公式ポスター
リーフレット
あ い さ つ
水俣病は1956年の公式発見の日から数えて、この5月で44年目を迎えまし
た。重化学工業による高度経済成長の影で産み落とされた公害(“KOGAI”)の
原点・水俣病。水俣病はチッソ(株)水俣工場が流した有機水銀によって不知火海が
汚染され、有機水銀を高濃度に蓄積した魚介類を住民が食べ続けたことによって発
生しました。被害は熊本県水俣市を中心に不知火海沿岸に広がっていきましたが、
明らかになった被害は氷山の一角で、約二万人もの申請者のうち、3000人足ら
ずしか行政によって認定されませんでした。水俣病の苦い経験は生かされず、新潟、
カナダ、アマゾンと世界各地で同様の被害が今なお続いています。
1996年に和解という政治的解決がはかられましたが、ここ大阪では今も、国
の責任を明かにさせようと水俣病裁判(チッソ水俣病関西訴訟)が続いています。
今も水俣病の被害者に差別や偏見が続いており、病害以上の苦痛をもたらしてい
る事実、さらには公害・環境破壊の教訓として「水俣病を繰り返してはならない」
と言われながら、無意識のうちに利便性や経済性を優先させている現在の私たちの
姿や社会のあり方も否定できない事実です。
21世紀を目前にひかえた今、行政や企業、市民の立場を越えて「水俣に学ぶ」
機会を作ることは、現在の私たちの生きかた、社会のあり方を見つめなおすうえで、
大きな意義があります。この秋、大阪で開く「水俣展」、より多くの皆さんととも
に考える場にしたいと思います。多くの皆さんの参加を期待します。
水俣展開催趣意書(水俣フォーラム)