タカトクトイス、マルコシ他


イメージ重視のマグナム拳銃


 銃とか、拳銃といったようなものを知り始めたときにたいていの人がこういった話を聞くだろう。
「44マグナムは世界最強の銃だ!」
 実際のところ最強とはいっても射程距離がライフルより上なわけではないし、破壊力イコール強い銃ってわけじゃないのだけれどそれでも「ダーティハリー」なんてぇ映画の影響もあったりしてマグナムっていうとやっぱり「世界最強の銃」とか「100M先の象ですら倒れる」といった伝説が思い浮かんでしまう。

 そんなマグナム最強伝説のまっただ中でどかーんと我々の心をつかんで離さなかったのがこれから紹介する「SSオートマグ」である。

 この銃のすごいところはすさまじいほどのオーバースケールモデル!元々オートマグ自体大きな銃なんだけどそんな問題じゃない!実銃よりも1.5倍はあろうかという巨大な銃は見る物を圧倒させるっていうよりも「全然大きさ違うだろっ!」とつっこみを入れてしまうほどの大きさである。
 そしてカートリッジはSS−9000と共用でポンプの直径もSS−9000と同じ(長さは少し短い)というこれまた巨大さ!当然ブローバックの反動も強烈でダイナミックなのであった。

 それでも実物など「拳銃大百科(※)」でしか見たことのない我々はその大きさに「すっげえ!マグナムってやっぱでかいぜ(笑)」と驚き、またそのすさまじいブローバックの反動に「さすが44マグナム!実銃は手首を捻挫しちゃうってウワサだぜ(爆笑)!」とこれまた勘違いの驚きを見せてしまうのであった。

 それでもこのオートマグはオートマグの「ものすごくでかくて強力で反動もすごい!」といった「映画や拳銃大百科」でみられるイメージをある意味よく表していたといえるだろう。実銃のオートマグはジャムがものすごく多くて強力でダイナミックなイメージとはほど遠い銃であったのだから...

 この銃は7mmつづみ弾のプッシュコッキングのブローバック銃であった。その後、タカトクトイスが倒産し、他の会社から発売されたときに改修されケースレスキット付きの6mmモデルもでたはずであるが全く鳴かず飛ばずで生産中止になってしまった。

 このSSオートマグを見て育った世代の人は後々「本当のサイズ」のMGCのモデルガンとか見てその「普通の大きさ」にがっかりした人なんかも多い。それだけ子供心に訴えかける「イメージトイガン」だったのではないだろうか?

 SS−オートマグの写真は私の古くからの友人「いかさと」氏から提供していただきました。ありがとうございました。

※拳銃大百科
昭和40年代中盤より前の生まれじゃないとわからないかもしれませんが、私が子供の頃はA6くらいのサイズで分厚い子供向けの「大百科」とは名ばかりの本があったのです。シリーズとしてウルトラマン大百科とか戦艦大和大百科とかなんだかあのころは大百科ブームだったようです。
で、その「拳銃大百科」は「拳銃」のわりには後半にサブマシンガンがのってたり、ラーマだとかAMTだとかのガバメントのコピーの紹介が多かったりと今考えるとテキトーな本でした。でもガキの頃はすっげーわくわくして読んだものです。