「入門 HTML3.2」(一条真人/秀和システム)という本があります。この本は、はっきり言って素晴らしいものです。そのあまりのすごさに感動して、特別にコーナーを作ってしまいました。
のけぞり度:★★★★
まず、いきなり「コマンド」という言葉が出てきてのけぞります。それって……「タグ」なんですけど……。だいたい、タグは命令なんかじゃあありませんよ。
もちろん、エレメントとか要素とかいう言葉は全く出てきません。ちなみに、<BR> のようなものは「独立コマンド」なのだそうで……。
のけぞり度:★★★
<HTML>を教えません。<HEAD>も<BODY>も教えません。確かに省略可能なのですけど……。いちおう、BODY は背景色指定のときに出てきます。HEAD なんかは、ずっと後にとんでもないところで出てきます。
のけぞり度:★★★
言うまでもなく<P>は改行、一行空きとしています。その一方で、<P ALIGN=center>なんかを教えるってのは、ものすごい勇気です。
のけぞり度:★★
もちろんサイズ変更です。
のけぞり度:★★
すごすぎ。<H2>の中に<P ALIGN=center>を入れちゃう。<I>の中にも<P>を入れちゃう。そして……。
のけぞり度:★★★★★
よく見ると</TABLE>の前に<TR>がある「お尻<TR>」。これには本気で参りました。この一事を持ってして、すでにのけぞり度★★★★★です。
のけぞり度:★
#FFFFFF なんてのは当然のごとく囲んでいません。50% も囲んでいません。
のけぞり度:★★★
"http://www.ne.jp/asahi/minazuki/bakera/index.html" の http:// は「ヘッダ」なんだそうな。それはスキーム! まあ確かに「httpヘッダ」というものはありますけれども、全く別の物でしょうに。
のけぞり度:★
HTML3.2なのにスタイルシート。すごいですね。でもまあ、あんまりのけぞりません。ここまで読み進むうちに、もう免疫が出来てきているからでしょうか。
のけぞり度:★★★
IEとNNの画面を並べて、同じ Hn でもブラウザによって見た目の大きさが少し違うと説明しています。正しいような気もするのですが、ものすごく根本的なところで間違っているような……。
しかも、両者の違いはブラウザのフォントの設定が違ってただけという気もします。「H1 が大きい」というスタンスは変わっていないのです。
のけぞり度:★★★★
で、Hn の見栄え(フォントサイズ)が二大ブラウザで同じにならないので、これを同じにするために出てきたのがスタイルシートですって!(悲鳴) 私は本気で泣きそうになりました。スタイルシート大好きなので。
確かに pt や px で絶対サイズ指定すれば出来ますが、そういうことはすべきではないとされています。弱視の人や、画面サイズの小さい人がブラウザ側で文字サイズを変更できなければ困ってしまうからです。それらの指定はユーザースタイルシートに使うものであって、ページ作者が使うべきものではありません(と私は思っています)。
のけぞり度:★★★
で、なぜかこんなところで<HTML>、<HEAD>、<BODY>が出てきます。これらは、<STYLE>コマンドを使うときに書くものなのだそうです! もうなんだかわからんなぁ……。
のけぞり度:★★
タグだけじゃなく、スタイルシートの記述もコマンドって言ってます。プロパティもなにもあったもんじゃない。
のけぞり度:★★★
色違いの文字を二つ並べてマージン指定をいじって重ねる「ズレカケ文字」を得意げに教えています。スタイルシートに対応してないブラウザでは文字が二つ見えるし、読み上げの際にも二度読みされることは間違いないのですが、そんなことはお構いなしです。
のけぞり度:★
で、STYLE="FONT-FAMILY:MS 明朝"
なんてのをやってくれます。期待通りですね。正しくは、STYLE="FONT-FAMILY:'MS 明朝'"
もしくは STYLE="FONT-FAMILY:"MS 明朝""
のように、半角スペースを含むフォント名は引用符で括らなければなりません。
さらに言えば、CSS1 では 2バイト文字が使えませんので、日本語のフォント名も使えないはずです。これは CSS2 で使えるようになりました。
総合評価は……。
のけぞり度:★★★★★
お尻<TR>だけで五点を超えています。私が出会った本の中では、間違いなく最強です。私は立ち読みしただけなのですが、もう思わず買ってしまおうかと思ったほどです。2800円だったから買いませんでしたが。