ああ幼な夫(2001年10月某日)
育児日記、最初のページはお父さんの話からスタートしたい。
コドモを産むということは、当然パパが存在するのである。いくらこゆめがかわいくても、タイミング的にあと数日でクリスマスだというこの時期であろうとも(なにか関係が・・・?)、マリア様のように単性生殖はできないのである。
では、ダレがこゆめの夫なのか???
はい、この人です。

ぼくカール。うまれて9ヶ月なんだよ。すぴー。(12月現在) |
・・・・・・・
何度見てもなさけなくなるこのあかんぼぶり。
「幼な妻」ならぬ、恐怖の「幼な夫」・カールあかおである。
やっとこのあいだ生後9ヶ月になったのだが、いまだにワタシのひざの上で自分のおなかを「ちゅぱちゅぱちゅぱ・・・」と吸いながら両手を派手にもみもみする赤ん坊猫カール!
よもやコイツが妙齢の美女・こゆめの夫になろうとは、誰が想像したであろうか。
運命の時は、まだワタシが北海道にいた肌寒い秋の日の早朝にやってきた。
相変わらず昼夜逆転の国内時差生活を送っていたワタシが、そろそろ寝ようかなぁと思った頃である。
突然隣室から、これまで一度も聞いたことがない野生の叫びが!
擬音で表現するなら「うぐるあぁあお!」・・・というカンジだ。明らかに尋常ではない。
!?
ワタシはものすごくイヤな予感がして、大慌てで様子を見に飛んでいった。
そこにワタシが見たものは!
座り込んで片足かついでぺろぺろと自分の股間をなめるこゆめと、「あれ?あれ??なんだろう。いまのなんだろう。なんかヘンだなぁ」と言いたげに、大量のクエスチョンマークを飛ばしながらジブンのお○んちんを無心になめるあかおの姿が・・・!!
あ、あかお・・・
こゆめ・・・・・・!
やっちゃったのね。
ワタシは脱力した。
年頃の息子の部屋を掃除していたらエロ本を発見してしまった母というのはこんなキモチがするものだろうか。それとも年頃の娘の部屋をがちゃっと不用意に開けたら中で娘が(以下自主規制)。
実は、もともとこゆめは一度だけこどもを産ませる、という約束をしていた猫だった。
母猫ゆめちゃんの最後の娘になるかもしれない子だったうえに、なんだかとってもかわいく♪生まれついたので(・・・・・)、うちにもらいうけるときから「一回だけこゆめちゃんの子を見せてね」と言われていたのである。そりゃこゆめはカワイイからね、ムリもありませんね。ほほほほ。(←今日もおやばか)
しかしこゆたんは体のサイズも母譲りでちょっぴり小柄な子だったし、スオミのときと比べても発情がきつくないというか淡々としているというか、発情っぽくはなるんだけれどもイマイチ「きたぁ!」という感じにならない。少々不定愁訴して「うるにゃーん」と訴えることはあっても、遊んであげれば気がまぎれちゃう程度のものなのである。スオミのときはこんなもんじゃなかった。四六時中「ヘンなの!わたしヘンなの!きもちわるいのーーー!!」とカワイイ声でにゃーにゃーにゃーにゃー訴えてくるので、こっちがノイローゼになりそうだったっけ。・・・・
そんなすおちゃんの時と比べるとこゆめの発情は甘い。甘すぎる。不二家のケーキのように甘い!
それに結局のところこゆめはゆめちゃんの最後の子にはならなかった。
その後ゆめちゃんはもう一度だけこねこを産んだのだが、その中のいっぴきが他のブリーダーさんのところにお嫁入りしていた。つまりゆめちゃんの血を残してくれる子はちゃんと他にも出来ていたのである。
それだったら、なにもワタシみたいなシロートの家で出産させなくてもいいもんなぁ。まだコドモとはいえカールというれっきとした男の子もやってきたことだし、手術するなら早いほうがいいんじゃないかな。
そこでワタシはまさにその頃ブリーダーさんと「やっぱり避妊しちゃおうかねぇ。いいよね?」という相談をしていたところだったのである。
皮肉にもそんなときに、まさか!!!
っていうか、カーール!!
オマエはいくつだ。生後7ヶ月だぞぉ!?
たしかにこゆめはこのところまた少し発情っぽかったのだが、まさかこんなあかんぼ猫とマチガイが起こるとは思ってもみなかった。この件に関しては、すっかり油断していたワタシに全面的に責任があることは疑いようもない。
ふたりのあやしい様子を目撃して「ああ、やっちゃったのかな・・・」と思ったものの、非常にタイミングの悪いことに、ちょうどそのときブリーダーさんは猫仲間の皆さんと一緒に北欧に猫旅行をしている最中だった。いいなぁ、猫旅行。・・・じゃなくって!
ブリーダーさんたちが帰ってくるまで、だれにも相談できないよ・・・
ほんとに、なんてとことんタイミングが悪いんでしょう。前世の悪事の報いだろうか。(←?)
悶々とするワタシであったが、ここで「待てよ」と思い直した。
確かにそれらしい声と、事後らしい行動を見てしまった。しかしまだ現場をおさえたわけではなーい!
もしかしたらワタシの気のせいかもしれないよね。そうだ、そうだよ!
あかおはその事件のあとも「きゅーん」とかいいながらワタシの膝に飛び乗ってきて、もみもみちゅぱちゅぱしながらうっとりしていたし。確かに図体はでかいけど、いくらなんでもこんなあかんぼ猫がこゆちゃんに乗っちゃうなんてことはないよねぇ。
そう自分を誤魔化すワタシであったが、その希望を打ち砕くような事件がすぐに起こったのである。
その日の夜トイレに行こうとしたときなにげなく目をやった薄暗い廊下の奥に、ワタシはおそろしいものをみてしまった。
あれ、だれかいるよ。なんか様子が変だなぁ。ヘン・・・っていうか!!
いままさにこゆめに乗っているカールあかおーーー!!
「あーっ!」と叫んだワタシはすぐに駆け寄ろうとしたが時すでに遅く、こゆめが「うびゃーっ!」と怒りの声をあげて飛びのいていた。
ああ・・・・・・・
みちゃった♪うふふふ。(←動揺のあまりおかしくなっている)
でもこゆたん、あかおのこと殴らなかったね。モノの本には「交配のあと、メスはオスを殴ったり噛み付いたりします」と書いてあったけど。こゆたん、いい子だね。
・・・などと混乱して世迷言いってる場合ではなーい!
よもや本当に生後7ヶ月になったばかりのカールが交配できちゃうとは。生後7ヶ月っていったら、ニンゲンでいえば小学校高学年くらいじゃないのか?ひかえめにいってもせいぜい中学生くらいだろう。早熟だ。早熟すぎる!
これって、ニンゲンでいったらアレだよね。
「美人女子大生の家庭教師に誘われて、ついいけない関係になってしまった中学生」!!
まるでAVだ。な、なさけない・・・
依然として自分がやっちまったことをよく理解してない様子で「あれれ?あれ?なんだろ、今のなんだろう。」と不思議そうにぺろぺろ股間をなめるカールあかおをみつめて、事態のあまりのまぬけさに呆然と立ちつくすワタシであった。
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