コクサイ![]() 夢の?「スーパーウェポン」 ![]() エアガン黎明期。まだ、エアガンは精巧なモデルがあまり出ておらず、「遊ぶならエアガンだけどこだわるならモデルガン」などといわれていたころの話である。 写真に関しましては西沢コウ氏のご協力をいただきました。 エアガンを買うかモデルガンを買うかなどと悩んでいたこの時代。コクサイからものすごいトイガンが発売された。それがこの「スーパーウェポンシリーズ」である。 なんと、モデルガンの機能とエアガンの機能が合体して両方とも遊べるようになっているのだ。 しかもそれだけではない!手動コッキングしかなかったこの当時、モデルガンのブローバックの力を利用してコッキングを行い、セミオートを実現してしまうというのだ! 音が出る!弾が飛ぶ!実物と同じ(ような)セミオートマチック採用!しかも第一弾はみんながほしくてたまらなかったM16A1!(エアガンとしては初のモデル化) 機構といい、銃のチョイスといい百点満点である。まさにネーミングの通りの「スーパーウェポン」になる予定だった。 余談だが、同時期、マルシンから「シューティングデバイス」というこれまたモデルガンのブローバックの力を使って弾を飛ばす「ハンドガンにつける光学サイト風のシステム」が発売されていた。しかし、こちらはストライカー方式、俗に言う銀玉鉄砲システムであったため飛距離は語るまでもないものであった。エアガンとしてはこのスーパーウェポンが最初(で最後か?)である。
考えてみれば、モデルガン用の火薬のパワーなんてたかが知れている。モデルガンの機構では自分でボルトをブローバックさせて薬莢をエジェクトするだけでもうギリギリで重ーいスプリングをコッキングする力なんてとてもじゃないけど残ってなかったのだ。 当然スプリングはかなり軽いものが入っていて、当たり前だがカスタムスプリングなどを入れればブローバックなどしなくなる。 この銃のユーザーは、結局モデルガンとして使用してエアガンの機能はへろへろで我慢するか、カスタムスプリングを入れてモデルガンの機能を殺すかの2択となり、セミオートでバリバリ連射などというのは夢のまた夢となった。 余談だが、当時、反エアガン派の「モデルガンチャレンジャー」という雑誌でこんな銃はみとめねぇ!みたいな記事が載ったのだが、その際、さもパワーがあって危ない印象があるような記事を書いたため、逆にエアガン派がコレを見て買い込み、あまりのパワーのなさにモデルガンチャレンジャーを呪う事件!なんてのもあったなぁ....
そのため、そのままではフラッシュハイダーに干渉してしまうため、フラッシュハイダーが丸く欠けているという独特の形状をしていた。うーん、モデルガンとしてもエアガンとしても中途半端なやつ! もちろんマガジンはモデルガンに占領されているのでBB弾はコッキングボルトのあたりから入れるという機構だった。このへん、外観を崩さないようにする涙ぐましい努力の跡が見られるが、エアガンとしての使いづらさがやはり痛い。 モデルとしてはM16A1が第一弾。第二弾としてXM177が発売された。 また、この金型は後のコクサイのセミオートガスガンシリーズに流用されたため、このセミオートガスガンの初期モデルの給弾機構がモデルガンと同じ仕様で困ったちゃん(後期型で通常のマガジン式給弾となる)とかガスパイパスの穴がなんかでけぇとか後々までいろいろとひっぱってしまうのである。 そして第三弾はボルトアクションのM700BDL。BLKにこだわらなくなったため、当時としてはそこそこのパワー、そして金属バレルを使用したケースレスモデルとして当時としては高い命中精度!当時の雑誌広告にも、命中精度を誇る「有効射程20m」(※)というキャッチフレーズにが載っていた。 そしてスーパーウェポンのキモ「モデルガン機構」も「火薬の勢いで内部ボルトを稼動させて反動を得る」というVSR-10のリアルショックのような機構を組み込んだ自信作だった。 しかし、いろんなところがギリギリの設計になっていて、特に首が異常に弱く、普通に使っていてもバレルがぽっきり折れるという困ったモデルだった。 肝心のリアルショック機構もエアガンオンリーで撃つ時はダミーカートを入れておかないとモデルガン機構がぶっ壊れるとかそもそも銃が重い割にはリアルショック機構がたいしたことなかったため、全然反動が感じられないとかいろいろと欠陥を抱えた銃となってしまい、当時のゲームフィールドではリアサイトを落として必死で探しているやつ(これまたよく落ちる)とかバレルをポッキリ折って泣きが入っているヤツ続出というBDLユーザーの笑えない状況がたくさん見られた。 コクサイの野心作。夢見るスーパーウェポンシリーズは夢で終わってしまった悲しいモデルであった。 ※数字に笑ってはいけない。この頃の銃はパワーが軒並みないため、箱だしでは飛ぶだけで精一杯。カタログデータはどうみても斜め上に向けて撃ったときの飛距離だろう!みたいなものもたくさんあったのだ。このころ広告に「有効射程」が入れられるというのはそれだけ命中精度に自信があったということなのだ。 |