フライングこゆたん(こゆめ、空を飛ぶ)



 小さなこゆめちゃんに待ち受けていた試練とは!!

 なんと、飛行機での旅でした。

 こゆめが生まれたのは6月初めでしたが、タイムリーにも我が家は6月下旬に北海道に引越してしまうことが決まっていたのです。
 そうなるとこれまでのように新幹線でこんにちは!・・というわけにもいきません。

 カシオペアでこんにちは!とか北斗星でこんにちは!などというなかなか楽しそうな諸プランも頭に浮かびましたが、これはめちゃくちゃ時間がかかります。飛行機で1時間半ガマンするのと、夜行列車で17時間くらいガマンするのとどちらがラクでしょうか。それに、夏季は混んでいるのでカンタンには取れません。

 これはやはり、飛行機に挑戦でしょう。

 ひとりで空の旅は・・とちょっとしぶっていたブリーダーさんですが、たまたま同じ頃に生まれた子がやはり北海道のおうちに行くことが決まりました。
 これはラッキーです。一人旅でなくて二人旅になれば、心細さも半減でしょう。

 現にスオミとアイノは、こちらに引っ越してくるとき当然飛行機で移動したのですが、ふたり一緒のキャリーに入れたのが良かったのか、はじめての飛行機にもまったくびびった様子もなく、スムーズに引越し出来たのでした。

 まさに渡りに舟!・・というか、渡りにヒコーキ!
 ふたりならだいじょうぶ!(・・だと思う。たぶん・・)

 そんなわけで、8月も中旬を過ぎたころ、こゆめは空を飛ぶことになりました。

 こちらに到着したら速攻で連れて帰ってあげるため、もちろん我々は到着予定時間に千歳空港で待機です。
 ドラマならここでもう一波乱あったりなんかして、「大変だわ!こゆめの乗った飛行機がハイジャックに!」とか「車輪が出なくなって胴体着陸!(@「アテンションプリーズ」、知ってる人は年がバレバレ)なんて事件が起こったりするわけですが、もちろんそんなことはまったく起こらず、飛行機はぶじ定刻どおりに到着したのでした。

 さて、犬や猫が飛行機で運ばれると、どうなるか?
 なんと貨物扱いになってしまいます。
 人間が連れて乗るなら、手荷物として到着ロビーで受け取れるのですが、この場合は完全に貨物として貨物用のターミナルへ持ってかれてしまうのでした。なんだか生き物の尊厳的にちょっぴりさびしいですね。

 もちろんそのことは事前にわかっていましたので、我々は貨物ターミナルでこゆめたちが運ばれてくるのを待ちました。

 そしてついに、あやしくフロシキで包まれたキャリーバッグが!!
 あれだ!あれだよ!!

 そしてそのバッグにつけられた荷物タグを見てびっくり!

 そこにはマジックの雄渾な筆跡「活猫」と書いてあったのです。

 活猫・・・・
 なんだか、とれとれぴちぴちです。

 これを目にしたとたん、瞬間的にワタシの脳裏に「活魚割烹」とか「活魚専門店」などの類義語がぐるぐると駆け巡ったことはいうまでもありません。

 ちなみに前回スオミとアイノが飛んだときは、「猫」としか書かれませんでした。
 そうするともしやこれは、空港職員さんのナイスギャグだったのでしょうか。謎です。

 ともかく、このようにして活猫・こゆめはぶじ北海道に上陸したのでした。

        

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