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マディソン

  マディソンの街に入ると白亜の州議事堂の姿が見えて来た。ガソリンスタンドでガソリンを補給して、ウイスコンシンの地図とマディソンの簡単な地図を貰う。まず、マディソン市街を通ってウィスコンシン大学に行く。小さな街だが廻っている時間はない。ミルウオーキーの街にも寄りたいのだから、マディソン市を廻っていたら夕方までシカゴに着かない。マディソンは19世紀に州都として、メンドータ湖とモノーナ湖の狭い地域に人工的に造られた街である。マディソンという名前も、第四代大統領のジェームズ・マディソンにあやかって付けられたものである。ワシントンの国会議事堂そっくりの州議事堂が見えるが、す通りしてウィスコンシン大学に行くことにする。

  ウィスコンシン大学はメンドータ湖の南岸にある。創立は19世紀の中頃であるが、ミネソタ大学よりも2年ばかり早い。大学のマスコットはどのように決められるのか判らないが、ウィスコンシン大のニックネームは「バッジャー」、ミネソタ大は「ゴーファー」。どちらも、地ねずみの一種で、大学のマスコットになっている。

  まず、メモリアル・ユニオン・テラスからメンドータ湖を望む。ここに立つと、湖の見晴らしがよい。とても気持ちがよい。東西に九キロ、南北に七キロくらいの湖だが、春の霞むような日差しのなかで、爽やかな風をうけて白いヨットが湖面に数隻進んでいる。岸辺にはヨットが白い船腹を輝かして、帆をたたんで係留されている。大学としてはいったって環境が素晴らしいところに建っていて、まさに、風光明媚というに相応しい。マディソンの街が大学に付属しているみたいだ。本校はマディソンにあり、分校も州内に9ヶ所ある。大学生の数はミネソタ大学よりも10%ほど少ないが(現時点で4万人くらい)、何れにしろマンモス大学である。

  メモリアルデイと、もう殆ど夏休みに入る時期だから、構内はガランとして、学生が殆どいない。校舎も大半が閉まっている。マディソン校は坂の多いキャンパスだ。バスコムヒルというかなり傾斜のきつい丘の上に、バスコムホールというウイスコンシン大学のシンボル的建物が建っている。中央入り口の上には、6本のイオニア式の白い柱が立っていて、なかなかクラシックな建物である。ここの斜面の芝生では、休日でなければ、日光浴姿の女子学生などで賑わっていることだろう。ここから見下ろすメンドータ湖の眺望はまた格別である。


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ミネソタ大学留学のあと、パリ大学の夏期講座に妻が受講するためパリへ飛び、3ヶ月滞在したときの思い出を探してのブログ手記です。