マンホールの卍

 昭和が終わる頃だったろうか?平成が始まったばかりだっただろうか?とにかくそのころの話である。最近行ったミリタリーショップで見せてもらった古新聞の記事のことを書こう。

 それはあるドイツ人の大学の講師の問い合わせからはじまった。
 「マンホールにハーケンクロイツ(ナチのマーク、逆卍)が刻印されているものがあるがどういうことか?」という問い合わせがその町の市役所に寄せられた。
 なぜ日本にナチスドイツ軍のマークがあるのだろうか?初めは何のことだか飲み込めなかった役所も次第にどういったことかわかってきた。

つまりこういうことだ
 その町は有名なお寺のある町であった。役所のアイディアでその町のマンホールを新調する際にちょっとしたことをやろう!ということになった。そのアイディアとは「お寺の町なのだからマンホールの中心に卍のマークを入れて見よう!」というものだった。

 カンのいい人はもうわかっただろう!中央に卍を入れる予定だったマンホールであったが型押しを間違えてたのかどうかはわからないがその町のかなりのマンホールがハーケンクロイツマークで出荷されてしまった!しかもドイツ人の講師が気づくまでだれも気が付かなかったらしい!


参考までに白地の方が卍、赤地に白丸の方がハーケンクロイツ

 役所側ではあわてて調査に乗り出し、ハーケンクロイツマンホールの回収をはじめたが、一体町にあるマンホールの何パーセントがハーケンクロイツなのか見当もつかない状態だったらしい。困ったことに全部のマンホールがハーケンクロイツなのではなく、中には卍のもあるのもあるのだ。
 あれからかなりの年月がたったと思うがハーケンクロイツマンホールは回収できたのだろうか?もしかしてひっそりと残っているマンホールがあるのかもしれない....

 ちなみにこれがそのマンホールの「正しい」ほうである。なお、このマンホールの写真は地元のコウウラキ様より送っていただいた。ありがとーっ!

 全然違うマークなのに、ともすると混同してしまうこの二つのマーク。賢明なみりさば読者の方々には、ひっそりと区別の方法を教えましょう。
逆卍はよく見ると「S」が二つ重なったようにも見える。そしてナチスドイツ軍には親衛隊(SS=Schutz-Staffeln)という部隊があるのは皆さんもご存知だと思う。
「ナチスの逆卍はSSのマーク!」

こうやって覚えればもうまちがえないでしょ?