶ月動けなくなるだけで、治ったら復活してきます。この、敵が戦死しないのが良いなと思うのですが。
　あまり良くない点は、戦闘や召還時のポリゴンアニメーションかな…。ドット絵は良いのにポリゴンは見た目がアレだし冗長でたるいし。オフにできるのでまあいいんですけど。でも、どうせなら最初にオプションで設定したいところ。あと、ソフトリセットがないのはツラい。

　戦闘が面白いと感じるのは、やはりバランスが良いんだと思います。ＣＰＵの行動とか、統魔力や統魔範囲とのかねあいとか。難易度的には、辛いと思うのは序盤だけで、あとは絶対ムリだーっという難しい局面はないはず。むしろ、ＣＰＵのパターンを覚えちゃえばかなり簡単な部類では。まるっきり初心者の私が、いきなり難易度が星３つのイスカリオで始めて労せずクリアしたんだから。というか、実は説明書で難しいとなっている国の方が進めやすいです。同盟国があるため簡単な西アルメキアとカーレオンは物足りないんじゃないかな。一番進めにくいのはレオニア。地形的に攻め込まれにくいけど、こちらからも攻め込みにくい〜。レベルが初級と上級がありますが、上級だとＣＰＵがさすがにシビア。１つ部隊つぶしたところでこっちのレベル低いと見ると撤退してくれません。電撃ＰＳＤ誌に特別データが入っていたのですが、スーパーエキスパートでも敵に強力モンスターが揃っているだけで思考自体は上級と変わらないようで、物足りなくて残念。

　2000年春には、バージョンアップ版の「〜グランドエディション」が出るので、これからやる人はそちらを待つのがいいのでは。帝国でプレイ可になったり、新キャラやクラスの追加、ソフトリセット可などの改善はうれしいのですが、アニメとボイスがどうかな…。ボイスはキャスティング次第ですけど、バリバリのアニメ絵だと私はちょっと苦手。ドット絵、アニメ、ポリゴンが同居となるとギャップが心配…と思ったら、ポリゴンの長い戦闘シーンはなくなるとのこと。