クラウン![]() 早すぎた天才「クラウンリボルバーシリーズ」 ![]() コッキングガン全盛期の話。そのころはもちろん電動ガンなんてものはなく、技術レベルも現在とはくらべものにならない時代だった。 さて、コッキングガンに必要不可欠なものは「ポンプをいれる場所」である。 だから当然、当時のハンドガンのラインナップはほとんどが中型、大型のオートマチックで、フレームにポンプがのはいる余地のないリボルバーはほとんど出ていなかった。 そう!ほとんどだ、つまりそれに果敢にも挑戦したメーカーがあったのだ。その勇気あるメーカーはファルコントーイ、東京マルイ、そしてクラウンである。 ![]() 現在のガスリボルバー機構を予言するようなすばらしいシステム!しかし、出現するにはちょっと早すぎた。そう、早すぎた天才であったのだ。 「ハンマーのコッキングを利用してグリップにあるポンプをコックする」→ポンプの後退距離は非常に少ない。しかもハンマーは鬼のように堅い!さらに当時の技術ではエアーのシールなどむろん完璧ではない。ちょっと前のガスリボルバーがそうであったように(いや、それ以上に)シリンダーに込めたBB弾に到達するまでに、かなりのエアーは逃げてしまう。ガスガンなら何とかなったかもしれない。しかし、ポンプの小さなコッキングガンでは無謀としかいえなかった。飛行距離は、いや飛距離は数メートルほどであった。 ![]() この後、クラウンは汚名挽回のためM29を発売した。アルミ製インナーバレルなどを採用しエアーシールがかなり改善されたため、そこそこの飛距離を誇っていた。さらにダブルアクションとみせかけて「ただシリンダーが回るだけ」という謎のアクションも追加されていたが、残念ながらあまり話題を呼ぶことはなかった。 早すぎた天才はいつも悲しいものである。 余談だが、この文書を書いてしばらくしてプラモデルショーでクラウンリボルバーが展示されていて、十数年ぶりにこの銃を撃つことができた。あのときは子供だったからだろうか?それとも改良がされていたのだろうか?久しぶりに撃つパイソンはなんだかそれなりにコッキングできて片手じゃできないというほどでもなかったということを付加させてもらう。 ※この文章はchackeyさんのご協力により文章を改訂しました。また、写真はchackeyさんの所持しているパイソンとM29を撮影し、e-mailで送っていただいたものです。 ご協力ありがとうございました。 |